【解決手段】 リールとこれを回転駆動させるための駆動機構とを含むリールユニットを複数並置した表示装置を含む回胴式遊技機である。リールのそれぞれは少なくとも垂直面内において移動可能であり表示装置の前面に与えられた透過液晶シャッターを介して視認可能であることを特徴とする。
リールとこれを回転駆動させるための駆動機構とを含むリールユニットを複数並置した表示装置を含む回胴式遊技機であって、前記リールのそれぞれは少なくとも垂直面内において移動可能であり前記表示装置の前面に与えられた透過液晶シャッターを介して視認可能であることを特徴とする回胴式遊技機。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチスロ機と称される回胴式遊技機では、回転する複数のリールを遊技者の操作によって停止させ、リール表面に描かれた図柄の並びによってゲームの結果等を遊技者に報知しながらゲームを進行させる。例えば、所定の有効ライン上に停止した図柄の組み合わせによって対応する役(小役やボーナス)の種類が遊技者に報知されるのである。ここで、役の種類の報知に合わせて各種の視覚的演出を与え得る表示装置を含む回胴式遊技機が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、特定のリールのみを遊技者に視認可能とするとともに、他のリールを視認不可能とすることで、遊技者にとって有利となるリールの停止順序、いわゆる押し順を遊技者に報知する演出を行い得る回胴式遊技機が開示されている。ここでは、各リールの前面に液晶シャッターを配置し、かかる液晶シャッターの透過と遮蔽との切り替えによって特定のリールだけを視認できるように切り替えるのである。押し順によって入賞役の異なる場合などには、回転中の複数のリールのうち停止させるべきリールのみを液晶シャッターの切り替えによって遊技者に視認可能として遊技者にとって有利な押し順を報知するのである。
【0004】
また、リールの前方に液晶シャッターを配置した表示装置において、リールの回転に対応させて液晶シャッターを切り替え、リール上に描かれた図柄の一部、若しくは、リールの一部の視認状態を変化させる視覚的演出を与え得る表示装置を含む回胴式遊技機も提案されている。
【0005】
例えば、特許文献2では、リール上に描かれた特定の図柄のみを遊技者に視認可能とすることで、内部でボーナスの成立した状態、すなわち、ボーナスに対応する図柄を有効ライン上に停止させ得る状態であることを報知する演出を行い得る回胴式遊技機が開示されている。ここでは、リール表面の各図柄の停止位置の前面に液晶シャッターを配置し、停止した各図柄の視認の可否を切り替えるのである。特定の小役の入賞のあった場合は液晶シャッターによって対応する図柄のみを遊技者に視認可能にする。一方、かかる小役と重複して内部でボーナスの成立した状態にある場合には、対応する図柄以外の図柄のみを視認可能とすることでこれを報知するのである。
【0006】
また、特許文献3では、有効ラインよりも上側に位置する図柄の視認状態を変化させ、回転中の特定の図柄を狙ってリールを停止させる、いわゆる目押しの操作を支援する回胴式遊技機が開示されている。ここでは、有効ラインの最上段に位置する図柄よりも1つ上の図柄の位置を特別表示領域と定義し、各リールに対応する特別表示領域の前面に液晶シャッターを配置する。例えば、液晶シャッターにより、各リールの特別表示領域を全て視認不可能にしておき、回転させたリールのうち1つを残して他のリールが停止したときに、最後まで回転しているリールの特別表示領域を視認可能とする。これにより、最後に停止させるリールの図柄を回転方向により広範囲に亘って視認できるようにして、遊技者の目押しを支援するのである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明による1つの実施例としての回胴式遊技機について説明する。まず、行い得る演出について、
図1乃至3を用いて説明する。
【0017】
