(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-184537(P2015-184537A)
(43)【公開日】2015年10月22日
(54)【発明の名称】紫外光照射装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1337 20060101AFI20150925BHJP
F21S 2/00 20060101ALI20150925BHJP
F21V 29/50 20150101ALI20150925BHJP
F21V 29/00 20150101ALI20150925BHJP
F21Y 101/00 20060101ALN20150925BHJP
【FI】
G02F1/1337
F21S2/00 377
F21V29/02 100
F21V29/00 510
F21V29/00 530
F21V29/00 113
F21Y101:00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-61843(P2014-61843)
(22)【出願日】2014年3月25日
(71)【出願人】
【識別番号】500171707
【氏名又は名称】株式会社ブイ・テクノロジー
(72)【発明者】
【氏名】橋本 和重
(72)【発明者】
【氏名】新井 敏成
【テーマコード(参考)】
2H290
3K014
3K243
【Fターム(参考)】
2H290BF23
2H290BF92
3K014AA02
3K014LA04
3K014LB03
3K014LB04
3K014MA03
3K014MA05
3K014MA06
3K014MA08
3K014MA09
3K243AA01
3K243BB02
3K243CC03
3K243CC04
3K243CC05
(57)【要約】
【課題】紫外光照射装置において、該紫外光照射装置内の電源ランプを過冷却無く、ミラーの冷却を効率よく行う。
【解決手段】一面が特定波長透過フィルタから構成される密閉容器内に、紫外光を含む光を放射する棒状のランプ、該紫外光を前記フィルタ側に反射するための樋状ミラー、フィンチューブ式熱交換器を内蔵するダクト部、空気吸引手段が順に配置された紫外光照射用装置であって、前記ミラー頂部に前記ランプの軸に平行にスリット状の開口部を有し、該スリット状開口部長手方向に沿って、熱交換器側に向かって延びるガイド部を有しており、前記ダクト部の断面は、少なくとも前記熱交換器のフィン部を内蔵可能な形状であって、該ダクト部の前記ミラー側の端部は前記ミラーを覆うように開口しており、
前記熱交換器は、前記ダクトの前記ミラー側の端部と前記空気吸引手段側の端部との間に設けられているものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面が特定波長透過フィルタから構成される密閉容器内に、該特定波長透過フィルタに向かって、紫外光を含む光を放射する棒状のランプと、該ランプからの光を前記特定波長透過フィルタの方向に反射するための樋状のミラーと、フィンチューブ式熱交換器を内蔵するダクト部と、空気吸引手段と、が順に配置された紫外光照射用装置であって、
前記樋状のミラー頂部には前記棒状のランプの軸に平行にスリット状の開口部を有しており、
該スリット状開口部には該スリット状開口部の長手方向に沿って、前記特定波長透過フィルタの反対方向に向かって延びるガイド部を有しており、
前記ダクト部の断面は、少なくとも前記熱交換器のフィン部を内蔵可能な形状であって、
該ダクト部の前記ミラー側の端部は、前記樋状ミラー上方に間隙を設けて樋状ミラーの長手方向に沿って開口しており、
前記熱交換器は、前記ダクトの前記ミラー側の端部と空気吸引手段側の端部との間に設けられていることを、特徴とする紫外光照射用装置
【請求項2】
前記樋状のミラー頂部のスリットの開口部の、前記ランプの長手方向に直角方向の幅が、前記ランプの直径の1/2〜1/1であることを特徴とする請求項1に記載の紫外光照射用装置
【請求項3】
