【解決手段】5〜320mgのオキシコドンと、該オキシコドンに対して,0.25〜25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンとを含有する経口医薬製剤であって、前記14−ヒドロキシコデイノンの少なくとも1部が、8α,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンから製造されたものである、経口医薬製剤。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、オキシコドンハイドロクロライド組成物
(例えばオキシコドンハイドロクロライドAPI)中の14−ヒドロキシコデイノンの量
の減少方法、およびこの方法から回収された25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノ
ンレベルを有する、結果として生じたオキシコドンハイドロクロライド組成物を目的とす
る。あるいくつかの実施形態において、本発明は、オキシコドンハイドロクロライド組成
物中の14−ヒドロキシコデイノンの量の減少方法であって、オキシコドンハイドロクロ
ライド組成物と、触媒的有効量の遷移金属化合物および水素を含むガスとを、結果として
生じるオキシコドンハイドロクロライド組成物が、25ppm未満、約15ppm未満、
約10ppm未満、または約5pp未満の量の14−ヒドロキシコデイノンを含むレベル
まで、14−ヒドロキシコデイノンの含量を減少させるのに十分な温度および時間、反応
させる工程を含む方法を目的とする。
【0047】
本発明の方法はまた、14−ヒドロキシコデイノン、例えばコデイノンに加えて、オキ
シコドン組成物中のほかのアルファ、ベータ、不飽和ケトンの減少を結果として生じうる
。
【0048】
本発明のあるいくつかの実施形態によれば、オキシコドンハイドロクロライド組成物(
例えばオキシコドンハイドロクロライドAPI)および溶媒が、反応装置に供給される。
ついでこの組成物は、適切な条件下に十分な時間水素化され;触媒が溶媒から除去され;
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロ
ライド組成物が単離され、例えば結晶化および濾過によって除去される。
【0049】
本発明の方法における14−ヒドロキシコデイノンの水素化は、例えば加圧触媒(pres
surized-catalytic)水素化または適切な酸、例えば酢酸中の触媒移動(catalytic trans
fer)水素化を用いることによって達成することができる。特定の水素化反応は、パラジ
ウム−炭素触媒とともに、水素ガスまたはNaHPO
2を用いる。あるいくつかの実施形
態において、14−ヒドロキシコデイノンの水素化における使用のための水素供与体は、
水素、第一および第二アルコール、第一および第二アミン、カルボン酸およびこれらのエ
ステルおよびアミン塩、容易に脱水素化可能な炭化水素(例えば低級アルキル−置換芳香
族炭化水素、例えばエチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ジイソ
プロピルベンゼン、o−エチルトルエン、m−エチルトルエン、p−エチルトルエン、o
−イソプロピルトルエン、m−イソプロピルトルエン、p−イソプロピルトルエン、エチ
ルナフタレン、プロピルナフタレン、イソプロピルナフタレン、およびジエチルナフタレ
ン;パラフィン、例えばエタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イ
ソペンタン、n−へキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、お
よびこれらの分岐鎖異性体;シクロパラフィン、例えばシクロブタン、シクロペンタン、
シクロへキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロへキサン、およびエチルシクロペ
ンタン;オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペン
テン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、およびこれらの分岐
鎖誘導体)、クリーンな還元剤(例えばポリマー担持有機錫水素化物、およびこれらのあ
らゆる適切な組合わせから選択することができる。あるいくつかの実施形態において、水
素化は、2003年6月12日に出願された、発明の名称が「水素ガス供給をともなわな
いオピオイドの水素化(Hydrogenation of Opioids Without Hydrogen Gas Feed)」という
米国仮出願番号第60/477,968号に開示されているように実施することができる
。
【0050】
あるいくつかの実施形態において、水素化は、約5PSIGから約200PSIG、ま
たは約40PSIGから約60PSIGの圧力で実施される。あるいくつかの実施形態に
おいて、水素化は、約20℃から約100℃、または約40℃から約85℃の温度で実施
される。
【0051】
あるいくつかの実施形態において、水素化は、5未満、3未満、または1未満、例えば
約0.5のpHで実施される。
【0052】
本発明のあるいくつかの実施形態において、14−ヒドロキシコデイノンは、ジフェニ
ルシランおよびPd(Ph
3P)/ZnCl
2および次亜リン酸ナトリウムを、水性有機酸
中のPd/C触媒とともに用いた水素化によって;またはPd/C触媒移動水素化によっ
てオキシコドンへ転化される。
【0053】
水素化反応の総反応時間は、14−ヒドロキシコデイノンの含量を、25ppm未満、
約15ppm未満、約10ppm未満、または約5ppm未満のレベルに減少させるのに
十分な時間である。実際の反応時間は、水素化系の温度および効率に応じて変えることが
できる。水素化条件(例えば温度および圧力)に応じて、14−ヒドロキシコデイノン中
で所望の減少を得るための総反応時間は、例えば約10分から約36時間であってもよい
。14−ヒドロキシコデイノンの水素化は、貴金属触媒の存在下に実施することができる
。あるいくつかの実施形態において、適切な触媒は、中でも特に、ラネーコバルト、ラネ
ーニッケル、炭素上のパラジウム、炭素上の白金、アルミナ上のパラジウム、酸化白金、
アルミナ上のルテニウム、アルミナ上のロジウム、または炭素上のロジウムから選択する
ことができる。この還元のための1つの特定の触媒は、炭素上の5%パラジウムである。
炭素触媒上のパラジウムの量は、処理される組成物に対して、約0.05%w/wから約
50%w/w、または約0.5%w/wから約5%w/wであってもよい。
【0054】
反応は、溶媒、例えば水;アルコール(例えばイソプロパノール、メタノール、または
エタノール);テトラヒドロフラン;芳香族炭化水素(例えばベンゼン);エーテル(例
えばジオキサン);低級アルカン酸のエステル(例えばメチルアセテートまたはエチルア
セテート);アミド(例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド、またはほかのN−アルキル置換低級脂肪酸アミド);N−メチルピロリドン
;ホルミルモルホリン;β−メトキシプロピオニトリル;カルボン酸(例えば蟻酸、酢酸
、プロピオン酸、またはほかの低級アルカン酸)、または前記溶媒のいずれか2またはそ
れ以上の適切な混合物中で実施されてもよい。1つの特定の共溶媒の組合わせは、イソプ
ロパノール/水である。
【0055】
あるいくつかの実施形態において、溶媒は典型的には、水素化前に14−ヒドロキシコ
デイノン含有組成物(例えばオキシコドン組成物)と混合される。
【0056】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、オキシコドン遊離塩基組成物(8,14
−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノン成分を有する)のオキシコドンハイドロク
ロライドへの転化を目的とする。当分野において公知の塩形成反応の間、8,14−ジヒ
ドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノン成分は、酸触媒された脱水によって14−ヒドロ
キシコデイノンへ転化される。このようにして、14−ヒドロキシコデイノンは、最終生
成物において増加される。本発明によって、これは、8,14−ジヒドロキシ−7,8−
ジヒドロコデイノンの14−ヒドロキシコデイノンへの反応を促進するために、塩形成に
おける塩酸の量を過負荷し、かつ14−ヒドロキシコデイノンがオキシコドンへ容易に転
化されるのに十分な還元条件を提供することによって減少させることができる。このよう
な実施形態において、塩酸の量は、オキシコドン遊離塩基と比較して、1モル当量を超え
る量である。あるいくつかの実施形態において、塩酸のモル当量は、約1.2モル当量を
超える、または約1.4モル当量を超えてもよい。あるいくつかの実施形態において、塩
酸の量は、約1.5モル当量であってもよい。14−ヒドロキシコデイノンをオキシコド
ンへ追いやる(drive)のに十分な還元条件は、例えば水素供与体を有する触媒によって与
えることができる。
【0057】
さらには塩形成の間、8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンの14−
ヒドロキシコデイノンへの脱水率は、溶液のpHが増すにつれて減少される。したがって
、あるいくつかの実施形態において、溶液のpHは、適切な塩基剤、例えば水酸化ナトリ
ウムを用いて、約1.5から約2.5のpHへ、好ましくは約1.8へ(例えば1未満の
pHから)調節することができる。これはさらに、結晶化の間、8,14−ジヒドロキシ
−7,8−ジヒドロコデイノンからの14−ヒドロキシコデイノンの形成を最小限にする
。好ましくはpH調節は、水素化工程後であって、触媒の除去、および25ppm未満の
14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンの単離の前に実施される。
【0058】
