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特開2015-182818真空補助ろ過に適する容器及び容器係合部材
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-182818(P2015-182818A)
(43)【公開日】2015年10月22日
(54)【発明の名称】真空補助ろ過に適する容器及び容器係合部材
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/04 20060101AFI20150925BHJP
   B65D 51/24 20060101ALI20150925BHJP
【FI】
   B65D41/04 A
   B65D41/04 D
   B65D41/04 E
   B65D51/24 Z
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-53896(P2015-53896)
(22)【出願日】2015年3月17日
(31)【優先権主張番号】61/968,532
(32)【優先日】2014年3月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/641,843
(32)【優先日】2015年3月9日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】504115013
【氏名又は名称】イー・エム・デイー・ミリポア・コーポレイシヨン
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】クリス・スコット
(72)【発明者】
【氏名】クルト・グリーニゼン
(72)【発明者】
【氏名】ポール・シドロフスキー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ・ドイル
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AA24
3E084AA25
3E084AA26
3E084AB01
3E084AB10
3E084BA01
3E084CA01
3E084DA01
3E084DB12
3E084FA09
3E084FB01
3E084FB05
3E084FB07
3E084FB08
3E084GA02
3E084GB02
3E084GB12
3E084JA09
3E084JA20
(57)【要約】
【課題】従来装置が、ろ過が完了した後、ボトル又は容器をフィルターから外すのに1〜2回転を要求する。
【解決手段】容器及び容器係合部材。容器係合部材が、サンプルホルダー又はリザーバー、ろ過エレメント及びカラーを含む。組み立てられた状態においては、サンプルホルダー又はリザーバーが、ろ過エレメントの上流にあり、容器がろ過エレメントの下流にあり、サンプルホルダー又はリザーバーが容器に取り付けられる。容器係合部材は、単なる90度、1/4回転といった、クイックアタッチ、クイックリリースの態様で、ボトル又は容器に係合可能及び非係合可能である。係合が完了したことの触感及び/又は聞き取り可能な指標が提供される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器及び容器係合部材であって、前記容器が、容器本体と開口した首部を有し、前記開口した首部が、前記首部から放射状に延びる複数の離間した非連続のタブを備え、前記容器係合部材が、首部係合部材を有する本体を備え、前記首部係合部材が、前記首部と前記首部係合部材の相対的な回転で前記離間した非連続のタブに係合するように構成された複数の離間した非連続のねじ山を備える、容器及び容器係合部材。
【請求項2】
前記複数のタブが、複数のスタック対に位置付けられ、各スタック対が、別のスタック対から均等に離間される、請求項1に記載の容器及び容器係合部材。
【請求項3】
各スタック対が、上部タブ及び下部タブを含み、前記下部タブが、前記上部タブに対して、平行であり、配列され、及びその直下に位置付けられる、請求項2に記載の容器及び容器係合部材。
【請求項4】
各タブが、垂直部までの下方傾斜の傾斜部を備える、請求項2に記載の容器及び容器係合部材。
