【解決手段】レギュレータ回路が、基準電圧が入力される入力ノードと、電源電圧を出力する出力ノードと、出力ノードがドレインに接続され、ソースが電源線に接続された出力MOSトランジスタと、基準電圧と電源電圧との差を低減させるように出力MOSトランジスタのゲートを駆動する中間段と、出力MOSトランジスタのゲートと電源線との間で電流を流すように構成された電流経路を提供する電流経路部とを具備する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、液晶表示装置1の構成の例を示すブロック図である。第1の実施形態では、本発明のレギュレータ回路が、液晶表示装置1において液晶表示パネル2を駆動するソースドライバIC3に集積化される。ソースドライバIC3は、演算装置4から受け取った画像データD
INと制御データD
SYNCとに応答して液晶表示パネル2を駆動し、液晶表示パネル2に所望の画像を表示する。
【0015】
液晶表示パネル2は、表示領域5とGIP(gate in panel)回路6とを備えている。表示領域5には、複数のゲート線7(走査線、アドレス線とも呼ばれる)と複数のソース線8(信号線、データ線とも呼ばれる)とが配置されると共に、副画素9が行列に配置されている。ゲート線7とソース線8とは互いに直交するように設けられている。各副画素9は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のいずれかを表示するように構成されており、液晶表示パネル2の各画素は、それぞれ、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)を表示する3つの副画素9で構成される。GIP回路6は、ソースドライバIC3から供給されるゲート制御信号S
GIPに応答してゲート線7を駆動する。GIP回路6は、例えば、COG(circuit on glass)技術を用いて液晶表示パネル2に集積化される。
【0016】
図2は、各副画素9の構造を概念的に示す回路図である。各副画素9は、TFT(thin film transistor)9aと、画素電極9bとを備えている。TFT9aは、そのゲートがゲート線7に接続され、ソースがソース線8に接続され、ドレインが画素電極9bに接続される。画素電極9bは、液晶表示パネル2の対向電極(共通電極とも呼ばれる)10に対向するように設けられており、画素電極9bと対向電極10の間には液晶が満たされている。なお、
図2では、対向電極10が副画素9毎に設けられているように図示されているが、実際には、複数の副画素9で共通の(最も典型的には、液晶表示パネル2全体で共通の)対向電極10が設けられることは、当業者には容易に理解されよう。
【0017】
図3は、第1の実施形態におけるソースドライバIC3の構成を概略的に示すブロック図である。ソースドライバIC3は、インターフェース11と、論理制御部12と、メモリ部13L、13Rと、ソース駆動回路14L、14Rと、ソース出力15と、内蔵レギュレータ20とを備えている。ソース出力15には、上述の液晶表示パネル2のソース線8がそれぞれに接続される。
【0018】
インターフェース11は、演算装置4から画像データD
INを受け取り、ソースドライバIC3のメモリ部13L、13Rに転送すると共に、制御データD
SYNCを論理制御部12に転送する。論理制御部12は、ソースドライバIC3の各回路の動作を制御する。メモリ部13L、13Rは、画像データD
INを一時的に保存する。
図3の構成では、1対のメモリ部13L、13Rが設けられている。左側に位置するメモリ部13Lは、ソースドライバIC3の左半分に位置するソース出力15に接続されるソース線8の副画素9に対応する画像データD
INを記憶する。一方、右側に位置するメモリ部13Rは、ソースドライバIC3の右半分に位置するソース出力15に接続されるソース線8の副画素9に対応する画像データD
INを記憶する。
【0019】
ソース駆動回路14Lは、メモリ部13Lから受け取った画像データD
INに応答してソースドライバIC3の左半分に位置するソース出力15に接続されるソース線8を駆動し、ソース駆動回路14Rは、メモリ部13Rから受け取った画像データD
INに応答してソースドライバIC3の右半分に位置するソース出力15に接続されるソース線8を駆動する。
【0020】
内蔵レギュレータ20は、インターフェース11、論理制御部12、メモリ部13L、13Rに電源電圧V
DDを供給する。本発明のレギュレータ回路は、内蔵レギュレータ20としてソースドライバIC3に集積化されている。
【0021】
図4は、第1の実施形態における内蔵レギュレータ20の構成を示すブロック図である。内蔵レギュレータ20は、基準電圧生成回路21とレギュレータアンプ22とを備えている。基準電圧生成回路21は、基準電圧V
REFを生成してレギュレータアンプ22に供給する。基準電圧生成回路21は、制御信号S
REG_CTRLに応答して基準電圧V
REFの生成を開始するように構成されている。詳細には、内蔵レギュレータ20の起動時に制御信号S
REG_CTRLがアサートされると、基準電圧生成回路21は、制御信号S
REG_CTRLのアサートに応答して基準電圧V
REFの出力を開始する。
【0022】
レギュレータアンプ22は、基準電圧V
REFから電源電圧V
DDを生成する。レギュレータアンプ22は、電圧フォロアとして構成されており、電源電圧V
DDが基準電圧V
