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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-190883(P2015-190883A)
(43)【公開日】2015年11月2日
(54)【発明の名称】検体分析装置及び検体分析方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20151006BHJP
【FI】
   G01N35/00 F
   G01N35/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-68964(P2014-68964)
(22)【出願日】2014年3月28日
(71)【出願人】
【識別番号】390014960
【氏名又は名称】シスメックス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山口 圭一
(72)【発明者】
【氏名】黒野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】小林 克史
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058AA09
2G058BB02
2G058BB08
2G058CB15
2G058GA02
2G058GD01
2G058GE06
2G058GE10
(57)【要約】
【課題】検体の誤認が発生したときに操作者が検体の誤認を看過しにくい検体分析装置を提供する。
【解決手段】検体分析装置1には、血小板の濃度が相互に異なる複数の検体種の中から、操作者が測定しようとする検体種が選択されて入力される。検体分析装置1は、測定部10と、処理部17と、報知部18とを備えている。測定部10は、検体の光学情報を測定する。処理部17は、光学情報から、検体の血小板凝集能に関する情報を演算する。処理部17は、測定部10により測定された光学情報に基づいて、測定された検体の種類が入力された検体種と異なる可能性があるか否かを判断し、判断結果に応じて報知部18を作動させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血小板の濃度が相互に異なる複数の検体種の中から、操作者が測定しようとする検体種が選択されて入力される検体分析装置であって、
検体の光学情報を測定する測定部と、
前記光学情報から、前記検体の血小板凝集能に関する情報を演算する処理部と、
報知部と、
を備え、
前記処理部は、前記測定部により測定された前記光学情報に基づいて前記測定された検体の種類が前記入力された検体種と異なる可能性があるか否かを判断し、判断結果に応じて前記報知部を作動させる、検体分析装置。
【請求項2】
前記処理部は、前記測定された検体の種類が前記入力された検体種と異なる可能性があると判断した場合に、前記報知部に、検体種の誤りを示唆する情報を報知させる、請求項1に記載の検体分析装置。
【請求項3】
前記処理部は、前記光学情報のうち、前記検体の血小板凝集能に関する情報の演算に使用した情報に基づいて前記測定された検体の種類が前記入力された検体種と異なる可能性があるか否かを判断する、請求項1又は2に記載の検体分析装置。
【請求項4】
前記検体に試薬を分注する試薬分注部をさらに備え、
前記処理部は、前記試薬が分注された検体に対しては、少なくとも、前記試薬を分注した直後の前記光学情報に基づいて前記測定された検体の種類が前記入力された検体種と異なる可能性があるか否かを判断する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項5】
前記処理部は、前記試薬が分注されなかった検体に対しては、少なくとも、測定終了時における前記光学情報に基づいて前記測定された検体の種類が前記入力された検体種と異なる可能性があるか否かを判断する、請求項4に記載の検体分析装置。
【請求項6】
前記測定部は、検体の光学情報を測定し、
前記各検体種に対して設定されており、前記光学情報の範囲を定めた光学条件を記憶した記憶部をさらに備え、
前記処理部は、前記入力された検体種に対応する前記光学条件を前記記憶部から読み出し、前記測定された検体の光学情報が、前記読み出した光学条件を満たすか否かを判断し、前記測定された検体の光学情報が、前記読み出した光学条件を満たさないと判断した場合に、前記測定された検体の種類が前記入力された検体種と異なる可能性があると判断する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項7】
検体が収容された複数の容器が保持される保持具が設置され、
前記複数の容器内の検体の測定開始前に、前記複数の容器のそれぞれに収容された検体の種類が入力可能に構成されており、
