【解決手段】施設利用契約管理装置200は、滞在型施設の所有者と、滞在型施設の情報とを関連付けて記録した滞在型施設情報記録手段と、滞在型施設の利用を希望する利用者端末から、利用を希望する滞在型施設を特定するための情報を受信して、滞在型施設の利用契約の申し込みを受け付ける利用契約申し込み受付手段と、利用契約承認情報が受信された場合に、利用契約の締結が承認された利用希望者を記録する利用契約情報記録手段と、優先利用希望者端末から優先利用希望情報を受信して、優先利用契約の申し込みを受け付ける優先利用契約申し込み受付手段と、所有者端末から、優先利用契約の申し込みに対して、優先利用契約承認情報受信手段と、優先利用契約承認情報が受信された場合に、優先利用契約の締結が承認された優先利用希望者を優先利用者に設定して、利用契約情報を更新する手段とを備える。
請求項1〜11のいずれかに記載の利用者端末、請求項1〜11のいずれかに記載の優先利用者端末、および請求項1〜11のいずれかに記載の所有者端末を、請求項1〜11のいずれかに記載の施設利用契約管理装置と通信回線を介して接続した施設利用契約管理システム。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本実施の形態における施設利用契約管理システム100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。施設利用契約管理システム100は、施設利用契約管理装置200と、所有者端末300と、利用者端末400と、優先利用者端末500とで構成される。
【0009】
施設利用契約管理装置200は、施設利用契約管理システム100を管理する管理装置であって、通信回線を介して接続された所有者端末300、利用者端末400、優先利用者端末500との間でデータの送受信を行う。本実施の形態では、施設利用契約管理システム100を利用して、車両によって牽引されることにより移動が可能な移動型滞在施設であるトレーラーハウスの契約を管理する場合を想定して、以下の説明を行う。
【0010】
所有者端末300は、トレーラーハウスの所有権を有する所有者が操作する端末であって、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パソコン等の通信機能を備えた端末が用いられる。所有者端末300は、無線や有線でインターネットや携帯電話通信網に接続することにより、施設利用契約管理装置200と通信を行って、施設利用契約管理装置200との間でデータの送受信を行う。
【0011】
利用者端末400は、トレーラーハウスの利用を希望する一般的なユーザが操作する端末であって、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パソコン等の通信機能を備えた端末が用いられる。利用者端末400は、無線や有線でインターネットや携帯電話通信網に接続することにより、施設利用契約管理装置200と通信を行って、施設利用契約管理装置200との間でデータの送受信を行う。
【0012】
優先利用者端末500は、トレーラーハウスの優先的な利用を希望するユーザが操作する端末であって、例えば、スマートフォン、タブレット端末、パソコン等の通信機能を備えた端末が用いられる。優先利用者端末500は、無線や有線でインターネットや携帯電話通信網に接続することにより、施設利用契約管理装置200と通信を行って、施設利用契約管理装置200との間でデータの送受信を行う。
【0013】
なお、
図1では、施設利用契約管理システム100は、それぞれ1台の施設利用契約管理装置200、所有者端末300、利用者端末400、優先利用者端末500で構成される例を示しているが施設利用契約管理システム100の構成はこれに限定されない。例えば、複数の施設利用契約管理装置200で処理を分散させるようにしてもよい。また、所有者端末300、利用者端末400、優先利用者端末500の数は特に限定されるものではない。
【0014】
本実施の形態では、トレーラーハウスの利用を希望する一般的なユーザを利用希望者、利用希望者のうちトレーラーハウスの所有者との間でトレーラーハウスの利用契約を締結したユーザを利用者、トレーラーハウスの優先的な利用を希望するユーザを優先利用希望者、優先利用希望者のうちトレーラーハウスの所有者との間でトレーラーハウスの優先利用契約を締結したユーザを優先利用者と呼んで、それぞれのユーザを区別する。
【0015】
図2は、本実施の形態における施設利用契約管理装置200としてサーバ装置を用いた場合の一実施の形態の構成を示すブロック図である。施設利用契約管理装置200は、操作部材201と、接続IF(インターフェース)202と、制御装置203と、記録装置204とを備えている。
【0016】
操作部材201は、施設利用契約管理装置200の操作者によって操作される種々の装置、例えばキーボードやマウスを含む。
【0017】
接続IF202は、施設利用契約管理装置200を通信回線に接続するためのインターフェースであり、例えば、インターネットに有線で接続するための有線LANモジュールや、インターネットに無線で接続するための無線LANモジュールなどが用いられる。本実施の形態では、施設利用契約管理装置200は、接続IF202を介して所有者端末300、利用者端末400、優先利用者端末500と通信を行う。
【0018】
制御装置203は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、施設利用契約管理装置200の全体を制御する。なお、制御装置203を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリである。このメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。例えば、接続IF202を介して読み込まれたデータは、バッファメモリに一時的に記録される。
【0019】
記録装置204は、施設利用契約管理装置200が蓄える種々のデータや、制御装置203が実行するためのプログラムのデータ等を記録するための記録装置であり、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。なお、記録装置204に記録されるプログラムのデータは、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体に記録されて提供されたり、ネットワークを介して提供され、使用者が取得したプログラムのデータを記録装置204にインストールすることによって、制御装置203がプログラムを実行できるようになる。
