(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-18532(P2015-18532A)
(43)【公開日】2015年1月29日
(54)【発明の名称】タッチセンサ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20141226BHJP
【FI】
G06F3/041 350C
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-220366(P2013-220366)
(22)【出願日】2013年10月23日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0081085
(32)【優先日】2013年7月10日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100089347
【弁理士】
【氏名又は名称】木川 幸治
(74)【代理人】
【識別番号】100154379
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,キ ス
(72)【発明者】
【氏名】フェ,カン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】シン,マン ショップ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジャン ホ
(72)【発明者】
【氏名】オ,バム ショック
【テーマコード(参考)】
5B068
【Fターム(参考)】
5B068AA01
5B068BC07
5B068BC08
(57)【要約】
【課題】ベゼルによる段差や表面の不均一性を予め防止または減少させることで不良率を低減したタッチセンサを提供する。
【解決手段】本発明のタッチセンサは、ウィンドウ基板110と、ウィンドウ基板110の周縁に沿って形成されるベゼル120と、ベゼル120とベゼル120との間を充填しながら積層または接着されて、ウィンドウ基板110上に形成される絶縁層150と、絶縁層150上に形成される電極パターン140と、を含むものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウィンドウ基板と、
前記ウィンドウ基板の周縁に沿って形成されるベゼルと、
前記ベゼルとベゼルとの間を充填しながら積層または接着されて、前記ウィンドウ基板上に形成される絶縁層と、
前記絶縁層上に形成される電極パターンと、を含む、タッチセンサ。
【請求項2】
前記絶縁層の材質として、アクリル(acryl)系、ウレタン(urethane)系、シリコーン(silicone)系、ポリエステル(polyester)系、ポリアミド(polyamide)系、エポキシ(epoxy)系、ビニルアルキルエーテル(vinyl alkyl ether)系、SiOxおよびSiNxなどの材質のうち一つを使用することを特徴とする、請求項1に記載のタッチセンサ。
【請求項3】
ウィンドウ基板と、
前記ウィンドウ基板の周縁に沿って形成されるベゼルと、
前記ベゼルとベゼルとの間を充填しながら積層され、前記ウィンドウ基板上に形成される第1絶縁層と、
前記ベゼルおよび第1絶縁層上に塗布および接着して形成される第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に形成される電極パターンと、を含む、タッチセンサ。
【請求項4】
前記第1絶縁層は、前記ベゼルの高さ(BL)まで積層されて形成されることを特徴とする、請求項3に記載のタッチセンサ。
【請求項5】
積層方向における前記ベゼルの高さ(BL)は、次の式:0μm<高さ(BL)≦40μmを満たすことを特徴とする、請求項3に記載のタッチセンサ。
【請求項6】
積層方向における前記第1絶縁層の高さ(L)は、次の式:0μm≦前記第1絶縁層の高さ(L)μm<(前記ベゼルの高さ(BL)×1.3)μmを満たすことを特徴とする、請求項3に記載のタッチセンサ。
【請求項7】
前記ウィンドウ基板の中央点における高さ(d)は、次の式:積層方向における第2絶縁層の高さ(2L)×0.05μm<中央点における高さ(d)μm<前記第2絶縁層の高さ(2L)×1.3μmを満たすことを特徴とする、請求項6に記載のタッチセンサ。
【請求項8】
積層方向における前記第2絶縁層の高さ(2L)は、ベゼルの高さ(BL)の3倍を超えないように形成されることを特徴とする、請求項6に記載のタッチセンサ。
【請求項9】
前記第1絶縁層と前記第2絶縁層の材質は同じ材質であることを特徴とする、請求項6に記載のタッチセンサ。
【請求項10】
