(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-185625(P2015-185625A)
(43)【公開日】2015年10月22日
(54)【発明の名称】電気機器
(51)【国際特許分類】
H05K 7/12 20060101AFI20150925BHJP
H05K 1/18 20060101ALI20150925BHJP
H05K 7/14 20060101ALI20150925BHJP
【FI】
H05K7/12 P
H05K1/18 D
H05K7/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-59411(P2014-59411)
(22)【出願日】2014年3月24日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095669
【弁理士】
【氏名又は名称】上野 登
(72)【発明者】
【氏名】角田 達哉
【テーマコード(参考)】
4E353
5E336
5E348
【Fターム(参考)】
4E353AA01
4E353AA24
4E353BB02
4E353BB05
4E353CC08
4E353CC11
4E353CC32
4E353DD05
4E353DR13
4E353DR24
4E353DR36
4E353DR42
4E353GG09
4E353GG13
5E336AA01
5E336CC53
5E336DD22
5E336DD26
5E336EE01
5E336EE15
5E336GG14
5E348AA03
5E348AA10
5E348AA11
(57)【要約】
【課題】基板と電子部品の接続部分にかかる応力を低減することができる簡易な構造の電気機器を提供すること。
【解決手段】基板10と、基板10に実装された電子部品20と、電子部品20が実装された基板10を収容するケース30と、を備え、ケース30には、電子部品20を支持する支持部323が設けられている電気機器1とする。ケース30が本体部31および本体部31の開口311を覆う蓋部32を有するものである場合には、蓋部32に支持部323が設けられているとよい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に実装された電子部品と、
前記電子部品が実装された前記基板を収容するケースと、
を備え、
前記ケースには、前記電子部品を支持する支持部が設けられていることを特徴とする電気機器。
【請求項2】
前記ケースは、前記基板が収容される空間が形成された本体部および当該本体部の開口を覆う蓋部を有し、
前記支持部は、前記蓋部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電気機器。
【請求項3】
前記電子部品は、所定の方向に沿うように配置された端子部を有し、
前記支持部は、前記所定の方向と交差する方向から前記電子部品を挟むように設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気機器。
【請求項4】
前記支持部は、前記電子部品の所定部位の幅方向外側および上側に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電気機器。
【請求項5】
前記支持部は、前記基板と前記電子部品の接続部分に相対的に遠い個所を支持する第一支持部、および相対的に近い個所を支持する第二支持部を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電気機器。
【請求項6】
前記電子部品は、素子部およびこの素子部を支持する台座部を有し、
前記素子部は前記第一支持部に支持され、前記台座部は前記第二支持部に支持されていることを特徴とする請求項5に記載の電気機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品が実装された基板を備える電気機器に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載される電解コンデンサのように、背の高い電子部品が基板に実装されると、当該電子部品と基板(ランド)の接続部分にかかる応力が大きい。特に、振動環境下に設置される場合には、電子部品の端子部が破断しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−27887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記問題を解決するために、電子部品と基板の接続箇所を増やす、電子部品実装後にシリコン等の絶縁材料で接続部分を覆う、といった対策が考えられるが、製造コストが増加してしまう。
