特開2015-185541(P2015-185541A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-185541(P2015-185541A)
(43)【公開日】2015年10月22日
(54)【発明の名称】コネクタ組立体
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/631 20060101AFI20150925BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20150925BHJP
   H01R 12/71 20110101ALN20150925BHJP
【FI】
   H01R13/631
   H01R13/639 Z
   H01R12/71
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-260429(P2014-260429)
(22)【出願日】2014年12月24日
(31)【優先権主張番号】61/955,904
(32)【優先日】2014年3月20日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】513049697
【氏名又は名称】ジェイエイイイ エレクトロニクス インク
(74)【代理人】
【識別番号】100077838
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 憲保
(74)【代理人】
【識別番号】100082924
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100129023
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 敬
(72)【発明者】
【氏名】面城 貴司
(72)【発明者】
【氏名】西村 貴行
(72)【発明者】
【氏名】帯金 宏明
(72)【発明者】
【氏名】町原 大介
(72)【発明者】
【氏名】本島 譲
【テーマコード(参考)】
5E021
5E123
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA11
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB02
5E021FC06
5E021FC36
5E021HA07
5E021HC14
5E021HC33
5E123AB15
5E123AB28
5E123AB31
5E123AB38
5E123AB62
5E123AC15
5E123AC17
5E123BA01
5E123BA07
5E123CB22
5E123CB29
5E123CB31
5E123CB39
5E123CD01
5E123DA05
5E123DB25
5E123DB33
5E123EA03
5E123EA16
5E123EA31
5E123EC02
5E123EC07
5E123EC31
5E123EC37
5E123EC42
(57)【要約】      (修正有)
【課題】破損し難いコネクタ組立体を提供する。
【解決手段】プラグコネクタ200は、複数の第1コンタクトと、第1ハウジングと、第1金属部材260とを有し、第1ハウジングはガイド部245を有し、ガイド部245に第1金属部材260が配置され、第1金属部材260は、ガイド部245のコネクタ嵌合方向における上面及び端壁部の外側面の3面のそれぞれの少なくとも一部を覆い、レセプタクルコネクタ100は、複数の第2コンタクト120と、第2ハウジング110と、第2金属部材130とを有し、第2ハウジング110は第2コンタクト120の配列範囲の外側に、ガイド部245と嵌合するU形状の壁による被ガイド部101を有し、被ガイド部101に第2金属部材130が配置され、第2金属部材130は、被ガイド部101のコネクタ嵌合方向における上面及びU形状の壁の内側面の対向する2面のそれぞれの少なくとも一部を覆う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ嵌合方向に沿って嵌合するプラグコネクタとレセプタクルコネクタとを含むコネクタ組立体であって、
前記プラグコネクタは、複数の第1コンタクトと、端子配列方向に沿って配列された前記複数の第1コンタクトを保持する第1ハウジングと、前記第1ハウジングにおける前記複数の第1コンタクトの配列範囲の外側に配置された第1金属部材とを有し、
前記第1ハウジングは前記複数の第1コンタクトの前記配列範囲の外側にガイド部を有し、前記ガイド部に前記第1金属部材が配置され、
前記第1金属部材は、前記ガイド部の前記コネクタ嵌合方向における上面及び端壁部の外側面の3面のそれぞれの少なくとも一部を覆い、
前記レセプタクルコネクタは、複数の第2コンタクトと、端子配列方向に沿って配列された前記複数の第2コンタクトを保持する第2ハウジングと、前記第2ハウジングにおける前記複数の第2コンタクトの配列範囲の外側に配置された第2金属部材とを有し、
前記第2ハウジングは前記複数の第2コンタクトの前記配列範囲の外側に、前記ガイド部と嵌合し、前記コネクタ嵌合方向から見てU形状の壁による被ガイド部を有し、前記被ガイド部に前記第2金属部材が配置され、
前記第2金属部材は、前記被ガイド部の前記コネクタ嵌合方向における上面及び前記U形状の壁の内側面の対向する2面のそれぞれの少なくとも一部を覆う
ことを特徴とするコネクタ組立体。
【請求項2】
前記第2金属部材は、前記U形状の壁の外側面の3面のそれぞれの少なくとも一部を更に覆うことを特徴とする請求項1に記載のコネクタ組立体。
【請求項3】
前記第1金属部材は、前記ガイド部の前記上面を覆うための上面部と、前記上面部から前記コネクタ嵌合方向に延びて前記ガイド部の前記端壁部の互いに反対側の2つの側面を覆うための一対の外側面部と、前記上面部から前記コネクタ嵌合方向に延びて前記ガイド部の前記端壁部の外側端面を覆うための端面部とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のコネクタ組立体。