前記測定部は、前記複数の容器内の検体を順に測定していく、請求項6に記載の検体分析装置。
【請求項8】
前記処理部は、2つ以上の前記容器に対して検体種の相違を判断した場合に、前記保持具における前記複数の容器の保持位置に誤りがある可能性を前記報知部に報知させる、請求項7に記載の検体分析装置。
【請求項9】
前記処理部は、検体種の相違を判断した前記2つ以上の容器のうちの一の容器に収容されていた検体の前記光学情報が、前記検体種の相違を判断した2つ以上の容器のうちの他の容器に対して入力された検体種に対して設定された前記光学条件を満たしており、前記他の容器に収容されていた検体の前記光学情報が、前記一の容器に対して入力された検体種に対して設定された前記光学条件を満たしていると判断した場合に、前記複数の容器の前記保持具における保持位置に誤りがある可能性を前記報知部に報知させる、請求項8に記載の検体分析装置。
【請求項10】
前記処理部は、前記検体の種類が前記入力された検体種と異なる可能性があると判断したときに、その後の測定を中止させるように構成されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の検体分析装置。
【請求項11】
血小板の濃度が相互に異なる複数の検体種の中から、測定しようとする検体種を選択して入力する工程と、
検体の光学情報を測定する工程と、
前記光学情報から、前記検体の血小板凝集能に関する情報を演算する演算工程と、
前記測定部により測定された前記光学情報に基づいて前記測定された検体の種類が前記入力された検体種と異なる可能性があるか否かを判断し、判断結果に応じて報知部を作動させる工程と、
を備える検体分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体分析装置及び検体分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液検査の一種として、血小板凝集能の検査が行われている。血小板凝集能の検査方法として、PRP(Platelet Rich Plasma)検体と、PPP(Platelet Poor Plasma)検体とを用いた検査方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。PRP検体は、血液検体に弱遠心分離処理を施すことにより得られた血漿成分である。PPP検体は、血液検体に強遠心分離処理を施すことにより得られた血漿成分である。PRP検体は、相対的に高い血小板濃度を有する。PPP検体は、相対的に低い血小板濃度を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−82118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のように、血小板凝集能の検査に、種々の血小板濃度の検体が用いられる場合がある。例えば、血小板濃度が低い検体と、血小板濃度が高い検体とのうちの少なくとも一方を検査する場合、分析装置の操作者が、これから検査しようとする検体が、どのような血小板濃度を有する検体であるのかを誤認しないように注意する必要がある。
【0005】
本発明の主な目的は、検体の誤認が発生したときに操作者が検体の誤認を看過しにくい検体分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る検体分析装置には、血小板の濃度が相互に異なる複数の検体種の中から、操作者が測定しようとする検体種が選択されて入力される。本発明に係る検体分析装置は、測定部と、処理部と、報知部とを備えている。測定部は、検体の光学情報を測定する。処理部は、光学情報から、検体の血小板凝集能に関する情報を演算する。処理部は、測定部により測定された光学情報に基づいて、測定された検体の種類が入力された検体種と異なる可能性があるか否かを判断し、判断結果に応じて報知部を作動させる。このため、検体分析装置の操作者が、検体の誤認に気付きやすくなる。従って、検体の誤認の発生を抑制し得る。
【0007】
本発明に係る検体分析方法では、血小板の濃度が相互に異なる複数の検体種の中から、測定しようとする検体種を選択して入力する。検体の光学情報を測定する。光学情報から、検体の血小板凝集能に関する情報を演算する演算工程を行う。測定部により測定された光学情報に基づいて、測定された検体の種類が入力された検体種と異なる可能性があるか否かを判断し、判断結果に応じて報知部を作動させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検体の誤認が発生したときに操作者が検体の誤認を看過しにくい検体分析装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る検体分析装置の略図的ブロック図である。
図2】本発明の一実施形態における保持具の模式的正面図である。
