(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-189568(P2015-189568A)
(43)【公開日】2015年11月2日
(54)【発明の名称】製造出荷システムと製造出荷方法
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20151006BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20151006BHJP
【FI】
B65G1/137 A
B65G1/00 501B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-69108(P2014-69108)
(22)【出願日】2014年3月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086830
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 明
(74)【代理人】
【識別番号】100096046
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 みか
(72)【発明者】
【氏名】大橋 稔
(72)【発明者】
【氏名】本田 和男
(72)【発明者】
【氏名】加賀美 正史
【テーマコード(参考)】
3F022
3F522
【Fターム(参考)】
3F022FF01
3F022JJ07
3F022LL12
3F022LL19
3F022LL24
3F022LL31
3F022MM42
3F022MM52
3F522AA02
3F522BB01
3F522BB28
3F522BB32
3F522BB35
3F522BB36
3F522CC06
3F522GG09
3F522GG13
3F522GG49
3F522JJ01
3F522JJ02
3F522JJ03
3F522KK07
3F522LL07
3F522LL15
3F522LL51
(57)【要約】 (修正有)
【課題】地震等により自動倉庫の入出庫機能に支障が生じても、製造設備とトラックバースとを活かして、製造と出荷とを継続できるようにする。
【解決手段】自動倉庫6と、製造設備4と自動倉庫6とを接続する第1の搬送システム8と、トラックバース10と自動倉庫6とを接続する第2の搬送システム9と、搬送コントローラ12、とを有する。第1の搬送システム8と第2の搬送システム9とが製品を受け渡し自在に接続されている。常時は、搬送コントローラ12が、第1の搬送システム8と第2の搬送システム9及び倉庫内の搬送装置とを制御することにより、第1の搬送システム8を介して自動倉庫6に入庫すると共に、倉庫内の搬送装置により自動倉庫6から製品を出庫し、第2の搬送システム9を介してトラックバース10へ搬送する。非常時には、第1の搬送システム8と第2の搬送システム9とにより、自動倉庫6を経由せずにトラックバース10へ搬送する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動倉庫と、製造設備と自動倉庫とを接続する第1の搬送システムと、トラックバースと自動倉庫とを接続する第2の搬送システムと、自動倉庫と第1の搬送システムと第2の搬送システムとを制御する搬送コントローラ、とを有する製造出荷システムにおいて、
第1の搬送システムと第2の搬送システムとが製品を受け渡し自在に接続され、
搬送コントローラは、
製造設備で製造した製品を、第1の搬送システムを介して自動倉庫に入庫すると共に、自動倉庫内の搬送装置により自動倉庫から出庫した製品を、第2の搬送システムを介してトラックバースへ搬送するように、第1の搬送システムと第2の搬送システム及び自動倉庫倉庫内の搬送装置を制御する自動倉庫搬送モードと、
製造設備で製造した製品を、第1の搬送システムと第2の搬送システムとにより、自動倉庫を経由せずにトラックバースへ搬送するように、第1の搬送システムと第2の搬送システムを制御する払い出しモード、とを備えていることを特徴とする、製造出荷システム。
【請求項2】
前記トラックバースは複数設けられ、搬送コントローラは、前記払い出しモードで、任意のトラックバースへ製品を搬送自在に、第1の搬送システムと第2の搬送システムとを制御することを特徴とする、請求項1の製造出荷システム。
【請求項3】
前記払い出しモードで、任意のトラックバースから製造設備へ空のパレットを搬送自在に、第1の搬送システムと第2の搬送システムとを制御することを特徴とする、請求項2の製造出荷システム。