前記第1絶縁層と前記第2絶縁層の材質として、アクリル(acryl)系、ウレタン(urethane)系、シリコーン(silicone)系、ポリエステル(polyester)系、ポリアミド(polyamide)系、エポキシ(epoxy)系、ビニルアルキルエーテル(vinyl alkyl ether)系、SiOxおよびSiNxなどの材質のうち一つを使用することを特徴とする、請求項9に記載のタッチセンサ。
【請求項11】
a)周縁に沿ってベゼルが形成されたウィンドウ基板を固定する段階と、
b)前記ウィンドウ基板の一面に形成され、且つ前記ベゼルとベゼルとの間に第1絶縁層を充填する段階と、
c)前記ベゼルと第1絶縁層を横切って第2絶縁層を形成する段階と、
d)前記第2絶縁層上に電極パターンを形成する段階と、を含む、タッチセンサの製造方法。
【請求項12】
前記b)段階において、
積層方向に形成された前記第1絶縁層の高さ(L)は、次の式:0≦L<(前記ベゼルの高さ(BL)×1.3)μmを満たすことを特徴とする、請求項11に記載のタッチセンサの製造方法。
【請求項13】
前記c)段階において、
前記ウィンドウ基板の中央点における高さ(d)は、次の式:(積層方向における前記第2絶縁層の高さ(2L)×0.05)<d<(前記絶縁層の高さ(2L)×1.3)μmを満たすことを特徴とする、請求項12に記載のタッチセンサの製造方法。
【請求項14】
前記c)段階において、
積層方向における前記第2絶縁層の高さ(2L)は、前記ベゼルの高さ(BL)に対して3倍の大きさを超えないように形成されることを特徴とする、請求項12に記載のタッチセンサの製造方法。
【請求項15】
前記c)段階において、
前記第2絶縁層は前記第1絶縁層と同じ材質を使用することを特徴とする、請求項14に記載のタッチセンサの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル技術を用いるコンピュータが発達するにつれて、コンピュータの補助装置もともに開発されており、パソコン、携帯用送信装置、その他の個人用の情報処理装置などは、キーボード、マウスなどの様々な入力装置(Input Device)を利用してテキストおよびグラフィック処理を行う。
【0003】
しかし、情報化社会の急速な進行により、コンピュータの用途が益々拡大する傾向にあるため、現在、入力装置の役割を担当しているキーボードおよびマウスだけでは、効率的な製品の駆動が困難であるという問題点がある。従って、簡単で誤操作が少なく、誰でも簡単に情報を入力することができる機器の必要性が高まっている。
【0004】
また、入力装置に関する技術は、一般的な機能を満たす水準を超えて、高信頼性、耐久性、革新性、設計および加工に関する技術などが注目されており、このような目的を達成するために、テキスト、グラフィックなどの情報入力が可能な入力装置としてタッチセンサ(touch sensor)が開発された。
【0005】
タッチセンサは、電子手帳、液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Display Device)、PDP(Plasma Display Panel)、El(Electroluminescence)などの平板ディスプレイ装置およびCRT(Cathode Ray Tube)などの画像表示装置の表示面に設けられ、ユーザが画像表示装置を見ながら所望の情報を選択するようにするために利用される機器である。
【0006】
一方、タッチセンサの種類は、抵抗膜方式(Resistive Type)、静電容量方式(Capacitive Type)、電磁方式(Electro−Magnetic Type)、表面弾性波方式(SAW Type;Surface Acoustic Wave Type)および赤外線方式(Infrared Type)に区分される。このような様々な方式のタッチセンサは、信号増幅の問題、解像度の差、設計および加工技術の難易度、光学的特性、電気的特性、機械的特性、耐環境特性、入力特性、耐久性および経済性を考慮して電子製品に採用されるが、現在もっとも幅広い分野で用いられている方式は、抵抗膜方式タッチセンサおよび静電容量方式タッチセンサである。
【0007】
このようなタッチセンサには、通常、タッチセンサ構造の最外側に設けられるウィンドウガラス(window glass)に、電極配線を隠したり、装飾パターンが形成されえる黒色または白色などの色を有するベゼル部が形成される。
【0008】
ベゼル部が形成されている従来のタッチセンサの具体的な一例としては、特許文献1に開示されたタッチセンサが挙げられる。
【0009】
