【解決手段】口座管理装置1は、通帳に未記入分の金融取引を示す未記入履歴データを、取扱口座毎に記憶する記憶部12と、ユーザ端末3からの要求に応じて、ユーザが所有する口座における未記入分の金融取引に関するコメントの入力を受け付ける入力画面を、当該ユーザ端末3に提供する画面提供部13と、入力画面を介して入力されたコメントの入力指示を受け付ける入力受付部14と、受け付けた入力指示に基づいて、口座に対応する未記入履歴データに対してコメントを追加する追加部15と、を備える。このとき、画面提供部13は、ユーザ端末3に提供する入力画面として、未記入分の金融取引の数に関連する数値データを含む入力画面をユーザ端末3に提供する。
前記記憶部に記憶された前記未記入履歴データに新たな未記入分の金融取引が追加されると、当該未記入履歴データに対応する口座を所有するユーザに対して、コメントについての入力が可能である旨の通知を行う通知部、
を備える請求項1から5のいずれかに記載の口座管理装置。
所定口座における金融取引の履歴データとして、当該口座における金融取引のうち通帳への未記入分の金融取引を示す未記入履歴データを、取扱口座毎に記憶する記憶部を備えるコンピュータが実行する、
ユーザ端末からの要求に応じて、ユーザが所有する口座における前記未記入分の金融取引に関するコメントの入力を受け付ける入力画面を、当該ユーザ端末に提供するステップと、
前記入力画面を介して入力されたコメントの入力指示を受け付けるステップと、
受け付けた前記入力指示に基づいて、前記口座に対応する前記未記入履歴データに対して前記コメントを追加するステップと、
前記未記入分の金融取引の数に関連する数値データを前記ユーザ端末に提供するステップと、
を含む口座管理方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[口座管理システムSのシステム構成]
初めに、
図1を参照して、本発明の口座管理システムSの構成について説明する。
図1は、口座管理システムSのシステム構成の一例を示す図である。
図1に示すように、口座管理システムSは、口座管理装置1と、ATM2と、ユーザ端末3と、を含んで構成される。口座管理装置1とATM2とは、ユーザ端末3を所有するユーザの銀行口座を管理する銀行が備える銀行側の設備である。
【0019】
口座管理装置1は、ユーザの銀行口座を管理するサーバ装置であって、ATM2と所定の通信網を介して通信可能に接続されるとともに、口座を所有するユーザのユーザ端末3とインターネット等を介して通信可能に接続される。
ATM2は、銀行、商業施設又は公共施設等の任意の場所に設置された現金自動預け払い機であり、口座を所有するユーザ自身の操作によって当該口座における金融取引を可能にする。
【0020】
ATM2を介してユーザが預貯金の出入金や振込等の金融取引を行うと、ユーザが行った金融取引の履歴がATM2から口座管理装置1に対して送信される。また、ATM2を介してユーザが通帳へ金融取引の履歴を記入する場合、当該ユーザの口座に紐づけられた未記入の金融取引の履歴が口座管理装置1からATM2に送信され、ATM2において未記入分の履歴の記入が行われる。
【0021】
ユーザ端末3は、口座を所有するユーザにより用いられる端末装置であり、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレットPC、スマートフォン等のインターネットにアクセス可能な任意の端末装置である。通帳に未記入の金融取引がある場合、ユーザは、ユーザ端末3を介して未記入の金融取引に対するコメントを入力することができる。その結果、
図1に示すように、通帳にはユーザが入力したコメントが表示されることになる。
なお、金融取引に対するコメントは、ユーザが任意に入力することができ、例えば、出金した預貯金の使用用途(例えば、生活費や交際費)、入金した金銭の預貯金目的(例えば、貯蓄、給料)及び振込した金銭の振込目的(例えば、家賃、仕送り)等が一例として挙げられる。
【0022】
[口座管理装置1の構成]
続いて、
図2を参照して、本発明の口座管理装置1の構成について説明する。
