【課題】現在進行している測定の測定結果や分析結果を確認しながらパラメータ設定を行うことが可能であり、多数の通信規格に対応した多様な測定機能を迅速かつ正確に操作可能なユーザインターフェースを備えた測定装置及び測定方法を提供する。
【解決手段】下位階層表示制御部17cは、表示切替制御部17bにより第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオンとする制御信号が出力されたことを条件として、主表示領域11a内の副表示領域11bに第1階層よりも下位の階層の表示項目を表示させ、第1階層表示制御部17aは、表示切替制御部17bにより第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオンとする制御信号が出力されたことを条件として、主表示領域11a内の副表示領域11b以外の領域11cに信号解析結果の少なくとも一部を表示させる。
被試験デバイス(100)に対する試験信号を生成する信号生成部(14)と、当該試験信号が入力された当該被試験デバイスからの出力信号を解析する信号解析部(15)と、複数の階層に分類された表示項目を当該階層ごとに表示可能な表示部(11)と、当該表示部の表示を制御する表示制御部(17)と、入力操作を行うための入力部(12)と、を備える測定装置(1)であって、
前記表示制御部は、
前記表示部に第1階層の表示項目を表示するための表示領域(11a)を設定し、当該設定した表示領域内に前記出力信号に対する前記信号解析部の信号解析結果を表示させる第1階層表示制御部(17a)と、
第1階層よりも下位の階層の表示項目を前記表示部の所定領域(11b)に表示させる下位階層表示制御部(17c)と、
前記入力部の操作に応じて、第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオン/オフするための制御信号を出力する表示切替制御部(17b)と、を有し、
前記下位階層表示制御部は、前記表示切替制御部により第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオンとする制御信号が出力されたことを条件として、第1階層の表示領域内の一部の領域(11b)に第1階層よりも下位の階層の表示項目を表示させ、
前記第1階層表示制御部は、前記表示切替制御部により第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオンとする制御信号が出力されたことを条件として、第1階層の表示領域内の前記一部の領域以外の領域(11c)に前記信号解析結果の少なくとも一部を表示させることを特徴とする測定装置。
前記第1階層表示制御部は、前記表示切替制御部により第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオフとする制御信号が出力されたことを条件として、第1階層の表示領域内の前記一部の領域における下位の階層の表示項目の表示をオフとするとともに、当該一部の領域に前記信号解析結果の少なくとも一部を表示させることを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
前記表示切替制御部は、前記入力部の操作により押下可能な下位階層表示ボタン(20,30)を前記表示部の所定領域に表示させ、当該下位階層表示ボタンの押下状態に応じて、第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示のオン/オフを切り替える前記制御信号を出力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の測定装置。
第1階層よりも下位の階層の表示項目が、前記信号生成部による前記試験信号の生成に必要なパラメータを設定するための項目を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の測定装置。
第1階層よりも下位の階層の表示項目が、前記信号解析部による前記出力信号の解析に必要なパラメータを設定するための項目を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の測定装置。
前記下位階層表示制御部は、前記表示切替制御部により第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオンとする制御信号が出力されたことを条件として、複数の測定項目のうちの一つを選択可能に表示する測定項目選択窓(23)と、当該測定項目選択窓で選択された測定項目に対応した前記パラメータを設定するための測定パラメータ設定領域(24)と、を前記一部の領域に表示させることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の測定装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような多様な測定機能に対応するために、測定装置のユーザインターフェースはますます複雑化しているが、このような複雑化したユーザインターフェースであっても迅速かつ正確に操作できることが要求されてきている。さらに、近年は熟練者ではない操作者でも使用可能となるよう、分かりやすい表示、操作系が要求されている。
