【課題】アッパケースの開放検出用の光センサを備えたセキュリティ機器において、光センサが不正に壊されることを回避し、光センサが外部光によって誤動作することを回避し、さらに光センサの取り付けを容易とする。
【解決手段】ロアケース3におけるロア側板部3b3の近傍に、第1及び第2の遮蔽板部11、12と、これらの間に位置する案内用板部13とを形成し、センサ用基板10の第1の張り出し板部10b及び第2の張り出し板部10cを係止する第1及び第2の係止爪部14、15を形成し、センサ用基板10を案内用板部13の一端部13bと第1及び第2の係止爪部14、15との間に挿入し係止することにより、光センサ9を、第1及び第2の遮蔽板部11、12間及び第1及び第2の係止爪部14、15の各係止突部14b、15b間に収容配置するようにした。
前記第1及び第2の遮蔽板部(11、12)における前記一方向(P1)側の端部が前記案内用板部(13)の前記一端部(13b)よりさらに前記一方向(P1)に突出し、この突出部分により前記第1及び第2の張り出し板部(10b、10c)の張り出し方向の動きを阻止する第1及び第2の動き止め部(11a、12a)を構成した請求項1記載のセキュリティ機器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、最近では、表示器が薄形で大型化しており、監視状況を映し出すことも容易となっている。このような大型の表示器をケースに搭載する場合、表示器の外周縁部がケースの周縁部近くまで到達する形態となるため、ケースにおける余白部分が当該ケースの周縁部近くのみとなってしまう。このため、前記光センサを設置する部分もロアケースの周縁部近くとなってしまう。すると、前記不正道具が光センサに届きやすくなって、アッパケースの不正開放が検出される前に当該光センサが壊されてしまうおそれがある。光センサが壊されると、光センサが開放検出信号を出力できなくなってしまう。このためアッパケースが不正に開放されてもこれを検出できなくなってしまい、警備会社などへの通報ができなくなってしまう。
【0007】
又、光センサがロアケースの周縁部(ロアケースとアッパケースとの接合部分)近くに位置することで、ホームコントローラを窓際等に設置した場合にケース外部からの強い光(太陽光)がケース内に入りやすくなってしまい、光センサが誤動作するおそれもある。さらに、上述したケースにおける余白部分が狭いため、光センサをねじ止めなどにより取り付ける場合、狭いところでの取付作業となるため、取付作業が面倒となる不具合もある。
【0008】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、アッパケースの開放検出用の光センサを備えたセキュリティ機器において、光センサが不正に壊されることを回避できると共に、光センサが外部光によって誤動作することを回避でき、さらに光センサの取り付けも容易となるセキュリティ機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明においては、ケース(2)の内部に表示器(8)を備えている。表示器(8)は前述したように大型化してきていることから、大型の表示器(8)を採用することを考慮すると、アッパケース開放検出用の光センサ(9)は、ロアケース(3)において開放側のロア側板部(3b3)の近くに設けられる。
このように光センサ(9)が、ロアケース(3)の開放側のロア側板部(3b3)の近くに設けられると、賊が不正道具を用いてロアケース(3)とアッパケース(4)との接合部でアッパケース(4)をこじ開けようとしたときに、不正道具が光センサ(9)に届きやすくなって当該光センサ(9)を壊してしまうおそれがある。
【0010】
この点、この請求項1の発明では、光センサ(9)の近くである前記開放側のロア側板部(3b3)及び開放側のアッパ側板部(4b3)の接合部から不正道具がケース(2)内部に進入し得たとしても、前記接合部に近い側の遮蔽板部(11)及び係止突部(14b)によって不正道具のそれ以上の光センサ(9)方向への進入を阻止でき、光センサ(9)が壊されることを回避できる。