【請求項4】
前記第2金属部材は、前記被ガイド部の前記上面を覆うための上面部と、前記U形状の壁の前記内側面の対向する2面を覆うための一対の内側面部と、前記上面部から前記コネクタ嵌合方向に延びて前記U形状の壁の対向する2つの外側面を覆うための一対の外側面部と、前記上面部から前記コネクタ嵌合方向に延びて前記U形状の壁の外側端面を覆うための端面部とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコネクタ組立体。
【請求項5】
前記第1金属部材の前記一対の外側面部は、前記プラグコネクタの前記端子配列方向において前記複数の第1コンタクトの前記配列範囲に近い位置で前記上面部から前記コネクタ嵌合方向に延びる一対の第1外側面部と、前記プラグコネクタの前記端子配列方向において前記端壁部の端面に近い位置で前記上面部から前記コネクタ嵌合方向に延びる一対の第2外側面部とを含み、前記ガイド部の前記被ガイド部に対する嵌合時に、前記一対の第2外側面部が前記第2金属部材における前記一対の内側面部に対向することを特徴とする請求項4に記載のコネクタ組立体。
【請求項6】
前記第2金属部材の前記一対の内側面部はばね性を有すると共に、その表面側に突出する突起部を有し、前記第1金属部材の前記一対の第2外側面部には前記突起部と係合して前記ガイド部の前記被ガイド部に対する嵌合状態をロックするための突部を有することを特徴とする請求項5に記載のコネクタ組立体。
【請求項7】
前記第1金属部材の前記一対の第1外側面部、前記第2金属部材の前記一対の外側面部は、それぞれ電源接続用の端子であることを特徴とする請求項5に記載のコネクタ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレセプタクルコネクタとプラグコネクタとを有するコネクタ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
コネクタ組立体の一例として、回路基板に実装されるレセプタクルコネクタと、このレセプタクルコネクタに嵌合接続されると共に他の回路基板に実装されるプラグコネクタとを有するコネクタ組立体が知られている(特許文献1)。「嵌合」というのは、2つの部材、ここではレセプタクルコネクタとプラグコネクタが嵌め合わされることを意味する。
【0003】
図8A図8Bを参照して、特許文献1に開示されているコネクタ組立体について説明する。図8Aは、プラグコネクタ1とレセプタクルコネクタ2とを含むコネクタ組立体を、これらの嵌合前の状態について示した斜視図である。図8Bは、図8Aに示されたプラグコネクタ1を上下逆にして示した斜視図である。
【0004】
図8Aにおいて、プラグコネクタ1、レセプタクルコネクタ2は、それぞれ異なる回路基板(図示せず)の実装面上に実装される回路基板用コネクタであり、各回路基板の実装面に対して垂直な方向(図8Aでの上下方向)を嵌合方向として嵌合される。
【0005】
プラグコネクタ1は、略直方体の外形を持つプラグハウジング10と、プラグハウジング10に保持される複数のプラグ端子20とを有している。複数のプラグ端子20は、各プラグ端子20の接触部が回路基板(図示せず)の実装面に対して平行な一方向に配列されるようにしてプラグハウジング10に一体成形により保持されている。複数のプラグ端子20は、上記接触部の配列方向におけるプラグハウジング10の中央位置で保持される一対の信号端子30と、上記接触部の配列方向でプラグハウジング10の端部側で保持され信号端子30とは形状の異なる一対の電源端子40とを含む。
【0006】
プラグハウジング10は、例えば樹脂等の電気絶縁材料で成形されており、プラグ端子20の接触部の配列方向を長手方向(長辺に対応する方向)として延びている。プラグハウジング10は、回路基板の実装面に対して平行な底壁11と、図8Bに示されるように、底壁11の外周部から上方(図8Aでは下方)へ向けて延びる枠状の外周壁12とを有している。外周壁12は、コネクタ嵌合時に、後述するレセプタクルコネクタ2の受入空間56内へ嵌入される嵌合部として形成されている。「嵌入」というのは、ある部材を他の部材に嵌め入れることを意味する。外周壁12は、上記配列方向に延びる一対の側壁13と、上記配列方向に対して直角なコネクタ幅方向に延び一対の側壁13の端部同士を連結する一対の端壁14とを有している。
【0007】
図8Bに示されるように、一対の側壁13のそれぞれの外側面には、上記配列方向にて信号端子30と一対の電源端子40の一方との間の位置で上下方向に延びる被案内溝部13Aが形成されている。被案内溝部13Aは、コネクタ嵌合の過程でレセプタクルコネクタ2の後述の案内突条部54Aを受け入れ、案内突条部54Aによって上記配列方向およびコネクタ幅方向に案内される。また、一対の端壁14のそれぞれの外側面は、コネクタ幅方向での中間位置で没した没入部14Aが形成されており、没入部14A内に後述の電源端子40のプラグ端板部44が位置している。また、没入部14Aを形成する空間のうち上記配列方向で端壁14とプラグ端板部44との間に位置する空間14A−1は、後述するようにコネクタ嵌合過程におけるプラグ端板部44の板厚方向での弾性変位を許容するための空間として形成されている。なお、「突条」というのは、一方向に延びる細長い板状の突出部を意味する。
【0008】
図8Bにおいて、外周壁12に囲まれ上方へ開口する空間は、レセプタクルコネクタ2に形成されている島状の突壁部52を受け入れるための受入空間15として形成されている。また、プラグハウジング10は、上記配列方向にて一方の電源端子40(図8Bでは左側)が設けられた端壁14に近い位置であって、かつ、コネクタ幅方向での中央位置で、底壁11から上方へ向けて受入空間15内で起立する被案内壁部16を有している。被案内壁部16は、コネクタ幅方向を壁厚方向とし、一方の端壁14に連結されている。被案内壁部16は、コネクタ嵌合時にて、レセプタクルコネクタ2の案内溝部52B内へ上方から進入し、案内溝部52Bによって上記配列方向およびコネクタ幅方向に案内される。