【請求項5】
前記容器係合部材が、前記容器を閉じるためのキャップを含む、請求項1に記載の容器及び容器係合部材。
【請求項6】
前記容器が、前記首部から半径方向外側に延びる外周フランジを更に備え、前記フランジが、複数の離間したタブを備える、請求項1に記載の容器及び容器係合部材。
【請求項7】
各タブが、前記フランジから上方及び前記首部から半径方向外側に延びる放射状に延びる上部と、前記フランジから半径方向外側に延び、自由端で終端する放射状に延びる下部を備える、請求項6に記載の容器及び容器係合部材。
【請求項8】
前記首部係合部材は、前記タブと協働して前記首部と前記首部係合部材の間のスナップ・フィット係合を形成する、隆起したスナップ玉部、凹部、及び隆起した停止部材を備える、請求項6に記載の容器及び容器係合部材。
【請求項9】
前記首部係合部材が、少なくとも一つの回転制限部材を備え、前記首部係合部材から軸方向に延び、前記フランジ上の前記タブに接触し、前記首部係合部材と容器の一つの方向の相対的な回転を阻止する、請求項6に記載の容器及び容器係合部材。
【請求項10】
前記首部係合部材が、片持ち梁スナップロック部材と、隆起した停止部材を備え、前記片持ち梁スナップロック部材が、前記隆起した停止部材から半径方向外側に位置付けられる、請求項6に記載の容器及び容器係合部材。
【請求項11】
容器に係合部材を係合する方法であって:
容器本体と開口した首部を有する容器を提供し、前記開口した首部が、前記首部から放射状に延びる複数の離間した非連続のタブを備える;
首部係合部材を有する本体を備える容器係合部材を提供し、前記首部係合部材が、前記首部と前記首部係合部材の相対的な回転で前記離間した非連続のタブに係合するように構成された複数の離間した非連続のねじ山を備え、また前記首部係合部材から軸方向に延びる少なくとも一つの回転制限部材を備える;
前記容器上に前記容器係合部材を位置付け、前記少なくとも一つの回転制限部材が、前記首部の前記離間した非連続のタブの間の領域に位置付けられる;
前記首部係合部材に関して前記容器を90°回転し、前記容器の前記タブを前記首部係合部材の前記ねじ山に係合する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2015年3月9日に出願された米国特許出願シリアルNo.14/641,843及び2014年3月21日に出願された米国仮出願シリアルNo.61/968,532の優先権を主張し、これらの開示が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に開示の実施形態が、概して容器及び容器係合部材に関し、ある実施形態においては、真空フィルター装置に関し、特には、一つの容器からメンブレンを介して液体をフィルタリングし、別の容器内へ直接的にろ液を流すためのそのような装置に関する。
【背景技術】
【0003】
実験室サンプルを濃縮、分離、及び/又は精製するために、多数の実験室装置がろ過を実行するために開発されている。研究者は、ルーチンとして、他の調査研究の前、それらのサンプルを濃縮する必要がある。生体液をフィルタリングするための装置は、概して3つの主コンポーネント、すなわち、2つの管の間に介在するメンブレンフィルター、フィルターされるサンプル溶液を保持するためのメンブレンの上流に設けられたフィード容器、フィルターされたサンプル溶液を収集するためのメンブレンフィルターの下流に設けられたろ液容器を含む。典型的には、真空がメンブレンの下流に引かれ、フィルターに亘る圧力差を生成することによりろ過率が高められる。
【0004】
幾つかの装置設計が、ろ液容器内へ液体試料をフィルタリングするために為されている。これらが、典型的には、ウシ胎仔血清、組織培養媒体及び同種のものといった生体液を浄化及び殺菌するために用いられる。ある慣行の装置においては、ユーザーが、保存管からフィルター装置へ液体試料を移す。EMD Milliporeから商業的に入手可能であるSTERICUP(登録商標)システムといった真空ろ過システムが、細胞培養媒体、バッファー、及び試薬の除菌に理想的に適する。この装置が、送り筒(feeding 筒)のサイズに基づいて1リットルの最大の未ろ過量を取り扱うことができる。フィード及びろ液保存管の容量により決定されるように、大量のものが連続処理される。