【0020】
本実施の形態では、トレーラーハウスの所有者は、所有者端末300を操作して、自身が所有権を有しているトレーラーハウスに関する情報をあらかじめ施設利用契約管理装置200に登録しておくことにより、施設利用契約管理システム100を利用して、利用希望者や優先利用希望者からの利用申し込みを受け付けることができる。このために、所有者は、まず、所有者端末300を操作して施設利用契約管理装置200にアクセスし、トレーラーハウスの所有者としての登録を行う。
【0021】
例えば、所有者は、所有者端末300を操作して施設利用契約管理装置200に開設されている所有者登録サイトへアクセスし、表示される所有者登録画面上で必要事項を入力することにより、所有者登録を行うことができる。所有者端末300の制御装置は、所有者登録画面上で入力された所有者登録情報を施設利用契約管理装置200へ送信して、所有者の登録を要求する。
【0022】
なお、所有者登録画面を表示させるためのアクセス先は、所有者が直接、所有者登録画面表示用のアドレスを指定しても良いし、メニューページへアクセスして、該メニューページ上に貼られたリンクから所有者登録画面を呼び出して表示させるようにしてもよい。あるいは、制御装置203が所有者端末300へ所有者登録画面にアクセスするためのリンク情報を記載したメールを送信し、所有者がメールに記載されたリンク情報をクリックすると所有者登録画面が表示されるようにしてもよい。また、以下の説明では、所有者端末300、利用者端末400、優先利用者端末500から施設利用契約管理装置200へアクセスして、各端末上に種々の画面を表示させる例について記載するが、各画面の表示方法も上記の方法と同様にすればよい。
【0023】
所有者が所有者登録画面上で入力する所有者登録情報としては、所有者の名前、住所、電話番号、メールアドレス、施設利用契約管理システム100へのログイン時に用いるパスワード等の情報が含まれる。なお、所有者の名前は、所有者が法人である場合には法人名、個人である場合には個人名となる。
【0024】
制御装置203は、所有者端末300から所有者登録情報を受信すると、所有者を一意に識別するための情報、例えば所有者IDを発行し、該所有者IDと所有者登録情報とを関連付けた所有者情報を記録装置204に記録する。また、制御装置203は、所有者情報に含まれるメールアドレスに宛てて、所有者登録が完了した旨を通知するためのメールを送信する。このメールに、発行した所有者IDと所有者情報に含まれるパスワードを記載しておけば、所有者は、次回以降は、この所有者IDとパスワードを用いて施設利用契約管理システム100にログインすることができる。
【0025】
所有者は、所有者登録を行った後は、上記所有者IDとパスワードを用いて施設利用契約管理システム100にログインした上で、施設利用契約管理システム100を介して利用希望者の募集を行うトレーラーハウスの登録を行う。なお、所有者IDとパスワードを用いたログイン処理は、公知の処理であるため詳細な説明を省略するが、例えば、所有者端末300の制御装置は、モニタ上にログイン画面を表示させ、該ログイン画面上で所有者によって入力された所有者IDとパスワードの組を施設利用契約管理装置200へ送信する。施設利用契約管理装置200では、制御装置203は、記録装置204に記録されている所有者情報内に、所有者端末300から受信した所有者IDとパスワードの組と同じものが存在するかをチェックし、同じものが存在すれば認証OKとして、所有者端末300によるログインを認めるようにすればよい。
【0026】
所有者は、ログイン後に自身が所有権を有するトレーラーハウスに関する情報の登録を行う。例えば、トレーラーハウスの所有者は、所有者端末300を操作して表示装置にトレーラーハウスに関する情報の登録画面を表示させ、該登録画面上で、トレーラーハウスのタイプ、広さ、現在の設置場所、利用料といった利用希望者や優先利用希望者に公開することが好ましい種々の情報を入力する。所有者端末300の制御装置は、所有者によって入力されたトレーラーハウスに関する情報にログイン時に用いられた所有者IDを含めて、施設利用契約管理装置200へ送信する。
【0027】
施設利用契約管理装置200では、制御装置203は、所有者端末300からトレーラーハウスに関する情報を受信すると、トレーラーハウスを一意に特定するための情報、例えばトレーラーハウスIDを発行し、受信したトレーラーハウスに関する情報とトレーラーハウスIDとを関連付けたトレーラーハウス情報を記録装置204に記録する。これによって、所有者は、施設利用契約管理装置200に自身が所有するトレーラーハウスのトレーラーハウス情報を登録することができる。
【0028】
なお、上述した登録画面上で入力されるトレーラーハウスのタイプは、事務所用、店舗用、住居用などのトレーラーハウスの用途を特定するための情報である。また、上述した登録画面上で入力される情報は一例であって、これに限定されるものではない。例えば、トレーラーハウスが太陽光パネルや蓄電池といった発電及び蓄電設備を有しているか否かといった情報や、トレーラーハウスの外観や室内の画像情報等も登録できるようにしてもよい。
【0029】
所有者によって登録されたトレーラーハウス情報は、利用希望者や優先利用希望者が、利用者端末400や優先利用者端末500を介して閲覧することができる。ここで、本実施の形態における利用希望者と優先利用希望者について説明する。
【0030】
利用希望者は、トレーラーハウスへの滞在を希望する一般的な利用希望者であって、所有者との間で、トレーラーハウスの利用契約を締結することにより、トレーラーハウスの利用が許可されると利用者となる。トレーラーハウスの利用契約としては、契約期間応じた賃借料を支払う賃貸契約等が想定される。また、利用者と所有者との間で取り交わされた契約の内容には、そのトレーラーハウスに対する優先利用希望者が現れた際に、所有者が優先利用希望者にトレーラーハウスの利用を認めた場合には、利用者との間の契約を解除して、優先利用希望者と契約を締結することに同意する旨の契約事項が含まれている。
【0031】