あるいくつかの実施形態において、本発明の方法、または本発明の方法における1また
はそれ以上の関連工程を、14−ヒドロキシコデイノンの量を所望のレベル、例えば約1
0ppm未満、または約5ppm未満に減少させるために一回以上実施することが必要で
あるかもしれない。
【0059】
本発明のあるいくつかの実施形態において、オキシコドンハイドロクロライド組成物は
、あるいくつかの代替方法によって調製することができる。このような代替方法は好まし
くは、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハ
イドロクロライド組成物を結果として生じる。1つのこのような代替方法は、25ppm
未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調
製方法であって、テバイン組成物を酸化して、14−ヒドロキシコデイノン組成物を形成
する工程であって、この酸化が、14−ヒドロキシコデイノン組成物中の8,14−ジヒ
ドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンの生成を最小限にするか、または排除するのに適
したpHで実施される工程;14−ヒドロキシコデイノン組成物を水素化して、オキシコ
ドン塩基組成物を形成する工程;およびこのオキシコドン塩基組成物を、25ppm未満
の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物へ転化す
る工程を含む方法を目的とする。
【0060】
もう1つの代替方法は、14−ヒドロキシコデイノンの調製方法であって、テバイン組
成物を酸化して、14−ヒドロキシコデイノン組成物を形成する工程であって、この酸化
が、14−ヒドロキシコデイノン組成物中の8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロ
コデイノンの生成を最小限にするか、または排除するのに適したpHで実施される工程を
含む方法を目的とする。
【0061】
もう1つの代替方法は、オキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
オキシコドン塩基組成物と、塩酸よりも高いpHを有する酸とを反応させて、オキシコド
ンの対応酸付加塩を形成する工程、およびオキシコドンの酸付加塩をオキシコドンハイド
ロクロライドへ転化する工程を含む方法を目的とする。このような実施形態において、こ
の酸は、酒石酸、蓚酸、フマル酸、リン酸、硫酸、およびこれらの混合物からなる群から
選択されてもよい。
【0062】
もう1つの代替方法は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有
するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、ある量の8,14−ジ
ヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキシコドン塩基組成物と、オキシコ
ドン塩基と比較して優先的に8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを除
去する物質とを接触させる工程;およびこのオキシコドン塩基組成物を、25ppm未満
の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物へ転化す
る工程を含む方法を目的とする。好ましい実施形態において、この接触物質は、ゲルであ
てもよい。さらなる実施形態において、接触工程は、オキシコドン塩基組成物を含む溶液
をこの物質に通すことを含んでもよく、またはオキシコドン塩基組成物およびゲルととも
にスラリーを形成することを含んでもよい。
【0063】
もう1つの代替方法は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有
するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、ある量の8,14−ジ
ヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキシコドン塩基組成物を、クロマト
グラフィー分離に付して、オキシコドン塩基と比較して優先的に8,14−ジヒドロキシ
−7,8−ジヒドロコデイノンを除去する工程;およびこのオキシコドン塩基組成物を、
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライド
組成物へ転化する工程を含む方法を目的とする。好ましい実施形態において、クロマトグ
ラフィー分離は、疑似移動床である。
【0064】
もう1つの代替方法は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有
するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、ある量の14−ヒドロ
キシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物と、オキシコドンハイド
ロクロライドと比較して優先的に14−ヒドロキシコデイノンを除去する物質とを接触さ
せる工程;および25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハ
イドロクロライド組成物を回収する工程を含む方法を目的とする。好ましい実施形態にお
いて、この接触物質は、ゲルであってもよい。さらなる実施形態において、接触工程は、
オキシコドンハイドロクロライド組成物を含む溶液をこの物質に通すことを含んでもよく
、またはオキシコドンハイドロクロライド組成物およびゲルとともにスラリーを形成する
ことを含んでもよい。
【0065】
もう1つの代替方法は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有
するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、ある量の14−ヒドロ
キシコデイノンを有するオキシコドンハイドロクロライド組成物を、クロマトグラフィー
分離に付して、オキシコドンハイドロクロライドと比較して優先的に14−ヒドロキシコ
デイノンを除去する工程;および25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有する
オキシコドンハイドロクロライド組成物を回収する工程を含む方法を目的とする。好まし
い実施形態において、このクロマトグラフィー分離は、疑似移動床である。
【0066】
もう1つの代替方法は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有
するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、適切な溶媒中で、ある
量の8,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキシコドン塩基組
成物とボロネート化ポリスチレン樹脂とを反応させる工程;およびこのオキシコドン塩基
組成物を、25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンを有するオキシコドンハイドロ
クロライド組成物に転化する工程を含む方法を目的とする。好ましくはこの反応工程は、
約20℃以下の温度で実施される。
【0067】
もう1つの代替方法は、オキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
適切な溶媒中で、オキシコドン塩基組成物とボロネート化ポリスチレン樹脂とを反応させ
る工程;およびこのオキシコドン塩基組成物を、オキシコドンハイドロクロライド組成物
に転化する工程を含む方法を目的とする。好ましくはこの反応工程は、約20℃以下の温
度で実施される。
【0068】
もう1つの代替方法は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有
するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、塩酸と、ある量の8,
14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキシコドン塩基組成物とを
、溶媒中で組合わせて、溶液を形成する工程;およびこの溶液を噴霧乾燥して、25pp
m未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライ
ド組成物を発生させる工程を含む方法を目的とする。
【0069】
もう1つの代替方法は、25ppm未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有
するオキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、塩酸と、ある量の8,
14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンを有するオキシコドン塩基組成物とを
、溶媒中で組合わせて、溶液を形成する工程;およびこの溶液を凍結乾燥して、25pp
m未満の量の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライ
ド組成物を発生させる工程を含む方法を目的とする。
【0070】
もう1つの代替方法は、オキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
塩酸とオキシコドン塩基組成物とを、溶媒中で組合わせて、溶液を形成する工程;および
この溶液を噴霧乾燥して、オキシコドンハイドロクロライドを発生させる工程を含む方法
を目的とする。
【0071】
もう1つの代替方法は、オキシコドンハイドロクロライド組成物の調製方法であって、
塩酸とオキシコドン塩基組成物とを、溶媒中で組合わせて、溶液を形成する工程;および
この溶液を凍結乾燥して、オキシコドンハイドロクロライドを発生させる工程を含む方法
を目的とする。
(さらなる実施形態)
【0072】