【0011】
又、光センサ(9)が、ロアケース(3)の前記開放側のロア側板部(3b3)の近くに位置することで、セキュリティ機器を窓際等に設置した場合にケース(2)外部から太陽光などの外部光が光センサ(9)に入りやすくなることが懸念されるが、この請求項1の発明によれば、第1の遮蔽板部(11)、第2の遮蔽板部(12)、第1の係止突部(14b)、第2の係止突部(15b)により光センサ(9)に外部光が入ることを防止できる。従って、光センサ(9)の誤動作も防止できる。
【0012】
又、表示器(8)と前記開放側のロア側板部(3b3)との間が狭いことから光センサ(9)の取り付けも難しくなると予想される。
この点、請求項1の発明では、ガイド部(13a)を有する案内用板部(13)を形成したので、センサ用基板(10)を案内用板部(13)のガイド部(13a)に沿って案内用板部(13)の一端部(13b)方向へ移動させて、センサ用基板(10)を案内用板部(13)の一端部(13b)と第1及び第2の係止爪部(14、15)との間に挿入させれば、光センサ(9)及びセンサ用基板(10)を、第1及び第2の遮蔽板部(11、12)間、及び前記第1及び第2の係止爪部(14、15)の各係止突部(14b、15b)間に容易に収容配置できる。これと同時に、第1及び第2の張り出し板部(10b、10c)を各係止爪部(14、15)により係止し且つ案内用板部(13)の一端部と直状部(14a、15a)でセンサ用基板(10)を挟持でき、よって、光センサ(9)の取り付け固定も容易にできる。
【0013】
又、アッパケース(4)が回動支点を中心として開放された場合に当該アッパケース(4)の前記開放側のアッパ側板部(4b3)が先にロアケース(3)に対して離間(開放)する。そして被検出部(18)をアッパケース(4)の前記開放側のアッパ側板部(4b3)側に設け、光センサ(9)をロアケース(3)の前記開放側のロア側板部(3b3)側に設けているので、アッパケース(4)の開放角度が小さくても、当該アッパケース(4)の開放を直ちに検出することができる。
【0014】
又、請求項2の発明では、第1及び第2の遮蔽板部(11、12)における一方向(P1)側の端部が案内用板部(13)の一端部(13b)よりさらに一方向(P1)に突出し、この突出部分により第1及び第2の張り出し板部(10b、10c)の張り出し方向の動きを阻止する第1及び第2の動き止め部(11a、12a)を構成している。
【0015】
前記係止爪部(14、15)の係止力によってセンサ用基板(10)の第1及び第2の張り出し板部(10b、10c)の張り出し方向の動き止めも期待できるが、この請求項2の発明のように第1及び第2の動き止め部(11a、12a)を備えることで、第1及び第2の遮蔽板部(11、12)を利用して第1及び第2の張り出し板部(10b、10c)の張り出し方向の動き止めを確実にできる。
【0016】
又、請求項3では、前記アッパケース(4)の一つのアッパ側板部(4b1)は前記ロアケース(3)の一つのロア側板部(3b1)に係合手段(5)により回動可能に係合し、前記係合手段(5)は、前記一つのアッパ側板部(4b1)に形成した被係合部(5b)と、前記一つのロア側板部(3b1)に形成した係合部(5a)とから構成され、前記被係合部(5b)は前記係合部(5a)に対して側方から係脱可能に係合しロアケース(3)に対してアッパケース(4)が離反する方向には外れない構成であり、前記開放側のロア側板部(3b3)及び前記開放側のアッパ側板部(4b3)には前記ロアケース(3)に対する前記アッパケース(4)の閉塞状態をロックするロック手段(6)を備え、前記アッパケース(4)又はロアケース(3)には特定操作により前記ロック手段(6)のロックを解除するためのロック解除部(17a)を備えている。
【0017】
これによれば、アッパケース(4)が閉塞された状態では、当該アッパケース(4)はロアケース(3)に対して離反する方向には外れない。つまり、係合手段(5)部分ではアッパケース(4)がロアケース(3)に係合されていて当該アッパケース(4)を外せない。そこで、前記開放側のロア側板部(3b3)及び前記開放側のアッパ側板部(4b3)に前記ロアケース(3)に対する前記アッパケース(4)の閉塞状態をロックするロック手段(6)を備えることで、1つのロック手段(6)によりアッパケース(4)の全体的な閉塞をロックできる。
