【解決手段】溝部1aの両側に側堤部1bを有する排水溝部材1に、直接又は凹型部材を介して、ホース押え部材2を排水溝部材1の溝部1a又は凹型部材の凹部を跨ぐように取付け、ホース押え部材2と、排水溝部材1の溝部1aの内底面又は凹型部材の凹部の内底面とで、ドレンホース3の端部3aを上下から挟持して接続したドレンホース接続構造とする。ドレンホースの端部の位置が排水溝部材の溝部又は凹型部材の凹部の内底面と同じ高さまで低下し、内底面に沿った姿勢で接続されるのでドレンホースが下方に湾曲して弛むことはない。
溝部の両側に側堤部を有する排水溝部材に、直接又は凹型部材を介して、ホース押え部材を排水溝部材の溝部又は凹型部材の凹部を跨ぐように取付け、このホース押え部材と、排水溝部材の溝部の内底面又は凹型部材の凹部の内底面とで、ドレンホースの端部を上下から挟持して、ドレンホースを排水溝部材に直接又は凹型部材を介して接続したことを特徴とする、ドレンホース接続構造。
ホース押え部材の一端部を排水溝部材の片側の側堤部又は凹型部材の片側の立上り部と脱着可能に係合固定し、ホース押え部材の他端部を排水溝部材の反対側の側堤部又は凹型部材の反対側の立上り部と一体に結合するか、或いは、ホース押え部材の両端部を排水溝部材の両側の側堤部又は凹型部材の両側の立上り部と脱着可能に係合固定して、ホース押え部材を取付けたことを特徴とする、請求項1に記載のドレンホース接続構造。
ホース押え部材の一端部もしくは両端部に、係部と被係部のいずれか一方を形成すると共に、排水溝部材の片側もしくは両側の側堤部又は凹型部材の片側もしくは両側の立上り部に、係部と被係部のいずれか他方を形成し、係部と被係部のいずれか一方と、いずれか他方を脱着可能に係合させて、ホース押え部材の一端部もしくは両端部を排水溝部材の片側もしくは両側の側堤部又は凹型部材の片側もしくは両側の立上り部に脱着可能に固定したことを特徴とする、請求項2に記載のドレンホース接続構造。
係部と被係部のいずれか一方と、いずれか他方の係合が、係部と被係部のいずれか一方をいずれか他方に対して横方向にスライドさせて上下方向に係合させるスライド係合であることを特徴とする、請求項3に記載のドレンホース接続構造。
凹型部材の凹部の内底面を、排水溝部材の下流側に向かって徐々に低くなる傾斜面としたことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のドレンホース接続構造。
ホース押え部材の下面又は/及び凹型部材の凹部の内底面に、少なくとも一つの突起部又は排水溝部材の幅方向に長い凸リブを形成したことを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のドレンホース接続構造。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0022】
先ず、ドレンホースを排水溝部材に直接、接続するタイプのドレンホース接続構造の実施形態から説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る直接接続タイプのドレンホース接続構造を示す斜視図、
図2は
図1のA−A線に沿った横断面図、
図3は同ドレンホース接続構造の分解横断面図であって、1は排水溝部材、2はホース押え部材、3はドレンホースを示している。
【0023】
この実施形態のドレンホース接続構造に使用される排水溝部材1は、軟質ないし半硬質の熱可塑性合成樹脂で成形された長尺の部材であって、
図1〜
図3に示すように、溝部1aの両側に側堤部1b,1bを有するものである。即ち、この排水溝部材1は、長尺帯状の底板部1cの両側辺沿いに側堤部1b,1bを形成することにより、底板部1cと側堤部1b,1bとで囲まれる凹状空間を、ドレン水を排水するための溝部1aとしたものである。
この排水溝部材1は、集合住宅のバルコニーや共同廊下の水勾配を有する床面Fに敷設されており、ドレンホース3から流れ出たドレン水が溝部1aを通じてバルコニーや共同廊下の排水路に排出されるようになっている。
【0024】
排水溝部材1の溝部1aは、
図1に示すように、ドレンホース3が接続される上流側端部を除いて、軟質ないし半硬質の熱可塑性合成樹脂で成形された長尺の蓋部材1dで覆われており、この蓋部材1dは、その両側に形成されたフランジ部1e,1eを、排水溝部材1の側堤部1b,1bの内側面下部に形成された凹条1f,1f(
図2等参照)に挿入して取付けられている。そして、蓋部材1dの裏面には、蓋部材1dが上方からの荷重によって押し潰されないように支持する複数の平行な支持リブ1gが蓋部材1dの長さ方向に形成されている。
【0025】
この排水溝部材1の上流側端部においては、
図1〜
図3に示すように、一対の略キノコ形状の係部4,4が両側の側堤部1b,1bの上面から突設されている。この略キノコ形状の係部4は、
図2,
図3に示すように、上端が丸くなった円錐形の膨大頭部4aと、この膨大頭部4aの下端の最大直径よりも小さい直径を有する円柱形の基部4bとを備えたものであって、円柱形の基部4bの高さはホース押え部材2の厚みとほぼ同じになっている。これらの係部4,4は、軟質ないし半硬質の熱可塑性合成樹脂で排水溝部材1の側堤部1b,1bと一体に成形してもよいし、別体で作製して側堤部1b,1bの上面に接着、融着、嵌着、係着など所望の方法で脱落しないように取付けてもよい。
【0026】
ホース押え部材2は、柔軟性や伸縮性が良好な軟質の熱可塑性合成樹脂(例えば軟質塩化ビニル樹脂、オレフィン系樹脂など)やゴムなどで作製された矩形状の部材であって、