図2は、口座管理装置1の機能構成の一例を示す図である。
図2に示すように、口座管理装置1は、ATM2及びユーザ端末3の夫々と通信可能に接続され、制御部11と記憶部12とを含んで構成される。
【0023】
記憶部12は、例えば、ROM及びRAM等により構成され、口座管理装置1を機能させるための各種プログラム及び各種データを記憶する。また、記憶部12は、銀行が取り扱う口座における金融取引の履歴データを記憶する。
【0024】
ここで、
図3を参照して、金融取引の履歴データについて説明する。
図3は、記憶部12に記憶される金融取引の履歴データの一例を示す図である。
図3に示すように、記憶部12は、所定の口座に対応付けて、当該口座における金融取引の取引履歴を記憶する。取引履歴は、一般履歴A0と、コメント履歴A1と、記号履歴A2と、記入履歴A3と、合算履歴A4と、を含む。
【0025】
一般履歴A0は、取引を行った年月日、取引を取り扱った取扱店等の金融取引における通常の履歴を示す。また、コメント履歴A1は、ユーザが入力した金融取引に対するコメントの履歴を示し、記号履歴A2は、コメントの代わりに通帳に記入する記号を示す。
ユーザが通帳への記入を行う場合、ATM2は、記号履歴A2に所定の記号が規定されている金融取引については、当該記号を通帳に記入する。また、ATM2は、記号履歴A2に記号が規定されておらず、且つ、コメント履歴A1に所定のコメントが規定されている金融取引については、当該コメントを通帳に記入し、記号履歴A2及びコメント履歴A1に記号及びコメントが規定されていない金融取引については、一般履歴A0に規定された情報を通帳に記入する。
【0026】
記入履歴A3は、通帳への記入の有無を示す。例えば、
図3に示す「9月1日」の金融取引は、記入履歴A3が「記入済み」であるため、通帳への記入が済んでいる金融取引であり、「9月10日」の金融取引は、記入履歴A3が「未記入」であるため、通帳への記入が済んでいない金融取引である。なお、本実施形態において、通帳へ記入済みの金融取引の履歴データを記入済み履歴データと呼び、通帳への記入が済んでいない未記入分の金融取引の履歴データを未記入履歴データと呼ぶことがある。このように、記憶部12は、所定口座における金融取引の履歴データとして、当該口座における金融取引のうち通帳への未記入分の金融取引を示す未記入履歴データを、銀行で取り扱う取扱口座毎に記憶する。
また、合算履歴A4は、金融取引の合算の有無を示す。合算の有無は、任意の方法により管理することができるが、本実施形態では、合算した金融取引に同一の合算フラグを設定することで、合算の有無を管理している。
図3に示す例では、合算フラグ「フラグ1」が設定されている「9月1日」の金融取引と「9月2日」の金融取引とが合算されていることを示している。
【0027】
図2に戻り、制御部11は、例えば、CPUにより構成される。制御部11は、記憶部12に記憶されている各種プログラムを実行することにより、口座管理装置1を統括的に制御し、以下に説明する加工機能及び通知機能を含む各種機能を発揮する。
ここで、加工機能は、ユーザ端末3からの指示に基づいて、未記入履歴データに対してコメントの追加や合算等の加工を行う機能である。また、通知機能は、ユーザに対して後述する所定の通知を行う機能である。
【0028】
加工機能を実現するため、制御部11は、画面提供部13と、入力受付部14と、追加部15と、取引合算部16と、を含んで構成される。
【0029】
画面提供部13は、ユーザ端末3からの要求に応じて、ユーザ端末3のユーザが所有する口座における金融取引のうち未記入分の金融取引に関するコメントの入力を受け付ける入力画面を、ユーザ端末3に対して提供する。一例として、ユーザ端末3を介してユーザが所定の口座管理サイト(例えば、ネットバンキング)にアクセスしログイン認証等を行うと、画面提供部13は、ログイン情報に紐づいた口座に対応する未記入分の金融取引を記憶部12から読み出す。そして、画面提供部13は、当該未記入分の金融取引に関するコメントを入力可能な入力画面を生成し、ユーザ端末3に提供する。