【0005】
本発明は、基板と電子部品の接続部分にかかる応力を低減することができる簡易な構造の電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明にかかる電気機器は、基板と、前記基板に実装された電子部品と、前記電子部品が実装された前記基板を収容するケースと、を備え、前記ケースには、前記電子部品を支持する支持部が設けられていることを特徴とする。
【0007】
前記ケースは、前記基板が収容される空間が形成された本体部および当該本体部の開口を覆う蓋部を有し、前記支持部は、前記蓋部に設けられているとよい。
【0008】
前記電子部品は、所定の方向に沿うように配置された端子部を有し、前記支持部は、前記所定の方向と交差する方向から前記電子部品を挟むように設けられているとよい。
【0009】
前記支持部は、前記電子部品の所定部位の幅方向外側および上側に位置するように設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電気機器。
【0010】
前記支持部は、前記基板と前記電子部品の接続部分に相対的に遠い個所を支持する第一支持部、および相対的に近い個所を支持する第二支持部を含んでいるとよい。
【0011】
前記電子部品は、素子部およびこの素子部を支持する台座部を有し、前記本体部および前記台座部の両方が前記支持部に支持されているとよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明にかかる電気機器は、ケースに設けられた支持部によって電子部品が支持される構造であるため、基板と電子部品の接続部分に生ずる応力を低減することができる。
【0013】
ケースが本体部と蓋部を有し、支持部が蓋部に設けられた構造とすれば、蓋部を本体部に取り付けるときに支持部に押される等して電子部品の端子部が変形してしまうといった事態が発生しにくい。
【0014】
電子部品の端子部がある方向に沿って設けられている場合、その方向に交差する方向に電子部品が揺れるときに当該端子部が破損しやすい。そのため、支持部は、当該方向と交差する方向から電子部品を挟むように設けられているとよい。
【0015】
支持部が電子部品の所定部位における幅方向外側および上側に位置するように設けられていれば、電子部品の幅方向の動きおよび電子部品の上下方向の動きの両方を規制することができる。
【0016】
基板と電子部品の接続部分に遠い個所とそれよりも近い個所の二箇所が支持された構造とすれば、基板と電子部品の接続部分に生ずる応力をさらに低減することができる。電子部品が素子部および台座部を有するものであれば、素子部と台座部の両方が支持部に支持された構造とすることで、基板と電子部品の接続部分に生ずる応力をさらに低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる電気機器の分解斜視図である。
【
図2】電子部品が支持部に支持されている状態(ケース内の状態)を示した図である。
【
図3】電子部品が支持部に支持されている状態を示した平面図である。
【
図4】電子部品が支持部に支持されている状態を模式的に示した図(前後方向から見た図)である。
【
図5】本体部に支持部が設けられた電気機器を示した図である。
【
図6】(a)は第一変形例にかかる支持部を模式的に示した図であり、(b)は第二変形例にかかる支持部を模式的に示した図である。
【
図7】(a)は第三変形例にかかる支持部を模式的に示した図であり、(b)は第四変形例にかかる支持部を模式的に示した図である。
【
図8】(a)は第五変形例にかかる支持部を模式的に示した図であり、(b)は第六変形例にかかる支持部を模式的に示した図である。
【
図9】(a)は第七変形例にかかる支持部を模式的に示した図であり、(b)は第八変形例にかかる支持部を模式的に示した図である。
【
図10】(a)は第九変形例にかかる支持部を模式的に示した図であり、(b)は第十変形例にかかる支持部を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、特に明示した場合を除き、以下の説明における前後方向とは
図1に示したX方向(本体部31の開口311が形成された側を前、反対側を後とする)をいい、幅方向とは