優先利用希望者は、災害時や緊急時に優先的にトレーラーハウスの利用が認められることが好ましい団体や人物、例えば、災害救護団体、医師、看護師、行政機関などが想定される。優先利用希望者が災害救護団体である場合には、災害が発生した場合に団体の構成員を被災地へ派遣するに当たり、現地で滞在場所、宿泊場所、または事務所として利用する滞在型施設を確保するために、移動可能なトレーラーハウスを利用することができる。これによって、優先利用希望者は、災害発生時に、被害を受けていないトレーラーハウスを被災地へ移動させて現地で利用することができる。このとき、トレーラーハウスが上述したように太陽光パネルや蓄電池といった発電及び蓄電のための設備を有していれば、ライフラインが復旧する前でも被災地での救援活動を円滑に行うことが可能となる。
【0032】
優先利用希望者が優先的にトレーラーハウスの利用を希望する必要がないとき、すなわち通常時には、制御装置203は、一般の利用希望者からのトレーラーハウスの利用申し込みを以下の処理によって受け付ける。
【0033】
利用希望者は、利用者端末400を操作して、施設利用契約管理装置200に登録されているトレーラーハウスの検索を行うことができる。例えば、利用希望者は、利用者端末400上でトレーラーハウスの検索画面を表示させ、検索画面上で利用したいトレーラーハウスの条件を検索条件として入力して検索実行を指示することにより、トレーラーハウスの検索を行うことができる。検索条件としては、上述したトレーラーハウス情報に含まれるトレーラーハウスのタイプ、広さ、利用料などを指定できるものとする。
【0034】
利用希望者によって検索実行が指示されると、利用者端末400の制御装置は、利用希望者によって指定された検索条件を施設利用契約管理装置200へ送信する。施設利用契約管理装置200では、制御装置203は、記録装置204に記録されているトレーラーハウス情報の中から、利用者端末400から受信した検索条件にマッチするトレーラーハウス情報を読み出して、利用者端末400へ送信する。これによって、利用者端末400の表示装置上に検索結果として抽出されたトレーラーハウス情報が一覧表示され、利用希望者は、その中から利用契約の申し込みを希望するトレーラーハウスを選択することができる。
【0035】
利用希望者によって利用契約の申し込みを希望するトレーラーハウスが選択されると、利用者端末400の制御装置は、選択されたトレーラーハウスのトレーラーハウスIDを利用希望情報として施設利用契約管理装置200へ送信して、トレーラーハウスの利用契約の申し込みを行う。
【0036】
施設利用契約管理装置200では、制御装置203は、利用者端末400から受信した利用希望情報に含まれるトレーラーハウスIDに基づいて、利用希望者が利用を希望しているトレーラーハウスを特定するとともに、特定したトレーラーハウスのトレーラーハウス情報に基づいて、そのトレーラーハウスの所有者を特定する。そして、制御装置203は、特定した所有者の所有者端末300へ利用契約承認要求情報を送信して、所有者に利用希望者からトレーラーハウスの利用契約の申し込みがあったことを通知するとともに、申し込みに対する承認を要求する。例えば、制御装置203は、特定した所有者の所有者情報に基づいて、トレーラーハウスの所有者のメールアドレスを特定し、特定したメールアドレスに宛てて、利用希望者からトレーラーハウスの利用契約の申し込みがあったことを通知するための利用契約承認要求情報を送信する。この利用契約承認要求情報には、所有者が利用希望者との間の利用契約の締結に承認するか否かを選択するための情報として、例えば承認ボタンと拒否ボタンが含まれる。
【0037】
所有者は、所有者端末300でこのメールを受信して、利用希望者からの利用契約の申し込みに承認するか否かを決定する。所有者がメール内の承認ボタンをクリックした場合には、所有者端末300の制御装置は、所有者が利用契約の締結に承認したことを示す利用契約承認情報を施設利用契約管理装置200へ送信する。一方、所有者がメール内の拒否ボタンをクリックした場合には、所有者端末300の制御装置は、所有者が利用契約の締結を拒否したことを示す利用契約拒否情報を施設利用契約管理装置200へ送信する。
【0038】
施設利用契約管理装置200では、制御装置203は、所有者端末300から利用契約承認情報を受信した場合には、利用契約の締結が承認された利用希望者を、利用契約の締結が承認されたトレーラーハウスの利用者に設定し、その設定内容を示す利用契約情報を記録装置204に記録する。例えば、制御装置203は、利用者に対して、利用者を一意に特定するための情報である利用者IDを発行し、利用者IDと、利用契約の締結が承認されたトレーラーハウスのトレーラーハウスIDと、利用契約期間など、契約内容を特定するための情報を利用契約情報として記録する。また、制御装置203は、所有者によって利用契約の締結が承認されたことを示す情報を利用者端末400へ送信する。これによって、利用希望者は、自身の利用契約の申し込みに対して、所有者が承認したことを把握することができる。その後、利用希望者と所有者との間で正式にトレーラーハウスの利用契約が締結されると、利用希望者は、そのトレーラーハウスの利用者として、トレーラーハウスに滞在することが可能となる。
【0039】
一方、制御装置203は、所有者端末300から利用契約拒否情報を受信した場合には、所有者によって利用契約の締結が拒否されたことを示す情報を利用者端末400へ送信する。この場合、利用希望者は、改めてトレーラーハウスの検索を行って、利用契約の申し込みをやり直すことになる。
【0040】
次に、優先利用希望者が優先的にトレーラーハウスの利用を希望する必要が生じたとき、すなわち緊急時には、制御装置203は、優先利用希望者からのトレーラーハウスの利用申し込みを以下の処理によって受け付ける。
【0041】
優先利用希望者は、優先利用者端末500を操作して、優先利用希望者が利用を希望するトレーラーハウスの条件を指定する。優先利用希望者は、例えば、表示装置上に表示された希望条件入力画面上で、優先利用希望者が必要とするトレーラーハウスの台数、利用時のトレーラーハウスの設置場所、トレーラーハウスの利用目的等の希望するトレーラーハウスの条件を指定する。優先利用者端末500の制御装置は、優先利用希望者によって入力されたトレーラーハウスの条件を示す優先利用希望情報を施設利用契約管理装置200へ送信して、トレーラーハウスの優先利用契約の申し込みを行う。
【0042】