【0005】
真空ろ過のためのコンポーネントの配置が様々な形態を取ることができる:しかしながら、特に実験式のセッティングにおいては、使用の簡単さのため、減じられた保存要求及び最小の消耗品のハードウェアが、生体液のこぼれを避けるように重要な関心事である。ある他の用途においては、ろ過される溶液の無菌状態を保存することも重要である。
【0006】
ろ過カラーに取り付けられた筒及び蓋と、取り付けられた容器を含む、様々な一回使用の、使い捨て可能な、除菌装置が商業的に利用可能である。これらの装置の大半が、150ml〜1000mlの範囲の量を処理することができ、ろ過カラーアセンブリーに取り付けられる筒及び蓋を含むろ過上部構造(filtration top)を提供し、既存のボトル又は容器上に組み付けることができる。アセンブリーが、パッケージされたボトルキャップで包装され、ガンマ線滅菌といったものにより滅菌される。従来装置が、ろ過が完了した後、ボトル又は容器をフィルターから外すのに1〜2回転を要求する。ボトル又は容器が媒体で充填されるため、この操作が、可能性としてサンプルの汚染と同様、液だれ、漏れなどに繋がり得る。サッシが10〜18”開であり、操作が特に困難である層流細胞培養フード(laminar flow cell culture hood)で動作する時に特に当てはまる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
先行技術の問題が、用途がろ過のみに限定されないが、サンプルの大容量のろ過へ特に有用である装置を提供する本明細書に開示された実施形態により解決される。ある実施形態においては、装置が、簡便及び信頼性の高い態様で急速な高品質なサンプルの分離又は浄化を提供し、様々な装置の部品の係合及び非係合を簡素化する。ある実施形態においては、装置が閉じられることの保険が提供され、容器係合部材が完全に係合されることのフィードバックがユーザーに提供される。ある実施形態においては、装置が、容器及び容器係合部材を含む。ある実施形態においては、容器係合部材がカラーを含み、サンプルホルダー又はリザーバー又は筒と、メンブレンといったろ過エレメントを含み得る。組み立てられた状態において、サンプルホルダー又はリザーバーがろ過エレメントの上流にあり、容器が、ろ過エレメントの下流にあり、またサンプルホルダー又はリザーバーが容器に取り付けられる。ある実施形態においては、容器がろ液ボトルである。サンプルホルダーのサンプルを真空といった駆動力に晒す時、リザーバーからサンプルがろ過エレメントを通じて容器内へ流れる。ある実施形態においては、容器係合部材が、容器キャップを含む。ある実施形態においては、容器係合部材が、90度、1/4回転のみでといった即時の取り付け、即時の解放の態様でボトル又は容器から係合可能及び非係合可能である。コンポーネントの係合又は非係合のために90度、1/4回転だけ要求されるため、ユーザーの手/指が、コンポーネントを係合又は非係合にするために装置から離れる必要がない。ある実施形態においては、係合が完了したことの触感指標が提供される。ある実施形態においては、係合が完了したことの可聴指標が提供される。ある実施形態においては、容器係合部材が、同様の可聴及び触感指標で、同様に容器に係合可能及び非係合可能である容器キャップである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、ある実施形態に係る容器の斜視図である。
図2図2は、ある実施形態に係る図1の容器の首部の拡大斜視図である。
図3A-3B】図3Aは、ある実施形態に係る容器係合部材の下部斜視図であり、図3Bは、ある実施形態に係る容器の首部の斜視図である。
図3C図3Cは、ある実施形態に係る容器の首部の外面上のタブの断面図である。
図4図4は、ある実施形態に係る、部分が詳細に図示された容器係合部材の下部斜視図である。
図5図5は、ある実施形態に係る、部分が詳細に図示された容器の斜視図である。
図5A図5Aは、ある実施形態に係る容器係合部材に係合した容器の部分拡大斜視図である。
図5B図5Bは、ある実施形態に係る容器に係合及びシールされた係合部材の斜視図である。
図6図6は、ある実施形態に係る容器係合部材の下部斜視図である。