【請求項4】
第1の搬送システムと第2の搬送システムは異なるフロアに設けられ、
自動倉庫は、第1の搬送システムが設けられたフロアの第1のステーションと、第2の搬送システムが設けられたフロアの第2のステーションとを、鉛直方向に重なるように備え、
第1のステーションと第2のステーションは各々コンベヤを備え、
さらに第1のステーションのコンベヤに接続された位置と、第2のステーションのコンベヤに接続された位置との間で昇降するリフタが、自動倉庫に設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの製造出荷システム。
【請求項5】
自動倉庫と、製造設備と自動倉庫とを接続する第1の搬送システムと、トラックバースと自動倉庫とを接続する第2の搬送システムと、自動倉庫と第1の搬送システムと第2の搬送システムとを制御する搬送コントローラ、とを有する製造出荷システムを用いて、
第1の搬送システムと第2の搬送システムとが製品を受け渡し自在に接続され、
常時は、搬送コントローラが、第1の搬送システムと第2の搬送システム及び自動倉庫倉庫内の搬送装置とを制御することにより、製造設備で製造した製品を、第1の搬送システムを介して自動倉庫に入庫すると共に、自動倉庫内の搬送装置により自動倉庫から製品を出庫し、第2の搬送システムを介してトラックバースへ搬送し、
非常時には、搬送コントローラが、第1の搬送システムと第2の搬送システムを制御することにより、製造設備で製造した製品を、第1の搬送システムと第2の搬送システムとにより、自動倉庫を経由せずにトラックバースへ搬送することを特徴とする、製造出荷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、製造設備と自動倉庫とトラックバースとを備え、製造設備と自動倉庫、及び自動倉庫とトラックバースとが、自動倉庫外の搬送システムにより接続されている製造出荷システムと製造出荷方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
2011年3月11日の東日本大震災のため、北関東、東北地方を中心に多くの自動倉庫が機能を停止した。そしてこのため、製造設備とトラックバースとが機能していても、自動倉庫が機能しないため、製造と出荷とが中断する事例が多発した。なお自動倉庫の機能が失われる原因は、ラックから落下した製品のため、スタッカークレーン等の倉庫内搬送装置が走行できなくなったものが多かった。
【0003】
関連する先行技術を示す。特許文献1(特許5015750)は、自動倉庫に非常出庫モードを設け、入出庫台車と入庫用リフタとを用いて、収納している物品を出庫することを開示している。しかしながら地震等により倉庫内搬送装置が機能しない場合、特許文献1の構成は有効ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許5015750
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の課題は、地震等により自動倉庫の入出庫機能に支障が生じても、製造設備とトラックバースとを活かして、製造と出荷とを継続できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、自動倉庫と、製造設備と自動倉庫とを接続する第1の搬送システムと、トラックバースと自動倉庫とを接続する第2の搬送システムと、自動倉庫と第1の搬送システムと第2の搬送システムとを制御する搬送コントローラ、とを有する製造出荷システムにおいて、
第1の搬送システムと第2の搬送システムとが製品を受け渡し自在に接続され、
搬送コントローラは、
製造設備で製造した製品を、第1の搬送システムを介して自動倉庫に入庫すると共に、自動倉庫内の搬送装置により自動倉庫から出庫した製品を、第2の搬送システムを介してトラックバースへ搬送するように、第1の搬送システムと第2の搬送システム及び自動倉庫倉庫内の搬送装置を制御する自動倉庫搬送モードと、
製造設備で製造した製品を、第1の搬送システムと第2の搬送システムとにより、自動倉庫を経由せずにトラックバースへ搬送するように、第1の搬送システムと第2の搬送システムを制御する払い出しモード、とを備えていることを特徴とする。
【0007】
またこの発明の製造出荷方法では、自動倉庫と、製造設備と自動倉庫とを接続する第1の搬送システムと、トラックバースと自動倉庫とを接続する第2の搬送システムと、自動倉庫と第1の搬送システムと第2の搬送システムとを制御する搬送コントローラ、とを有する製造出荷システムを用いて、
