特開2015-183491(P2015-183491A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-183491(P2015-183491A)
(43)【公開日】2015年10月22日
(54)【発明の名称】建築物の換気構造
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/15 20060101AFI20150925BHJP
【FI】
   E04D13/15 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-63463(P2014-63463)
(22)【出願日】2014年3月26日
(71)【出願人】
【識別番号】000001096
【氏名又は名称】倉敷紡績株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167988
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】栩野 貴史
(72)【発明者】
【氏名】中野 一誠
(72)【発明者】
【氏名】福島 健一
(57)【要約】
【課題】腰壁の躯体構造や笠木の形状をほとんど変えることなく、施工の容易な換気構造を提供する。
【解決手段】
第1および第2外壁材23、24と、その間であって上端近くに配置された通し部材20と、通し部材上に固定されて第1外壁材の上方から第2外壁材の上方までを連続して覆う天端材25と、天端材の前記第1外壁材に近い側端部と前記第1外壁材の上端の間に配置された換気金物26とを備え、換気金物は、天端材の上面に固定された第1水平面と、第1水平面の側端から下方に折曲して、天端材の側端に当接または近接して天端材の下面より下方に延伸し、第1外壁材の外表面と実質的に段差なく構成され、通気孔を有する第1垂直面と、第1垂直面の下端から折曲して、通し部材側に延伸し、下方に位置する第1外壁材の上端と接続され、該接続部より通し部材寄りの部分に通気孔を有する第2水平面とを有する、換気構造である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の外壁材と、
前記第1および第2外壁材の間であって、前記第1および第2外壁材の上端近くに配置された通し部材と、
前記通し部材上に直接または間接に固定され、前記第1外壁材の上方から前記第2外壁材の上方までを連続して覆う天端材と、
前記天端材の前記第1外壁材に近い側端部と前記第1外壁材上端の間に配置された換気金物とを備え、
前記換気金物は、
前記天端材の上面に固定された第1水平面と、
前記第1水平面の側端から下方に折曲して、前記天端材の側端に当接または近接して前記天端材の下面より下方に延伸し、前記第1外壁材の外表面と実質的に段差なく構成され、通気孔を有する第1垂直面と、
前記第1垂直面の下端から折曲して、前記通し部材側に延伸し、下方に位置する前記第1外壁材の上端と接続され、該接続部より前記通し部材寄りの部分に通気孔を有する第2水平面とを有し、
これにより前記換気金物が、前記第1および第2外壁材と天端材によって囲まれた空間の内外を連通する通気路を形成している、
建築物の換気構造。
【請求項2】
前記天端材は比重が0.7〜1.5のセメント系材料の押出成形体である、
請求項1に記載の建築物の換気構造。
【請求項3】
前記天端材は、前記換気金物の前記第1垂直面と当接または近接する端面が、その上部のみで前記第1垂直面に当接または近接し、その下部は前記第1垂直面との間に通気可能な空間を有する、
請求項1または2に記載の建築物の換気構造。
【請求項4】
前記換気金物は、前記第2水平面の第1垂直面とは逆の側端部から下方に延びる、前記通し部材に直接または間接に固定された第2垂直面をさらに有する、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の建築物の換気構造。
【請求項5】
前記換気金物は、前記第2水平面の第1垂直面とは逆の側端部から上方に延びる、その上端が前記天端材の下面に当接または近接し、通気孔を有する第3垂直面をさらに有する、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の建築物の換気構造。
【請求項6】
