【実施例】
【0014】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示すが、本願は勿論、かかる実施例に限定されるものではない。本願の実施例における試験方法を、次に示す。
【0015】
<平均粒子径測定>
マイクロトラック粒度分析計(日機装株式会社製)を用いて測定した。測定原理としてはレーザー散乱法を用いており、粒度分布の積算値が50%となる値を平均粒子径とした。
【0016】
<重合度>
第16改正日本薬局方解説書、結晶セルロース確認試験(2)記載の銅エチレンジアミンを用いた粘度測定法により、セルロース重合度を求めた。
【0017】
<△白色度>
試料10gを180℃の送風乾燥機内で1時間加熱した後のサンプルと、加熱前のサンプルを、JIS P8148に準拠し、ハンター白色度計を用いて白色度を測定し元サンプルの白色度から、1時間加熱後のサンプルの白色度を引いた値を、△白色度とした。
【0018】
<ポリプロピレンと粉末状セルロースの混合>
ポリプロピレン:マレイン化ポリプロピレン:粉末状セルロース = 61:9:30の複合材料を下記の手順で作成した。175℃で溶融したマレイン化ポリプロピレン(ユーメックス1010)に粉末状セルロースを添加・混練(40rpm)して、マスターバッチを作製した。次に、このマスターバッチ(175℃)に、ポリプロピレン(ノバティックMA3)を添加・混練(40rpm)して複合材料を作製した。
【0019】
<引張強度試験>
上記複合材料から、卓上射出成形機を用いてJIS K7113 1号形試験片を作製し、テンシロン引張強度試験機を用いて、引張最大応力を測定した。
【0020】
<実施例1>
晒し木材パルプシート(LBKP、日本製紙(株)製、平均重合度2000)を原料として、竪型ローラーミル(シニオン(株)社製)にて、原料仕込み量100kg、生産量120kg/hrの条件で粉砕し、粉末状セルロースを得た。
得られた粉体は、平均粒子径が47.3μm、平均重合度が1600であり、△白色度が17.3%、引張最大応力が48.2MPaであった。
【0021】
<実施例2>
晒し木材パルプシート(LBSP、日本製紙(株)製、平均重合度1500)を原料として、竪型ローラーミル(シニオン(株)社製)にて、原料仕込み量100kg、生産量30kg/hrの条件で粉砕し、粉末状セルロースを得た。
得られた粉体は、平均粒子径が25.4μm、平均重合度が1300であり、△白色度が15.1%、引張最大応力が45.4MPaであった。
【0022】
<実施例3>
晒し木材パルプシート(LBKP、日本製紙(株)製、平均重合度1800)を原料として、パルプ濃度3.5%、塩酸濃度0.1Nにおいて、95℃で2時間反応させた。反応が終了した後、水酸化ナトリウムで中和し、十分に水洗した後、60℃の温度条件化で約1日、送風乾燥し、乾燥後のサンプルを、トルネードミル(日機装株式会社製)を用いて機械的に粉砕を行い、粉末状セルロースを得た。
得られた粉体は、平均粒子径が45.8μm、平均重合度が1100であり、△白色度が22.1%、引張最大応力が46.7MPaであった。
【0023】
<実施例4>
晒し木材パルプシート(LBSP、日本製紙(株)製、平均重合度1500)を原料として、パルプ濃度3.5%、塩酸濃度0.15Nにおいて、95℃で2時間反応させた。反応が終了した後、水酸化ナトリウムで中和し、十分に水洗した後、60℃の温度条件化で約1日、送風乾燥し、乾燥後のサンプルを、トルネードミル(日機装株式会社製)を用いて機械的に粉砕を行い、粉末状セルロースを得た。
得られた粉体は、平均粒子径が41.1μm、平均重合度が850であり、△白色度が20.9%、引張最大応力が43.9MPaであった。
<比較例1>
粉末状セルロースを充填せずに作製した、試験片の引張最大応力は、33.7MPaであった。
【0024】
<比較例2>
晒し木材パルプシート(LBSP、日本製紙(株)製、平均重合度1500)を原料として、パルプ濃度3.5%、塩酸濃度0.25Nにおいて、95℃で2時間反応させた。反応が終了した後、水酸化ナトリウムで中和し、十分に水洗した後、60℃の温度条件化で約1日、送風乾燥し、乾燥後のサンプルを、ナイフミル(パルマン社製)を用いて機械的に粉砕を行い、粉末状セルロースを得た。
得られた粉体は、平均粒子径が38.3μm、平均重合度が700であり、△白色度が25.5%、引張最大応力が38.4MPaであった。
【0025】
<比較例3>
晒し木材パルプシート(LBKP、日本製紙(株)製、平均重合度1800)を原料として、パルプ濃度3.5%、塩酸濃度1.0Nにおいて、95℃で2時間反応させた。反応が終了した後、水酸化ナトリウムで中和し、十分に水洗した後、60℃の温度条件化で約1日、送風乾燥し、乾燥後のサンプルを、ナイフミル(パルマン社製)を用いて機械的に粉砕を行い、粉末状セルロースを得た。
得られた粉体は、平均粒子径が28.3μm、平均重合度が500、△白色度が32.1%、引張最大応力が36.7MPaであった。
【0026】
<比較例4>
晒し木材パルプシート(LBSP、日本製紙(株)製、平均重合度1500)を原料として、パルプ濃度3.5%、塩酸濃度1.2Nにおいて、95℃で2時間反応させた。反応が終了した後、水酸化ナトリウムで中和し、十分に水洗した後、60℃の温度条件化で約1日、送風乾燥し、乾燥後のサンプルを、ナイフミル(パルマン社製)を用いて機械的に粉砕を行い、粉末状セルロースを得た。
得られた粉体は、平均粒子径が24.3μm、平均重合度が250であり、△白色度が33.4%、引張最大応力が35.2MPaであった。
【0027】
【表1】