図2,
図3に示すように、このホース押え部材2の両端部には、上記の略キノコ形状の係部4,4と係合する丸穴形状の被係部5,5が形成されている。この丸穴形状の被係部5の直径は、略キノコ形状の係部4の基部4bの直径と同一もしくは若干大きく設定されると共に、膨大頭部4aの最大直径よりも小さく設定されており、丸穴形状の被係部5を弾性的に拡開変形させながら略キノコ形状の係部4を下方から強く挿入(圧入)すると、係部4の膨大頭部4aが丸穴形状の被係部5を突き抜けて、膨大頭部4aの下端が丸穴形状の被係部5の周縁に脱着可能に係合するようになっている(以下、この態様の係合を圧入係合という)。
【0027】
また、ドレンホース3は、軟質ないし半硬質の熱可塑性合成樹脂やゴムなどで作製された、可撓性、柔軟性、弾力性等を有する円管状のホースであって、外径が15〜35mm程度、肉厚が0.5〜1.5mm程度のものが使用されるが、これに限定されるものではなく、例えば、後述する環状山部と環状谷部を交互に連成したコルゲート管状のドレンホースや、螺旋状山部の間に螺旋状谷部を設けたコルゲート管状のドレンホースなども使用される。
【0028】
この実施形態のドレンホース接続構造は、排水溝部材1の上流側端部において
図3に示すようにドレンホース3の端部3aを溝部1aの内底面(底板部1cの上面)に載置し、
図1,
図2に示すように、両側の側堤部1b,1bに突設された略キノコ形状の係部4,4と、ホース押え部材2の両端部に形成された丸穴形状の被係部5,5とを脱着可能に圧入係合することによって、ホース押え部材2を排水溝部材1の溝部1aを跨ぐように排水溝部材1に取付け、このホース押え部材2と排水溝部材1の溝部1aの内底面(底板部1cの上面)とでドレンホース3の端部3aを上下から挟持して、ドレンホース3を排水溝部材1に直接、接続したものである。
【0029】
上記のように、排水溝部材1に取付けたホース押え部材2と、排水溝部材1の溝部1aの内底面(底板部1cの上面)とで、ドレンホース3の端部3aを上下から挟持して、ドレンホース3を排水溝部材1に直接、接続する構造であると、ドレンホース3の端部3aの位置が排水溝部材1の溝部1aの内底面と同じ高さまで低下し、かつ、ドレンホース3の端部3aが排水溝部材1の溝部1aに対して斜め上方に傾斜した姿勢で接続されることもないので、ドレンホース3が長くても、ドレンホース3の端部3aに近い部分が下方に湾曲して弛むことはない。従って、ドレン水がドレンホース3の下方に弛んだ部分に滞溜したり、滞溜したドレン水とドレンホース3の先端開口から侵入するゴミや虫によってドレンホース3が閉塞されることがないので、ドレン水がドレンホース3から排水溝部材1の溝部1aにスムーズに流入し、溝部1aの下流側端からバルコニーや共同廊下の排水路に排出される。
【0030】
また、ホース押え部材2は、その両端部に形成された丸穴形状の被係部5,5と、排水溝部材1の両側の側堤部1b,1bに突設された略キノコ形状の係部4,4とを、脱着可能に圧入係合させて排水溝部材1に取付けられているため、ホース押え部材2の一端部の被係部5と排水溝部材1の片側の側堤部1bの係部4との係合を解除することで、簡単にドレンホース3を排水溝部材1から取り外して清掃、点検などを行うことができ、その後、係合が解除された被係部5と係部4を再び脱着可能に圧入係合するだけで、ドレンホース3の端部3aを簡単に接続できるので、メンテナンスが容易である。
【0031】
排水溝部材1や蓋部材1dの各部の寸法は特に限定されないが、好ましい寸法を例示すると、排水溝部材1(底板部1c)の幅は60〜90mm程度、底板部1cの厚さは1〜3mm程度、溝部1aの深さ(側堤部1bの高さ)は2〜5mm程度、溝部1aの幅は40〜55mm程度、蓋部材1dの幅(天板部分の幅)は40〜55mm程度、蓋部材1dの高さは2〜5mm程度、蓋部材1dの厚さは1〜3mm程度である。
【0032】
また、排水溝部材1や蓋部材1dの材質は、前述したように軟質ないし半硬質の熱可塑性合成樹脂、例えば、軟質ないし半硬質の塩化ビニル樹脂やオレフィン系樹脂などが好ましく、このような樹脂を用いると、溶融押出成形などの成形手段で長尺の排水溝部材1や蓋部材1dを容易に製造できる利点がある。なお、排水溝部材1や蓋部材1dの材質は、軟質ないし半硬質の熱可塑性合成樹脂に限定されるものではなく、例えば、硬質の合成樹脂や、アルミニウムなどの金属で製造しても勿論よい。
【0033】
排水溝部材1は集合住宅のバルコニーや共同廊下の床面Fに単に敷設するだけでもよいが、接着剤などで床面Fに貼着固定するほうが好ましい。そして、排水溝部材1の両側又は片側の床面Fに合成樹脂製の床材(不図示)を貼着する場合は、排水溝部材1の両側端又は片側端(底板部1cの両側端又は片側端)と床材の側端との突き合わせ部分を、樹脂溶接や溶剤溶接などの手段で接合することが好ましい。
【0034】
矩形状のホース押え部材2の両端部に形成された丸穴形状の被係部5,5の相互間距離(
図3に示すようにホース押え部材2が平らな状態にあるときの被係部5,5の相互間距離)は、
図2に示すようにホース押え部材2が山なりに凸曲して排水溝部材1の溝部1aの内底面との間でドレンホース3の端部3aを上下に圧縮しないように緩く挟んだ状態にあるときの被係部5,5の相互間距離(山なりに凸曲したホース押え部材2に沿った相互間距離、以下、所要の相互間距離という)に対して同じかそれよりも短く設定することが好ましく、具体的には0.9倍〜1倍とすることが好ましい。このようにすると、被係部5,5と係部4,4を圧入係合させてホース押え部材2と溝部1aの内底面とでドレンホース3の端部3aを上下から挟持したとき、被係部5,5の相互間距離を短くした分だけホース押え部材2の山なりに凸曲する高さが減少するため、ドレンホース3の端部3aが上方から強く挟圧され、少し扁平に変形した状態で強固に接続できるという利点がある。