前記ダクト部の前記空気吸引手段側の端部は、前記特定波長透過フィルタに対し直角な方向に、前記ミラーの長手方向に沿った開口部を有し、該開口部に前記空気吸引手段が設けられていることを、特徴とする請求項1に記載の紫外光照射用装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外光感光性の液晶素子の配向膜や、視野角補償フィルムの配向層などに所定の偏光素子を通して所定の波長の光を照射するための紫外光照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネルを始めとする液晶表示素子の配向膜や、視野角補償フィルムの配向層などの形成は配向処理においては、ラビング方式が採用されていたが、ラビング時の汚れ等の問題から、配光膜を形成する基板等に紫外光感光性の配光用の樹脂(以下、単に「レジスト」という。)を塗布した面に、紫外領域の特定波長の偏光光を照射する(
図7参照)ことにより、配光膜を形成する、いわゆる光配向方式が採用されてきている(特許文献1)。
【0003】
光配向方式の場合、塗布膜の成分が気化し光源ランプ等に付着するため、このランプやミラーの曇り防止のため、これらを一体的に密閉容器に収納する必要がある。
ところが、光配向のための照射エネルギーは、例えば365nm±30nmの波長域で略1000mW/cm
2程度となるため、光源には、棒状の高圧水銀ランプや、メタルハライドランプが用いられ、そのランプからの放熱と、ランプからの輻射熱によるミラーからの放熱等によって、前記容器内の温度上昇が著しくなる。
一方、ランプの温度が高くなるとランプ寿命が低下し、温度が低くなりすぎるとランプの出力が低下するため、ランプには適正温度下で使用する必要がある。また、ランプハウス内に取り付けられた制御器等の温度上昇による損傷防止が必要となる。
このため、前記容器内の温度を所定の温度範囲内に維持しなければならないという問題がある。
【0004】
この問題に対し、従来は、棒状の高圧水銀ランプや、メタルハライドランプを内包する光源ランプハウスと外部の冷却器とをパイプ等で連結し、光源ランプハウス内の空気を循環させる方式(特許文献2)や、前記ランプハウス内に熱交換器を設け、熱交換器によって冷却された全部の空気が、熱交換器の上方に設けられたフアンによってランプの上方に設けられた樋状のミラーの開口部からランプの周囲に供給され、ランプとミラーの隙間を通り、ミラーの頂部のスリット部を通り、前記熱交換器に戻るような構成として、前記ランプハウス内で空気を循環させて前記ランプ及びミラーを冷却し、ランプハウス内の温度の上昇を適切な温度に保持する方式(特許文献3)が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−145381号公報
【特許文献2】特開2002−235942号公報
【特許文献3】特開2007−109506号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前述従来例の前者による場合では、空気を循環させるため、装置が大掛かりになるという問題がある。
一方、後者による場合は、ランプハウス内を循環する空気の全量が、ミラーのスリット部を通過するため、吸引するため空気抵抗が大きくなる。また、ミラーのスリット部における空気抵抗と熱交換器部における空気抵抗とが重なるため、吸引空気量を確保するためにフアン動力が大きくなるという問題がある。
【0007】
更に、後者による場合、空気流がミラーのランプ側の片面(内面)に沿って流れるため、この片面の反対側の面(外面)の冷却は、内面と外面と間における熱伝導のみによって行われる。したがって、ミラーの全体の冷却を十分に行うために循環空気量を多くする必要があるが、循環空気量を多くすると、全ての空気がミラーの内面側を通過するため、ランプの過冷却を生じるという問題がある。
【0008】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。紫外光照射装置において、該紫外光照射装置内の電源ランプを過冷却無く、ミラーの冷却を効率よく行うことができること、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的を達成するために、本発明は、明細書に記載された幾つかの発明のうち以下の構成を具備するものである。
【0010】
