【解決手段】熱源装置1は、熱利用機器91に供給される熱媒体CHSの温度を調節する熱源機11を複数台有する熱源機群10と、熱源機群10から熱利用機器91に供給される熱媒体CHSの温度を検知する供給熱媒体温度検知器25と、熱源機群10を構成する複数台の熱源機11の運転台数を決定する制御部12Aとを備える。制御部12Aは、熱源機11の増段又は減段を行う条件が成立した時から、熱源機11の増段又は減段を行うまでの負荷確認時間を、熱利用機器91に供給される熱媒体CHSの目標温度と供給熱媒体温度検知器25で検知された供給温度との偏差に応じて変化させる。
前記制御部は、前記熱源機を増段するときに、前記温度変化率が標準値よりも小さい場合に前記偏差における前記負荷確認時間を標準よりも短くし、前記温度変化率が標準値よりも大きい場合に前記偏差における前記負荷確認時間を標準よりも長くするように構成された;
請求項2に記載の熱源装置。
前記制御部は、前記熱源機を減段するときに、前記温度変化率が標準値よりも大きい場合に前記偏差における前記負荷確認時間を標準よりも短くし、前記温度変化率が標準値よりも小さい場合に前記偏差における前記負荷確認時間を標準よりも長くするように構成された;
請求項2又は請求項3に記載の熱源装置。
前記制御部は、前記目標温度を、前記熱利用機器が要求する前記熱媒体の温度である最終目標温度と、前記供給温度と前記最終目標温度との間の暫定目標温度とに分けて、前記供給温度が前記最終目標温度よりも前に前記暫定目標温度に到達するように設定する;
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の熱源装置。
前記制御部は、前記供給温度が前記暫定目標温度に到達するまでの単位時間あたりの前記供給温度の変化量よりも、前記供給温度が前記暫定目標温度を超えてから前記最終目標温度に到達するまでの単位時間あたりの前記供給温度の変化量の方が小さくなるように、前記暫定目標温度及び前記最終目標温度を設定する;
請求項5に記載の熱源装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
台数制御を行うシステムでは、熱源機の過度な発停を防止するため、増段又は減段を行う条件が成立してから次に増段又は減段を行うのを一定の時間待機する負荷確認時間が設けられる。しかしながら、負荷確認時間を一定にすると、高負荷条件下でシステムを起動する場合や熱負荷が急変した場合に適切な熱量の冷温水を供給するまでに時間がかかる。仮に、負荷確認時間を短く設定した場合は、熱源機の発停が繰り返されるおそれがある。
【0005】
本発明は上述の課題に鑑み、熱源機の過度な発停の繰り返しを抑制しつつ、熱源機の適切な運転台数に到達するまでに要する時間を短縮することができる熱源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る熱源装置は、例えば
図1に示すように、熱利用機器91に供給される熱媒体CHSの温度を調節する熱源機11を複数台有する熱源機群10と;熱源機群10から熱利用機器91に供給される熱媒体CHSの温度を検知する供給熱媒体温度検知器25と;熱源機群10を構成する複数台の熱源機11の運転台数を決定する制御部12Aとを備え;制御部12Aは、熱源機11の増段又は減段を行う条件が成立した時から、熱源機11の増段又は減段を行うまでの負荷確認時間を、熱利用機器91に供給される熱媒体CHSの目標温度と供給熱媒体温度検知器25で検知された温度である供給温度との偏差に応じて変化させるように構成されている。
【0007】
このように構成すると、負荷確認時間を目標温度と供給温度との偏差に応じて変化させるので、低負荷条件下で起動する場合等では負荷確認時間を長くすることで熱源機の過度な発停の繰り返しを抑制しつつ、高負荷条件下で熱源装置を起動する場合や熱負荷が急変した場合は負荷確認時間を短くすることで熱源機の適切な運転台数に到達するまでに要する時間を短縮することが可能となる。
【0008】
また、本発明の第2の態様に係る熱源装置は、例えば
図1に示すように、上記本発明の第1の態様に係る熱源装置1において、熱源機群10に導入される熱媒体CHRの温度を検知する導入熱媒体温度検知器26を備え;制御部12Aは、導入熱媒体温度検知器26で検知された温度の、所定の時間あたりの変化量である温度変化率に応じて、偏差と負荷確認時間との関係を調節するように構成されている。
【0009】
このように構成すると、熱利用機器における熱負荷の傾向に適した負荷確認時間の設定を行うことができる。
【0010】
また、本発明の第3の態様に係る熱源装置は、例えば
図1、
図4(A)及び
図4(B)を参照して示すと、上記本発明の第2の態様に係る熱源装置1において、制御部12Aは、熱源機11を増段するときに、温度変化率が標準値よりも小さい場合(