前記換気金物の第1垂直面に設けられた通気孔が、前記換気金物の長手方向に並列する縦長のブリッジ穴である、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の建築物の換気構造。
【請求項7】
前記換気構造は、
前記第1外壁材の前記通し部材側に間隔を保持して設けられた第1内部壁材と、
前記第2外壁材の前記通し部材側に間隔を保持して設けられた第2内部壁材とをさらに備え、
前記天端材は、前記通し部材上に長さ方向に間隔をあけて配置された通気胴縁を介して前記通し部材に固定されている、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の建築物の換気構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の換気構造に関し、より詳しくは、ベランダの手すり壁、陸屋根外周部のパラペット等の腰壁の換気構造に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅等の壁には、躯体の劣化防止等の要請から、換気構造を備えたものが求められている。ベランダ等の腰壁についても、従来より、外壁面に腰壁の内外を連通する通気金物を設けることなどにより換気が行われてきた。しかし、そのような方法では換気量が少なく、また見た目も悪いという問題があった。
【0003】
これに対して、腰壁上端の笠木下に水平方向に長い換気部を設けることが行われている。例えば、特許文献1には、陸屋根周縁のパラペットの笠木下空間とパラペット内部を連通させることによって、パラペット内部および連通する小屋裏空間を換気する構造が記載されている。また、特許文献2には、ベランダの外壁等に使用されるパラペット部の外壁の上端に沿って通気孔を有する部材を配置することにより、パラペット部内を換気する構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−139713号公報
【特許文献2】特開2012−102486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載された構造では、通気孔を有する部材と組み合わせるために特別に設計された笠木を用いる必要があった。そのため、既存の豊富なデザインの笠木を使用することができないという問題があった。また、外壁からの笠木の張り出しが大きく、外観上も改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上記を考慮してなされたものであり、ベランダや陸屋根外周部の腰壁の笠木下換気構造について、腰壁の躯体構造や笠木の形状をほとんど変更することなく実現可能な新規な構造を提供することを目的とする。また、その新規な換気構造は施工が容易なものであることを合わせて目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の建築物の換気構造は、第1および第2の外壁材と、前記第1および第2外壁材の間であって前記第1および第2外壁材の上端近くに配置された通し部材と、前記通し部材上に直接または間接に固定されて前記第1外壁材の上方から前記第2外壁材の上方までを連続して覆う天端材と、前記天端材の前記第1外壁材に近い側端部と前記第1外壁材上端の間に配置された換気金物とを備えている。そして、前記換気金物は、前記天端材の上面に固定された第1水平面と、前記第1水平面の側端から下方に折曲して、前記天端材の側端に当接または近接して前記天端材の下面より下方に延伸し、前記第1外壁材の外表面と実質的に段差なく構成され、通気孔を有する第1垂直面と、前記第1垂直面の下端から折曲して、前記通し部材側に延伸し、下方に位置する前記第1外壁材の上端と接続され、該接続部より前記通し部材寄りの部分に通気孔を有する第2水平面とを有する。これにより前記換気金物が、前記第1および第2外壁材と天端材によって囲まれた空間の内外を連通する通気路を形成している。
【0008】
この構成によって、従来からの腰壁の躯体構造や笠木の形状をほとんど変更することなく、施工容易に、天端材に沿って水平方向に延びた換気部を設けることができる。また、換気金物の第1垂直面が外壁と段差なく構成されているので、外観上も目立ちにくい。
【0009】
好ましくは、前記天端材は比重が0.7〜1.5のセメント系材料の押出成形体である。