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロク
ロライドは、例えば25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシ
コドンハイドロクロライドと従来の賦形剤、すなわち製薬的に許容しうる有機または無機
キャリヤー物質との混合物によって、製薬剤形中に組み込まれうる。経口製剤については
、これらの剤形は、活性物質の徐放性を与えることができる。適切な製薬的に許容しうる
キャリヤーは、アルコール、アラビアゴム、植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレン
グリコール、ゲル化物(gelate)、炭水化物、例えばラクトース、アミロース、もしくはデ
ンプン、マグネシウムステアレート、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、香油、脂肪酸モ
ノグリセリドおよびジグリセリド、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル、ヒドロキシメ
チルセルロース、ポリビニルピロリドンなどを包含するが、これらに限定されるわけでは
ない。これらの製薬調製物は、滅菌することができ、所望であれば、補助剤、例えば潤滑
剤、崩壊剤、防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧緩衝剤に影響を与えるための塩、
着色料、風味物質および/または芳香性物質などと混合することができる。経口使用のた
めに意図された組成物は、当分野において公知のあらゆる方法にしたがって調製されても
よく、このような組成物は、タブレットの製造に適した、不活性で非毒性の製薬的に許容
しうる賦形剤からなる群から選択された、1またはそれ以上の剤を含有してもよい。この
ような賦形剤は、例えば不活性希釈剤、例えばラクトース;造粒化剤および崩壊剤、例え
ばコーンスターチ;結合剤、例えばデンプン;および潤滑剤、例えばマグネシウムステア
レートを包含する。これらのタブレットは、コーティングされていなくてもよく、または
これらは、優雅さを与えるために、または活性成分の放出を遅らせるために、公知技術に
よってコーティングされてもよい。経口使用のための製剤はまた、活性成分が不活性希釈
剤と混合されているハードゼラチンカプセルとして提供されてもよい。本発明の経口剤形
は、タブレット(徐放性および/または即時放出)、トローチ、飴錠剤(lozenges)、粉末
もしくは顆粒、ハードもしくはソフトカプセル、微粒子(例えばマイクロカプセル、微小
球など)、口腔錠、座薬、溶液、縣濁液などの形態にあってもよい。
【0073】
あるいくつかの実施形態において、本発明は、本明細書に記載された剤形をヒトの患者
へ投与することによる、疼痛の治療方法を提供する。
【0074】
この剤形が経口であるとき、本発明の剤形は、25ppm未満の14−ヒドロキシコデ
イノンレベルを有する、約10mgから約320mgのオキシコドンハイドロクロライド
を含有する。一日2回の投薬に特に好ましい投薬量は、約5mg、約10mg、約15m
g、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約80mg、約1
00mg、または約160mgである。一日1回の投薬に特に好ましい投薬量は、約10
mg、約20mg、約30mg、約40mg、約60mg、約80mg、約100mg、
約120mg、約160mg、または約320mgである。25ppm未満の14−ヒド
ロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドはまた、25ppm未
満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドの徐放
性を与えるのに適した、製薬的に許容しうる賦形剤とともに配合することができる。この
ような製剤は、米国特許第5,266,331号;第5,508,042号;第5,54
9,912号;および第5,656,295号にしたがって調製することができる。
【0075】
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロク
ロライドは、当業者に公知のあらゆる適切なタブレット、コーティングされたタブレット
、または多微粒子製剤中に徐放性経口製剤として配合することができる。この徐放性剤形
は、オキシコドンまたはこれの塩とともにマトリックス中に組み込まれる徐放性材料を含
んでもよい。
【0076】
この徐放性剤形は場合により、25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを
有するオキシコドンを含有する粒子を含んでもよい。あるいくつかの実施形態において、
これらの粒子は、約0.1mmから約2.5mm、好ましくは約0.5mmから約2mm
の直径を有する。好ましくはこれらの粒子は、水性媒質中において、持続した速度での活
性物質の放出を可能にする材料でフィルムコーティングされる。このフィルムコートは、
ほかの記載された特性と組合わせて、所望の放出特性を得るように選択される。本発明の
徐放性コーティング製剤は好ましくは、滑らかで優雅な、強い連続フィルムを生成するこ
とができ、非毒性、不活性で粘着性のない顔料およびほかのコーティング添加剤を維持(s
upport)しうるものであるべきである。
(コーティングされたビーズ)
【0077】
本発明のあるいくつかの実施形態において、不活性製薬ビーズ、例えばニュー・パリエ
ル(nu pariel)18/20ビーズをコーティングするために、疎水性材料が用いられ、そ
の後、結果として生じた複数の固体徐放性ビーズが、摂取されて環境流体、例えば胃液ま
たは溶解媒質によって接触されたときに有効な徐放性投与量を与えるのに十分な量で、ゼ
ラチンカプセル中に入れられてもよい。
【0078】
本発明の徐放性ビーズ製剤は、例えば摂取されて胃液へ、ついで腸液へ暴露されたとき
、本発明の活性物質をゆっくりと放出する。本発明の製剤の徐放性プロフィールは、例え
ば疎水性材料を用いて上塗り量を様々に変えることによって、可塑剤が疎水性材料へ添加
される方法を変更することによって、疎水性材料に対する可塑剤の量を変えることによっ
て、追加成分または賦形剤を含めることによって、製造方法を変更することなどによって
、変更することができる。最終製品の溶解プロフィールはまた、例えば遅延化コーティン
グの厚さを増加または減少させることによって修正されてもよい。
【0079】
本発明の単数または複数の剤でコーティングされたスフェロイドまたはビーズは、例え
ばこの剤を水中に溶解し、ついでこの溶液を基体、例えばニュー・パリエル18/20ビ
ーズへ、ウスターインサート(Wuster insert)を用いて噴霧することによって調製される
。場合により、活性物質のこれらのビーズへの結合を補助するために、および/またはこ
の溶液を着色するためなどに、ビーズをコーティングする前に追加成分も添加される。例
えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを、着色料(例えば、カラーコン社(Col
orcon,Inc.)から市販されているオパドライ(Opadry)(登録商標))をともなって、また
はともなわずに含む製品が、この溶液へ添加されてもよく、この溶液は、ビーズ上へのこ
れの塗布前に(例えば約1時間)混合される。結果として生じたコーティングされた基体
、この例ではビーズは、ついで場合により、活性物質を疎水性徐放性コーティングから分
離するために、バリヤー剤で上塗りされてもよい。適切なバリヤー剤の一例は、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロースを含むものである。しかしながら、当分野において公知のあ
らゆる皮膜形成剤が用いられてもよい。バリヤー剤が、最終製品の溶解率に影響を与えな
いことが好ましい。
【0080】
ついでこれらのビーズは、疎水性材料の水性分散液で上塗りされてもよい。疎水性材料
の水性分散液は好ましくはさらに、有効量の可塑剤、例えばトリエチルシトレートも含む
。エチルセルロースの予め配合された水性分散液、例えばアクアコート(Aquacoat)(登録
商標)またはスーリリース(Surelease)(登録商標)が用いられてもよい。スーリリース
(登録商標)が用いられるならば、別に可塑剤を添加する必要がない。あるいはまた、ア
クリルポリマーの予め配合された水性分散液、例えばオイドラギット(Eudragit)(登録商
標)を用いることもできる。
【0081】
本発明のコーティング溶液は好ましくは、皮膜形成剤、可塑剤、および溶媒系(すなわ
ち水)に加えて、優雅さと製品の識別を与えるために着色料も含有する。疎水性材料の水
性分散液の代わりに、またはこれに加えて、カラーが、治療的活性剤の溶液に添加されて
もよい。例えばカラーは、アクアコート(登録商標)へ、アルコールまたはプロピレング
リコールベースのカラー分散液、粉砕アルミニウムレーキ、および乳白剤、例えば二酸化
チタンの使用を介して、水溶性ポリマー溶液へせん断とともにカラーを添加することによ
って、ついで可塑化アクアコート(登録商標)へ低せん断を用いることによって添加され
てもよい。あるいはまた、本発明の製剤へカラーを与える適切なあらゆる方法が用いられ
てもよい。アクリルポリマーの水性分散液が用いられるときに、製剤へカラーを与えるの
に適した成分は、二酸化チタンおよびカラー顔料、例えば鉄オキサイド顔料を包含する。
顔料の組み込みは、しかしながら、コーティングの遅延効果を増すことがある。
【0082】
可塑化疎水性材料は、当分野において公知のあらゆる適切な噴霧装置を用いて噴霧する
ことによって、これらの剤を含む基体へ塗布されてもよい。好ましい方法において、下か
ら射出されたエアジェットがコア材料を流動化し、アクリルポリマーコーティングが上に
噴霧されている間に乾燥を実施するビュルスター(Wurster)流動床系が用いられる。コー
ティングされた基体が、水溶液、例えば胃液へ暴露されたときに、これらの剤の予め決定
された徐放性を得るのに十分な量の疎水性材料が塗布されてもよい。疎水性材料でのコー