図4(A)中の直線VS)に偏差における負荷確認時間を標準よりも短くし(
図4(B)中の折線PS)、温度変化率が標準値よりも大きい場合(
図4(A)中の直線VL)に偏差における負荷確認時間を標準よりも長くする(
図4(B)中の折線PL)ように構成されている。
【0011】
このように構成すると、熱源機の過度な発停の繰り返しを抑制しつつ、熱源機の適切な運転台数に到達するまでに要する時間をさらに短縮することができる。
【0012】
また、本発明の第4の態様に係る熱源装置は、例えば
図1、
図4(A)及び
図4(C)を参照して示すと、上記本発明の第2の態様又は第3の態様に係る熱源装置1において、制御部12Aは、熱源機11を減段するときに、温度変化率が標準値よりも大きい場合(
図4(A)中の直線VL)に偏差における負荷確認時間を標準よりも短くし(
図4(C)中の折線QL)、温度変化率が標準値よりも小さい場合(
図4(A)中の直線VS)に偏差における負荷確認時間を標準よりも長くする(
図4(C)中の折線QS)ように構成されている。
【0013】
このように構成すると、熱源機の保安装置の作動を回避することができる。
【0014】
また、本発明の第5の態様に係る熱源装置は、例えば
図1、
図5を参照して示すと、上記本発明の第1の態様乃至第4の態様のいずれか1つの態様に係る熱源装置1において、制御部12Aは、目標温度を、熱利用機器91が要求する熱媒体CHSの温度である最終目標温度Ttfと、供給温度と最終目標温度との間の暫定目標温度Ttpとに分けて、供給温度が最終目標温度Ttfよりも前に暫定目標温度Ttpに到達するように設定する。
【0015】
このように構成すると、熱利用機器に供給される熱媒体の温度のオーバーシュートを抑制することができる。
【0016】
また、本発明の第6の態様に係る熱源装置は、例えば
図1を参照して示すと、上記本発明の第5の態様に係る熱源装置1において、制御部12Aは、供給温度が暫定目標温度に到達するまでの単位時間あたりの供給温度の変化量よりも、供給温度が暫定目標温度を超えてから最終目標温度に到達するまでの単位時間あたりの供給温度の変化量の方が小さくなるように、暫定目標温度及び最終目標温度を設定する。
【0017】
このように構成すると、熱利用機器に供給される熱媒体の温度がオーバーシュートする確率を低下させることができる。
【0018】
また、本発明の第7の態様に係る熱源装置として、例えば
図1、
図5を参照して示すと、上記本発明の第5の態様又は第6の態様に係る熱源装置1において、制御部12Aは、暫定目標温度Ttpが最終目標温度Ttfに近づくように、暫定目標温度Ttpを変化させるように構成されることとしてもよい。
【0019】
このように構成すると、熱利用機器に供給される熱媒体の温度がオーバーシュートする確率をさらに低下させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、熱源機の過度な発停の繰り返しを抑制しつつ、熱源機の適切な運転台数に到達するまでに要する時間を短縮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0023】
まず
図1を参照して、本発明の実施の形態に係る熱源装置1を説明する。
図1は、熱源装置1の模式的系統図である。熱源装置1は、熱媒体としての冷温水CHの温度を調節する熱源機11を複数台有する熱源機群10を主要構成機器として備えている。冷温水CHは、熱利用機器としての空調機91で利用される熱を搬送する媒体であり、空調機91で冷房が行われるときは冷却された冷水となり、空調機91で暖房が行われるときは加熱された温水となる。
【0024】
熱源機群10は、本実施の形態では、第1熱源機11A、第2熱源機11B、第3熱源機11Cの、同様に構成された3台の熱源機11を有している。本実施の形態では、同様に構成された3台の熱源機11について、個別に言及するときは、それぞれ、第1熱源機11A、第2熱源機11B、第3熱源機11Cといい、共通の性質に言及するときは「熱源機11」と総称する。熱源機11は、空調機91から戻ってきた冷温水CHを導入し、導入した冷温水CHの温度を調節して、再び空調機91へ供給する機器である。以下の説明において、熱源機11で温度が調節されて空調機91に供給される冷温水CHを「往冷温水CHS」といい、空調機91で熱が利用された後に熱源機群10に戻ってくる冷温水CHを「還冷温水CHR」といい、両者を区別しない場合は単に「冷温水CH」ということとする。熱源機11は、冷温水CHを、必要に応じて冷却又は加熱することができるように構成されている。また、熱源機11は、冷温水CHの温度を調節する程度(冷却時は低下させる温度幅、加熱時は上昇させる温度幅)を変えることができるように構成されている。換言すれば、熱源機11は、出力を調節することができる(容量制御ができる)ように構成されている。熱源機11は、導入する還冷温水CHRの温度を検知する手段(不図示)、及び供給する往冷温水CHSの温度を検知する手段(不図示)を有している。