第1の搬送システムと第2の搬送システムとが製品を受け渡し自在に接続され、
常時は、搬送コントローラが、第1の搬送システムと第2の搬送システム及び自動倉庫倉庫内の搬送装置とを制御することにより、製造設備で製造した製品を、第1の搬送システムを介して自動倉庫に入庫すると共に、自動倉庫内の搬送装置により自動倉庫から製品を出庫し、第2の搬送システムを介してトラックバースへ搬送し、
非常時には、搬送コントローラが、第1の搬送システムと第2の搬送システムを制御することにより、製造設備で製造した製品を、第1の搬送システムと第2の搬送システムとにより、自動倉庫を経由せずにトラックバースへ搬送する。
【0008】
自動倉庫内の搬送装置は例えばスタッカークレーンであり、第1の搬送システムと第2の搬送システムは例えば有軌道台車とコンベヤ等で構成されている。そして第1の搬送システムと第2の搬送システムは、バーティカルコンベヤ、リフタ、コンベヤ、無人搬送車等により接続されている。第1の搬送システムと第2の搬送システムをフロアを異ならせて設ける場合は、バーティカルコンベヤとリフタが、システム間の接続に適している。また第1の搬送システムと第2の搬送システムは好ましくは複数個所で接続する。即ち、製品をシステム間で受け渡す能力を確保すると共に、仮に一部の接続個所が地震等の被害を受けても、他の接続個所で第1の搬送システムと第2の搬送システムとを接続できるようにすることが好ましい。なお第1の搬送システムと第2の搬送システムは両者を兼用する装置を含んでいても良く、機械的に別途のシステムには限らない。製造設備とトラックバースは製造出荷システムがサポートする対象であり、製造出荷システムの一部と見なしても見なさなくてもよい。
【0009】
地震等の影響を受けると、ラックからの製品の落下等により、自動倉庫内の搬送装置は機能しなくなることが多い。この発明では、自動倉庫を介さずに、第1の搬送システムと第2の搬送システムを接続して、搬送コントローラの制御により、製造設備からトラックバースへ製品の出荷を続行できる。従って自動倉庫の復旧を待たずに、製造設備で製造を続けることが出来、製造出荷システムの面で、震災等の影響を受けにくい社会基盤を構築できる。なおこの明細書において、製造出荷システムに関する記載は、そのまま製造出荷方法にも当てはまり、逆に製造出荷方法に関する記載は、そのまま製造出荷システムにも当てはまる。
【0010】
好ましくは、トラックバースは複数設けられ、搬送コントローラは、払い出しモードで、任意のトラックバースへ製品を搬送自在に、第1の搬送システムと第2の搬送システムとを制御する。即ち限られたトラックバースにのみ製品を搬送自在な場合、製造出荷システムの機能がトラックバースにより制限される。この問題は、任意のトラックバースへ製品を搬送自在にすることにより解消できる。
【0011】
より好ましくは、払い出しモードで搬送コントローラは、任意のトラックバースから製造設備へ空のパレットを搬送自在に、第1の搬送システムと第2の搬送システムとを制御する。製品の多くはパレットに搭載されて出荷され、空のパレットがトラックバースに戻ってくる。空のパレットを製造設備側へ戻せないと、出荷はいずれ停止する。そして任意のトラックバースへ製品を出荷できれば、任意のトラックバースから製造設備へ空のパレットを搬送できる。
【0012】
好ましくは、第1の搬送システムと第2の搬送システムは異なるフロアに設けられ、自動倉庫は、第1の搬送システムが設けられたフロアの第1のステーションと、第2の搬送システムが設けられたフロアの第2のステーションとを、鉛直方向に重なるように備え、第1のステーションと第2のステーションは各々コンベヤを備え、さらに第1のステーションのコンベヤに接続された位置と、第2のステーションのコンベヤに接続された位置との間で昇降するリフタが、自動倉庫に設けられている。
【0013】
自動倉庫に第1のステーションと第2のステーションとを接続するリフタを設けると、第1の搬送システムと第2の搬送システムとを自動倉庫内でも接続できる。なおこの発明では、第1の搬送システムと第2の搬送システムとは互いに接続され、このリフタは第1の搬送システムと第2の搬送システムとを追加して接続する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】実施例の製造出荷システムの、1階の要部平面図
【
図3】実施例の製造出荷システムの、2階の要部平面図
