特開2015-187475(P2015-187475A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2015187475-回転体の作動流体抜き孔構造 図000003
  • 特開2015187475-回転体の作動流体抜き孔構造 図000004
  • 特開2015187475-回転体の作動流体抜き孔構造 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-187475(P2015-187475A)
(43)【公開日】2015年10月29日
(54)【発明の名称】回転体の作動流体抜き孔構造
(51)【国際特許分類】
   F16D 13/60 20060101AFI20151002BHJP
【FI】
   F16D13/60 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2014-65210(P2014-65210)
(22)【出願日】2014年3月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000100791
【氏名又は名称】アイシン軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】森田 寛
【テーマコード(参考)】
3J056
【Fターム(参考)】
3J056AA31
3J056BA05
3J056BE30
3J056CD01
3J056EA05
3J056EA12
3J056EA22
3J056EA24
3J056FA02
3J056FA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】作動流体の排出性に優れた回転体の作動流体抜き孔構造の提供。
【解決手段】円板状部11と、円板状部11の外周から立設した筒状部12とを有する回転体10であって、筒状部12に形成した作動流体抜き孔12aの孔中心方向が回転体10の半径方向に対して回転方向とは逆方向に1〜45°の範囲にて傾斜していることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板状部と、当該円板状部の外周から立設した筒状部とを有する回転体であって、
前記筒状部に形成した作動流体抜き孔の孔中心方向が回転体の半径方向に対して回転方向とは逆方向に1〜45°の範囲にて傾斜していることを特徴とする回転体の作動流体抜き孔構造。
【請求項2】
前記回転体は鋳造製であることを特徴とする請求項1記載の回転体の作動流体抜き孔構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転体に有する作動流体の抜き孔の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トランスミッションにはクラッチドラム等の回転体が採用されている。
このクラッチドラムは、円板状部の外周から筒状部を立設した略カップ形状部を有し、この筒状部に設けた孔から外側に作動油が排出されるようになっている。
その従来の構造例を図3に示す。
回転軸部113に連結した円板状部111の外周から筒状部112が立設されており、この筒状部112の壁部を貫通させた作動油(作動流体)の抜き孔112aが複数形成されている。
この作動油の抜き孔112aは、これまで切削加工等にて回転中心方向の半径方向に放射状に孔明していた。
作動油の排出性を向上させるのに、この抜き孔の開口面積を大きくするか孔の数を多くしたいところであるが、回転時には、この筒状部に遠心力が発生し外側に倒れ込む力が働き強度不足になる問題があった。
特許文献1,2等にクラッチドラム形状を開示するが作動油の抜き孔の孔中心は回転体の半径方向になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−230574号公報
【特許文献2】特開平10−263737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は,作動流体の排出性に優れた回転体の作動流体抜き孔構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る回転体の作動流体抜き構造は、円板状部と、当該円板状部の外周から立設した筒状部とを有する回転体であって、前記筒状部に形成した作動流体抜き孔の孔中心方向が回転体の半径方向に対して回転方向とは逆方向に1〜45°の範囲にて傾斜していることを特徴とする。
ここで回転体とは中心部のシャフト等に連結され、内部の作動油等の作動流体が外側に排出されるようになっているものをいう。
代表的な例としては、自動車等のトランスミッションに使用されているクラッチドラムである。
【0006】
本発明に係る回転体は、アルミニウム合金等の鋳造製であってもよい。
例えば、アルミダイカスト鋳造の場合には中子を作動流体抜き孔の孔中心方向に沿って 出し入れさせる機構を設けることで鋳造できる。
この場合に作動流体抜き孔は、いわゆる黒皮と称される鋳肌面のままでもよい。
また、鋳造後に切削加工等により斜めに孔明してもよい。
作動流体抜き孔の孔形状に制限がなく、円形状や矩形形状でもよい。
また、孔中心方向の傾斜角は回転体の回転速度を考慮して設定され1〜45°の範囲、好ましくは10〜45°、さらに好ましくは10〜30°の範囲である。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る回転体においては、回転方向とは逆方向に傾斜した作動流体抜き孔を設けたので内部の作動流体の外側への排出性が向上する。
これにより孔の大きさを小さくしたり、その数を低減することができるので回転体の軽量化、加工工数の低減等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)は回転体の作動流体抜き孔付近の部分拡大図を示し、(b)は図2におけるA−A線断面図を示す。
図2】回転体の傾斜図を示す。
図3】従来の作動油(作動流体)の抜き孔の構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る作動流体抜き孔構造を適用した回転体の例を以下、図面に基づいて説明するが本発明はこれに限定されない。
【0010】
図2に回転体10の斜視図を示し、図1(b)にA−A線断面図を示す。
図1(a)に部分拡大図を示す。
回転体10は軸部13に連結した円板状部11を有し、この円板状部11の外周から筒状に立設した筒状部12を有する。
筒状部12には作動流体を内側から外側に向けて排出する作動流体抜き孔12aを形成してある。
作動流体抜き孔12aは回転体が回転する回転方向とは逆の方向であって、回転中心方向である半径方向Rに対して孔中心方向Pの傾斜角θが1〜45°の範囲に入るように設定した。
流体に加わる遠心力と流体の粘性等から矢印で示すように流体の排出性が向上する。
この傾斜角θが45°を超えると逆に排出性が低下し、1°未満では効果がほとんど認められない。
【符号の説明】
【0011】
10 回転体
11 円板状部
12 筒状部
12a 作動流体抜き孔
P 孔中心方向
R 半径方向
W 回転方向
図1
図2
図3