【解決手段】デバイス(101、103、105、107、109)から複数種類の情報を取得する情報取得手段(3B〜3F)と、前記情報取得手段で前記情報を取得した時間を表す時間タグを前記情報に挿入する時間タグ挿入手段(3J)と、前記情報の種類を表す種類タグを前記情報に挿入する種類タグ挿入手段(3B〜3F)と、前記時間タグ及び前記種類タグが挿入された前記情報を情報保存部に保存する情報保存手段(3G)と、時間Sを設定し、前記情報の種類ごとに、前記時間S以前で最新の前記時間タグを有する前記情報を前記情報保存部から読み出す情報読出手段(3、5)と、前記情報読出手段で読み出した前記情報を、前記種類タグに対応する表示方法で、画像表示装置で表示するために出力する情報出力手段(5)と、を備えることを特徴とする情報統合装置(1)。
前記情報取得手段により前記情報を取得する前記デバイスの種類を判断するデバイス種類判断手段(3B〜3F、5)を備えることを特徴とする請求項1に記載の情報統合装置。
前記デバイス種類判断手段の判断結果に基づき、前記情報出力手段で出力した前記情報を前記画像表示装置で表示するときのレイアウトを設定するデバイス種類対応レイアウト設定手段(5)を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の情報統合装置。
前記情報の内容における経時的な変化に基づき、前記情報の種類を判断する情報種類判断手段(3B〜3F、5)を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の情報統合装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
<第1の実施形態>
1.情報統合装置1の構成
情報統合装置1の構成を
図1に基づき説明する。情報統合装置1は、手術室における各種情報を統合して保存し、表示するための装置である。情報統合装置1は、CPU、RAM、HDD(ハードディスクドライブ)等を備えた周知のコンピュータである。情報統合装置1は、上記HDDにインストールされたプログラムにより、後述する処理を実行する。情報統合装置1は、機能的には、インターフェース3、アプリケーション(以下ではアプリと表記)5、及び時計7を備える。
【0011】
インターフェース3は、外部の内視鏡101、顕微鏡103、生体情報モニタ105、空調107、手術ナビ(ナビゲーションシステム)109、情報保存装置111、画像表示装置113、及び入力装置115等との間で情報のやり取りを仲介する。なお、以下では、内視鏡101、顕微鏡103、生体情報モニタ105、空調107、及び手術ナビ109をまとめて、デバイス群117と呼ぶこともある。また、内視鏡101、顕微鏡103、生体情報モニタ105、空調107、及び手術ナビ109のうちのいずれか1つをデバイスと呼ぶこともある。
【0012】
インターフェース3は、ミドルウエア3A及びプロバイダ3B〜3Jにより構成される。ミドルウエア3AはORiN(オライン)である。インターフェース3は、プログラミング言語、通信プロトコルの種類によらず、デバイス群117、情報保存装置111、画像表示装置113、及び入力装置115との間での情報のやり取りを可能にする。インターフェース3とデバイス、情報保存装置111、画像表示装置113、及び入力装置115との接続の方式は特に限定されず、例えば、LAN、HD−SDI、コントローラ、LANオプションコネクタ等とすることができる。
【0013】
アプリ5は、インターフェース3がデバイス群117、情報保存装置111、画像表示装置113、及び入力装置115との間での間でやり取りした情報を用いて後述する処理を実行する。時計7は、リアルタイムの時間(時刻)情報を生成し、その時間情報をプロバイダ3Jに出力する。時計7は、後述するように時間Sを設定するとき、その基準となる。
【0014】
内視鏡101、顕微鏡103、生体情報モニタ105、空調107、及び手術ナビ109は、それぞれ、情報統合装置1に情報を出力する。内視鏡101、及び顕微鏡103が出力する情報は、患者を撮影した画像の画像情報である。
【0015】
生体情報モニタ105は複数の生体情報を計測するデバイスの総称を表す用語である。生体情報モニタ105が出力可能な情報は、患者の手術中にモニタリングするあらゆる生体情報から適宜選択することができるものとし、例えば、血圧、心電図、酸素飽和度、心拍数、脈波、脳波、筋電、麻酔深度、運動誘発電位、体性感覚誘発電位等の生体情報である。空調107が出力する情報は、手術室における温度、湿度等の情報である。手術ナビ109が出力する情報は、患者の体内又は臓器内における病変又は手術器具の位置を表す情報である。なお、1つのデバイスは1種類の情報を出力してもよいし、複数種類の情報を出力してもよい。