REFに一致するように動作する。
【0023】
図5は、本実施形態におけるレギュレータアンプ22の回路構成を示す回路図である。レギュレータアンプ22は、入力段31と、中間段32と、出力段33と、電流経路部34と、基準電圧V
REFが入力される入力ノードINと、電源電圧V
DDを出力する出力ノードOUTとを備えている。
【0024】
出力段33は、PMOSトランジスタMP10と、定電流源I13とを備えている。PMOSトランジスタMP10は、正側電源線35に接続されたソースと、出力ノードOUTに接続されたドレインとを有しており、出力ノードOUTをプルアップする出力トランジスタとして動作する。ここで、正側電源線35は、外部電源電圧V
IOVCC(ソースドライバIC3の外部から供給される電源電圧)が供給される電源線である。定電流源I13は、出力ノードOUTと負側電源線36の間に接続されており、負荷として動作する。ここで、負側電源線36は、接地電位V
SSに固定される電源線である。定電流源I13は、PMOSトランジスタMP10のドレインから一定の電流を引き出すように動作する。
【0025】
入力段31と中間段32は、入力ノードINと出力ノードOUTの電位差を低減させるようにPMOSトランジスタMP10のゲートを駆動する差動回路部を構成している。
【0026】
より具体的には、入力段31は、PMOSトランジスタMP11、MP12と、定電流源I11と、NMOSトランジスタMN11、MN12とを備えている。PMOSトランジスタMP11、MP12は、差動トランジスタ対を構成しており、それらのソースはノードN11に共通に接続されている。PMOSトランジスタMP11のゲートは、入力ノードINに接続され、PMOSトランジスタMP12のゲートは、出力ノードOUTに接続されている。定電流源I11は、正側電源線35とノードN11の間に接続され、ノードN11に一定の電流を供給するように動作する。
【0027】
NMOSトランジスタMN11、MN12は、PMOSトランジスタMP11、MP12から構成される差動トランジスタ対の負荷として動作するカレントミラーを構成している。NMOSトランジスタMN11、MN12のソースは負側電源線36に共通に接続され、NMOSトランジスタMN11、MN12のドレインは、それぞれ、PMOSトランジスタMP11、MP12のドレインに接続されている。NMOSトランジスタMN11、MN12のゲートは、NMOSトランジスタMN11のドレインに共通に接続されている。
【0028】
このような構成の入力段31では、NMOSトランジスタMN12のドレインに接続されたノードN12に、入力ノードINと出力ノードOUTの電位差に応答した電位が生成される。
【0029】
中間段32は、定電流源I12とNMOSトランジスタMN13とを備えている。定電流源I12は、ノードN21に一定の電流を供給するように動作する。NMOSトランジスタMN13は、ソースが負側電源線36に接続され、ドレインがノードN21に接続され、ゲートが入力段31のノードN12に接続されている。ノードN21は、出力段33のPMOSトランジスタMP10のゲートに接続されている。このような構成の中間段32は、入力段31のノードN12(即ち、NMOSトランジスタMN12のドレイン)の電位、即ち、入力ノードINと出力ノードOUTの電位差に応答して出力段33のPMOSトランジスタMP10のゲートを駆動する。
【0030】
電流経路部34は、正側電源線35から出力段33のPMOSトランジスタMP10のゲートに電流を流す電流経路を提供する回路部である。本実施形態では、電流経路部34は、正側電源線35とPMOSトランジスタMP10のゲートの間に、正側電源線35からPMOSトランジスタMP10のゲートに向かう方向に順方向電流を流すように接続されたダイオード素子D11を備えている。
【0031】
電流経路部34は、内蔵レギュレータ20の起動時のインラッシュカレントを低減するために設けられる。内蔵レギュレータ20の電流駆動能力を向上させるためには、レギュレータアンプ22の出力トランジスタとして動作するPMOSトランジスタMP10のオン抵抗を低減させればよい。しかしながら、PMOSトランジスタMP10のオン抵抗を低減すると、内蔵レギュレータ20のインラッシュカレントの増大を招き得る。本実施形態では、内蔵レギュレータ20の起動時に電流経路部34によってPMOSトランジスタMP10のゲートに電流が供給され、PMOSトランジスタMP10のゲートの電位の急激な低下が抑制される。これにより、内蔵レギュレータ20の起動時にPMOSトランジスタMP10を介して正側電源線35から出力ノードOUTに流れる電流、即ち、インラッシュカレントが抑制される。
【0032】
以下では、第1の実施形態の内蔵レギュレータ20の動作、特に、内蔵レギュレータ20の起動時のレギュレータアンプ22の電流経路部34の動作について説明する。ここで、内蔵レギュレータ20の起動の直前において、レギュレータアンプ22の入力ノードIN、出力ノードOUT及び正側電源線35が、いずれも、接地電位V
SSであるとする。これは、ソースドライバIC3の電源がオフされている状態に相当する。この時点では、PMOSトランジスタMP10のゲートの電位は、接地電位V
SSである。
【0033】
内蔵レギュレータ20の起動は、正側電源線35に電源電圧V
IOVCCを供給すると共に、制御信号S
REG_CTRLをアサートすることによって行われる。制御信号S