図3】本発明の一実施形態における一の検体容器13aの模式的正面図である。
図4】本発明の一実施形態における他の検体容器13bの模式的正面図である。
図5】本発明の一実施形態における検体分析手順を表すフローチャートである。
図6】本発明の一実施形態における第1の検体測定手順を表すフローチャートである。
図7】PPP検体及びPRP検体の吸光度を表すグラフの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について説明する。但し、下記の実施形態は、単なる例示である。本発明は、下記の実施形態に何ら限定されない。
【0011】
(検体分析装置1)
図1は、本実施形態に係る検体分析装置1の略図的ブロック図である。検体分析装置1は、血液検体の血小板凝集能を分析し、検体の血小板凝集能に関する情報を出力する装置である。検体分析装置1は、例えば血小板凝集率などの血小板凝集能に加え、例えば血液凝固、線溶能などの、その他の検査項目が分析可能な装置であってもよい。検体分析装置1は、例えば、血小板凝集率、エピネフリン濃度、コラーゲン濃度、リストセチン濃度、アラキドン酸濃度等に関する情報が分析可能な装置であってもよい。検体分析装置1は、プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)、フィブリノーゲン(Fbg)、外因系凝固因子(II,V,VII,X)、内因系凝固因子(VIII,IX,XI,XII)、凝固第XIII因子、トロンボテスト(TTO)、ヘパプラスチンテスト(HpT)、ATIII、Plg、APL、PC、FDP、Dダイマー、PIC、FMC、VWF:Ag、VWF:RCo等を検査可能な装置であってもよい。
【0012】
検体分析装置1に供される検体は、血小板を含む検体であれば特に限定されない。一般的には、検体分析装置1には、血液に由来する血液検体が供される。血液検体としては、全血検体、全血検体から一部の成分が取り除かれた検体等であってもよい。
【0013】
検体分析装置1は、血小板の濃度が相互に異なる複数の検体種に対して測定を行うことができる。検体分析装置1は、血小板濃度が相互に異なる複数種類の検体種に対して光学情報を測定し、それらの情報から血小板凝集能に関する情報を演算し得る。検体は、血小板を実質的に含んでいなくてもよい。具体的には、検体分析装置1には、PRP検体及びPPP検体の少なくとも一方が供される。ここでは、検体分析装置1が、PRP検体とPPP検体との両方に対して測定を行う例について説明する。
【0014】
検体分析装置1は、測定部10を備える。測定部10は、検体や検体の反応物の各種測定を行う。測定部10は、血小板を含む検体の光学情報の測定を少なくとも行う。具体的には、測定部10は、検体の光学情報として、検体の透過光強度を測定する。通常、検体の血小板濃度が高くなるほど透過光強度が低くなり、吸光度が高くなる。検体の血小板濃度が低くなるほど透過光強度が高くなり、吸光度が低くなる。従って、検体の透過光強度を測定することによって、検体の血小板濃度に相関する情報を取得し得る。
【0015】
測定部10は、どのような測定方法を用いるものであってもよい。測定部10は、測定項目に応じた測定方法を実施可能に構成されていることが好ましい。具体的には、測定部10は、検体又は検体の反応物が収容された透明容器(例えばキュベット)の一方側に設けられた発光部(図示せず)と受光部(図示せず)とを備えていてもよい。
【0016】
測定部10には、保持具設置部11に設置される保持具に保持された容器内の検体が供給される。なお、保持具設置部11とは、保持具が設置されるスペースのことである。
【0017】
図2は、本実施形態における保持具12の模式的正面図である。保持具12は、挿入口12aを有している。挿入口12aに検体容器13a、13bが挿入されて保持される。具体的には、保持具12は、複数の挿入口12aを有している。このため、保持具12は、複数の検体容器13a,13bを保持することができる。なお、複数の挿入口12aは、x軸方向に沿って配されている。以下の説明において、x軸方向のx1側からx2側に向かって、挿入口12aが設けられた位置をポジションP1〜P10とする。
【0018】
保持具12に保持される容器は、1種類であってもよいし、複数種類であってもよい。具体的には、保持具12には、図3に示される検体容器13aと、図4に示される検体容器13bとが保持具12に保持される。例えば、保持具12には、検体容器13aと検体容器13bとがx軸方向のx1側からx2側に向かって交互に保持される。この場合、奇数番のポジションP1,3,5,7,9に検体容器13aが保持される。偶数番のポジションP2,4,6,8,10に検体容器13bが保持される。
【0019】
検体容器13aは、PPP検体を収容する容器である。一方、検体容器13bは、PRP検体を収容する容器である。検体容器13a、13bは、それぞれ有底円筒状の容器本体と、容器本体を閉口するキャップとを有する。
