特開2015-188864(P2015-188864A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2015188864-ガス冷却装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-188864(P2015-188864A)
(43)【公開日】2015年11月2日
(54)【発明の名称】ガス冷却装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20151006BHJP
   F25B 29/00 20060101ALI20151006BHJP
【FI】
   B01D53/26 A
   F25B29/00 391A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-69754(P2014-69754)
(22)【出願日】2014年3月28日
(71)【出願人】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140486
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100170058
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100123641
【弁理士】
【氏名又は名称】茜ヶ久保 公二
(72)【発明者】
【氏名】小川 茂
(72)【発明者】
【氏名】弓達 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】堀野 裕記
【テーマコード(参考)】
4D052
【Fターム(参考)】
4D052AA00
4D052BA01
4D052BA03
4D052BB07
4D052FA05
(57)【要約】
【課題】ガスの冷却を行いながらも、下流側に設けられる機器を凝縮水から保護することが可能なガス冷却装置を提供する。
【解決手段】第1熱交換器21は、加温機10あるいは第2熱交換器22が運転時に放出する熱を利用して、第2熱交換器22によって冷却された燃焼排ガスを加熱する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスの冷却を行うガス冷却装置であって、
ガス発生源からガスの供給を受け、該ガスを冷却する冷却器と、
前記冷却器によって冷却されたガスの相対湿度を低下させる除湿器と、を備え、
前記除湿器は、前記ガス発生源あるいは前記冷却器が運転時に放出する熱を利用して、前記冷却器によって冷却されたガスを加熱することを特徴とするガス冷却装置。
【請求項2】
前記除湿器は、前記ガス発生源から前記冷却器に供給されるガスが有する熱を利用して、前記冷却器によって冷却されたガスを加熱することを特徴とする請求項1に記載のガス冷却装置。
【請求項3】
前記冷却器から前記除湿器に供給されるガスに発生した凝縮水を除去する凝縮水除去装置を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスの冷却を行うガス冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼等によって発生する高温のガスに種々の処理を施し、ガスの熱や、ガスに含まれる物質を利用する技術が広く普及している。
【0003】
下記特許文献1には、加温機において重油や灯油などを燃焼させ、排出された燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を回収・貯留する二酸化炭素施用装置が記載されている。この二酸化炭素施用装置では、夜間、農業用ハウス内の気温が低下し過ぎて園芸植物の生育が阻害されることのないように、燃焼により発生した燃焼熱を温風として農業用ハウス内に供給し、空気を加温している。一方、昼間は、夜間の燃焼の際に回収・貯留しておいた二酸化炭素を農業用ハウス内に供給(施用)することで、園芸植物の光合成を活性化させ、園芸植物の収率および品質の向上を図っている。
【0004】
上記二酸化炭素施用装置では、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素の回収・貯留は、ゼオライト等の吸着材を用いて、二酸化炭素を吸着することにより行っている。また、園芸植物の生育に悪影響を及ぼす燃焼排ガス中の窒素酸化物については、触媒作用を有する高活性炭素繊維により、窒素酸化物を変質させることで除去している。