さらに、本請求項3の発明においては、特定操作によりロック手段(6)のロックを解除するためのロック解除部(17a)を備えることにより、ユーザーの特定操作により簡単にロックを解除でき且つ賊に対して簡単にロックを解除できないようにできる。
【0018】
ところが上述の構成においては、常習的な賊の場合、このロック解除部(17a)が存在する前記開放側のロア側板部(3b3)を狙って不正道具を差し込むことも懸念される。この場合、このロック解除部(17a)が存在する前記開放側のロア側板部(3b3)及び前記開放側のアッパ側板部(4b3)部分に上述の光センサ(9)も存在するため、この光センサ(9)が前記不正道具によって壊される確率も高くなることが予想される。しかし、この請求項5の発明では、光センサ(9)に対する破壊行為確率が高い場合でも、前述したように特に第1の遮蔽板部(11)と第1の係止爪部(14)の係止突部(14b)とにより光センサ9を有効に防御できる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について
図1〜
図11を参照して説明する。
図1には、例えばセキュリティシステムのホームコントローラなどに採用されるセキュリティ機器1を示している。セキュリティ機器1のケース2は、合成樹脂製のロアケース3とアッパケース4とを有して構成されている。なお、上記ケース2は建物などの垂直な壁面などに配設されるが、以下の構成説明においては、便宜上、ロアケース3が適宜の水平面に置かれていると仮定して説明する。
【0021】
ロアケース3は、矩形状をなすロア主板部3aと、当該ロア主板部3aの各辺縁部から相互に連続して立ち上がる4つのロア側板部3b1〜3b4を有する構成としている。なお、ロア側板部3b1を第1のロア側板部3b1と称し、ロア側板部3b2を第2のロア側板部3b2と称し、ロア側板部3b3を第3のロア側板部3b3と称し、ロア側板部3b4を第4のロア側板部3b4と称する。
【0022】
一つのロア側板部に相当する前記第1のロア側板部3b1には、係合手段5(
図2及び
図3参照)の係合部に相当する二つの係合孔部5a、5aが形成されている。前記第1のロア側板部3b1とは反対側である開放側のロア側板部に相当する第3のロア側板部3b3には、ロック手段6(
図2〜
図4参照)の一部を構成するロック片部6aを上方へ延出するように形成しており、このロック片部6aは、
図3に二点鎖線で示すように可撓変形可能である。このロック片部6aには係止孔部6bが形成されている。
【0023】
上記ロアケース3のロア主板部3a内面には、図示しないセキュリティ機能を実現するための電子部品(図示せず)を実装した制御基板7が配設されていると共に、この制御基板7に矩形状をなす表示器8が搭載されている。この表示器8は、例えば液晶ディスプレーから構成され、一面に表示面8aを有する。この表示器8は、平面的な大きさが大きく、外周縁部はロアケース3の各ロア側板部3b1〜3b4の近くまで到達する。このため、表示器8の外周縁部とロアケース3の各ロア側板部3b1〜3b4との間(余白部分)は比較的狭くなっている。
【0024】
図2に示すように、光センサ9は、前記ロアケース3において、表示器8と開放側の第3のロア側板部である第3のロア側板部3b3と間となる部位に、後述する係止手段16により取り付けられている。この光センサ9はアッパケース開放検出用である。この場合、表示器8の外周縁部と第3のロア側板部3b3との間が狭いことからこの光センサ9は第3のロア側板部3b3の近くに位置する。
【0025】
この光センサ9は光透過型であり、
図7及び