【0025】
第1熱源機11Aには、第1制御盤12Aが併設されている。第1制御盤12Aは、第1熱源機11Aに、冷温水CHを冷却する運転を行わせるか、冷温水CHを加熱する運転を行わせるかを制御することができるように構成されている。また、第1制御盤12Aは、第1熱源機11Aが有する還冷温水CHRの温度検知手段及び往冷温水CHSの温度検知手段(共に不図示)から温度信号を受信して、第1熱源機11Aの出力の調節(容量制御)を行うことができるように構成されている。また、第1制御盤12Aは、信号ケーブルで接続された他の機器との間で制御信号の授受をすることができ、制御信号を送信した他の機器の動作を制御することができるように構成されている。第1制御盤12Aは、他の機器の1つとしての第1冷温水ポンプ13Aと信号ケーブルで接続されており、第1冷温水ポンプ13Aの発停を制御することができるように構成されている。
【0026】
第1熱源機11Aは、往冷温水CHSを流す第1往冷温水管14Aの一端と、還冷温水CHRを流す第1還冷温水管17Aの一端とがそれぞれ接続されている。第1還冷温水管17Aには、第1冷温水ポンプ13Aが配設されている。第1熱源機11Aは、第1冷温水ポンプ13Aの起動により、第1還冷温水管17Aを介して還冷温水CHRを導入し、導入した還冷温水CHRの温度を調節して往冷温水CHSとして、第1往冷温水管14Aに供給することができるように構成されている。
【0027】
第2熱源機11B及び第3熱源機11Cは、それぞれ、第1熱源機11Aと同様に構成されている。第2熱源機11Bには、第2制御盤12Bが併設され、第2往冷温水管14Bの一端と、第2冷温水ポンプ13Bが配設された第2還冷温水管17Bの一端とが接続されている。第2熱源機11Bまわりは、第1熱源機11Aまわりと同様に構成されており、第2熱源機11Bまわりの第2制御盤12B、第2冷温水ポンプ13B、第2往冷温水管14B、第2還冷温水管17Bは、それぞれ、第1熱源機11Aまわりの第1制御盤12A、第1冷温水ポンプ13A、第1往冷温水管14A、第1還冷温水管17Aと同様の作用及び機能を奏するように構成されている。
【0028】
第3熱源機11Cには、第3制御盤12Cが併設され、第3往冷温水管14Cの一端と、第3冷温水ポンプ13Cが配設された第3還冷温水管17Cの一端とが接続されている。第3熱源機11Cまわりは、第1熱源機11Aまわりと同様に構成されており、第3熱源機11Cまわりの第3制御盤12C、第3冷温水ポンプ13C、第3往冷温水管14C、第3還冷温水管17Cは、それぞれ、第1熱源機11Aまわりの第1制御盤12A、第1冷温水ポンプ13A、第1往冷温水管14A、第1還冷温水管17Aと同様の作用及び機能を奏するように構成されている。なお、第1制御盤12A、第2制御盤12B、第3制御盤12Cは、それぞれ同等の機能を有し、併設された個々の熱源機11の容量制御を行うことができるほか、熱源機群10における熱源機11の台数制御等を司ることができるが、本実施の形態では、第1制御盤12Aをマスター制御盤として設定することとし、熱源機群10における熱源機11の台数制御等の、熱源装置1全体の制御は第1制御盤12Aによって行われることとしている。
【0029】
一端が第1熱源機11Aに接続された第1往冷温水管14Aの他端、一端が第2熱源機11Bに接続された第2往冷温水管14Bの他端、一端が第3熱源機11Cに接続された第3往冷温水管14Cの他端は、それぞれ、往ヘッダ15に接続されている。一端が第1熱源機11Aに接続された第1還冷温水管17Aの他端、一端が第2熱源機11Bに接続された第2還冷温水管17Bの他端、一端が第3熱源機11Cに接続された第3還冷温水管17Cの他端は、それぞれ、還ヘッダ16に接続されている。往ヘッダ15と還ヘッダ16とは、バイパス管18で連絡されている。バイパス管18には、差圧調整弁19が配設されている。
【0030】
往ヘッダ15は、各熱源機11A、11B、11Cから導入された往冷温水CHSが混合されるように構成されている。往ヘッダ15には、混合された往冷温水CHSを流す往短管24の一端が接続されている。往短管24の他端には、往冷温水CHSを空調機91に導く負荷往管94が接続されている。負荷往管94には、往冷温水CHSを空調機91に向けて圧送する二次ポンプ92が配設されている。往短管24には、往冷温水CHSの温度を検知する供給温度計25が設けられている。供給温度計25は、供給熱媒体温度検知器に相当する。供給温度計25は、第1制御盤12Aと信号ケーブルで接続されており、検知した温度を信号として第1制御盤12Aに送信することができるように構成されている。