図7図7は、ある実施形態に係る容器係合部材の拡大下部斜視図である。
図7A図7Aは、ある実施形態に係る容器に係合及びシールされた別の係合部材の斜視図である。
図8図8は、ある実施形態に係る容器係合部材の部分拡大下部斜視図である。
図9図9は、ある実施形態に係る容器係合部材に係合した容器の部分拡大斜視図である。
図10A-10C】図10A、10B、及び10Cは、ある実施形態に係るスナップロック特徴を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず図1を参照すると、ある実施形態においては、図示のように開口頂部(open top)11を有する容器又はハウジング10が図示される。図示の実施形態においては、容器10が、概して円筒状の単一部材のハウジングであり、容積限度(volume capacity)に特段の限定はないが、500ミリリットルといった相対的な大量のサンプルを保持することができる。ある実施形態においては、容器10が、ポリスチレン、ポリカーボネート、多数のPET類(例えば、PETG、PETE)、及びポリオレフィン、特にポリプロピレンといったプラスチックから成るが、(コストと真空強度を念頭において)操作に有害ではない他の適切な材料からも成り得る。
【0010】
図2は、容器10の首部13のある実施形態の詳細を示す。ある実施形態においては、首部13が、概して円筒状であり、容器10の本体12から延びる。首部13が11で開口し、容器10の内部へのアクセスを許容する。首部13の外面が、複数の離間したタブ14を含み、各々、タブ14a、14b、14c、14dと符号付けされ(図示の4つ)、首部13の外面から径方向外側へ延びる。ある実施形態においては、6つの離間したタブがあり、3つのスタック対に配置され、各々のスタック対が別のスタック対から離間される。ある実施形態においては、タブのスタック対の間隔が、成形性と機能(安定性とねじ山潰れの回避)の間のバランスを達成するために決定される。各スタック対が、上部タブ(例えば、14a)及び下部タブ(例えば、14b)を含み、下部タブが、上部タブに対して、平行であり、配列され、及びそのちょうど下に配置される。ある実施形態においては、各タブが、首部13から半径方向外側に同じ程度で延び、同様の形状である。ある実施形態においては、各タブの反対端部らが、お互いに向かって内側にテーパー付けられる。ある実施形態においては、タブの2つのスタック対におけるタブが、第3のスタック対のタブよりも長さが短く、配向が一つの方向であり、容器と係合部材が整合することを保証する。ある実施形態においては、2つのスタック対のタブが、等しい長さの第3のもののタブよりも長さが短い。図3Cに見られるように、ある実施形態においては、タブが、垂直部25までの下方に傾斜する傾斜部24を含み、また平坦な下部26を有する。タブは、お互いについて非連続である。ある実施形態においては、各スタック対が、首部13の開口端の下に異なる距離で配置される。換言すれば、下部タブのそれぞれが結合されるとすれば、その結果の仮想的な環状リングが、首部13の開口端に関して角度付けられるだろう。同様に、上部タブのそれぞれが結合されるならば、その結果の仮想的な環状リングが、首部13の開口端に関して角度付けられるだろう。ある実施形態においては、首部13の開口端に関する2つの仮想的なリングの角度が同一である。
【0011】
90°の1/4回転でタブが適切な係合部材に係合及び非係合し、全360°又はそれ以上で慣例の係合部材(例えば、0.1667インチのピッチの標準の片ねじ山)に係合できるようにタブ14のピッチが設定される。ピッチは、全360°回転に対応するz軸(深さ)の動きとして規定される。ねじ山の発端(第1ねじ山の深さで開始する)とねじ山リード(第1ねじ山が始まるところの角度)は、クリックが係合した後、及び係合部材シール48が完全に係合した後、停止が従事することを保証するために構成される。より詳細には、ある実施形態においては、図5Bに図示のように、フォームガスケット(foam gasket)といったシール48が、それが容器上に本体12に対して回転される時、カラー40により圧迫され、首部13の解放端の平坦面に接触するように配置される。同様に、図7Aに示されるように、ある実施形態においては、キャップ60が、ボトル首部13の内壁に係合する突出するリング構造から構成され、圧迫される時にシールを形成するシール48’を含む。