【0020】
保持具設置部11に設置された保持具12に保持された検体容器13a、13b内の検体は、図1に示される分注部14によって採取される。具体的には、分注部14は、保持具12に保持された複数の検体容器13a、13bから順番に検体を採取する。より具体的には、分注部14は、x1側に位置する若い番号のポジションに保持された検体容器13a、13bから順番に検体を採取する。分注部14は、採取した検体を測定部10に供給する。
【0021】
検体分析装置1は、分注部14により採取された検体を、測定部10に直接供給し得るように構成されている。また、検体分析装置1は、分注部14により採取された検体を、加温部15及び試薬分注部16を経由させて測定部10に供給可能に構成されている。
【0022】
加温部15は、検体を、予め定められた時間、予め定められた温度に加温する。具体的には、加温部15は、分注部14により分注された検体を収容する容器(図示せず)を保持し、予め定められた時間、予め定められた温度に加温する。加温時間及び温度は、検体の種類、実施する測定の種類等に応じて適宜設定することができる。
【0023】
試薬分注部16は、加温部15により加温された検体に、試薬を分注する。試薬は、検体の種類、実施する測定の種類等に応じて適宜選択することができる。分注する試薬の量も、検体の種類、試薬の種類、試薬の量等に応じて適宜決定することができる。例えば、検体がPPP検体である場合には、血小板凝集惹起剤が試薬分注部16に分注される場合がある。試薬分注部16により試薬が分注された検体は、測定部10に供給される。
【0024】
検体分析装置1は、制御部17を備えている。この制御部17により分注部14、加温部15、試薬分注部16及び測定部10等が制御される。制御部17は、処理部17aと、記憶部17bとを含む。処理部17aは、測定部10により測定された検体の光学情報から、検体の血小板凝集能に関する情報を演算する。また、処理部17aは、分析項目に応じた各種演算を行う。さらに、処理部17aは、後に詳述する検体の誤認可能性の判断及び報知部18の制御も行う。
【0025】
制御部17には、入力部19が接続されている。入力部19は、検体分析装置1の操作者が各種情報を入力する部分である。入力部19は、操作者が、血小板濃度が相互に異なる複数の検体種の中から測定しようとする検体種を選択して入力可能に構成されている。具体的には、入力部19は、複数の検体容器13a、13b内の検体の測定開始前に、複数の検体容器13a、13bのそれぞれに収容された検体の種類を入力可能に構成されている。
【0026】
なお、本実施形態では、検体分析装置1が入力部19を有する例について説明した。但し、本発明は、これに限定されない。例えば、入力部が検体分析装置とは別個に設けられていてもよい。具体的には、例えば、入力装置が、検体分析装置とは別の場所に設置されており、インターネット回線を経由して検体分析装置に接続されていてもよい。
【0027】
制御部17には、報知部18が接続されている。具体的には、制御部17の処理部17aに報知部18が接続されている。報知部18は、処理部17aからの信号に従って、報知を行う。報知部18は、例えば、文字や画像等を表示させることにより操作者に報知を行うものであってもよいし、発音することにより操作者に報知を行うものであってもよい。
【0028】
(検体分析方法)
図5は、本実施形態に係る検体分析手順を表すフローチャートである。次に、図5を参照しながら、検体分析装置1を用いて検体を分析する方法の一例について説明する。ここでは、検体分析装置1を用いて、検体の血小板凝集能に関する情報である血小板凝集率を分析する例について説明する。以下の例において、血小板の濃度が相互に異なる複数の検体種が、PPP検体とPRP検体とにより構成されている例について説明する。
【0029】
まず、ステップS1において、検体分析装置1に検体を設置する。具体的には、図2に示されるように、保持具12に少なくともひとつの検体容器13a、13bを設置する。次に、検体容器13a、13bが設置された保持具12を、図1に示される保持具設置部11に設置する。ここでは、奇数番のポジションP1,P3,P5,P7,P9のそれぞれに、PPP検体が収容された検体容器13aを設置し、偶数番のポジションP2,P4,P6,P8,P10のそれぞれに、PRP検体が収容された検体容器13bを設置する例について説明する。奇数番のポジションPn(但し、nは、1,3,5,7又は9)に配された検体容器13aに収容された検体と、そのポジションの次の番号の偶数番のポジションP(n+1)に配された検体容器13bに収容された検体とは、同一被験者から採取された全血検体から調製された検体である。
【0030】