【0016】
情報保存装置111は、情報の記憶、保存、及び読み出しが可能な装置であって、例えば、HDD等により実現できる。
画像表示装置113は、タッチパネル方式の液晶ディスプレイであり、一画面に画像を表示可能である。また、画像表示装置113は、ユーザによるタッチパネルへの入力操作に対応する信号をインターフェース3に出力する。
【0017】
入力装置115は、ユーザが非接触で入力を行うことができる構成である。入力装置115は、例えば、ユーザが発音した音声を取得可能なマイクと、そのマイクで取得した音声に対し、周知の音声認識処理を実行し、入力内容を決定する音声認識部と、を備えるものとすることができる。また、入力装置115は、例えば、ユーザの動作(手、顔、頭等の動作)を撮影するカメラと、そのカメラで撮影した動作から、予め動作に対応付けられた入力内容を決定する動作解析部と、を備えるものとすることができる。
【0018】
なお、内視鏡101、顕微鏡103、生体情報モニタ105、空調107、及び手術ナビ109は、デバイスの一例である。インターフェース3及びアプリ5は、時間タグ挿入手段、種類タグ挿入手段、情報種類判断手段、情報取得手段、情報保存手段、情報読出手段、情報検索手段、時間帯情報読出手段、情報出力手段、入力対応レイアウト設定手段、及びデバイス操作手段の一例である。画像表示装置113、入力装置115は、入力手段の一例である。
【0019】
2.情報統合装置1が実行する処理
情報統合装置1が実行する処理を
図2〜
図7に基づき説明する。
(2−1)情報保存処理
情報統合装置1(特にプロバイダ3B〜3J)が所定時間ごとに繰り返し実行する情報保存処理を
図2に基づき説明する。
【0020】
図2のステップ1では、インターフェース3を用いてデバイス群117から情報を取得する。取得する情報は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。また、一つのデバイスから複数種類の情報を取得してもよい。
【0021】
ステップ2では、その時点でのリアルタイムの時間情報を時計7から取得する。
ステップ3では、前記ステップ1で取得した情報に、前記ステップ2で取得した時間を表す時間タグを挿入する。前記ステップ1で複数種類の情報を取得した場合は、それぞれの情報に時間タグを挿入する。
【0022】
ステップ4では、予め保存しておいた種類タグ(情報の種類を表すタグ)を呼び出す。種類タグの保存については後述する。
ステップ5では、前記ステップ1で取得した情報に、前記ステップ4で呼び出した種類タグを挿入する。前記ステップ1で複数種類の情報を取得した場合は、それぞれの情報に種類タグを挿入する。
【0023】
ステップ6では、情報を情報保存装置111に送信する準備を行う。
ステップ7では、インターフェース3を用いて情報を情報保存装置111に送信し、そこに保存する。
【0024】
次に、
図3に基づき、情報統合装置1が種類タグを決定し、保存する処理を説明する。この処理は、情報統合装置1の起動時と、オペレータの操作時とに実行される。
図3のステップ10では、前記ステップ1と同様に、インターフェース3を用いてデバイス群117から情報を取得する。
【0025】
ステップ11では、前記ステップ10で取得した情報が画像情報であるか否かを判断する。画像情報である場合はステップ12に進み、画像情報ではない、又は不明である場合はステップ13に進む。
【0026】
ステップ12では、前記ステップ10で取得した情報に挿入する種類タグを、画像情報の種類タグとする。本ステップ12の終了後、ステップ18に進む。
ステップ13では、前記ステップ10で取得した情報が生体情報であるか否かを判断する。生体情報である場合はステップ14に進み、生体情報ではない、又は不明である場合はステップ15に進む。なお、生体情報とは、生体情報モニタ105が出力する血圧、心電図、酸素飽和度、心拍数、脈波、脳波、筋電、麻酔深度、運動誘発電位、体性感覚誘発電位等の情報である。
【0027】