施設利用契約管理装置200では、制御装置203は、優先利用者端末500から優先利用希望情報を受信すると、記録装置204に記録されているトレーラーハウス情報と、優先利用希望情報により特定されるトレーラーハウスの条件とに基づいて、優先利用希望者が希望する条件に合ったトレーラーハウスを特定する。一例を挙げると、トレーラーハウスの条件において、利用目的が「事務所用」と指定されている場合には、トレーラーハウス情報において、トレーラーハウスの利用目的が「事務所用」と登録されているトレーラーハウスが条件にマッチするものとして抽出される。また、トレーラーハウスの条件において、利用時のトレーラーハウスの設置場所が指定されている場合には、トレーラーハウス情報に登録されている現在の設置場所と利用時のトレーラーハウスの設置場所とを加味して、優先利用希望者が希望する条件に合ったトレーラーハウスが特定される。この場合、制御装置203は、現在の設置場所と利用時の設置場所の移動距離が最短となるもの、現在の設置場所から利用時の設置場所への移動時間が最短となるもの、または現在の設置場所から利用時の移動場所までの移動経路にトレーラーハウスの牽引に適さない道路を含まないものなど、あらかじめ設定されたアルゴリズムに基づいて、抽出するトレーラーハウスを検索する。
【0043】
制御装置203は、トレーラーハウスの条件として指定されたトレーラーハウスの台数を満たすまで、条件に合ったトレーラーハウスの特定を繰り返す。制御装置203は、特定したトレーラーハウスの所有者が優先利用の契約締結を拒否した場合や所有者から応答がない場合を想定して、さらに少なくとも1つのトレーラーハウスを予備候補として特定しておく。制御装置203は、条件として指定された台数分のトレーラーハウスのトレーラーハウス情報に基づいて、それらのトレーラーハウスの所有者を特定する。そして、制御装置203は、特定した所有者の所有者端末300へ優先利用契約承認要求情報を送信して、優先利用希望者からトレーラーハウスの利用契約の申し込みがあったことを通知するとともに、申し込みに対する承認を要求する。例えば、制御装置203は、特定した所有者の所有者情報に基づいて、該所有者のメールアドレスを特定し、特定したメールアドレスに宛てて、優先利用希望者からトレーラーハウスの利用契約の申し込みがあったことを通知する優先利用契約承認要求情報を送信する。この優先利用契約承認要求情報には、所有者が優先利用希望者との間の優先利用契約の締結に承認するか否かを選択するための情報として、例えば承認ボタンと拒否ボタンが含まれる。
【0044】
所有者は、所有者端末300でこのメールを受信して、優先利用希望者からの優先利用契約の申し込みに承認するか否かを決定する。所有者がメール内の承認ボタンをクリックした場合には、所有者端末300の制御装置は、所有者が優先利用契約の締結に承認したことを示す優先利用契約承認情報を施設利用契約管理装置200へ送信する。一方、所有者がメール内の拒否ボタンをクリックした場合には、所有者端末300の制御装置は、所有者が優先利用契約の締結を拒否したことを示す優先利用契約拒否情報を施設利用契約管理装置200へ送信する。
【0045】
施設利用契約管理装置200では、制御装置203は、所有者端末300から優先利用契約承認情報を受信した場合には、記録装置204に記録されている利用契約情報を参照して、優先利用契約の締結が承認されたトレーラーハウスに、既に利用契約が締結された利用者が存在するか否かを判断する。その結果、利用契約が締結された利用者が存在しない場合には、制御装置203は、所有者によって優先利用契約が承認された優先利用希望者をそのトレーラーハウスの優先利用者に設定し、その設定内容を示す利用契約情報を記録装置204に記録する。一方、既に利用契約が締結された利用者が存在する場合には、制御装置203は、そのトレーラーハウスに対する利用者の設定を解除するとともに、優先利用契約の締結が承認された優先利用希望者を優先利用者に設定して、利用契約情報を更新する。
【0046】
この場合も、制御装置203は、例えば、優先利用者に対して、優先利用者を一意に特定するための情報である優先利用者IDを発行し、優先利用者IDと、優先利用契約の締結が承認されたトレーラーハウスのトレーラーハウスIDと、優先利用の契約期間など、優先利用契約の内容を特定するための情報を利用契約情報として記録する。また、制御装置203は、所有者によって優先利用契約の締結が承認されたことを示す情報を優先利用者端末500へ送信する。これによって、優先利用希望者は、自身の優先利用契約の申し込みに対して、所有者が承認したことを把握することができる。その後、優先利用希望者と所有者との間で正式にトレーラーハウスの優先利用契約が締結されると、優先利用希望者は、そのトレーラーハウスの優先利用者として、トレーラーハウスに滞在することが可能となる。
【0047】
また、制御装置203は、優先利用契約が締結されたトレーラーハウスに対する利用者の設定を解除して利用契約情報を更新した場合には、設定を解除した利用者が所持する利用者端末400に対して、トレーラーハウスの利用契約が解除されたこと示す情報を送信する。これによって、一般の利用者は、緊急事態の発生に伴って優先利用者が優先的にトレーラーハウスを利用する必要が生じたことにより、自身の利用契約が解除されたことを把握することができる。
【0048】
一方、制御装置203は、所有者端末300から優先利用契約拒否情報を受信した場合や、あらかじめ設定された所定時間が経過しても所有者端末300から優先利用契約承認情報および優先利用契約拒否情報を受信しない場合には、上述した処理で予備候補として特定しておいたトレーラーハウスの所有者を改めて選択し、その所有者の所有者端末300へ、上述した優先利用契約承認要求情報を送信する。
【0049】
その後、制御装置203は、改めて優先利用契約承認要求情報を送信した所有者端末300からの優先利用契約承認情報または優先利用契約拒否情報の受信を待ち、受信した情報に応じて、上述した処理を行う。制御装置203は、最終的に条件として指定された台数分のトレーラーハウスについて優先利用契約が承認されるまで、上記処理を繰り返す。これによって、制御装置203は、優先利用希望者が希望する台数分のトレーラーハウスを確保することができる。
【0050】