ティング後、皮膜形成剤、例えばオパドライ(登録商標)のさらなる上塗りが、場合によ
りビーズへ加えられる。この上塗りは、もしあるとすれば、ビーズの凝集を実質的に減少
させるために与えられる。
【0083】
本発明の徐放性製剤からの剤の放出は、1またはそれ以上の放出修正剤の添加によって
、またはコーティングを通る1またはそれ以上の通路を備えることによって、さらに影響
されうる。すなわち所望の速度に調節されうる。疎水性材料対水溶性材料の比は、ほかの
要因の中でも特に、必要とされる放出速度、および選択された材料の溶解性特徴によって
決定される。
【0084】
細孔形成剤として機能する放出修正剤は、有機または無機であってもよく、使用環境に
おいてコーティングから溶解されるか、抽出されるか、または滲出されうる材料を含む。
細孔形成剤は、1またはそれ以上の親水性材料、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロ
ースを含んでもよい。
【0085】
本発明の徐放性コーティングはまた、浸食促進剤、例えばデンプンおよびガムを含んで
もよい。
【0086】
本発明の徐放性コーティングはまた、使用環境において、微孔質薄層を作るために有用
な材料、例えばポリカーボネートを含んでもよい。このポリカーボネートは、カーボネー
ト基がポリマー鎖において再発生する(reoccur)炭酸の線状ポリエステルからなっている
。
【0087】
この放出修正剤はまた、半透過性ポリマーを含んでもよい。
【0088】
あるいくつかの好ましい実施形態において、この放出修正剤は、ヒドロキシプロピルメ
チルセルロース、ラクトース、金属ステアレート、および前記のもののいずれかの混合物
から選択される。
【0089】
本発明の徐放性コーティングはまた、少なくとも1つの通路、オリフィスなどを含む出
口手段を含んでもよい。この通路は、米国特許第3,845,770号;第3,916,
8989号;第4,063,064号;および第4,088,864号に開示されている
ような方法によって形成されてもよい。
(マトリックス製剤)
【0090】
本発明のほかの実施形態において、徐放性製剤は、場合により本明細書において示され
た徐放性コーティングを有するマトリックスを介して得られる。徐放性マトリックス中に
含めるのに適した材料は、マトリックスを形成するために用いられる方法による。
【0091】
マトリックスは、例えば25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有する
オキシコドンハイドロクロライドに加えて、次のものを含んでもよい:
【0092】
親水性および/または疎水性材料、例えばガム、セルロースエーテル、アクリル樹脂、
タンパク質由来材料;このリストは、排他的であると意図されているのではない。そして
、剤の徐放性を付与することができ、かつ融解する(または押出されるのに必要な程度ま
で軟化する)、あらゆる製薬的に許容しうる疎水性材料または親水性材料が、本発明にし
たがって用いられてもよい。
【0093】
消化性長鎖(C
8−C
50、特にC
12−C
40)置換もしくは非置換炭化水素、例えば脂肪
酸、脂肪アルコール、脂肪酸のグリセリルエステル、鉱油および植物油およびワックス、
およびステアリルアルコール;およびポリアルキレングリコール。
【0094】
これらのポリマーのうち、アクリルポリマー、特にオイドラギット(登録商標)RSP
O−セルロースエーテル、特にヒドロキシアルキルセルロース、およびカルボキシアルキ
ルセルロースが好ましい。経口剤形は、1%および80%(重量)の間の少なくとも1つ
の親水性または疎水性材料を含有してもよい。
【0095】
疎水性材料が炭化水素であるとき、この炭化水素は好ましくは25℃から90℃の融点
を有する。長鎖炭化水素材料のうち、脂肪(脂肪族)アルコールが好ましい。経口剤形は
、60%(重量)までの少なくとも1つの消化性長鎖炭化水素を含有してもよい。
【0096】
好ましくは経口剤形は、60%(重量)までの少なくとも1つのポリアルキレングリコ
ールを含有する。
【0097】
この疎水性材料は好ましくは、アルキルセルロース、アクリル酸およびメタクリル酸ポ
リマーおよびコポリマー、シェラック、ゼイン、水素化ヒマシ油、水素化植物油、または
これらの混合物からなる群から選択される。本発明のあるいくつかの好ましい実施形態に
おいて、この疎水性材料は、製薬的に許容しうるアクリルポリマーであり、これは非限定
的に、アクリル酸およびメタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレート、メチルメタク
リレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、ア
ミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、
メタクリル酸アルキルアミンコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタク
リル酸)(無水物)、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸無
水物)、およびグリシジルメタクリレートコポリマーを包含する。ほかの実施形態におい
て、この疎水性材料は、材料、例えばヒドロキシアルキルセルロース、例えばヒドロキシ
プロピルメチルセルロースおよび前記のものの混合物から選択される。
【0098】
好ましい疎水性材料は、水不溶性であり、多少なりとも顕著な親水性および/または疎
水性傾向をともなう。好ましくは、本発明において有用な疎水性材料は、約2530℃か
ら約200℃、好ましくは約45℃から約90℃の融点を有する。具体的にはこの疎水性
材料は、天然または合成ワックス、脂肪アルコール(例えばラウリル、ミリスチル、ステ
アリル、セチル、または好ましくはセトステアリルアルコール)、脂肪酸を含んでもよく
、これは非限定的に、脂肪酸エステル、脂肪酸グリセリド(モノ−、ジ−、およびトリ−
グリセリド)、水素化脂肪、炭化水素、ノーマルワックス、ステアリン酸、ステアリルア
ルコール、および炭化水素主鎖を有する疎水性および親水性材料を包含する。適切なワッ
クスは、例えば蜜蝋、グリコワックス、キャスター(castor)ワックス、およびカルナウ
バワックスを包含する。本発明の目的のためには、ワックス様物質は、室温で標準的には
固体であり、かつ約25℃から約100℃の融点を有するあらゆる材料として規定される
。
【0099】
本発明にしたがって用いられてもよい適切な疎水性材料は、消化性長鎖(C
8−C
50、
特にC
12−C
40)置換もしくは非置換炭化水素、例えば脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸
のグリセリルエステル、鉱油および植物油、および天然および合成ワックスを包含する。
25℃から90℃の融点を有する炭化水素が好ましい。長鎖炭化水素材料のうち、脂肪(
脂肪族)アルコールが、あるいくつかの実施形態において好ましい。経口剤形は、60%
(重量)までの少なくとも1つの消化性長鎖炭化水素を含有してもよい。
【0100】
好ましくは、2またはそれ以上の疎水性材料の組合わせが、これらのマトリックス製剤
中に含まれている。追加の疎水性材料が含まれるならば、天然および合成ワックス、脂肪
酸、脂肪アルコール、およびこれの混合物から好ましくは選択される。その例は、蜜蝋、
カルナウバワックス、ステアリン酸、およびステアリルアルコールを包含する。このリス
トは、排他的であると意図されているのではない。
【0101】
1つの特定の適切なマトリックスは、少なくとも1つの水溶性ヒドロキシアルキルセル
ロース、少なくとも1つのC
12−C
36、好ましくはC
14−C
22脂肪族アルコール、および
場合により少なくとも1つのポリアルキレングリコールを含む。少なくとも1つのヒドロ
キシアルキルセルロースは好ましくは、ヒドロキシ(C
1−C
6)アルキルセルロース、例
えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および特に
ヒドロキシエチルセルロースである。本経口剤形中の少なくとも1つのヒドロキシアルキ
ルセルロースの量は、とりわけ、必要とされるオキシコドンハイドロクロライド放出の正
確な速度によって決定されるであろう。少なくとも1つのこの脂肪族アルコールは、例え
ばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、またはステアリルアルコールであっても
よい。本経口剤形の特に好ましい実施形態において、しかしながら、少なくとも1つのこ
の脂肪族アルコールは、セチルアルコールまたはセトステアリルアルコールである。本経
口剤形中の少なくとも1つのこの脂肪族アルコールの量は、上記のように、必要とされる
オピオイドオキシコドン放出の正確な速度によって決定されるであろう。これはまた、少
なくとも1つのポリアルキレングリコールが、経口剤形中に存在するか、または不存在で
あるかによるであろう。少なくとも1つのポリアルキレングリコールの不存在の場合、こ
の経口剤形は好ましくは、20%から50%(重量)の少なくとも1つの脂肪族アルコー
ルを含有する。少なくとも1つのポリアルキレングリコールがこの経口剤形中に存在する
とき、その場合には少なくとも1つのこの脂肪族アルコールと少なくとも1つのポリアル
キレングリコールとの組合わされた重量は、好ましくは総投薬量の20%から50%(重
量)を構成する。
【0102】
1つの実施形態において、例えば少なくとも1つのこのヒドロキシアルキルセルロース
またはアクリル樹脂対少なくとも1つのこの脂肪族アルコール/ポリアルキレングリコー
ルの比は、少なくとも1つのヒドロキシアルキルセルロース対少なくとも1つの脂肪族ア
ルコール/ポリアルキレングリコールの(w/w)を決定し、1:2から1:4が好まし
く、1:3から1:4の比が特に好ましい。
【0103】
少なくとも1つのポリアルキレングリコールは、例えばポリプロピレングリコールであ
ってもよく、または(こちらが好ましいが)ポリエチレングリコールであってもよい。少