図1(a)に示すように、リールの回転を停止させた状態でリール表面に描かれた図柄Xが遊技機の表示窓19を介して遊技者に視認される。例えば、ここではどの図柄も横方向又は斜め方向に一列には並んでおらず、「はずれ」を表示する並びを示している。次に、
図1(b)に示すように、表示窓19に重ねて設置された液晶シャッター18によって、上下方向に図柄1つ分の幅を与えた水平な透過部分を残してその他の部分を光学的に遮蔽する。さらに、
図1(c)に示すように、リールを回転させずにリールを上下方向に移動させ、ここでは中央のリールを上方向に移動させる。これにより、図柄Xの並びが変化し、図柄Xの「7」が横一列に並んで「あたり」を表示することになる。
【0018】
これにより、ボーナス等(ボーナス、アシストタイム、リプレイタイムなど)の入賞の表示や、内部でボーナス等の成立している状態であることを示すリーチ目の表示、又は、その期待度の高いことを示唆するチャンス表示などを行い得る。また、演出の結果として「はずれ」を表示してもよく、本演出の発生時に、遊技者は「あたり」表示になることを期待して演出の結果に一喜一憂できる。「あたり」や「はずれ」を、適宜、表示し得ることは以下でも同様である。
【0019】
また、
図2(a)に示すように、例えば、3つのリールによる9つの図柄Xにおいて上部の図柄Xを右へ、下部の図柄Xを左へ移動させ、つまり右側の図柄Xを下へ移動させた位置で停止している。ここでは、どの図柄も横方向又は斜め方向に一列には並んでおらず、「はずれ」を表示する並びである。次に、
図2(b)に示すように、液晶シャッター18によって、上下方向に図柄1つ分の幅を与えた水平な透過部分を残してその他の部分を光学的に遮蔽する。さらに、リールを回転させずに移動させると、図柄Xを斜め上下方向に移動させ、図柄Xの並びを変化させて「あたり」を表示する演出を行い得る。つまり、上記と同様にボーナス等の入賞の表示、リーチ目の表示、チャンス表示などに用い得る。
【0020】
なお、
図2(c)に示すように、液晶シャッター18によって透過させる透過部分の位置は一直線でなくともよい。ここでは左及び中央のリールに対応する透過部分の位置を中段、右リールに対応する透過部分の位置を上段としている。上記と同様に液晶シャッター18によって透過部分と遮蔽部分とを与えて、透過部分を本演出においての有効ラインとして定め、リールを回転させずに図柄17を移動させて、透過部分に「あたり」又は「はずれ」となる図柄の組み合わせを表示させる。また、最初の透過部分を中段に対応する位置の一直線としておき、右リールに対応する部分において、図柄Xの移動にともなって上段に対応する位置に透過部分の位置を移動させてもよい。
【0021】
さらに、
図3(a)及び
図3(b)に示すように、ボーナス等の入賞の表示、リーチ目の表示、チャンス表示などには、有効ラインより上又は下に停止した図柄Xを用い得る。有効ラインは一般的に、リール毎に上段、中段、下段のいずれかを組み合わせたもの(例えば左リール上段、中央リール中段、右リール下段など)である。また、上記した演出において、例えば、液晶シャッター18の右リール上段に対応する位置を透過させ、リールを回転させずにリールの移動によって右リールの上段よりも1コマ上の図柄Xを右リール上段の有効ラインの位置まで移動させ、有効ラインの上下1コマずつの図柄Xも演出に使用できる。
【0022】
更に、
図4(a)に示すように中央のリールを他のリールよりも後側(遊技者から見て奥側)に位置させておき、
図4(b)に示すように手前側に移動させる演出も行い得る。ここで、
図5(a)に示すように、液晶シャッター18は、左リール上段、中央リール中段、右リール下段に対応する位置を透過部分とし、それぞれの透過部分から図柄Xを遊技者に視認可能に表示させる。そして、
図5(b)に示すように中央のリールの移動によって図柄Xを手前に移動させて他のリールの図柄Xと奥行き方向の位置を揃え、又はずらして、これによって「あたり」又は「はずれ」を表示させる。このような演出も、上記と同様にボーナス等の入賞の表示、リーチ目の表示、チャンス表示などに用いることができる。
