【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様から見ると、本発明は、N個の信号入力の選択された1つと信号出力との間にデータのための通信経路を提供するために、相互接続回路を提供し(但し、Nは2以上の整数である)、該相互接続回路は、
該N個の信号入力の1つを選択された信号入力として選択信号に従って選択し、該選択された信号入力を所与のデータを送信する該信号出力に接続するように構成されたマルチプレクサ回路と、
送信するデータをそれぞれが有する複数の該N個の信号入力間の単一サイクル内で調停を実行するように、該選択信号を発生するように構成された調停回路とを含み、
該調停は、
(i)該複数の該N個の信号入力のそれぞれに関連付けられた第1の調停パラメータのそれぞれの値と、
(ii)2つ以上の該複数の該N個の信号入力が、該第1の調停パラメータの共通値を有する際に、該2つ以上の複数の該N個の信号入力のそれぞれに関連付けられた第2の調停パラメータであって、該第2の調停パラメータは、該2つ以上の該複数の該N個の信号入力のそれぞれに対して異なる値を有する、第2の調停パラメータとに従って実行される。
【0005】
この技法は、第1の調停パラメータおよび第2の調停パラメータに基づいて調停を実行する。2つ以上の信号入力が、第1の調停パラメータに対する共通値を有するときは、次いで第2の調停パラメータを使用して、2つ以上の信号入力がそれらの第1の調停パラメータに結びつく、2つ以上の信号入力の少なくともそれぞれに対して異なる値を有するように、第2の調停パラメータが配置されるので、そうでなければ同じ優先順位を有する信号入力間を解決する。一部の実施形態では、第2の調停パラメータは、第1の調停パラメータといかなる結びつきが生じるかどうかに関わらず、それぞれの信号入力に対して独自の値を有するように配置されてもよい。
【0006】
複数の信号入力は、それぞれのデータソース回路に接続されてもよく、信号出力は、データ宛先回路に結合されてもよい。データソース回路および宛先回路は、単一集積回路上の相互接続回路と共に形成されてもよい。集積回路内のイントラ回路通信は、集積回路がそれらの設計の精度、および集積回路内に提供された異なる機能ブロック(例えば、システムオンチップ集積回路内)の数が増加するので、重要な処理ボトルネックである。
【0007】
この技法は、単一信号出力のみが存在する状況に使用されてもよいことが理解されるが、この技法は、複数の信号出力が存在する実施形態に良好に適し、信号出力のそれぞれへのアクセスは、その独自の調停優先度(その独自の調停優先度が異なる信号出力間で同じであろうとなかろうと)に従って個別に調停される。入力数は、対称配置を提供する出力数と同じであってもよいが、入力数が出力数と異なる場合に、他の配置が可能である。
【0008】
第1の調停パラメータは、対応する入力から送信されたデータに関連付けられた、サービスレベルの質を表す値を有するように配置されてもよい。このような方法で、第1の調停パラメータを使用する調停は、それぞれの信号入力に関連付けられたサービスレベルの所望の質に一致する手法で、信号出力にアクセスを提供するように配置されてもよい。
【0009】
様々な異なる形の第1の調停パラメータが可能であり、例えば、所与の入力を一定期間中に送信できたデータのパケット数に基づいて、第1の調停パラメータを形成することが可能であるはずである。サービスレベルの質を表す一方で、異なる信号入力間で信号出力へのアクセスを適正に割り当てる調停を提供するために使用され得る、第1の調停パラメータの1つの形は、第1の調停パラメータがタイムスタンプ値であり、選択された信号入力に対するタイムスタンプ値は、その選択された信号入力がデータを送信するときに更新されるものである。各信号入力がデータを送信するときに、タイムスタンプを各信号入力に関連付けることは、複数の信号入力間で信号出力へのアクセスを適正に分割するのに役立つ方法として使用されてもよい。タイムスタンプは、データが送信されたとき、または該当する信号入力が次にデータを送信できると予測されるときを、信号出力に関連付けられた帯域幅のその適正割当に従って示す。
【0010】