図8に示すように、橋架部9hの両端部に一対のほぼ平行なアーム部9a、9bを一方向に突出した形態をなす。前記アーム部9a、9bの内部にそれぞれ発光部及び受光部を備えており、このアーム部9a、9bの間が検出領域9Eとなっている。そして、この光センサ9の一面(アーム部9a、9b先端面と反対側の面)を基板取付面9iとしている。この基板取付面9iにはセンサ用基板10が取り付けられている。当該センサ用基板10と光センサ9とは一体物(センサユニット9A)とされている。
【0026】
前記センサ用基板10は、光センサ9より上下方向に長く形成されており、当該センサ用基板10の上部に光センサ9が位置する。つまり、センサ用基板10には、光センサ9より下方(ロア主板部3a方向)へ突出する突出部10aを有する。
【0027】
このセンサ用基板10の突出部10aの両端部は、光センサ9の両側部9a1、9b1より横方向に張り出していて、第1の張り出し板部10b及び第2の張り出し板部10cを構成している。
【0028】
前記光センサ9は後述より明らかとなるが表示器8と開放側の第3のロア側板部3b3との間に設けられる。
図5、
図6、
図9及び
図10において、第1の遮蔽板部11及び第2の遮蔽板部12は、ロアケース3のロア主板部3aの内面における開放側のロア側板部である第3のロア側板部3b3の近傍に、ロア主板部3aの内面から夫々アッパ主板部4a内面方向へ立ち上がるように形成されている。これら第1の遮蔽板部11及び第2の遮蔽板部12は、相互に平行で且つ第3のロア側板部3b3とも平行な形態に形成されている。
【0029】
さらにこれら第1の遮蔽板部11及び第2の遮蔽板部12は、
図6及び
図10に示すように、第3のロア側板部3b3と直交する方向(矢印M方向)に離間し相互離間距離m1(
図6及び
図10参照)が第1及び第2の張り出し板部10b、10cの外端間寸法m2(
図6及び
図8参照)とほぼ同等もしくは僅かに大きく設定されている。又、これら第1の遮蔽板部11及び第2の遮蔽板部12の高さ寸法h1は、前記センサ用基板10の突出部10aの高さ寸法h2(これは第1の張り出し板部10b及び第2の張り出し板部10cの高さでもある)とほぼ同等であり、第3のロア側板部3b3に沿う方向(
図6矢印P方向)の幅寸法w1は、光センサ9の側面の長さ及びセンサ用基板10の板厚を含めた長さ寸法w2とほぼ同等としている。
【0030】
案内用板部13は、ロアケース3のロア主板部3aの内面において第1の遮蔽板部11及び第2の遮蔽板部12の間に、ロア主板部3aの内面からアッパ主板部4a内面方向へ立ち上がるように形成されている。この案内用板部13は、第1の遮蔽板部11及び第2の遮蔽板部12と平行となる形態に形成され、立ち上がり方向の先端部をガイド部13aとしている。
【0031】
図9及び
図10に示すように、第1の係止爪部14は、直状部14aと係止突部14bとからなる。直状部14aは、ロアケース3のロア主板部3aの内面において案内用板部13の一端部13bから一方向である矢印P1方向にセンサ用基板10の板厚t1相当距離t1´離れた位置であって前記第1の遮蔽板部11の一端部の近傍の位置に、立ち上がり形成されている。係止突部14bは直状部14aの立ち上がり先端部に矢印P1方向とは逆方向に突出するように形成されている。この係止突部14bの下面において前記直状部14aとの連結部分はほぼ直角の面14cとなっている。又、前記係止突部14bの下面において上記面14cから先の部分は、ロア側板部3b3の内面に向く斜状面14c1となっている。直状部14aの高さ寸法h3(
図11(a)参照)は、前記第1及び第2の張り出し板部10b、10cの高さ寸法h2と同等である。そして、係止突部14bの直状部14aからの突出長さ寸法s1(上端部の突出長さ、
図9及び
図10参照)は前記センサ9の側面の長さ及びセンサ用基板10の板厚を含めた長さ寸法w2とほぼ同等としている。又、係止突部14bの基端部での高さ方向の長さ寸法s2(
図9参照)は光センサ9の高さ方向の長さ寸法s3(
図7参照)とほぼ同等としている。
【0032】