生体情報であるか否かは、例えば、以下のように判断することができる。血圧、心電図、酸素飽和度、心拍数、脈波、脳波、筋電、麻酔深度、運動誘発電位、体性感覚誘発電位等の値は、経時的に(時間の経過とともに)変化する。また、その変化のパターンは、情報の種類に特有である。そのため、前記ステップ10で取得した情報が、生体情報に特有のパターンで経時的に変化するものであれば、その情報は生体情報であると判断することができ、それ以外の場合は生体情報ではないと判断することができる。
【0028】
ステップ14では、前記ステップ10で取得した情報に挿入する種類タグを、生体情報の種類タグとする。本ステップ14の終了後、ステップ18に進む。
ステップ15では、前記ステップ10で取得した情報のデバイス種類を入力するようにユーザを促す表示を画像表示装置113に表示する。なお、ユーザは、その表示に対し、前記ステップ10で取得した情報のデバイス種類を、画像表示装置113のタッチパネルに表示された選択肢から選択することができる。
【0029】
ステップ16では、前記ステップ17での表示に応じてなされた、ユーザの入力(前記ステップ10で取得した情報のデバイス種類の選択)に基づき、前記ステップ10で取得した情報の種類を判断するキャリブレーション処理を実行する。
【0030】
このキャリブレーション処理を具体的に説明する。ここでは、前記ステップ15においてユーザがデバイスとして空調107を選択した例を挙げる。空調107は、1つのデバイスで、複数種類の情報(設定温度、設定湿度、風量、室温、湿度)を出力する。
【0031】
まず、情報統合装置1は、画像表示装置113に、複数種類の情報をそれぞれ表示する。表示の態様は、例えば、横軸を時間とし、縦軸を情報の量とするグラフである。また、情報統合装置1は、それぞれの情報ごとに、情報の種類を指定可能な選択ボタンを表示する。
【0032】
情報統合装置1は、上記5種類の情報のうち1つの情報X(例えば設定温度)の値を経時的に変えるようにユーザを促す表示を画像表示装置113に表示する。ユーザは、その表示に応じ、その情報Xの値を経時的に変化させる処理(例えば、空調の設定温度を変化させる処理)を実行することができる。
【0033】
このユーザの操作に対し、連動して(高い相関を有して)値が変化する情報があれば、情報統合装置1は、その情報の種類が情報Xに該当すると判断する。
また、情報統合装置1は、他の情報Y、Z(例えば設定湿度、風量)についても、情報Xの場合と同様に、情報の値を経時的に変えるようにユーザを促す表示を画像表示装置113に表示し、ユーザの操作に対し、連動して(高い相関を有して)値が変化する情報があれば、情報統合装置1は、それらの情報の種類が情報Y、Zに該当すると判断する。
【0034】
上記のように、情報X、Y、Zの種類を判断した後、5種類の情報の中に、ユーザの操作により経時的に変化させることが困難であるもの(例えば、室温、湿度)が残った場合、ユーザは上記の選択ボタンを操作し、その情報の種類を指定することができる。
【0035】
ステップ17では、前記ステップ10で取得した情報に挿入する種類タグを、前記ステップ16で判断された情報の種類に対応したものに決定する。
ステップ18では、前記ステップ12、14、17のいずれかで決定された種類タグを保存する。なお、保存された種類タグは、前記ステップ4で呼び出すことができる。
【0036】
(2−2)情報表示処理
情報統合装置1(特にアプリ5)が所定時間ごとに繰り返し実行する情報表示処理を
図4〜
図6に基づき説明する。
【0037】
図4のステップ21では、後述するステップ22の処理で使用する時間(時刻)Sを設定する。この時間Sは、例えば、リアルタイムの時間から、一定の時間長だけ遡った時間とすることができる。また、時間Sは現在の時間であってもよい。
【0038】
ステップ22では、情報の種類ごとに、前記ステップ1で設定した時間S以前で最新の時間タグを有する情報を情報保存装置111から読み出す。例えば、
図5に示すように、情報の種類にA〜Bの4種類があり、前記ステップ1で設定した時間Sが、9時00分100ミリ秒(
図5では、時、分を省略し、ミリ秒を単位として、「100」と表示)であるとする。また、種類Aの情報として、時間タグの内容が
図5における「A」の列に示すとおりである複数の情報が情報保存装置11に記憶されているとする。なお、
図5に、「X(数値)」と表示されているものは、9時00分Xミリ秒を意味する。
【0039】