次に、ステップS2において、検体分析装置1の操作者が検体種の入力を行う。具体的には、記憶部17bに血小板の濃度が相互に異なる複数の検体種が記憶されており、その複数の検体種の中から、操作者が、測定しようとする検体種を選択して入力する。より具体的には、操作者は、ポジションP1〜P10のそれぞれに設置された検体容器13a、13bに収容された検体に対して、測定しようとする検体種を選択して入力する。操作者は、ポジションP1〜P10のそれぞれに設置された検体容器13a、13bに収容された検体に対して、測定する順番で、測定しようとする検体種を順次入力してもよい。ここで説明する例では、例えば、ポジションP1に対してPPP検体を入力し、ポジションP2に対してPRP検体を入力する。
【0031】
ステップS2では、各ポジションP1〜P10のそれぞれに保持された検体容器13a、13bに収容された検体に対して、どの被験者から採取された検体であるかという情報も入力する。具体的には、例えば、ポジションP1とポジションP2とに対して、同一の被験者に関する情報を入力する。
【0032】
なお、例えば、奇数番のポジションにPPP検体がセットされ、偶数番のポジションにPRP検体がセットされることを記憶部17bに記憶させておき、奇数番のポジションにPPP検体がセットされ、偶数番のポジションにPRP検体がセットする画一的な検査を行うことも可能である。その場合は、ステップS2において検体種の入力を行う必要は必ずしもない。
【0033】
以下の説明において、ポジションPm(但し、mは、1〜10の整数)に保持された検体容器13a、13bに収容された検体を、「第mの検体」と称呼することとする。例えば、ポジションP1に保持された検体容器13aに収容された検体を、第1の検体と呼ぶ。
【0034】
また、ステップS2において、操作者は、少なくともひとつの測定項目の入力を行う。具体的には、第1〜第10の検体のそれぞれに対して、どのような測定を行うかを入力する。測定項目の例としては、例えば、血小板凝集能に関する測定項目(血小板凝集項目)、血液の凝固又は線溶機能に関する測定項目(血液凝固項目)等が挙げられる。本例では、血小板凝集率を分析するため、各検体に対して、血小板凝集項目の少なくともひとつを含む測定項目を選択する。
【0035】
次に、ステップS3において、処理部17aは、ステップS1において入力された情報に基づいて、同一被験者の検体が配されたポジションを特定する。ここでは、処理部17aは、例えば、ポジションP1とポジションP2とを同一被験者からの検体が配されたポジションとして特定する。なお、、同一被験者の検体が配されたポジションが存在しない場合は、ステップS3において、処理部17aは同一被験者の検体が配されたポジションが存在しないことを特定する。
【0036】
次に、ステップS4において、第1の検体に対して測定動作を行う。図6は、本実施形態における第1の検体測定手順を表すフローチャートである。図6に示されるように、第1の検体測定動作を行うステップS4においては、まず、ステップS41において、処理部17aは、第1の検体に対して入力された検体種を特定する。本例の場合のように、ステップS41において、入力情報に基づいて、第1の検体がPPP検体であると特定されると、ステップS42に進む。一方、ステップS41において、入力情報に基づいて、第1の検体がPRP検体であると特定されると、ステップS45に進む。
【0037】
第1の検体がPPP検体であると特定された場合は、まず、ステップS42において、処理部17aは、分注部14に第1の検体を分注させ、測定部10に第1の検体を供給する。具体的には、処理部17aは、分注部14に第1の検体を測定用容器に分注させ、その測定用容器を測定部10に移動させる。
【0038】
次に、ステップS43において、処理部17aは、測定部10に供給された第1の検体の光学情報を測定を行わせる。具体的には、処理部17aは、測定部10に、第1の検体の光学情報として、第1の検体の透過光強度を、予め定められた期間にわたって測定させる。測定された第1の検体の透過光強度は、処理部17aに対して出力される。
【0039】
次に、ステップS44において、処理部17aは、出力された測定データを解析し、吸光度等に関する分析結果及び解析結果を記憶部17bに記憶させる。
【0040】
第1の検体がPRP検体であると特定された場合は、まず、ステップS45において、処理部17aは、分注部14に第1の検体を分注させる。具体的には、処理部17aは、分注部14に第1の検体を測定用容器に分注させる。処理部17aは、分注部14に、第1の検体が分注された測定用容器を加温部15に供給させる。
【0041】
次に、ステップS46において、処理部17aは、加温部15に、第1の検体が分注された測定用容器を、所定の温度で、所定の期間加温させる。
【0042】