REG_CTRLがアサートされると、基準電圧生成回路21からレギュレータアンプ22の入力ノードINに、所定の基準電圧V
REFが供給される。
【0034】
内蔵レギュレータ20の起動が開始された時点においては、PMOSトランジスタMP10のゲートの電位は接地電位V
SSである。このため、PMOSトランジスタMP10が深いオン状態になり、インラッシュカレントがPMOSトランジスタMP10を介して正側電源線35から出力ノードOUTに流れる。
【0035】
このとき、本実施形態では、電流経路部34の動作によってインラッシュカレントが抑制される。詳細には、正側電源線35の電位の上昇によりダイオード素子D11がオン状態になり、正側電源線35からPMOSトランジスタMP10のゲートに電流が流れる。これにより、PMOSトランジスタMP10のゲートの電位が速やかに上昇し、PMOSトランジスタMP10を流れる電流、即ち、インラッシュカレントが抑制される。
【0036】
図7、
図8は、本実施形態のレギュレータアンプ22の構成と、本実施形態のレギュレータアンプ22から電流経路部34を除去した構成のレギュレータアンプ122(
図6参照)の動作特性を示すグラフである。ここで、
図7は、PMOSトランジスタMP10のゲートの電位の変化を示すグラフであり、
図8は、インラッシュカレントを示すグラフである。
【0037】
図7に図示されているように、電流経路部34を除去した構成のレギュレータアンプ122では、内蔵レギュレータ20の起動が開始されたときのPMOSトランジスタMP10のゲートの電位の上昇は遅く、
図8に図示されているように、大きなインラッシュカレントが流れる。一方、本実施形態では、電流経路部34(即ち、ダイオード素子D11)を介して正側電源線35からPMOSトランジスタMP10のゲートに電流が流れることにより、PMOSトランジスタMP10のゲートの電位が速やかに上昇する。このため、インラッシュカレントが抑制される。
【0038】
なお、
図5では、電流経路部34がダイオード素子D11を備えた構成が図示されているが、ダイオード素子D11としては、ダイオードとして機能する様々な素子が用いられ得る。ダイオード素子D11としては、P型拡散領域とN型拡散領域とが接合されたダイオードが用いられてもよい。また、
図9に図示されているように、ダイオード素子D11として、ダイオード接続されたPMOSトランジスタMP13が用いられてもよい。PMOSトランジスタMP13は、ソースが正側電源線35に接続され、ゲート及びドレインが、PMOSトランジスタMP10のゲートに共通に接続されている。
【0039】
また、正側電源線35から出力段33のPMOSトランジスタMP10のゲートに電流を流す電流経路を提供する電流経路部34の構成は、様々に変更され得る。例えば、
図10に図示されているように、定電流源として構成された電流経路部34Aが用いられ得る。電流経路部34Aは、PMOSトランジスタMP14、MP15と、抵抗素子R11を備えている。PMOSトランジスタMP14、MP15は、カレントミラーを構成している。PMOSトランジスタMP14、MP15は、ソースが正側電源線35に共通に接続され、ゲートがPMOSトランジスタMP14のドレインに共通に接続されている。PMOSトランジスタMP14のドレインは、抵抗素子R11を介して負側電源線36に接続され、PMOSトランジスタMP15のドレインは、PMOSトランジスタMP10のゲートに接続されている。
【0040】
このような構成の電流経路部34Aは、一定の電流をPMOSトランジスタMP10のゲートに供給する機能を有しており、上述の電流経路部34と同様に、内蔵レギュレータ20の起動時にPMOSトランジスタMP10のゲートの電位を速やかに上昇させる。よって、
図10に図示された構成の電流経路部34Aを使用しても、内蔵レギュレータ20の起動時のインラッシュカレントを抑制することができる。
【0041】
(第2の実施形態)
図11Aは、本発明の第2の実施形態における内蔵レギュレータ20Aの構成を示すブロック図である。第2の実施形態の内蔵レギュレータ20Aは、第1の実施形態の内蔵レギュレータ20と同様に、液晶表示装置1において液晶表示パネル2を駆動するソースドライバIC3に集積化される。第2の実施形態の内蔵レギュレータ20Aは、基準電圧生成回路21とレギュレータアンプ22Aと論理回路ブロック23とを備えている。
【0042】
基準電圧生成回路21は、基準電圧V
REFを生成してレギュレータアンプ22に供給する。基準電圧生成回路21は、論理回路ブロック23から受け取った制御信号S
REF_CTRLに応答して基準電圧V
REFの生成を開始するように構成されている。詳細には、内蔵レギュレータ20Aの起動時に制御信号S
REF_CTRLがアサートされると、基準電圧生成回路21は、制御信号S
REF_CTRLのアサートに応答して基準電圧V
REFの出力を開始する。
【0043】
レギュレータアンプ22Aは、基準電圧V
REFから電源電圧V
DDを生成する。レギュレータアンプ22は、電圧フォロアとして構成されており、電源電圧V
DDが基準電圧V
REFに一致するように動作する。第2の実施形態で用いられるレギュレータアンプ22Aは、第1の実施形態で用いられるレギュレータアンプ22と同様に、電流経路部の動作によって内蔵レギュレータ20Aの起動時のインラッシュカレントを低減するように構成されている。ただし、第2の実施形態で用いられるレギュレータアンプ22Aは、論理回路ブロック23から受け取った制御信号S
