【解決手段】プラグコネクタ10は平面視で略矩形を有する。そしてそのプラグコネクタ10の4つの角部それぞれに、リセプタクルコネクタ20に係止する係止部14が設けられている。また、リセプタクルコネクタ20には、プラグコネクタ10の4つの角部に対応する各位置にプラグコネクタ10の係止部14と嵌め合う嵌合部24がそれぞれ設けられている。それらの嵌合部24のそれぞれは、プラグコネクタ10の係止部14が設けられた角部を挟んで隣接する2辺のいずれとも交わる向き、すなわち、平面視での斜め向きに、係止部14と嵌め合う嵌合部である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1実施形態のコネクタ組立体を構成するプラグコネクタとリセプタクルコネクタを示した斜視図である。
【
図2】
図1に示す第1実施形態のコネクタ組立体を構成するプラグコネクタを、
図1に示した向きとは裏返しにして示した斜視図である。
【
図3】
図1,
図2に示すプラグコネクタに備えられた係止金具を示した斜視図である。
【
図4】
図1に示すリセプタクルコネクタに備えられた嵌合金具を示した斜視図である。
【
図5】第1実施形態のコネクタ組立体において、プラグコネクタがリセプタクルコネクタに近づいた、嵌合直前の状態を示した斜視図である。
【
図6】第1実施形態のコネクタ組立体において、プラグコネクタがリセプタクルコネクタに組み合った状態を示した斜視図である。
【
図7】本発明の第2実施形態のコネクタ組立体におけるプラグコネクタに備えられた係止金具を示した斜視図である。
【
図8】第2実施形態における、係止金具と嵌合金具との嵌め合いの様子を示した斜視図である。
【
図9】本発明の第3実施形態のコネクタ組立体における、リセプタクルコネクタに備えられた嵌合金具を示した斜視図である。
【
図10】第3実施形態における、係止金具と嵌合金具との嵌め合いの様子を示した斜視図である。
【
図11】本発明の第4実施形態のコネクタ組立体における、プラグコネクタに備えられた係止金具を示した斜視図である。
【
図12】第4実施形態における、係止金具と嵌合金具との嵌め合いの様子を示した斜視図である。
【
図13】本発明の第5実施形態のコネクタ組立体における、プラグコネクタに備えられた係止金具を示した斜視図である。
【
図14】第5実施形態における、係止金具と嵌合金具との嵌め合いの様子を示した斜視図である。である。
【
図15】本発明の第6実施形態のコネクタ組立体における、プラグコネクタに備えられた係止金具を示した斜視図である。
【
図16】本発明の第6実施形態のコネクタ組立体における、リセプタクルコネクタに備えられた嵌合金具を示した斜視図である。
【
図17】第6実施形態における、係止金具と嵌合金具との嵌め合いの様子を示した斜視図である。
【
図18】本発明の第7実施形態のコネクタ組立体における、プラコネクタに備えられた係止金具を示した斜視図である。
【
図19】第7実施形態における係止金具と嵌合金具との嵌め合いの様子を示した斜視図である。
【
図20】本発明の第8実施形態のコネクタ組立体を構成するプラグコネクタとリセプタクルコネクタを示した斜視図である。
【
図21】第8実施形態のコネクタ組立体を構成するプラグコネクタを、
図20に示した向きとは裏返しにして示した斜視図である。
【
図22】本発明の第9実施形態のコネクタ組立体を構成する、プラグコネクタとリセプタクルコネクタの嵌合直前の状態を示した斜視図である。
【
図23】第9実施形態のコネクタ組立体を構成する嵌合直前のプラグコネクタとリセプタクルコネクタを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1実施形態のコネクタ組立体を構成するプラグコネクタとリセプタクルコネクタを示した斜視図である。
【0016】
また、
図2は、
図1に示す第1実施形態のコネクタ組立体を構成するプラグコネクタを、
図1に示した向きとは裏返しにして示した斜視図である。
【0017】
これらプラグコネクタ10およびリセプタクルコネクタ20は、本発明にいう、それぞれ第1コネクタおよび第2コネクタの各一例に相当する。