【0008】
しかしながら、特許文献1,2に開示されたような従来の装置は、これらの要求への対応が不十分であった。
【0009】
具体的には既に述べたように、パラメータを設定するための設定画面、測定結果を表示するための測定結果画面、分析結果を表示するための分析結果画面などの複数種の画面が選択的に表示されるため、対象のパラメータを設定するためにはその都度設定画面にまで戻る必要があり、不便であった。
【0010】
また、測定結果画面や分析結果画面と設定画面とが同時に表示されないため、操作者が現在進行している測定の測定結果や分析結果を確認しながら、それらの結果に応じたパラメータ設定を行ったり、パラメータの設定変更により測定結果や分析結果が変化する様子を確認したりすることが不可能であった。
【0011】
また、パラメータの設定を簡易にする観点では特許文献2に開示された構成は有用であるが、表示画面の領域には限りがあるため、常に使用する訳ではない複数のパラメータを表示画面に表示しておくことは好ましくない。
【0012】
例えば、複数のウィンドウに測定項目別にパラメータを表示することも考えられるが、限られた表示画面領域においては、所望のパラメータの設定に行き着くまでの操作が煩雑になるという問題がある。
【0013】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、現在進行している測定の測定結果や分析結果を確認しながらパラメータ設定を行うことが可能であり、多数の通信規格に対応した多様な測定機能を迅速かつ正確に操作可能なユーザインターフェースを備えた測定装置及び測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の測定装置は、被試験デバイスに対する試験信号を生成する信号生成部と、当該試験信号が入力された当該被試験デバイスからの出力信号を解析する信号解析部と、複数の階層に分類された表示項目を当該階層ごとに表示可能な表示部と、当該表示部の表示を制御する表示制御部と、入力操作を行うための入力部と、を備える測定装置であって、前記表示制御部は、前記表示部に第1階層の表示項目を表示するための表示領域を設定し、当該設定した表示領域内に前記出力信号に対する前記信号解析部の信号解析結果を表示させる第1階層表示制御部と、第1階層よりも下位の階層の表示項目を前記表示部の所定領域に表示させる下位階層表示制御部と、前記入力部の操作に応じて、第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオン/オフするための制御信号を出力する表示切替制御部と、を有し、前記下位階層表示制御部は、前記表示切替制御部により第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオンとする制御信号が出力されたことを条件として、第1階層の表示領域内の一部の領域に第1階層よりも下位の階層の表示項目を表示させ、前記第1階層表示制御部は、前記表示切替制御部により第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオンとする制御信号が出力されたことを条件として、第1階層の表示領域内の前記一部の領域以外の領域に前記信号解析結果の少なくとも一部を表示させる構成を有している。
【0015】
この構成により、現在進行している測定の測定結果や分析結果を確認しながらパラメータ設定を行うことが可能であり、多数の通信規格に対応した多様な測定機能を迅速かつ正確に操作可能なユーザインターフェースを備えた測定装置を実現できる。
【0016】
また、本発明の請求項2の測定装置においては、前記第1階層表示制御部は、前記表示切替制御部により第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオフとする制御信号が出力されたことを条件として、第1階層の表示領域内の前記一部の領域における下位の階層の表示項目の表示をオフとするとともに、当該一部の領域に前記信号解析結果の少なくとも一部を表示させる構成を有している。
【0017】
この構成により、一部の領域において第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示がオンからオフに変化した場合には、第1階層の表示領域の全体にわたって信号解析結果を表示することが可能な測定装置を実現できる。