【0035】
ホース押え部材2の両端部に形成される被係部5,5の形状は、丸穴形状に限定されるものではなく、種々の形状とすることができる。その主なものを
図4に例示する。
【0036】
図4(a)に示す矩形状のホース押え部材2の両端部にそれぞれ形成された被係部5は、丸穴部5aと、この丸穴部5aからホース押え部材2の両側辺に向かって切り込まれた切込み部5b,5bとを有するものであって、丸穴部5aの直径は略キノコ形状の係部4の基部4bの直径と同一もしくは若干大きく設定されており、かつ、膨大頭部4aの最大直径よりも小さく設定されている。そして、双方の被係部5,5の丸穴部5a,5aの相互間距離は、所要の相互間距離の0.9倍〜1倍に設定されている。
このような形状の被係部5は、略キノコ形状の係部4を圧入係合させるときに、切込み部5b,5bが弾性的に拡開し、それほど強く係部4を圧入しなくても簡単かつ確実に係合させることができるので、係部4と被係部5の圧入係合作業が容易になるという利点がある。
【0037】
図4(b)に示すホース押え部材2の両端部に形成された被係部5,5は、丸穴部5a,5aと、この丸穴部5a,5aからホース押え部材2の両端辺に向かって形成された凹欠部5c,5cとを有するものであって、丸穴部5aの直径は略キノコ形状の係部4の膨大頭部4aの最大直径と同一もしくは若干大きく設定されており、凹欠部5cの幅寸法及び長さ寸法は、係部4の基部4bの直径と同一もしくは若干大きく設定されると共に、膨大頭部4aの最大直径よりも小さく設定されている。そして、双方の凹欠部5c,5cの相互間距離は、所要の相互間距離の0.9倍〜1倍とされている。
【0038】
この
図4(b)に示すホース押え部材2は、
図5に示す要領で被係部5,5と排水溝部材1の係部4,4とをスライド係合させることで、溝部1aを跨いだ状態で排水溝部材1に脱着可能に取付けられ、ドレンホースの端部3aがホース押え部材2と溝部1aの内底面とで上下から挟持されて接続される。
即ち、
図5(a)に示すように、ホース押え部材2を自然に山形に屈曲した状態でドレンホースの端部3aの上に載置する。この
図5に示すホース押え部材2は、被係部5,5の凹欠部5c,5cの相互間距離(本態様のように、凹欠部5cを有し、後述するスライド係合を行う被係部の場合における相互間距離とは、凹欠部5c,5c間の距離を指す)が所要の相互間距離の1倍に設定されたものを例示しているので、
図5(a)に示すようにホース押え部材2をドレンホースの端部3aの上に載置すると、被係部5,5の凹欠部5c,5cが排水溝部材1の係部4,4の真上に位置することになる。
次いで、
図5(b)に示すように、ホース押え部材2の中央部を上方から強く押圧してドレンホースの端部3aを扁平に変形させる。このようにすると、ホース押え部材2が両側に拡張されて被係部5,5の丸穴部5a,5aが排水溝部材1の略キノコ状の係部4,4の真上に位置するため、係部4,4の膨大頭部4a,4aが被係部5,5の丸穴部5a,5aに下方から挿入されて、上側に突出する。
そこで、
図5(c)に示すように、ホース押え部材2の押圧を解除してドレンホースの端部3aを復元させると、ホース押え部材2の被係部5,5が排水溝部材1の内側に向かって移動するため、相対的に排水溝部材1の係部4,4が被係部5,5の凹欠部5c,5cに向かって横方向にスライドし、係部4,4の膨大頭部4a,4aと被係部5,5の凹欠部5c,5cとが係合して、ホース押え部材2が排水溝部材1の溝部1aを跨いだ状態で脱着可能に取付けられる。
このように係部4,4と被係部5,5をスライド係合させる場合は、前述の圧入係合に比べて、係合作業やその解除作業を容易に行えるという利点がある。
なお、被係部5,5の凹欠部5c5cの相互間距離が所要の相互間距離よりも短い場合は、山なりに凸曲するホース押え部材2の高さが若干減少するため、ドレンホースの端部3aは若干扁平した状態で接続されることになる。
【0039】
図4(c)に示すホース押え部材2の両端部に形成された被係部5,5は、丸穴部5a,5aと、この丸穴部5a,5aからホース押え部材2の一側辺まで形成された割溝部5d,5dとを有するものであって、丸穴部5aの直径は略キノコ形状の係部4の基部4bの直径と同一もしくは若干大きく設定されており、かつ、膨大頭部4aの最大直径よりも小さく設定されている。そして、双方の被係部5,5の丸穴部5a,5aの相互間距離は、所要の相互間距離の0.9倍〜1倍に設定されている。
このような形状の被係部5と略キノコ形状の係部4は、圧入係合させてもよいしスライド係合させてもよい。略キノコ形状の係部4の膨大頭部4aを被係部5の丸穴部5aに圧入係合させる場合は、割溝部5dが弾性的に拡開するので、圧入係合作業を容易に行うことができ、また、係部4と被係部5をスライド係合させる場合は、係部4の基部4bによって被係部5の割溝部5dを弾性的に押し広げながら該基部4bを丸穴部5aまで横方向にスライドさせ、膨大頭部4aを丸穴部5aの周縁に係合させることで、スライド係合作業を容易に行うことができる。
【0040】
図4(d)に示すホース押え部材2の両端部に形成された被係部5,5は、割溝部5dの幅が丸穴部5aからホース押え部材2の一側辺に近づくほど徐々に広くなっている点を除いて、