【0031】
還ヘッダ16には、空調機91から戻ってきた還冷温水CHRを流す還短管27の一端が接続されている。還短管27の他端には、空調機91から排出された還冷温水CHRを還ヘッダ16に導く負荷還管97が接続されている。還短管27には、還冷温水CHRの温度を検知する入口温度計26が設けられている。入口温度計26は、導入熱媒体温度検知器に相当する。入口温度計26は、第1制御盤12Aと信号ケーブルで接続されており、検知した温度を信号として第1制御盤12Aに送信することができるように構成されている。還ヘッダ16は、空調機91から導入した還冷温水CHRを、第1還冷温水管17A、第2還冷温水管17B、第3還冷温水管17Cのそれぞれに分配することができるように構成されている。
【0032】
引き続き
図1を参照して、熱源装置1の作用を説明する。空調機91に処理すべき熱負荷が生じて往冷温水CHSの供給を要求する指令をマスター制御盤である第1制御盤12Aが受けたら、第1制御盤12Aは、まず第1冷温水ポンプ13Aを起動し、次に第1熱源機11Aを起動する。第1冷温水ポンプ13Aの起動により、冷温水CHが、第1往冷温水管14A及び第1還冷温水管17Aを流動する。流動する冷温水CHは、運転中の第1熱源機11Aにおいて温度が調節され、往冷温水CHSとして第1往冷温水管14Aを介して往ヘッダ15に至る。往ヘッダ15の往冷温水CHSは、二次ポンプ92によって空調機91に搬送され、空調機91で往冷温水CHSが保有する熱が利用される。熱利用が行われた往冷温水CHSは、空調機91で冷房が行われるときは温度が上昇し、空調機91で暖房が行われるときは温度が低下して、還冷温水CHRとなる。空調機91から出た還冷温水CHRは、還ヘッダ16を介して第1還冷温水管17Aを流れ、第1熱源機11Aに流入する。第1熱源機11Aに流入した還冷温水CHRは、再び温度が調節されて往冷温水CHSとなり、往ヘッダ15に向けて第1往冷温水管14Aを流れ、以降、上述の作用を繰り返す。
【0033】
第1熱源機11Aの運転だけでは空調機91における熱負荷の処理に不十分な場合、第1制御盤12Aは、第2冷温水ポンプ13B及び第2熱源機11Bを起動し、これらを第1熱源機11Aまわりと同様に作用させる。第1熱源機11A及び第2熱源機11Bの2台の運転でも空調機91の熱負荷処理に不十分な場合、第1制御盤12Aは、第3冷温水ポンプ13C及び第3熱源機11Cを起動し、これらを第1熱源機11Aまわりと同様に作用させる。他方、複数台の熱源機11の運転が、空調機91の熱負荷に照らして余剰となったときは、1台の熱源機11を停止し、1台の熱源機11の運転でも余剰となったときは、すべての熱源機11の運転を停止する。このように、複数台の熱源機11を、適切に増段あるいは減段して、空調機91の熱負荷に応じた適切な台数を運転させることとすると、熱源機11が高効率領域で運転している時間を長くすることができ、好適である。
【0034】
複数台の熱源機11を増段あるいは減段して適切な台数を運転させる台数制御では、熱源機11の過度な発停を防止するため、一般に、空調機91の熱負荷に照らして熱源機11の増段又は減段を行う条件が成立してから、実際に増段又は減段を行うまで、所定の時間待機する負荷確認時間が設けられる。負荷確認時間は、従来は一定の時間に設定されていたため、高負荷条件下で起動する場合や空調機91の熱負荷が急変した場合に、空調機91の熱負荷に対して適切な台数の熱源機11が運転されるようになるまでに相当の時間を要していた。他方、起動時における熱源機11の適切な運転台数に到達するまでの時間を短縮するために、負荷確認時間を短く設定した場合は、例えば系内の保有水量が多く熱源機の増段の効果が現れるまで時間がかかる場合等では、熱源機11の発停が繰り返されることがあり、熱源機11の過度な発停を防止するという負荷確認時間を設けた意義が没却されることとなる。このような不都合を回避するため、熱源装置1では、以下のような制御を行うこととしている。
【0035】
図2は、熱源装置1における台数制御のフローチャートである。以下の説明において、熱源装置1の構成に言及しているときは、適宜
図1を参照することとする。なお、熱源装置1の制御は、前述のように、第1制御盤12A、第2制御盤12B、第3制御盤12Cのいずれでも行うことが可能であるが、本実施の形態では、第1制御盤12Aをマスター制御盤として設定しており、第1制御盤12Aが以下に説明する台数制御を行うように構成されている。第1制御盤12Aは、熱源装置1の運転を開始したら、熱源機11の増段及び減段を行う条件が成立したことを継続するフラグ(以下「条件継続フラグf」という。)を0にする(S1)。次に、供給温度計25で検知された往冷温水CHSの温度(供給温度Ts)及び入口温度計26で検知された還冷温水CHRの温度(入口温度Tr)を信号として受信する(S2)。