第2の係止爪部15は、第1の係止爪部14と同様の直状部15aと係止突部15bとからなる。直状部15aは、ロアケース3のロア主板部3aの内面において案内用板部13の一端部13bから一方向である矢印P1方向にセンサ用基板10の板厚t1相当距離t1´離れた位置であって前記第2の遮蔽板部12の一端側の位置に、立ち上がり形成されている。上記直状部15a及び係止突部15bは前記係止爪部14の直状部14a及び係止突部14bと同じ構成であり、係止突部15bの下面に直状部15aと直角をなす面15c1と斜状面15c1とを有する。
【0033】
前記第1及び第2の係止爪部14、15と前記案内用板部13の一端部13bとで係止手段16が構成されている。
なお、前記案内用板部13は、
図10に示すように、反矢印P1方向の端部(他端部)が前記第1及び第2の遮蔽板部11、12の他端部より反矢印P1方向に寸法d1突出している。
【0034】
又、前記第1の遮蔽板部11及び第2の遮蔽板部12における一方向である矢印P1方向側の端部が案内用板部13の一端部13bよりさらに矢印P1方向に突出し、この突出部分により前記第1及び第2の張り出し板部10b、10cの張り出し方向の動きを阻止する第1及び第2の動き止め部11a、12aを構成している。
【0035】
光センサ9をロアケース3に取り付ける場合について説明する。
図11(a)に二点鎖線で示すように、センサ用基板10を案内用板部13のガイド部13aに乗せる。この場合、第1及び第2の遮蔽板部11、12の他端部よりも案内用板部13の他端部が反矢印P1方向に突出しているからセンサ用基板10の突出部10aを案内用板部13のガイド部13a他端部に乗せやすい。そして、第1及び第2の張り出し板部10b、10cを、第1及び第2の遮蔽板部11、12間に位置合わせして、光センサ9をガイド部13aに沿って矢印P1方向(案内用板部13の一端部3b方向)へ移動させる。
【0036】
この移動により第1及び第2の張り出し板部10b、10cの上端部10b´、10c´が係止突部14b、15bの斜状面14c1、15c1に遭遇して当該斜状面14c1、15c1を押すことで第1及び第2の係止爪部14、15を可撓変形させる(
図11(b)参照)。この場合、第1及び第2の張り出し板部10b、10cの上端部10b´、10c´が係止突部14b、15bの斜状面14c1、15c1により下向きの力を受ける。
【0037】
さらに光センサ9を移動させると、下向きの力を受けている第1及び第2の張り出し板部10b、10cが、案内用板部13の一端部13bと第1及び第2の係止爪部14、15との間に自ずと挿入される。これによって、光センサ9及びセンサ用基板10を、第1及び第2の遮蔽板部11、12間、及び第1及び第2の係止爪部14、15の各係止突部14b、15b間に収容配置する。これと同時に、前記各係止爪部14、15の面14c、15c1により第1及び第2の張り出し板部10b、10cを高さ方向に動かないように係止し且つ案内用板部13の一端部13bと直状部14a、15aとによりセンサ用基板10を板厚方向に動かないように挟持し、もって光センサ9を第3のロア側板部3b3近くに取り付け固定している。
【0038】
この取付状態を示す
図5及び
図6において、センサ用基板10はロア主板部3aから立ち上がり形態に取り付けられ、光センサ9はロア主板部3aの内面から第1の張り出し板部10b及び第2の張り出し板部10cの高さ寸法h2相当浮いた形態に取り付けられる。又、前記寸法第1及び第2の張り出し板部10b、10cの高さ寸法h2と直状部14aの高さ寸法h3とがほぼ同等に設定され、さらに寸法係止突部14bの基端部の高さ方向の長さ寸法s2が光センサ9の高さ方向の長さ寸法s3とほぼ同等に設定されており、且つ寸法係止突部14bの直状部14aからの突出長さ寸法s1が光センサ9の側面の長さ及びセンサ用基板10の板厚を含めた長さ寸法w2とほぼ同等に設定されているから、係止突部14b、15bが光センサ9の両側面とほぼ同じ高さ位置で当該光センサ9の両側面を覆うようになる。又、第1の遮蔽板部11及び第2の遮蔽板部12の高さ寸法h1が直状部14aの高さ寸法h3とほぼ同等に設定され、遮蔽板部11、12の幅寸法w1が光センサ9の側面の長さ及びセンサ用基板10の板厚を含めた長さ寸法w2とほぼ同等に設定されているから、第1及び第2の遮蔽板部11、12が前記光センサ9の下方空間部を覆うようになる。