選択された信号入力に関連付けられたサービスレベルの質に従って変化する、時間増分値によりタイムスタンプ値を更新することは、異なる信号入力間で信号出力の利用可能な帯域幅を分割する方法である。増分したタイムスタンプ値は、所与の信号入力が次に信号出力にアクセスするとかなり予測できるときに表すことができる。高い優先度の信号入力は、信号出力にアクセスできるために比較的迅速に再認定するように、適用された小さい時間増分を有するはずである。反対に、低い優先度の信号入力は、比較的長期間が過ぎてから信号出力へのアクセスが認定されるように、適用された比較的大きい時間増分を有することになる。信号出力へのアクセスに対する競合が存在しないときは、送信するデータを有する信号入力のいずれかが、信号出力の関連付けられたタイムスタンプ値に関係なく、信号出力へのアクセスを許可されてもよい。
【0011】
調停回路は、送信するデータを有し、信号出力へのアクセスに競合する信号入力に関連付けられたタイムスタンプ値を比較するように構成されてもよい。調停回路は、送信するデータを有する1つまたは複数の他の複数の信号入力より高いタイムスタンプ値を有する、送信するデータを有する複数の入力のいずれかを、選択された信号入力として選択の可能性から除去することができる。したがって、単一の信号入力がより低いタイムスタンプ値を有する場合は、すべてのその他の信号入力は除去されることになる。タイムスタンプはアクセスの履歴を反映する。低いタイムスタンプ値は、関連付けられた信号入力が、その他の信号入力に対して、信号出力へのアクセスの信号入力の公平な共有を受領していないことを示す。2つ以上の信号入力がより低いタイムスタンプ値を共有する場合、すべての他の残りの信号入力は除去されることになる。
【0012】
タイムスタンプ値の保管および操作ならびにタイムスタンプ値の最終的なオーバーフローに関連付けられたサイズ制限に対処するために、調停回路は、信号入力の1つに関連付けられた少なくとも1つのタイムスタンプ値が閾値に達したときに、すべてのタイムスタンプ値を2で除する(1ビット位置だけ右シフトされる)ように構成されてもよい。このような手法は、記憶されるタイムスタンプ値間の識別において一部の解決策を失うが、失ったレゾリューションのレベルを超えるタイムスタンプ値の粗いレベルの相対的な順番が維持される。
【0013】
信号入力のそれぞれに関連付けられた第2の調停パラメータは、第2の調停パラメータ値が、共通の第1の調停パラメータ値を共有し得る、少なくともそれらの信号入力によって異なる、様々な異なる形を有することができる。公平性を提供し、どの信号入力を選択するべきかを決定する解決策を保証する第2の調停パラメータのそのような1つの形は、第2の調停パラメータが、信号入力が選択された信号入力として役立つように以前に選択された相対的な順番を表すものである。例えば、第2の調停パラメータは、最高の優先度の第2の調停パラメータを有する信号出力にアクセスを以前許可されて以来、最も長い期間を有する信号をもつ、最長時間未許可(LRG)のパラメータの形で相対的な順番を表してもよい。また第2の調停パラメータの他の形を使用してもよく、例えば、第2の調停パラメータが、静的優先度、ラウンドロビンアルゴリズムなどに基づいて割り当てられてもよい。
【0014】
第1の調停パラメータおよび第2の調停パラメータは、少なくとも論理的に組み合わせた調停パラメータを形成するために連結されてもよく、第2の調停パラメータは組み合わせた調停パラメータの最下位ビット位置を制御する。2つの調停パラメータをこの方法で連結することにより、それらの比較を単純化し加速する一方で、それらの相対的重要性、すなわち、それによって2つの調停パラメータが特定の信号入力の選択を選択された信号入力として制御する作用をする階層を維持する。
【0015】
組み合わせた調停パラメータの比較は、調停回路が、論理的に組み合わせた調停パラメータを温度計コード化(thermometer coding)して温度計コード化された調停パラメータを生成する働きをする、温度計コード化回路を含む際に加速されてもよい。温度計コード化された調停パラメータは、最高の優先度のこのような温度計コード化された調停パラメータを単一サイクル内で同定し得る手法で、互いに並列比較するのに非常に適している。組み合わせた調停パラメータの異なる部分は、実際には異なる構造内に記憶されてもよいが、すべての温度計コード化を提供するために共に作用する。
【0016】