この場合、種類Aの情報の中から、時間S以前で最新の時間タグ(97)を有する、情報Asを情報保存装置111から読み出す。同様に、種類Bの情報の中から、時間S以前で最新の時間タグ(100)を有する、情報Bsを情報保存装置111から読み出し、種類Cの情報の中から、時間S以前で最新の時間タグ(99)を有する、情報Csを情報保存装置111から読み出し、種類Dの情報の中から、時間S以前で最新の時間タグ(98)を有する、情報Dsを情報保存装置111から読み出す。
【0040】
ステップ23では、前記ステップ22で読み出した情報を、アプリ5を用いて画像表示装置113に出力し、画像表示装置113で表示する。この表示は、その時点で設定されているレイアウトにより行う。ここでレイアウトとは、以下の要素の複合である。
【0041】
(α)画像表示装置113の表示領域をどのように区分するか。
(β)区分された各領域に、どの種類の情報をいくつ同時に表示するか。
(γ)区分された各領域における情報の表示態様(画像、数値、グラフ、表等)をどのようにするか。
【0042】
図6Aに、レイアウトの一例を示す。この例では、画像表示装置113の一画面における表示領域をa1〜a9から成る9の領域に区分している。このレイアウトでは、例えば、a1、a2、a3の領域において、生体情報をグラフの表示形態で表示し、a4〜a9の領域において、生体情報を数値の表示形態で表示することができる。
【0043】
また、
図6Bに、レイアウトの他の一例を示す。この例では、画像表示装置113の一画面における表示領域を、b1〜b14から成る14の領域に区分している。このレイアウトでは、例えば、b1の領域において、顕微鏡103が出力する画像情報と手術ナビ109の画像とを、重ね合わせて画像の表示形態で表示することができる。また、b2、b3、b4の領域において、手術ナビ109の画像を三面図形式で表示することができる。また、例えば、b5、b6の領域において、生体情報をグラフの表示形態で表示することができる。また、b7の領域において、内視鏡101が出力する画像情報を、画像の表示形態で表示できる。また、その他の領域において、生体情報を数値の表示形態で表示することができる。
【0044】
また、情報の表示は、種類タグに対応する表示方法で行う。例えば、情報の種類タグが心電である場合、横軸を時間とし、縦軸を心電の値とするグラフの表示方法により表示する。また、情報の種類タグが、手術ナビ109が出力する情報である場合、CT画像上の所定の座標に表示する表示方法を用いる。表示方法は、種類タグに応じて、アプリ5が決定する。
(2−3)レイアウト設定処理
情報統合装置1(特にアプリ5)が実行するレイアウト設定処理を
図7に基づき説明する。この処理は、画像表示装置113の表示におけるレイアウトを、現状のレイアウトから、特定のレイアウト(オペレータが指示したレイアウト)に変更することを指示する操作をオペレータが行ったときに実行される。
【0045】
ステップ31では、画像表示装置113で表示している情報のレイアウトを、オペレータが指示したレイアウトに変更し、表示を更新する。
ステップ32では、レイアウトの設定を、オペレータが指示したレイアウトに更新する。この時点以降、前記ステップ23で表示を行うときに使用するレイアウトは、更新後のレイアウトとなる。
【0046】
(2−4)ログ表示
ユーザは、入力装置115を用いて、2つの時間(時刻)を設定することができる。また、ユーザは、入力装置115を用いて、ログ表示を行う情報の種類を選択することができる。この場合、情報統合装置1は、選択された種類の情報について、設定された2つの時間の一方を始期とし、他方を終期とする時間帯に属する時間の時間タグを有する情報を情報保存装置111から読出し、画像表示装置113に表示する。表示の形態は、例えば、グラフ、又は表とすることができる。ユーザは、入力装置115を用いて、表示形態の変更(例えば、拡大、縮小、表示する時間帯の変更等)を行うことができる。
【0047】
また、ユーザは、入力装置115を用いて、情報に関する条件を入力することができる。情報統合装置1は、情報保存装置111に記憶されている情報の中から、その条件に該当する情報を検索し、発見した情報の時間タグを読み出す。
【0048】
例えば、ユーザが、特定の生体情報について、その生体情報が急変する(例えば単位時間当りの変化量が所定値以上である)という条件を入力すれば、情報統合装置1は、その条件に該当する生体情報を検索し、発見した情報の時間タグを読み出す。
【0049】