【0009】
図8Aに示されるように、信号端子30は、上記配列方向でのプラグハウジング10の中央位置にてプラグハウジング10のそれぞれの側壁13で一体成形により保持されている。信号端子30は、金属板を打ち抜いて得られた帯状片を板厚方向に屈曲して作られている。信号端子30は、プラグハウジング10の底壁11とほぼ同じ高さ位置で側壁13からコネクタ幅方向の外方へ延びる直状の接続部31(図8B)と、接続部31に連続して下方へ向けて屈曲されるとともにU字状に折り返され側壁13に保持されるU字状部分とを有している。このU字状部分は、側壁13に沿って延びていて、U字状の板面が側壁13と同レベル面を形成するようにして露呈している。
【0010】
接続部31は、対応する回路基板(図示せず)の信号回路部と半田接続されるようになっている。また、信号端子30のU字状部分の二つの脚部のうち、側壁13の内側面側(プラグコネクタ側の受入空間15側)に位置する一方の脚部は、後述するレセプタクルコネクタ2のレセプタクル信号端子70と接触するための接触部32として形成されている。接触部32は、側壁13の内側面側に露呈する平坦な板面であり、レセプタクル信号端子70の対応接触部71Aと接触する。また、側壁13の外側面側に位置する他方の脚部は、レセプタクル信号端子70の内側脚部74における被ロック突部74Aと係合するためのロック部33として形成されている。ロック部33には、被ロック突部74Aを受け入れるためのロック凹部33Aが板面からくぼむように、例えばプレス加工により形成されている。係合というのは、2つの部材が係り合うことを意味する。
【0011】
レセプタクルコネクタ2は、図8Aに示されるように、略直方体の外形を持つレセプタクルハウジング50と、レセプタクルハウジング50に保持される複数のレセプタクル端子60とを有している。複数のレセプタクル端子60は、各レセプタクル端子60の対応接触部が回路基板(図示せず)の実装面に対して平行な一方向に配列されるようにしてレセプタクルハウジング50に一体成形により保持されている。複数のレセプタクル端子60は、上記対応接触部の配列方向におけるレセプタクルハウジング50の中央位置で保持される一対のレセプタクル信号端子70と、上記対応接触部の配列方向でレセプタクルハウジング50の端部側で保持されレセプタクル信号端子70とは形状の異なる一対の電源端子としての端部側のレセプタクル端子80(以下、レセプタクル電源端子80と呼ぶ)からなっている。
【0012】
レセプタクルハウジング50は、例えば樹脂等の電気絶縁材料で成形されており、レセプタクル端子60の対応接触部の配列方向を長手方向としている。レセプタクルハウジング50は、回路基板の実装面に対して平行な底壁(図示省略)と、この底壁の中央部から上方へ向けて起立するとともに上記配列方向に延びる突壁部52と、上記底壁から上方へ向けて起立するとともに突壁部52を囲む枠状の外周壁53とを有している。外周壁53は、上記配列方向に延びる一対の側壁54と、上記配列方向に対して直角なコネクタ幅方向に延び一対の側壁54の端部同士を連結する一対の端壁55とを有している。突壁部52と外周壁53との間で上方へ向け開口する四角形の溝状空間は、プラグコネクタ1の嵌合部としての外周壁12を受け入れるための受入空間56として形成されている。
【0013】
図8Aに示されるように、レセプタクルハウジング50の底壁上に島状に設けられた突壁部52は、上記配列方向における中央位置での両側面(コネクタ幅方向に対して直角な面)に、レセプタクル信号端子70の弾性腕部の弾性変位を許容するための空間を提供する溝部52Aが、上記両側面から没するとともに上下方向に延びて形成されている。
【0014】
電源端子40は、金属板を一部材として屈曲して作られており、図8Aに示されるように、上記配列方向でのプラグハウジング10の外周壁12の端部側部分にて側壁13および端壁14で一体成形により保持されている。図8Bに示されるように、電源端子40は、プラグハウジング10の端部側部分の上面(図8Aでは下面)に沿って延びる基部41と、基部41から屈曲されプラグハウジング10の両側壁13のそれぞれの外側面に沿って延びるプラグ側板部42と、プラグ側板部42の下端で屈曲されコネクタ幅方向の外方へ延びる接続部43と、基部41から屈曲されプラグハウジング10の端壁14の外端面に沿って延びるプラグ端板部44とを有している。
【0015】
図8Bに示されるように、電源端子40の基部41は、基部41の平坦な上面が、プラグハウジング10の端部側部分の角部を除く領域で側壁13および端壁14の上面と同一レベル面を形成するように露呈している。一方、プラグ側板部42は、プラグ側板部42の平坦な板面が、側壁13の外側面と同一レベル面を形成するように露呈している。プラグ側板部42は、レセプタクルコネクタ2に設けられたレセプタクル電源端子80の対応接触部81Aと接触するための接触部として機能する。
【0016】
次に、電源端子40の接続部43は、プラグハウジング10の底壁11(図8A)とほぼ同じ高さに位置し、対応する回路基板(図示せず)の電源回路部に半田付けにより接続される。また、プラグ側板部42と接続部43とが連結されている屈曲部分は、図8Bに示されるように、プラグハウジング10の一部によって覆われている。さらに、電源端子40のプラグ端板部44は、プラグハウジング10の端壁14の没入部14A内にて、上下方向に延びる両側縁部がプラグハウジング10との一体成形により保持されている。また、プラグ端板部44の板面には、上記配列方向の外方へ向けて突出した段部によるロック段部44Aが、例えばプレス加工により形成されている。ロック段部44Aは、レセプタクル電源端子80における被ロック板部82Bの被ロック段部82B−1とコネクタ抜出方向に係合することができる。