【0018】
プラグコネクタ10は、平面視で略長方形のハウジング11とを有し、プラグコネクタ10の全体としても略長方形状を成している。ハウジング11の中央には、平面視で略長方形の凹部15が形成されている。凹部15の底面は比較的広い平面になっており、吸着面として利用することができる。また、このプラグコネクタ10は、ハウジング11の略長方形の2つの長辺に沿って配列された複数のコンタクト12を有する。これらのコンタクト12は、不図示のFPC上の接続パッドに接続される。また、このプラグコネクタ10の略長方形の両端には、係止金具13が備えられている。このプラグコネクタ10は、リセプタクルコネクタ20に係止する係止部14が略長方形の4つの角部それぞれに設けられている。このプラグコネクタ10の略長方形の両端に備えられた2つの係止金具13は、その1つずつが2つの角部の係止部14を形成している。
【0019】
図3は、
図1,
図2に示すプラグコネクタに備えられた係止金具を示した斜視図である。
【0020】
図1,
図2に示すプラグコネクタ10には2つの係止金具13が備えられているが、それら2つの係止金具13は向きが異なるだけであって同一の形状の金具である。
【0021】
図3(A),(B)は、プラグコネクタ10の、
図2に示す姿勢における2つの係止金具13それぞれの姿勢を示している。すなわち、
図3(A),(B)は、プラグコネクタ10からハウジング11及びコンタクト12を除いた状態を示す。
【0022】
これらの係止金具13は、1つの係止金具13につき2つの係止部14を形成している。各係止部14は、1つの係止部14につき2本の係止片141を有する。これら2本の係止片141は、プラグコネクタ10のハウジング11の角を挟む2辺それぞれに沿ってその角に向かって延び、互いの先端を近接させた形状を有する。また、各係止部14には、2本の係止片141に隣接して係止凹部142が形成されている。これら2本の係止片141は、このプラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とを着脱させる際に弾性変形する。係止金具13の底面145は、プラグコネクタ10が実装されるFPCに半田付けされる。また、底面145の一端からは、ハウジング11に圧入される2本の圧入片144が延びている。
【0023】
図1に戻ってリセプタクルコネクタ20について説明する。
【0024】
このリセプタクルコネクタ20には、プラグコネクタ10を受容する受容凹部211が形成されたハウジング21を備えている。そしてこのリセプタクルコネクタ20の、受容凹部211にプラグコネクタ10が受容されたときの、プラグコネクタ10の複数のコンタクト12にそれぞれ対応する位置に、複数のコンタクト22が備えられている。これら複数のコンタクト22は、それらの一部がハウジング21の台部25内のキャビティに収容されると共に、不図示の回路基板上の導体パターンに半田付けされる。したがって、プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20が組み合うと、プラグコネクタ10が接続されたFPC上の配線とリセプタクルコネクタ20が搭載された回路基板上の導体パターンが電気的に接続される。なお、台部25の上面は比較的広い平面になっており、吸着面として利用することができる。
【0025】
また、このリセプタクルコネクタ20の受容凹部211の両端部には、嵌合金具23が備えられている。
【0026】
このリセプタクルコネクタ20の受容凹部211の4つの角部、すなわち、このリセプタクルコネクタ20とプラグコネクタ10とが組み合ったときのプラグコネクタ10の4つの角部それぞれに対応する各位置に、嵌合部24が設けられている。このリセプタクルコネクタ20の受容凹部211の両端に備えられた2つの嵌合金具23は、その1つずつが2つの嵌合部24を形成している。
【0027】
図4は、
図1に示すリセプタクルコネクタに備えられた嵌合金具を示した斜視図である。
【0028】
図1に示すリセプタクルコネクタ20には、2つの嵌合金具23が備えられているが、それら2つの嵌合金具23は向きが異なるだけであって同一の形状の金具である。