【0005】
加温機から排出された高温(300℃程度)の燃焼排ガスを、直接吸着材や高活性炭素繊維に供給すると、燃焼排ガスが有する熱によってそれらが損傷し、それぞれに要求される性能を発揮できなくなるおそれがある。このため、下記特許文献1に記載された二酸化炭素施用装置では、燃焼排ガスをまず熱交換器に導入し、その後、吸着材や高活性炭素繊維に供給している。燃焼排ガスは、熱交換器において熱を奪われて冷却され、その温度が低下するため、吸着材や高活性炭素繊維の熱による損傷を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−074887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1記載の二酸化炭素施用装置では、熱交換器において冷却された燃焼排ガスは、温度が低下する一方で、それに伴って飽和水蒸気圧も低下し、相対湿度が上昇するため、燃焼排ガスに含まれる水分が結露して、凝縮水が発生するおそれがある。このように相対湿度が高い状態にある燃焼排ガスを、そのまま下流側の吸着材や高活性炭素繊維に供給すると、凝縮水が発生してそれらに付着し、二酸化炭素の吸着や窒素酸化物の変質が適切に行えなくおそれがある。
【0008】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガスの冷却を行いながらも、下流側に設けられる機器を凝縮水から保護することが可能なガス冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係るガス冷却装置は、ガスの冷却を行うガス冷却装置であって、ガス発生源からガスの供給を受け、該ガスを冷却する冷却器と、前記冷却器によって冷却されたガスの相対湿度を低下させる除湿器と、を備え、前記除湿器は、前記ガス発生源あるいは前記冷却器が運転時に放出する熱を利用して、前記冷却器によって冷却されたガスを加熱することを特徴としている。
【0010】
本発明に係るガス冷却装置によれば、ガス発生源から供給されるガスは、冷却器によって冷却されて温度が低下し、相対湿度が上昇するが、その後、当該ガスは除湿器によって相対湿度が低下するため、凝縮水の発生を抑制することができる。この除湿器は、ガス発生源あるいは冷却器が運転時に放出する熱を利用して、冷却器によって冷却されたガスを加熱して相対湿度を低下させるものである。したがって、電力により発熱する電気ヒータ等の、別途のエネルギーを要する機器を使用することなく、ガスの相対湿度を低下させ、本ガス冷却装置の下流側に設けられる機器を凝縮水から保護することができる。
【0011】
ここで、ガス発生源あるいは冷却器が運転時に放出する熱としては、例えば、燃料を燃焼させる加温機等から排出される燃焼排ガスが有する熱や、当該加温機等によって加熱され農業用ハウス内に供給される空気が有する熱や、冷却器において高温のガスと熱交換を行って高温となった冷媒が有する熱等が挙げられる。
【0012】
また本発明に係るガスでは、前記除湿器は、前記ガス発生源から前記冷却器に供給されるガスが有する熱を利用して、前記冷却器によって冷却されたガスを加熱することも好ましい。
【0013】
この好ましい態様では、ガス発生源から冷却器に供給される高温のガスにより、冷却器によって冷却されたガスを加熱して確実に相対湿度を低下させることが可能となるため、本ガス冷却装置の下流側に設けられる機器を凝縮水から保護することができる。
【0014】
また本発明に係るガスでは、前記冷却器から前記除湿器に供給されるガスに発生した凝縮水を除去する凝縮水除去装置を備えることも好ましい。
【0015】
この好ましい態様では、冷却器によって冷却されたガスに凝縮水が発生した場合であっても、その凝縮水は凝縮水除去装置によって除去されるため、凝縮水が除湿器によって加熱されて気化することを抑制することができる。したがって、そのように気化した水分が、本ガス冷却装置の下流側に設けられる機器において再度凝縮水となる事態を抑制することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ガスの冷却を行いながらも、下流側に設けられる機器を凝縮水から保護することが可能なガス冷却装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係るガス冷却装置を搭載した二酸化炭素施用装置のガスの流れを表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るガス冷却装置の概要を説明する。図1は、本発明の実施形態に係るガス冷却装置20を搭載した二酸化炭素施用装置100のガスの流れを表すブロック図である。