【0010】
ここでセメント系材料とは、水硬性の無機物を含む組成物を硬化させた材料である。セメント系押出成形体であれば、長手方向(押出方向)に断面形状がほぼ同一な成形体が容易に得られ、耐水性に優れる。また、比重0.7〜1.5、特に0.7〜1.3程度の押出成形体であれば、軽量性による施工性の向上の効果も生じる。なお、セメント系押出成形体は、ビス、ネジ、釘等の固着具により固定可能である。
【0011】
好ましくは、前記天端材は、前記換気金物の前記第1垂直面と当接または近接する端面が、その上部のみで前記第1垂直面に当接または近接し、その下部は前記第1垂直面との間に通気のための空間を有する。これにより、施工時の換気金物をより容易に位置決め可能としながら、より多くの通気量を確保することができる。
【0012】
好ましくは、前記換気金物は、前記第2水平面の第1垂直面とは逆の側端部から下方に延びる、前記通し部材に直接または間接に固定された第2垂直面をさらに有する。
【0013】
また、好ましくは、前記換気金物は、前記第2水平面の第1垂直面とは逆の側端部から上方に延びる、その上端が前記天端材の下面に当接または近接し、通気孔を有する第3垂直面をさらに有する。
【0014】
また、好ましくは、前記換気金物の第1垂直面に設けられた通気孔が、前記換気金物の長さ方向に並列する縦長のブリッジ穴である。
【0015】
好ましくは、前記換気構造は、前記第1外壁材の前記通し部材側に間隔を保持して設けられた第1内部壁材と、前記第2外壁材の前記通し部材側に間隔を保持して設けられた第2内部壁材とをさらに備え、前記天端材は、前記通し部材上に長手方向に間隔をあけて配置された通気胴縁を介して前記通し部材に固定されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、従来からの躯体腰壁の構造や笠木の形状をほとんど変更することなく、施工の容易な、笠木下換気構造を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態の換気構造の断面図である。
図2】本発明の一実施形態の換気金物のA側面図、B正面図、C底面図、およびD裏面図である。
図3】本発明の一実施形態の換気金物の断面図である。
図4】本発明の一実施形態の換気構造の施工手順を示す図である。
図5】本発明の一実施形態の換気構造の施工手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の換気構造の実施形態を図に基づいて説明する。
【0019】
図1において、腰壁10は、その長手方向に間隔を置いて設けられた間柱(図示せず)の上面に水平に架け渡された通し部材20と、通し部材および間柱の側面に固定された第1および第2内部壁材21、22を有し、これらにより躯体構造が形成されている。第1内部壁材21には縦通気胴縁30を介して第1外壁材23が固定されて、両者の間に通気のための間隔51が形成されている。同様に、第2内部壁材22には縦通気胴縁30を介して第2外壁材24が固定されて、両者の間に通気のための間隔52が形成されている。
【0020】
通し部材20の上面には、天端材25が、ビス等の固定具を用いて、水平通気胴縁31を介して間接に固定されている。これにより天端材の下に通気空間53が設けられている。天端材25は、第1および第2外壁材23、24の両外表面間の距離とほぼ同じ幅を有し、第1外壁材23の上方から第2外壁材24の上方までを連続して覆っている。天端材25の第1外壁材23に近い側端部と第1外壁材23の上端の間には、換気金物26が配置されている。
【0021】
換気金物26には、後述するように、いくつかの面に通気孔が設けられており、腰壁10の外部と、間隔51、52を連通している。また、通常は、第1および/または第2内部壁材の面内にも適宜図示しない開口が設けられて、間隔51、52と、内部壁材内の空間50が連通している。
【0022】
天端材25と第2外壁材24は、後者の上端で、通常のバックアップ材32および不定形シーリング材33を用いて水密に接続されている。また同様に、換気金物26と第1外壁材23は、後者の上端で、通常のバックアップ材32および不定形シーリング材33を用いて水密に接続されている。
【0023】