次に、ステップS47において、処理部17aは、試薬分注部16に、測定項目に対応した試薬を測定用容器に供給させ、その試薬と第1の検体とを攪拌させる。ここでは、処理部17aは、試薬分注部16に、血小板凝集惹起剤を測定容器に供給させる。その後、処理部17aは、図示しない移動機構に、測定用容器を測定部10に移動させる。
【0043】
次に、ステップS48において、処理部17aは、測定部10に、第1の検体の反応物の光学情報を測定させる。具体的には、処理部17aは、測定部10に、第1の検体の光学情報として、第1の検体の透過光強度を、予め定められた期間にわたって測定させる。測定された第1の検体の透過光強度は、処理部17aに対して出力される。
【0044】
次に、ステップS49において、処理部17aは、出力された測定データを解析し、吸光度等に関する分析結果及び解析結果を記憶部17bに記憶させる。
【0045】
図7に、PPP検体及びPRP検体の吸光度を表すグラフの一例を示す。図7に示されるように、PPP検体を反応させないため、PPP検体の吸光度は、ほぼ一定である。一方、PRP検体には、血小板凝集惹起剤が供給される。このため、PRP検体においては、血小板凝集惹起剤の添加と共に、血小板の凝集が開始する。従って、PRP検体の吸光度は、試薬添加後、時間と共に低くなる。
【0046】
図5に示されるように、ステップS4の第1の検体測定動作が終了すると、処理部17aは、保持具12に保持された検体の全てに対して測定を行ったかを判定する(ステップS5)。ステップS5において、処理部17aが保持具12に保持された検体の全てに対して測定を行っていないと判断した場合は、ステップS6に進む。
【0047】
ステップS6においては、未測定の検体のうち、最も若いポジションに位置する検体に対する測定動作を行う。ステップS6において行われる測定動作は、ステップS4において行われる第1の検体測定動作と実質的に同様である。従って、ステップS4の第1の検体測定動作に関する記載を、ステップS6の測定動作に援用する。
【0048】
ステップS6の測定動作が終了すると、ステップS5に戻る。ステップS5において、再び、処理部17aは、保持具12に保持された検体の全てに対して測定を行ったかを判定する。このため、全ての検体に対する測定が終了するまで、ステップS5及びステップS6が繰替えされる。
【0049】
ステップS5において、処理部17aが、保持具12に保持された検体の全てに対して測定を行ったと判断した場合は、次に、ステップS7が行われる。
【0050】
ステップ7において、処理部17aは、測定された光学情報から、検体の血小板凝集能に関する情報を演算し、演算結果を記憶部17bに記憶させる。具体的には、処理部17aは、まず、ステップS1において入力された情報に基づいて、同一被験者の検体が配されたポジションを特定する。ここでは、例えば、ポジションP1に保持された検体容器13aに配された第1の検体(PPP検体)と、ポジションP2に保持された検体容器13bに配された第2の検体(PRP検体)とが同一被験者の検体である。従って、処理部17aは、ポジションP1とポジションP2とが同一被験者の検体が配されたポジションであると特定する。
【0051】
次に、処理部17aは、同一被験者の検体であるPPP検体の吸光度データと、PRPデータとを記憶部17bから読み出す。次に、処理部17aは、読み出した吸光度データから、PPP検体の測定終了時E1(図7を参照)における吸光度と、PRP検体に試薬を分注した直後の吸光度と、PRP検体の測定終了時E2における吸光度とを特定する。ここで、PRP検体に試薬を分注した直後に吸光度の測定を開始した場合は、PRP検体に試薬を分注した直後の吸光度は、測定開始時Sの吸光度となる。PRP検体に試薬を分注した直後に吸光度の測定を開始しなかった場合は、測定された吸光度から、PRP検体に試薬を分注した直後の吸光度を推定してもよい。
【0052】
上述の通り、PPP検体の吸光度は、測定期間において実質的に変化しない。従って、PPP検体の測定終了時E1における吸光度に代えて、例えば、PPP検体の吸光度測定途中における吸光度を用いてもよい。
【0053】
PRP検体の測定終了時E2における吸光度は、PRP検体の反応が実質的に完全に終了した後の吸光度である。
【0054】
次に、処理部17aは、以下の式(1)に基づいて血小板凝集率(%)を演算する。処理部17aは、演算した血小板凝集率を記憶部17bに記憶させる。
AGGREGATION(%)=((PRP_s−PRP_e)/(PRP_s−PPP))×100 ……… (1)
式(1)において、
AGGREGATION:血小板凝集率(%)、
PRP_s:PRP検体に試薬を分注した直後の吸光度、
PRP_e:PRP検体の測定終了時E2における吸光度、
PPP:PPP検体の測定終了時E1における吸光度、
である。
【0055】