このとき、画面提供部13は、ユーザ端末3に提供する入力画面として、未記入分の金融取引の数に関連する数値データを含む入力画面をユーザ端末3に提供する。なお、未記入分の金融取引の数に関連する数値データとは、未だ通帳に記入していない金融取引の行数(未記入行数)を示す。未記入行数が一定数を超えると合算処理が行われてしまうため、本実施形態では、コメントを入力可能な入力画面において未記入行数を表示することとしている。
【0030】
入力受付部14は、入力画面を介して入力されたコメントの入力指示をユーザ端末3から受け付ける。例えば、入力受付部14は、予め設定された用語を選択する選択指示、又はテキスト入力指示に基づいて、コメントの入力を受け付ける。また、入力受付部14は、コメントの入力指示だけでなく、未記入分の金融取引のうちの連続する金融取引を合算する合算指示を受け付けることとしてもよく、また、コメントとともに所定の記号の入力を選択する選択指示を受け付けることとしてもよい。
【0031】
追加部15は、入力受付部14が受け付けた入力指示に基づいて、口座に対応する未記入履歴データに対してコメントを追加する。また、追加部15は、入力受付部14が受け付けた選択指示に基づいて、選択指示に応じた記号を未記入データに対して追加する。一例として、追加部15は、記憶部12のコメント履歴A1に受け付けたコメントを追加するとともに、記号履歴A2に受け付けた記号を追加する。
追加部15により追加されたコメントや記号は、記帳時にATM2やその他通帳への記入が可能な装置により読み出され、通帳へ記入される。
【0032】
取引合算部16は、入力受付部14が受け付けた合算指示に基づいて、未記入履歴データに含まれる指示された連続する金融取引を合算、即ち、指示された連続する金融取引を合わせて計算する。
【0033】
続いて、通知機能を実現するため、制御部11は、判定部17と、通知部18と、を含んで構成される。
【0034】
判定部17は、取扱口座毎に、未記入分の金融取引の数(未記入行数)が所定数に到達したか否かを判定する。ここで、所定数は合算処理が行われることになる未記入行数との関係から任意に設定することができ、合算処理が行われることになる未記入行数よりも少ない数が設定される。
この点、本実施形態では未記入行数が30行になると合算処理が行われるものとし、所定数を10,20,25と設定する。
【0035】
通知部18は、判定部17により未記入分の金融取引の数が所定数に到達したと判定されると、この口座を所有するユーザに対して所定の通知を行う。そのため、本実施形態では、未記入分の金融取引の数(未記入行数)が10,20,25に到達するたびに、通知部18はユーザに対して所定の通知を行う。なお、所定の通知は、例えば、ユーザに対して通帳への記入を促すメール等を送信することで行われる。
また、通知部18は、記憶部12に記憶された未記入履歴データに新たな未記入分の金融取引が追加されると、当該未記入履歴データに対応する口座を所有するユーザに対して、コメントの入力が可能である旨の通知を行う。即ち、ユーザが記帳を行わずにATM2等を介して金融取引を行った場合、通知部18は、当該金融取引についてのコメントの入力が可能であることをユーザに対して通知(メール等送信)する。
【0036】
[口座管理システムSの動作]
以上、口座管理システムSの構成について説明した。続いて、
図4から
図9を参照して、口座管理システムSの動作について説明する。
【0037】
図4に示すように、画面提供部13によりユーザ端末3に提供される入力画面の一態様である照会画面30には、通帳に未記入の金融取引の履歴が表示されるとともに、選択欄31と、「履歴編集」ボタン32と、「合算」ボタン33と、「記号照会・編集」ボタン34と、未記入行数表示35と、が表示される。
【0038】
選択欄31は、未記入の金融取引のうちの一又は複数の金融取引を選択するために用いられる。
図4に示す例では、「9月10日」の金融取引が選択されている。「履歴編集」ボタン32は、未記入の金融取引に対してコメントを追加するために用いられる。選択欄31において一の金融取引が選択され、且つ、「履歴編集」ボタン32が操作されると、
図5に示す履歴編集画面320がユーザ端末3に提供され、選択された金融取引に対するコメントの入力が可能になる。