図1に示したY方向をいい、上下方向(高さ方向)とは
図1に示したZ方向をいうものとする。
【0019】
図1および
図2に示す本発明の一実施形態にかかる電気機器1は、基板10、電子部品20およびケース30を備える。本実施形態にかかる電気機器1は、車両に搭載される機器(車両用電気機器)である。基板10は、基材が硬質材料で形成されたいわゆるリジッド基板である。この基板10に電子部品20が搭載されている。本実施形態における当該電子部品20は、背の高い電子部品20(例えば、電解コンデンサ)である。このような背の高い電子部品20が搭載されている点を除いては、基板10に構築された回路等はどのようなものであってもよいため、説明を省略する。
【0020】
電子部品20は、素子部21、台座部22および端子部23を有する(
図3、
図4等参照)。素子部21は当該部品の本質的な機能をもたらす本体部分である。台座部22は、素子部21が設置される板状の部材である。端子部23は、素子部21から延びる導電性材料で形成された部分である。端子部23は、その基端側(素子部21側)の一部が台座部22に支持された(圧入された)状態にある。本実施形態における電子部品20は、二つの端子部23を有する。電子部品20は、当該二つの端子部23が前後方向に沿うように基板10に実装されている(
図3参照)。
【0021】
本実施形態では、二つの電子部品20が前後方向に沿うように並べられている。このように複数の電子部品20(支持部323に支持される対象となる電子部品20)が搭載される場合、電子部品20は前後方向(ケース30(本体部31)に対する基板10の挿入方向)に沿うように並べて配置するとよい。
【0022】
ケース30は、本体部31および蓋部32を有する。本体部31は、一方側に開口311が形成され、他方側が封鎖された(他方側に底壁31aが形成された)箱型の部分である。本体部31の内側の空間が、基板10が収容される収容空間となっている。本実施形態における本体部31の平面形状は、基板10の平面形状と略同じ(矩形状)である。本体部31の幅方向両側壁31bの内面には、開口311から挿入される基板10をガイドする誘導部312が形成されている。本体部31の外面には、後述する引掛片322が引っ掛けられる引掛突起313が設けられている。本実施形態では、本体部31の幅方向両側壁31bの外側に当該引掛突起313が設けられている。引掛突起313は、後方に向かってその突出高さが大きくなるような傾斜面を有する。
【0023】
蓋部32は、本体部31の開口311を覆う部材である。蓋部32は、開口311を塞ぐ被覆部分321と、その被覆部分321の幅方向両側から前方に向かって延びる引掛片322を有する。引掛片322には、貫通孔が形成されており、当該貫通孔に上記引掛突起313が嵌まり込むことによって蓋部32が本体部31に取り付けられる。
【0024】
本実施形態における蓋部32には、支持部323が設けられている。支持部323は、被覆部分321の後面から後方に向かって突出する二つの突起である。両突起の間隔は、前記部品の素子部21の間隔と略同じである。本実施形態では、両突起の内側に、前後方向に並べられた二つの電子素子の素子部21が入り込むことができる領域(幅)が形成される。支持部323は、後方に向かって開口した領域を構築する部分であるともいえる。
【0025】
このような構成を有するケース30に対し、基板10は次のようにして収容される。まず、基板10を本体部31の開口311から挿入する。具体的には、基板10の幅方向両側が誘導部312に支持されるように挿入する。そのまま基板10を押し込めば、誘導部312に誘導されつつ基板10が本体部31内に入り込んでいく。
【0026】
基板10を本体部31の奥まで挿入した(空間内に位置させた)後、本体部31に蓋部32を取り付ける。つまり、蓋部32の引掛片322に形成された貫通孔に、本体部31の引掛突起313を嵌め込む。引掛突起313には上述したような傾斜面が形成されているから、本体部31の開口311を覆うように当該本体部31に対して蓋部32を押し付ければ、引掛片322が弾性変形する。引掛片322が引掛突起313を乗り越えれば、引掛片322がもとの状態に戻り、引掛突起313に引っ掛けられた状態となる。つまり、蓋部32の被覆部分321が本体部31の開口311を覆った状態となる。
【0027】