【0039】
一方、前記アッパケース4は、矩形状をなすアッパ主板部4aと、このアッパ主板部4aの各辺縁部から相互に連続して立ち上がる4つのアッパ側板部4b1〜4b4を有する。なお、アッパ側板部4b1を第1のアッパ側板部4b1と称し、アッパ側板部4b2を第2のアッパ側板部4b2と称し、アッパ側板部4b3を第3のアッパ側板部4b3、アッパ側板部4b4を第4のアッパ側板部4b4と称する。
【0040】
又、このアッパ主板部4aには、表示器用窓4cが設けられており、この表示器用窓4cには透明パネル4dが装着されている。なお、この透明パネル4dは無くても良い。
前記第1のアッパ側板部4b1には、前記係合孔部5a、5aとで、前記係合手段5を構成する被係合部としての係合突起部5b、5bが形成されている。この係合突起部5b、5bは前記係合孔部5a、5aに横方向(側方)から挿入係合可能であり、挿入係合されると上下方向(アッパケース4がロアケース3と離反する方向)には外れない形態に係合される。
又、前記第3のアッパ側板部4b3の内面には、
図2〜
図4に示すように、前記ロック片部6a及び係止孔部6bとでロック手段6を構成する係止爪部6cが形成されている。前記係止爪部6cは前記係止孔部6bに挿入されて係止される。
【0041】
さらに、
図2に示すように、アッパケース4のアッパ主板部4aにおいて前記光センサ9の検出領域9Eに対応する部分には、ロアケース3に対するアッパケース4の閉塞状態で光センサ9の検出領域9Eに進入する板状の被検出部18が形成されている。
又、前記第3のアッパ側板部4b3においてロック片部6aの上部と対応する部分には、ロック解除部としてのロック解除用孔部17aが形成されている。又、この実施形態では、このロック解除用孔部17aに差し込むための解除器具17bを備えている。
【0042】
上記アッパケース4をロアケース3に取り付ける場合には、係止突起部5b、5bを、ロアケース3の前記係止孔部5a、5aに側方(
図3の矢印B方向)から挿入係合し、この係合部分を回動支点としてアッパケース4を回動させてロアケース3に被せる(ロアケース3を閉塞する)。すると係止爪部6cがロック片部6aを
図3の二点鎖線のように変形させ、そしてロック片部6aが係止孔部6bに遭遇したところでロック片部aが変形状態から復帰して係止爪部6cが係止孔部6bに係止される。この係止によりロアケース3に対するアッパケース4の閉塞状態をロックする。この閉塞状態のケース2において、ロアケース3の各のロア側板部3b1〜3b4に対してアッパケース4のアッパ側板部4b1〜4b4が板厚方向で接合された形態となる。
【0043】
前記アッパケース4をロアケース3に対して開放する場合には、ロック解除用孔部17aに対して専用の解除器具17bを挿入するといった特定操作をしてロック片部6aを
図3の二点鎖線に示すように変形させ、つまり係止孔部6bを係止爪部6cから外して係合を解除し、この状態で、アッパケース4の第3のロア側板部3b3部分を二点鎖線で示すように開放させる。この後、二点鎖線状態のアッパケース4を
図3の反矢印B方向へ動かすことで、係合突起部5bを係合孔部5aから外せば、アッパケース4をロアケース3から分離できる。
【0044】
又、上記アッパケース4の閉塞時に前記被検出部18が検出領域9E内に進入する。又、前記表示器8の表示面8aが前記アッパケース4の表示用窓部4cから外部に目視可能となっている。
【0045】
なお、アッパケース4が第1のアッパ側板部4b1側の係合手段5を中心として開放された場合に当該アッパケース4の第3のアッパ側板部4b3が先にロアケース3に対して離間(開放)する。この場合、被検出部18をアッパケース4の第3のアッパ側板部4b3側に設け、光センサ9をロアケース3の第3のロア側板部3b3側に設けているので、アッパケース4の開放角度が小さくても、当該アッパケース4の開放を直ちに検出することができる。
【0046】