【0039】
「合算」ボタン33は、未記入の金融取引をユーザの意思により合算するために用いられる。選択欄31において連続する複数の金融取引が選択され、且つ、「合算」ボタン33が操作されると、これら金融取引が合算される。なお、ユーザの意思による金融取引の合算については、
図7を参照して後述する。
【0040】
「記号照会・編集」ボタン34は、ユーザが入力したコメントに対して記号を設定するために用いられる。通帳にコメントを記入可能にした場合、通帳から使用用途等が把握できてしまうため、例えば、銀行窓口に通帳を出すときに銀行員に使用用途等が把握されてしまい、好ましくない。そこで、本実施形態では、使用用途等のコメントの代わりに設定した記号を通帳に対して記入する。
「記号照会・編集」ボタン34が操作されると、
図6Cに示す記号照会・編集画面330がユーザ端末3に提供され、記号とコメントとの関係設定が可能になる。
【0041】
未記入行数表示35は、通帳に未記入分の金融取引の数(未記入行数)、及び合算処理が行われることになる未記入行数までの残り行数を表示する。ATM2等を離れてコメントを入力可能にすると、未記入の金融取引が増えてしまい、ユーザが意図しない合算処理が行われてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、照会画面30等の各種画面において未記入行数表示35を表示することで、未記入の金融取引が増えたことをユーザが把握可能にしている。これにより、通帳に未記入のままの金融取引が増えすぎることを防止でき、ユーザが意図しない合算処理が行われることを防止できる。
【0042】
[コメントの追加]
続いて、
図5を参照して、未記入の金融取引に対してコメントを追加する際の流れについて説明する。照会画面30(
図4)において「履歴編集」ボタン32が操作されると、
図5Aに示す履歴編集画面320がユーザ端末3に提供される。
図5Aに示すように、履歴編集画面320は、照会画面30において選択された未記入の金融取引が表示されるとともに、「選択肢から選ぶ」ボタン321及び「入力する」ボタン322等が表示される。
【0043】
ボタン321,322が操作されると、
図5Bに示すように、履歴編集画面320には、コメントを入力する入力欄323が表示される。入力欄323は、予め設定された複数の用語の中から一の用語を選択することでコメントを入力する入力欄であってもよく、また、欄内に入力されたテキストに基づいてコメントを入力する入力欄であってもよい。また、入力欄323は、過去に入力されたコメントを選択することでコメントを入力する入力欄であってもよい。
図5Bに示す例では、「9月10日」の出金に対してコメント「飲み会代」が入力されている。
【0044】
入力欄323にコメントが入力され「確定」ボタン324が操作されると、記憶部12のコメント履歴A1に入力欄323に入力されたコメントが追加される。その後、ATM2等を介して通帳への記入が行われると、通帳40には、
図5Cに示すように入力されたコメント41が記入される。
図5Cに示す例では、「9月10日」の出金に「飲み会代」というコメント41が記入されている。これにより、ユーザは、通帳の記入内容から金融取引の用途や目的等を把握することができる。
【0045】
[記号の追加]
続いて、
図6を参照して、未記入の金融取引に対してコメントに加え記号を追加する際の流れについて説明する。
図5Bに示す履歴編集画面320において、例えば、入力欄323にコメントが入力された状態で「記号設定」ボタン325が操作されると、
図6Aに示す履歴編集画面320がユーザ端末3に提供される。
図6Aに示すように、この履歴編集画面320では、コメントの代わりに通帳に記入する記号を入力する入力欄326が表示される。入力欄326は、予め設定された複数の記号の中から一の記号を選択することで記号の入力を行う入力欄である。もちろん、予め設定された記号だけでなく、ユーザが任意の記号を入力可能であってもよい。また、記号とコメントとの関係性が設定されている場合には(
図6C参照)、入力されたコメントに対応する記号が自動的に入力される入力欄であってもよい。