なくとも1つのポリアルキレングリコールの数平均分子量は、1000から15000、
特に1,500から12000が好ましい。
【0104】
もう1つの適切な徐放性マトリックスは、アルキルセルロース(特にエチルセルロース
)、(C
12−C
36)脂肪族アルコール、および場合によりポリアルキレングリコールを含
むであろう。
【0105】
もう1つの好ましい実施形態において、このマトリックスは、少なくとも2つの疎水性
材料の製薬的に許容しうる組合わせを含む。
【0106】
上記成分に加えて、徐放性マトリックスはまた、適量のほかの材料、例えば製薬分野に
おいて慣習的な希釈剤、潤滑剤、バインダー、造粒化助剤、着色料、風味料、および滑剤
を含有してもよい。
(マトリックス−微粒子)
【0107】
この発明による固体の徐放性経口剤形の調製を容易にするために、当業者に公知のマト
リックス製剤のあらゆる調製方法が用いられてもよい。例えばマトリックス中への組み込
みは、例えば(a)少なくとも1つの水溶性ヒドロキシアルキルセルロース、および25
ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライ
ドを含む顆粒の形成工程;(b)顆粒を含有するヒドロキシアルキルセルロースと少なく
とも1つのC
12−C
36脂肪族アルコールとを混合する工程;および(c)場合により、こ
れらの顆粒を圧縮および造形する工程によって実施されてもよい。好ましくはこれらの顆
粒は、ヒドロキシアルキルセルロース顆粒を水で湿潤造粒化することによって形成される
。
【0108】
さらにほかの代替実施形態において、スフェロイドを形成するために、球状化剤(spher
onizing agent)が、活性物質とともに球状化されうる。微晶質セルロースが好ましい球状
化剤である。適切な微小質セルロースは、例えばアビセル(Avicel)PH101(商標、F
MCコーポレーション)として販売されている材料である。このような実施形態において
、活性成分および球状化剤に加えて、これらのスフェロイドはまた、バインダーを含有し
てもよい。適切なバインダー、例えば低粘度水溶性ポリマーは、製薬分野の当業者に周知
であろう。しかしながら水溶性ヒドロキシ低級アルキルセルロース、例えばヒドロキシプ
ロピルセルロースが好ましい。それに加えて(または代替的に)、これらのスフェロイド
は、水不溶性ポリマー、特にアクリルポリマー、アクリルコポリマー、例えばメタクリル
酸−エチルアクリレートコポリマー、またはエチルセルロースを含有してもよい。このよ
うな実施形態において、徐放性コーティングは一般に、疎水性材料、例えば(a)単独ま
たは脂肪アルコールと混合したワックス、(b)シェラックまたはゼインを含むであろう
。
(メルト押出しマトリックス)
【0109】
徐放性マトリックスはまた、メルト造粒化またはメルト押出し技術を介して調製するこ
ともできる。一般に、メルト造粒化技術は、標準的には固体の疎水性材料、例えばワック
スの融解工程、およびその中への粉末薬剤の組み込み工程を包含する。徐放性剤形を得る
ために、追加の疎水性物質、例えばエチルセルロースまたは水不溶性アクリルポリマーを
、溶融ワックス疎水性材料中へ組み込むことが必要なことがある。メルト造粒化技術を介
して調製された徐放性製剤の例は、米国特許第4,861,598号に見られる。
【0110】
追加の疎水性材料は、おそらくは1またはそれ以上のワックス様熱可塑性物質と混合さ
れる、1またはそれ以上の水不溶性ワックス様熱可塑性物質を含んでもよく、これらの熱
可塑性物質は、前記1またはそれ以上の水不溶性ワックス様物質よりも疎水性でない。一
定の放出を得るために、この製剤中の個々のワックス様物質は、当初の放出段階の間、胃
腸液中に実質的に非分解性かつ不溶性であるべきである。有用な水不溶性ワックス様物質
は、約1:5000(w/w)よりも低い水溶解性を有するものであってもよい。
【0111】
上記成分に加えて、徐放性マトリックスはまた、適量のほかの材料、例えば製薬分野に
おいて慣習的な希釈剤、潤滑剤、バインダー、造粒化助剤、着色料、風味料、および滑剤
を含有してもよい。これらの追加材料の量は、所望の製剤へ所望の効果を与えるのに十分
であろう。
【0112】
上記成分に加えて、メルト押出しされた多微粒子を組み込む徐放性マトリックスはまた
、適量のほかの材料、例えば製薬分野において慣習的な希釈剤、潤滑剤、バインダー、造
粒化助剤、着色料、風味料、および滑剤を、所望であれば、この微粒子の約50重量%ま
での量で含有してもよい。
【0113】
経口剤形を配合するために用いられてもよい、製薬的に許容しうるキャリヤーおよび賦
形剤の特定例は、「製薬賦形剤のハンドブック(Handbook of Pharmacerutical Excipient
s)」、米国製薬協会(American Pharmaceutical Association)(1986)に記載されている。
(メルト押出し多微粒子)
【0114】
本発明によるメルト押出しされた適切なマトリックスの調製は例えば、25ppm未満
の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドを、少な
くとも1つの疎水性材料、および好ましくは均質混合物を得るための追加の疎水性材料と
ともにブレンドする工程を包含する。ついでこの均質混合物は、この混合物を押出すのに
十分なほど、これを少なくとも軟化させるのに十分な温度に加熱される。ついで結果とし
て生じた均質混合物が押出されて、ストランドを形成する。この押出し物は、好ましくは
冷却され、当分野において公知のあらゆる手段によって多微粒子にカットされる。これら
のストランドが冷却され、多微粒子にカットされる。ついでこれらの多微粒子は、単位用
量に分けられる。この押出し物は好ましくは、約0.1から約5mmの直径を有し、約8
から約24時間の間、治療的活性剤の徐放性を与える。
【0115】
本発明のメルト押出し物の任意調製方法は、疎水性材料、すなわち25ppm未満の1
4−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライド、および任意
バインダーを押出し機中に直接計量供給する工程;均質混合物を加熱する工程;均質混合
物を押出し、これによってストランドを形成する工程;均質混合物を含有するストランド
を冷却する工程;これらのストランドを、約0.1mmから約12mmのサイズを有する
粒子にカットする工程;および前記粒子を単位用量に分ける工程を包含する。本発明のこ
の態様において、比較的連続的な製造手順が実施される。
【0116】
押出し機開口部または出口ポートの直径はまた、押出されたストランドの厚さを様々に
変えるように調節することもできる。さらにはこの押出し機の出口部分は、丸いものであ
る必要がなく、これは長円、長方形などであってもよい。出て行くストランドは、ホット
ワイヤカッター、ギロチンなどを用いて粒子に縮小することができる。
【0117】
メルト押出しされた多微粒子系は、押出し機出口オリフィスに応じて、例えば顆粒、ス
フェロイド、またはペレットの形態にあってもよい。本発明の目的のためには、「メルト
押出しされた多微粒子」および「メルト押出しされた多微粒子系」および「メルト押出し
された粒子」という用語は、好ましくは同様なサイズおよび/または形状の範囲内にあり
、かつ1またはそれ以上の剤および1またはそれ以上の賦形剤を含有し、好ましくは本明
細書に記載されている疎水性材料を含む複数の単位のことを言うものとする。この点に関
して、メルト押出しされた多微粒子は、長さが約0.1から約12mmの範囲のものであ
り、約0.1から約5mmの直径を有するであろう。加えて、メルト押出しされた多微粒
子は、このサイズ範囲内のあらゆる幾何学形状であってもよいと理解すべきである。ある
いはまた、この押出し物は、単純に所望の長さにカットされ、球状化工程の必要もなく、
治療的活性剤の単位用量に分けられてもよい。
【0118】
1つの好ましい実施形態において、経口剤形は、カプセル中に有効量のメルト押出しさ
れた多微粒子を含むように調製される。例えば、複数のメルト押出しされた多微粒子は、
摂取されて胃液によって接触されたときに、有効な徐放性用量を提供するのに十分な量で
、ゼラチンカプセル中に入れられてもよい。
【0119】
もう1つの好ましい実施形態において、適量の多微粒子押出し物は、従来のタブレット
化装置を用い、標準的技術を用いて、経口タブレットとして圧縮される。タブレット(圧
縮および成形されたもの)、カプセル(ハードおよびソフトゼラチン)、およびピルの製
造のための技術および組成物もまた、「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceuti
cal Sciences)」(アーサー・オソール(Arthur Osol)、編集者)、1553−1593(1980)に記
載されている。
【0120】
さらにもう1つの好ましい実施形態において、押出し物は、上にさらに詳細に記載され
ている米国特許第4,957,681号(クリメッシュ(Klimesch)ら)に示されているタ
ブレットとして造形することができる。
【0121】
場合により、これらの徐放性メルト押出しされた多微粒子系またはタブレットは、コー
ティングされてもよく、または多微粒子が入っているゼラチンカプセルは、徐放性コーテ
ィング、例えば上記の徐放性コーティングでさらにコーティングされてもよい。このよう
なコーティングは好ましくは、約2から約30パーセントの重量増加レベルを得るのに十
分な量の疎水性材料を含む。ただし、上塗りは、ほかのものの中でも、所望の放出速度に
応じてより大きくてもよい。
【0122】
本発明のメルト押出しされた単位剤形はさらに、カプセル封入される前に、メルト押出
しされた粒子の組合わせを含んでもよい。さらには、これらの単位剤形はまた、迅速な放
出のためにある量の即時放出剤を含んでもよい。この即時放出剤は、例えばゼラチンカプ
セル中の別々のペレットとして組み込まれてもよく、または剤形(例えば徐放性コーティ
ングまたはマトリックベース)の調製後、多微粒子の表面上にコーティングされてもよい
。本発明の単位剤形はまた、所望の効果を得るために、徐放性ビーズとマトリックス微粒
子との組合わせを含有してもよい。