しかし、従来のタッチセンサは、ベゼル部に電極を形成する際、ベゼル部の段差や表面の不均一性による電極の断線またはクラックが生じる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国公開特許第2010−0134226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上述の従来技術の問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、ベゼルによる段差や表面の不均一性を予め防止または減少させることで不良率を低減したタッチセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例によるベゼル組成物を含むタッチセンサは、ウィンドウ基板と、前記ウィンドウ基板の周縁に沿って形成されるベゼルと、前記ベゼルとベゼルとの間を充填しながら積層または接着されて、前記ウィンドウ基板上に形成される絶縁層と、前記絶縁層上に形成される電極パターンと、を含むタッチセンサを提供する。
【0013】
本発明の一実施例によるタッチセンサとして、前記絶縁層の材質として、アクリル(acryl)系、ウレタン(urethane)系、シリコーン(silicone)系、ポリエステル(polyester)系、ポリアミド(polyamide)系、エポキシ(epoxy)系、ビニルアルキルエーテル(vinyl alkyl ether)系、SiOxおよびSiNxなどの薄膜のうち一つを使用することが好適である。
【0014】
本発明の一実施例によるタッチセンサとして、ウィンドウ基板と、前記ウィンドウ基板の周縁に沿って形成されるベゼルと、前記ベゼルとベゼルとの間を充填しながら積層され、前記ウィンドウ基板上に形成される第1絶縁層と、前記ベゼルおよび第1絶縁層上に塗布および接着して形成される第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に形成される電極パターンと、を含むタッチセンサを提供する。
【0015】
本発明の一実施例によるタッチセンサとして、前記第1絶縁層は、前記ベゼルの高さ(BL)まで積層されてなることが好ましい。
【0016】
本発明の一実施例によるタッチセンサとして、積層方向における前記ベゼルの高さ(BL)は、次の式:0μm<高さ(BL)≦40μmを満たすことが好適である。
【0017】
本発明の一実施例によるタッチセンサとして、積層方向における前記第1絶縁層の高さ(L)は、次の式:0μm≦前記第1絶縁層の高さ(L)μm<(前記ベゼルの高さ(BL)×1.3)μmを満たすことが好ましい。
【0018】
本発明の一実施例によるタッチセンサとして、前記ウィンドウ基板の中央点における高さ(d)は、次の式:積層方向における第2絶縁層の高さ(2L)×0.05μm<中央点における高さ(d)μm<前記第2絶縁層の高さ(2L)×1.3μmを満たすことが好適である。
【0019】
本発明の一実施例によるタッチセンサとして、積層方向における前記第2絶縁層の高さ(2L)は、ベゼルの高さ(BL)の3倍を超えないように形成されることが好ましい。
【0020】
本発明の一実施例によるタッチセンサとして、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層の材質は同じ材質であることが好適である。
【0021】
本発明の一実施例によるタッチセンサとして、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層の材質として、アクリル(acryl)系、ウレタン(urethane)系、シリコーン(silicone)系、ポリエステル(polyester)系、ポリアミド(polyamide)系、エポキシ(epoxy)系、ビニルアルキルエーテル(vinyl alkyl ether)系、SiOxおよびSiNxなどの薄膜のうち一つを使用することが好ましい。
【0022】
本発明の第2実施例によるタッチセンサの製造方法として、a)周縁に沿ってベゼルが形成されたウィンドウ基板を固定する段階と、b)前記ウィンドウ基板の一面に形成され、且つ前記ベゼルとベゼルとの間に第1絶縁層を充填する段階と、c)前記ベゼルと第1絶縁層を横切って第2絶縁層を形成する段階と、d)前記第2絶縁層上に電極パターンを形成する段階と、を含むタッチセンサの製造方法を提供する。
【0023】
本発明の第2実施例によるタッチセンサの製造方法として、前記b)段階において、積層方向に形成された前記第1絶縁層の高さ(L)は、次の式:0≦L<(前記ベゼルの高さ(BL)×1.3)μmを満たすことが好適である。
【0024】
本発明の第2実施例によるタッチセンサの製造方法として、前記c)段階において、前記ウィンドウ基板の中央点における高さ(d)は、次の式:(積層方向における前記第2絶縁層の高さ(2L)×0.05)<d<(前記絶縁層の高さ(2L)×1.3)μmを満たすことが好ましい。
【0025】
本発明の第2実施例によるタッチセンサの製造方法として、前記c)段階において、積層方向における前記第2絶縁層の高さ(2L)は、前記ベゼルの高さ(BL)に対して3倍の大きさを超えないように形成されることが好適である。