図4(c)の被係部5,5と同様に形成されたものである。このような形状の被係部5は、割溝部5dを通じて略キノコ形状の係部4を丸穴部5aまで容易にスライドさせることができるので、スライド係合作業が一層容易になるという利点がある。
【0041】
図4(e)に示すホース押え部材2の両端部に形成された被係部5,5は、割溝部5d,5dが丸穴部5a,5aからホース押え部材2の両端辺まで形成され、かつ、割溝部5d,5dの幅が丸穴部5aからホース押え部材2の両端辺に近づくほど徐々に広くなっている点を除いて、
図4(c)の被係部5,5と同様に形成されたものである。このような形状の被係部5は、
図4(d)の被係部5と同様に、割溝部5dを通じて略キノコ形状の係部4を丸穴部5aまで容易にスライドさせて係合できるので、スライド係合作業が一層容易になるという利点がある。
【0042】
図4(f)に示すホース押え部材2は、その一端部に
図4(b)に示す被係部5を形成し、他端部に
図4(c)に示す被係部5を形成したものであって、一端部の被係部5の凹欠部5cと他端部の被係部5の丸穴部5aとの相互間距離は、所要の相互間距離の0.9倍〜1倍に設定されている。
このようなホース押え部材2は、例えば、一端部の被係部5の凹欠部5cに排水溝部材1の片側の略キノコ形状の係部4をスライド係合させ、この係部4の基部4bを中心にしてホース押え部材2を回転させながら、他端部の被係部5の割溝部5dを通じて排水溝部材1の反対側の係部4を該被係部5にスライド係合させるか、又は、他端部の被係部5と反対側の係部4を圧入係合させることによって、排水溝部材1に簡単かつ脱着可能に取付けることができる。
上記のように、ホース押え部材2の両端部に形成される被係部5,5は必ずしも同じ形状である必要がなく、形状が異なるものであってもよい。
【0043】
図4(g)に示すホース押え部材2は、その両端部に
図4(c)に示す被係部5を小間隔をあけて二つずつ、合計四つ形成したものである。このようなホース押え部材2は、その両端辺寄りの被係部5,5と排水溝部材1の両側の係部4,4を圧入係合又はスライド係合させて排水溝部材1に脱着可能に取付けると、前述した一般的な太さのドレンホースの端部をホース押え部材2と排水溝部材1の溝部1aの内底面とで挟持して接続することができ、また、ホース押え部材2の両端部の内側寄りの被係部5,5と排水溝部材1の両側の係部4,4を圧入係合又はスライド係合させて、ホース押え部材2を排水溝部材1に脱着可能に取付けると、細いドレンホースの端部を同様に挟持して接続することができる。そして、ホース押え部材2のいずれか一端寄りの被係部5と、他端部の内側寄りの被係部5に、排水溝部材1の両側の係部4,4を圧入係合又はスライド係合させて、ホース押え部材2を排水溝部材1に脱着可能に取付けると、中間の太さのドレンホースの端部を同様に挟持して接続することができる。
なお、この
図4(g)のホース押え部材2は、両端部に被係部5を二つずつ形成しているが、両端部に形成する被係部5の数を同一にする必要はなく、両端部で異なる数の被係部5を形成してもよい。
【0044】
図4(h)に示すホース押え部材2は、その両端部に被係部5を小間隔をあけて二つずつ、合計四つ形成したものであって、ホース押え部材2の両端辺寄りの被係部5,5は、丸穴部5a,5aと、この丸穴部5a,5aからホース押え部材2の両端辺まで形成された割溝部5d,5dを有するものであり、また、ホース押え部材2の両端部の内側寄りの被係部5,5は、丸穴部5a,5aと、この丸穴部5a,5aから両端辺寄りの被係部5,5の丸穴部5a,5aまで形成された割溝部5e,5eとを有するものである。そして、それぞれの丸穴部5aの直径は、略キノコ形状の係部4の基部4bの直径と同一もしくは若干大きく設定されており、かつ、膨大頭部4aの最大直径よりも小さく設定されている。
【0045】
このようなホース押え部材2も、その両端辺寄りの被係部5,5と排水溝部材1の両側の係部4,4を圧入係合又はスライド係合させて排水溝部材1に脱着可能に取付けると、前述の一般的な太さのドレンホースの端部をホース押え部材2と排水溝部材1の溝部1aの内底面とで挟持して接続することができ、また、ホース押え部材2の両端部の内側寄りの被係部5,5と排水溝部材1の両側の係部4,4を圧入係合又はスライド係合させて、ホース押え部材2を排水溝部材1に脱着可能に取付けると、細いドレンホースの端部を同様に挟持して接続することができる。そして、ホース押え部材2のいずれか一端寄りの被係部5と、他端部の内側寄りの被係部5に、排水溝部材1の両側の係部4,4を圧入係合又はスライド係合させて、ホース押え部材2を排水溝部材1に脱着可能に取付けると、中間の太さのドレンホースの端部を同様に挟持して接続することができる。
なお、ホース押え部材2の両端部に形成する被係部5の数は、異ならせてもよい。
【0046】
図4(i)に示すホース押え部材2は、その幅を狭小化すると共に、その両端近傍箇所の両側に凸湾曲した膨出部2a,2aを設け、この膨出部を設けた両端近傍箇所に、
図4(b)に示す被係部5,5と同じ被係部5,5を形成したものである。このホース押え部材2は、その被係部5,5と排水溝部材1の両側の略キノコ形状の係部4,4を、
図5に基づいて既に説明した要領で簡単かつ確実にスライド係合させて、排水溝部材1に脱着可能に取付けることができる。このように、ホース押え部材2の形状は矩形状に限定されず、所望の細長い形状とすることができる。
【0047】