【0017】
上記のように、特許文献1のコネクタ組立体では、レセプタクルコネクタ2のレセプタクルハウジング50は樹脂材料で成形され、回路基板に面する底壁から起立すると共に端子配列方向に延びる突壁部52を、底壁から起立する外周壁53で囲んだ形状を有する。そして、突壁部52と外周壁53との間で上方へ開口する四角形の溝状空間が、プラグコネクタ1の嵌合部を受け入れる受入空間56として形成されている。一方、プラグコネクタ1のプラグハウジング10は樹脂材料で成形され、他の回路基板に面する底壁11から起立し、レセプタクルコネクタ2の受入空間56に適合した形状を持つ外周壁12を嵌合部として有する。プラグコネクタ1の外周壁12は、端子配列方向に延びる二つの側壁13と、端子配列方向に対して直角なコネクタ幅方向に延び前記二つの側壁の端部同士を連結する二つの端壁14とを有している。プラグコネクタ1の嵌合部には、外周壁12に囲まれた溝状空間が形成されている。
【0018】
レセプタクルコネクタ2とプラグコネクタ1の嵌合時には、レセプタクルコネクタ2の受入空間56内にプラグコネクタ1の嵌合部が上方から嵌入され、プラグコネクタ1の嵌合部(外周壁12)に囲まれた溝状空間内にレセプタクルコネクタ2の突壁部52が下方から進入する。
【0019】
ところで、後で詳しく説明されるように、通常、プラグコネクタの長手方向の両端にはガイド部が形成され、レセプタクルコネクタの長手方向の両端には前記ガイド部を受け入れる被ガイド部が形成される。レセプタクルコネクタの被ガイド部は嵌合間口部と呼ばれ、平面視で略U形状の周壁により形成された凹部を有する。レセプタクルコネクタの被ガイド部とプラグコネクタのガイド部にはそれぞれ、電源との接続機能及びレセプタクルコネクタに対するプラグコネクタの嵌合、特に被ガイド部に対するガイド部の嵌合をロックする機能(ロック係合)を持たせるために金属部材が設けられている。図8A図8Bに示されたコネクタ組立体で言えば、プラグコネクタ1側のロック段部44Aとレセプタクルコネクタ2側の被ロック段部82B−1とで嵌合をロックする機能を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特開2013−232372号公報(図1
【特許文献2】特開2013−232386号公報
【特許文献3】特開2013−206771号公報
【特許文献4】特開2006−331679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
しかしながら、これまでのコネクタ組立体では、レセプタクルコネクタの被ガイド部、プラグコネクタのガイド部における機械的強度が不十分であり、レセプタクルコネクタに対するプラグコネクタの挿入及び抜き取りを繰り返すと嵌合間口部、ガイド部の少なくとも一方を破損させてしまうという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の態様に係るコネクタ組立体は、コネクタ嵌合方向に沿って嵌合するプラグコネクタとレセプタクルコネクタとを含む。前記プラグコネクタは、複数の第1コンタクトと、端子配列方向に沿って配列された前記複数の第1コンタクトを保持する第1ハウジングと、前記第1ハウジングにおける前記複数の第1コンタクトの配列範囲の外側に配置された第1金属部材とを有する。前記第1ハウジングは前記複数の第1コンタクトの前記配列範囲の外側にガイド部を有し、前記ガイド部に前記第1金属部材が配置される。前記第1金属部材は、前記ガイド部の前記コネクタ嵌合方向における上面及び端壁部の外側面の3面のそれぞれの少なくとも一部を覆う。前記レセプタクルコネクタは、複数の第2コンタクトと、端子配列方向に沿って配列された前記複数の第2コンタクトを保持する第2ハウジングと、前記第2ハウジングにおける前記複数の第2コンタクトの配列範囲の外側に配置された第2金属部材とを有する。前記第2ハウジングは前記複数の第2コンタクトの前記配列範囲の外側に、前記ガイド部と嵌合し、前記コネクタ嵌合方向から見てU形状の壁による被ガイド部を有し、前記被ガイド部に前記第2金属部材が配置される。前記第2金属部材は、前記被ガイド部のコネクタ嵌合方向における上面及び前記U形状の壁の内側面の対向する2面のそれぞれの少なくとも一部を覆う。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、プラグコネクタの第1ハウジングにおけるガイド部を、そのコネクタ嵌合方向における上面及び端壁部の外側面の3面の少なくとも一部について第1金属部材で覆うと共に、レセプタクルコネクタの第2ハウジングにおける被ガイド部を、そのコネクタ嵌合方向における上面及び対向する2つの内側面の少なくとも一部について第2金属部材で覆うようにしたので、プラグコネクタにおけるガイド部、レセプタクルコネクタにおける被ガイド部の堅牢性を高めることができ、レセプタクルコネクタに対してプラグコネクタをずれた位置で嵌合した場合でも破損し難いコネクタ組立体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態におけるレセプタクルコネクタ及びプラグコネクタの全体を両コネクタの嵌合直前の姿勢で示す斜視図である。
図2図1のレセプタクルコネクタを分解した斜視図である。
図3A図2に示されたレセプタクル金具の平面図である。
図3B図2に示されたレセプタクル金具の側面図である。
図3C図2に示されたレセプタクル金具の正面図である。
図3D図2に示されたレセプタクル金具の斜視図である。
図3E図2に示されたレセプタクル金具を図3Dとは反対側から見た斜視図である。
図4A図1のレセプタクルコネクタの平面図である。
図4B図1のレセプタクルコネクタの側面図である。
図4C図1のレセプタクルコネクタの正面図である。
図4D図1のレセプタクルコネクタの斜視図である。
図5図1のプラグコネクタを分解した斜視図である。