【0026】
本発明の第2実施例によるタッチセンサの製造方法として、前記c)段階において、前記第2絶縁層は前記第1絶縁層と同じ材質を使用することが好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、絶縁層を形成することで、塗布工程時に生じる段差や表面の不均一性を除去または減少させて不良率を低減する効果がある。
【0028】
また、本発明によれば、絶縁層を形成することで、電極の断線と誤動作を防止する効果がある。
【0029】
そして、本発明によれば、平坦な絶縁層を形成することで、絶縁層の表面に電極を容易に形成できる効果がある。
【0030】
また、本発明によれば、絶縁層を形成することで、電極の電気的な通電が向上したタッチセンサを提供することができる。
【0031】
更に、本発明によれば、絶縁層を形成することで、電極に対する信頼性が向上したタッチセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の一実施例によるタッチセンサの平面図である。
【
図3】第1絶縁層を含む
図1のタッチセンサの断面図である。
【
図4】
図3の第2絶縁層が形成された断面図である。
【
図5】スクリーン印刷方式の工程時に発生する形状の例示図である。
【
図6】ドライフィルムラミネーション工程時の例示図である。
【
図7】本発明の第2実施例によるタッチセンサの断面図である。
【
図8】本発明の一実施例によるタッチセンサの製造工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明の目的、特定の長所および新規の特徴は、添付図面に係る以下の詳細な説明および好ましい実施例によってさらに明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付け加えるに際し、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面に示されても、できるだけ同一の番号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、「一面」、「他面」、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために用いられるものであり、構成要素が前記用語によって限定されるものではない。以下、本発明を説明するにあたり、本発明の要旨を不明瞭にする可能性がある係る公知技術についての詳細な説明は省略する。
【0034】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施例によるタッチセンサの平面図であり、
図2は、
図1に対するタッチセンサの断面図であり、
図3は、第1絶縁層を含む
図1のタッチセンサの断面図であり、
図4は、
図3の第2絶縁層が形成された断面図であり、
図5は、スクリーン印刷方式の工程時に発生する形状の例示図であり、
図6は、ドライフィルムラミネーション工程時の例示図であり、
図7は、本発明の第2実施例によるタッチセンサの断面図であり、
図8は、本発明の一実施例によるタッチセンサの製造工程を示す図である。
【0036】
図1を参照して説明すると、本発明の一実施例によるタッチセンサは、ウィンドウ基板110と、ウィンドウ基板110の非活性領域に配置されるベゼル120と、を含む。
【0037】
本発明は、ウィンドウ基板110とベゼル120の加工時に生じる段差を除去するか最小化して、絶縁層150上に形成される電極パターン140の電気的な作動信頼性を向上させる。また、加工工程の収率を向上させることで、タッチセンサ1の生成率を向上させる。
【0038】
図1および
図2を参照して説明すると、ウィンドウ基板110は、タッチ位置を検出するための電極パターン140が形成される領域を提供する役割を行うことができる。ウィンドウ基板110は、電極パターン140を支持するための支持力、および画像表示装置で提供される画像をユーザが認識するための透明性を備えなければならない。ウィンドウ基板110に、第1絶縁層151と第2絶縁層152が順に塗布されて積層される。
【0039】
ウィンドウ基板110は、タッチセンサ1の最外側でユーザのタッチが入力される方向に形成され、所定強度以上の強化ガラス等を使用することでタッチセンサ1を保護する保護層の役割を同時に行うことができる。上述の支持力および透明性を考慮すると、ウィンドウ基板110は、透明度を考慮して、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルフォン(PES)、環状オレフィンコポリマー(COC)、トリアセチルセルロース(Triacetylcellulose;TAC)フィルム、ポリビニルアルコール(Polyvinyl alcohol;PVA)フィルム、ポリイミド(Polyimide;PI)フィルム、ポリスチレン(Polystyrene;PS)、二軸延伸ポリスチレン(K樹脂含有biaxially oriented PS;BOPS)などの材質を使用してもよい。