【0018】
また、本発明の請求項3の測定装置においては、前記表示切替制御部は、前記入力部の操作により押下可能な下位階層表示ボタンを前記表示部の所定領域に表示させ、当該下位階層表示ボタンの押下状態に応じて、第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示のオン/オフを切り替える前記制御信号を出力する構成を有していてもよい。
【0019】
また、本発明の請求項4の測定装置においては、前記入力部は、前記表示部の表面に設けられたタッチパネルで構成される。
【0020】
この構成により、装置の小型化を図れるとともに、良好な操作性を得ることができる。
【0021】
また、本発明の請求項5の測定装置においては、第1階層よりも下位の階層の表示項目が、前記信号生成部による前記試験信号の生成に必要なパラメータを設定するための項目を含む構成を有している。
【0022】
この構成により、多数の通信規格に対応するとともに多様な測定機能を備えた測定装置を実現できる。
【0023】
また、本発明の請求項6の測定装置においては、第1階層よりも下位の階層の表示項目が、前記信号解析部による前記出力信号の解析に必要なパラメータを設定するための項目を含む構成を有している。
【0024】
この構成により、多数の通信規格に対応するとともに多様な測定機能を備えた測定装置を実現できる。
【0025】
また、本発明の請求項7の測定装置においては、前記下位階層表示制御部は、前記表示切替制御部により第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオンとする制御信号が出力されたことを条件として、複数の測定項目のうちの一つを選択可能に表示する測定項目選択窓と、当該測定項目選択窓で選択された測定項目に対応した前記パラメータを設定するための測定パラメータ設定領域と、を前記一部の領域に表示させる構成を有していてもよい。
【0026】
また、本発明の請求項8の測定方法は、上記の測定装置を用いる測定方法であって、第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオンとする制御信号を出力する表示切替段階と、前記表示切替段階で第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオンとする制御信号が出力されたことを条件として、第1階層の表示領域内の一部の領域に第1階層よりも下位の階層の表示項目を表示させる下位階層表示段階と、前記表示切替段階で第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオンとする制御信号が出力されたことを条件として、第1階層の表示領域内の前記一部の領域以外の領域に前記信号解析結果の少なくとも一部を表示させる第1階層表示段階と、を含む。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、現在進行している測定の測定結果や分析結果を確認しながらパラメータ設定を行うことが可能であり、多数の通信規格に対応した多様な測定機能を迅速かつ正確に操作可能なユーザインターフェースを備えた測定装置及び測定方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明に係る測定装置及び測定方法の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0030】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態としての測定装置1の構成について説明する。
【0031】
図1に示すように、本発明の実施形態としての測定装置1は、被試験デバイス100に対して各種測定を行うためのものであり、表示部11、入力部12、制御部13、信号生成部14、信号解析部15、入出力部16、及び表示制御部17を備えている。
【0032】
被試験デバイス100は、例えばルータ、スイッチングハブ、伝送装置などのネットワーク機器である。
【0033】
表示部11は、例えばLCDやCRTなどの表示機器で構成され、表示制御部17からの制御信号に基づき、後述する複数の階層に分類された表示項目を当該階層ごとに表示するようになっている。
【0034】
入力部12は、例えばテンキーや各種設定キーを備えたキーボードやマウスなどの入力装置や、表示部11の表面に設けられたタッチパネルのような入力装置で構成される。入力部12による入力操作は、制御部13により検知されるようになっている。
【0035】