図4(A),(B)は、リセプタクルコネクタ20の
図1に示す姿勢における2つの嵌合金具23の姿勢を示している。すなわち、
図4(A),(B)は、リセプタクルコネクタ20からハウジング21及びコンタクト22を除いた状態を示す。
【0029】
これらの嵌合金具23は、1つの嵌合金具23につき、2つの嵌合部24を形成している。各嵌合部24は、プラグコネクタ10の係止部13が設けられている角に面してその角を挟むプラグコネクタ10の2つの辺の双方と交わる向きに立設した嵌合壁241を有し、その嵌合壁241の下部に、プラグコネクタ10の係止部13が嵌り込む嵌入凹部242が設けられている。嵌合金具23の端部には、リセプタクルコネクタ20が実装される回路基板に半田付けされる接続部245,246が設けられている。なお、各嵌合金具23には、ハウジング21に圧入される圧入片244が2個設けられている。
【0030】
図5は、
図1〜
図4に示す第1実施形態のコネクタ組立体において、プラグコネクタがリセプタクルコネクタに近づいた、嵌合直前の状態を示した斜視図である。
【0031】
また、
図6は、第1実施形態のコネクタ組立体において、プラグコネクタがリセプタクルコネクタに組み合った状態を示した斜視図である。
【0032】
この嵌合の際には、プラグコネクタ10の係止部14を構成する2本の係止片141が一旦弾性的に撓む。そして、それら2本の係止片141がリセプタクルコネクタ20の嵌合部24の嵌入凹部242に入り込むと、それら2本の係止片141はその撓みから復帰する。これにより、プラグコネクタ10が、リセプタクルコネクタ20に、
図6に示すように組み合う。
【0033】
ここで、前述の通り、プラグコネクタ10の係止部14は、
図3に示すようにハウジング11の角を挟む2つの辺それぞれに沿ってその角に向かって延び互いの先端を近接させた形状の2つの係止片141を有する。すなわち、これらの2つの辺のいずれとも交わる向きに突出した形状を有する。一方、この係止部13が嵌め合わされるリセプタクルコネクタ20の嵌合部24は、それら2辺のいずれとも交わる向きに立設した嵌合壁241および嵌入凹部242を有する。このため、係止部14は、嵌合部24に、それら2辺のいずれとも交わる向きに嵌め込まれる。このようにして、どの向きからの衝撃にも強固に耐え得るロック機構を備えた、プラグコネクタ10とリセプタクルコネクタ20とからなるコネクタ組立体が構成されている。
【0034】
これで、第1実施形態のコネクタ組立体の説明を終了し、以下では、第2実施形態以降の各種実施形態について説明する。以下に説明する第2実施形態以降の各種実施形態では、上述の第1実施形態等、先行して説明する実施形態との相違点を示す図のみを示して相違点のみ説明する。また、以下の各種実施形態における各図面には、上述の第1実施形態における各要素に対応する要素には、その第1実施形態における各要素に付した符号に、さらにA,B等のアルファベットを付加した符号を付して示し、説明を省略することがある。
【0035】
図7は、本発明の第2実施形態のコネクタ組立体におけるプラグコネクタに備えられた係止金具を示した斜視図である。
図7(A),(B)は、上述の第1実施形態における係止金具を示した
図3(A),(B)それぞれに対応する斜視図である。
【0036】
ここで説明する第2実施形態のコネクタ組立体の、上述した第1実施形態のコネクタ組立体との相違点は、この
図7に示す係止金具のみである。したがって、ここでは、この係止金具を説明することで第2実施形態のコネクタ組立体の説明に代える。
【0037】
上述の第1実施形態のコネクタ組立体を構成するプラグコネクタ10の係止金具13は、1つの係止部14につき2本の係止片141を有する。これに対し、この
図7に示す第2実施形態の係止金具13Aは、角を形成するように折り曲げられた形状の1本の係止片141Aで1つの係止部14Aが形成されている。この係止片141Aは、いわば、第1実施形態における2本の係止片141が互いに繋がった形状を有し、周囲が1つに繋がった係止凹部142Aを形成している。
【0038】
