特開2015-182012(P2015-182012A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-182012(P2015-182012A)
(43)【公開日】2015年10月22日
(54)【発明の名称】グリスフィルターの洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   B08B 3/08 20060101AFI20150925BHJP
   C11D 17/06 20060101ALI20150925BHJP
   C11D 3/395 20060101ALI20150925BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20150925BHJP
   B08B 3/10 20060101ALI20150925BHJP
   B08B 3/04 20060101ALI20150925BHJP
   B01D 41/04 20060101ALI20150925BHJP
【FI】
   B08B3/08 A
   C11D17/06
   C11D3/395
   C11D17/04
   B08B3/10 Z
   B08B3/04 Z
   B01D41/04
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-60834(P2014-60834)
(22)【出願日】2014年3月24日
(71)【出願人】
【識別番号】506191149
【氏名又は名称】エアコン丸洗い株式会社
(72)【発明者】
【氏名】西村 直人
(72)【発明者】
【氏名】西村 裕二
【テーマコード(参考)】
3B201
4H003
【Fターム(参考)】
3B201AA46
3B201AB03
3B201AB38
3B201AB43
3B201BB01
3B201BB05
3B201BB92
3B201BC05
3B201CB11
3B201CC01
3B201CC11
4H003BA09
4H003BA21
4H003DA05
4H003DB02
4H003DC01
4H003ED02
4H003EE05
4H003FA04
(57)【要約】
【課題】
作業者の安全と廃液処理を考慮した、環境に配慮した厨房用グリスフィルターの洗浄方法を提供する。
【解決手段】
本発明では、グリスフィルターを収納できる、軟質防水性の特殊バッグを設計、製作し、その中に被洗浄物と粉末状の洗剤剤および60℃程度の熱湯を入れ、防水ファスナーを閉めて、60分程度浸け置する。その後、上下に振動、撹拌することで、油脂汚れをグリスフィルターから剥離する洗浄方法を特徴にしている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厨房用グリスフィルターに付着した油脂汚れを洗浄する方法において、当該厨房用グリスフィルターを収納する軟質防水性のバッグ内に被洗浄物である厨房用グリスフィルターと粉末状の洗浄剤及び熱湯を入れ、30~60分程度の浸け置き後、軟質防水性のバッグを上下に振動して撹拌後、浮き出た油脂汚れを清水で洗い流す工程を特徴とする厨房用グリスフィルターの洗浄方法。
【請求項2】
前記した洗浄剤には、過炭酸ナトリウム約70%(重量%)、炭酸水素ナトリウム約30%(重量%)の粉末状の混合物を使用することを特徴とする請求項1に記載の厨房用グリスフィルターの洗浄方法
【請求項3】
前記軟質防水性のバッグの外側表面には、特殊セラミック塗料を塗布することを特徴とする請求項1に記載の厨房用グリスフィルターの洗浄方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、厨房の排気ダクト等に設置され、厨房から発生する油脂のミストなどを除去して油分を回収するために用いられる厨房用グリスフィルターの洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
厨房から発生する油脂の蒸気やミストが排気ダクトに付着し、排気ダクト内に堆積して排気効率を低下させたり、付着した油脂が火災の伝播を引き起こしたりして、厨房内の環境悪化や火災時の災害拡大に繋がるという問題があり、これを防止するため厨房の排気ダクトにグリスフィルターを設置し、油脂を回収することが行われている。