【0036】
次に、第1制御盤12Aは、供給温度Tsと、設計上空調機91に供給される往冷温水CHSの温度(目標温度Tt)とに基づいて、熱源機11の運転台数を算出する(S3)。本実施の形態では、冷房時には、供給温度Tsから目標温度Ttを差し引いた温度が1℃を超えるときに熱源機11の運転台数を1台増加させる条件が成立し、供給温度Tsから目標温度Ttを差し引いた温度が−1℃を下回るときに熱源機11の運転台数を1台減少させる条件が成立したこととしている。他方、暖房時には、供給温度Tsから目標温度Ttを差し引いた温度が−1℃を下回るときに熱源機11の運転台数を1台増加させる条件が成立し、供給温度Tsから目標温度Ttを差し引いた温度が1℃を超えるときに熱源機11の運転台数を1台減少させる条件が成立したこととしている。第1制御盤12Aは、熱源機11の運転台数を算出したら、条件継続フラグfが1以上か否かを判断し(S4)、1以上ではない場合は負荷確認時間Scを算出する(S5)。
【0037】
ここで
図3を参照して、熱源装置1の台数制御における負荷確認時間Scについて説明する。
図3(A)は、増段時の負荷確認時間Scを示すグラフであり、
図3(B)は、減段時の負荷確認時間Scを示すグラフである。両グラフ共、横軸に供給温度Tsと目標温度Ttとの差の絶対値|Ts−Tt|を取り、縦軸に負荷確認時間Scを取っている。
図3から分かるように、熱源装置1では、絶対値|Ts−Tt|が小さいほど、換言すれば供給温度Tsが目標温度Ttに近いほど、負荷確認時間Scが長くなるように、供給温度Tsと目標温度Ttとの差の絶対値|Ts−Tt|に応じて負荷確認時間Scを変化させることにしている。このとき、目標温度Ttを基準とすれば、供給温度Tsの目標温度Ttからの偏差に応じて負荷確認時間Scを変化させることにしているということができる。このようにすることで、供給温度Tsの目標温度Ttまでの差が大きい場合は、短い間隔で熱源機11の増段又は減段を行い、逆に供給温度Tsの目標温度Ttまでの差が小さい場合は、熱源機11の増段又は減段を行うまでの間隔を長くして、オーバーシュートの発生を抑制することが可能になる。なお、負荷確認時間Scは、熱源機11の同時起動を回避する観点から最低値が設定されており、絶対値|Ts−Tt|が所定の値以上の領域では、負荷確認時間Scを最低値に固定することとしている。また、
図3(B)に示す減段時の方が、
図3(A)に示す増段時よりも小さい絶対値|Ts−Tt|となるまで負荷確認時間Scが最低値となっている。熱源機11は、冷温水CHの供給過剰を回避するため、適宜定める冷温水CHの温度の上下限値により熱源機11を停止する保安装置を備えており、増段時と同じ絶対値|Ts−Tt|と負荷確認時間Scとの関係で減段を行った場合、保安装置の作動により熱源機11が停止してしまうおそれがあるため、減段時は、
図3(B)に示すように、より減段しやすい方向に設定している。上述した
図3のグラフに示す絶対値|Ts−Tt|と負荷確認時間Scとの関係は、あらかじめ第1制御盤12Aに記憶されている。
【0038】
再び
図2に戻って、熱源装置1の台数制御の説明を続ける。第1制御盤12Aは、
図3に示す関係に照らして負荷確認時間Scを算出したら、熱源機11の運転台数を算出したとき(S3)の結果が、熱源機11の増段を行う条件が成立しているか否か(第1制御盤12Aが熱源機11の増段をすべきと判断したか否か)を判断する(S6)。増段を行う条件が成立している場合は、条件が成立した時から、工程(S5)で算出した負荷確認時間Scが経過したか否かを判断する(S7)。負荷確認時間Scが経過していない場合は、条件継続フラグfに1を加えてから(S8)、再び供給温度Ts及び入口温度Trを検知する工程(S2)に戻り、熱源機11の運転台数を算出する工程(S3)へと進む。そして、条件継続フラグfが1以上か否かを判断する工程(S4)において、1以上の場合は、負荷確認時間Scを算出する工程(S5)を飛ばして、熱源機11の増段を行う条件が成立しているか否かを判断する工程(S6)に進む。
【0039】