【0040】
一方、ウィンドウ基板110は、
図1に示されたように、活性領域111と、活性領域111の周縁に沿って形成される非活性領域112とに分けられる。活性領域111は、ユーザによるタッチ作用が行われる領域であり、ユーザが機器の動作場面を視覚的に確認する画面領域である。また、非活性領域112は、ウィンドウ基板110に形成される、後述するベゼル120で隠されて外部に露出しない領域である。
【0041】
ベゼル120は、ウィンドウ基板110の非活性領域112に形成される。ベゼル120は、ウィンドウ基板110の周縁に沿って配置される。すなわち、ベゼル120は、非活性領域112の一側に配置されて0μmから40μm以下の高さ(BL)を有するように形成されることが好ましい。タッチセンサ1の視認性および製品の厚さを考慮してベゼル120の高さ(BL)が決まる。
【0042】
ベゼル120は、ウィンドウ基板110の非活性領域112で配線電極の一側を隠すか装飾の役割を行う。また、ベゼル120には、必要に応じて、製造社のロゴなどの装飾パターンが形成されてもよい。
【0043】
図3および
図4を参照して説明すると、絶縁層150は、後述する電極パターン140を保護する役割を行う。絶縁層150は、第1絶縁層151と第2絶縁層152が順に積層される。絶縁層150は、ベゼル120の高さ(BL)まで塗布して絶縁する第1絶縁層151と、第1絶縁層151の表面を塗布する第2絶縁層152と、を含む。場合に応じて、段差がある程度許容されるが、表面の不均一性を解消する必要がある場合は、第1絶縁層の塗布を省略してもよい。この場合、第1絶縁層の塗布を省略し、スピンコーティングやフィルム形態で第2絶縁層を接着または塗布することができる。この場合、絶縁層は、
図6に示された形態と同様な形態を有する。
【0044】
第1絶縁層151は、ウィンドウ基板110の一側に接し、ベゼル120とベゼル120との間を充填する。この際、第1絶縁層151は、ベゼル120の高さ(BL)まで塗布して水平な面を形成することが好ましい。これは、第1絶縁層151の高さ(L)とベゼル120の高さ(BL)が互いに水平をなすようにする。
【0045】
第1絶縁層151は、プリンティング(Printing)、CVD(Chemical Vaper Deposition)、スパッタリング(Sputtering)、スピンコーティング、スロットダイ、ラミネーションなどにより有機絶縁膜または無機絶縁膜からなる。この際、第1絶縁層151の高さ(L)は、ベゼル120の高さ(BL)と水平をなすように塗布および接着工程を行う。この際、ベゼル120の高さ(BL)と、第1絶縁層151の高さ(L)との間で工程公差が発生する。
【0046】
図5および
図6を参照して、工程の一例として、スクリーンプリンティングとフィルムを使用する接着工程で生じる現象について説明する。第1絶縁層151の塗布液200または接着層が両側に偏る現象(
図5の(a)参照)、第1絶縁層151の塗布液200または接着層がベゼル120の高さ(BL)より少なく投入される現象(
図5の(b)、(c)参照)、第1絶縁層151の塗布液または接着層がベゼル120の高さ(BL)より多く投入される現象(
図5の(d)参照)、第1絶縁層151の塗布液または接着層がベゼル120を横切ってベゼル120に接着される現象(
図6を参照)などが生じる。このような現象は、ベゼル120とベゼル120との間に第1絶縁層151を充填させる工程で生じている。また、第1絶縁層151において上述の現象が生じる場合、配線電極または後述する電極パターン140上の電気的信号が短絡する問題点が生じた。また、電極パターン140を絶縁層150に水平に形成することが困難であるという問題点が発生した。
【0047】
図3を参照して説明すると、第1絶縁層151でベゼル120とベゼル120との間を充填する。この際、第1絶縁層151の高さ(L)は、次の式:0≦第1絶縁層151の高さ(L)≦ベゼル120の高さ(BL)×1.3μmを満たす。この際、ベゼル120の高さ(BL)は、次の式:0μm<ベゼルの高さ(BL)≦40μmを満たす。
【0048】