【0123】
本発明の徐放性製剤は好ましくは、例えば、摂取されて胃液ついで腸液に暴露されたと
き、これらの剤をゆっくりと放出する。本発明のメルト押出しされた製剤の徐放性プロフ
ィールは、例えば遅延化剤すなわち疎水性材料の量を変えることによって、疎水性材料に
対する可塑剤の量を変えることによって、追加成分または賦形剤を含めることによって、
製造方法を変更することなどによって、変更することができる。
【0124】
本発明のほかの実施形態において、このメルト押出しされた材料は、25ppm未満の
14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドを含めずに
調製される。これは、その後押出し物へ添加されてもよい。このような製剤は典型的には
、押出しされたマトリックス材料とともにブレンドされた剤を有するであろう。ついでこ
の混合物は、遅い放出の製剤を提供するためにタブレット化されるであろう。
(コーティング)
【0125】
本発明の剤形は場合により、放出の調整のため、または製剤の保護のために適した1ま
たはそれ以上の材料でコーティングされてもよい。1つの実施形態において、コーティン
グは、pH−依存性またはpH−非依存性放出を可能にするために与えられる。pH−依
存性コーティングは、胃腸(GI)管の所望の部位、例えば胃または小腸において活性物
質を放出するのに役立ち、したがって少なくとも約8時間、好ましくは約12時間から約
24時間までの痛覚脱失を患者に与えることができる吸収プロフィールが与えられる。p
H−非依存性コーティングが望まれるとき、このコーティングは、環境液、例えばGI管
におけるpH−変化には無関係に、最適な放出を得るように設計される。GI管の1つの
所望の区域、例えば胃において、この用量の一部分を放出し、GI管の別の区域、例えば
小腸において、この用量の残りを放出する組成物を配合することも可能である。
【0126】
製剤を得るためにpH−依存性コーティングを利用する、本発明による製剤はまた、反
復作用効果を付与することもでき、これによって、非保護薬剤が、腸溶性コート上にコー
ティングされ、胃の中に放出され、一方、残りが腸溶性コーティングによって保護され、
さらに下の胃腸管で放出される。pH−依存性であるコーティングが、本発明にしたがっ
て用いられてもよく、これは、シェラック、セルロースアセテートフタレート(CAP)
、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
フタレート、およびメタクリル酸エステルコポリマー、ゼインなどを包含する。
【0127】
あるいくつかの実施形態において、その25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノン
レベルを有するオキシコドンハイドロクロライドを含有する基体(例えばタブレットコア
ビーズ、マトリックス粒子)は、(i)アルキルセルロース;(ii)アクリルポリマー
;または(iii)これらの混合物から選択された疎水性材料でコーティングされる。こ
のコーティングは、有機または水性の溶液または分散液の形態で塗布されてもよい。この
コーティングは、所望の徐放性プロフィールを得るために、この基体の約2から約25%
の重量増加を得るように塗布されてもよい。水性分散液に由来するコーティングは、例え
ば米国特許第5,273,760号および第5,286,493号に詳細に記載されてい
る。
【0128】
本発明にしたがって用いることができる徐放性製剤およびコーティングのほかの例は、
米国特許第5,324,351号;第5,356,467号;および第5,472,71
2号に記載されたものを包含する。
(アルキルセルロースポリマー)
【0129】
アルキルセルロースを包含するセルロース材料およびポリマーは、本発明によるビーズ
をコーティングするのに適した疎水性材料を提供する。単なる例として、1つの好ましい
アルキルセルロースポリマーは、エチルセルロースである。ただし、当業者であれば、ほ
かのセルロースおよび/またはアルキルセルロースポリマーが、単一またはあらゆる組合
わせとして、本発明による疎水性コーティングの全部または一部として容易に用いられう
ることを理解するであろう。
(アクリルポリマー)
【0130】
本発明のほかの好ましい実施形態において、徐放性コーティングを含む疎水性材料は、
製薬的に許容しうるアクリルポリマーであり、これは、非限定的に、アクリル酸およびメ
タクリル酸コポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレー
ト、シアノエチルメタクリレート、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタク
リル酸アルキルアミドコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリメタクリレート
、ポリ(メチルメタクリレート)コポリマー、ポリアクリルアミド、アミノアルキルメタ
クリレートコポリマー、ポリ(メタクリル酸無水物)、およびグリシジルメタクリレート
コポリマーを包含する。
【0131】
あるいくつかの好ましい実施形態において、このアクリルポリマーは、1またはそれ以
上のアンモニオメタクリレートコポリマーからなる。アンモニオメタクリレートコポリマ
ーは、当分野において周知であり、NF XVIIにおいて、低含量の四級アンモニウム
基を有する、アクリル酸およびメタクリル酸エステルの十分に重合されたコポリマーとし
て記載されている。
【0132】
望ましい溶解プロフィールを得るために、異なる物理的性質、例えば四級アンモニウム
基対中性(メタ)アクリルエステルの異なるモル比を有する2またはそれ以上のアンモニ
オメタクリレートコポリマーを組み込む必要がありうる。
【0133】
あるいくつかのメタクリル酸エステル型ポリマーが、本発明にしたがって用いうるpH
−依存性コーティングを調製するために有用である。例えば、ジエチルアミノエチルメタ
クリレートおよびほかの中性メタクリルエステルから合成された1つの族のコポリマーが
あり、これらはまた、ローム・テック社(Rohm Tech,Inc.)からオイドラギット(登録商標
)として市販されているメタクリル酸コポリマーまたはポリマーメタクリレートとしても
公知である。いくつかの異なる型のオイドラギット(登録商標)がある。例えばオイドラ
ギット(登録商標)Eは、酸性媒質中に膨潤し、溶解するメタクリル酸コポリマーの一例
である。オイドラギット(登録商標)Lは、約pH<5.7で膨潤せず、かつ約pH>6
で溶解性のメタクリル酸コポリマーである。オイドラギット(登録商標)Sは、約pH<
6.5で膨潤せず、約pH>7で溶解性である。オイドラギット(登録商標)RLおよび
オイドラギット(登録商標)RSは、水膨潤性であり、これらのポリマーによって吸収さ
れた水の量は、pH−依存性であるが、しかしながらオイドラギット(登録商標)RLお
よびRSでコーティングされた剤形は、pH−非依存性である。
【0134】
あるいくつかの好ましい実施形態において、このアクリルコーティングは、ローム・フ
ァーマ(Rohm Pharma)からそれぞれ商品名オイドラギット(登録商標)RL30Dおよび
オイドラギット(登録商標)RS30Dとして市販されている、2つのアクリル樹脂ラッ
カーの混合物を含む。オイドラギット(登録商標)RL30Dおよびオイドラギット(登
録商標)RS30Dは、低含量の四級アンモニウム基を有するアクリルおよびメタクリル
エステルのコポリマーであり、アンモニウム基対残留中性(メタ)アクリルエステルのモ
ル比は、オイドラギット(登録商標)RL30Dにおいて1:20であり、オイドラギッ
ト(登録商標)RS30Dにおいて1:40である。平均分子量は、約150,000で
ある。コード名称RL(高透過性)およびRS(低透過性)は、これらの剤の透過性特性
について言及している。オイドラギット(登録商標)RL/RS混合物は、水中および消
化液中に不溶である。しかしながら、これから形成されたコーティングは、水溶液および
消化液中に膨潤性であり、かつ透過性である。
【0135】
本発明のオイドラギット(登録商標)RL/RS分散液は、望ましい溶液プロフィール
を有する徐放性製剤を最終的に得るために、あらゆる所望の比において一緒に混合されて
もよい。望ましい徐放性製剤は、例えば100%オイドラギット(登録商標)RL、50
%オイドラギット(登録商標)RLおよび50%オイドラギット(登録商標)RS、およ
び10%オイドラギット(登録商標)RL:オイドラギット(登録商標)90%RSに由
来する遅延化剤コーティングから得ることができる。当然ながら、当業者は、ほかのアク
リルポリマー、例えばオイドラギット(登録商標)Lが用いられてもよいことを理解する
であろう。
(可塑剤)
【0136】
コーティングが疎水性材料の水性分散液を含む本発明の実施形態において、疎水性材料
の水性分散液中に有効量の可塑剤を含めると、徐放性コーティングの物理的特性をさらに
改良するであろう。例えばエチルセルロースは比較的高いガラス転移温度を有し、標準コ
ーティング条件下に柔軟性フィルムを形成しないので、これをコーティング材料として用
いる前に、徐放性コーティングを含有するエチルセルロースコーティング中に可塑剤を組
み込むことが好ましい。一般に、コーティング溶液中に含まれる可塑剤の量は、皮膜形成
剤の濃度に基づき、例えば最も多くの場合、この皮膜形成剤の約1から約50重量%であ
る。しかしながら可塑剤の濃度は、特定のコーティング溶液および塗布方法を用いた注意
深い実験後にのみ適切に決定することができる。
【0137】
エチルセルロースに適した可塑剤の例は、水不溶性可塑剤、例えばジブチルセバケート
、ジエチルフタレート、トリエチルシトレート、トリブチルシトレート、およびトリアセ
チンを包含する。ただし、ほかの水不溶性可塑剤(例えばアセチル化モノグリセリド、フ
タレートエステル、ヒマシ油など)が用いられることも可能である。トリエチルシトレー
トは、本発明のエチルセルロースの水性分散液に特に好ましい可塑剤である。
【0138】
本発明のアクリルポリマーに適した可塑剤の例は、クエン酸エステル、例えばトリエチ
ルシトレートNF XVI、トリブチルシトレート、ジブチルフタレート、およびおそら