上述した実施形態においては、大型の表示器8を採用している。このような大型の表示器8を採用する場合、ロアケース3において表示器8と第3のロア側板部3b3との間の余白部分がどうしても狭くなる。このような事情下では、アッパケース開放検出用の光センサ9は、ロアケース3において上記狭い余白部分に設けられることになる。
【0047】
光センサ9は、上記余白部分のうちでも、アッパケース4が第1のアッパ側板部4b1側を回動支点として開閉される場合、早くにアッパケース4の開放を検出できる第3のロア側板部3b3側に設けられることになる。この場合、上記余白部分が狭いことから光センサ8は当然当該ロア側板部3bの近くとなる。
【0048】
このように光センサ9が、ロアケース3の第3のロア側板部3b3の近くに設けられると、賊が不正道具を用いてロアケース3とアッパケース4との接合部でアッパケース4をこじ開けるようとしたときに、不正道具が光センサ9に届きやすくなって当該光センサ9を壊してしまうおそれがある。
【0049】
この点、本実施形態では、光センサ9の近くである第3のロア側板部3b3(開放側のロア側板部)及び開放側のアッパ側板部4b3の接合部から不正道具がケース2内部に進入し得たとしても、、第3のロア側板部3b3に近い側の係止突部14bによって不正道具が光センサ9の側面を覆っているから当該不正道具の光センサ9方向への進入を阻止できる。又、この光センサ9の下方空間部は第1の遮蔽板部11により覆っているから、不正道具が上記下方空間部から斜め上の光センサ9方向へ進入することも阻止できる。この結果、光センサ9が壊されることを回避できる。
【0050】
なお、この場合、上記遮蔽板部11と係止突部14bとの間に、
図9及び
図11(c)に示すように、僅かに隙間Gがあるが、実際には光センサ9自体がかなり小さいことから、これに比例してこの隙間Gも小さく、上記遮蔽板部11と係止突部14bとを合わせた防御領域の1/4程度である。又、実際に予想される不正道具(ドライバなど)の大きさ(太さ)に比べてもかなり小さい。この結果、遮蔽板部11及び係止突部14bは、実質的に不正道具の進入を有効に防止できる。
【0051】
又、光センサ9が、ロアケース3の第3のロア側板部3b3の近くに位置することで、セキュリティ機器を窓際等に設置した場合にケース2外部から太陽光などの外部光が光センサ9に入りやすくなることが懸念されるが、この実施形態によれば、第1の遮蔽板部11及び係止突部14bと、第2の遮蔽板部12及び係止突部15bとの間に光センサ9を収容配置したので、これら遮蔽板部11、12、係止突部14b、15bにより、第1の光センサ9に外部光が入ることを極力防止できる。特には、第3のロア側板部3b3に近い第1の遮蔽板部11及び係止突部14bが外部光遮断に有効であるが、第2の遮蔽板部12及び係止突部15bによっても他からの外部光を有効に遮断できる。この結果、光センサ9の誤動作も防止できる。
【0052】
又、表示器8と第3のロア側板部3b3との間が狭いことから光センサ9の取り付けも難しくなると予想される。
この点、この実施形態では、ガイド部13aを有する案内用板部13を形成したので、センサ用基板10を案内用板部13のガイド部13aに沿って案内用板部13の一端部13b方向へ移動させて、センサ用基板10を案内用板部13の一端部13bと第1及び第2の係止爪部14、15との間に挿入させれば、光センサ9及びセンサ用基板10を、第1及び第2の遮蔽板部11、12間及び第1及び第2の係止爪部14、15の各係止突部14b、15b間に容易に収容配置できる。これと同時に、第1及び第2の張り出し板部10b、10cを各係止爪部14、15により係止できると共に、案内用板部13の一端部13bと直状部14a、15aでセンサ用基板10を挟持でき、よって、光センサ9の取り付け固定も容易にできる。
【0053】
又、本実施形態においては、光センサ9をロアケース3のロア主板部3aから浮く(離間する)形態に取り付けるので、光センサ9をアッパケース4のアッパ主板部4aに近づけることができる。この結果、光センサ9がロア主板部3a近くに配設される場合に比して、被検出部18の突出長さを短くできる。つまり、被検出部18をアッパ側板部4b1〜4b4より短くすること(突出しないようにすること)が可能となる。そうすると、保守点検時において、アッパケース4が外されて適宜の置き台に置かれたとしても当該被検出部18が置き台などに当たることがなく、被検出部18の損傷を防止できる。特に被検出部18は光センサ9の狭い検出領域9Eに入ることから薄板状であるため破損し易いから、上記構成は有利である。