天端材25の上面には、図示しない笠木受け部材が固定され、その上に笠木28が固定されている。笠木28は、第2外壁材24の上部から、腰壁の上方、換気金物26の側方を経て、第1外壁材23の上部までを連続して覆っている。笠木28としては、換気金物26の外面(後述する第1垂直面)と第1外壁材23の外表面が実質的に段差なく構成されているため、換気構造を有しない従来の腰壁用の笠木を用いることができる。そのため、腰壁外壁面からの笠木の張り出しが小さく、そのこと自体美観を損ねないのに加えて、下方から見上げたときにも換気金物が外部から視認しずらい点でも外観上有利である。
【0024】
次に、天端材25および換気金物26の詳細を説明する。
【0025】
天端材25は、断面が略矩形で、上面に長手方向に延びる溝を有し、換気金物26側の端面が段付き状に形成されている。
【0026】
天端材25は、セメント系押出成形体からなる。セメント系材料とは、水硬性の無機物を含むセメント系組成物を硬化させた材料である。水硬性の無機物としては、各種ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメントなどを用いることができる。また、セメント系材料は、軽量化のために軽量化骨材等を含んでいてもよいし、補強等のためにパルプ、水溶性セルロース、鉱物繊維等を含んでいてもよいし、着色のために顔料を含んでいてもよい。各種のセメント系材料のなかでも、耐火性に優れ、比重が軽いことから、珪酸カルシウムを主成分とする珪酸カルシウム系材料を用いることが好ましい。また、強度に優れることから、パルプで補強された珪酸カルシウム系材料を用いることがさらに好ましい。
【0027】
また、押出成形によって、長手方向(押出方向)に断面形状がほぼ同一な成形体を容易に製造することができる。また、比重0.7〜1.5、特に0.7〜1.3程度の押出成形体であれば、軽量性による施工性の向上の効果も生じる。また、セメント系材料は透水性がない点で有利であり、押出成形体では、周囲全体に吸水の原因となり得る切断面や切削面が現れない点でさらに有利である。なお、天端材の下にさらに防水シートを敷くことにより、天端材の連結部からの透水を防止することができる。
【0028】
換気金物26は、1枚の金属板からプレス加工および折り曲げ加工によって成形されている。図2A〜Dはそれぞれ、換気金物26の左側面図、正面図、底面図、裏面図である。図3図2BのX−X断面を示している。
【0029】
換気金物26は、図3および図2Aにおいて左上から時計回りに、係止部40、第1水平面41、第1垂直面42、第2水平面44、第2垂直面46および第3垂直面47を有する。
【0030】
換気金物26は、第1水平面41を天端材25の側部上面に接して、係止部40が天端材上面の溝に係合することにより固定されている。ただし、係止部は省略してもよく、その場合はビス等の固定具によって、第1水平面を天端材上面に固定することができる。また、係止部を備えていて、さらにビス等によって固定することが好ましい。
【0031】
換気金物26の第1垂直面42は、第1水平面41の係止部40とは逆の側端から天端材25の側端に沿って下方に折曲し、天端材の側端に当接または近接して前記天端材の下面より下方に延伸して形成されている。第1垂直面42には、換気金物26の外部と内部を連通する通気孔として、換気金物の長手方向に並列する縦長のブリッジ穴43が設けられている(図2B)。このブリッジ穴は、長手方向に並列する縦長のスリットを入れ、スリットで隔てられた細片を一つ置きに換気金物の内部側に押し込むことによって形成されている。通気孔の形状はこれに限定されるものではないが、ブリッジ穴とすることにより、通気量を確保しながら、雨水の侵入を抑えることができるので好ましい。
【0032】
施工時には、この第1垂直面42を天端材25の側面に押し当てて、必要に応じて調整を行うことによって、換気金物の位置決めが可能となる。天端材の寸法は、第1垂直面42が第1外壁材23の外表面と実質的に段差なく構成されるように設計されている。また、天端材の側端面は、段付き状に形成され、その上部のみで第1垂直面に当接または近接するので、通気孔を塞ぐ面積が少なくなり、より多くの通気量が確保できる。さらに、通気孔43が換気金物の内側に張り出したブリッジ穴であれば、それに当接または近接する天端材25側端面の上部でも通気路を確保することができる。
【0033】