この場合、プラグコネクタ10をリセプタクルコネクタ20に嵌め合わせるときにばね性は期待できないものの、着脱を繰り返す必要のない場合は、この第2実施形態の態様で十分である。
【0039】
図8は、第2実施形態における、係止金具と嵌合金具との嵌め合いの様子を示した斜視図である。
図8(A),(B)は、それぞれ、嵌合直前の状態(上述の第1実施形態における
図5(B)に対応する状態)および嵌合後の状態(上述の第1実施形態における
図6(B)に対応する状態)を示している。
【0040】
この
図8(A),(B)に示す、第2実施形態における嵌合金具23は、
図4に示した第1実施形態における嵌合金具23と同一の形状を有する。
【0041】
係止金具13Aと嵌合金具23に嵌め合わせると、係止金具13Aの係止片141Aが嵌合金具23の嵌入凹部242に嵌り込んで嵌合壁241に係止する。嵌入凹部242に嵌り込む方向は、上述の第1実施形態の場合と同様、プラグコネクタの平面視の略矩形に対する斜めの向きである。
【0042】
この第2実施形態の場合、係止金具13A(プラグコネクタ)を嵌合金具23(リセプタクルコネクタ)に嵌め合わせるときに係止金具13Aあるいは嵌合金具23のばね性は期待できず、嵌合壁241等を無理に変形させながら嵌め合うことになる。ただし、着脱を繰り返す必要のないコネクタ組立体の場合は、この第2実施形態の態様であってもよい。
【0043】
図9は、本発明の第3実施形態のコネクタ組立体における、リセプタクルコネクタに備えられた嵌合金具を示した斜視図である。
【0044】
ここで説明する第3実施形態のコネクタ組立体では、プラグコネクタに備えられる係止金具としては、
図7に示す第2実施形態における係止金具13Aと同一の係止金具が採用されている。
【0045】
図9に示す第3実施形態における嵌合金具23Bは、第1実施形態における嵌合金具23における嵌合壁241が2つに分断された形状の嵌合壁241Bとなっている。嵌入凹部242Bは、第1実施形態における嵌入凹部242と同様である。
【0046】
図10は、第3実施形態における、係止金具と嵌合金具との嵌め合いの様子を示した斜視図である。
図10(A),(B)は、第2実施形態における
図8(A),(B)と同様、それぞれ、嵌合直前の状態および嵌合後の状態を示している。
【0047】
この
図10(A),(B)に示す係止金具13Aは、
図7に示した第2実施形態における係止金具13Aと同一の形状を有する。
【0048】
係止金具13Aと嵌合金具23Bに嵌め合わせると、係止金具13Aの係止片141Aが嵌合金具23Bの嵌入凹部242Bに嵌り込んで嵌合壁241Bに係止する。嵌入凹部242Bに嵌り込む方向は、上述の第1実施形態および第2実施形態の場合と同様、プラグコネクタの平面視の略矩形に対する斜めの向きである。
【0049】
この第2実施形態の場合、係止金具13A(プラグコネクタ)を嵌合金具23B(リセプタクルコネクタ)に嵌め合わせるときに、嵌合金具23Bの嵌合壁241Bが弾性変形する。したがって、この第3実施形態のコネクタ組立体は、前述の第1実施形態のコネクタ組立体と同様、プラグコネクタとリセプタクルコネクタが繰り返し着脱される用途にも適合している。
【0050】
図11は、本発明の第4実施形態のコネクタ組立体における、プラグコネクタに備えられた係止金具を示した斜視図である。
【0051】
ここで説明する第4実施形態のコネクタ組立体では、リセプタクルコネクタに備えられる嵌合金具は、前述の第1実施形態における嵌合金具(
図4参照)と同一のものが採用されている。
【0052】
図11に示す第4実施形態における係止金具13Cは、2つの係止部14Cそれぞれに1本ずつの、係止立片141Cが設けられている。この係止片141Cは、プラグコネクタの平面視の略矩形に対する斜めの向きに立ち上がり、上端近傍に外向きに凸に折れ曲がった折曲凸部143Cが形成されている。
【0053】
図12は、第4実施形態における、係止金具と嵌合金具との嵌め合いの様子を示した斜視図である。
図12(A),(B)は、第2実施形態における
図8(A),(B)および第3実施形態における
図10(A),(B)と同様、それぞれ嵌合直前の状態および嵌合後の状態を示している。