制御装置203は、所有者端末300から優先利用契約承認情報を受信したときに、トレーラーハウスを現在の設置場所から移動先、すなわち優先利用者が希望する設置場所へ牽引するための牽引車両の手配を行う。具体的には、制御装置203は、現在の設置場所、移動先、移動予定日、移動対象のトレーラーハウスといった、トレーラーハウスの牽引に必要な情報を含んだ手配情報を作成し、作成した手配情報をトレーラーハウスを牽引するための牽引車両の所有者が所持する牽引車両所有者端末へ送信する。これによって、トレーラーハウスを移動先へ移動させるための牽引車両の手配を自動的に行うことができる。
【0051】
図3は、本実施の形態において、施設利用契約管理装置200で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図3に示す処理は、施設利用契約管理装置200の電源がオンされると起動するプログラムとして、制御装置203によって実行される。なお、ここでは、上述した所有者情報とトレーラーハウス情報は、あらかじめ登録されて記録装置204に記録されているものとする。
【0052】
ステップS1では、制御装置203は、
図4に示す利用契約受付処理を実行する。その後、ステップS2へ進み、制御装置203は、
図5に示す優先利用契約受付処理を実行する。その後、ステップS3へ進む。
【0053】
ステップS3では、制御装置203は、施設利用契約管理装置200の電源のオフが指示されたか否かを判断する。ステップS3で否定判断した場合には、ステップS1へ戻る。これに対して、ステップS3で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0054】
図4を用いて、ステップS1で実行される利用契約受付処理について説明する。ステップS10において、制御装置203は、利用者端末400から上述したトレーラーハウスの検索条件を受信したか否かを判断する。ステップS10で否定判断した場合には、
図3に示す処理に復帰する。これに対して、ステップS10で肯定判断した場合には、ステップS20へ進む。
【0055】
ステップS20では、制御装置203は、利用者端末400から受信した検索条件にマッチするトレーラーハウス情報を記録装置204から読み出して、利用者端末400へ送信する。その後、ステップS30へ進む。
【0056】
ステップS30では、制御装置203は、利用者端末400から上述した利用希望情報を受信したか否かを判断する。ステップS30で否定判断した場合には、
図3に示す処理に復帰する。これに対して、ステップS30で肯定判断した場合には、ステップS40へ進む。
【0057】
ステップS40では、制御装置203は、利用者端末400から受信した利用希望情報に含まれるトレーラーハウスIDに基づいて、利用希望者が利用を希望しているトレーラーハウスを特定するとともに、特定したトレーラーハウスのトレーラーハウス情報に基づいて、そのトレーラーハウスの所有者を特定する。その後、ステップS50へ進む。
【0058】
ステップS50では、制御装置203は、ステップS40で特定した所有者の所有者端末300へ、上述した利用契約承認要求情報を送信する。その後、ステップS60へ進む。
【0059】
ステップS60では、制御装置203は、所有者端末300から上述した利用契約承認情報を受信したか否かを判断する。ステップS60で肯定判断した場合には、ステップS70へ進む。
【0060】
ステップS70では、制御装置203は、所有者によって利用契約の締結が承認された利用希望者を、利用契約の締結が承認されたトレーラーハウスの利用者に設定し、その設定内容を示す利用契約情報を記録装置204に記録する。その後、ステップS80へ進む。
【0061】
ステップS80では、制御装置203は、所有者によって利用契約の締結が承認されたことを示す情報を利用者端末400へ送信する。その後、
図3に示す処理に復帰する。
【0062】
一方、ステップS60で否定判断した場合、すなわち所有者端末300から上述した利用契約拒否情報を受信した場合には、ステップS90へ進む。ステップS90では、制御装置203は、所有者によって利用契約の締結が拒否されたことを示す情報を利用者端末400へ送信する。その後、
図3に示す処理に復帰する。
【0063】
次に、
図5を用いて、ステップS2で実行される優先利用契約受付処理について説明する。ステップS100において、制御装置203は、優先利用者端末500から上述した優先利用希望情報を受信したか否かを判断する。ステップS100で否定判断した場合には、
図3に示す処理に復帰する。これに対して、ステップS100で肯定判断した場合には、ステップS110へ進む。
【0064】
ステップS110では、制御装置203は、上述したように、記録装置204に記録されているトレーラーハウス情報と、優先利用希望情報により特定されるトレーラーハウスの条件とに基づいて、優先利用希望者が希望する条件に合ったトレーラーハウスを上述した予備候補も含めて特定する。その後、ステップS120へ進む。
【0065】
ステップS120では、制御装置203は、ステップS110で特定した複数のトレーラーハウスのうち、優先利用希望者によってトレーラーハウスの条件として指定された台数分のトレーラーハウスを対象として、それらのトレーラーハウス情報に基づいてトレーラーハウスの所有者を特定する。その後、ステップS130へ進む。
【0066】
ステップS130では、制御装置203は、ステップS120で特定した所有者の所有者端末300へ、上述した優先利用契約承認要求情報を送信する。その後、ステップS140へ進む。
【0067】
ステップS140では、制御装置203は、所有者端末300から優先利用契約承認情報を受信したか否かを判断する。ステップS140で否定判断した場合、すなわち所有者端末300から上述した優先利用契約拒否情報を受信した場合、またはあらかじめ設定された所定時間が経過しても所有者端末300から優先利用契約承認情報および優先利用契約拒否情報を受信しない場合には、ステップS190へ進む。
【0068】
ステップS190では、制御装置203は、ステップS110で予備候補として特定しておいたトレーラーハウスの所有者を特定して、ステップS130へ戻る。
【0069】
一方、ステップS140で肯定判断した場合には、ステップS150へ進む。ステップS150では、制御装置203は、優先利用契約の締結が承認された優先利用希望者を優先利用者に設定して利用契約情報を記録する。このとき、上述したように、制御装置203は、優先利用契約の締結が承認されたトレーラーハウスに既に利用契約が締結された利用者が存在する場合には、そのトレーラーハウスに対する利用者の設定を解除した上で優先利用契約の締結が承認された優先利用希望者を優先利用者に設定し、利用契約情報を更新する。その後、ステップS160へ進む。