なお、
図6に示す例では、コメントを入力した後に記号を入力することとしているが、これに限られるものではなく、初めに記号を入力した後にコメントを入力することも、可能である。
【0046】
入力欄323にコメントが入力されるとともに、入力欄326に記号が入力された状態で、「確定」ボタン327が操作されると、記憶部12のコメント履歴A1に入力欄323に入力されたコメントが追加されるとともに、記憶部12の記号履歴A2に入力欄326に入力された記号が追加される。その後、ATM2等を介して通帳への記入が行われると、
図6Bに示すように、通帳40には入力されたコメントの代わりに記号42が記入される。
図6Bに示す例では、「9月10日」の出金に「飲み会代」というコメントの代わりに「☆」記号42が記入されている。
【0047】
記号とコメントとの関係性を把握しているユーザにとってみれば、通帳の記入内容から金融取引の用途や目的等を把握することができる。他方、記号とコメントとの関係性を把握していない第三者は、通帳の記入内容からでは内容を把握できないため、第三者に通帳を見られても金融取引の用途や目的等が第三者に知られてしまうことを防止できる。
【0048】
図6Cは、記号とコメントとの関係性を確認及び編集するための記号照会・編集画面330である。
図4に示す照会画面30において「記号照会・編集」ボタン34が操作されると、
図6Cに示す記号照会・編集画面330がユーザ端末3に提供される。
図6Cに示すように、この記号照会・編集画面330では、記号とコメントとの現在の関係性が表示されるとともに、当該関係性を編集するための入力欄331、332が表示される。入力欄331では、コメントに対応する記号の編集を行うことができ、入力欄332では、記号に対応するコメントの編集を行うことができる。
図6Cに示す例では、入力欄331を介して、コメント「飲み会代」に対応する記号を「☆」から「×」に変更する編集が行われており、入力欄332を介して、記号「○」に対応するコメントを「買物代」から「電話代」に変更する編集が行われている。
入力欄331,332に編集内容が入力された状態で、「確定」ボタン333が操作されると、記憶部12の内容が適宜更新される。一例として、記憶部12の記号履歴A2に入力されていた記号が編集された内容に更新される。
【0049】
[ユーザによる合算処理]
続いて、
図7を参照して、未記入の金融取引をユーザの意思により合算する際の流れについて説明する。
図7Aに示すように、照会画面30には、未記入の金融取引B1,B2,B3,B4が表示されている。照会画面30において、選択欄31を介して複数の金融取引B1,B2,B3,B4が選択され、「合算」ボタン33が操作されると、選択された金融取引が合算される。
ここで、口座管理システムSでは、連続する金融取引のみ合算可能としている。即ち、金融取引B1と金融取引B2とは連続する金融取引であるため、合算することができる。他方、金融取引B1と金融取引B3とは連続しない金融取引であるため、合算することができない。もちろん、連続しない金融取引についても合算可能にすることとしてもよい。合算可能な金融取引を連続する金融取引に限定することで、金融取引の順序(時系列)を並び替えることがなく、好適である。他方、連続しない金融取引であっても合算可能にすることで、よりユーザの意思を反映した合算を行うことができ、好適である。
【0050】
なお、一度に合算可能な金融取引の数は、任意である。例えば、2つの金融取引に限り合算可能としてもよく、また、3以上の任意の数の金融取引を合算可能としてもよい。また、口座毎に合算可能な件数も任意である。例えば、1つの口座に対して、任意の数(有限)までは合算可能とし、任意の数の合算が行われた後は、ユーザの意思による合算を不可能としてもよい。他方、1つの口座に対して、無限に合算可能にしてもよい。
また、合算した金融取引については、コメントや記号の追加を不可能にすることが好ましい。
【0051】
金融取引の合算は、入金に関する金融取引と出金に関する金融取引とを別々に合算することとしてもよく、また、入金に関する金融取引と出金に関する金融取引とを一緒に合算することとしてもよい。