次に、ステップS8において、処理部17aは、検体誤認判定を行う。具体的には、処理部17aは、測定部10により測定された光学情報に基づいて、測定した検体の種類が、ステップS2において入力された検体種と異なる可能性があるか否かを判断する。具体的には、処理部17aは、光学情報のうち、検体の血小板凝集能に関する情報の演算に使用した情報に基づいて、検体種の異同を判断する。より具体的には、処理部17aは、検体の吸光度、さらに具体的には、PRP_sまたはPPPに基づいて、検体種の異同を判断する。詳細には、記憶部17bは、各検体種に対して設定されており、光学情報の範囲を定めた光学条件が記憶している。具体的には、記憶部17bは、PPP検体の光学条件として、PPP検体吸光度条件が記憶されている。記憶部17bには、PRP検体の光学条件として、PRP検体吸光度条件が記憶されている。上述の通り、PPP検体の吸光度は相対的に低く、PRP検体の吸光度は相対的に高い。従って、PPP検体吸光度条件として定められた吸光度範囲は、PRP検体吸光度条件として定められた吸光度範囲よりも低い。処理部17aは、入力された検体種に対応する光学条件を記憶部17bから読み出す。処理部17aは、測定された検体の光学情報が、読み出した光学条件を満たすか否かを判断する。処理部17aは、測定された検体の光学情報が、読み出した光学条件を満たさないと判断した場合は、検体の種類が入力された検体種と異なる可能性があると判断する。
【0056】
例えば、第1のポジションP1に対しては、ステップS2において、PPP検体であることが入力されている。このため、処理部17aは、PPP検体吸光度条件を記憶部17bから読み出す。次に、処理部17aは、測定されたPPPが、PPP検体吸光度条件を満たすか否かを判断する。例えば、第1のポジションP1に誤ってPRP検体が保持されていた場合は、PPPとして測定された吸光度は、PPP検体吸光度条件を満たさない。PPPとして測定された吸光度は、PPP検体吸光度条件として設定された吸光度範囲よりも高くなる。その場合は、処理部17aは、第1のポジションP1に配された検体の種類が、ステップS2において入力された検体種(PPP検体)と異なる可能性があると判断する。
【0057】
例えば、第2のポジションP2に対しては、ステップS2において、PRP検体であることが入力されている。このため、処理部17aは、PRP検体吸光度条件を記憶部17bから読み出す。次に、処理部17aは、測定されたPRP_sが、PRP検体吸光度条件を満たすか否かを判断する。例えば、第2のポジションP2に誤ってPPP検体が保持されていた場合は、PRP_sとして測定された吸光度は、PRP検体吸光度条件を満たさない。PRP_sとして測定された吸光度は、PRP検体吸光度条件として設定された吸光度範囲よりも低くなる。その場合は、処理部17aは、第2のポジションP2に配された検体の種類が、ステップS2において入力された検体種(PRP検体)と異なる可能性があると判断する。
【0058】
なお、本実施形態では、ステップS7において血小板凝集率の算出を行った後に、ステップS8において検体誤認判定を行う例について説明した。但し、本発明は、これに限定されない。例えば、ステップS7とステップS8とを同時に行ってもよいし、ステップS8を行った後に、ステップS7を行ってもよい。
【0059】
ステップS8において、処理部17aが、測定された検体の種類がステップS2において入力された検体種と異なると判断しなかった場合(一致していると判断した場合)は、ステップS9に進む。ステップS9では、処理部17aは、算出した血小板凝集率等の結果を表示部に表示させる。例えば、報知部18を表示部により構成する場合は、処理部17aは、報知部18を構成する表示部に、算出した血小板凝集率等の結果を表示させる。報知部18が表示部ではない場合は、別途表示部を設けてもよい。
【0060】
一方、ステップS8において、処理部17aが、測定された検体の種類がステップS2において入力された検体種と異なると判断した場合は、ステップS10に進む。ステップS10では、処理部17aは、算出した血小板凝集率等の結果を表示部に表示させる。また、処理部17aは、報知部18を作動させる。具体的には、処理部17aは、ステップS10において、報知部18に、検体種の誤りを示唆する情報を報知させる。この検体種の誤りを示唆する情報とは、保持具12の誤った位置に検体種を保持させたことを示唆する情報、ステップS2において検体種を誤って入力したことを示唆する情報等を含む。
【0061】
例えば、報知部18が表示部により構成されている場合は、処理部17aは、報知部18に、検体種の誤りを示唆する情報を表示させる。例えば、処理部17aは、報知部18に、検体種の誤りを示唆する文字情報、図形等を表示させてもよい。例えば、報知部18が検査結果を表示させる表示部を構成している場合、処理部17aは、報知部18に、検体種の誤りの可能性を判定した検体に対して演算された血小板凝集率等の分析結果を表示させないように構成されていてもよい。その場合に、処理部17aは、報知部18に、測定結果を表示させない部分をマスクさせたり、他の部分とは異なる色を表示させたりするように構成されていてもよい。