【0023】
次に、上記した演出を行い得る回胴式遊技機について、
図6乃至
図11を用いてその詳細を説明する。
【0024】
図6に示すように、遊技機1は回胴式遊技機であり、筐体2の前面上部の表示面3と前面下部の下パネル4とを含む。表示面3と下パネル4との間には、メダル投入口11、レバー12、3つのストップボタン13、ベットボタン14、マックスベットボタン15、演出ボタン16、精算ボタン17などの操作系を有する操作部10を備える。下パネル4の下方、すなわち筐体2の前面下にはメダル受け皿5を備え、メダル受け皿5の奥側壁面には演出等に用いられるスピーカ8を備える。また、筐体2の上端部前面や側端部前面には演出等に用いられるランプ類6を備える。表示面3の上部には液晶パネルからなる画像表示部9を備え、その下部の表示窓19の後方にリール駆動部20を備え、表示窓19にはリール駆動部20の前面を覆う液晶シャッター18を備える。
【0025】
リール駆動部20は、リール45を回転駆動させる機構を含むリールユニット40(
図7参照)を3つ収容している。各リール45の表面には各ゲームの遊技結果としての入賞役を表示させるための図柄X(
図1乃至
図4参照)が描かれており、表示窓19の液晶シャッター18を介して視認可能とされている。リール駆動部20は操作部10のレバー12の操作に応じて各リール45を回転させ、ストップボタン13の操作に応じて内部抽選役に基づいた停止位置で停止させる。
【0026】
液晶シャッター18は、公知の液晶シャッターを用いることができ、例えば、電圧を印加すると光を透過せずに遮蔽して遊技者に対してリール45の表面を視認できないようにするとともに、電圧を印加しないときには光を透過させて遊技者に対してリール45の表面を視認できるようにする。また、液晶シャッター18は、リール45の表面の図柄Xの停止位置のそれぞれの前面の位置において透過と遮蔽とを個別に切り替えることができ、図柄Xのそれぞれの視認の可否を切り替えることができる。さらに細かな位置の透過及び遮蔽の切り替えを可能とすることが好ましい。
【0027】
図7に示すように、リール駆動部20は主として底面壁体22と背面壁体23からなる基台21と、基台21に支持される収容枠30と、収容枠30に並べて収容される3つのリールユニット40とを含む。
【0028】
図8を併せて参照すると、収容枠30は、天板31と、底板32と、背面板33とこれらを左右端部で上下に連結するよう前後でそれぞれ対となった柱34とを含む。背面板33は略中央の上端部近傍において前後方向に延びる揺動軸に沿った揺動軸体35を介して基台21の背面壁体23によって軸支される。つまり、収容枠30は揺動軸体35に吊り下げられる。収容枠30はさらにその左右端部で底板32と背面板33と前後の柱34とを連結する補強板36を含む。収容枠30は、さらにリールユニット40のそれぞれの右側において上下に延びて天板31と底板32とを接続する柱状レール38を含む。柱状レール38は前後で対になっており、対となった柱状レール38同士で相対する側の面に上下に延びる溝38aを有している(
図7に
図10を併せて参照)。
【0029】
収容枠30の底板32はその前方端から下方に延びる垂下部32aを有し、垂下部32aを介して前方に突出した位置の揺動補助板37に接続される。揺動補助板37は前後方向に対して略垂直な主面を有する板状体であり、横方向に延びて下に凸となる曲線に沿った摺動溝37aを略中央に有し、左右の下端を下に凸となる曲線とする支持端37bを有する。摺動溝37a及び支持端37bの下に凸となる曲線は、揺動軸体35の揺動軸を中心とした円の一部である。また、摺動溝37aには基台21の底面壁体22から上方に延びる支持部材24に支持されて前方に延びる摺動軸25が摺動自在に係合している。さらに、左右の支持端37bは支持部材24に取り付けられて前後方向に向いた回転軸により回転自在なローラ26にそれぞれ支持されている。つまり、収容枠30は揺動軸体35の揺動軸を中心として左右に揺動自在であるとともに、揺動補助板37を介して前方端の下側を摺動軸25及びローラ26に支持されている。