【0070】
ステップS160では、制御装置203は、所有者によって優先利用契約の締結が承認されたことを示す情報を優先利用者端末500へ送信する。その後、ステップS170へ進む。
【0071】
ステップS170では、制御装置203は、優先利用契約が締結されたトレーラーハウスに対する利用者の設定を解除して利用契約情報を更新した場合には、設定を解除した利用者が所持する利用者端末400に対して、トレーラーハウスの利用契約が解除されたこと示す情報を送信する。その後、ステップS180へ進む。
【0072】
ステップS180では、制御装置203は、優先利用契約が承認されたトレーラーハウスの台数が、優先利用希望者によって条件として指定された台数に到達したか否かを判断する。ステップS180で否定判断した場合には、ステップS140へ戻る。これに対して、ステップS180で肯定判断した場合には、ステップS200へ進む。
【0073】
ステップS200では、制御装置203は、トレーラーハウスを現在の設置場所から優先利用者が希望する設置場所へ牽引するために、牽引車両の手配を行うための手配情報を作成する。その後、ステップS210へ進む。
【0074】
ステップS210では、制御装置203は、ステップS200で作成した手配情報をトレーラーハウスを牽引するための牽引車両の所有者が所持する牽引車両所有者端末へ送信する。その後、
図3に示す処理に復帰する。
【0075】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)制御装置203は、トレーラーハウスの所有者IDと、その所有者が所有するトレーラーハウスに関連する情報およびトレーラーハウスIDとを関連付けたトレーラーハウス情報を記録装置204に記録し、利用者端末400から、利用希望者が利用を希望するトレーラーハウスIDを含んだ利用希望情報を受信して、利用希望者からのトレーラーハウスの利用契約の申し込みを受け付ける。そして、制御装置203は、利用契約の申し込みを受け付けたときに、受信した利用希望情報に含まれるトレーラーハウスIDに基づいて、利用希望者が利用を希望しているトレーラーハウスを特定するとともに、特定したトレーラーハウスのトレーラーハウス情報に基づいて、そのトレーラーハウスの所有者を特定し、特定した所有者の所有者端末300へ利用契約承認要求情報を送信して、所有者に利用契約の申し込みに対する承認を要求するようにし、所有者端末300から、利用契約の申し込みに対して、所有者が利用契約の締結に承認したことを示す利用契約承認情報を受信した場合には、利用契約の締結が承認された利用希望者を、利用契約の締結が承認されたトレーラーハウスの利用者に設定した利用契約情報を記録装置204に記録するようにした。また、制御装置203は、優先利用者端末500から、優先利用希望者が希望するトレーラーハウスの条件が指定された優先利用希望情報を受信して優先利用希望者からのトレーラーハウスの優先利用契約の申し込みを受け付けたときに、トレーラーハウス情報と優先利用希望情報とに基づいて、優先利用希望者が希望する条件に合ったトレーラーハウスを特定するとともに、それらのトレーラーハウスの所有者を特定し、特定した所有者が所持する所有者端末300ヘ優先利用契約の申し込みに対する承認を要求する優先利用契約承認要求情報を送信するようにした。そして、制御装置203は、所有者端末300から、優先利用契約の申し込みに対して、所有者が優先利用契約の締結に承認したことを示す優先利用契約承認情報を受信した場合には、優先利用契約の締結が承認されたトレーラーハウスの利用者の設定を解除するとともに、優先利用契約の締結が承認された優先利用希望者を優先利用者に設定して、利用契約情報を更新するようにした。これによって、トレーラーハウスの所有者が優先利用者との優先利用契約の締結を承認した場合には、既にそのトレーラーハウスの利用者がいたとしても、その利用者との契約を解除して、優先利用者との間で契約を締結することができる。このため、通常時は、一般の利用者との間で契約を締結して、契約者の利用を可能とするとともに、災害発生時等の緊急時には、被災者や被災地を支援する支援団体と優先的に契約を行って、指定された移動場所へトレーラーハウスを移動させ、これらの関係者に優先的に利用を認めるといった利用形態をとることが可能となる。
【0076】
(2)制御装置203は、所有者によって優先利用契約の締結が承認され、利用契約情報を更新したときに、トレーラーハウスの契約者としての設定が解除された利用者の利用者端末400に対して、トレーラーハウスの利用契約が解除されたこと示す情報を送信するようにした。これによって、利用者は、優先利用者が優先的にトレーラーハウスを利用する必要が生じたことにより、自身の利用契約が解除されたことを把握することができる。
【0077】
(3)制御装置203は、優先利用希望者が希望する条件に合ったトレーラーハウスを、優先利用希望者が希望する数に加えて予備候補を特定しておき、あらかじめ設定された所定時間が経過しても優先利用契約承認情報を受信しない場合や、優先利用契約拒否情報を受信した場合には、予備候補のトレーラーハウスの所有者が所持する所有者端末300ヘ優先利用契約承認要求情報を再送信するようにし、これを優先利用希望者が希望する台数が確保できるまで繰り返すようにした。これによって、所有者が優先利用の契約締結に応じなかった場合でも、優先利用希望者が希望する台数分のトレーラーハウスを確保することができる。
【0078】
(4)滞在型施設として、車両によって牽引可能なトレーラーハウスを用いるようにした。このため、緊急時に容易に設置場所を移動することができ、移動先でもすぐに利用を開始することができる。また、建物の賃貸借においては、借家法で即時解除が禁止されているが、トレーラーハウスは、建物ではないため借家法の制約を受けず、上述したように、あらかじめ利用者との間で締結する契約に、即時解約の特約を付すことが可能となる。
【0079】