第1絶縁層151の塗布液または接着層のa点とb点との高さの差が中央部分の高さに対して35%以下に形成される。第1絶縁層の加工公差は、(a点の高さ−b点の高さ)/b点の高さ×100<35%以内に形成される。すなわち、第1絶縁層151は、水平に形成されておらず、加工公差が存在することを確認できる。第1絶縁層151の材質として、アクリル(acryl)系、ウレタン(urethane)系、シリコーン(silicone)系、ポリエステル(polyester)系、ポリアミド(polyamide)系、エポキシ(epoxy)系、ビニルアルキルエーテル(vinyl alkyl ether)系、SiOxおよびSiNxなどの薄膜のうち一つを使用することが好ましい。
【0049】
図4を参照して説明すると、第2絶縁層152は、第1絶縁層151とベゼル120の表面に形成される。第2絶縁層152は、第1絶縁層151とベゼル120の表面に接して形成される。第2絶縁層152は、ベゼル120の非活性領域112に形成された配線電極の断線を解消して電気的信頼性を向上させる。第2絶縁層152の中心dの高さは、第2絶縁層152の高さ(2L)×0.05μm<中心dの高さμm<第2絶縁層152の高さ(2L)×1.3μmを有する。すなわち、第2絶縁層152を塗布または接着すると、加工公差を著しく減少することを確認できる。
【0050】
第2絶縁層152の高さ(2L)は、2L(μm)/BL(μm)≦3を有することが好ましい。即ち、第1絶縁層151および第2絶縁層152と、ベゼル120の高さを含む高さは120μm以下に設定することが好ましい。
【0051】
第2絶縁層152の材質として、アクリル(acryl)系、ウレタン(urethane)系、シリコーン(silicone)系、ポリエステル(polyester)系、ポリアミド(polyamide)系、エポキシ(epoxy)系、ビニルアルキルエーテル(vinyl alkyl ether)系SiOxおよびSiNxなどの薄膜のうち一つを使用することが好ましい。これは、第2絶縁層152の材質を限定するためではない。第2絶縁層152は、第1絶縁層151と同じ材質で形成することが好ましい。
【0052】
電極パターン140は、第2絶縁層152上に形成される。1層構造の電極パターン140を用いて自己静電容量方式(Self Capacitive Type)タッチセンサまたは相互静電容量方式(Mutual Capacitive Type)タッチセンサを製作することができる。しかし、本発明に係るタッチセンサは、これに制限されるものではない。
【0053】
本発明に係る第2実施例のタッチセンサについて説明するにあたり、第1実施例と同一の構成要素は省略し、本発明に係る第2実施例の電極パターンの構造について詳細に説明する。
【0054】
図7を参照して説明すると、電極パターン140は、第2絶縁層152上に形成される第1電極パターン141と、第1電極パターン141と離隔して形成される第2電極パターン142が形成される。電極パターン140は、第1電極パターン141と第2電極パターン142との間に接着層が形成される。接着層は、第1電極パターン141と第2電極パターン142が対向するように配置する役割を行う。ここで、第1接着層の材質は、特に制限されず、光学透明接着剤(Optical Clear Adhesive、OCA)、両面接着テープ(Double Adhesive Tape、DAT)またはその他の透明絶縁材料を用いてもよい。
【0055】
電極パターン140は、タッチの入力手段によって信号を発生させ、制御部(図示せず)からタッチ座標を認識するための役割を行うものである。第1電極パターン141と第2電極パターン142は、互いに交差する方向に形成されてもよい。例えば、第1電極パターン141がX軸方向に互いに平行に少なくとも一つ以上が形成される際、一つ以上の第2電極パターン142が第1電極パターン141に交差するY軸方向に互いに平行に形成されてもよい。そのため、第1電極パターン141と第2電極パターン142によって、ユーザのタッチ点の座標を認識してタッチセンサを駆動させることができる。本発明において、第1電極パターン141および第2電極パターン142に使用できる材質は、伝導性を有する材質であれば特に限定されない。
【0056】
電極パターン140は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)またはこれらの組み合わせを用いてメッシュパターン(Mesh Pattern)に形成される。特に、メッシュパターンは少なくとも一つ以上の単位パターン(図示せず)が連続して配列されることで形成することができる。ここで、単位パターンは、四角形、三角形、ダイヤモンド型およびその他の様々な形状から選択されてもよい。
【0057】
一方、電極パターン140は、上述の金属以外にも、銀塩乳剤層を露光/現像して形成された金属銀、ITO(Indium Thin Oxide)などの金属酸化物、または柔軟性に優れ、コーティング工程が単純なPEDOT/PSSなどの伝導性高分子を用いて形成してもよい。
【0058】
図8は、本発明の一実施例によるタッチセンサの製造工程を示す図である。
【0059】