【
図4】実施例の製造出荷システムでの、搬送コントローラのブロック図
【
図5】実施例の製造出荷システムでの、出荷時の払い出しモードの制御アルゴリズムを示すフローチャート
【
図6】実施例の製造出荷システムでの、パレット返送時の払い出しモードの制御アルゴリズムを示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明を実施するための最適実施例を示す。この発明の範囲は、特許請求の範囲の記載に基づき、明細書の記載とこの分野での周知技術とを参酌し、当業者の理解に従って定められるべきである。
【実施例】
【0016】
図1〜
図7に、実施例と実施例とその変形を示す。
図1は製造出荷システム2の概要を示し、製造設備4は製品を製造し、例えばパレットに搭載して、有軌道台車、コンベヤ等から成る第1の搬送システム8により、自動倉庫6へ入庫する。有軌道台車、コンベヤ等から成る第2の搬送システム9へ、自動倉庫6から製品を出庫し、トラックバース10へ搬送して出荷する。またトラックバース10へ返送された空のパレットは、逆の経路で製造設備4へ返送する。自動倉庫6は、製品を収納するラックと、スタッカークレーン等の自動倉庫6内の搬送装置、及びステーションを備え、第1の搬送システム8用のステーションと、第2の搬送システム9用のステーションを、例えば異なるフロアに備えている。
【0017】
製造設備4は製造コントローラ14に制御され、搬送システム8,9及び自動倉庫6は搬送コントローラ12に制御され、搬送コントローラ12には製造コントローラ14からの要求の他に、端末16からも指示を入力できる。そして搬送コントローラ12は、自動倉庫6を経由して搬送システム8,9を接続する”自動倉庫搬送モード”と、第1の搬送システム8と第2の搬送システム9間で、製品を自動倉庫6を介さずに直送する、”払い出しモード”の2種類の動作モードを備えている。常時は自動倉庫搬送モードが用いられ、地震等により自動倉庫6内の搬送装置が使用できない非常時に、払い出しモードが用いられる。
【0018】
図2は製造設備4と第1の搬送システム8及び自動倉庫6のレイアウトを示し、
図3は自動倉庫6と第2の搬送システム9及びトラックバース10のレイアウトを示す。製造設備4と第1の搬送システム8は、第2の搬送システム9及びトラックバース10と、例えば建屋内の異なるフロアに設けられ、ここでは製造設備4と第1の搬送システム8が2階に、第2の搬送システム9及びトラックバース10が1階に設けられている。
【0019】
自動倉庫6は例えば複数の自動倉庫ユニット20を備え、各自動倉庫ユニット20は、例えば左右一対のラック21と、スタッカークレーン22と2階のステーション26及び1階のステーション27を備えている。そしてスタッカークレーン22は、マスト23に沿って昇降台24が昇降して、ラック21の間口及びステーション26,27との間で、製品及び空パレットを受け渡しし、レール25に沿って走行する。
【0020】
第1の搬送システム8は、有軌道台車システム30を備えて、例えば複数台の有軌道台車32を走行させ、有軌道台車32と製品等を受け渡し自在に、コンベヤ34〜38が設けられている。第2の搬送システム9は、有軌道台車システム31を備えて、例えば複数台の有軌道台車32を走行させ、有軌道台車32と製品等を受け渡し自在に、コンベヤ41〜43が設けられている。なお搬送システム8,9では、有軌道台車32はステーション26,27とも製品等を受け渡し自在である。またトラックバース10は複数設けられている。
【0021】
第1の搬送システム8では、コンベヤ37,38と接続されるように、複数個所にバーティカルコンベヤ40が設けられ、第2の搬送システム9のコンベヤ42との間で製品及び空パレットを受け渡し自在である。バーティカルコンベヤ40を複数個所に設けて、コンベヤ37,38,42を介して、有軌道台車システム30,31と接続することにより、第1の搬送システム8の任意の地点と、第2の搬送システム9の任意の地点との間で、製品、空パレット、原材料等を搬送できる。
【0022】
図4は搬送コントローラ12の構成を示す。搬送コントローラ12は、入出力部50を介して端末16及び製造コントローラ14と接続され、入出力部51を介してスタッカークレーン、有軌道台車システム30,31等のローカルコントローラ56と接続されている。そして自動倉庫搬送モード制御部では、自動倉庫6を経由して製造設備とトラックバースとを接続し、払い出しモード制御部54では、自動倉庫6を経由せずに、バーティカルコンベヤ40により、搬送システム8,9間で直接に製品等を受け渡しすることにより、製品等を製造設備とトラックバースとの間で搬送する。