飲食店の稼動状況に相応して、グリスフィルターは油脂で汚れるので、対応して洗浄を定期的に繰り返して使用している環境がある。
【0003】
グリスフィルターの洗浄方法は、飲食店側で洗浄する場合は市販の苛性ソーダ入りの強アルカリ水溶液を60℃以上の熱湯で希釈、油脂汚れの程度に応じて、30~60分程度この液に浸け置き後、プラスティック製ブラシあるいは金属製ブラシ等でブラシング後、油脂を清水で洗い流している状況が一般的である。
【0004】
また、専門の洗浄事業者、レンタル方式の事業者に委託する場合は、レンタル事業者が契約先の飲食店に出向き、グリスフィルターを交換・回収、専門の洗浄工場に運搬して、上記と同じような高温60℃の強アルカリ液に60分程度浸け置き、その後、高圧洗浄機の水圧でグリスフィルターの内部にある油脂を排除している状況がある。
【0005】
上記したシステムにおいては、いずれも苛性ソーダ入りの強アルカリ液を高温度にして、この洗浄液にグリスフィルターを浸け置きして、さらに機械的な力、人力によるブラシングあるいは高圧洗浄機の水圧等を加えて、油脂を洗浄、除去している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
上記した課題を解決する先行特許を調査したところ、特許文献は発見できなかった。イ
ンターネット上で検索した結果は、上記に記載した洗浄方法を採用している事業者が多いことを理解できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の強アルカリの洗浄液を使用した洗浄方法は、確かに洗浄力はあるが、作業者と
地球環境に次のような大きな負荷を与えている課題がある。
課題1:苛性ソーダ液が、作業者の眼に入ると失明の恐れがある。皮膚に付着すると炎症を起こすので、非通水性のゴム手袋の着用は必須である。
課題2:強アルカリの苛性ソーダ液は、水質汚濁防止法により下水には流せない危険物である。廃液処理は、都道府県知事認可の産業廃棄物事業者に処理を委託する必要があるので、その分の処理費用がかかる。
課題3:このような危険な洗浄剤を飲食店で使用すること自体が、大きなリスクである。万一、食材に交じった場合のトラブル処理は大変高価な代償を支払うことになることは予測できることである。
したがって、レンタル方式の専門事業者に洗浄作業を委託する飲食店が多い状況を理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記の課題1〜3に鑑みてなされたもので、請求項1に記載の発明は、飲食店側で料理人達が当該グリスフィルターの油脂汚れを洗浄する場合の洗浄方法に関する。
当該グリスフィルターを収納できる軟質防水性のバッグを設計、製作して、その中に、被洗浄物のグリスフィルターを入れ、同時に粉末状の洗浄剤と60℃の熱湯を入れて、
30〜60分程度浸け置きする。その後、上下にバッグを振動後、グリスフィルターをバッグから取り出し、剥離した油脂を清水で洗い流す。
【0009】
請求項2に記載の発明は、苛性ソーダの洗浄液に替えて、作業者と環境に配慮した粉末状の洗浄剤、過炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの粉末の混合物、を使用することを特徴にした請求項1に記載の洗浄方法である。
なお、発明者らの苛性ソーダ洗浄液と当該粉末洗浄剤との薬剤の性能比較検査結果では、洗浄液及び洗浄剤の油脂汚れに対する洗浄力は同等以上であった。
【0010】
請求項3に記載の発明は、当該軟質防水性のバッグの外側表面に断熱性を有する特殊セ
ラミック塗料を塗装することによる洗浄性能を高めることを目的にした請求項1に記載の
洗浄方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1では、当該グリスフィルターを収納するバッグを設計、製作し、その中に被検査物グリスフィルターと粉末状洗浄剤及び60℃以上のお湯を入れ、30〜60分程度の浸け置き洗浄後、バッグに上下の振動を与え、油脂汚れを浮かせ、清水で洗い流す。なお、粉末洗浄剤は、安全性の高い、素手で触っても問題ない、過炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの混合物である。したがって、厨房の料理人達が、当該グリスフィルターを定期的に安全に洗浄できる効果がある。