一面が特定波長透過フィルタから構成される密閉容器内に、該特定波長透過フィルタに向かって、紫外光を含む光を放射する棒状のランプと、該ランプからの光を前記特定波長透過フィルタの方向に反射するための樋状のミラーと、フィンチューブ式熱交換器を内蔵するダクト部と、空気吸引手段と、が順に配置された紫外光照射用装置であって、前記樋状のミラーは前記棒状のランプの軸に平行にスリット状の開口部を有しており、該スリット状開口部には該スリット状開口部の長手方向に沿って、前記特定波長透過フィルタの反対方向に向かって延びるガイド部を有しており、前記ダクト部の断面は、少なくとも前記熱交換器のフィン部を内蔵可能な形状であって、該ダクト部の前記ミラー側の端部は、前記樋状ミラー上方に間隙を設けて樋状ミラーの長手方向に沿って開口しており、前記熱交換器は、前記ダクトの前記ミラー側の端部と空気吸引手段側の端部との間に設けられていることを、特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
このような特徴を有する本発明の紫外光照射装置は、ランプの発熱によってランプ周囲の気体が過熱され上方に向かうランプ周囲の空気流が発生し、その空気流がミラー頂部のスリットとそれに続くガイド部を経てダクト内に噴出するため、ガイド部がエジェクターとして作用し、ガイド部周辺のダクト内の空気を巻き込みながら熱交換器に向かうダクト内の空気流が形成される。
【0012】
その結果、ミラー頂部の圧力が低下し、ミラー開口部の端部と特定波長透過フィルタとの間に形成された隙間から熱交換によって冷却された空気がダクトの外側を通って流入し、ランプ周りの空気が冷却された空気によって置換され、ランプが冷却されると共に、ミラーのランプ側の面が効率よく冷却される。
そして、前述のごとく、ガイド部周辺のダクト内の空気を巻き込みながら熱交換器に向かってダクト内の空気流が形成されるため、空気吸引手段によるダクト内の空気の吸引が効率的に容易に行え、空気吸引手段の動力が少なくてすむ。
【0013】
更に、ガイド部がエジェクターとして作用し、ガイド部周辺のダクト内の空気を巻き込みながら熱交換器に向かって、前記ダクト内の空気流が形成されることによって、ミラーとダクトのミラー側端部との間に形成された隙間からダクトの外側の空気の一部が、その隙間から吸引される空気流が形成される。
この空気流によって、ミラーの外面(ランプと反対側の面)が空気流によって冷却されるため、筐体内の温度上昇が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施例による構成を表す概念図
【
図2】本発明を実施例による構成する電源ランプとミラーを説明するための概念図であって、(a)は特定波長フィルタとランプ、ミラーの位置を示す説明図、(b)はA−A断面図
【
図3】本発明の第1の実施例によるダクトを表す概念図であって、(a)は鳥瞰図、(b)はB−B断面図
【
図4】本発明の第1の実施例による筐体内の空気の流れを説明するための概念図
【
図5】本発明の第2の実施例による構成を表す概念図
【
図6】本発明の第2の実施例によるダクトを表す概念図であって、(a)は鳥瞰図、(b)はC−C断面図
【
図7】本発明の第2の実施例による筐体内の空気の流れを説明するための概念図
【
図8】本発明の紫外光照射装置を用いた光配向装置の一例を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の第1の実施形態を説明する。
図1〜4は本発明の一実施形態に係る紫外光照射用装置1の構成を示した説明図である。
筐体2の一面(
図1の下側)に特定の波長を透過させるフィルタ(以下、単に「フィルタ」という。)8が取り付けられており、筐体2の空気は筐体2外の空気とは遮断されている。
そして、前記フィルタ8の上方には、棒状のランプ(以下、単に「ランプ」という)3が配置されており、該ランプ3の上方に樋状のミラー(以下、単に「ミラー」という)4が配置されている。
ランプ3から放射される光は、直接またはミラー4によって反射されてフィルタ8側に照射される。
【0016】
更に、このミラー4の上方にダクト5が配置されており、ダクト5の断面は、少なくともフィンチューブ式熱交換器(以下、単に「熱交換器」という。)6のフィン部を内蔵可能な形状であって、
ダクト5のミラー4側の端部には、ミラー4の上方に後述の間隙βを設けてミラー4を覆うようにミラー4の樋の長手方向に沿った開口部5aが設けられている。(
図3a、b)
【0017】