AMP_CTRLに応答して電流経路部を動作させ、又は、動作を停止する機能を有している。
【0044】
論理回路ブロック23は、内蔵レギュレータ20Aの起動を制御する制御信号S
REG_CTRLに応答して、基準電圧生成回路21を制御する制御信号S
REF_CTRLとレギュレータアンプ22を制御する制御信号S
AMP_CTRLとを生成する。
【0045】
図12は、第2の実施形態におけるレギュレータアンプ22Aの構成を示す回路図である。第2の実施形態で用いられるレギュレータアンプ22Aは、第1の実施形態で用いられるレギュレータアンプ22と類似した構成を有している。ただし、第2の実施形態で用いられるレギュレータアンプ22Aは、第1の実施形態で用いられるレギュレータアンプ22の電流経路部34と構成が異なる電流経路部37を備えている点で第1の実施形態で用いられるレギュレータアンプ22と相違している。
【0046】
第2の実施形態で用いられる電流経路部37は、正側電源線35からPMOSトランジスタMP10のゲートに流れる電流を遮断可能に構成されている。詳細には、電流経路部37は、ダイオード素子D11とスイッチS11とを備えている。ダイオード素子D11とスイッチS11とは、正側電源線35とPMOSトランジスタMP10のゲートの間に直列に接続されている。ここで、ダイオード素子D11は、正側電源線35からPMOSトランジスタMP10のゲートに向かう方向に順方向電流を流すように接続されている。スイッチS11は、制御信号S
AMP_CTRLがアサートされるとオンされ、制御信号S
AMP_CTRLがネゲートされるとオフされる。
【0047】
図12では、スイッチS11がダイオード素子D11のカソードとPMOSトランジスタMP10のゲートの間に接続されている構成が図示されているが、スイッチS11は、正側電源線35とダイオード素子D11のアノードの間に接続されていてもよい。
【0048】
続いて、第2の実施形態の内蔵レギュレータ20Aの動作、特に、内蔵レギュレータ20Aの起動時のレギュレータアンプ22Aの電流経路部37の動作について説明する。ここで、内蔵レギュレータ20Aの起動の直前において、レギュレータアンプ22Aの入力ノードIN、出力ノードOUT及び正側電源線35が、いずれも、接地電位V
SSであるとする。これは、ソースドライバIC3の電源がオフされている状態に相当する。この時点では、PMOSトランジスタMP10のゲートの電位は、接地電位V
SSである。また、内蔵レギュレータ20Aの起動の直前において、制御信号S
REG_CTRL、S
REF_CTRL、S
AMP_CTRLがいずれも、ネゲートされているとする。
【0049】
図11Bを参照して、内蔵レギュレータ20Aの起動は、正側電源線35に電源電圧V
IOVCCを供給すると共に、制御信号S
REG_CTRLをアサートすることによって行われる。制御信号S
REG_CTRLがアサートされると、論理回路ブロック23によって制御信号S
REF_CTRLがアサートされる。制御信号S
REF_CTRLのアサートに応答して、基準電圧生成回路21からレギュレータアンプ22Aの入力ノードINに、所定の基準電圧V
REFが供給される。
【0050】
このとき、制御信号S
AMP_CTRLも制御信号S
REG_CTRLのアサートに応答してアサートされる。制御信号S
AMP_CTRLのアサートに応答して、電流経路部37のスイッチS11はオンされる。
【0051】
内蔵レギュレータ20Aの起動が開始された時点においては、PMOSトランジスタMP10のゲートの電位は接地電位V
SSである。このため、PMOSトランジスタMP10が深いオン状態になり、インラッシュカレントがPMOSトランジスタMP10を介して正側電源線35から出力ノードOUTに流れる。
【0052】
このとき、電流経路部37のスイッチS11は制御信号S
AMP_CTRLのアサートに応答してオンされているので、電流経路部37のスイッチS11及びダイオード素子D11を介して正側電源線35からPMOSトランジスタMP10のゲートに電流が流れる。これにより、PMOSトランジスタMP10のゲートの電位が速やかに上昇し、インラッシュカレントが抑制される。
【0053】
図11Bに図示されているように、所定の時間だけ制御信号S
AMP_CTRLがアサートされた後、論理回路ブロック23は、制御信号S
AMP_CTRLをネゲートする。制御信号S
AMP_CTRLがネゲートされると、スイッチS11はオフされ、正側電源線35からPMOSトランジスタMP10のゲートに流れる電流が遮断される。
【0054】
このような動作は、通常動作時におけるレギュレータアンプ22Aの消費電力を低減すると共に電流駆動能力を増大するためである。第1の実施形態の電流経路部34の構成では、正側電源線35からPMOSトランジスタMP10のゲートに常時に電流が流れることがある(ただし、この場合でも、NMOSトランジスタMN13がPMOSトランジスタMP10のゲートから負側電源線36に電流を引き出すので、PMOSトランジスタMP10のゲートは適正な電位に保たれる)。しかしながら、正側電源線35からPMOSトランジスタMP10のゲートに常時に電流が流れると、消費電力が増大してしまう。加えて、PMOSトランジスタMP10のゲートの電位のプルダウンが妨げられ、PMOSトランジスタMP10の実効的な駆動能力が低下し、レギュレータアンプ22Aから出力ノードOUTの電位が何らかの原因(例えば、出力ノードOUTに接続された負荷を流れる電流の増大)で低下したときに、出力ノードOUTの電位を基準電圧V