図7Bは、入金の金融取引B1,B2を合算するとともに、出金の金融取引B3,B4を合算した場合の照会画面30を示し、
図7Cは、入金の金融取引B2と出金の金融取引B3とを合算した場合の照会画面30を示す。
選択欄31を介して連続する複数の金融取引が選択された状態で、「合算」ボタン33が操作されると、記憶部12の内容が適宜更新される。一例として、記憶部12の合算履歴A4に合算が行われたことが入力される。
【0052】
このように未記入の金融取引の合算が行われると、未記入行数が減少するため、未記入行数表示35が更新される。即ち、
図7Aでは未記入行数が4行であったものが、
図7Bでは2行に、
図7Cでは3行に減少している。これにより、未記入行数に余裕が出るため、ユーザの意図しない合算処理が行われることを防止でき好適である。
【0053】
なお、照会画面30の「年月日」の欄には、金融取引が発生した日が示されているが、複数の異なる日の金融取引が合算された場合、複数の日が「年月日」の欄に示される。画面提供部13は、所定の日数より多い日の金融取引が合算された場合、「年月日」の欄を空欄にしてもよい。
【0054】
[ユーザへの通知]
続いて、
図8及び
図9を参照して、口座管理装置1がユーザに対して通知を行う際の流れについて説明する。
図8は、未記入分の金融取引の数が所定数に到達したときにユーザに対して行われる通知の一例を示す図であり、
図9は、新たな未記入の金融取引が追加された場合にユーザに対して行われる通知の一例を示す図である。
【0055】
図8に示すように、口座管理装置1では、記憶部12に記憶された金融取引の履歴データに基づき、ユーザ(口座)毎の未記入分の金融取引の数(未記入行数)を管理している。口座管理装置1の判定部17は、未記入行数を監視し、通知部18は、未記入行数が所定数(例えば、10,20,25)に到達するたびに、当該口座を所有するユーザに対して所定の通知を行う。
図8に示す例では、ユーザが所有するユーザ端末3に、通帳への記入を促す通知が行われている。
このような通知に伴い、ユーザは、より明確に未記入行数が増えていることを把握できるため、ユーザの意図しない合算処理が行われることを防止できる。
【0056】
また、
図9に示すように、ユーザがATM2等を介して通帳への記入を行うことなく出金等の金融取引を行うと、口座管理装置1の通知部18は、ユーザが行った金融取引についてのコメントの入力が可能であることをユーザに対して通知する。
このような通知に伴い、ユーザは、コメントの追加を忘れることなく行うことができるため、通帳を家計簿代わりに利用するユーザにとって好適である。
【0057】
[口座管理システムSの処理]
続いて、
図10から
図12を参照して、口座管理システムSの処理の流れについて説明する。
図10は、口座管理装置1の加工機能により、ユーザ端末3からの指示に基づいて未記入履歴データを加工する際の処理の流れを示すフローチャートであり、
図11は、口座管理装置1の通知機能により、ユーザに対して通知を行う際の処理の流れを示すフローチャートである。また、
図12は、ATM2等で通帳に対して未記入履歴データを記入する際の口座管理装置1の処理の流れを示すフローチャートである。
【0058】
[加工処理]
図10に示すように、口座管理装置1では、初めに、ログイン画面等を介してユーザからネットバンキング等の未記入履歴データを加工する口座管理サイトへのログインを受け付ける(ステップS1)。続いて、口座管理装置1は、ログイン情報に基づいて特定したユーザの履歴データを記憶部12から取得する(ステップS2)。続いて、口座管理装置1は、未記入履歴の照会画面30(
図4参照)を生成し、ユーザ端末3に対して提供する(ステップS3)。
【0059】
続いて、口座管理装置1は、ユーザ端末3からコメントや記号を追加する操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS4)。例えば、口座管理装置1は、履歴編集画面320において入力欄323を介してコメントの追加が行われたか否かを判定するとともに、入力欄326を介して記号の追加が行われたか否かを判定する。ステップS4においてYESの場合、口座管理装置1は、受け付けたコメントや記号を未記入履歴データに対して追加し(ステップS5)、処理をステップS6に移す。他方、ステップS4においてNOの場合、口座管理装置1は、処理をステップS6に移す。