熱源機11の増段を行う条件が成立しているか否かを判断する工程(S6)において、増段を行う条件が成立している場合は(条件継続フラグfが1以上の場合は既に条件成立済みである)、条件が成立した時から、工程(S5)で算出済み負荷確認時間Scが経過したか否かを判断し(S7)、負荷確認時間Scが経過している場合は、熱源機11が全台数運転しているか否かを判断する(S9)。熱源機11が全台数運転中の場合は、条件継続フラグfを0にして(S10)再び供給温度Ts及び入口温度Trを検知する工程(S2)に戻る。なお、熱源機11を増段する条件が成立してから負荷確認時間Scが経過した際に熱源機11が全台数運転中の場合に、条件継続フラグfを0にするのは、物理的に増段が不可能な状態で負荷確認時間Scの経過を待つのではなく、算出された熱源機11の運転台数(S3)が変わったときに速やかに新たな負荷確認時間Scを適用できるようにするためである。熱源機11が全台数運転しているか否かを判断する工程(S9)において、運転しているのが全台数ではない場合、第1制御盤12Aは熱源機11の増段を行う(S11)。熱源機11の増段を行ったら、条件継続フラグを0にして(S12)、供給温度Ts及び入口温度Trを検知する工程(S2)に戻る。
【0040】
熱源機11の増段を行う条件が成立しているか否かを判断する工程(S6)において、増段を行う条件が成立していない場合は、熱源機11の減段を行う条件が成立しているか否か(第1制御盤12Aが熱源機11の減段をすべきと判断したか否か)を判断する(S13)。減段を行う条件が成立していない場合は、条件継続フラグを0にして(S14)、供給温度Ts及び入口温度Trを検知する工程(S2)に戻る。他方、熱源機11の減段を行う条件が成立しているか否かを判断する工程(S13)において、減段を行う条件が成立している場合は、条件が成立した時から、工程(S5)で算出した負荷確認時間Scが経過したか否かを判断する(S15)。負荷確認時間Scが経過していない場合は、条件継続フラグfに1を加えてから(S16)、再び供給温度Ts及び入口温度Trを検知する工程(S2)に戻る。他方、負荷確認時間Scが経過したか否かを判断する工程(S15)において、負荷確認時間Scが経過している場合は、熱源機11が2台以上運転しているか否かを判断する(S17)。2台以上運転している場合、第1制御盤12Aは熱源機11の減段を行う(S18)。熱源機11の減段を行ったら、条件継続フラグを0にして(S19)、供給温度Ts及び入口温度Trを検知する工程(S2)に戻る。他方、熱源機11が2台以上運転しているか否かを判断する工程(S17)において、2台以上運転していない場合、第1制御盤12Aは最後の1台を停止させ、すなわち熱源機群10の運転を停止させ(S20)、熱源装置1の台数制御を終了する。
【0041】
以上で説明したように、本実施の形態に係る熱源装置1によれば、供給温度Tsと目標温度Ttとの差が大きいときには、負荷確認時間Scを短くすることで、適切な台数の熱源機11が運転されるようになるまでに要する時間を短くすることができる。他方、供給温度Tsと目標温度Ttとの差が小さいときには、負荷確認時間Scを長くすることで、熱源機11の過度な発停を抑制することができる。
【0042】
ところで、適切な台数の熱源機11が運転されるようになるまでに要する時間や、熱源機11の過度な発停を効果的に抑制することは、熱源装置1と二次側(空調機91)とで循環する冷温水CHの量(保有水量)や、二次側(空調機91)での熱の利用状況等によって変化し得る。例えば、熱源機群10に導入される還冷温水CHRの温度の単位時間あたりの変化量(以下「入口温度変化率」という)が大きい場合は、熱源機11で温度調節後の往冷温水CHSが目標温度Ttに近くなりやすい傾向にあるため、熱源機11の増段時は安定性の観点から負荷確認時間Scを長めにすることが好ましく、熱源機11の減段時はオーバーシュート抑制の観点から負荷確認時間Scを短めにすることが好ましい。入口温度変化率が小さい場合は、逆に、熱源機11の増段時は負荷確認時間Scを短めにすることが好ましく、熱源機11の減段時は負荷確認時間Scを長めにすることができる。
【0043】
図4に、入口温度変化率に応じて負荷確認時間Scを調節する場合のグラフを示す。
図4(A)は入口温度変化率を示すグラフ、
図4(B)は増段時の負荷確認時間Scを示すグラフ、
図4(C)は減段時の負荷確認時間Scを示すグラフである。
図4(A)に示す入口温度変化率のグラフは、時間を横軸に取り、入口温度計26で検知した温度(入口温度Tr)の変化量を縦軸に取っている。
図4(A)中、直線VMは、所定の時間Sp(例えば60秒)が経過したときに入口温度TrがΔt℃(例えば0.5℃)変化したものであり、これを標準値とする。直線VMは、例えば、熱源機11の出入口温度差の定格値(例えば5℃差)の10%が、所定の時間Spで変化したものと決定することができる。直線VLは、所定の時間Spが経過したときに入口温度Trが2×Δt℃(例えば1.0℃)変化したものであり、入口温度変化率が標準(直線VM)よりも大きいことを示している。直線VSは、所定の時間Spが経過したときに入口温度Trが1/2×Δt℃(例えば0.25℃)変化したものであり、入口温度変化率が標準(直線VM)よりも小さいことを示している。