REFに復帰させるために要する時間が長くなる。このような問題は、内蔵レギュレータ20Aの起動が開始された後、所定の時間が経過したときに正側電源線35からPMOSトランジスタMP10のゲートに流れる電流を遮断することによって解消できる。本実施形態では、内蔵レギュレータ20Aの起動が開始された後、所定の時間が経過した後で電流経路部37のスイッチS11をオフすることにより、通常動作時におけるレギュレータアンプ22Aの消費電力を低減すると共に電流駆動能力を増大させることができる。
【0055】
なお、
図12では、電流経路部37がダイオード素子D11を備えた構成が図示されているが、ダイオード素子D11としては、ダイオードとして機能する様々な素子が用いられ得る。ダイオード素子D11としては、P型拡散領域とN型拡散領域とが接合されたダイオードが用いられてもよい。
【0056】
また、
図13A〜
図13Cに図示されているように、ダイオード素子D11として、ダイオード接続されたPMOSトランジスタMP13が用いられてもよい。ダイオード接続されたPMOSトランジスタMP13とスイッチS11とは、正側電源線35とPMOSトランジスタMP10のゲートの間に直列に接続される。ここで、
図13Aに図示されているように、スイッチS11は、正側電源線35とPMOSトランジスタMP13のソースの間に接続されていてもよい。また、
図13B、
図13Cに図示されているように、スイッチS11は、PMOSトランジスタMP13のドレインとPMOSトランジスタMP10のゲートの間に接続されていてもよい。この場合、
図13Bに図示されているように、PMOSトランジスタMP13のゲートは、PMOSトランジスタMP13のドレインに接続されてもよい。また、
図13Cに図示されているように、PMOSトランジスタMP13のゲートは、PMOSトランジスタMP10のゲートに接続されてもよい。PMOSトランジスタMP13のゲートがPMOSトランジスタMP10のゲートに接続されている場合でも、スイッチS11がオンされれば、PMOSトランジスタMP13はダイオード接続されることになるから、
図13Cの構成の電流経路部37は、
図13A、
図13Bの構成の電流経路部37と同様に動作する。
【0057】
また、
図14に図示されているように、定電流源として構成された電流経路部37Aが用いられる場合についても、正側電源線35からPMOSトランジスタMP10のゲートに流れる電流を、制御信号S
AMP_CTRLに応じて制御してもよい。
図14のレギュレータアンプ22Aの構成では、電流経路部37Aが、PMOSトランジスタMP14、MP15と、可変抵抗素子R11Aを備えている。PMOSトランジスタMP14、MP15は、カレントミラーを構成している。PMOSトランジスタMP14、MP15は、ソースが正側電源線35に共通に接続され、ゲートがPMOSトランジスタMP14のドレインに共通に接続されている。PMOSトランジスタMP14のドレインは、可変抵抗素子R11Aを介して負側電源線36に接続され、PMOSトランジスタMP15のドレインは、PMOSトランジスタMP10のゲートに接続されている。
【0058】
可変抵抗素子R11Aは、レギュレータアンプ22Aのインラッシュカレントと駆動能力の調節のために用いられる。MOSトランジスタの特性には、プロセス変動によるバラつきが存在する。これは、レギュレータアンプ22Aのインラッシュカレントと駆動能力(これらは、PMOSトランジスタMP10の特性に依存する)にバラつきが存在し得ることを意味している。出荷テスト時にレギュレータアンプ22Aのインラッシュカレントの大きさを測定し、例えば、トリミング(即ち、前工程が完了した後での配線の切断)によって可変抵抗素子R11Aの特性を調節することで、レギュレータアンプ22Aのインラッシュカレントと駆動能力のバランスを最適化することができる。
【0059】
本実施形態では、この可変抵抗素子R11Aが、制御信号S
AMP_CTRLに応答して抵抗値を変化させるように構成される。一実施形態では、制御信号S
AMP_CTRLがアサートされると、可変抵抗素子R11Aが所定の抵抗値R
1に設定され、制御信号S
AMP_CTRLがネゲートされると、可変抵抗素子R11Aの抵抗値が無限大に設定される。ここで、可変抵抗素子R11Aの抵抗値が無限大であることは、可変抵抗素子R11Aが、PMOSトランジスタMP14のドレインと負側電源線36とを電気的に遮断することを意味している。
【0060】
この場合でも、内蔵レギュレータ20Aのインラッシュカレントが抑制され、更に、通常動作時におけるレギュレータアンプ22Aの消費電力を低減すると共に電流駆動能力を増大させることができる。内蔵レギュレータ20Aの起動が開始され、制御信号S
AMP_CTRLがアサートされると、可変抵抗素子R11Aが所定の抵抗値R
1に設定され、電流経路部37AにおいてPMOSトランジスタMP14及び可変抵抗素子R11Aを介して正側電源線35から負側電源線36に電流が流れる。このとき、正側電源線35からPMOSトランジスタMP10のゲートに、PMOSトランジスタMP15を介して、PMOSトランジスタMP14を流れる上記電流に対応する定電流が流れる。これにより、内蔵レギュレータ20Aの起動時にPMOSトランジスタMP10のゲートの電位が速やかに上昇され、インラッシュカレントが抑制される。
【0061】