温度計コード化された調停パラメータ間の比較を実行するために使用される比較回路は、複数の信号線を備えてもよく、それぞれはこれらの信号線で決定された信号レベルにプリチャージされ、次いでそれぞれは温度計コード化された調停パラメータに従って選択的に放電される。
【0017】
放電するように選択された複数の信号線は、なされる選択の間にN個の信号入力が存在する場合は、それぞれが第1の調停パラメータの異なる値に関連付けられた信号線の2
X群であるように、群に分割されてもよい(但し、Xは第1の調停パラメータのビット長であり、その際これは温度計コード化されている)。比較回路は、N個の信号入力のいずれかが、その所与の群に関連付けられた第1の調停パラメータより高い優先度を示す、第1の調停パラメータを有する場合は、所与の群の信号線内のすべての信号線を放電するように構成されてもよい。したがって、より高い優先度の信号入力は、実行することが望まれる優先順位の比較を表す手法で、より低い優先度の信号入力に関連付けられた信号線を放電することになる。
【0018】
信号線の各群は、第2の調停パラメータの異なるそれぞれの独自の値に対応する、信号線のそれぞれの群内に異なる信号線をもつN個の信号線を含んでもよい。比較回路は、N個の信号入力に関連付けられた第2の調停パラメータに従って、閾値群、すなわち、最高の優先度の第1の調停パラメータに関連付けられた群内の異なる信号線を放電するように構成されてもよく、その結果、閾値群内の単一の信号線は充電されたままであり、それによってN個の信号入力のどれが選択された信号出力として選択されるべきかを識別する。したがって、第1の調停パラメータは、総じて第1の調停パラメータのより低い優先度値に対応する、群の放電を制御するようにみなされてもよく、2つ以上の信号が第1の調停パラメータの値を共有する場合、単一の信号入力がその第2の調停パラメータに従って選択され得るように、閾値群内の放電は、第2の調停パラメータに従って実行される。
【0019】
上述の調停を提供するために使用される信号線は、信号入力と調停が一旦、解決された信号出力との間でデータ通信もするために好都合に再使用されてもよい。
【0020】
別の態様から見ると、本発明は、N個の信号入力の選択された1つと信号出力との間にデータのための通信経路を提供するために、相互接続回路を提供し(但し、Nは2以上の整数である)、該相互接続回路は、
該N個の信号入力の1つを選択された信号入力として選択信号に従って選択し、該選択された信号入力を所与のデータを送信する該信号出力に接続するためのマルチプレクサ手段と、
送信するデータをそれぞれが有する複数の該N個の信号入力間の単一サイクル内で調停を実行するように、該選択信号を発生するための調停手段とを含み、
該調停は、
(i)該複数の該N個の信号入力のそれぞれに関連付けられた第1の調停パラメータのそれぞれの値と、
(ii)2つ以上の該複数の該N個の信号入力が、該第1の調停パラメータの共通値を有する際に、該2つ以上の複数の該N個の信号入力のそれぞれに関連付けられた第2の調停パラメータであって、該第2の調停パラメータは、該2つ以上の該複数の該N個の信号入力のそれぞれに対して異なる値を有する、第2の調停パラメータとに従って実行される。
【0021】
別の態様から見ると、本発明は、N個の信号入力の選択された1つと信号出力との間にデータのための通信経路を提供するための方法を提供し(但し、Nは2以上の整数である)、該方法は、
該N個の信号入力の1つを選択された信号入力として選択信号に従って選択し、該選択された信号入力を所与のデータを送信する該信号出力に接続するステップと、
送信するデータをそれぞれが有する複数の該N個の信号入力の間の単一サイクルにおいて調停を実行するように、該選択信号を発生するステップとを含み、
該調停は、
(i)該複数の該N個の信号入力のそれぞれに関連付けられた第1の調停パラメータのそれぞれの値と、
(ii)2つ以上の該複数の該N個の信号入力が、該第1の調停パラメータの共通値を有する際に、該2つ以上の複数の該N個の信号入力のそれぞれに関連付けられた第2の調停パラメータであって、該第2の調停パラメータは、該2つ以上の該複数の該N個の信号入力のそれぞれに対して異なる値を有する、第2の調停パラメータとに従って実行される。
【0022】
本発明の前述および他の目的、特徴、ならびに利点は、添付の図面とともに読んで、以下に詳細に記載されている例示的実施形態から明らかになろう。