制御部13は、例えばCPU、ROM、RAMなどを含むマイクロコンピュータで構成され、測定装置1を構成する各部の駆動制御を行うようになっている。また、制御部13は、操作者が入力部12を操作して設定する後述の測定項目に基づき、当該測定項目に対応する測定を信号生成部14及び信号解析部15に行わせるための制御信号を、信号生成部14及び信号解析部15にそれぞれ出力するようになっている。
【0036】
また、制御部13は、入力部12の操作に応じた制御信号を適宜表示制御部17に出力するようになっている。例えば、制御部13は、表示部11上に表示される後述の下位階層表示ボタン20が、入力部12の操作により押下されたことを条件として、その押下状態に応じた制御信号を表示制御部17に出力するようになっている。
【0037】
信号生成部14は、後述する測定パラメータ設定領域24で設定された測定パラメータに対応した試験信号としてのデータフレームを生成し、当該データフレームを入出力部16を介して被試験デバイス100に送信するようになっている。
【0038】
信号解析部15は、信号生成部14から出力された上記のデータフレームを入出力部16を介して被試験デバイス100から受信し、当該受信したデータフレームから、後述する測定項目選択窓23で設定された測定項目に対応した受信状態情報を抽出して、それらを解析するようになっている。
【0039】
入出力部16は、イーサネット(登録商標)などのIPネットワークを通じて、測定装置1と被試験デバイス100との間でデータフレームを送受信するようになっている。
【0040】
表示制御部17は、第1階層表示制御部17a、表示切替制御部17b、及び下位階層表示制御部17cを有する。
【0041】
第1階層表示制御部17aは、
図2に示すように、表示部11に第1階層の表示領域としての主表示領域11aを設定し、設定した主表示領域11a内に、被試験デバイス100からのデータフレームに対する信号解析部15の信号解析結果を表示させる制御を行うようになっている。ここで、信号解析部15の信号解析結果は第1階層の表示項目に該当する。
【0042】
さらに、第1階層表示制御部17aは、測定開始や測定データの出力などの使用頻度の高い処理を実行するための操作ボタンと、被試験デバイス100からの応答が各通信規格の規定を満たさない場合にその旨を通知する簡易表示窓と、を含む領域21を、主表示領域11a内に表示させる制御を行うようになっていてもよい。
【0043】
表示切替制御部17bは、第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオン/オフするための制御信号を出力するようになっている。例えば、表示切替制御部17bは、入力部12の操作により押下可能な下位階層表示ボタン20を表示部11の所定領域に表示させるようになっており、下位階層表示ボタン20の押下状態に応じて、第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示のオン/オフを切り替えることができるようになっている。
【0044】
下位階層表示制御部17cは、下位階層表示ボタン20が入力部12により押下され、第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオンとする制御信号が表示切替制御部17bから出力されたことを条件として、
図3に示すように、主表示領域11a内の一部に副表示領域11bを設定し、副表示領域11bに第1階層よりも下位の階層の表示項目を表示させる制御を行うようになっている。
【0045】
なお、第1階層表示制御部17aは、下位階層表示ボタン20が入力部12により押下され、第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオンとする制御信号が表示切替制御部17bから出力されたことを条件として、主表示領域11a内の副表示領域11b以外の領域11cに信号解析部15の信号解析結果の少なくとも一部を表示させる制御を行うようになっている。
【0046】
一方、第1階層表示制御部17aは、下位階層表示ボタン20が入力部12により押下され、第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオフとする制御信号が表示切替制御部17bから出力されたことを条件として、主表示領域11a内の副表示領域11bの設定をオフとするとともに、副表示領域11bに表示されていた下位の階層の表示項目の表示をオフとするようになっている。
【0047】
さらに、第1階層表示制御部17aは、下位階層表示ボタン20が入力部12により押下され、第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオフとする制御信号が表示切替制御部17bから出力されたことを条件として、副表示領域11bが設定されていた領域に、信号解析部15の信号解析結果の少なくとも一部を表示させる制御を行うようになっている。例えば、第1階層表示制御部17aは、信号解析部15の信号解析結果の表示を、副表示領域11bが設定される前の主表示領域11aの状態に戻す制御を行うようになっている。