そして、ダクト5のミラー4と反対側の端部には開口部5b1、5b2が設けられており、この開口部5b1、5b2は、フィルタ8に平行な方向またはフィルタ8に向う方向に角度を持って開口しており、開口部5b1、5b2にはそれぞれ空気吸引手段7a、7bが設けられている。そして、空気吸引手段7a、7bは吸引フアン7a1、7b1と、それぞれの駆動用モータ7a2、7b2から構成されており、駆動用モータ7a2、7b2は外部のコントローラ(図示せず)接続され、このコントローラによって、駆動用モータ7a2、7b2の回転数が可変になっている。
【0018】
これら空気吸引手段7a、7bはダクト5内の空気を吸引しダクト5の外側に排出できるようになっている。
この排出された空気は筐体2とダクト5のランプ3の長手方向に平行な壁面との隙間Ga、Gbを経てフィルタ8側に向かって筐体2の内壁に沿って流れることができるようになっている(
図4のf5)。
【0019】
また、ダクト5の開口部5b1、5b2に近いほうに空気冷却用の熱交換器6(たとえば、エアフィンクーラ式熱交換器)が内蔵されており、この熱交換器6には冷却水の供給ポート9と排出ポート10が設けられており、これらのポート9、10は外部の水冷却装置(図示せず)に接続されており、熱交換器6に冷却水に供給排出できるようになっている。
ランプ3で加熱された空気がこの熱交換器6のフィン(図示せず)の間を通過しながら冷却されるようになっている。
【0020】
ミラー4は
図2に示すように、頂部には樋の長手方向に沿った開口部4aと、開口部4aからダクト5に向かうガイド部4bが設けられており、ガイド部4bの幅4b1の寸法はランプ3の直径dの1/2〜1/1の寸法であることが望ましい。この幅4b1が広すぎるとランプ3のミラー4側における反射が少なくなるためフィルタ8側に照射される光量が減少するが、幅4b1が狭すぎると前記自然対流f1(
図4)の形成が阻害されるため、筐体2内の空気循環が適正に行われなくなるためである。
【0021】
また、ランプ3によって過熱されたランプ3周囲の空気がこのガイド部4bを通じてダクト5内部の上方に向かう空気流f1となる。
また、ガイド部4bの内壁には温度検出手段(たとえば、熱電対温度計)40が設けられており、外部の温度表示装置(図示せず)及び前記図示しないコントローラに接続されている。
温度検出手段40は、空気流f1の温度を検出することによって、ランプ4の安定的に点灯を維持するために推奨されるランプ温度を推定し、予め決められた所定の温度内に収まるように、フアン7a1、7b1の回転数を前記外部の制御装置によって制御するためのものである。
そして、ミラー4のフィルタ8側の端部4d1、4d2とフィルタ8の筐体2の内部側の面との隙間が所定の隙間αとなっている。
【0022】
前記ダクト5の開口部5aは
図1のY方向矢印イの方向から見た場合に、少なくとも前記ミラー4を完全に覆いかぶさる大きさ又はミラー4のフィルタ8側の投影形状と略同一の形状であって、開口部5aの端部50e(ダクト5の側面50のミラー側端面)、51e(ダクト5の側面51のミラー側端面)と、これに対応する前記ミラー4の端部4d1、4d2との隙間が共に所定の隙間βとなっており、本実施の例では、前記隙間αと隙間βとが略同一のギャップとなっている。
これは、隙間αと隙間βにおける空気流f2、f3の圧力損失を略同一になるようにし、ミラー4の樋の内側に流入する空気量と、ミラー4の外側を流れる空気量を略同等にするためのものであり、ランプ3による発熱量によって、生じる空気流f1の状態によって、隙間αと隙間βの最適な関係は異なる。
空気流f2によって、ミラー4の外面(ランプ3側の反対側の面)が冷却され、空気流f1、f2、f3によってランプ3とミラー4が効率よく冷却される。
【0023】
更に、
図3に示すように、開口部5aの端部50e、51eと直交する端部52e、53eとフィルタ8の面(ダクト5内側に面する面)との隙間γは隙間αと略同一となっている。これは、隙間αと隙間γからミラー4内に供給される空気の流路抵抗を略同一にすることによって、ミラー4の長手方向の端部からランプ3の周囲に供給される空気量(隙間α、γの隙間の長さ方向の単位長さ辺りの流量)を略同一にするためのものである。また、側面50、51の内側とミラー4の長手方向の直交する側面の外側とは密接している。
【0024】
更に、ミラー4の樋の長手方向に直角な方向の幅A1と、ダクト5の開口部5aの前記ミラー4の樋の長手方向に直角な方向の幅A2と、は略同一の長さとなっている。