(5)トレーラーハウス情報には、トレーラーハウスの現在の設置場所の情報を含み、優先利用希望者が希望するトレーラーハウスの条件には、利用時のトレーラーハウスの設置場所の情報を含むようにした。そして、制御装置203は、トレーラーハウスの現在の設置場所と利用時のトレーラーハウスの設置場所とを加味して、優先利用希望者が希望する条件に合ったトレーラーハウスを特定するようにした。これによって、牽引時の移動時間が最短になるもの、移動距離が最短になるもの、移動経路が最適なものなど、トレーラーハウスを牽引するときの事情を加味して、最適なトレーラーハウスを特定することができる。
【0080】
(6)制御装置203は、所有者端末300から優先利用契約承認情報を受信したときに、トレーラーハウスを現在の設置場所から移動先へ牽引するための牽引車両を手配するための手配情報を作成し、作成した手配情報をトレーラーハウスを牽引するための牽引車両の所有者が所持する牽引車両所有者端末へ送信するようにした。これによって、トレーラーハウスを移動先へ移動させるための牽引車両の手配を自動的に行うことができる。例えば、通常時は、トレーラーハウスを山村の滞在型市民農園に設置して、滞在施設として提供し、緊急時には、優先利用者によって指定された利用場所へトレーラーハウスを移動させるように、牽引車両を手配することができる。
【0081】
(7)制御装置203は、所有者端末300から利用契約承認情報を受信したときに、利用契約の締結が承認された利用希望者の利用者端末400へ、利用契約の締結が承認されたことを通知するようにした。これによって、利用希望者は、所有者によって、自身の利用契約の申し込みが承認されたことを把握することができる。
【0082】
(8)制御装置203は、所有者端末300から優先利用契約承認情報を受信したときに、優先利用契約の締結が承認された優先利用希望者の優先利用者端末500へ、優先利用契約の締結が承認されたことを通知するようにした。これによって、優先利用希望者は、所有者によって、自身の優先利用契約の申し込みが承認されたことを把握することができる。
【0083】
―変形例―
なお、上述した実施の形態の施設利用契約管理システム100は、以下のように変形することもできる。
(1)上述した実施の形態では、利用者と所有者との間で取り交わされた契約の内容には、そのトレーラーハウスに対する優先利用希望者が現れた際に、所有者が優先利用希望者にトレーラーハウスの利用を認めた場合には、利用者との間の契約を解除して、優先利用希望者と契約を締結することに同意する旨の契約事項が特約として含まれていることを前提とし、制御装置203は、所有者端末300から優先利用契約承認情報を受信したときに、対象となるトレーラーハウスに既に利用契約が締結された利用者が存在する場合には、そのトレーラーハウスに対する利用者の設定を解除するとともに、優先利用契約の締結が承認された優先利用希望者を優先利用者に設定して利用契約情報を更新するようにした。しかしながら、所有者は、上述したトレーラーハウスに関する情報の登録を行う際に、トレーラーハウスにごとに、上記の特約を利用者に必ず要求するのか、利用者が特約に同意するか否かを選択できるようにするのかを指定できるようにしてもよい。この場合は、制御装置203は、優先利用者端末500から、優先利用希望者が希望するトレーラーハウスの条件が指定された優先利用希望情報を受信して優先利用希望者からのトレーラーハウスの優先利用契約の申し込みを受け付けたときに、利用者が契約時に特約に同意することを選択していたトレーラハウスを対象として、優先利用希望者が希望する条件に合ったトレーラーハウスを特定するようにすればよい。これによって、所有者によって、上記の特約を利用者に必ず要求するように指定されたトレーラーハウスに対しては、上述した実施の形態における処理を実行することができ、所有者によって、利用者が特約に同意するか否かを選択できるように指定されたトレーラーハウスの場合は、利用者が契約時に特約に同意することを選択していた場合にのみ、上述した実施の形態における処理を実行することができる。
【0084】
(2)上述した実施の形態では、制御装置203は、所有者端末300から利用契約承認情報を受信した場合には、利用契約の締結が承認された利用希望者を、利用契約の締結が承認されたトレーラーハウスの利用者に設定し、その設定内容を示す利用契約情報を記録装置204に記録する例について説明した。しかしながら、利用希望者を利用者に設定するための処理の流れは、これに限定されない。例えば、制御装置203は、所有者端末300から利用契約承認情報を受信した場合には、利用契約の申込内容や利用契約が締結した際に支払う費用の見積内容といった情報を含んだ確認情報を作成して記録装置204へ記録するとともに、この確認情報を閲覧するためのリンクを貼ったメールを利用契約の締結が承認された利用希望者の利用者端末400へ送信するようにしてもよい。この場合、利用者端末400の制御装置は、利用希望者がリンクから確認情報にアクセスして内容を確認し、最終的にその内容に同意する旨の応答をしたときに、同意したことを示す情報を施設利用契約管理装置200へ送信し、施設利用契約管理装置200では、記録装置203は、この情報を受信したときに、利用契約の締結が承認された利用希望者を、利用契約の締結が承認された滞在型施設の利用者に設定し、その設定内容を示す利用契約情報を記録装置204に記録するようにすればよい。これによって、利用契約を正式に締結する前に、利用希望者は、申し込み内容や費用の見積り内容を確認することができる。なお、制御装置203は、利用希望者を利用者に設定して利用契約情報を記録装置204に記録した場合には、自動で利用契約書を作成して利用者端末400へ送信するようにしてもよい。この処理は、制御装置203が、所有者端末300から優先利用契約承認情報を受信した場合に、優先利用希望者を優先利用者に設定する場合にも同様に適用することができる。
【0085】
(3)上述した実施の形態では、制御装置203は、所有者端末300から優先利用契約承認情報を受信した場合には、優先利用契約の締結が承認された優先利用希望者を優先利用者に設定して利用契約情報を更新するようにした。そして、制御装置203は、優先利用契約の締結が承認されたトレーラーハウスに既に利用契約が締結された利用者が存在する場合には、そのトレーラーハウスに対する利用者の設定を解除した上で優先利用契約の締結が承認された優先利用希望者を優先利用者に設定するようにした。このとき、制御装置203は、利用者のトレーラーハウスの利用契約を解除するに当たって、その利用者の利用者端末400へ契約解除に関する覚書や、契約解除に伴う費用清算のための清算書を送付するようにしてもよい。また、優先利用者に設定した優先利用者の優先利用者端末500に対しては、自動的に優先利用契約書を作成して送信するようにしてもよい。