【0030】
図8に
図9を併せて参照すると、背面板33の中央下部には下側に延びる舌状部材33aが接続されている。舌状部材33aは中央に上下方向に延びるスリット33bを有している。また、舌状部材33aの前方にはこれと対向するように円板体39bが備えられ、底面壁体22に固定された収容枠揺動モータ39aにより回転可能に支持されている。円板体39bにはピン39cが後方に向けて突出するように植設されており、スリット33bに摺動自在に貫挿されている。つまり、収容枠揺動モータ39aにより円板体39bを回転させることでピン39cを介して舌状部材33aを左右に移動させることができ、これにより収容枠30を揺動軸体35の揺動軸を中心に左右に揺動させ得る。つまり、収容枠30に収容されるリールユニット40は、遊技者からの視線の方向に垂直な面内で左右に揺動できる。
【0031】
再び
図7に
図10を併せて参照すると、上記したように、上下に延びて前後で対になった柱状レール38は、相対する面に開口し上下に延びる溝38aを有する。対となった柱状レール38の間には、上下に延びる板状の軸体支持部材41が備えられ、その前後の端部を溝38aに対して係合させることで上下に摺動自在とされている。
【0032】
図10(b)に示すように、軸体支持部材41には、底板32の図示しない貫通窓に貫挿されて下方に突出する舌状部材41aが設けられている。舌状部材41aは下端近傍に略水平に延びるスリット41bを有している。また、舌状部材41aの左側(
図10(b)では紙面手前側)にはこれと対向するように円板体32cが備えられ、底板32に固定された軸体支持部材摺動モータ32bにより回転可能に支持されている。円板体32cにはピン32dが右方(
図10(b)では紙面奥側)に向けて突出するように植設されており、スリット41bに摺動自在に貫挿されている。つまり、軸体支持部材摺動モータ32bにより円板体32cを回転させることで、ピン32dを介して舌状部材41aを上下に往復動させることができ、これにより軸体支持部材41を上下に摺動させ得る。よって、後述するように軸体支持部材41に取り付けられるリールユニット40を上下に往復直線運動させることができる。つまり、リールユニット40は、遊技者からの視線の方向に垂直な面内で上下に往復動できる。
【0033】
図11に示すように、軸体支持部材41の上方端近傍には左右方向(
図11(a)紙面手前奥方向)に延びる揺動軸を有する吊下軸体42を備える。吊下軸体42には軸体支持部材41と平行な板状体であるリール取付板43が前後方向(
図11(a)紙面左右方向)に揺動自在に吊り下げられる。リール取付板43の吊下軸42より下方には、左右方向に向いた回転軸を有しリール45を回転させるステッピングモータ44が取り付けられる。リール取付板43の下端には、下側に延びる舌状部材43aが接続されている。舌状部材43aは中央に上下方向に延びるスリット43bを有している。また、舌状部材43aの右方(
図11(b)参照)には、これと対向するように軸体支持部材41によって軸支された円板体46aが備えられ、軸体支持部材41に固定されたリールユニット揺動モータ46bにギア等を介して接続されている。円板体46aにはピン46cが左方に向けて突出するように植設されており、スリット43bに摺動自在に貫挿されている。つまり、リールユニット揺動モータ46bにより円板体46aを回転させることでピン46cを介して舌状部材43aを前後に移動させることができ、これによりステッピングモータ44とともにリール45を吊下軸体42の揺動軸を中心として前後に揺動させ得る。つまり、リール取付板43、ステッピングモータ44、リール45を含むリールユニット40が吊下軸体42に吊り下げられるように軸支されて前後方向に揺動可能である。
【0034】
次に、遊技機1に備えられる制御システムについて
図12を用いて説明する。
【0035】