上述したように、蓋部32には支持部323が設けられている。支持部323は、蓋部32が本体部31に取り付けられたとき、その二つの突起の間に電子部品20が入り込む位置に形成されている。したがって、蓋部32が本体部31に取り付けられると同時に、基板10に実装された二つの電子部品20が、支持部323を構成する二つの突起の間の領域に入り込む。具体的には、電子部品20の素子部21が、支持部323を構成する二つの突起に挟まれた状態となる。このように、本体部31と蓋部32によってケース30を組み立てると同時に、基板10に実装された電子部品20がケース30に設けられた支持部323に支持された状態となる(
図2〜
図4参照)。
【0028】
以上説明した本実施形態にかかる電気機器1によれば、蓋部32に設けられた支持部323によって電子部品20が支持された状態となる構造であるため、基板10と電子部品20の接続部分に生ずる応力を低減することができる。当該支持部323による電子部品20の支持構造は、ケース30の組み立てとともに完了するものであるため、従来に比して組み立てが複雑化することもない。また、本体部31に対して蓋部32を取り付ける際、蓋部32は前後方向に沿って移動することになるが、本実施形態における支持部323は電子部品20(素子部21)を幅方向(蓋部32の取り付け方向に直交する方向)から支持するものであるため、本体部31に対する蓋部32の取り付けが支持部323と電子部品20の接触によって阻害されてしまうこともない。
【0029】
図5に示すように、支持部323は本体部31に設けることもできる。つまり、本体部31の底壁31aから前方に向かって突出する支持部323を設け、本体部31内の空間に基板10が収容されることで、支持部323による電子部品20の支持構造が完了する構成としてもよい。つまり、電子部品20を幅方向(本体部31に対する基板10の挿入方向に直交する方向)から挟むように支持する支持部323を本体部31の底壁31aに設けてもよい。ただし、上記実施形態のように蓋部32に支持部323を設けた構成とすれば、本体部31内の空間に基板10を収容した後、蓋部32を本体部31に取り付けるときに支持部323が電子部品20に接触することになる。つまり、蓋部32に支持部323が設けられていれば、本体部31に対し基板10が位置決めされた状態で当該本体部31に蓋部32を取り付けることになるし、本体部31の開口311側に電子部品20が位置しており、電子部品20を見ながら本体部31を蓋部32に取り付けることができるため、支持部323に押される等して電子部品20の端子部23が変形してしまうような事態が発生しにくいという利点がある。
【0030】
また、上記実施形態では、電子部品20の端子部23が前後方向に沿って設けられており、その方向に交差する方向に電子部品20が揺れるときに当該端子部23が破損しやすい。上記実施形態における支持部323は、前後方向と交差する方向(直交する方向、すなわち幅方向)から電子部品20を挟むように設けられているため、振動による端子部23の破損が生じにくい。
【0031】
以下、上記支持部323の変形例について説明する。第一変形例にかかる支持部323aおよび第二変形例にかかる支持部323bは、電子部品20の素子部21の上面の少なくとも一部に接触するように設けられるものである。
図6(a)に示す第一変形例のように複数の突起から構成される支持部323aが素子部21の上面に接触する構造としてもよいし、
図6(b)に示す第二変形例のように一つの突起から構成される支持部323bが素子部21の上面に接触する構造としてもよい。図示はしていないが、この場合の支持部323bには、上方から見て電子部品20の中心が露出するように当該電子部品20に接する開口部が形成されていてもよい。このような構成とすることにより、電子部品20の上下方向の動きを規制することができる。
【0032】
このように、支持部323によって電子部品20を支持する方向は、幅方向以外の方向であってもよい。ケース30を組み立てることによって電子部品20が支持部323に支持された状態となる構成であれば、上記支持する方向を変更することができる。つまり、本体部31に支持部323を設ける場合には、本体部31に対し基板10を挿入する工程が完了したときに電子部品20が支持部323に支持された状態となり、蓋部32に支持部323を設ける場合には、本体部31に対して蓋部32を取り付ける工程が完了したときに電子部品20が支持部323に支持された状態となる構造であればよい。
【0033】
支持部323は、電子部品20の素子部21の幅方向(上下方向に直交する方向)外側および上側に位置するように設けられていてもよい。その具体的な構造(支持部323の形状)例としては、
図7(a)および
図7(b)に示すものが挙げられる。