【0048】
図3に示すように、下位階層表示制御部17cは、通信規格表示窓22、測定項目選択窓23及び測定パラメータ設定領域24を副表示領域11bに表示する制御を行う。
【0049】
通信規格表示窓22は、複数の通信規格の中からあらかじめ設定された一つ以上の通信規格を表示するようになっている。なお、これらの被測定対象の通信規格は、あらかじめ設定されるのみでなく、任意の操作で選択できるようになっていてもよい。
【0050】
すなわち、本実施形態においては被試験デバイス100は、例えば100Gイーサネット(登録商標)、40Gイーサネット(登録商標)、STM(Synchronous Transport Module)−64の各通信規格に従った通信を行うものである。なお、表2中の「100GbE」は100Gイーサネット(登録商標)、「40GbE」は40Gイーサネット(登録商標)を表している。
【0051】
測定項目選択窓23は、プルダウンメニュー機能により、表1に示す第2階層の表示項目としての複数の測定項目(Frequency、Skew、LOSなど)の中から一つの測定項目を選択可能に表示するようになっている。
【0052】
測定項目「Frequency」は、信号生成部14により出力されるデータフレームの周波数を測定対象の通信規格の基準周波数から所定周波数だけずらし、その周波数変化に対する被試験デバイス100の耐性を測定するための項目である。
【0053】
測定項目「Skew」は、信号生成部14により出力されるデータフレームのフレーム間の時間を変化させ、その時間変化に対する被試験デバイス100の耐性を測定するための項目である。
【0054】
測定項目「LOS」は、信号生成部14により生成されたデータフレームの被試験デバイス100への送信を所定時間停止させることにより、被試験デバイス100が所定時間試験信号を受信していない状態を反映した応答を返すか否かを測定するようになっている。
【0055】
測定パラメータ設定領域24は、測定項目選択窓23で選択された測定項目に対応した測定パラメータを設定するための領域である。この測定パラメータは、選択された測定項目に対応した試験信号を信号生成部14に生成させるとともに、被試験デバイス100からの出力信号に対して、選択された測定項目に対応した解析処理を信号解析部15に行わせるために必要なものであり、第3階層の表示項目に属する。
【0056】
以下、
図3に示すように、測定項目として「Frequency」が選択された場合を例に挙げて副表示領域11bの構成を説明する。
【0057】
具体的には、測定パラメータ設定領域24は、基準周波数表示窓24a、及び周波数変化量設定窓24bを有する。
【0058】
基準周波数表示窓24aは、通信規格表示窓22に表示された通信規格に対応した試験信号の基準周波数を表示するようになっている。なお、基準周波数表示窓24aは、入力部12の操作により表示値を変更することも可能となっている。
【0059】
周波数変化量設定窓24bは、試験信号の周波数について、その基準周波数からのずれの大きさを上下キーにより設定可能に表示するようになっている。
【0060】
さらに、測定パラメータ設定領域24は、測定パラメータの数値入力を行うテンキー24cと、測定パラメータの単位を変更する単位切替キー24dと、直前の数値を削除する後退キー(BS(backspace)キー)24eと、入力した数値を決定する実行キー(Enterキー)24fと、測定パラメータの数値を削除するクリアキー24gと、を有していてもよい。
【0062】
以下、
図2〜7を参照しながら、本実施形態の測定装置1を用いた測定方法について説明する。
【0063】
まず、
図2の状態において、操作者の入力部12の操作により下位階層表示ボタン20の押下状態がオンとなると、表示切替制御部17bは、第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示をオンとする制御信号を第1階層表示制御部17a及び下位階層表示制御部17cに出力する(表示切替段階)。
【0064】
これにより、下位階層表示制御部17cは、
図3に示すように副表示領域11bを主表示領域11a上に展開し、第2階層及び第3階層の表示項目を副表示領域11bに表示する(下位階層表示段階)。
【0065】
この下位階層表示ボタン20の押下状態がオンとなる前後で、下位階層表示ボタン20や領域21の配置箇所は、不変であってもよいし、主表示領域11a内の任意の場所に移動されてもよい。
【0066】