【0054】
この
図12に示す、第4実施形態における嵌合金具23は、
図4に示した第1実施形態における嵌合金具23と同一の形状を有する。
【0055】
係止金具13Cを嵌合金具23に嵌め合わせていくと、係止金具13Cの係止立片141Cが弾性変形しながら折曲凸部143Cが嵌入凹部242に嵌り込む。そして、その折曲凸部143Cが嵌合壁241に係止される。この折曲凸部143Cが嵌入凹部242に嵌り込む向きは、これまでの第1〜第3実施形態の場合と同様、プラグコネクタの平面視の略矩形に対する斜めの向きである。
【0056】
この第4実施形態のコネクタ組立体は、係止立片141Cが弾性変形するため、第1実施形態および第3実施形態のコネクタ組立体と同様、着脱を繰り返す用途にも適合している。
【0057】
図13は、本発明の第5実施形態のコネクタ組立体における、プラグコネクタに備えられた係止金具を示した斜視図である。
【0058】
ここで説明する第5実施形態のコネクタ組立体では、リセプタクルコネクタに備えられる嵌合金具は、前述の第1実施形態における嵌合金具(
図4参照)と同一のものが採用されている。
【0059】
図13に示す第5実施形態における係止金具13Dは、
図11に示す第3実施形態における係止立片141Cと同様、2つの係止部14Dそれぞれに1本ずつの、係止立片141Dが設けられている。この係止立片141Dは、プラグコネクタの平面視の略矩形に対する斜めの向きに立ち上がり、上端近傍に外向きに凸に突出した半球状の凸部143Dが形成されている。なお、凸部143Dは矩形状又は他の形状であってもよい。
【0060】
図14は、第5実施形態における、係止金具と嵌合金具との嵌め合いの様子を示した斜視図である。
図14(A),(B)は、第2〜第4実施形態における
図8(A),(B)、
図10(A),(B)および
図12(A),(B)と同様、それぞれ、嵌合直前の状態および嵌合後の状態を示している。
【0061】
この
図14に示す、第5実施形態における嵌合金具23は、
図4に示した第1実施形態における嵌合金具23と同一の形状を有する。
【0062】
係止金具13Dを嵌合金具23に嵌め合わせていくと、係止金具13Dの係止立片141Dが弾性変形しながら凸部143Dが嵌入凹部242に嵌り込む。これにより、その凸部143Dが嵌合壁241に係止される。この凸部143Dが嵌入凹部242に嵌り込む向きは、これまでの第1〜第4実施形態の場合と同様、プラグコネクタの平面視の矩形に対する斜めの向きである。
【0063】
この第5実施形態のコネクタ組立体も、上述の第4実施形態と同様、係止立片141Dが弾性変形するため、着脱の繰り返しにも強いコネクタ組立体となっている。
【0064】
図15は、本発明の第6実施形態のコネクタ組立体における、プラグコネクタに備えられた係止金具を示した斜視図である。
【0065】
この第6実施形態の係止金具13Eは、2つの係止部14Eのそれぞれに、プラグコネクタの平面視の略矩形に対し斜めを向いた係止壁141Eを備え、その係止壁141Eにより係止凹部142Eが形成されている。
【0066】
図16は、本発明の第6実施形態のコネクタ組立体におけるリセプタクルコネクタに備えられた嵌合金具を示した斜視図である。
【0067】
この第6実施形態の嵌合金具23Eは、前述の第1実施形態における嵌合金具23(
図4参照)と同様、平面視でプラグコネクタの略矩形に対し斜めの嵌合壁241Eが設けられている。そしてその嵌合壁241Eには、内向きに突出した嵌合凸部243Eが設けられている。
【0068】
図17は、第6実施形態における、係止金具と嵌合金具との嵌め合いの様子を示した斜視図である。
図17(A),(B)は、第2〜第5実施形態における
図8(A),(B)などと同様、それぞれ嵌合前の状態および嵌合後の状態を示している。
【0069】
この
図17には、
図15に示す係止金具13Eと
図16に示す嵌合金具23Eとの嵌め合いの様子が示されている。
【0070】