くは1,2−プロピレングリコールを包含するが、これらに限定されるわけではない。ア
クリルフィルム、例えばオイドラギット(登録商標)RL/RSラッカー溶液から形成さ
れたフィルムの弾性を増強させるのに適していることが証明されているほかの可塑剤は、
ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチルフタレート、ヒマシ油、およ
びトリアセチンを包含する。トリエチルシトレートは、本発明のエチルセルロースの水性
分散液に特に好ましい可塑剤である。
【0139】
さらに、少量のタルクの添加は、この水性分散液が加工処理中に粘着する傾向を減少さ
せ、研磨剤として作用することが見出されている。
(徐放性浸透性剤形)
【0140】
本発明による徐放性剤形はまた、浸透性投薬製剤として調製されてもよい。これらの浸
透性剤形は好ましくは、薬剤層(25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを
有するオキシコドンハイドロクロライドを含有する)および送達またはプッシュ層を含む
二層コアであって、半透過性壁によって取囲まれ、場合によって少なくとも1つの通路が
その中に配置されている二層コアを含む。
【0141】
この発明の目的のために用いられる「通路(passageway)」という表現は、開口部、オリ
フィス、穴、細孔、多孔質要素を包含し、これを通って、25ppm未満の14−ヒドロ
キシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドが汲み上げられ、繊維、
毛管、多孔質オーバーレイ、多孔質インサート、微孔質膜、または多孔質組成物を通って
拡散または移動しうる。この通路はまた、使用流体環境において壁から浸食されるか、ま
たは滲出されて、少なくとも1つの通路を生じる化合物も含みうる。通路を形成するため
の代表的な化合物は、壁中の浸食可能なポリ(グリコール)酸、もしくはポリ(乳)酸;
ゼラチン質フィラメント;水除去可能なポリ(ビニルアルコール);滲出性化合物、例え
ば流体除去可能な細孔形成多糖類、酸、塩、または酸化物を包含する。通路は、壁から化
合物、例えばソルビトール、スクロース、ラクトース、マルトース、またはフルクトース
を滲出して、徐放性寸法(dimensional)細孔通路を形成することによって形成されうる。
この剤形は、この剤形の1またはそれ以上の表面上に間隔があけられた関係にある、1ま
たはそれ以上の通路をともなって製造することができる。通路、および通路を形成するた
めの装置は、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;第4,063
,064号、および第4,088,864号に開示されている。徐放率の放出細孔を生じ
るために、水性滲出することによって形成された放出細孔としてサイズが決定され、造形
され、適合させられた徐放性寸法を含む通路は、米国特許第4,200,098号および
第4,285,987号に開示されている。
【0142】
あるいくつかの実施形態において、薬剤層はまた、少なくとも1つのポリマーヒドロゲ
ルを含んでもよい。このポリマーヒドロゲルは、約500から約6,000,000の平
均分子量を有してもよい。ポリマーヒドロゲルの例は、式(C
6H
12O
5)
n・H
2O(式中
、nは3から7,500である)を含むマルトデキストリンポリマーであって、500か
ら1,250,000の数平均分子量を含むマルトデキストリンポリマー;例えば50,
000から750,000の重量平均分子量を有するポリ(エチレンオキサイド)および
ポリ(プロピレンオキサイド)によって代表され、より特定すれば、100,000、2
00,000、300,000、または400,000の重量平均分子量の少なくとも1
つのポリ(エチレンオキサイド)によって代表されるポリ(アルキレンオキサイド);ア
ルカリカルボキシアルキルセルロースであって、アルカリが、ナトリウムもしくはカリウ
ムであり、アルキルが10,000から175,000の重量平均分子量のメチル、エチ
ル、プロピル、またはブチルであるもの;および10,000から500,000の数平
均分子量のメタクリル酸およびエタクリル酸を包含するエチレン−アクリル酸のコポリマ
ーを包含するが、これらに限定されるわけではない。
【0143】
本発明のあるいくつかの実施形態において、送達またはプッシュ層は、オスモポリマー
を含む。オスモポリマーの例は、ポリアルキレンオキサイドおよびカルボキシアルキルセ
ルロースからなる群から選択されたメンバーを包含するが、これらに限定されるわけでは
ない。このポリアルキレンオキサイドは、1,000,000から10,000,000
の重量平均分子量を有する。このポリアルキレンオキサイドは、ポリメチレンオキサイド
、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、1,000,000の平均分子
量を有するポリエチレンオキサイド、5,000,000の平均分子量を含むポリエチレ
ンオキサイド、7,000,000の平均分子量を含むポリエチレンオキサイド、1,0
00,000の平均分子量を有する架橋ポリメチレンオキサイド、および1,200,0
00の平均分子量のポリプロピレンオキサイドからなる群から選択されたメンバーであっ
てもよい。典型的なオスモポリマーカルボキシアルキルセルロースは、アルカリカルボキ
シアルキルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、カリウムカルボキシメ
チルセルロース、ナトリウムカルボキシエチルセルロース、リチウムカルボキシメチルセ
ルロース、ナトリウムカルボキシエチルセルロース、カルボキシアルキルヒドロキシアル
キルセルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルヒド
ロキシエチルセルロース、およびカルボキシメチルヒドロキシプロピルセルロースからな
る群から選択されたメンバーを含む。排出(displacement)層のために用いられるオスモポ
リマーは、半透過性壁を横断する浸透圧勾配を示す。オスモポリマーは、流体を剤形中に
吸収し、これによって、浸透性ヒドロゲル(オスモゲルとしても公知である)として膨潤
および膨張し、これによってこれらは、浸透性剤形から、これらの25ppm未満の14
−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドを押し出す。
【0144】
プッシュ層はまた、オスマゲント(osmagents)および浸透圧的に有効な溶質としても
公知の、1またはそれ以上の浸透圧的に有効な化合物を含んでもよい。これらは、環境液
を、例えば胃腸管から剤形中に吸収し、排出層の送達動力学に寄与する。浸透圧的に活性
な化合物の例は、浸透性塩および浸透性炭水化物からなる群から選択されたメンバーを含
む。特定のオスモゲントの例は、ナトリウムクロライド、カリウムクロライド、マグネシ
ウムスルフェート、リチウムホスフェート、リチウムクロライド、ナトリウムホスフェー
ト、カリウムスルフェート、ナトリウムスルフェート、カリウムホスフェート、グルコー
ス、フルクトース、およびマルトースを包含するが、これらに限定されるわけではない。
【0145】
プッシュ層は場合により、9,000から450,000の数平均分子量を有するヒド
ロキシプロピルアルキルセルロースを含んでもよい。ヒドロキシプロピルアルキルセルロ
ースは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルイソプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロース、お
よびヒドロキシプロピルペンチルセルロースからなる群から選択されたメンバーによって
代表される。
【0146】
プッシュ層は場合により、非毒性着色料または染料を含んでもよい。着色料または染料
の例は、食品医薬品局 (Food and Drug Administration) の着色料(FD&C)、例えば
FD&C No.1ブルー染料、FD&C No.4レッド染料、レッドフェリックオキ
サイド、イエローフェリックオキサイド、二酸化チタン、カーボンブラック、およびイン
ディゴを包含するが、これらに限定されるわけではない。
【0147】
プッシュ層はまた場合により、成分の酸化を阻害するために酸化防止剤を含んでもよい
。酸化防止剤のいくつかの例は、アスコルビン酸、アスコルビルパルミテート、ブチル化
ヒドロキシアニソール、2つおよび3つの第三(tertiary)−ブチル−4−ヒドロキシア
ニソールの混合物、ブチル化ヒドロキシトルエン、ナトリウムイソアスコルベート、ジヒ
ドログアレチン酸(dihydroguaretic acid)、カリウムソルベート、ナトリウムビスルフ
ェート、ナトリウムメタビスルフェート、ソルビン酸、カリウムアスコルベート、ビタミ
ンE、4−クロロ−2,6−ジ第三ブチルフェノール、アルファトコフェロール、および
プロピルガレートからなる群から選択されたメンバーを包含するが、これらに限定される
わけではない。
【0148】
あるいくつかの代替実施形態において、この剤形は、25ppm未満の14−ヒドロキ
シコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドを含む均質コア、製薬的に
許容しうるポリマー(例えばポリエチレンオキサイド)、場合により崩壊剤(例えばポリ
ビニルピロリドン)、場合により吸収エンハンサー(例えば脂肪酸、界面活性剤、キレー
ト化剤、胆汁酸塩など)を含む。この均質コアは、25ppm未満の14−ヒドロキシコ
デイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドの放出のための通路(上記定義
したとおり)を有する半透過性壁によって取囲まれている。
【0149】
あるいくつかの実施形態において、この半透過性壁は、セルロースエステルポリマー、
セルロースエーテルポリマー、およびセルロースエステル−エーテルポリマーからなる群
から選択されたメンバーを含む。代表的な壁ポリマーは、セルロースアシレート、セルロ