【0012】
請求項2においては、危険な苛性ソーダ液に替えて、粉末状の洗浄剤、過炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの粉末状混合物を採用した洗浄システムとしている。
粉末状の洗浄剤は、40〜60℃の熱湯で洗浄効果を発揮するものである。過炭酸ナトリウムが熱湯と反応するときに、酸素ガスの泡が発生、酸素を含んだ泡が油脂を分解、グリスフィルターから引き離す。同様に、炭酸水素ナトリウムも熱湯と反応して、二酸化炭素ガスの泡を発生、この泡が油脂をグリスフィルターから引き離す効果を発揮する。
40℃以下の常温では、洗浄力が半減するので、熱湯で粉末状の洗浄剤を溶解することがポイントである。
【0013】
本発明の請求項3では、粉末状の洗浄剤の洗浄力を保持するための工夫である。バッグの外側表面に特殊セラミック塗料を塗ることにより、保温力を向上させる。粉末洗浄剤の洗浄力を維持、洗浄時間の短縮、合理化を図るためのものである。
なお、粉末の洗浄剤は、熱湯を注いで反応した時点が最大の洗浄能力を発揮するもので、時間の経過とともに減少、水となるものである。バッグに保温力を維持させることは洗浄力を高める効果がある。
【0014】
前記した請求項1〜3により、課題1〜3を解決して、作業者の安全性確保及び廃液は下水に流せる環境配慮型のグリスフィルターの油脂汚れの洗浄方法を提供する効果がある。
すなわち、次の特徴1〜5を有する洗浄方法の提供である。
特徴1:従来と同等以上の洗浄力で、作業者の安全及び地球環境への負荷の小さい、グルスフィルターの油脂汚れを定期的に洗浄する方法の提供である。
特徴2:洗浄後の廃液は、粉末状の混合物洗浄剤はpH10程度(1%水溶液)のアルカリ液、10倍に水で希釈すれば、ph9以下の水質汚濁防止法の基準値に適合する。あるいは微量のクエン酸(食品添加物)で中和処理できるものである。
特徴3:防水性のある特殊バック内で浸け置き、さらに上下振動を加えることにより、油脂汚れがグリスフィルターから容易に離脱するシステムとなっているので、ブラシング工程、あるいは高圧洗浄による洗浄等の工程を省略、洗浄時間の短縮ができる。
特徴4:また、過炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムは汎用の漂白剤、食品添加物として広く市販されている化学薬品であるので、比較的安価に入手できる。
当該粉末洗浄剤は、使用する際に40℃以上の熱湯で溶解することがポイントである。
特長5:収納バッグへの特殊セラミック塗料の塗布により、洗浄力を高めることができるので、グリスフィルターをきれいに、短時間で洗浄する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明におけるグリスフィルターの設置状況の説明図である。
図2図2は、本発明の実施例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の詳細を以下、図1図2により記述する。
図1は、厨房内のミスト状の油脂汚れを排気するシステム1の構成を説明するための図である。
図1において、厨房内に設置されているフード4内に、グリスフィルター2、3は内蔵されている。
厨房内で発生するミスト状の油脂汚れは、グリスフィルター2、3を通過して、排気ダクト5を通って、屋外に排気されるようになっている。排気ファン6は、排気ダクト5の屋外側に設置され、フード4内に発生したミスト状の油脂を屋外に排気する。
【0017】
グリスフィルター2,3は徐々に油脂で汚れてくるので、厨房の使用環境に対応して、定期的に洗浄する必要がある。
【0018】
次に、グリスフィルター2,3の洗浄方法について図2により本発明の請求項1及び請求項2を説明する。
図2の11は、本発明のバッグ11で軟質防水性の部材、塩化ビニール樹脂等で形成しているものである。
図2において、12、13はバッグ11の把手であり、14はグリスフィルター2,3を出し入れするファスナーで、防水性のものである。
【0019】
グリスフィルター2,3はファスナー14を通してバッグ11内に収納されている。粉末状洗浄剤15と60℃程度の熱湯を、被洗浄物が浸かるようにファスナー14から入れる。そして、30〜60分程度洗浄液にグリスフィルター2,3を浸け置きする。