係止金具13Eを嵌合金具23Eに嵌め合わせると係止金具13Eの係止壁141Eが嵌合金具23Eの嵌入凹部242Eに嵌め込まれ、その係止壁141が嵌合凸部243Eに係止される。係止壁141Eが嵌入凹部242Eに嵌め込まれる向きは、これまでの各種実施形態と同様、プラグコネクタの平面視の略矩形に対する斜めの向きである。
【0071】
この第6実施形態の場合の、前述の第2実施形態(
図7,
図8参照)と同様、係止金具13E(プラグコネクタ)を嵌合金具(リセプタクルコネクタ)に嵌め合わせるときに係止金具13Eあるいは嵌合金具23Eのばね性は期待できない。すなわちこの第6実施形態の場合、嵌合壁241E等に変形させながら嵌り合うことになる。前述と同様、着脱を繰り返す必要のないコネクタ組立体の場合は、この第6実施形態の態様であってもよい。
【0072】
図18は、本発明の第7実施形態のコネクタ組立体における、プラグコネクタに備えられた係止金具を示した斜視図である。
【0073】
この第7実施形態では、リセプタクルコネクタに備えられる嵌合金具は、上述の第6実施形態における嵌合金具23E(
図16参照)と同一のものが採用される。
【0074】
図18に示す係止金具13Fは、
図15に示す係止金具13Eと比べたとき、
図15に示す係止金具13Eの係止壁141Eが、中央で2つに分かれた2つの係止壁141Fとなっている点が異なる。この係止金具13Fの他の点については、
図15に示す係止金具13Eと同一である。
【0075】
図19は、第7実施形態における係止金具と嵌合金具との嵌め合いの様子を示した斜視図である。
図19(A),(B)は、第6実施形態における
図17(A),(B)と同様、それぞれ嵌合直前の状態および嵌合後の状態を示している。
【0076】
この
図19には、
図18に示す係止金具13Fと
図16に示す嵌合金具23Eとの嵌め合いの様子が示されている。
【0077】
係止金具13Fを嵌合金具23Eに嵌め合わせると係止金具13Fの、2つに分かれている係止壁141Fが弾性変形しながら嵌合金具23Eの嵌合凹部241Eに嵌め込まれる。そして、その係止壁141Fが嵌合凹部243Eに係止される。係止壁141Fが嵌入凹部242Eに嵌め込まれる向きは、これまでの各種実施形態と同様、プラグコネクタの平面視の略矩形に対する斜めの向きである。
【0078】
この第6実施形態の場合の、係止金具13F(プラグコネクタ)を嵌合金具23E(リセプタクルコネクタ)に嵌め合わせるときに、係止金具13Fの係止壁141Fが弾性変形する。したがって、この第7実施形態のコネクタ組立体は、着脱が繰り返されることがあるコネクタ組立体にも適合している。
【0079】
ここで、これまで説明してきた第1実施形態から第7実施形態までの各種コネクタ組立体は、プラグコネクタに係止金具を備え、リセプタクルコネクタに嵌合金具を備えた例である。
【0080】
以下では、プラグコネクタのハウジングあるいはリセプタクルコネクタのハウジングを係止部あるいは嵌合部として利用する実施形態について説明する。
【0081】
図20は、本発明の第8実施形態のコネクタ組立体を構成するプラグコネクタとリセプタクルコネクタを示した斜視図である。
【0082】
また、
図21は、第8実施形態のコネクタ組立体を構成するプラグコネクタを、
図20に示した向きとは裏返しにして示した斜視図である。
【0083】
これまでの第1〜第7実施形態のコネクタ組立体を構成するプラグコネクタには、係止金具13〜13Fが使われていて、その係止金具13〜13Fに係止部14〜14Fが設けられている。これに対し、第8実施形態のコネクタ組立体を構成する、
図20,
図21に示すプラグコネクタ10Gには、ハウジング11G自体に係止部14Gが設けられている。この係止部14Gは、ハウジング11Gの、平面視での略矩形の4つの角にそれぞれ設けられている。そして各係止部14Gには、斜め外向きの立壁部145Gと、その立壁部145Gから斜め外向きに突出した係止凸部146Gが形成されている。また、立壁部145Gと係止凸部146Gとの間には段部147Gが形成されている。
【0084】
また、この第8実施形態におけるリセプタクルコネクタ20Gには、
図16に示す第6実施形態の嵌合金具23Eと同一の嵌合金具が採用されている。そして、その嵌合金具23Eにより、ハウジング21Gの受容凹部211Gに嵌合部24Eが形成されている。