【0012】
首部13は、半径方向外側に延びる外周フランジ30も含む。ある実施形態においては、フランジが、タブ14よりも長い距離で半径方向外側に延びる。ある実施形態においては、フランジ30が、首部13の下部から離間される;つまり、それが、首部13が容器10の本体12に移行する領域の直上に配置される。ある実施形態においては、フランジ30が、2つの離間したタブ31a、31bを含み、好適にはお互いに180°離間される。各タブが、放射状に延びる上部32を含み、この上部32が、フランジ30から上方に延び、またフランジ30の延在と同程度で首部13から半径方向外側に延びる。各タブが、放射状に延びる下部33も含み、この下部33が、フランジ30の縁から半径方向外側に延び、自由端34で終端する。以下に説明のようにカラー40上のある要素と協働して、タブ31a、31bが、カラー40と容器10、又はキャップ60と容器10の間のスナップ・フィット係合を形成するように従事する。
【0013】
ここで図3A及び4に目を向けると、カラー40が図示される。ある実施形態においては、カラー40は、容器10の首部13に係合するように構成される。ある実施形態においては、カラー40は、概して円筒形状であり、頂部39を含み(図5A)、この頂部39が、複数の離間した放射状リブ44又は同様のものを含み、ガラスファイバー又はメンブレン(不図示)といったフィルター要素(例えば、DURAPORE(登録商標)0.45μmメンブレン)が保持される。ある実施形態においては、カラー40は、カラー40の複数の開口を通じてメンブレンを介して容器10に流体連通するサンプルリザーバー(不図示)も保持する。カラー40は、入れ口管38を通じて真空といった駆動力に通じるように配置できる。
【0014】
カラー40内には、カラー40の頂部の裏面から軸方向に延びる内側円筒部材41が設けられる。ある実施形態においては、円筒部材41が、カラー40の中心に設けられ、また首部係合部材である。ある実施形態においては、円筒部材41の内壁42が、複数の離間したねじ山又はらせん状曲部45を含み、内壁42から半径方向内側に延び、容器10の首部13上の各タブ14を受け入れるように構成される。ある実施形態においては、ねじ山45がお互いに非連続である。ある実施形態においては、9つの離間したねじ山45があり、3つの軸方向にスタックされた集合に配置され、各スタック集合が、別のスタック集合から均等に離間される。各スタック集合が、第1ねじ山(例えば、ねじ山45a)、第2中間ねじ山(例えば、ねじ山45b)、及び第3ねじ山(例えば、ねじ山45c)を含み、第2及び第3ねじ山が、第1ねじ山45aに対して、平行であり、配列され、また(カラー40が直立位置にある時)その直下に配置される。ある実施形態においては、円筒部材41が、一つの全周ねじ山45’も含み、これが、円筒部材41の下部の近くで円筒部材41の全内周で延びる。ある実施形態においては、ねじ山45それぞれが、同じ程度に壁42から半径方向外側に延び、ねじ山が同様の形状である。ある実施形態においては、2つのねじ山スタック集合が、第3スタック集合のねじ山よりも長さが短く、配向が一つの方向であり、容器と係合部材が整合することを保証する。ある実施形態においては、2つのスタック集合のねじ山が、等しい長さの第3のもののねじ山よりも長さが短い。ある実施形態においては、各ねじ山の反対端部らが、お互いに向かって内側にテーパー付けられる。ある実施形態においては、ねじ山45それぞれが、垂直部47までの上方に傾斜した傾斜部46を含む。ねじ山の上方に傾斜した傾斜部は、カラー40が首部13上に係合される時、対応のタブ14の下方に傾斜する傾斜部24に接触する。
【0015】