【0044】
図4(B)及び
図4(C)に示すグラフは、
図3(A)及び
図3(B)に示すグラフと同様、横軸に供給温度Tsと目標温度Ttとの差の絶対値|Ts−Tt|を取り、縦軸に負荷確認時間Scを取っている。
図4(B)中の折線PMは、入口温度変化率(
図4(A)参照)が標準のとき(直線VM)の、絶対値|Ts−Tt|と負荷確認時間Scとの関係を示しており、
図3(A)に示す折線と一致している。折線PLは、入口温度変化率が標準よりも大きいとき(直線VL)の、絶対値|Ts−Tt|と負荷確認時間Scとの関係を示しており、相対的に標準時よりも負荷確認時間Scを長く設定している。折線PSは、入口温度変化率が標準よりも小さいとき(直線VS)の、絶対値|Ts−Tt|と負荷確認時間Scとの関係を示しており、相対的に標準時よりも負荷確認時間Scを短く設定している。
図4(C)中の折線QMは、入口温度変化率(
図4(A)参照)が標準のとき(直線VM)の、絶対値|Ts−Tt|と負荷確認時間Scとの関係を示しており、
図3(B)に示す折線と一致している。折線QLは、入口温度変化率が標準よりも大きいとき(直線VL)の、絶対値|Ts−Tt|と負荷確認時間Scとの関係を示しており、相対的に標準時よりも負荷確認時間Scを短く設定している。折線QSは、入口温度変化率が標準よりも小さいとき(直線VS)の、絶対値|Ts−Tt|と負荷確認時間Scとの関係を示しており、相対的に標準時よりも負荷確認時間Scを長く設定している。
【0045】
また、オーバーシュートの抑制には、熱源機11の容量制御を調節することも寄与する。例えば、供給温度Tsと目標温度Ttとの差が大きい場合、熱源機11の出力を大きくすると、供給温度Tsが目標温度Ttに近づくのが早くなる反面、供給温度Tsが目標温度Ttを通り越してオーバーシュートする可能性がある。そこで、オーバーシュートを抑制するために、以下のように制御するとよい。
【0046】
図5は、オーバーシュート抑制制御を説明するグラフである。
図5に示すグラフは、横軸に時間を取り、縦軸に温度を取っている。
図5に示すグラフ中、実測線Erは供給温度計25で検知された温度(供給温度Ts)を示しており、設定値線Esは往冷温水CHSの温度の設定値を示している。熱源装置1におけるオーバーシュート抑制制御では、目標温度Ttを、最終目標温度Ttfと、暫定目標温度Ttpとに分けている。最終目標温度Ttfは、空調機91が要求する往冷温水CHSの温度であり、
図1乃至
図4を参照してこれまで説明してきたものの「目標温度Tt」に相当する。暫定目標温度Ttpは、供給温度Tsと最終目標温度Ttfとの間に暫定的に設ける任意の温度である。
【0047】
図5に示すグラフは、冷温水CHを冷却する場合の例を示している。例えば時刻S0における温度T0に見られるように、実測線Erが示す供給温度Tsは、当初(時刻S1程度まで)は最終目標温度Ttfから大きく乖離している。第1制御盤12Aは、当初、設定値線Esが示すように、供給温度Tsと最終目標温度Ttfとの間の温度T1を、暫定目標温度Ttpとして設定している。ここで、最初に暫定目標温度Ttpとして設定する温度T1は、供給温度Tsが温度T1に到達してから熱源機11の出力を低下させ始めたとしても、その後に供給温度が最終目標温度Ttfを下回ることがない範囲で、できるだけ最終目標温度Ttfに近い温度とするとよい。時刻S1になり、供給温度Tsが、最初に暫定目標温度Ttpとして設定した温度T1まで低下すると、第1制御盤12Aは、暫定目標温度Ttpを、単位時間あたりに所定の温度ずつ低くなるように、随時設定し直す。これを、供給温度Tsが最終目標温度Ttfに到達するまで(
図5中時刻S1から時刻S2まで)続ける。供給温度Tsが最終目標温度Ttfに到達した後は、設定値線Esは最終目標温度Ttfと一致することとなる。
【0048】
このように、暫定目標温度Ttpを徐々に最終目標温度Ttfに近づけていくことで、供給温度Tsがオーバーシュートする確率を低下させることができる。なお、
図5に示すグラフでは、最初に暫定目標温度Ttpとして設定した温度T1に供給温度Tsが到達してから、暫定目標温度Ttpを比例的に(直線的に)最終目標温度Ttfに向かって下げていくようにしているが、時間経過に伴って単位時間あたりの暫定目標温度Ttpの低下幅が小さくなるような曲線状に暫定目標温度Ttpを最終目標温度Ttfに向かって下げていくようにしてしてもよく、暫定目標温度Ttpを任意の単位時間は一定に維持して任意の単位時間が経過したときに所定の温度だけ一気に低下させるように階段状に下げていくようにしてもよい。あるいは、暫定目標温度Ttpを最初に設定した温度T1のみとし、実測線Erが温度T1を通過したときに最終目標温度Ttfを目指すようにしてもよい。このとき、供給温度Tsが暫定目標温度Ttpに到達するまでの単位時間あたりの供給温度Tsの変化量よりも、供給温度Tsが暫定目標温度Ttp(温度T1)を超えてから最終目標温度Ttfに到達するまでの単位時間あたりの供給温度Tsの変化量の方が小さくなるように、暫定目標温度Ttp及び最終目標温度Ttfを設定するとよい。上述のようなオーバーシュート抑制制御は、供給温度Tsと最終目標温度Ttfとの乖離が大きい傾向にある起動時に行うのが特に効果的であるが、起動時以外の定常運転時に適用することもできる。