図6A図5に示されたプラグ金具の平面図である。
図6B図5に示されたプラグ金具の側面図である。
図6C図5に示されたプラグ金具の正面図である。
図6D図5に示されたプラグ金具の斜視図である。
図6E図5に示されたプラグ金具を図6Dとは反対側から見た斜視図である。
図7A図1のプラグコネクタの平面図である。
図7B図1のプラグコネクタの側面図である。
図7C図1のプラグコネクタの正面図である。
図7D図1のプラグコネクタの斜視図である。
図8A】プラグコネクタとレセプタクルコネクタとを有する、公知のコネクタ組立体を、これらの嵌合前の状態について示した斜視図である。
図8B図8Aに示されたプラグコネクタを上下逆にして示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[実施形態の説明]
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態におけるレセプタクルコネクタ及びプラグコネクタの全体を両コネクタの嵌合直前の姿勢で示す斜視図である。図1では、レセプタクルコネクタは受入空間を上向きにした姿勢で示し、プラグコネクタは受入空間を下向きにした姿勢で示している。図2図1のレセプタクルコネクタを分解した斜視図である。図5図1のプラグコネクタを分解した斜視図であり、受入空間を上向きにした姿勢で示している。
【0027】
本実施形態におけるレセプタクルコネクタ100、プラグコネクタ200は、異なる回路基板(図示せず)に実装される回路基板用コネクタであり、各回路基板の面に対して直角な方向(図1の上下方向)をコネクタ嵌合(挿入及び抜き取り)方向とするコネクタ組立体を構成する。
【0028】
はじめに、レセプタクルコネクタ100について説明する。レセプタクルコネクタ100は、図1に示される姿勢で回路基板上に実装される。図1図2に示されるように、レセプタクルコネクタ100は、略直方体の外形を持つレセプタクルハウジング(第2ハウジング)110と、レセプタクルハウジング110の長手方向を端子配列方向としてレセプタクルハウジング110内に二列に配列保持される複数のレセプタクル端子(第2コンタクト)120と、レセプタクルハウジング110の長手方向の両端部に形成された嵌合間口部(被ガイド部)101を構成している壁部に装着される二つのレセプタクル金具(第2金属部材)130とを有している。
【0029】
レセプタクルハウジング110は、例えば樹脂等の電気絶縁材料で成形され、回路基板の実装面(図示せず)と平行な一方向を長手方向(端子配列方向)として延びている。レセプタクルハウジング110は、前記実装面に対して平行な底壁111と、底壁111から上方へ向けて起立すると共に端子配列方向に延びる突壁部112と、底壁111から上方へ向けて起立すると共に突壁部112を囲む枠状の外周壁113とを有している。外周壁113は、端子配列方向に延びる一対の側壁114と、端子配列方向に対して直角方向(コネクタ幅方向)に延びて一対の側壁114の端部同士を連結する一対の端壁部115とを有している。突壁部112はその延在長が側壁114の長さより短いことにより突壁部112の両端と端壁部115との間に凹部が形成され、この凹部が嵌合間口部101の一部となる。換言すると、レセプタクルハウジング110の端壁部115とそこから平行に延びる2つの側壁114の一部とによるコネクタ嵌合方向(図2において、プラグコネクタ200との嵌合側である上方)から見て略U形状の外周壁により、その内側に嵌合間口部101の一部となる凹部が形成される。即ち、本実施形態では凹部と略U形状の外周壁とでレセプタクルコネクタ100の被ガイド部101(嵌合間口部101)として機能する。突壁部112と外周壁113との間で上方へ向け開口している四角形の溝状空間は、プラグコネクタ200の嵌合部としての外周壁243(図5参照)を受け入れるための受入空間116となる。
【0030】
レセプタクルハウジング110には、レセプタクル端子120を保持するための複数の端子保持溝117が、端子配列方向に等間隔で並び、しかも突壁部112を間において対称な二列に並ぶように形成されている。端子保持溝117は、突壁部112の側面、底壁111の上面、側壁114の内側面(突壁部112の側面と対向する面)にわたって連続して延びている。レセプタクルハウジング110の端子配列方向の両端部、すなわち端子配列範囲の外側において嵌合間口部101を形成している外周壁113にはレセプタクル金具130が装着される。
【0031】
本実施形態では、前述したように、四角形の溝状空間による受入空間116のうち端子配列方向の端子配列範囲外に位置する部分、すなわちレセプタクルハウジング110の端壁部115と二つの側壁114の一部及びこれらで囲まれた空間を嵌合間口部101と定義する。
【0032】
次に、図1図2に加えて、図3A図3Eを参照して、レセプタクル金具(第2金属部材)130について説明する。レセプタクル金具130は一枚の金属製の板部材からなり、嵌合間口部101を構成しているレセプタクルハウジング110の外周壁113の一部を覆うことができるように打ち抜き及び折り曲げ加工により成形されている。レセプタクル金具130は、電気的接続だけでなくレセプタクルハウジング110、特に嵌合間口部101を補強するための補強金具としての機能も有している。
【0033】