一方、内蔵レギュレータ20Aの起動の開始の後、所定時間が経過して制御信号S
AMP_CTRLがネゲートされると、PMOSトランジスタMP14及び可変抵抗素子R11Aを介して正側電源線35から負側電源線36に流れる電流が遮断される。この結果、正側電源線35からPMOSトランジスタMP10のゲートに流れる電流も遮断される。したがって、
図14の構成でも、内蔵レギュレータ20Aの起動が開始された後、所定の時間が経過すると、正側電源線35からPMOSトランジスタMP10のゲートに流れる電流が遮断され、通常動作時におけるレギュレータアンプ22Aの消費電力を低減すると共に電流駆動能力を増大させることができる。
【0062】
なお、
図14の構成が採用される場合、制御信号S
AMP_CTRLがアサートされたときに可変抵抗素子R11Aが所定の抵抗値R
1に設定され、制御信号S
AMP_CTRLがネゲートされたときに可変抵抗素子R11Aが所定の抵抗値R
2に設定されてもよい。ここで、抵抗値R
2は、抵抗値R
1よりも大きい。この場合、制御信号S
AMP_CTRLがネゲートされたときにPMOSトランジスタMP14及び可変抵抗素子R11Aを介して正側電源線35から負側電源線36に流れる電流は、制御信号S
AMP_CTRLがアサートされたときに比べて小さくなる。言い換えれば、制御信号S
AMP_CTRLがネゲートされたときに正側電源線35からPMOSトランジスタMP10のゲートに流れる電流は、制御信号S
AMP_CTRLがアサートされたときに比べて小さくなる。このような動作でも、通常動作時におけるレギュレータアンプ22Aの消費電力を低減すると共に電流駆動能力を増大させることができる。
【0063】
なお、上記の実施形態で提示されているレギュレータアンプ22、22Aの構成において、各MOSトランジスタの導電型が反転されてもよい。
図15、
図16A〜
図16Cは、それぞれ、
図12、
図13A〜
図13Cのレギュレータアンプ22Aの各MOSトランジスタの導電型を反転したレギュレータアンプ22Bの構成を示す回路図である。レギュレータアンプ22Bは、
図11の構成の内蔵レギュレータ20Aにおいて、レギュレータアンプ22Aの代わりに使用され得る。
【0064】
図15のレギュレータアンプ22Bは、入力段41と、中間段42と、出力段43と、電流経路部44と、基準電圧V
REFが入力される入力ノードINと、電源電圧V
DDを出力する出力ノードOUTとを備えている。
【0065】
出力段43は、NMOSトランジスタMN10と、定電流源I23とを備えている。NMOSトランジスタMN10は、負側電源線46に接続されたソースと、出力ノードOUTに接続されたドレインとを有しており、出力ノードOUTをプルダウンする出力トランジスタとして動作する。ここで、負側電源線46は、接地電位V
SSに固定される電源線である。定電流源I23は、出力ノードOUTと正側電源線45の間に接続されており、負荷として動作する。ここで、正側電源線45は、外部電源電圧V
IOVCC(ソースドライバIC3の外部から供給される電源電圧)が供給される電源線である。定電流源I23は、NMOSトランジスタMN10のドレインに一定の電流を供給するように動作する。
【0066】
入力段41と中間段42は、入力ノードINと出力ノードOUTの電位差を低減させるようにNMOSトランジスタMN10のゲートを駆動する差動回路部を構成している。
【0067】
より具体的には、入力段41は、NMOSトランジスタMN21、MN22と、定電流源I21と、PMOSトランジスタMP21、MP22とを備えている。NMOSトランジスタMN21、MN22は、差動トランジスタ対を構成しており、それらのソースはノードN31に共通に接続されている。NMOSトランジスタMN21のゲートは、入力ノードINに接続され、NMOSトランジスタMN22のゲートは、出力ノードOUTに接続されている。定電流源I21は、ノードN31と負側電源線46の間に接続され、ノードN31から一定の電流を引き出すように動作する。
【0068】
PMOSトランジスタMP21、MP22は、NMOSトランジスタMN21、MN22から構成される差動トランジスタ対の負荷として動作するカレントミラーを構成している。PMOSトランジスタMP21、MP22のソースは正側電源線45に共通に接続され、PMOSトランジスタMP21、MP22のドレインは、それぞれ、NMOSトランジスタMN21、MN22のドレインに接続されている。PMOSトランジスタMP21、MP22のゲートは、PMOSトランジスタMP21のドレインに共通に接続されている。
【0069】
このような構成の入力段41では、PMOSトランジスタMP22のドレインに接続されたノードN32に、入力ノードINと出力ノードOUTの電位差に応答した電位が生成される。
【0070】
中間段42は、定電流源I22とPMOSトランジスタMP23とを備えている。定電流源I22は、ノードN41から一定の電流を引き出すように動作する。PMOSトランジスタMP23は、ソースが正側電源線45に接続され、ドレインがノードN41に接続され、ゲートが入力段41のノードN32に接続されている。ノードN41は、出力段43のNMOSトランジスタMN10のゲートに接続されている。このような構成の中間段42は、入力段41のノードN32(即ち、PMOSトランジスタMP22のドレイン)の電位、即ち、入力ノードINと出力ノードOUTの電位差に応答して出力段43のNMOSトランジスタMN10のゲートを駆動する。