【0020】
浸け置き工程が終了したら、バッグ11の把手12,13を持って、バッグ11を上下に振動させ、油脂汚れをグリスフィルター2,3から剥離する。その後、清水で油脂汚れを洗い流す。
水切り後、乾燥させて、グリスフィルター2,3を元の位置、厨房のフード内4に設置する。
【0021】
なお、グリスフィルター2,3は別途グリスフィルターが入る大きさのビニール袋に収納、その中に粉末状洗浄剤15及び熱湯を入れて密封する。
前記した作業工程が完了したら、ビニール袋ごと取り出し、水で薄め、廃液を下水に流し、処理する。このようにすることで、さらに安全に能率良くグリスフィルター2,3を洗浄することができる。
【0022】
粉末状の洗浄剤15は、過炭酸ナトリウム約70%(重量%)、炭酸水素ナトリウム30%(重量%)の混合物である。過炭酸ナトリウムが50%以下の割合では洗浄力が低いので、上記の割合の粉末洗浄剤を好適とする。
【0023】
当該粉末洗浄剤15は、40℃以上の熱湯で溶解、酸素ガス、二酸化炭素ガスを発泡して、油脂を剥離する。なお、厨房は、40℃以上の熱湯を入手できる給湯設備を備えた環境にあるので好適である。
【0024】
次に請求項3を説明する。
請求項3は、図2における、バッグ11の外側表面に断熱性のある特殊セラミック塗
料(一般には遮熱塗料とも言う)を塗って、保温性アップによる洗浄力の向上を目的にしたものである。
セラミック塗料は0.5ミリ程度の塗装膜の厚さでも、断熱効果が大きい特性があるの
で、バック11の表面に塗ることにより軽くて、断熱性のあるバッグとなる。
したがって、短時間でグリスフィルター2、3の油脂汚れを洗浄処理することができる
ので、洗浄コストの低減につながる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0025】
グリスフィルターの素材は、セラミックあるいはステンレスである。油汚れを処理する必要がある金属加工部品の洗浄等への応用がある。
【符号の説明】
【0026】
1 グリスフィルターの設置状況を説明するシステム構成
2 グリスフィルター
3 グリスフィルター
4 フード
5 排気ダクト
6 排気ファン
11 バッグ
12 把手
13 把手
14 ファスナー
15 粉末洗浄剤
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2014年8月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明の請求項1では、当該グリスフィルターを収納するバッグを設計、製作し、その中に被洗浄物グリスフィルターと粉末状洗浄剤及び60℃以上のお湯を入れ、30〜60分程度の浸け置き洗浄後、バッグに上下の振動を与え、油脂汚れを浮かせ、清水で洗い流す。なお、粉末洗浄剤は、安全性の高い、素手で触っても問題ない、過炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムの混合物である。したがって、厨房の料理人達が、当該グリスフィルターを定期的に安全に洗浄できる効果がある。
【手続補正書】
【提出日】2015年2月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厨房用グリスフィルターに付着した油脂汚れを洗浄する方法において、
当該厨房用グリスフィルターを収納する軟質防水性のバッグ内に被洗浄物である前記厨房用グリスフィルターと、過炭酸ナトリウムがX%(重量%)であり炭酸水素ナトリウムがY%(重量%)の粉末状の混合物からなる洗浄剤(但し、Xは50以上であり、かつX+Y=100であるものとする)及び熱湯を入れ、30〜60分程度の浸け置き後、前記軟質防水性のバッグを上下に振動して撹拌後、浮き出た油脂汚れを清水で洗い流す工程を特徴とする厨房用グリスフィルターの洗浄方法。
【請求項2】
前記洗浄剤には、過炭酸ナトリウム約70%(重量%)、炭酸水素ナトリウム約30%(重量%)の粉末状の混合物を使用する
ことを特徴とする請求項1に記載の厨房用グリスフィルターの洗浄方法。
【請求項3】
前記軟質防水性のバッグの外側表面には、特殊セラミック塗料を塗布する
ことを特徴とする請求項1に記載の厨房用グリスフィルターの洗浄方法。