なお、上記の説明では、下位階層表示ボタン20の押下状態がオンとなると、第2階層及び第3階層の表示項目が副表示領域11bに表示されるとしたが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、下位階層表示ボタン20の押下状態がオンとなると、第2階層の表示項目のみ表示され、さらに下位階層表示ボタン30の押下状態がオンとなることにより、第3階層の表示項目が表示されてもよい。
【0067】
なお、通信規格表示窓22には、あらかじめ設定された一つ以上の通信規格が表示されている。なお、これらの被測定対象の通信規格は、あらかじめ設定されるのみでなく、任意の操作で選択できるようになっていてもよい。ここでは、
図3に示すように、通信規格として「100GbE」が表示されているとする。
【0068】
次に、操作者の入力部12の操作により、測定項目選択窓23において所望の測定項目が選択されると、下位階層表示制御部17cは、測定パラメータ設定領域24において、選択された測定項目に対応した測定パラメータの表示を行う。ここでは、
図3に示すように、測定項目として「Frequency」が選択されたとする。
【0069】
次に、下位階層表示制御部17cは、通信規格表示窓22に表示された通信規格「100GbE」に対応した基準周波数を基準周波数表示窓24aに表示する。
【0070】
次に、操作者の入力部12の操作により、周波数変化量設定窓24bにおいて試験信号の所望の周波数が設定される。
【0071】
次に、操作者の入力部12の操作により、下位階層表示ボタン20の押下状態がオフとなると、表示切替制御部17bは、主表示領域11a上に表示されていた副表示領域11bの表示をオフとする制御信号を第1階層表示制御部17aに出力する。これにより、
図2に示すように、第1階層表示制御部17aは、副表示領域11bが設定されていた領域の表示を、副表示領域11bが設定される前の主表示領域11aの状態に戻す。
【0072】
なお、下位階層表示ボタン20の押下状態がオフとなる前後で、下位階層表示ボタン20や領域21の配置箇所は、不変であってもよいし、主表示領域11a内の任意の場所に移動されてもよい。
【0073】
次に、操作者の入力部12の操作により、被試験デバイス100に対する測定を開始する制御信号が制御部13から信号生成部14及び信号解析部15に出力される。
【0074】
次に、信号生成部14は、測定パラメータ設定領域24で設定された測定パラメータに対応した試験信号を生成する。さらに、信号解析部15は、測定項目選択窓23で設定された測定項目に対応した解析処理を行う。
【0075】
次に、第1階層表示制御部17aは、
図4に示すように主表示領域11aに、通信規格「100GbE」に関する信号解析結果を逐次表示する。ここでは、操作者の入力部12の操作により、周波数変化量設定窓24bにおいて試験信号の所望の周波数が設定される度に、信号解析結果のデータ点が主表示領域11aに追加表示されるようになっているとよい。
【0076】
なお、信号解析結果のうち100Gイーサネット(登録商標)の規定を満たさないデータについては、その旨を操作者が認識しやすくなるように他のデータと表示形式を変えることが望ましい(例えば
図4中の黒丸がエラーデータを示している)。
【0077】
さらに、上記の測定中に、操作者の入力部12の操作により、下位階層表示ボタン20の押下状態がオンとなると、下位階層表示制御部17cは、
図5に示すように、
図3に示した測定開始前の状態の副表示領域11bを主表示領域11a上に表示する。
【0078】
このとき、第1階層表示制御部17aは、主表示領域11a内の副表示領域11b以外の領域11cに信号解析部15の信号解析結果の一部を表示させる制御を行うようになっている(第1階層表示段階)。
【0079】
なお、第1階層表示制御部17aは、
図6に示すように適宜信号解析結果を示すグラフの縮尺や表示範囲の数値を変更してもよい。
【0080】
一方、
図7に示すように通信規格表示窓22において表示される通信規格が例えば「STM−64」であるとする。
【0081】
この場合には、下位階層表示制御部17cは、通信規格表示窓22に表示された通信規格「STM−64」に対応した基準周波数を基準周波数表示窓24aに表示する。このとき、操作者の入力部12の操作により、周波数変化量設定窓24bにおいて試験信号の所望の周波数が設定されてもよい。
【0082】
そして、操作者の入力部12の操作により、被試験デバイス100に対する測定が開始されると、第1階層表示制御部17aは、副表示領域11bが表示された状態で、
図7に示すように主表示領域11aの一部の領域11cに、通信規格「STM−64」に関する信号解析結果(図中の□)を逐次表示する。
【0083】
以上説明したように、本実施形態によれば、下位階層表示ボタン20の押下により、副表示領域11bの表示のオン/オフが切り替わっても、主表示領域11aの一部に信号解析結果を表示したままにすることができる。また、第1階層よりも下位の階層の表示項目の表示がオンからオフに変化した場合には、第1階層の表示領域の全体にわたって信号解析結果を表示することが可能である。