【0019】
図1に表すように、二酸化炭素施用装置100は、加温機10と、ガス冷却装置20と、浄化フィルタ30と、ブロア40と、二酸化炭素吸着装置50と、を有している。
【0020】
加温機10は、重油や灯油等の燃料を燃焼させる燃焼装置である。加温機10は、夜間に農業用ハウス(図示せず)内の気温が下がり過ぎて園芸植物の生育が阻害されることのないように、農業用ハウス内の空気を加熱して温風を供給する。加温機10には配管2が接続されており、燃料の燃焼により発生した燃焼排ガスが、この配管2内を流れるように構成されている。配管2は高温の燃焼排ガスの流通にも耐え得るように、ステンレス等の耐熱性に優れた金属材料で形成されている。
【0021】
ガス冷却装置20は、加温機10の下流側に設けられており、第1熱交換器21(除湿器)と、第2熱交換器22(冷却器)と、凝縮水除去装置23と、を有している。
【0022】
第1熱交換器21と、その下流側に設けられる第2熱交換器22は、いずれも、外部から供給される2つの流体をその内部に通過させ、両流体間で熱交換させる熱交換器である。
詳細には、第1熱交換器21は、その内部に高温側流路21H及び低温側流路21Cの2つの独立した流路が形成されており、比較的温度が高い流体を高温側流路21Hに流し、比較的温度が低い流体を低温側流路21Cに流す熱交換器である。
また、第2熱交換器22は、その内部に高温側流路22H及び低温側流路22Cの2つの独立した流路が形成されており、比較的温度が高い流体を高温側流路22Hに流し、比較的温度が低い流体を低温側流路22Cに流す熱交換器である。
第1熱交換器21の高温側流路21Hは、その上流側が配管2に連結されている。また、第1熱交換器21の高温側流路21Hの下流側と、第2熱交換器22の高温側流路22Hの上流側とが、配管3によって連結されている。
【0023】
凝縮水除去装置23は、第2熱交換器22の下流側に設けられ、その内部に形成された屈曲流路でガスを上下方向に蛇行させ、当該ガスから凝縮水を分離する機器である。これにより、凝縮水除去装置23に供給されたガスは、凝縮水を除去した状態で配管5を介して排出される。
【0024】
浄化フィルタ30は、ガス冷却装置20の下流側に設けられ、通過するガスから硫黄酸化物等有害ガスを除去するフィルタである。詳細には、浄化フィルタ30は、第1熱交換器21の低温側流路21Cの下流側に設けられており、表面に微細な細孔構造を有し、吸着特性が優れた繊維状の活性炭である。
【0025】
尚、本実施形態では、浄化フィルタ30は、活性炭の吸着特性により硫黄酸化物の除去を行うものとしているが、除去対象物や除去の方法はこれらに限られるものではなく、ガスに含まれる種々の物質を他の方法で除去し、ガスの浄化を行うものを採用することも可能である。
【0026】
ブロア40は、浄化フィルタ30の下流側に設けられ、電力の供給を受けてモータ(図示せず)を駆動させ、ファン(図示せず)を回転させることで、配管7を介してガスを吸引するファンモータである。ブロア40によって吸引されたガスは、配管8を介して下流側に圧送される。
【0027】
二酸化炭素吸着装置50は、ブロア40の下流側に設けられ、その内部には、図示しない活性炭(吸着材)が収容されている。活性炭は、その表面に多数設けられる細孔において、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素を吸着することで、二酸化炭素を内部に貯留する。二酸化炭素吸着装置50内の活性炭によって二酸化炭素の一部又は全部を除去されたガスは、その外部へと排出される。
【0028】
尚、本実施形態では、吸着材として活性炭を用いているが、ガスに含まれる二酸化炭素を吸着・貯留する機能を有するものであれば他の材料を用いることも可能であり、例えばゼオライト等の親水性多孔質材料を用いてもよい。
【0029】