図12に示すように、主制御部50は、図示しないメインCPU、ROM、RAMなどを含み、ROMに記憶されたプログラムに従い、後述する各種操作系からの入力信号に応じて動作する。主制御部50は副制御部51や、電源基板52及びリール制御基板53に接続されるとともに、各種操作系及び表示系に接続される。操作系としては、メダル投入口11から投入された遊技用のメダルを受け付けるセレクタ11’、レバー12、3つのストップボタン13、ベットボタン14、マックスベットボタン15、精算ボタン17などが挙げられる。表示系としては、BET数やリプレイ入賞などを表示する各種遊技用LED63、メダルのクレジット数の表示や払い出し枚数の表示などを行う各種遊技用表示器64が挙げられる。これにより、主制御部50は、操作系の操作に応じてゲーム毎に内部抽選役を決定し、副制御部51及びリール制御基板53に向けて必要な出力を行いつつ、表示系への出力を行い、各ゲームの進行を司る。
【0036】
電源基板52はホッパー装置61や、主電源装置62に接続されている。これにより、主制御部50は、電源基板52を介してホッパー装置61を動作させ、メダルの払い出しを行うことができる。
【0037】
リール制御基板53は、リールユニット40の各リール45を動作させるステッピングモータ44に接続される。これにより、主制御部50は、リール制御基板53を介して各ステッピングモータ44を動作させることで各リール45を所定の速度で回転させ、内部抽選役に基づいた所定の位置で停止させることができる。
【0038】
副制御部51は、図示しないサブCPU、ROM、RAMなどを含み、ROMに記憶されたプログラムに従い、主として主制御部50からの入力に応じて動作する。副制御部51は、リール駆動部制御基板54、液晶シャッター制御基板56及び演出画像制御基板55に接続されるとともに、演出用のランプ類6、スピーカ8、演出ボタン16に接続される。これにより、副制御部51は、主制御部50から入力される内部抽選役を示す信号に基づきゲーム毎に演出の内容を決定し、さらには操作系の入力に基づく信号や演出ボタン16からの入力を必要に応じて受け付けて演出内容の変化を決定する。また、決定された演出を行うための信号をリール駆動部制御基板54、液晶シャッター制御基板56及び演出画像制御基板55や、ランプ類6及びスピーカ8に向けて出力する。
【0039】
リール駆動部制御基板54はリール駆動部20(
図7参照)の収容枠揺動モータ39a、軸体支持部材摺動モータ32b及びリールユニット揺動モータ46bのそれぞれに接続されその動作を司る。これにより、副制御部51は、選択された演出の内容に基づいて、必要に応じてリール駆動部制御基板54を介してリール駆動部20の各モータを動作させ、収容枠30の左右の揺動、各リールユニット40の上下の往復動、及び各リールユニット40の前後の揺動を行わせる。
【0040】
液晶シャッター制御基板56は、液晶シャッター18に接続される。これにより、副制御部51は、選択された演出の内容に基づいて、液晶シャッター制御基板56を介して液晶シャッター18に隠蔽部分を表示させたり、透過部分と遮蔽部分を切り替えたりする動作を行わせる。
【0041】
また、演出画像制御基板55は画像表示部9に接続される。これにより、副制御部51は、選択された演出の内容に基づいて、演出画像制御基板55を介して画像表示部9に演出画像を表示させることができる。なお、その他については公知の回胴式遊技機と同様である。
【0042】
次に、遊技機1の動作について
図1乃至
図6及び
図12を用いて説明する。
【0043】
図12に
図6を併せて参照すると、遊技機1の主制御部50は、遊技者の操作によりメダル投入口11に投入された遊技用のメダルをセレクタ11’により検出すると、メダルのベット数を加算し若しくはクレジット数を加算し、各種遊技用LED63や各種遊技用表示器64への出力を行ってメダルの投入を表示させる。ベット数の加算には、ベットボタン14やマックスベットボタン15からの入力信号に基づいても行い得る。遊技に必要な所定枚数のメダルをベットした状態において、遊技者により操作されたレバー12からの入力信号を受けると、主制御部50は、内部抽選役を所定の確率で抽選して決定するとともにリール制御基板53を介してステッピングモータ44によって各リール45を回転させる。主制御部50は、決定された内部抽選役を示す信号を副制御部51に向けて出力する。