【0086】
(4)上述した実施の形態では、制御装置203は、所有者端末300から優先利用契約承認情報を受信したときに、トレーラーハウスを現在の設置場所から優先利用者が希望する設置場所へ牽引するために、牽引車両の手配を行うための手配情報を作成して、牽引車両の所有者が所持する牽引車両所有者端末へ送信するようにした。この場合、制御装置203は、優先利用者端末500へ、手配情報に含まれる移動予定日を送信して、優先利用者にトレーラーハウスが新たな設置場所へ移送される日を通知するようにしてもよい。また、制御装置203は、牽引車両の整備を依頼するための情報を車両整備会社の端末へ送信して車両の整備を手配してもよいし、トレーラーハウスのセキュリティシステムを管理するセキュリティ会社の端末へ、優先利用者の情報や新たな設置場所を示す情報を送信して、セキュリティ会社での管理情報の変更を手配するようにしてもよい。
【0087】
(5)上述した実施の形態では、制御装置203は、所有者端末300から利用契約承認情報を受信して利用契約情報を記録装置204に記録するに当たり、利用者に対して、利用者を一意に特定するための情報である利用者IDを発行する例について説明した。また、制御装置203は、所有者端末300から優先利用契約承認情報を受信して優先利用契約情報を記録装置204に記録するに当たり、優先利用者に対して、優先利用者を一意に特定するための情報である優先利用者IDを発行する例について説明した。しかしながら、制御装置203は、利用希望者と優先利用希望者から、事前に利用希望者または優先利用希望者としてのユーザ登録を受け付けるようにし、ユーザ登録を受け付けた段階で利用者IDと優先利用者IDとを発行するようにしてもよい。この場合、利用希望者は、利用契約の申し込みを行うに当たり、事前に、発行済みの利用者IDを用いて、利用者端末400上で施設利用契約管理システム100にログインしておく必要がある。また、優先利用希望者は、優先利用契約の申し込みを行うに当たり、事前に、発行済みの優先利用者IDを用いて、優先利用者端末500上で施設利用契約管理システム100にログインしておく必要がある。
【0088】
(6)上述した実施の形態では、施設利用契約管理システム100を利用して管理する滞在型施設は、車両によって牽引されることにより移動が可能な移動型滞在施設であるトレーラーハウスとした。しかしながら、上述した実施の形態における処理により、利用希望者と優先利用希望者による契約の申し込みを受け付けることが可能な滞在施設、宿泊施設、店舗、事務所などの用途に利用できる滞在型施設であれば、対象はトレーラーハウスに限定されない。
【0089】
(7)上述した実施の形態では、利用者や優先利用者は、トレーラーハウスの所有者との間で利用契約や優先利用契約を締結する例について説明した。しかしながら、所有者は、施設利用契約管理装置200の管理者にトレーラーハウスの運用を委託することができることとし、この場合は、利用者や優先利用者は、施設利用契約管理装置200の管理者との間でトレーラーハウスの利用契約や優先利用契約を締結するようにしてもよい。例えば、所有者が、上述した所有者登録画面上で所有者登録を行う際に、所有者端末300の制御装置は、所有者登録画面上にトレーラーハウスの運用委託契約の内容を提示して所有者からの同意を求め、所有者がこれに同意した場合に、所有者登録情報を施設利用契約管理装置200へ送信して、所有者の登録を要求するようにすればよい。
【0090】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
所有者が所有する滞在型施設の情報とを関連付けて記録した滞在型施設情報を記録装置に記録する滞在型施設情報記録手段と、滞在型施設の利用を希望する利用希望者が所持する利用者端末から、利用希望者が利用を希望する滞在型施設を特定するための情報を受信して、利用希望者からの滞在型施設の利用契約の申し込みを受け付ける利用契約申し込み受付手段と、利用契約申し込み受付手段によって利用契約の申し込みを受け付けたときに、受信した滞在型施設を特定するための情報に基づいて、利用希望者が利用を希望する滞在型施設を特定する利用希望滞在型施設特定手段と、滞在型施設情報に基づいて、利用希望滞在型施設特定手段によって特定された滞在型施設の所有者を特定する利用希望施設所有者特定手段と、利用希望施設所有者特定手段によって特定された所有者が所持する所有者端末ヘ利用契約の申し込みに対する承認を要求する利用契約承認要求情報を送信する利用契約承認要求情報送信手段と、所有者端末から、利用契約の申し込みに対して、所有者が利用契約の締結に承認したことを示す利用契約承認情報を受信する利用契約承認情報受信手段と、利用契約承認情報受信手段によって利用契約承認情報が受信された場合に、利用契約の締結が承認された利用希望者を、利用契約の締結が承認された滞在型施設の利用者に設定した利用契約情報を記録装置に記録する利用契約情報記録手段と、滞在型施設の優先的な利用を希望する優先利用希望者が所持する優先利用者端末から、優先利用希望者が希望する滞在型施設の条件が指定された優先利用希望情報を受信して、優先利用希望者からの滞在型施設の優先利用契約の申し込みを受け付ける優先利用契約申し込み受付手段と、優先利用契約申し込み受付手段によって優先利用契約の申し込みを受け付けたときに、滞在型施設情報と優先利用希望情報とに基づいて、優先利用希望者が希望する条件に合った滞在型施設を特定する優先利用希望滞在型施設特定手段と、滞在型施設情報に基づいて、優先利用希望滞在型施設特定手段によって特定された滞在型施設の所有者を特定する優先利用希望施設所有者特定手段と、優先利用希望施設所有者特定手段によって特定された所有者が所持する所有者端末ヘ優先利用契約の申し込みに対する承認を要求する優先利用契約承認要求情報を送信する優先利用契約承認要求情報送信手段と、所有者端末から、優先利用契約の申し込みに対して、所有者が優先利用契約の締結に承認したことを示す優先利用契約承認情報を受信する優先利用契約承認情報受信手段と、優先利用契約承認情報受信手段によって優先利用契約承認情報が受信された場合に、優先利用契約の締結が承認された滞在型施設の利用者の設定を解除するとともに、優先利用契約の締結が承認された優先利用希望者を優先利用者に設定して、利用契約情報を更新する利用契約情報更新手段と、