【0084】
これにより、現在進行している測定の測定結果や分析結果を確認しながら測定パラメータの設定を行うことが可能であり、多数の通信規格に対応した多様な測定機能を迅速かつ正確に操作可能なユーザインターフェースを備えた測定装置を実現できる。
【0085】
さらに、本実施形態によれば、入力部12を表示部11の表面に設けられたタッチパネルで構成することにより、装置の小型化を図れるとともに、良好な操作性を得ることができる。
【0086】
(第2の実施形態)
続いて、本発明の第2の実施形態としての測定装置について図面を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成及び動作については適宜説明を省略する。
【0087】
本実施形態の測定装置1は、第1の実施形態と同様に、表示部11、入力部12、制御部13、信号生成部14、信号解析部15、入出力部16、及び表示制御部17を備えている(
図1参照)。本実施形態においては、被試験デバイス100は、例えば携帯電話などの無線端末機器、あるいは基地局装置である。
【0088】
入出力部16は、例えば同軸ケーブルにより被試験デバイス100と測定装置1とを接続するための端子を有している。
【0089】
信号生成部14は、被試験デバイス100に送信する試験信号としてのRF(無線周波数)信号を生成するようになっている。
【0090】
信号解析部15は、信号生成部14から出力された上記RF信号に対する被試験デバイス100からの応答信号を受信し、当該受信した応答信号から被試験デバイス100の受信状態情報を抽出して、それらを解析するようになっている。
【0091】
図8に示すように、通信規格表示窓22は、複数の通信規格の中からあらかじめ設定された一つ以上の通信規格を表示するようになっている。なお、これらの被測定対象の通信規格は、あらかじめ設定されるのみでなく、任意の操作で選択できるようになっていてもよい。
【0092】
本実施形態においては被試験デバイス100は、例えばW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、LTE(Long Term Evolution)、CDMA2000(Code Division Multiple Access 2000)、EV−DO(Evolution Data Only)、TD−SCDMA(Time Division Synchronous Code Division Multiple Access)の各通信規格に従った通信を行うものである。
【0093】
測定項目選択窓23は、プルダウンメニュー機能により、表3に示す第2階層の表示項目としての複数の測定項目の中から一つの測定項目を選択可能に表示するようになっている。
【0094】
すなわち、測定項目としては、信号レベル(LV)、変調精度(EVM)、ビット誤り率(BER)、隣接チャネル漏洩電力(ACP)などが挙げられる。
【0095】
以下、
図8に示すように、通信規格として表4に示す「W−CDMA」、測定項目として「ACP」が選択された場合を例に挙げて副表示領域11bの構成を説明する。
【0096】
この場合には、測定パラメータ設定領域24には、試験信号パワー設定窓24i,24jが表示される。
【0097】
試験信号パワー設定窓24i,24jは、例えば、通信規格表示窓22に表示された通信規格「W−CDMA」に対応した試験信号のパワーの最小値と最大値を表示するようになっている。ACPの測定では、基地局装置のアンプなどが被測定対象となり、例えば試験信号のパワーの最小値は10dBm、最大値は30dBmとなる。また、測定の周期は例えば100msで、試験信号のパワーは例えば0.2dBmの刻みで変化されるようになっている。
【0098】
これにより、適切な範囲で試験信号のパワーを変化させながらACP測定を行うことができるようになっている。なお、試験信号パワー設定窓24i,24jは、入力部12の操作により表示値を変更することも可能となっている。
【0099】
なお、測定項目として「BER」が選択された場合には、例えばW−CDMAの無線端末機器が被測定対象となり、例えば試験信号のパワーの最小値は−130dBm、最大値は−110dBmとなる。また、測定の周期は例えば30sで、試験信号のパワーは例えば0.2dBmの刻みで変化されるようになっている。
【表3】
【表4】
【0100】
上記の構成により、第1の実施形態と同様に、現在進行している測定の測定結果や分析結果を確認しながら測定パラメータの設定を行うことが可能であり、多数の通信規格に対応した多様な測定機能を迅速かつ正確に操作可能なユーザインターフェースを備えた測定装置を実現できる。