【0060】
ステップS6では、口座管理装置1は、記号を編集する操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、口座管理装置1は、記号照会・編集画面330において入力欄331,332を介して記号とコメントとの関係性を変更する操作を受け付けたか否かを判定する。ステップS6においてYESの場合、口座管理装置1は、記号とコメントとの関係性を変更し(ステップS7)、処理をステップS8に移す。他方、ステップS6においてNOの場合、口座管理装置1は、処理をステップS8に移す。
【0061】
ステップS8では、口座管理装置1は、合算を指示する操作を受け付けたか否かを判定する。例えば、口座管理装置1は、照会画面30において連続する複数の金融取引が選択された状態で「合算」ボタン33が操作されたか否かを判定する。ステップS8においてYESの場合、口座管理装置1は、選択された連続する金融取引を合算するとともに(ステップS9)、未記入行数を減算し(ステップS10)、処理を終了する。他方、ステップS8においてNOの場合、口座管理装置1は、処理を終了する。
【0062】
[通知処理]
図11に示すように、口座管理装置1では、初めに、未記入の金融取引が追加されたか否かを判定する(ステップS11)。例えば、口座管理装置1は、記憶部12を監視し、新たな未記入履歴データが追加されたか否かを判定する。ステップS11においてYESの場合、口座管理装置1は、未記入行数を加算するとともに(ステップS12)、追加された未記入の金融取引についてコメントの追加が可能であることを通知する通知情報を生成し(ステップS13)、処理をステップS14に移す。他方、ステップS11の処理がNOの場合、口座管理装置1は、処理を終了する。
【0063】
ステップS14では、口座管理装置1は、未記入行数が所定数(例えば、10,20,25)に到達したか否かを判定する。ステップS14においてYESの場合、口座管理装置1は、通帳への記入が必要であることを通知する通知情報を生成し(ステップS15)、処理をステップS16に移す。他方、ステップS14においてNOの場合、口座管理装置1は、処理をステップS16に移す。
ステップS16では、口座管理装置1は、生成した通知情報に基づいてユーザに対して通知を行い、処理を終了する。
【0064】
[記帳処理]
図12に示すように、口座管理装置1は、初めに、ATM2等の通帳への記入が可能な装置から記帳指示を受信したか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21においてYESの場合、口座管理装置1は、処理をステップS22に移し、NOの場合、処理を終了する。
【0065】
ステップS22において、口座管理装置1は、記憶部12から、記帳指示があった口座の未記入履歴データを読み出す。続いて、口座管理装置1は、読み出した未記入履歴データの中にコメントや記号が追加されているか否かを判定する(ステップS23)。ステップS23においてNOの場合、口座管理装置1は、記帳確認処理を行う(ステップS24)。この記帳確認処理では、口座管理装置1は、ATM2等を介してユーザに対して記帳の実行可否を確認する。即ち、コメントや記号が追加されていない場合、口座管理装置1は、記帳の実行可否を確認する。
ステップS23においてYESの場合、又は記帳確認処理においてユーザから記帳指示を受け付けた場合、口座管理装置1は、処理をステップS25に移す。なお、記帳確認処理においてユーザから記帳指示を受け付けない場合、口座管理装置1は、処理を終了する。
【0066】
ステップS25では、口座管理装置1は、追加内容(追加されたコメントや記号)を履歴データに反映して印字用データを生成する。続いて、口座管理装置1は、生成した印字用データをATM2等に送信し(ステップS26)、処理を終了する。