ースジアシレート、セルローストリアシレート、セルロースアセテート、セルロースジア
セテート、セルローストリアセテート、モノ−、ジ−、およびトリセルロースアルケニレ
ート、およびモノ−、ジ−、およびトリセルロースアルキニレートからなる群から選択さ
れたメンバーを含む。本発明のために用いられるポリ(セルロース)は、20,000か
ら7,500,000の数平均分子量を含む。
【0150】
この発明の目的のための追加の半透過性ポリマーは、アセトアルデヒドジメチルセルロ
ースアセテート、セルロースアセテートエチルカルバメート、セルロースアセテートメチ
ルカルバメート、セルロースジアセテート、プロピルカルバメート、セルロースアセテー
トジエチルアミノアセテート;半透過性ポリアミド;半透過性ポリウレタン;半透過性ス
ルホン化ポリスチレン;米国特許第3,173,876号;第3,276,586号;第
3,541,005号;第3,541,006号、および第3,546,876号に開示
されているような、ポリアニオンとポリカチオンとの共沈によって形成された半透過性架
橋ポリマー;米国特許第3,133,132号においてロエブ(Loeb)およびソウリラジャ
ン(Sourirajan)によって開示されているような半透過性ポリマー;半透過性架橋ポリスチ
レン;半透過性架橋ポリ(ナトリウムスチレンスルホネート);半透過性架橋ポリ(ビニ
ルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド);および半透過性壁を横断する静水圧ま
たは浸透圧差の1気圧あたり表示されている2.5×10
-8から2.5×10
-2(cm
2
/hr・atm)の流体透過性を有する半透過性ポリマーを含む。本発明において有用な
ほかのポリマーは、米国特許第3,845,770号;第3,916,899号;および
第4,160,020号、および「一般的なポリマーのハンドブック(Handbook of Commo
n Polymers)」、スコット(Scott),J.R.およびW.J.ロフ(Roff)、1971、オ
ハイオ州クリーブランド、CRCプレスにおいて当分野で公知である。
【0151】
あるいくつかの実施形態において、好ましくはこの半透過性壁は非毒性、不活性であり
、これは、この薬剤の調剤寿命(dispensing life)の間、その物理的および化学的な完全
性を維持する。あるいくつかの実施形態において、この剤形は、バインダーを含む。バイ
ンダーの一例は、5,000から350,000の粘度平均分子量を有する、治療的に許
容しうるビニルポリマーを包含するが、これらに限定されるわけではなく、これは、ポリ
−n−ビニルアミド、ポリ−n−ビニルアセトアミド、ポリ(ビニルピロリドン)(これ
はまた、ポリ−n−ビニルピロリドンとしても公知である)、ポリ−n−ビニルカプロラ
クトン、ポリ−n−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、およびポリ−n−ビニルピロ
リドンのビニルアセテート、ビニルアルコール、ビニルクロライド、ビニルフルオライド
、ビニルブチレート、ビニルラウレエート、およびビニルステアレートからなる群から選
択されたメンバーとのコポリマーからなる群から選択されたメンバーによって代表される
。ほかのバインダーは例えば、アカシア、デンプン、ゼラチン、および9,200から2
50,000の平均分子量のヒドロキシプロピルアルキルセルロースを含む。
【0152】
あるいくつかの実施形態において、この剤形は、潤滑剤を含み、これは、ダイ壁または
パンチ面への粘着を防ぐために、この剤形の製造の間に用いられてもよい。潤滑剤の例は
、マグネシウムステアレート、ナトリウムステアレート、ステアリン酸、カルシウムステ
アレート、マグネシウムオレエート、オレイン酸、カリウムオレエート、カプリル酸、ナ
トリウムステアリルフマレート、およびマグネシウムパルミテートを包含するが、これら
に限定されるわけではない。
【0153】
あるいくつかの好ましい実施形態において、本発明は、25ppm未満の14−ヒドロ
キシコデイノンレベルを有する、10から40mgオキシコドンハイドロクロライドに等
しい量のオキシコドンハイドロクロライド、150,000から500,000の平均分
子量を有する25から500mgのポリ(アルキレンオキサイド)、40,000の平均
分子量を有する1から50mgのポリビニルピロリドン、および0から約7.5mgの潤
滑剤を含む治療用組成物を包含する。
(座薬)
【0154】
本発明の徐放性製剤は、適切な座薬ベース、および25ppm未満の14−ヒドロキシ
コデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロクロライドを含む直腸投与用の薬品座薬
として配合されてもよい。徐放性座薬製剤の調製は、例えば米国特許第5,215,75
8号に記載されている。
【0155】
吸収前、この薬剤は溶液状でなければならない。座薬の場合、溶液になる前に、座薬ベ
ースの溶解、またはこのベースの融解、およびその後座薬ベースから直腸液中への薬剤の
分配(partition)を行わなければならない。この薬剤の体内への吸収は、この座薬ベース
によって変更されうる。このようにして、特定の薬剤とともに用いられることになる特定
の座薬ベースは、この薬剤の物理的性質を考慮して選択されなければならない。例えば、
脂質溶解性薬剤は、直腸液中に容易には分配されないが、脂質ベース中にわずかしか溶解
性でない薬剤は、直腸液中へ容易に分配されるであろう。
【0156】
これらの薬剤の溶解時間(または放出速度)に影響を与える様々な要因の中に、溶解溶
媒媒質へ示される薬剤物質の表面積、溶液のpH、特定の溶媒媒質中のこの物質の溶解性
、および溶媒媒質中の溶解された材料の飽和濃度の駆動力(driving force)がある。一般
に、直腸投与された座薬からの薬剤の吸収に影響を与える要因は、座薬ビヒクル、吸収部
位のpH、薬剤のpKa、イオン化度、および脂質溶解性を包含する。
【0157】
選択された座薬ベースは、本発明の活性物質と適合性であるべきである。さらにはこの
座薬ベースは好ましくは非毒性であり、粘膜に対して非刺激性であり、直腸液中に融解ま
たは溶解し、保存の間安定である。
【0158】
水溶性および水不溶性薬剤の両方に好ましい本発明のあるいくつかの実施形態において
、座薬ベースは、鎖長C
12からC
18の飽和天然脂肪酸のモノ−、ジ−、およびトリグリセ
リドからなる群から選択された脂肪酸ワックスを含む。
【0159】
本発明の座薬の調製において、ほかの賦形剤が用いられてもよい。例えば、直腸経路を
介した投与のための適切な形状を形成するために、ワックスが用いられてもよい。この系
はまた、ワックスをともなわずに用いることもできるが、直腸投与および経口投与両方の
ためにゼラチンカプセル中に充填された希釈剤の添加をともなって用いることもできる。
【0160】
適切な市販されているモノ−、ジ−、およびトリグリセリドの例は、ヘンケル(Henkel)
によって製造されている、商品名ノバタ(Novata)(商標)(型AB、AB、B、BC、B
D、BBC、E、BCF、C、D、および299)、およびダイナミット・ノーベル(Dyn
amit Nobel)によって製造されているウイテプゾル(Witepsol)TM(型H5、H12、H
15、H175、H185、H19、H32、H35、H39、H42、W25、W31
、W35、W45、S55、S58、E75、E76、およびE85)として販売されて
いる、12から18個の炭素原子鎖の飽和天然脂肪酸を包含する。
【0161】
ほかの製薬的に許容しうる座薬ベースは、上記モノ−、ジ−、およびトリグリセリドに
ついて、全体または一部置換されていてもよい。この座薬中のベースの量は、剤形のサイ
ズ(すなわち実際の重量)、用いられたベース(例えばアルギネート)および薬剤の量に
よって決定される。一般に、座薬ベースの量は、座薬の総重量の約20重量%から約90
重量%である。好ましくは座薬中の座薬ベースの量は、座薬の総重量の約65重量%から
約80重量%である。
(追加の実施形態)
【0162】
25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンレベルを有するオキシコドンハイドロク
ロライドは、あらゆる現存商品、例えばタイロックス(Tylox)(登録商標)、ロキシロッ
クス(Roxilox)(登録商標)、ロキシセット(Roxicet)(登録商標)、パーコセット(Perco
cet)(登録商標)、オキシセット(Oxycet)(登録商標)、パーコダン(Percodan)(登録商
標)、ロキシコドン(Roxicodone)(登録商標)、オキシコンチン(登録商標)、およびオ
キシIR(OxyIR)(登録商標)において、オキシコドンハイドロクロライドの置換物とし
て用いられてもよい。このような製剤は、PDR58版(2004年)およびFDAオレ
ンジブックに列挙されている。
【0163】
次の実施例は、本発明の様々な態様を例証する。これらは、いかなる方法によっても特
許請求の範囲を制限すると考えられるべきではない。
5〜320mgのオキシコドンと、該オキシコドンに対して0.25ppm以上で25ppm未満の14−ヒドロキシコデイノンとを含有する経口医薬製剤であって、前記14−ヒドロキシコデイノンの少なくとも一部が、8α,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンから製造されたものである、前記経口医薬製剤。
前記14−ヒドロキシコデイノンが、8α,14−ジヒドロキシ−7,8−ジヒドロコデイノンのみから製造されたものである、請求項1から8のいずれかに記載の経口医薬製剤。
前記オキシコドンが、ガム、セルロースエーテル、またはアクリル樹脂を含有する徐放性材料とともにマトリックス中に組み込まれるか、及び/又は、アルキルセルロース、アクリルポリマー、またはこれらの混合物を含有する徐放性放出コーティングで塗布されている、請求項11に記載の経口医薬製剤。
前記微粒子が、水性媒質中において、持続した速度でオキシコドンの放出を可能にする材料でフィルムコーティングされている、請求項13または14に記載の経口医薬製剤。