【0049】
以上の説明では、熱源機11が、状況に応じて冷熱及び温熱のいずれか一方を選択的に生成できるもの(例えば冷温水発生機)であるとしたが、冷熱のみを生成する熱源機(例えば冷凍機)、あるいは温熱のみを生成する熱源機(例えば狭義のヒートポンプ)であってもよい。
【0050】
以上の説明では、熱源機群10が、3台の熱源機11から構成されているとしたが、2台、あるいは5台等、3台以外の複数台の熱源機11から構成されていてもよい。
【0051】
以上の説明では、往ヘッダ15及び還ヘッダ16を備えていることとしたが、ヘッダに代えて1つの配管(例えば第1往冷温水管14A)に他の配管を接続することとしてもよい。このとき、他の配管が接続される配管は、合流部分の口径を大きくするとよい。
【0052】
以上の説明では、熱利用機器が空調機(エアハンドリングユニット)であるとしたが、熱源装置1は、ファンコイルや冷蔵ショーケース等の、空調機以外の機器に往冷温水CHSを供給することも可能である。
【0053】
以上の説明では、熱媒体が冷温水CHであるとしたが、冷水又は温水でもよく、あるいは水以外の不凍液等の流体であってもよい。
【0054】
以上の説明では、第1熱源機11A、第2熱源機11B、第3熱源機11Cの順に運転を開始することとしたが、負荷平準化のために、それまでの累積運転時間が少ないものから順に運転を開始する等、複数の熱源機11の起動順を適宜変更することとしてもよい。なお、累積運転時間に差がつくような運転を行わせることとすると、複数台の熱源機に同時にメンテナンス時期が到来することを回避することができる。
【0055】
以上の説明では、供給温度計25で検知した往冷温水CHSの温度に基づいて熱源機11の運転台数を算出することとしたが、入口温度計26で検知した還冷温水CHRの温度に基づいて熱源機11の運転台数を算出することとしてもよい。入口温度計26で検知した還冷温水CHRの温度に基づいて熱源機11の運転台数を算出する場合、典型的には、入口温度計26で検知した還冷温水CHRの温度のほか、空調機91に供給される往冷温水CHSの目標温度Tt、熱源機11の定格仕様温度差、熱源機11の設置台数から、空調機91における熱負荷処理に必要な熱源機11の運転台数が算出される。
【0056】
以上の説明では、冷房時には、供給温度Tsから目標温度Ttを差し引いた温度が1℃を超えるときに熱源機11の運転台数を1台増加させる条件が成立し、供給温度Tsから目標温度Ttを差し引いた温度が−1℃を下回るときに熱源機11の運転台数を1台減少させる条件が成立し、暖房時には、供給温度Tsから目標温度Ttを差し引いた温度が−1℃を下回るときに熱源機11の運転台数を1台増加させる条件が成立し、供給温度Tsから目標温度Ttを差し引いた温度が1℃を超えるときに熱源機11の運転台数を1台減少させる条件が成立することとしたが、熱源機11の増段又は減段を行う条件が成立する温度差は、適宜変更してもよい。
【0057】
以上の説明では、供給熱媒体温度検知器が、供給温度計25で構成されていることとしたが、各熱源機11が有している往冷温水CHSの温度検知手段(不図示)で構成されていてもよい。この場合、供給温度計25で検知した温度に代えて、各熱源機11が有している往冷温水CHSの温度検知手段(不図示)で検知された温度の平均値を用いることとして、供給温度計25を省略してもよい。また、導入熱媒体温度検知器が、入口温度計26で構成されていることとしたが、各熱源機11が有している還冷温水CHRの温度検知手段(不図示)で構成されていてもよい。この場合、入口温度計26で検知した温度に代えて、各熱源機11が有している還冷温水CHRの温度検知手段(不図示)で検知された温度の平均値を用いることとして、入口温度計26を省略してもよい。
【0058】
以上の説明では、第1制御盤12Aが、熱源機11の台数制御を含む熱源装置1の運転を制御することとしたが、第2制御盤12B又は第3制御盤12Cをマスター制御盤として設定して熱源装置1の運転を制御させることとしてもよい。あるいは、第1制御盤12A、第2制御盤12B、第3制御盤12Cは、それぞれ、これらが属する熱源機11の発停や容量制御等を個別に行うのにとどめ、熱源装置1の制御を行う制御装置を別途設けることとしてもよい。