上記構成を備える二酸化炭素施用装置100は、農業用ハウス内の気温が低下する夜間は、燃料を燃焼させて農業用ハウス内に温風を供給するとともに、二酸化炭素吸着装置50の活性炭において、燃焼排ガスに含まれる二酸化炭素の吸着を行う。以下、二酸化炭素施用装置100における燃焼排ガスの流れについて説明する。燃焼排ガスや冷却水等の流体の名称の後方に、その温度や湿度の値を括弧書きで示すが、それらの値は発明の理解のために目安として示すものに過ぎず、本発明はこれに限定されるものではない。
【0030】
加温機10における燃料の燃焼により、加温機10から高温の燃焼排ガス(300℃程度)が排出される。排出された燃焼排ガスは、配管2を介して第1熱交換器21に供給される。
【0031】
加温機10から燃焼排ガス(300℃程度)の供給を受けた第1熱交換器21は、その高温側流路21Hに燃焼排ガス(300℃程度)を流し、低温側流路21Cに後述する低温ガス(25℃程度)を流す。これによって当該燃焼排ガス(300℃程度)と、低温ガス(25℃程度)との熱交換が行われ、燃焼排ガス(300℃程度)は、低温ガス(25℃程度)によって熱を奪われることで冷却される。このため、加温機10から配管2を介して供給された燃焼排ガス(300℃程度)は、第1熱交換器21を通過することで、その温度が280℃程度まで低下する。
【0032】
第1熱交換器21を通過した燃焼排ガス(280℃程度)は、配管3を介して第2熱交換器22に供給される。第2熱交換器22は、その高温側流路22Hに燃焼排ガス(280℃程度)を流し、低温側流路22Cに冷却水(10℃程度)を流す。これによって当該燃焼排ガス(280℃程度)と、冷却水(10℃程度)との熱交換が行われ、燃焼排ガス(280℃程度)は、冷却水(10℃程度)によって熱を奪われることで冷却される。このため、第1熱交換器21から配管3を介して供給された燃焼排ガス(280℃程度)は、第2熱交換器22を通過することで、その温度が30℃程度まで低下する。また、燃焼排ガスとの熱交換を行うことで、冷却水はその温度が上昇して第2熱交換器22から排出される。
【0033】
第2熱交換器22を通過した燃焼排ガス(30℃程度)は、その温度が大きく低下したことにより、飽和水蒸気圧も低下し、相対湿度が99%程度の多湿のガスとなる。このため、第2熱交換器22から燃焼排ガス(30℃、99%程度)が排出される配管4内では、その内壁等で凝縮水が発生する。
【0034】
燃焼排ガス(30℃、99%程度)は、発生した凝縮水とともに配管4内をさらに下流側に流れ、凝縮水除去装置23に供給される。燃焼排ガス(30℃、99%程度)は、凝縮水除去装置23の内部の屈曲流路を上下方向に蛇行して通過する。一方、凝縮水は、重力のため上下方向に蛇行することができず、屈曲流路の底面に落下する。また、燃焼排ガス(30℃、99%程度)が蛇行する際に、その水分の一部が遠心分離される。
【0035】
凝縮水除去装置23において凝縮水を除去された燃焼排ガス(30℃、99%程度)は、配管5を下流側の第1熱交換器21に向けて流れる。燃焼排ガス(30℃、99%程度)は、ステンレス鋼管である配管5内を流れることで、配管5の管壁を介して外気との熱交換を行って冷却され、その温度が25℃程度まで低下する。
【0036】
配管5を流れて第1熱交換器21に供給された燃焼排ガス(25℃、99%程度)は、第1熱交換器21の低温側流路21Cを流れる。すなわち、第1熱交換器21を一度通過した燃焼排ガス(280℃程度)が、第2熱交換器22及び凝縮水除去装置23を経て第1熱交換器21に帰還し、上述した低温ガス(25℃程度)として機能する。
【0037】
したがって、第1熱交換器21において、加温機10から供給され高温側流路21Hを流れる燃焼排ガス(300℃程度)と、上述したように帰還して低温側流路21Cを流れる燃焼排ガス(25℃、99%程度)との熱交換が行われる。低温側流路21Cを流れる燃焼排ガス(25℃、99%程度)は、高温側流路21Hを流れる燃焼排ガス(300℃程度)から熱を奪うことで加熱される。このため、第1熱交換器21に帰還した燃焼排ガス(25℃、99%程度)は、第1熱交換器21を通過することで、その温度が40℃程度まで上昇する一方、それに伴う飽和水蒸気圧の上昇により、相対湿度が45%程度まで低下する。
【0038】