【0044】
決定された内部抽選役を示す信号の入力を受けた副制御部51は、内部抽選役に基づいて演出内容を選択し決定する。副制御部51は、決定された演出内容に基づいて、演出画像制御基板55を介して画像表示部9に演出画像を表示させるとともに、ランプ類6及びスピーカ8を演出内容に合わせて動作させる。ここで、決定された演出内容が特定の演出内容である場合に、副制御部51は、リール駆動部制御基板54を介してリール駆動部20の各モータを動作させ、収容枠30の左右の揺動、各リールユニット40の上下の往復動、及び各リールユニット40の前後の揺動の動作を行わせることができる。また、液晶シャッター制御基板56を介して液晶シャッター18を動作させることができる。
【0045】
続いて、主制御部50は、遊技者により操作されたストップボタン13からの入力信号を受け付けると、決定された内部抽選役や、ストップボタン13からの入力信号を受けた時点における回転中の各リール表面の図柄Xの位置(ステッピングモータ44の基準位置からの回転角度)、各ストップボタン13からの入力信号を受け付けた順番(押し順)に基づいてリール45の停止位置を決定し、決定された停止位置に従いリール制御基板53を介してステッピングモータ44を制御して各リール45をそれぞれ停止させる。
【0046】
主制御部50は、停止させた3つのリール45の停止位置での図柄Xの組み合わせによって当該ゲームでの入賞役を決定し、これに対応する払い出し枚数及び次ゲーム以降の遊技状態を決定する。また、決定された払い出し枚数に従い、メダルの払い出し動作を行う。払い出し動作においては、各種遊技用表示器64のうちメダルのクレジット枚数を上昇させる表示を行い、クレジット枚数の上限に達している場合はホッパー装置61を動作させてメダルをメダル受け皿5に導出させる。
【0047】
主制御部50は、また、ストップボタン13からの入力信号を受け付けたことを示す信号及び各リールの停止位置を示す信号を副制御部51に向けて出力する。これを受けた副制御部51は、決定された演出内容に従った上でリール駆動部制御基板54を介して収容枠揺動モータ39a、軸体支持部材摺動モータ32b及びリールユニット揺動モータ46bのそれぞれに動作を与えるとともに、液晶シャッター制御基板56を介して液晶シャッター18に動作を与えることができる。これらの動作は、決定された演出内容に基づいて次のゲームを開始するまでのあらゆる任意のタイミングで行わせることができる。
【0048】
つまり、内部抽選役に基づき副制御部51によって選択された演出内容が、リール表面の図柄Xに回転以外の移動を与えたり、液晶シャッター18に動作を与えたりする特定の演出内容であった場合に、副制御部51は、リール駆動部制御基板54を介して収容枠揺動モータ39a、軸体支持部材摺動モータ32b及びリールユニット揺動モータ46bをそれぞれ動作させる。これにより、収容枠30を左右に揺動させ、リールユニット40を上下に往復動させ、リールユニット40を前後方向に揺動させる。さらに、液晶シャッター制御基板56を介して液晶シャッター18を動作させる
【0049】
このように、リールユニット40を含む表示装置としてのリール駆動部20の前面を覆う液晶シャッター18を備えることで遊技者の視線の方向に対して垂直な面内で遮蔽させ又は透過させる位置を変化させることができる。さらにリールユニット40は少なくとも左右の揺動及び上下の往復動によって遊技者の視線の方向に対して垂直な面内で移動し、これに伴って図柄Xをかかる垂直面と平行な面内で移動させることができる。これにより、リール45を回転させることなく、垂直面内で移動するリール45の移動による図柄Xの動きに対応させてその前面の液晶シャッター18の透過と遮蔽とを切り替え、視認可能な図柄Xを変化させ得る。つまり、図柄Xによる役の種類の報知に合わせてより多彩な視覚的演出を行い得る。