【0085】
この第8実施形態のコネクタ組立体において、プラグコネクタ10Gをリセプタクルコネクタ20Gに嵌合させると、
図6に示す嵌合金具23Eの嵌合部24Eに設けられている嵌入凹部242Eに、プラグコネクタ10Gのハウジング11Gの係止部14Gに設けられている係止凸部146Gが嵌り込む。そして、その係止凸部146Gが嵌合凸部243Eに係止される。係止凸部146Gが嵌合凹部242Eに嵌り込む向きは、これまでの各種実施形態と同様、プラグコネクタ10Gの平面視の略矩形に対する斜めの向きである。
【0086】
この第8実施形態においても、前述の第6実施形態(
図15〜
図17参照)と同様、プラグコネクタ10Gをリセプタクルコネクタ20Gに嵌合させるときに、嵌合金具23Eのばね性は期待できない。また、プラグコネクタ10Gにおいてはハウジング11G自体に係止部14Gが設けられている。このため、この第8実施形態の場合、プラグコネクタをリセプタクルコネクタに対し繰り返し着脱する用途には不向きである。ただし、原則的に一度嵌合させればよい用途の場合は、この第8実施形態の態様であってもよい。
【0087】
図22は、本発明の第9実施形態のコネクタ組立体を構成するプラグコネクタとリセプタクルコネクタを示した斜視図である。
【0088】
図23は、
図22にも示す本実施形態の第9実施形態のコネクタ組立体を構成する嵌合直前のプラグコネクタとリセプタクルコネクタを示した斜視図である。
【0089】
この第9実施形態で採用されているプラグコネクタ10は、前述の第1実施形態のプラグコネクタ10(
図1,
図2参照)と同一のコネクタである。したがって、このプラグコネクタ10には、
図3に示す係止金具13が用いられ、その係止金具13により係止部14が形成されている。
【0090】
一方、この第9実施形態で採用されているリセプタクルコネクタ20Hは、これまでの第1〜第8実施形態のリセプタクルコネクタとは異なり、嵌合金具は用いられていない。この第9実施形態のリセプタクルコネクタ20Hのハウジング21Hの受容凹部211Hの4隅には、ハウジング21H自体の形状として、受容凹部211Hの平面視での略矩形に対し斜め外向きに挟まれた形状の嵌入凹部248Hが形成されている。すなわち、この第9実施形態のリセプタクルコネクタ20Hには、ハウジング21H自体に嵌合部24Hが形成されている。このリセプタクルコネクタ20Hのハウジング21H自体に設けられている嵌合部24Hの嵌入凹部248Hは、前述の第1実施形態におけるリセプタクルコネクタ20に用いられている嵌合金具23(
図4参照)の嵌入凹部242に代わるものである。
【0091】
図24は、
図23に示す矢印A−Aに沿う断面図である。
【0092】
図24(A)は、
図23に対応する、プラグコネクタとリセプタクルコネクタの嵌合直前の状態を示している。また
図24(B)は、嵌合後の状態を示している。
【0093】
この第9実施形態のコネクタ組立体では、プラグコネクタ10の係止金具13(
図3参照)に設けられている係止片141が、リセプタクルコネクタ20Hのハウジング21H自体に設けられている嵌合部24Hの嵌入凹部248Hに嵌り込む。そして、その係止片141がリセプタクルコネクタ20Hのハウジング21Hに係止される。
【0094】
この第9実施形態の場合、嵌合にあたり、プラグコネクタ10に使われている係止金具13の係止片141が弾性変形する。このため、その意味においては、繰り返しの着脱は可能である。ただし、この第9実施形態の場合、リセプタクルコネクタ20Hのハウジング21H自体に嵌合部24Hが設けられているため、着脱を繰り返すと嵌合部24Hが削れるおそれがある。したがってこの第9実施形態は着脱の頻度の少ないコネクタ組立体に適した構造である。
【0095】
以上、各種実施形態について説明したが、いずれの実施形態もプラグコネクタの4隅を斜め向きに嵌め合わせるコネクタ組立体であり、どの向きから衝撃を受けても強固に耐え得るロック機構となっている。
【0096】
なお、係止金具及び嵌合金具は、中央で分離させて各1個の係止部及び嵌合部を有してもよい。