第1熱交換器21の低温側流路21Cから排出された燃焼排ガス(40℃、45%程度)は、配管6を介して浄化フィルタ30に供給される。この浄化フィルタ30への燃焼排ガス(40℃、45%程度)の供給は、浄化フィルタ30と配管7を介して連通しているブロア40が運転し、配管7側を負圧にして燃焼排ガス(40℃、45%程度)を吸引することにより行われる。燃焼排ガス(40℃、45%程度)は、浄化フィルタ30を通過することにより、園芸植物に供給されても支障のない程度まで硫黄酸化物等有害ガスが除去される。
【0039】
浄化フィルタ30に供給された燃焼排ガス(40℃、45%程度)は、浄化フィルタ30を通過してステンレス鋼管である配管7内を流れることで、配管7の管壁を介して外気との熱交換を行って冷却され、その温度は35℃程度まで低下し、相対湿度は58%程度まで上昇する。
【0040】
また、配管7を介してブロア40に供給された燃焼排ガス(35℃、58%)は、ブロア40を通過する際に、ブロア40の電動モータが発生するジュール熱を奪うことにより、その温度が55℃程度まで上昇し、相対湿度は22%程度まで低下する。
【0041】
ブロア40を通過した燃焼排ガス(55℃、22%程度)は、配管8を介して二酸化炭素吸着装置50に供給される。二酸化炭素吸着装置50の内部に収容された活性炭を燃焼排ガス(55℃、22%程度)が通過することで、そこに含まれている二酸化炭素が活性炭に吸着され、貯留される。二酸化炭素吸着装置50に貯留された二酸化炭素は、農業用ハウス内の園芸植物の光合成を促進するため、昼間に園芸植物へと供給される。
【0042】
二酸化炭素吸着装置50の内部に収容された活性炭の耐熱性能が低い場合には、二酸化炭素吸着装置50に供給される燃焼排ガスの温度を低下させるために、ブロア40と二酸化炭素吸着装置50との間に新たな熱交換器(図示せず)を設けてもよい。
【0043】
以上のようなガス冷却装置20によれば、加温機10(ガス発生源)から供給される燃焼排ガスは、第2熱交換器22(冷却器)によって冷却されて温度が低下し、相対湿度が上昇するが、その後、当該燃焼排ガスは第1熱交換器21(除湿器)によって相対湿度が低下するため、凝縮水の発生を抑制することができる。
【0044】
この第1熱交換器21は、加温機10から第2熱交換器22に供給される燃焼排ガスが有する熱を利用して、第2熱交換器22によって冷却された燃焼排ガスを加熱して相対湿度を低下させるものである。したがって、電力により発熱する電気ヒータ等、別途のエネルギーを要する機器を使用することなく燃焼排ガスの加熱を行い、本ガス冷却装置20の下流側に設けられる浄化フィルタ30、ブロア40及び二酸化炭素吸着装置50を凝縮水から保護することができる。
【0045】
第2熱交換器22によって冷却された燃焼排ガスの加熱には、加温機10から第2熱交換器22に供給される燃焼排ガスの他にも、加温機10によって加熱され、農業用ハウス内に供給される空気が有する熱や、第2熱交換器22において昇温した冷却水が有する熱等を利用してもよい。
【0046】
また、第2熱交換器22(冷却器)から第1熱交換器21(除湿器)に供給される燃焼排ガスに発生した凝縮水を除去する凝縮水除去装置23を備えることにより、第2熱交換器22によって冷却された燃焼排ガスに凝縮水が発生した場合であっても、その凝縮水は凝縮水除去装置23によって除去されるため、凝縮水が第1熱交換器21によって加熱されて気化することを抑制することができる。したがって、そのように気化した水分が、本ガス冷却装置20の下流側に設けられる浄化フィルタ30、ブロア40及び二酸化炭素吸着装置50において再度凝縮水となる事態を抑制するが可能となる。
【0047】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。例えば、上述したガス冷却装置20は、二酸化炭素施用装置100に搭載され、加温機10から供給される燃焼排ガスを冷却するものとしているが、これに限らず、ガスの冷却を要するその他の機器に搭載することも可能である。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【0048】
また、前述した各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0049】
10 :加温機(ガス発生源)
20 :ガス冷却装置
21 :第1熱交換器(除湿器)
22 :第2熱交換器(冷却器)
23 :凝縮水除去装置
100:二酸化炭素施用装置
図1