図4の拡大詳細図が、ある実施形態のスナップ係合構造50を図示する。スナップ係合構造50が、タブ31a、31bと協働し、カラー40と容器10の間にスナップ・フィット係合を形成する。ある実施形態においては、スナップ係合構造50が、円筒部材41の自由端49上に形成され、また隆起したスナップ玉部51、凹部52、及び隆起した停止部材53を含む。ある実施形態においては、2つのそのようなスナップ係合構造50があり、180°で離間され、各々が、容器10のタブ31a、31bの個別の一つと協働することができる。カラー40が容器10に関して回転される時、タブ31aが、カラー40の自由端49に沿って移動し、隆起したスナップ玉部51により軸方向に持ち上げられる。同一方向における更なる相対的な回転により、タブ31aがスナップ玉部51上に乗り上げ(ユーザーへのフィードバックを生成し)、凹部52内に降下する。また更なる相対的な回転により、タブ31aが、隆起した停止部材53の側壁54に衝突し、回転防止部(backstop)を形成する。側壁54に対するタブ31aの衝突が、ユーザーへの聞き取り可能な「クリック」音フィードバックを生じさせ、ユーザーに回転を止めるように警告し、これにより、過剰なトルク付与が阻止される。タブは、十分な力がかけられ、タブ31aがスナップ玉部51の高さを克服できるまで凹部52内に留まる。ある実施形態においては、そのような十分な力が、有用性調査を通じて検証されるように第5百分位数の成人女性から第95百分位数の成人男性までにより簡単及び快適にスナップ玉部の高さを克服することができる力として規定される。従って、カラー40が容器10上の閉位置にある時、タブ31aが凹部52の領域に止まる。隆起したスナップ玉部51は、凹部52の領域からのタブ31aの早計又は望まない緩みを妨げるのに十分な量だけ隆起される。タブ31bが同様の方法で他方のスナップ係合構造と協働する。
【0016】
ある実施形態においては、円筒部材41が、図3A及び4に図示のように円筒部材41から軸方向に延びるタブ55a、55bといった1以上の(図示の2つの)回転制限部材を含む。回転制限部材55a、55bは、円筒部材41のねじ山逃がし領域57に配置される。回転制限部材55a、55bは、容器10のタブ31a、31bの下部33と相互作用し、容器10からカラー40を非係合にする時にカラー40と容器10の相対的な回転を停止させる。これは、首部13上のタブ14a、14b、14c、及び14dが円筒部材41のねじ山逃がし領域57に配置され、もはやねじ山45a、45b、及び45cに係合していない時にユーザーにフィードバックを与え、従って、容器10から軸方向に離れるようにカラー40を持ち上げ、そこから外すことができる。この構造がないならば、もしカラー40と容器10の相対的な回転が90°を超えるならば、ねじ山45がタブ14に再係合する。ある実施形態においては、回転制限部材(群)55が、コンポーネントらの係合のために容器に関する容器係合部材の適切な位置付けを補助するようにも従事する。例えば、これらのコンポーネントが一緒に組み合わされるとき、回転制限部材(群)は、その首部の離間した非連続のタブ14の間の領域(そのような領域が、容器本体に形成されたマーキング9(図5)により付記される)に位置付けられる。次に、容器が、容器係合部材に関して軸方向に動かされ、首部係合部材に関して容器が90°回転され、容器のタブが首部係合部材のねじ山に係合する。
【0017】
ある実施形態においては、3つの離間したねじ山逃がし領域57と、3つの離間したねじ山45集合がある。これにより、容器10は、カラー40の下部の単一の全周ねじ山45’まで降下することができる。容器10とカラー40の相対的な回転が、更に全てのねじ山を係合させる。
【0018】
ある実施形態においては、容器10のためにキャップを持つことが有益である。ユーザーは、度々、一度に数週間に亘り容器10内に媒体を保存し、定期的に細胞を養うために容器10にアクセスする。従って、キャップ/容器インターフェースが、度々、装置の主たるインターフェースであり、人間工学的に設計されるべきである。図6を参照すると、キャップ60が図示される。ある実施形態においては、キャップ60が、概して円筒状の本体62と、本体62から放射状に角度付けられた(angles out)環状のベル形状の下部領域63を有する。ある実施形態においては、キャップ60が、本体62から半径方向外側に延びる複数の離間したフィン61と、環状リング64と一緒に付随する半径を含み、特に手袋をしている間、一つの手、例えば、一つの親指で容器10の首部13上にキャップ60を組み付け及び組み外すためのキャップの人間工学的な把持を許容する。例えば、ユーザーの指が、フィン61の間の領域に都合良く適合し、容器10に関するキャップ60の相対的な回転を促進する。フィン61は、キャップ60がその側面上で静止することを許容し、汚染の可能性を低減する。