ATM2では、印字用データを受信すると、通帳に対して印字用データを印字する。
【0067】
なお、未記入履歴データのうち通帳へ記入する未記入履歴データをユーザが指定可能にしてもよい。ユーザによる指定は、任意の方法により行うことができるが、一例として、ATM2等においてユーザから記入範囲を指定する操作を受け付けることで実現することができる。
また、コメントや記号を追加した際にユーザから記入を許可する操作を受け付けることで、ユーザによる記入範囲の指定を実現することとしてもよい。具体的には、未記入履歴データに対して「印字許可フラグ」を設定し記憶部12に記憶しておく。そして、口座管理装置1は、この「印字許可フラグ」が「1」である最新の未記入履歴データまで印字用データを生成することで、ユーザによる記入範囲の指定を実現することができる。なお、「印字許可フラグ」の更新は、例えば、履歴編集画面320等において所定のボタン(「印字許可」ボタン等)を設けておき、このボタンの操作の有無により行う。
【0068】
[口座管理装置1における効果]
以上、本発明の口座管理装置1の一実施形態について説明した。本発明の口座管理装置1によれば、以下の効果を奏する。
【0069】
口座管理装置1では、ユーザ端末3からの要求に応じて、未記入分の金融取引に関するコメントの入力を受け付けると、当該コメントを未記入履歴データに対して追加し、通帳に記入可能にする。これにより、ATM2を離れてユーザ端末3から預貯金の使用用途等の入力が可能になるため、ユーザにとってみればATM2に出向かなくてもよく利便性が向上する。また、銀行にとってみても、ATM2の待ち時間が長くなることを防止でき好適である。
このとき、口座管理装置1では、コメントを入力可能な入力画面において未記入分の金融取引の数を示す未記入行数を表示し、ユーザに対して知らせる。ユーザにとってみれば、未記入行数が増えていることを容易に把握できるため、必要なタイミングで通帳への記入を行うことができ、ユーザの意図しない合算処理が行われることを防止できる。
【0070】
また、口座管理装置1では、未記入行数が所定数に到達すると、ユーザに対して所定の通知を行い通帳への記入を促す。これにより、ユーザに対して未記入行数が増えていることをより確実に知らせることができるため、ユーザの意図しない合算処理が行われることを防止できる。
【0071】
また、口座管理装置1では、ユーザ端末3からの合算指示があると、指示された未記入分の金融取引を合算する。このように、ユーザ自らの意思により合算処理を行うことで、未記入行数も減るため、ユーザの意図しない合算処理が行われることを防止できる。
【0072】
また、口座管理装置1では、予め設定された用語やユーザによるテキスト入力に基づいて、コメントの入力を受け付ける。これにより、ユーザは、様々な態様でコメントを入力することができるため、利便性が向上する。
【0073】
また、口座管理装置1では、金融取引に関するコメントとともに記号を受け付け、コメントの代わりに当該記号を通帳に記入可能にする。これにより、通帳にコメントではなく記号を記入することができるため、通帳を見た第三者に金融取引の用途や目的等が知られてしまうことを防止できる。
【0074】
また、口座管理装置1では、未記入分の金融取引が増えると、ユーザに対してコメントの入力が可能であることを通知する。これにより、ユーザは、忘れずにコメントを入力することができるため、利便性が向上する。
【0075】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0076】
例えば、上記実施形態においては、金融取引の履歴データのコメント履歴A1にコメントが追加される例について説明したが、コメントを追加する態様は上記の実施形態において説明した態様に限らない。一例として、
図3に示した履歴データの他の欄(例えば、「内容欄」)にコメントを追加したり、他の欄に含まれているデータを削除してコメントに置き換えることによってコメントを追加してもよい。また、上記実施形態では特に説明していないが、ユーザが、金融取引について一度追加したコメントや記号を変更できるようにしてもよい。