図4(j)に示すホース押え部材2の両端部に形成された被係部5,5は、角穴部5f,5fと、この角穴部5f,5fからホース押え部材2の両端辺まで形成された割溝部5d,5dとを有するものであって、この割溝部5d,5dの幅は、角穴部5f,5fからホース押え部材2の両端辺に近づくほど拡張されている。そして、それぞれの角穴部5fの一辺の長さは、略キノコ形状の係部4の基部4bの直径と同一もしくは若干大きく設定されており、かつ、膨大頭部4aの最大直径よりも小さく設定されている。このように、被係部5は丸穴部5aを有するものに限定されず、所望の形状の穴部を有する被係部5としてもよい。なお、角穴部5fを有する被係部5を形成する場合は、それに対応して、先端が丸くなった正四角錐状の膨大頭部と角柱状の基部を備えた係部4を、排水溝部材1の両側の側堤部1b,1bの上面に突設することが望ましい。
【0048】
この
図4(j)に示すホース押え部材2も、
図4(e)に示すホース押え部材2と同様に、両端部の被係部5,5と排水溝部材1の両側の係部4,4を圧入係合させるか、又は割溝部5d,5dを通じてスライド係合させることによって、簡単かつ確実にホース押え部材2を排水溝部材1に脱着可能に取付け、ホース押え部材2と排水溝部材1の溝部1aの内底面とでドレンホースの端部を挟持して接続することができる。
【0049】
図6はホース押え部材の他の例を示す平面図である。このホース押え部材2は針金などの金属線材20の両端部を円環状に曲げ加工して被係部5,5を形成したものである。このような金属線材20で作製されたホース押え部材2も、その両端部に形成された円環状の被係部5,5と排水溝部材1の両側の略キノコ形状の係部4,4とを圧入係合させて、排水溝部材1の溝部1aを跨いだ状態で脱着可能に取付けることができるので、ドレンホース3の端部3aをホース押え部材2と溝部1aの内底面とで挟持させて接続することができる。特に、ドレンホース3が環状山部と環状谷部を交互に連成したコルゲート管状のホースであると、ホース押え部材2の金属線材20がドレンホース3の環状谷部に食い込むので、ドレンホース3を抜け出し不能に接続することができる。
なお、金属線材20に代えて、合成樹脂製の線材を用いて、同様のホース押え部材を作製してもよく、また、場合によってはゴムや繊維からなる紐体をホース押え部材として使用してもよい。
【0050】
以上の実施形態では、排水溝部材1の両側の側堤部1b,1bに係部4,4を形成し、ホース押え部材2の両端部に被係部5,5をしているが、これとは逆に排水溝部材1の両側の側堤部1b,1bに被係部5,5を形成し、ホース押え部材2の両端部に係部4,4を形成してもよい。
【0051】
図7,
図8はそのような実施形態のドレンホース接続構造を示したものであって、矩形状のホース押え部材2の両端部の下面には、先端が丸くなった円錐状の膨大頭部4aと、この膨大頭部4aの最大直径よりも小さい直径を有する円柱状の基部4bとを備えた、略キノコ形状の係部4,4が下向きに突設されており、排水溝部材1の両側の側堤部1b,1bには、逆T字状の中空断面を有する溝形の被係部5,5が形成されている。この被係部5,5の幅広の下部の幅寸法は、係部4,4の膨大頭部4a,4aの最大直径と同じか、それより若干大きく設定されており、また、被係部5,5の幅狭の上部の幅寸法は、係部4,4の基部4b,4bの直径と同じか、それより若干大きく設定されると共に、係部4,4の膨大頭部4a,4aの最大直径よりも小さく設定されている。
【0052】
この実施形態のドレンホース接続構造は、
図8(a)に示すように、ホース押え部材2の略キノコ形状の係部4を、排水溝部材1の側堤部1bに形成された溝形の被係部5に上方から圧入係合させるか、又は、
図8(b)に示すように、ホース押え部材2の略キノコ形状の係部4を、排水溝部材1の側堤部1bに形成された溝形の被係部5に後方からスライド係合させることによって、
図7に示すように、排水溝部材1の溝部1aを跨いだ状態でホース押え部材2の両端部を排水溝部材1の両側の側堤部1b,1bに脱着可能に取付け、ドレンホース3の端部3aをホース押え部材2と溝部1aの内底面(底板部1cの上面)とで上下から挟持して、ドレンホース3を排水溝部材1に直接、接続したものである。
なお、溝形の被係部5に係部4をスライド係合させる場合は、係部4を溝形の被係部5に対応した逆T字形状に形成してもよい。
【0053】
また、以上の実施形態では、ホース押え部材2の両端部と排水溝部材1の両側の側堤部1b,1bが脱着可能に係合固定されているが、ホース押え部材2の一端部と排水溝部材1の片側の側堤部1bを脱着可能に係合固定し、ホース押え部材2の他端部を排水溝部材1の反対側の側堤部1bに一体に結合させてもよい。
【0054】
図9,
図10はそのような実施形態のドレンホース接続構造を示したものであって、矩形状のホース押え部材2の一端部には丸穴形状の被係部5が形成されており、これに対応して、排水溝部材1の片側の側堤部1bの上面には、先端が丸くなった円錐状の膨大頭部4aと、この膨大頭部4aの最大直径よりも小さい直径を有する円柱状の基部4bとを備えた、略キノコ形状の係部4が突設されている。そして、ホース押え部材2の他端部は、ホース押え部材2を排水溝部材1と一体に成形することによって、排水溝部材1の反対側の側堤部1bの上面に結合されている。なお、ホース押え部材2の他端部は、接着剤による接着、熱溶着、溶剤溶着などの手段で排水溝部材1の側堤部1bと一体に結合してもよい。
【0055】
この実施形態のドレンホース接続構造は、