【0050】
上記したように、例えば
図1に示したような演出を行い得る。
図1(b)及び(c)を参照すると、リールユニット40の上下の往復動によって図柄Xを上下に移動させ、これによって、液晶シャッター18によって得た透過部分に対応する位置に図柄Xを移動させて表示させる。また、
図2(b)、(c)及び
図3(b)のように、収容枠30の左右の揺動とリールユニット40の上下の往復動を併せることによって上記した垂直面内において図柄Xを移動させることもできる。上記したように、これらの演出はボーナス等の入賞の表示、リーチ目の表示、チャンス表示など、役の種類の報知に用い得て、興趣の高い演出とすることができる。また、
図2(c)において説明したように、透過部分を図柄Xの移動にともなって移動させても興趣の高い演出を行い得る。
【0051】
また、例えば
図3(b)において説明したように、有効ラインの外に位置する図柄Xを1つ分以上移動させて有効ライン上まで移動させて演出に使用し得る。これによってもより多彩な演出を可能とし、興趣の高い演出を行い得る。なお、図柄Xを1つ分以上移動させる場合において、有効ライン上の図柄Xも同様に演出に使用し得る。
【0052】
また、例えば
図4及び
図5に示したように、リールユニット40の前後の揺動により、図柄Xを前後に移動させて、液晶シャッター18による透過部分からこれを遊技者に向けて表示する演出を行うこともできる。このように、遊技者の視線に対して垂直面内の移動だけでなく他の方向に図柄Xを移動させてもよく、図柄Xの移動方向を増やしたことでさらに演出の種類を増加させ、より多彩な演出を可能とする。
【0053】
このような、液晶シャッター18を動作させ図柄Xを移動させる演出は、上記したように役の種類の報知に用いることができ、いわゆるフリーズ演出としても行い得る。また、例えば、操作すべきリール45についてのみ手前に位置させたり、操作すべきリール45についてのみ表面の図柄Xを視認させたりして押し順の報知などに用いることもできる。これらの演出は、上記したようにレバー12からの入力信号及び各ストップボタン13からの入力信号をきっかけとして、また、演出ボタン16からの入力をきっかけとして、次ゲームを開始するまでのあらゆるタイミングで行い得る。なお、これらの演出において、リール45を移動させる場合に、移動速度や移動方向を変化させるなどして、遊技者の興趣をより高めるようにすることも好ましい。
【0054】
また、上記したような収容枠30の揺動、リールユニット40の前後の揺動及び上下の往復動はそれぞれ別々に演出に用いてもよいし、複数を併せて演出に用いてもよい。また、リールユニット40の移動及び液晶シャッター18の動作のどちらか一方によって演出を行うこともできる。
【0055】
なお、本実施例においては、リール45は主制御部50によりその回動を制御されるいわゆるメインリールとして説明したが、副制御部51によりその回動を制御されるいわゆるサブリールであってもよい。この場合、遊技結果としての図柄Xの並びは必ずしも入賞役と対応しなくともよい。
【0056】
また、リール45を移動させる機構は上記したものに限らず、例えば、3つのリール45を収容する収容枠30のみが上下方向の往復動を行うものなどであってもよい。このような場合であっても、液晶シャッター18の動作により表示される隠蔽部分の変化と、透過部分を介して視認される図柄Xの移動とを互いに平行な面内で行うことができて、その相乗により図柄Xによる役の種類の報知に合わせて多彩な視覚的演出を行い得る。
【0057】
ここまで本発明による代表的実施例及びこれに基づく改変例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した請求項の範囲を逸脱することなく種々の代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。