【0054】
又、この実施形態においては、アッパケース4が回動支点を中心として開放された場合に当該アッパケース4の第3のアッパ側板部4b3が先にロアケース3に対して離間(開放)する。そして被検出部18をアッパケース4の前記開放側のアッパ側板部4b3側に設け、光センサ9をロアケース3の第3のロア側板部3b3側に設けているので、アッパケース4の開放角度が小さくても、当該アッパケース4の開放を直ちに検出することができる。
【0055】
又、この実施形態では、第1及び第2の遮蔽板部11、12における一方向側の端部が案内用板部13の一端部13bよりさらに一方向に突出し、この突出部分により第1及び第2の張り出し板部10b、10cの張り出し方向の動きを阻止する第1及び第2の動き止め部11a、12aを構成している。
【0056】
前記係止爪部14、15の係止力によってセンサ用基板10の第1及び第2の張り出し板部10b、10cの張り出し方向の動き止めも期待できるが、この実施形態のように第1及び第2の遮蔽板部11、12が第1及び第2の動き止め部11a、12aを備えることで、第1及び第2の遮蔽板部11、12を利用して、第1及び第2の張り出し板部10b、10cの張り出し方向の動き止めを確実にできる。
【0057】
又、本実施形態においては、係合手段5を、第1のアッパ側板部4b1に形成した係合突起部5b、5bと、第1のロア側板部3b1に形成した係合孔部5a、5aとから構成し、前記係合突起部5b、5bを前記係合孔部5aに対して側方から係脱可能に係合しロアケース3に対してアッパケース4が離反する方向には外れない構成とし、第3のロア側板部3b3及び第3のアッパ側板部4b3にはロアケース3に対するアッパケース4の閉塞状態をロックするロック手段6を備え、アッパケース4又はロアケース3には特定操作によりロック手段6のロックを解除するためのロック解除用孔部17aを備えている。
【0058】
これによれば、アッパケース4が閉塞された状態では、当該アッパケース4はロアケース3に対して離反しない。つまり、係合手段5部分ではアッパケース4がロアケース3に係合されていて当該アッパケース4を外せない。そこで、第3のロア側板部3b3及び第3のアッパ側板部4b3に、ロアケース3に対するアッパケース4の閉塞状態をロックするロック手段6を備えることで、1つのロック手段6によりアッパケース4の全体的な閉塞をロックできる。
【0059】
さらに、この実施形態では、特定操作によりロック手段6のロックを解除するためのロック解除部であるロック解除用孔部17aを備えることにより、ユーザーの特定操作により簡単にロックを解除でき且つ賊に対して簡単にロックを解除できないようにできる。
【0060】
ところが上述の構成とすると、賊がわざわざこのロック解除用孔部17aがある第3のロア側板部3b3を狙って不正道具を差し込むことも懸念される。この場合、このロック解除用孔部17aが存在する第3のロア側板部3b3及び第3のアッパ側板部4b3の近くに上述の光センサ9も存在するため、この光センサ9が前記不正道具によって壊される確率も高くなることが予想される。しかし、この実施形態では、光センサ9に対する破壊行為確率が高い場合でも、前述したように特に第1の遮蔽板部11及び係止突部14bにより光センサ9を有効に防御できる。
なお、光センサ9は、開放側のロア側板部3b3の近くに設けられれば良く、第2のロア側板部3b2部分又は第4のロア側板部3b4部分においてロア側板部3b3の近くであっても良い。
【0061】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変更は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。