尚、A1とA2の関係は略同一の関係に限定されない。すなわち、ダクト5の側面50、51と筐体2の内面によって構成される隙間Ga、Gbを通過する空気流の圧力損失を少なくするためにはA2が若干A1より大きくてもよい。この場合、ダクト5の側面50、51と筐体2の内面との隙間Ga、Gbを通過する空気流の圧力損失を少なくすることができるため、空気吸引手段7a、7bの負荷が低減される。
【0025】
また、空気吸引用のファン7a1、7b1の回転数の増減によって、筐体2内の空気循環量を増加または減少させることができる。したがって、このファン7a1、7b1の回転数の調整によって、ランプ3の冷却は、自然対流とミラー4内に供給される空気によって生じる空気流との相乗効果が得られるように回転数を選択できるようになっている。
更に、ファン7a1、7b1の出口側にはファン7a1、7b1の出口空気の温度を検出手段(たとえば、熱電対温度計)41a、41bが設けられている。
【0026】
次に、本発明の第2の実施例について
図5〜
図7に基づいて、
図1〜4を参照しながら説明する。
図5は本発明の第2の実施例における紫外光照射装置100の構成を表す概略図である。
この第2の実施例と前記第1の実施例との相違は、第1の実施例におけるダクト5がダクト105のような構造になっている点であり、その他の構成は第1の実施例と第2の実施例が同じ構成である。このため、両者で同じ構成については第1の実施例の符号と同じ符号を付してある。
【0027】
以下、ダクト105について説明する。
ダクト105のミラー4側の開口部105aの幅A2´はミラー4の幅A1より狭くなっており、ダクト105のミラー4と反対側の端部には開口部105b1、105b2の大きさは第1の実施例の5b1、5b2と略同一になっている。
また、ダクト105のミラー4側の開口部105aの端部150e、151eとミラー4の外面(ランプ3側の反対側の面)との間隙β´が前記間隙αと略同一となっている。(尚、間隙αと間隙β´の関係はランプ3の発熱量などによって最適値が異なる。)
また、側面150、151の内側とミラー4の長手方向の直交する側面の外側とは密接している。
そして、第2の実施例においても第1の実施例の空気流f1〜f5と同様な空気流f10〜f15が形成されるが、第2の実施例では、筐体2とダクト105の側面150、151との間隙Ga´、Gb´が第1の実施例のGa、Gbより広くなるため、第2の実施例の空気流f15の流速は第1の実施例の空気流f5の流速より遅いものとなる。
すなわち、ファン7a1、7b1の背圧が低下するため、第1の実施例の場合より駆動用モータ7a2、7b2の負荷が少ない。
尚、その他の効果については第1の実施例の場合と同様の効果を有するものである。
【0028】
以下、本発明の第2の実施の形態による紫外光照射装置1を用いた光配向装置14の一実施の形態について
図5に基づいて説明する。
光配向装置14は、光配向の対象基板12を載置して矢印方向に移動可能な搬送装置13と、搬送装置13の上方に設けられた紫外光照射装置1を有しており、紫外光照射装置1と基板12との間には、所定の偏光子11が配置されている。
偏光子11は紫外光照射装置1に対して独立して、図示しない手段によって、例えば、
図8のXYZ軸の方向に移動可能であって、Z軸に平行なθ軸対して回転可能になっている。
【0029】
上記のごとく偏光子11が紫外光照射装置1に対して独立して姿勢制御が可能になっていることによって、基板12に対する偏光子11の偏光軸の微妙な調整が容易に行える。
特に、紫外光照射装置1とは独立して偏光子11をθ軸に対して回転させることができることによって、基板12に対する偏光子11の偏光軸の微妙な調整作業が調整可能である。
偏光子11の汚れた場合の洗浄後の光配向装置14への再取付け時や新しい偏光子11への交換時における微妙な偏光軸のズレの調整が容易に行える。
【0030】
前記基板12の光配向装置14による光配向処理は、
図8の矢印方向に基板12を連続的に移動させ露光領域(偏光子11の直下)を通過させることによって、紫外光照射装置1から放射された所定の波長の紫外光が偏光子11において所定の直線偏光の露光光となり、基板12の表面に塗布された紫外感光性の光配向膜のレジストに照射されて、そのレジストに所定の配向性を持たせることによって行われる。
【符号の説明】
【0031】
1:紫外光照射用装置
2:筐体
3:ランプ
4:ミラー
5:ダクト
6:熱交換器
7:空気吸引手段
8:特定波長透過フィルタ
9:冷却水供給ポート
10:冷却水排出ポート
11:偏光子
12:光配向の対象基板
13:搬送装置
14:光配向装置