【0023】
図5は払い出しモードでの製品の出荷を示し、ステップ1で、第2の搬送システムから製品を払い出すトラックバースと、製品の出発点となるfrom位置とを、端末あるいは製造コントローラから入力する。ステップ2で、from位置から払い出し先への搬送経路を決定して、この経路に応じた搬送指令を作成する。
【0024】
搬送指令は例えば、第1の搬送システム側が、コンベヤ→有軌道台車→コンベヤ→バーティカルコンベヤで、第2の搬送システム側が、バーティカルコンベヤ→コンベヤ→有軌道台車→コンベヤ等である。そして最後のコンベヤによりトラックバースへ製品を直接搬送しても、コンベヤからフォークリフトを経由して搬送しても良い。このような搬送指令を、搬送装置ごとに分解して各搬送装置に割り付け(ステップ3)、実行状況を監視し、必要に応じて複数の搬送装置を同期させる(ステップ4)。第1のは搬送システム8と第2の搬送システム9は、システム8,9内の任意の地点間が接続されているので、任意のトラックバースへ製品を出荷できる。
【0025】
図6は、払い出しモードでの、トラックバースから製造設備等へ空のパレットの返送を示す。ステップ11で空のパレットの出発位置となるトラックバース(from位置)と、搬送先のto位置(製造設備内の位置あるいはパレット置場)を端末あるいは製造コントローラから入力する。ステップ12で、
図5のステップ2と同様にして、搬送指令を作成し、ステップ13で搬送指令を搬送装置毎に分解して、個々の搬送装置に割り付ける。そしてステップ14で、搬送指令の実行状況を監視し、必要に応じて複数の搬送装置を同期させる。ここでも、任意のトラックバースから製造設備及びパレット置場に空のパレットを返送できる。同様にして、任意のトラックバースから製造設備へ原材料を、例えばパレットに搭載して搬送できる。
【0026】
以上のようにすると、製造設備4からトラックバース10へ製品を出荷でき、またトラックバース10から製造設備4へ空のパレットと原材料を搬送できる。従って自動倉庫6の復旧を待つ間も、製造と出荷を続行できる。なお第1の搬送システムと第2の搬送システムは機械的に別途のシステムに限らない。例えばコンベヤ34をトラックバースに接続したシステムの場合は、第1の搬送システムは有軌道台車システム30とコンベヤ35〜38から成り、第2の搬送システムは有軌道台車システム30とコンベヤ34から成る。この場合、有軌道台車システム30は、第1の搬送システムと第2の搬送システムとで兼用されている。
【0027】
図7は変形例の自動倉庫7を示し、リフタ60を設けること以外は、
図1〜
図6の実施例と同様である。スタッカークレーン22は上部台車58と上部レール59とを備えている。またステーション26,27を接続するように、リフタ60が設けられ、リフタ60は例えば一対のコンベヤ62,63を昇降させて、ステーション26,27のコンベヤ65、66と接続する。例えば
図7の状態では、ステーション26のコンベヤ65がコンベヤ62と接続され、ステーション27のコンベヤ66がコンベヤ63と接続されている。そしてコンベヤ62,63を昇降させると、コンベヤ62をコンベヤ66と接続し、またコンベヤ63をコンベヤ65と接続できる。なおWは製品で、パレット64上に搭載されている。
【0028】
図7の変形例では、
図2,
図3のバーティカルコンベヤ40を、リフタ60によりバックアップできる。さらに搬送システム8,9は自動倉庫6を介して接続するように構成されているので、リフタ60を設けると、搬送システム8,9を効率的に接続できる。
【符号の説明】
【0029】
2 製造出荷システム
4 製造設備
6,7 自動倉庫
8 第1の搬送システム
9 第2の搬送システム
10 トラックバース
12 搬送コントローラ
14 製造コントローラ
16 端末
20 自動倉庫ユニット
21 ラック
22 スタッカークレーン
23 マスト
24 昇降台
25 レール
26,27 ステーション
30,31 有軌道台車システム
32 有軌道台車
34〜38 コンベヤ
40 バーティカルコンベヤ(第1,第2の搬送システム間の受け渡し装置)
41〜43 コンベヤ
50,51 入出力部
52 自動倉庫搬送モード制御部
54 払い出しモード制御部
56 ローカルコントローラ
58 上部台車
59 上部レール
60 リフタ
62,63 コンベヤ
64 パレット
65,66 コンベヤ(ステーションのコンベヤ)
W 製品