詳しく説明すると、本実施形態のレセプタクル金具130は、嵌合間口部101を構成しているレセプタクルハウジング110の端壁部115と2つの側壁114の、コネクタ嵌合方向における上面(図2において、プラグコネクタ200との嵌合側である上面)を覆うための上面部131と、2つの側壁114の対向し合う2つの内側面を覆うための内側面部132−1、132−2とを有する。レセプタクル金具130はまた、端壁部115の外側端面と2つの側壁114の外側面のそれぞれの少なくとも一部を覆うための端面部133、外側面部133−1、133−2を有する。レセプタクル金具130はさらに、端子配列範囲外に位置する2つの側壁114に形成された溝114Aであって、コネクタ幅方向に延びる溝114Aに嵌合する2つの嵌合部134−1、134−2を有する。端面部133、外側面部133−1、133−2、嵌合部134−1、134−2はそれぞれ、上面部131の縁部から下側(コネクタ嵌合方向、プラグコネクタ200との嵌合側である上側から下側に向けて)に延びるように折り曲げ加工して形成される。なお、端壁部115の外側端面と2つの側壁114の外側面にはそれぞれ、レセプタクル金具130の端面部133、外側面部133−1、133−2を受け入れるための凹部(受け部)115A、114Bが形成されている。これにより、レセプタクル金具130の端面部133が端壁部115の外側端面から突出せず、外側面部133−1、133−2が2つの側壁114の外側面から突出しないようにしている。
【0034】
一方、内側面部132−1、132−2は、上面部131の縁部から下側に延びるのではなく、嵌合部134−1、134−2の対向し合う内側の側縁部から端面部133側に延びるように成形されている。これは、内側面部132−1、132−2をコネクタ幅方向(板面に垂直な方向)に変位し易くして内側面部132−1、132−2がコネクタ幅方向にばね性を発揮し易くするためである。このために、図3Aに示すように、嵌合部134−1、134−2の側縁部に連なる内側面部132−1、132−2が破線で示した位置から端面部133側に90度折り曲げている。内側面部132−1、132−2にはまた、それらの対向し合う面にロック用の突起部135−1、135−2が切り起こし等により表面側に突出するように形成されている。ここでのロックというのは、レセプタクルコネクタ100に対するプラグコネクタ200の嵌合、特にレセプタクルコネクタ100の嵌合間口部(被ガイド部)101に対するプラグコネクタ200のガイド部245の嵌合をロックすることを意味する。なお、内側面部132−1、132−2にばね性を持たせるためには、レセプタクル金具130をレセプタクルハウジング110(嵌合間口部101)に装着した後においても、内側面部132−1、132−2をコネクタ幅方向に変位可能にする必要がある。それゆえ、内側面部132−1、132−2は、レセプタクル金具130をレセプタクルハウジング110(嵌合間口部101)に装着した後においても、側壁114の内側面から少し離れるように成形される。
【0035】
以上のようにして成形されたレセプタクル金具130は、嵌合間口部101を構成している2つの側壁114の一部と端壁部115に圧入により装着される。
【0036】
図4A図4B図4C図4Dは、それぞれ、レセプタクル金具130が圧入装着された後のレセプタクルコネクタ100を示す平面図、側面図、正面図及び斜視図である。レセプタクル金具130の端面部133、外側面部133−1、133−2は回路基板側の電源等(図示せず)と接続するための端子として用いられる。内側面部132−1、132−2の突起部135−1、135−2は、プラグコネクタ200側との電気的接続及びプラグコネクタ200との嵌合をロックするために用いられる。ロックについては後述する。
【0037】
次に、図1図5を参照して、プラグコネクタ200について説明する。
【0038】
図1にはプラグコネクタ200が上下を逆にして示されている。これは、プラグコネクタ200は、その受入空間を下側に向けてレセプタクルコネクタ100に嵌合されるからである。
【0039】
プラグコネクタ200は、略直方体の外形を持つプラグハウジング(第1ハウジング)240と、プラグハウジング240にその長手方向(端子配列方向)に等間隔をおいて保持された2列の複数のプラグ端子(第1コンタクト)250とを有している。プラグコネクタ200は更に、プラグハウジング240の長手方向の両端部に装着される2つのプラグ金具(第1金属部材)260を有している。プラグ金具260は、電気的接続だけでなくプラグハウジング240を補強するための補強金具としての機能も有している。プラグコネクタ200は、図1に示される上側の面が回路基板に実装され、この姿勢で相手コネクタとしてのレセプタクルコネクタ100に嵌合接続される。
【0040】
プラグハウジング240は、例えば樹脂等の電気絶縁材料で成形され、回路基板の実装面(図示せず)と平行な一方向を長手方向(端子配列方向)として延びている。プラグハウジング240は、前記実装面に対して平行な底壁241(図1参照)と、図5に示されるように、底壁241から上方(コネクタ嵌合方向、レセプタクルコネクタ100との嵌合側である上方)へ向けて起立する枠状の嵌合部としての外周壁243とを有している。外周壁243は、端子配列方向に延びる一対の側壁244と、端子配列方向に直角なコネクタ幅方向に延び一対の側壁244の端部同士を連結する一対の端壁部(ガイド部)245とを有している。本実施形態では端壁部245そのものがプラグコネクタ200のガイド部245として機能する。外周壁243に囲まれて上方へ開口している空間は、レセプタクルコネクタ100の突壁部112を受け入れるための受入空間246となる。
【0041】
プラグ端子250は、金属板を打ち抜いて得られた帯状片を板厚方向に折り曲げ加工して形成されている。プラグ端子250は、プラグハウジング240の2つの側壁244に一体モールド成型、または圧入により保持され、側壁244の長手方向に等間隔をおいて配列されている。プラグ端子250は、プラグハウジング240の底壁241とほぼ同じ高さ位置で側壁244からコネクタ幅方向の外方へ突出する接続部251と、接続部251に連続して図5の上方(コネクタ嵌合方向、レセプタクルコネクタ100との嵌合側である上方)へ向けて屈曲されると共に逆U形状に折り返されて側壁244に保持される逆U形状部252とを有している。逆U形状部252は、図7A図7Dに示されるように、側壁244に沿って延び、逆U形状の板面が側壁244の面と同じ面を形成するように露出している。
【0042】