本発明の一実施例によるタッチセンサ1の工程方法は、a)周縁に沿ってベゼルが形成されたウィンドウ基板を固定する段階と、b)前記ウィンドウ基板の一面に形成され、且つ前記ベゼルとベゼルとの間に第1絶縁層を充填する段階と、c)前記ベゼルと第1絶縁層を横切って第2絶縁層を形成する段階と、d)前記第2絶縁層上に電極パターンを形成する段階と、を含むことができる。
【0060】
ウィンドウ基板110は、タッチセンサ1の視認性のための透明な材質と、外部衝撃から内部を保護するための強化ガラスを使用する。ウィンドウ基板110の材質および関連説明については、前記本発明の一実施例によるタッチセンサ1に係る説明で説明したため、重複する説明は省略する。
【0061】
図8の(a)は、ウィンドウ基板110に第1絶縁層151を塗布した図である。
【0062】
第1絶縁層151をプリンティング(Printing)、CVD(Chemical Vaper Deposition)、スパッタリング(Sputtering)、スピンコーティング、スロットダイなどを用いてベゼル120とベゼルとの間を充填する。充填された第1絶縁層151は、有機絶縁膜または無機絶縁膜からなる。この際、第1絶縁層151は、ベゼル120の高さまで充填することが好ましい。しかし、ベゼル120とベゼルとの間に塗布液を充填する過程で塗布液がベゼル120より高すぎる高さに充填されるか、低い高さに充填される工程誤差が頻繁に発生しうる。場合に応じて、工程誤差が後工程に影響を及ぼさない誤差範囲では、第1絶縁層の塗布過程を省略してもよい。この場合、絶縁層は、段差を減少させるか表面の不均一性を解消する役割をする。
【0063】
第1絶縁層151の高さ(L)は、製品の視認性と製品の厚さおよび製品の収率を考慮して高さを決める。したがって、第1絶縁層151は、0≦L<ベゼルの高さ(BL)×1.3μmの範囲で充填する。第1絶縁層151を積層する工程は、スクリーン印刷方式の工程を用いることが好適である。第1絶縁層151の工程としては、上述のように、スクリーン印刷、ラミネーション、スパッタリング、スロッダイなどの工程を用いてもよい。
【0064】
図8の(b)は、ウィンドウ基板110に第2絶縁層152を塗布した図である。
【0065】
第2絶縁層152は、第1絶縁層151とベゼルの表面に形成される。第2絶縁層152は、第1絶縁層151と同じ材質と工程を用いて積層する。しかし、場合に応じて、異なる材質および異なる工程を用いて積層してもよい。
【0066】
第2絶縁層152が第1絶縁層151に形成されると、ウィンドウ基板110の中央点における高さ(d)は、次の式:積層方向における第2絶縁層152の高さ(2L)×0.05μm<中央点における高さ(d)μm≦第2絶縁層の高さ(2L)×1.3μmを満たす。これは、電極パターン140の形成時に電気的信頼性を低下させない範囲を設定したものである。第2絶縁層152は、積層方向における前記第2絶縁層152の高さ(2L)が前記ベゼル120の高さ(BL)に対して3倍の大きさを超えないようにする。これは、製品の厚さが増加することを防止し、タッチセンサ1の収率を改善するためである。
【0067】
図8の(c)は、ウィンドウ基板110に電極パターン140を形成した図である。
【0068】
電極パターンの材質および関連説明は、前記本発明の一実施例によるタッチセンサ1に係る説明において説明したため、重複する説明は省略する。電極パターンは、絶縁層の表面に形成される。1層構造の電極パターン140を用いて自己静電容量方式(Self Capacitive Type)タッチセンサまたは相互静電容量方式(Mutual Capacitive Type)タッチセンサを製作することができる。また、ベゼル120の非活性領域に、外部に電気的信号を伝達する配線電極が形成される。
【0069】
以上、本発明を具体的な実施例に基づいて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、該当分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想内にての変形や改良が可能であることは明白であろう。
【0070】
本発明の単純な変形乃至変更はいずれも本発明の領域に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲により明確になるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、タッチセンサに適用可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 タッチセンサ
110 ウィンドウ基板
111 活性領域
112 非活性領域
120 ベゼル
140 電極パターン
150 絶縁層
151 第1絶縁層
152 第2絶縁層