【0071】
電流経路部44は、正側電源線35から出力段33のNMOSトランジスタMN10のゲートに電流を流す電流経路を提供する回路部である。ただし、電流経路部44は、正側電源線35からNMOSトランジスタMN10のゲートに流れる電流を遮断可能に構成されている。
図15の構成では、電流経路部44は、NMOSトランジスタMN10のゲートと正側電源線35との間に直列に接続されたダイオード素子D21とスイッチS21とを備えている。ダイオード素子D21は、NMOSトランジスタMN10のゲートから負側電源線46に向かう方向に順方向電流を流すように接続されている。スイッチS21は、制御信号S
AMP_CTRLがアサートされるとオンされ、制御信号S
AMP_CTRLがネゲートされるとオフされる。
【0072】
図15では、スイッチS21がダイオード素子D21のカソードと負側電源線46の間に接続されている構成が図示されているが、スイッチS21は、NMOSトランジスタMN10のゲートとダイオード素子D21のアノードの間に接続されていてもよい。
【0073】
ダイオード素子D21としては、ダイオードとして機能する様々な素子が用いられ得る。ダイオード素子D21としては、P型拡散領域とN型拡散領域とが接合されたダイオードが用いられてもよい。
【0074】
また、
図16A〜
図16Cに図示されているように、ダイオード素子D21として、ダイオード接続されたNMOSトランジスタMN23が用いられてもよい。ダイオード接続されたNMOSトランジスタMN23とスイッチS21とは、NMOSトランジスタMN10のゲートと負側電源線46との間に直列に接続される。ここで、
図16Aに図示されているように、スイッチS21は、NMOSトランジスタMN23のソースと負側電源線46の間に接続されていてもよい。また、
図16B、
図16Cに図示されているように、スイッチS21は、NMOSトランジスタMN10のゲートとNMOSトランジスタMN23のドレインとの間に接続されていてもよい。この場合、
図16Bに図示されているように、NMOSトランジスタMN23のゲートは、NMOSトランジスタMN23のドレインに接続されてもよい。また、
図16Cに図示されているように、NMOSトランジスタMN23のゲートは、NMOSトランジスタMN10のゲートに接続されてもよい。NMOSトランジスタMN23のゲートがNMOSトランジスタMN10のゲートに接続されている場合でもスイッチS21がオンされればNMOSトランジスタMN23はダイオード接続されることになるから、
図16Cの構成の電流経路部44は、
図16A、
図16Bの構成の電流経路部44と同様に動作する。
【0075】
図15、
図16A〜
図16Cのレギュレータアンプ22Bを備える内蔵レギュレータの動作は、実質的には、上述された第2の実施形態の内蔵レギュレータ20Aの動作と同じである。
図15、
図16A〜
図16Cのレギュレータアンプ22Bを備える内蔵レギュレータは、下記のように動作する。
【0076】
制御信号S
REG_CTRLがアサートされると(すなわち、内蔵レギュレータの起動が開始されると)、論理回路ブロック23によって制御信号S
REF_CTRLがアサートされる。制御信号S
REF_CTRLのアサートに応答して、基準電圧生成回路21からレギュレータアンプ22Bの入力ノードINに、所定の基準電圧V
REFが供給される。このとき、制御信号S
AMP_CTRLも制御信号S
REG_CTRLのアサートに応答してアサートされる。制御信号S
AMP_CTRLのアサートに応答して、電流経路部44のスイッチS21はオンされる。
【0077】
内蔵レギュレータの起動が開始された時点においては、レギュレータアンプ22Aの出力ノードOUTは接地電位V
SSであり、入力ノードINに基準電圧V
REFが供給されることにより、入力ノードINと出力ノードOUTの間に電位差が生じる。レギュレータアンプ22Bの入力段41、中間段42は、入力ノードINと出力ノードOUTの電位差を低減するようにNMOSトランジスタMN10のゲートを駆動する。より具体的には、出力ノードOUTに接続されたNMOSトランジスタMN22が深いオン状態になってノードN32がプルダウンされる。これにより、ノードN32にゲートが接続されたPMOSトランジスタMP23が深いオン状態になり、ノードN32、即ち、NMOSトランジスタMN10のゲートの電位がプルアップされる。NMOSトランジスタMN10のゲートの電位のプルアップが過度に急速に行われると、インラッシュカレントが増大してしまう。
【0078】
このとき、電流経路部44のスイッチS21は制御信号S
AMP_CTRLのアサートに応答してオンされているので、電流経路部44のスイッチS21及びダイオード素子D21を介してNMOSトランジスタMN10のゲートから負側電源線46に電流が流れる。これにより、NMOSトランジスタMN10のゲートの電位の上昇が抑制され、インラッシュカレントが抑制される。
【0079】
内蔵レギュレータの起動が開始された後、所定の時間が経過すると論理回路ブロック23は、制御信号S
AMP_CTRLをネゲートする。制御信号S
AMP_CTRLがネゲートされると、スイッチS21はオフされ、NMOSトランジスタMN10のゲートから負側電源線46に流れる電流が遮断される。これにより、通常動作時におけるレギュレータアンプ22Bの消費電力を低減すると共に電流駆動能力を増大させることができる。
【0080】