図10に示すように、ホース押え部材2の一端部をはね上げた状態でドレンホース3の端部3aを排水溝部材1の溝部1aの内底面に載置し、
図9に示すように、排水溝部材1の片側の側堤部1bに形成された略キノコ形状の係部4とホース押え部材2の一端部に形成された丸穴形状の被係部5を圧入係合させることによって、ホース押え部材2の一端部を排水溝部材1の片側の側堤部1bに脱着可能に取付け、ドレンホース3の端部3aをホース押え部材2と溝部1aの内底面(底板部1cの上面)とで上下から挟持して、ドレンホース3を排水溝部材1に直接、接続したものである。
【0056】
この実施形態のように、ホース押え部材2の他端部が排水溝部材1の反対側の側堤部1bと一体に結合していると、排水溝部材1の片側の係部4とホース押え部材2の一端部の被係部5を係合させるだけでドレンホース3を接続できるので、排水溝部材1の両側の係部4,4とホース押え部材2の両端部の被係部5,5をそれぞれ係合させるドレンホース接続構造に比べて、ドレンホース3の接続作業を更に簡単に行えるという利点がある。また、別体に形成したホース押え部材2に比べて、ホース押え部材を紛失しないという効果もある。
なお、この実施形態において、係部4をホース押え部材2の一端部の下面に形成し、被係部5を排水溝部材1の片側の側堤部1bに形成してもよいことは言うまでもない。
【0057】
図11は、更に他の実施形態に係るドレンホース接続構造の横断面図である。
このドレンホース接続構造は、ドーム状に凸湾曲するホース押え部材2の両端部に、外側に向かって水平に突き出すフランジ形状の係部4,4を形成し、排水溝部材1の両側の側堤部1b,1bの内側面下部に形成された凹条1f,1f(前記蓋部材1dの両側のフランジ部1e,1eを挿入するための凹条)を被係部5,5として利用して、この被係部5,5にホース押え部材2のフランジ形状の係部4,4をスライド係合させることにより、
図11に示すように、ホース押え部材2が排水溝部材1の溝部1aを跨いだ状態でホース押え部材2の両端部を排水溝部材1の両側の側堤部1b,1bに脱着可能に取付け、ドレンホース3の端部3aをホース押え部材2と溝部1aの内底面(底板部1cの上面)とで上下から挟持して、ドレンホース3を排水溝部材1に直接、接続したものである。
【0058】
ホース押え部材2としては、半硬質ないし硬質の合成樹脂で成形したものや、金属板を曲げ加工したもののように、湾曲変形した際に弾性的に反発するものが使用され、
図11に示すように、両端部のフランジ形状の係部4,4を排水溝部材1の被係部5,5(凹条1f,1f)にスライド係合させてホース押え部材2を取付けたときに、ホース押え部材2の高さ(溝部1aの内底面からホース押え部材2の中心部の下面までの高さ)がドレンホース3の外径と同じか若干低いものが使用される。なお、
図11はホース押え部材2の高さがドレンホース3の外径と同じ場合を示しており、ホース押え部材2の高さがドレンホース3の外径より若干低い場合は、ドレンホース3の端部3aが若干扁平に変形して強固に挟持される。
【0059】
ホース押え部材2の係部4,4のスライド係合は、係部4,4を排水溝部材1の被係部5,5(凹条1f,1f)の後端から前方に向かってスライドさせて係合してもよいし、係部4,4の相互間隔が少し狭くなるようにホース押え部材2を弾性変形させて、係部4,4を被係部5,5(凹条1f,1f)の内側開口部からホース押え部材2の弾性復元力を利用して被係部5,5にスライド(挿入)させて係合してもよい。
【0060】
ホース押え部材2のフランジ形状の係部4,4は、
図12に示すように、外側斜め上向きに突き出して形成してもよく、これに対応して、排水溝部材1の被係部5,5(凹条1f,1f)を外側斜め上向きに傾斜させて形成してもよい。
係部4,4と被係部5,5を上記のように形成すると、ホース押え部材2に上向きの外力や両側からの外力が作用しても、係部4,4と被係部5,5の係合が一層解除され難くなるので、ホース押え部材2が排水溝部材1から外れる心配が激減するという利点がある。
このドレンホース接続構造のその他の構成は、前述の
図11に示すドレンホース接続構造のそれと同じであるので、
図12において同じ部材に同じ符合を付すにのみとし、重複する説明を省略することにする。
【0061】
次に、ドレンホースを凹型部材を介して排水溝部材に接続するタイプのドレンホース接続構造の実施形態について説明する。
【0062】
図13は凹型部材を介してドレンホースを接続するタイプのドレンホース接続構造を示す斜視図、
図14は
図13のB−B線に沿った横断面図、
図15は
図14のC−C線に沿った縦断面図(ドレンホースを仮想線で示したもの)、
図16は凹型部材の斜視図であって、1は排水溝部材、2はホース押え部材、3はドレンホース、6は凹型部材を示している。
【0063】
このドレンホース接続構造に用いる凹型部材6は、
図13〜
図16に示すように、底部6aと、底部6aの両側端から立ち上がる立上り部6b,6bと、これらの底部6aと立上り部6b,6bとで囲まれた凹部6cと、立上り部6b,6bの上端から外側に突き出して水平に形成されたフランジ部6d,6dと、立上り部6b,6bの外側面下端部に形成された凸条6e,6eとを備えた凹型部材であって、両側のフランジ部6d,6dの上面には、前述した略キノコ形状の係部4,4、即ち、上端が丸くなった円錐形の膨大頭部4aと、この膨大頭部4aの下端の最大直径よりも小さい直径を有する円柱形の基部4bとを備えた略キノコ形状の係部4,4が形成されている。この係部4,4の相互間隔は、