【0019】
ある実施形態においては、キャップ60の本体62の内部が、単一の連続のらせん状のねじ山66を含む。ねじ山66が自由なスピン操作を許容する:容器10に関してキャップ60に僅かな回転力を与えることが、容器10に関してキャップ60を回転させ、容器10からキャップ60を外すことに十分である。
【0020】
ある実施形態においては、キャップ60が、スナップ係合構造50’を含む。スナップ係合構造50’が、容器10のタブ31a、31bと協働し、キャップ60と容器10の間のスナップ・フィット係合を生じさせる。ある実施形態においては、スナップ係合構造50’が、ベル形状下部領域63に移行する円筒状本体62の面上に形成され、隆起したスナップ玉部51’、凹部52’、及び隆起した停止部材53’を含む。ある実施形態においては、そのようなスナップ係合構造50’が2つあり、180°離間され、各々が、容器10のタブ31a、31bの個別の一つと協働することができる。キャップ60が容器10に関して回転される時、タブ31aがスナップ係合構造50’に接近し、隆起したスナップ玉部51’により軸方向に持ち上げられる。同一方向における更なる相対的な回転により、タブ31aが凹部52’に降下する。また更なる相対的な回転によりタブ31aが隆起した停止部材53’の側壁54’に対して衝突し、回転防止部を形成する。側壁54’に対するタブ31aの衝突が、ユーザーに触感フィードバックとともに聞き取り可能な「クリック」音を生じさせ、ユーザーに回転を止めるように警告し、これにより、過剰なトルク付与が阻止される。キャップ60が容器10上で閉位置にある時、タブ31aが凹部52’の領域に静止し、隆起したスナップ玉部51’は、凹部52’の領域からタブ31aの早計又は望まない緩みを妨げるのに十分な高さで隆起される。タブ31bが同様の方法で他方のスナップ係合構造と協働する。
【0021】
図8乃至10が、容器10のキャップ係合の別形態を図示する。この実施形態においては、容器10のロック構造と係合する時に半径方向外側に曲がるスナップロック構造が設けられる。図8に示されるように、片持ち梁スナップロック部材51”が、隆起した停止部材53”の半径方向外側に位置付けられ、そこから周辺にオフセットされる(例えば、タブ31aの厚みによるオフセット)。ある実施形態においては、片持ち梁スナップロック部材51”が、キャップ60のベル形状下部領域63のリセス510内に形成され、そこから軸方向に突出する。図8に見ることができるように、スナップロック部材51”の縁が面取りされ、スナップロック部材51”が、図9に示されるように、その半径方向内側の面が、容器10上のタブ31aの半径方向外側の面に係合する時に半径方向外側に曲がることができる。ある実施形態においては、2つのそのようなスナップロック部材があり、180°離間され、各々が、容器10のタブ31a、31bの個別の一つと協働することができる。
【0022】
キャップ60が容器10に対して回転されるため、タブ31a(及びより端的には、放射状に延びるタブ31aの下部33)が、面取りされた縁上に乗り、スナップロック部材51”を半径方向外側に押す。図10Aに示されるように、(例えば、約11°で)タブ31aとスナップロック部材51”の最初の接触が為される。図10Bは、キャップ60と容器10の継続する相対的な回転により、スナップロック部材51”が半径方向外側に反れる。図10Cは、更なる相対的な回転の時、タブ31aがもはやスナップロック部材51”に接触せず、後者がその元の位置に戻ることを示す。図10Cに図示の位置においては、タブ31a(より詳細には、タブ31aの放射方向に延びる上部32)が、隆起した停止部材53”の側壁54”に接触し、回転防止部を形成する。タブ31aと隆起した停止部材53”のこの接触により、ユーザーへ触感フィードバックとともに聞き取り可能な「クリック」音が生じ、ユーザーに回転を止めるように警告し、これにより、過剰なトルク付与が阻止される。
図1
図2
図3A-3B】
図3C
図4
図5
図5A
図5B
図6
図7
図7A
図8
図9
図10A-10C】
【外国語明細書】
2015182818000001.pdf