なお、
図15、
図16A〜
図16Cの構成において、スイッチS21は設けられなくてもよい。この場合には、通常動作時におけるレギュレータアンプ22Bの消費電力の低減及び電流駆動能力の増大の利益は得られないが、インラッシュカレントの抑制の利益は得られる。
【0081】
図17は、
図14に図示されたレギュレータアンプ22Aの各MOSトランジスタの導電型を反転したレギュレータアンプ22Bの構成を示す回路図である。
図17に図示された構成では、定電流源として構成された電流経路部44Aが用いられる。電流経路部44Aは、NMOSトランジスタMN10のゲートから負側電源線46に流れる電流を、制御信号S
AMP_CTRLに応じて制御するように構成されている。
【0082】
図17のレギュレータアンプ22Bの構成では、電流経路部44Aが、NMOSトランジスタMN24、MN25と、可変抵抗素子R21Aを備えている。NMOSトランジスタMN24、MN25は、カレントミラーを構成している。NMOSトランジスタMN24、MN25は、ソースが負側電源線46に共通に接続され、ゲートがNMOSトランジスタMN24のドレインに共通に接続されている。NMOSトランジスタMN24のドレインは、可変抵抗素子R11Aを介して正側電源線45に接続され、NMOSトランジスタMN25のドレインは、NMOSトランジスタMN10のゲートに接続されている。
【0083】
可変抵抗素子R21Aは、制御信号S
AMP_CTRLに応答して抵抗値を変化させる。一実施形態では、制御信号S
AMP_CTRLがアサートされると、可変抵抗素子R21Aが所定の抵抗値R
1に設定され、制御信号S
AMP_CTRLがネゲートされると、可変抵抗素子R21Aの抵抗値が無限大に設定される。ここで、可変抵抗素子R21Aの抵抗値が無限大であることは、可変抵抗素子R21Aが、NMOSトランジスタMN24のドレインと正側電源線45とを電気的に遮断することを意味している。
【0084】
このような構成でも、内蔵レギュレータのインラッシュカレントが抑制され、更に、通常動作時におけるレギュレータアンプ22Bの消費電力を低減すると共に電流駆動能力を増大させることができる。内蔵レギュレータの起動が開始され、制御信号S
AMP_CTRLがアサートされると、可変抵抗素子R21Aが所定の抵抗値R
1に設定され、電流経路部44Aにおいて、NMOSトランジスタMN24及び可変抵抗素子R21Aを介して正側電源線45から負側電源線46に電流が流れる。このとき、PMOSトランジスタMP10のゲートから負側電源線46に、NMOSトランジスタMN25を介して、NMOSトランジスタMN24を流れる上記電流に対応する定電流が流れる。これにより、NMOSトランジスタMN10のゲートの電位の上昇が抑制され、インラッシュカレントが抑制される。
【0085】
一方、内蔵レギュレータの起動の開始の後、所定時間が経過して制御信号S
AMP_CTRLがネゲートされると、NMOSトランジスタMN24及び可変抵抗素子R21Aを介して正側電源線45から負側電源線46に流れる電流が遮断される。この結果、NMOSトランジスタMN10のゲートから負側電源線46に流れる電流も遮断される。したがって、
図17の構成でも、内蔵レギュレータの起動が開始された後、所定の時間が経過すると、NMOSトランジスタMN10のゲートから負側電源線46に流れる電流が遮断され、通常動作時におけるレギュレータアンプ22Bの消費電力を低減すると共に電流駆動能力を増大させることができる。
【0086】
なお、
図17の構成が採用される場合についても、制御信号S
AMP_CTRLがアサートされたときに可変抵抗素子R21Aが抵抗値R
1に設定され、制御信号S
AMP_CTRLがネゲートされたときに可変抵抗素子R21Aが所定の抵抗値R
2に設定されてもよい。ここで、抵抗値R
2は、抵抗値R
1よりも大きい。この場合、制御信号S
AMP_CTRLがネゲートされたときにNMOSトランジスタMN24及び可変抵抗素子R21Aを介して正側電源線45から負側電源線46に流れる電流は、制御信号S
AMP_CTRLがアサートされたときに比べて小さくなる。言い換えれば、制御信号S
AMP_CTRLがネゲートされたときにNMOSトランジスタMN10のゲートから負側電源線46に流れる電流は、制御信号S
AMP_CTRLがアサートされたときに比べて小さくなる。このような動作でも、通常動作時におけるレギュレータアンプ22Bの消費電力を低減すると共に電流駆動能力を増大させることができる。
【0087】
なお、
図17において、可変抵抗素子R21Aの代わりに、抵抗値が固定の抵抗素子が設けられてもよい。この場合には、通常動作時におけるレギュレータアンプ22Bの消費電力の低減及び電流駆動能力の増大の利益は得られないが、インラッシュカレントの抑制の利益は得られる。
【0088】
以上には、本発明の実施形態が具体的に記述されているが、本発明は、上記の実施形態に限定されると解釈してはならない。本発明が様々な変更と共に実施され得ることは、当業者には自明的であろう。例えば、上記には、本発明のレギュレータ回路が、液晶表示パネル2を備える液晶表示装置1のソースドライバIC3に適用された実施形態が図示されているが、本発明のレギュレータ回路は、一般に、様々な半導体集積回路に適用され得る。また、本発明のレギュレータ回路は、他の表示パネル(例えば、プラズマディスプレイパネル)を備える表示装置において、該表示パネルを駆動する表示パネルドライバに搭載され得る。