そして、情報統合装置1は、その時間タグの時間を始期又は終期とする時間帯、あるいは、その時間タグの時間を中心とする時間帯に属する時間の時間タグを有する情報(条件に該当する種類の情報)を情報保存装置111から読み出し、画像表示装置113に表示する。表示の形態は、例えば、グラフ、又は表とすることができる。ユーザは、入力装置115を用いて、表示形態の変更(例えば、拡大、縮小、表示する時間帯の変更等)を行うことができる。
【0050】
検索により発見した情報における時間タグの時間を、時間帯の始期とした場合、時間帯の終期は、ユーザが入力した値とすることもできるし、始期から所定時間後の時期とすることもできる。また、検索により発見した情報における時間タグの時間を、時間帯の終期とした場合、時間帯の始期は、ユーザが入力した値とすることもできるし、終期から所定時間前の時期とすることもできる。
【0051】
また、検索により発見した情報における時間タグの時間を、時間帯の中心とした場合、時間帯の長さは、ユーザが入力した値とすることもできるし、固定値とすることもできる。
【0052】
(2−5)デバイス操作処理
情報統合装置1は、画像表示装置113のタッチパネルへのユーザの入力操作を検出する。そして、その入力操作の内容に応じて、デバイス群117のうちのいずれかのデバイスを操作する。
【0053】
操作するデバイスは、単数であってもよいし、複数であってもよい。また、デバイスに加えて、あるいはデバイスに代えて、画像表示装置113を操作してもよい。操作する対象が複数である場合、複数のデバイスや画像表示装置113を連動して操作することができる。例えば、画像表示装置113のタッチパネルへ、所定の入力を行うことで、内視鏡101のモニタ101A、生体情報モニタ105、空調107におけるコントローラモニタ107A、手術ナビ109のモニタ109A、及び画像表示装置113から選択される1以上での画面の明るさ、色合いを、視認性や目の疲れを考慮した最適な条件に自動的に調整することができる。
【0054】
3.情報統合装置1が奏する効果
(1)情報統合装置1は、デバイスから情報を取得したとき、その取得時間に応じた時間タグと、情報の種類に応じた種類タグとを情報に挿入する。そして、情報統合装置1は、情報の種類ごとに、時間S以前で最新の時間タグを有する情報を情報保存装置111から読み出し、その読み出した情報を画像表示装置113に表示する。そのことにより、画像表示装置113に、時間タグの値(デバイスから情報を取得した時間)が同程度である複数種類の情報を並べたり、重ね合わせたりして表示することができる。
【0055】
(2)情報統合装置1は、ユーザが発音する音声、又はユーザの動作により(すなわち、ユーザの手が機器に接触することなく)、画像表示装置113で情報を表示するときのレイアウトを変更することができる。
【0056】
(3)情報統合装置1は、複数種類の情報を同時に画像表示装置113に表示することができる。
(4)情報統合装置1は、情報の種類ごとに、その情報にとって適切な表示方法で情報を表示できる。
<第2の実施形態>
1.情報統合装置1の構成
情報統合装置1の構成は基本的には前記第1の実施形態と同様である。なお、本実施形態において、プロバイダ3B〜3Jはデバイス種類判断手段の一例であり、アプリ5はデバイス種類対応レイアウト設定手段の一例である。
【0057】
2.情報統合装置1が実行する処理
本実施形態の情報統合装置1が実行する処理は基本的には前記第1の実施形態と同様であるが、情報表示処理において一部相違する。以下ではその相違点を中心に説明する。本実施形態の情報統合装置1(特にアプリ5)が所定時間ごとに繰り返し実行する情報表示処理を
図8に基づき説明する。
【0058】
ステップ41では、後述するステップ42の処理で使用する時間(時刻)Sを設定する。この時間Sは、例えば、リアルタイムの時間から、一定の時間長だけ遡った時間とすることができる。また、時間Sは、リアルタイムの時間であってもよい。
【0059】
ステップ42では、情報の種類ごとに、時間S以前で最新の時間タグを有する情報を情報保存装置111から読み出す。
ステップ43では、前記ステップ42で読み出した情報を、アプリ5を用いて画像表示装置113に出力し、画像表示装置113で表示する。この表示において、表示する情報のレイアウトは、情報統合装置1の起動時、又はオペレータの操作時に決定される。レイアウトを決定する処理は以下のとおりである。
【0060】
まず、デバイスから情報を取得し、そのデバイスの種類を判断する。デバイスの種類を判断するには、情報の種類を
図3に示す処理で特定し、その特定した情報の種類から、対応する(その情報を取得するために用いられる)デバイスの種類を判断する。