プラグ端子250の逆U形状部252の2つの脚部のうち、側壁244の内面側に位置する一方の脚部は、レセプタクルコネクタ100のレセプタクル端子120(図1参照)と接触するための接触部253となる。また、逆U形状部252の2つの脚部のうち、側壁244の外面側に位置する他方の脚部にはその上端部寄りに長手方向に延びる突部が形成され、レセプタクル端子120のロック突部121(図2参照)と係合するための係合部254となる。
【0043】
次に、図1図5に加えて、図6A図6Dを参照して、プラグ金具260について説明する。図5に示されるように、プラグ金具260は上面部261を有し、プラグハウジング240における端子配列範囲の外側に形成された端壁部(ガイド部)245に圧入装着される。しかし、プラグコネクタ200をレセプタクルコネクタ100に嵌合接続する際には、図1に示されるように、プラグ金具260の上面部は下に向けられる。プラグ金具260は、回路基板を通して電源と電気的に接続するほか、プラグコネクタ200をレセプタクルコネクタ100に嵌合接続する際に、レセプタクルコネクタ100における嵌合間口部101の凹部に嵌合し、レセプタクル金具130との間で電気的接続とロックとを実現するためのものである。
【0044】
プラグ金具260は一枚の金属製の板部材からなり、プラグハウジング240の両端部に形成された端壁部245の上面と側面の少なくとも一部を覆うことができるように打ち抜き及び折り曲げ加工により成形されている。詳しく説明すると、本実施形態のプラグ金具260は、プラグハウジング240における端壁部245のコネクタ嵌合方向の上面(レセプタクルコネクタ100との嵌合側である上面)を覆うための上面部261を有する。プラグ金具260はまた、端壁部245の互いに反対側の2つの外側面を第1位置で覆うための第1外側面部(外側面部)262−1、262−2と、第1位置と長手方向(端子配列方向)に関して異なる第2位置で覆うための第2外側面部(外側面部)263−1、263−2を有する。プラグ金具260はさらに、端壁部245の外側端面の少なくとも一部を覆う端面部264を有する。第1外側面部262−1、262−2、第2外側面部263−1、263−2、端面部264はそれぞれ、上面部261の縁部から下側(コネクタ嵌合方向、レセプタクルコネクタ100との嵌合側である上側から下側に向けて)に延びるように折り曲げ加工して形成される。端壁部245の外側端面と、端壁部245の互いに反対側の2つの外側面にはそれぞれ、プラグ金具260の端面部264、第1外側面部262−1、262−2、第2外側面部263−1、263−2を受け入れるための凹部(受け部)245A、245B、245Cが形成されている。これにより、プラグ金具260の端面部264が端壁部245の外側端面から突出せず、第1外側面部262−1、262−2、第2外側面部263−1、263−2が端壁部245の外側面から突出しないようにしている。
【0045】
なお、第2外側面部263−1、263−2は、レセプタクルコネクタ100とプラグコネクタ200とを嵌合接続した時には、図2に示されたレセプタクル金具130の内側面部132−1、132−2に対向する。第2外側面部263−1、263−2の外側面であって上面部261寄りに端子配列方向に延びる突部263−1A、263−2Aを設ける。これにより、レセプタクルコネクタ100とプラグコネクタ200の嵌合接続時に、突部263−1A、263−2Aがレセプタクル金具130の内側面部132−1、132−2に形成されているロック用の突起部135−1、135−2と協働して、レセプタクルコネクタ100に対するプラグコネクタ200の嵌合、特にレセプタクルコネクタ100の被ガイド部に対するプラグコネクタのガイド部の嵌合をロックできるように構成している。このロックについては、後で説明する。
【0046】
以上のようにして成形されたプラグ金具260は、プラグハウジング240の端壁部245に圧入により装着される。第1外側面部262−1と第2外側面部263−1、及び第1外側面部262−2と第2外側面部263−2とは別々に形成されているが、1枚の板状になるように一体に形成しても良い。
【0047】
図7A図7B図7C図7Dは、それぞれ、プラグ金具260を装着した後のプラグコネクタ200を示す平面図、側面図、正面図及び斜視図である。プラグ金具260の第1外側面部262−1、262−2、端面部264は回路基板側の電源等(図示せず)と電気的に接続するための端子として用いられる。第2外側面部263−1、263−2はレセプタクル金具130に対する電気的接続及びレセプタクルコネクタ100に対するプラグコネクタ200の嵌合、特にレセプタクルコネクタ100の被ガイド部101に対するプラグコネクタのガイド部245の嵌合をロックするために用いられる。
【0048】
次に、レセプタクルコネクタ100に対するプラグコネクタ200の嵌合、特にプラグコネクタ200をレセプタクルコネクタ100に嵌合させた後の、プラグコネクタ200のロックについて説明する。なお、レセプタクルコネクタ100とプラグコネクタ200の嵌合接続に伴うレセプタクル端子120とプラグ端子250の接続については、本発明の要旨とは無関係であるので、説明は省略する。
【0049】