図1〜
図3に示すドレンホース接続構造において、排水溝部材1の側堤部1b,1bに形成された略キノコ形状の係部4,4の相互間隔と同一になっている。
【0064】
凹型部材6の凸条6e,6eは、排水溝部材1の凹条1f,1fに実質的に隙間なく挿入できるように、凹条1f,1fに対応合致した寸法とされており、また、片側の立上り部6bの外側面から反対側の立上り部6bの外側面までの寸法は、排水溝部材1の片側の側堤部1bの内側面から反対側の側堤部1bの内側面までの寸法、つまり、排水溝部材1の溝部1aの幅寸法と実質的に同一とされている。そして、凹型部材6の高さ寸法(底部6aの下面からフランジ部6d,6dの上面までの寸法)は、排水溝部材1の溝部1aの深さ寸法にフランジ部6d,6dの厚さ寸法を加えた寸法とされている。従って、
図13,
図14に示すように、凹型部材6の凸条6e,6eを排水溝部材1の後端から凹条1f,1fに挿入すると、凹型部材6を排水溝部材1の溝部1aの内側に嵌め込んだ状態で取付けることができ、このように凹型部材6を取付けると、フランジ部6d,6dが排水溝部材1の両側の側堤部1b,1bの上面に係止するようになっている。
【0065】
また、この凹型部材6の凹部6cの内底面、つまり、底部6aの上面は、その後端から前端に向かって徐々に低くなる傾斜面、つまり、排水溝部材1に凹型溝部材を取付けたときに排水溝部材1の上流側から下流側に向かって徐々に低くなる傾斜面に形成されている。
【0066】
このような凹型部材6は、軟質ないし半硬質、或いは、硬質の熱可塑性合成樹脂で射出成形すると、容易に作製できるので好ましいが、合成樹脂以外のゴム、金属などで作製しても勿論よい。
なお、凸条6e,6eに代えて、排水溝部材1の凹条1f,1fに挿入可能な凸部を設けてもよい。また、凸条6e,6eやフランジ部6d,6dは省略してもよく、フランジ部6dを省略するときは、両側の立上り部6b,6bの上端に略キノコ形状の係部4,4を形成すればよい。さらに、凹部6cの内底面(底部6aの上面)は、必ずしも傾斜面とする必要はなく、後述するように水平な内底面としても勿論よい。
【0067】
この実施形態に用いる排水溝部材1、ホース押え部材2、ドレンホース3は、前述した
図1〜
図3のドレンホース接続構造に用いる排水溝部材1、ホース押え部材2、ドレンホース3と同様のものであるので、
図13〜
図15において同一部分に同一符合を付するのみとし、重複する説明を省略することにする。
【0068】
この
図13〜
図15に示す実施形態のドレンホース接続構造は、上記のように凹型部材6を排水溝部材1の溝部1aの上流側端部に嵌め込んだ状態で取付けると共に、好ましくは接着剤等で水密的に接着し、凹型部材6の凹部16cの傾斜した内底面(底部6aの上面)にドレンホース3の端部3aを載置して、その上にホース押え部材2を配置し、凹型部材6の両側の立上り部6b,6bに形成された略キノコ形状の係部4,4と、ホース押え部材2の両端部に形成された丸穴形状の被係部5,5を圧入係合させることによって、矩形状のホース押え部材2が凹型部材6の凹部6cを跨いだ状態でホース押え部材2の両端部を凹型部材6の両側の立上り部6b,6bの上端に脱着可能に取付け、ホース押え部材2と凹型部材6の凹部6cの内底面(底部6aの上面)とでドレンホース3の端部3aを上下から挟持して、ドレンホース3を排水溝部材1に凹型部材6を介して接続したものである。
【0069】
このようなドレンホース接続構造であると、ドレンホース3の端部3aの位置が凹型部材6の凹部6cの内底面(底部6aの上面)と同じ高さまで低下して排水溝部材1の溝部1aの内底面に接近し、凹部6cの内底面に沿って若干傾斜するだけであるので、ドレンホース3が長くても、ドレン水が滞溜するほどドレンホース3の端部3aに近い部分が下方に湾曲して弛むことはない。従って、ドレン水がドレンホース3から排水溝部材1の溝部1aにスムーズに流入し、溝部1aの下流側端からバルコニーや共同廊下の排水路に排出される。
しかも、このドレンホース接続構造のように、凹型部材6が排水溝部材1の溝部1aの上流側端部に嵌まり込んだ状態で好ましくは水密的に接着され、かつ、凹型部材6の凹部6cの内底面(底部6aの上面)が排水溝部材1の下流側に向かって傾斜する傾斜面に形成されていると、ドレンホース3から流入するドレン水の量が多かったり、ドレン水の流勢が強い場合でも、ドレン水の逆流が凹型部材6や凹部6cの傾斜する内底面によって防止され、ドレン水を排水溝部材1の溝部1aに確実に流すことができる。
また、ホース押え部材2の一端部の被係部5と凹型部材6の片側のフランジ部6dの係部4との係合を解除すれば、簡単にドレンホース3を凹型部材6から取り外して清掃、点検などを行うことができ、その後、係合が解除された被係部5と係部4を再び脱着可能に圧入係合するだけで、ドレンホース3の端部3aを簡単に接続できるので、メンテナンスも容易である。
【0070】
図17は凹型部材を介してドレンホースを接続するタイプの他の実施形態に係るドレンホース接続構造の縦断面図、
図18はそのドレンホース接続構造に用いる凹型部材を示す斜視図である。
【0071】
この実施形態のドレンホース接続構造に用いる凹型部材6は、
図18に示すように、凹部6cの内底面(底部6aの上面)が水平面とされ、その中央に左右方向に長い凸リブ6f(凹型部材6を排水溝部材1の溝部1aに嵌め込んで取付けたときに排水溝部材1の幅方向に長い凸リブ)が形成されている。