【0061】
次に、判断したデバイスの種類に対応するレイアウトを決め、そのレイアウトを呼び出す。なお、情報統合装置1は、予め、デバイスの種類と、レイアウトとを関連付けたマップを備えており、このマップに、デバイスの種類を入力することで、使用するレイアウトを決める。
【0062】
3.情報統合装置1が奏する効果
(1)本実施形態の情報統合装置1は、前記第1の実施形態と略同様の効果を奏することができる。
【0063】
(2)本実施形態の情報統合装置1は、情報を取得するために用いたデバイスの種類に応じて、レイアウトを設定することができる。このことにより、情報を適切なレイアウトで表示することができる。
<第3の実施形態>
1.情報統合システム119の構成
情報統合システム119の構成を
図9に基づき説明する。情報統合システム119は、前記第1又は第2の実施形態における情報統合装置1を、後述する時間調整処理を実行する範囲で、ネットワークを介して複数接続したシステムである。以下では、複数の情報統合装置1を、1A、1B、1C、・・・として区別する。上記のネットワークには、情報保存装置111、画像表示装置113、及び入力装置115が接続している。情報統合装置1A、1B、1C、・・・には、それぞれ、デバイス群117が接続している。
【0064】
なお、情報統合装置1A、1B、1C、・・・におけるインターフェース3及びアプリ5は、時計調整手段の一例である。
2.情報統合システム119が実行する処理
情報統合システム119を構成する情報統合装置1A、1B、1C、・・・は、それぞれ、前記第1又は第2の実施形態における情報統合装置1と同様に、情報保存処理を実行する。そのことにより、情報統合システム119は、情報保存装置111に、複数の情報統合装置1A、1B、1C、・・・で取得された情報をまとめて保存することができる。
【0065】
また、情報統合装置1Aは、第1又は第2の実施形態における情報統合装置1と同様に、情報表示処理、レイアウト設定処理、及びログ表示処理を実行する。上述したように、情報保存装置111には、複数の情報統合装置1A、1B、1C、・・・で取得された情報がまとめて保存される場合があり、この場合は、情報表示処理の結果、画像表示装置113に、複数の情報統合装置1A、1B、1C、・・・で取得した情報が同時に表示される。
【0066】
また、情報統合システム119は、以下に示す時間調整処理を実行する。所定の時間(例えば1日)ごとに、情報統合装置1Aは、自らの時計7からリアルタイムの時間(時刻)情報を取得し、その時間情報を他の情報統合装置1B、1C、・・・にネットワークを介して送信する。他の情報統合装置1B、1C、・・・は、情報統合装置1Aから送信された時間情報と、自らの時計7が生成する時間情報とが一致するように、自らの時計7を調整する(時計を合わせる処理を行う)。
【0067】
3.情報統合システム119が奏する効果
(1)情報統合システム119は、前記第1、第2の実施形態における情報統合装置1と同様の効果を奏することができる。
【0068】
(2)情報統合システム119は、上述した時間調整処理を実行するので、情報統合装置1A、1B、1C、・・・間における時計7の誤差を小さくすることができる。そのため、情報を取得する情報統合装置が、情報統合装置1A、1B、1C、・・・のうちのいずれであっても、情報保存装置111に保存する情報に、正確な時間タグを挿入することができる。その結果、情報保存装置111から、時間S以前で最新の時間タグを有する情報を読み出し、画像表示装置113に表示する場合、実際の情報取得時間が近い情報を並べて表示することができる。
<その他の実施形態>
(1)前記第1〜第3の実施形態において、情報保存装置111は、情報統合装置1の一部であってもよい。また、画像表示装置113は、情報統合装置1の一部であってもよい。また、入力装置115は、情報統合装置1の一部であってもよい。
【0069】
(2)前記第1〜第3の実施形態において、レイアウトは固定されていてもよい。
(3)前記第1〜第3の実施形態において、画像表示装置113を複数備えていてもよい。この場合、複数の情報の一部又は全部を、各画像表示装置113に表示することができる。
【0070】
(4)前記第1〜第3の実施形態の構成の全部又は一部を適宜組み合わせてもよい。
(5)前記第3の実施形態において、情報保存装置111、画像表示装置113、及び入力装置115のいずれかは、各情報統合装置1に備えられていてもよい。