図1に示された状態からプラグコネクタ200を下方に下げて端壁部(ガイド部)245をレセプタクルコネクタ100の嵌合間口部101に嵌合させてゆくと、プラグ金具260の第2外側面部263−1、263−2における突部263−1A、263−2Aがレセプタクル金具130の内側面部132−1、132−2のロック用の突起部135−1、135−2と当たり接触する。プラグコネクタ200をさらに下げると、その押し下げ力は突部263−1A、263−2A、突起部135−1、135−2を介して内側面部132−1、132−2の面に直角な方向(コネクタ幅方向)の力となり、内側面部132−1、132−2に作用する。その結果、内側面部132−1、132−2は、互いに離間する方向に変位する。しかし、突部263−1A、263−2Aが突起部135−1、135−2を通過してしまうと、内側面部132−1、132−2はそのばね性により元の位置に復帰する。プラグコネクタ200は、プラグ金具260の上面部261が嵌合間口部101の凹部の底面に当たる、または近づくまでレセプタクルコネクタ100に押し込まれる。この状態は、ロック用の突起部135−1、135−2が突部263−1A、263−2Aと係合し、端壁部245(ガイド部)がプラグ金具260の嵌合間口部101(被ガイド部)から抜けることを阻止している、いわゆるロック状態である。勿論、プラグコネクタ200全体を、内側面部132−1、132−2を変位させることができるだけの所定以上の抜き力で引き抜けば、プラグコネクタ200をレセプタクルコネクタ100から抜くことができる。
【0050】
[実施形態の効果]
以上説明してきたように、本発明の上記実施形態では、プラグコネクタ200のプラグハウジング240における端壁部(ガイド部)245を、コネクタ嵌合方向における上面(レセプタクルコネクタ100との嵌合側である上面)についてはプラグ金具260の上面部261で覆い、端壁部245の側壁の3つの外側面についてはプラグ金具260の一対の第1外側面部262−1、262−2と、一対の第2外側面部263−1、263−2と、端面部264とで覆うようにしている。一方、レセプタクルコネクタ100のレセプタクルハウジング110における嵌合間口部(被ガイド部)101を、コネクタ嵌合方向における上面(プラグコネクタ200との嵌合側である上面)についてはレセプタクル金具130の上面部131で覆い、嵌合間口部101を構成している略U形状の側壁の対向する2つの内側面についてはレセプタクル金具130の一対の内側面部132−1、132−2で覆い、略U形状の側壁の3つの外側面についてはレセプタクル金具130の端面部133と、一対の外側面部133−1、133−2とで覆うようにしている。これにより、プラグコネクタ200における端壁部(ガイド部)245、レセプタクルコネクタ100における嵌合間口部(被ガイド部)101の堅牢性を高めることができる。また、レセプタクルコネクタ100に対してプラグコネクタ200をずれた位置で嵌合した場合でも破損し難いコネクタ組立体を提供できる。
【0051】
また、これまでのコネクタ組立体では、レセプタクルコネクタの長手方向の両端部、すなわち略U形状の周壁の端壁(U形の底に対応する壁)にロック係合部を形成してプラグコネクタの嵌合をロックするように構成している。一方、レセプタクルコネクタの長手方向の両端部であって長手方向と直角な方向、すなわち略U形状の周壁の側壁(U形の2つの脚部に対応する側壁)に電源接続部を形成している。このような構成では、プラグコネクタの斜め抜去(プラグコネクタの2つの側壁の片側だけ抜こうとする抜去)のような力に対してプラグコネクタが傾きやすいという問題点が指摘されている。
【0052】
このような問題点に対し、本発明の上記実施形態では、嵌合間口部101(被ガイド部)を形成している略U形状の側壁の対向する2つの内側面を覆うレセプタクル金具130の内側面部132−1、132−2にばね性を持たせると共に突起部135−1、135−2を設けている。一方、プラグコネクタ200をレセプタクルコネクタ100に嵌合接続した時に、内側面部132−1、132−2に対向するプラグ金具260の第2外側面部263−1、263−2には、レセプタクル金具130の突起部135−1、135−2と協働してプラグコネクタ200のガイド部の抜けを防止する突部263−1A、263−2Aを設けている。さらに、レセプタクル金具130における電源接続部については一対の外側面部133−1、133−2で実現し、プラグ金具260における電源接続部については一対の第1外側面部262−1、262−2で実現し、いずれもコネクタの長手方向に直角な方向の2つの位置で電源接続を行うようにしているので、プラグコネクタ200の斜め抜去に対する嵌合保持力を高めることができる。
【0053】
以上、本発明を、好ましい実施形態を参照して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、請求項に記載された本発明の精神や範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0054】
例えば、上記実施形態では、レセプタクル金具130側の内側面部132−1、132−2にばね性を持たせるようにしているが、内側面部132−1、132−2に対向するプラグ金具260側の第2外側面部263−1、263−2にばね性を持たせるようにしても良い。
【0055】
本発明のプラグコネクタ及びレセプタクルコネクタは、プリント基板のような基板又はFPC(フレキシブルプリンテッドサーキット)などの接続に使用される様々な電子機器において実装するコネクタとしての用途にも適用できる。
【符号の説明】
【0056】
100 レセプタクルコネクタ
101 嵌合間口部(被ガイド部)
110 レセプタクルハウジング(第2ハウジング)
111 底壁
112 突壁部
113 外周壁
114 側壁
115 端壁部
116 受入空間
120 レセプタクル端子(第2コンタクト)
130 レセプタクル金具(第2金属部材)
131 上面部
132−1、132−2 内側面部
133 端面部
133−1、133−2 外側面部
135−1、135−2 突起部
200 プラグコネクタ
240 プラグハウジング(第1ハウジング)
241 底壁
243 外周壁
244 側壁
245 端壁部(ガイド部)
246 受入空間
250 プラグ端子(第1コンタクト)
260 プラグ金具(第1金属部材)
261 上面部
262−1、262−2 第1外側面部(外側面部)
263−1、263−2 第2外側面部(外側面部)
263−1A、263−2A 突部
264 端面部

図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B