図7(a)に示す第三変形例は、支持部323cを構成する二つの突起に、外側から内側に向かうにつれて上方に傾斜する傾斜面3231cが形成され、当該傾斜面3231cに電子部品20の素子部21の角が接触したものである。
図7(b)に示す第四変形例は、支持部323dを構成する二つの突起の先端側に、電子部品20の素子部21の角の形状に合わせた切欠き3231dが形成され、各突起が素子部21の上面の少なくとも一部および幅方向外側の面の少なくとも一部に接触するものである。これにより、支持部323を構成する各突起が、電子部品20の素子部21を幅方向外側から挟みつつ、上方からも押さえる構造となるため、電子部品20の幅方向の動きおよび上下方向の動きを規制することができる。
【0034】
支持部323が、電子部品20の素子部21以外の部位を支持する構造としてもよい。例えば、
図8(a)に示した第五変形例のように、支持部323eを構成する二つの突起が、電子部品20の台座部22を幅方向(上下方向に直交する方向)外側から挟む構造としてもよいし、
図8(b)に示した第六変形例のように、支持部323fを構成する一または複数の突起が、電子部品20の台座部22の上面に接触する構造としてもよい。電気機器1が設置される状況(どのような振動環境下に置かれるか)によっては、電子部品20と基板10の接続部分に近い側を支持した方が、電子部品20と基板10の接続部分にかかる負荷を低減することができる。
【0035】
このような台座部22を支持する支持部323は、上記第三変形例や第四変形例のような形状としてもよい。つまり、台座部22を支持する支持部323は、電子部品20の台座部22の幅方向(上下方向に直交する方向)外側および上側に位置するように設けられていてもよい。その具体的な構造(支持部323の形状)例としては、
図9(a)および
図9(b)に示すものが挙げられる。
図9(a)に示す第七変形例は、支持部323gを構成する二つの突起に、外側から内側に向かうにつれて上方に傾斜する傾斜面3231gが形成され、当該傾斜面3231gに電子部品20の台座部22の角が接触したものである。
図9(b)に示す第八変形例は、支持部323hを構成する二つの突起の先端側に、電子部品20の台座部22の角の形状に合わせた切欠き3231hが形成され、各突起が台座部22の上面の少なくとも一部および幅方向外側の面の少なくとも一部に接触するものである。これにより、支持部323を構成する各突起が、電子部品20の台座部22を幅方向外側から挟みつつ、上方からも押さえる構造となるため、電子部品20の幅方向の動きおよび上下方向の動きを規制することができる。
【0036】
電子部品20の素子部21を支持する支持部323と台座部22を支持する支持部323は、組み合わせて用いることができる。つまり、
図10(a)に示す第九変形例のように、支持部323が、電子部品20の支持部323を支持する第一支持部323iと、台座部22を支持する第二支持部323jを含む構造としてもよい。第一支持部323iは上記実施形態や第一変形例〜第四変形例で示した構造、第二支持部323jは第五変形例〜第八変形例で示した構造とすることができる。電子部品20は、素子部21から延びる端子部23が台座部22に支持されているものであるため、素子部21と台座部22の両方が支持部323に支持された構造とすることで、基板10と電子部品20の接続部分に生ずる応力をさらに低減することができる。
【0037】
図10(b)に示す第十変形例のように、電子部品20の素子部21が第一支持部323kと第二支持部323lによって支持された構造としてもよい。つまり、支持部323が、基板10と電子部品20の接続部分に相対的に遠い個所を支持する第一支持部323k、および相対的に近い個所を支持する第二支持部323lを含むものとしてもよい。つまり、第一支持部323iが素子部21(接続部分から相対的に遠い個所)を、第二支持部323jが台座部22(接続部分から相対的に近い個所)を支持する第九変形例は、この第十変形例の一つである。このように基板10と電子部品20の接続部分に遠い個所とそれよりも近い個所の二箇所が支持された構造とすれば、基板10と電子部品20の接続部分に生ずる応力をさらに低減することができる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 電気機器
10 基板
20 電子部品
21 素子部
22 台座部
23 端子部
30 ケース
31 本体部
311 開口
313 引掛突起
32 蓋部
321 被覆部分
322 引掛片
323 支持部