換気金物26の第2水平面44は、第1垂直面42の下端から折曲し、通し部材20側に延伸して形成されている。第2水平面44の下面は、第1外壁材23の上端と通常のバックアップ材32および不定形シーリング材33を用いて水密に接続されている。第2水平面44の第1垂直面と反対側の部分には、通気孔として、換気金物の長手方向に並列する縦長の開口45が設けられている(図2C)。
【0034】
換気金物26の第2垂直面46は、第2水平面44の第1垂直面42とは逆の端から下方に延びている。第2垂直面46は、第1内部壁材21を介して通し部材20にビス等で固定されている。これにより、換気金物をより確実に固定することができる。
【0035】
換気金物26の第3垂直面47は、第2水平面44の第1垂直面42とは逆の端から上方に延びている。第3垂直面47は、その上端が天端材25の下面に当接または近接している。これにより、施工時に換気金物を天端材の側方からはめ込むことにより、より容易に位置決めすることができる。換気金物がこのような第3垂直面と係止部40を有する場合には、換気金物を天端材の側方からはめ込むだけで、固定することができる。また、第3垂直面には、通気孔として、上部に矩形の開口48が設けられている(図2D)。これは、換気金物内部と天端材下の空間53の連通を確保するためである。
【0036】
本実施形態の第2垂直面と第3垂直面は、1枚の金属板から、開口48となる開口を打ち抜き、第2水平面の端部で上方に折曲し、第3垂直面の上端で180度折り返すことにより、連続した領域として形成されている。
【0037】
なお、図2Aの49は、換気部材を連続して設ける場合に、隣接する換気金物の配置を容易にするために設けられた端部当接片である。
【0038】
次に、本実施形態の換気構造の施工手順を図4および図5に基づいて説明する。施工手順は次のとおりである。
【0039】
図4Aは、通し部材20、2枚の内部壁材21、22によって腰壁の躯体が形成され、通気胴縁30を介して2枚の外壁材23、24が固定された状態を示している。
図4Bにおいて、通し部材20の上面に、長手方向に間隔をあけて置いた水平通気胴縁31を介して、天端材25をビス34等で固定する。
図4Cにおいて、天端材25と第2外壁材24の上端を不定形シーリング材33を用いてシールする。
図4Dにおいて、換気金物26を天端材25に側方から嵌める。このとき、換気金物をその第1垂直面が天端材の端面に当たるまで押込み、必要に応じて少し引いて戻す等して調整し、換気金物の第2垂直面46を、ビス35等を用いて、第1内部壁材を介して通し部材20に固定する。
【0040】
図5Eにおいて、換気金物26の第2水平面44と第1外壁材23の上端を、不定形シーリング材33を用いてシールする。
図5Fにおいて、笠木受け部材27を、ビス34等を用いて、天端材25の上面に固定する。
図6Gにおいて、笠木28を笠木受け部材27に係止する。
【0041】
このように、本実施形態の腰壁の躯体構造は、従来の換気構造を有しないものとほとんど変わらず、第1外壁材23の高さが換気金物26の分だけ少し低くなっているのみである。また、笠木には、既存の換気構造を有しない腰壁用に設計されたものを用いることができる。さらに、上述のとおり、施工も極めて簡単である。
【0042】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
【0043】
例えば、換気部は腰壁の建屋側に設けても、建屋の反対側に設けてもよく、あるいは両側に設けてもよい。また、内部壁材を設けず、外壁材を通し部材や間柱の側面に直接固定してもよい。また、片側の内部壁材と外壁材が貼り合わされて、間に通気空間を有しないものであってもよい。また、係止部40、第2垂直面、第3垂直面は省略されていてもよい。
【0044】
10 換気構造
20 通し部材
21 第1内部壁材
22 第2内部壁材
23 第1外壁材
24 第2外壁材
25 天端材
26 換気金物
27 笠木受け部材
28 笠木
30 縦通気胴縁
31 水平通気胴縁
32 バックアップ材
33 不定形シーリング材
40 係止部
41 第1水平面
42 第1垂直面
43 ブリッジ穴(通気孔)
44 第2水平面
45 開口(通気孔)
46 第2垂直面
47 第3垂直面
48 開口(通気孔)
49 端部当接片
50〜53 通気空間
図1
図2
図3
図4
図5