そして、片側の立上り部6b上端のフランジ部6dにのみ略キノコ形状の係部4が形成され、反対側の立上り部6b上端のフランジ部6dには、矩形状のホース押え部材2の他端部が一体に結合されている。
また、ホース押え部材2の中央部下面には、左右方向に長い凸リブ2b(凹型部材6を排水溝部材1の溝部1aに嵌め込んで取付けたときに排水溝部材1の幅方向に長い凸リブ)が形成されており、ホース押え部材2の一端部には、前述の丸穴部5aと切込み部5b,5bを有する被係部5が形成されている。
この凹型部材6のその他の構成は、前述した
図16の凹型部材6のそれと同様であるので、
図18において同一部分に同一符合を付し、説明を省略することにする。なお、凹部6cの内底面(底部6aの上面)は、
図16の凹型部材1と同様に、傾斜面としても勿論よい。また、凸リブ2b,6fに代えて突起部を形成してもよい。
【0072】
図17に示す実施形態のドレンホース接続構造は、上記の凹型部材6を排水溝部材1の溝部1aの上流側端部に嵌め込んだ状態で取付けると共に、好ましくは接着剤等で水密的に接着し、環状山部3bと環状谷部3cを交互に連成したコルゲート管状のドレンホース3の端部3aを凹型部材6の凹部16cの水平な内底面(底部6aの上面)に載置して、凸リブ6fを環状谷部3cに係合させ、その上にホース押え部材2を配置して下面の凸リブ2bを環状谷部3cに係合させると共に、凹型部材6の片側の立上り部6b,6bに形成された係部4と、ホース押え部材2の一端部に形成された被係部5を圧入係合させることによって、矩形状のホース押え部材2が凹型部材6の凹部6cを跨いだ状態でホース押え部材2の一端部を凹型部材6の片側の立上り部6b,6bの上端に脱着可能に取付け、ホース押え部材2と凹型部材6の凹部6cの内底面(底部6aの上面)とでドレンホース3の端部3aを上下から挟持して、ドレンホース3を排水溝部材1に凹型部材6を介して接続したものである。
【0073】
上記のドレンホース接続構造では、凹型部材6の凸リブ6fとホース押え部材2の凸リブ2bがコルゲート管状のドレンホース3の環状谷部3cに係合しているため、ドレンホース3の抜け出しを確実に防止することができ、凹型部材6によってドレン水の逆流を防止することもできる。また、ホース押え部材2の一端部の被係部5と凹型部材1の片側の立上り部6b上端の係部4との圧入係合を解除するだけで、簡単にドレンホース3を凹型部材6から取り外して清掃、点検などを行うことができるので、メンテナンスも容易である。なお、一定の突出寸法を有する凸リブ2b又は6fと、その左右方向に隣りあって、一定の突出寸法よりも突出高さが大きい凸リブ2b又は6f(不図示)とを併せて設けておけば、外径寸法の小さいドレンホースも同様に接続することができるので、汎用性が高まる。
【0074】
図19は、凹型部材を介してドレンホースを接続するタイプの更に他の実施形態に係るドレンホース接続構造の斜視図であって、ドレンホースを仮想線で示したものである。
【0075】
このドレンホース接続構造において排水溝部材1の上流側の端面に接着剤等で水密的に接合される凹型部材6は、その凹部6cの幅寸法が排水溝部材1の溝部1aの幅寸法と同一になっており、また、両側の立上り部6b,6bの形状および高さも、凹条が立上り部6b,6bの内側面下端部に形成されていない点を除いて、排水溝部材1の両側の側堤部1b,1bの形状および高さと同一になっている。そして、この立上り部6b,6bの上面に前述の略キノコ形状の係部4,4が形成され、矩形状のホース押え部材2の両端部に形成された丸穴形状の被係部と圧入係合するようになっている。
但し、この凹型部材6の凹部6cの内底面(底部6aの上面)は、排水溝部材1の溝部1aの水平な内底面と異なり、後端(上流側端)から前端(下流側端)に向かって低くなる傾斜面に形成されており、凹型部材6の後端において凹部6cの内底面の高さが両側の立上り部6b,6bの上面の高さと同一になって、凹部6cが消滅している。
【0076】
この実施形態のドレンホース接続構造は、上記の凹型部材6を排水溝部材1の上流側の端面に接着剤等で水密的に接合し、ドレンホース3の端部3aを凹型部材6の凹部6cの内底面(底部6aの上面)に載置して、その上にホース押え部材2を配置し、凹型部材6の係部4,4とホース押え部材2の被係部を圧入係合させることによって、ホース押え部材2が凹型部材6の凹部6cを跨いだ状態でホース押え部材2の両端部を凹型部材6の両側の立上り部6b,6bの上端に脱着可能に取付け、凹型部材6の凹部6cの内底面とホース押え部材2とでドレンホース3の端部3aを上下から挟持して、ドレンホース3の先端を排水溝部材1の溝部1aの上流側端に臨ませた状態で、ドレンホース3を排水溝部材1に接続したものである。
【0077】
このようなドレンホース接続構造も、ドレンホース3の端部に近い部分が下方に湾曲して弛むことがないので、ドレンホース3からドレン水を排水溝部材1の溝部1aにスムーズに流入させることができ、しかも、凹型部材6の凹部6cの内底面が傾斜面とされて上流側端で凹部6cが消滅しているので、ドレン水の逆流を防止することができる。また、ドレンホース3の接続作業や取外し作業を簡単に行えるので、メンテナンスも容易である。
【0078】
なお、
図13〜
図19に示すそれぞれの実施形態では、凹型部材6の立上り部6bの上端に略キノコ形状の係部4を形成し、ホース押え部材2の端部に丸穴形状の被係部5を形成しているが、凹型部材6の立上り部6bに被係部5を形成し、ホース押え部材2の端部に係部4を形成しても勿論よく、また、係部4と被係部5の形状を前述した種々の形状に変更しても勿論よい。