【0062】
報知部18が表示部により構成されている場合は、処理部17aは、検体種の誤りを示唆する情報と共に、検体種の誤りが疑われる理由を報知部18に表示させてもよい。例えば、処理部17aは、検体種の誤りを示唆する情報と共に、入力された検体種がPPP検体であるにもかかわらず、PPP検体吸光度条件として設定された吸光度範囲よりも高い吸光度が測定されたことを報知部18に表示させてもよい。
【0063】
例えば、報知部18が音を発する発音部により構成されている場合は、処理部17aは、報知部18に、検体種の誤りを示唆する音や言葉を発させてもよい。例えば、報知部18が発光する表示等である場合は、処理部17aは、報知部18に、検体種の誤りを示唆する光を発させてもよい。報知部18は、表示部、発音部、発光部等のうちの複数により構成されていてもよい。
【0064】
以上説明したように、検体分析装置1では、処理部17aが、測定部10により測定された光学情報に基づいて、測定された検体の種類が入力された検体種と異なるか否かを判断し、判断結果に応じて報知部18を作動させる。これにより、検体分析装置1の操作者は、例えば、検体の設置ミス、検体種の入力ミス等があった可能性を把握する。このため、操作者は、検体の設置場所や検体種の入力情報を再度確認し得る。すなわち、検体分析装置1では、検体の設置ミス、検体種の入力ミス等の検体の誤認が発生した場合であっても、検体の誤認が操作者により看過されにくい。
【0065】
検体分析装置1では、処理部17aは、光学情報のうち、検体の血小板凝集能に関する情報の演算に使用した情報に基づいて、測定された検体の種類が入力された検体種と異なるか否かを判断する。すなわち、処理部17aは、実際の分析に使用したデータに基づいて検体誤認判定を行う。従って、検体誤認判定のために、特別な測定を別途に行う必要が必ずしもない。よって、検体分析装置1は、検体の分析を正確かつ高速に行い得る。
【0066】
(その他の実施形態)
複数の検体に対して分析を行ったときに、処理部17aは、2つ以上の検体容器13a、13bに対して検体種の相違の可能性を判断した場合に、検体種の相違の可能性を判断した複数の検体容器13a、13bの保持具12における保持位置に誤りがある可能性があることを報知部18に報知させるように構成されていてもよい。処理部17aは、検体種の相違を判断した2つ以上の検体容器のうちの一の検体容器に収容されていた検体の光学情報が、他の検体容器に対して入力された検体種に対して設定された光学条件を満たしており、かつ、他の検体容器に収容されていた検体の光学情報が、一の検体容器に対して入力された検体種に対して設定された光学条件を満たしている場合に、一の検体容器の保持位置と、他の容器の保持位置とに誤りがある可能性を報知部18に報知させるように構成されていてもよい。
【0067】
例えば、第1のポジションP1にPRP検体を収容した検体容器13bが誤って配され、第2のポジションP2にPPP検体を収容した検体容器13aが誤って配された場合を想定する。その場合は、第1のポジションP1に配された検体容器13bに収容されていたPRP検体の血小板濃度は、第1のポジションP1に対して入力された検体種であるPPP検体に対して設定された光学条件よりも高くなる。第1のポジションP1に配された検体容器13bに収容されていたPRP検体の血小板濃度は、第2のポジションP2に対して入力された検体種であるPRP検体に対して設定された光学条件を満たす。第2のポジションP2に配された検体容器13aに収容されていたPPP検体の血小板濃度は、第2のポジションP2に対して入力された検体種であるPRP検体に対して設定された光学条件よりも低くなる。第2のポジションP2に配された検体容器13aに収容されていたPPP検体の血小板濃度は、第1のポジションP1に対して入力された検体種であるPPP検体に対して設定された光学条件を満たす。このような場合に、処理部17aは、第1のポジションP1に配された検体容器の保持位置と、第2のポジションP2に配された検体容器の保持位置とに誤りがある可能性、例えば入れ替わっている可能性があることを報知部18に報知させるように構成されていてもよい。これらの場合は、検体分析装置1の操作者が、検体容器13a、13bの設置ミスがある可能性を把握することができる。
【0068】
処理部17aは、同一被験者から採取された複数の検体であって、血小板濃度が相互に異なる複数の検体の分析を行った場合に、血小板濃度が相対的に高い検体であると入力されたものに対して検体誤認を判定したときにのみ、報知部18を作動させるように構成されていてもよい。例えば、血小板濃度が低い検体であっても、乳び検体である場合には、吸光度が高くなる場合がある。このため、血小板濃度が相対的に低い検体であると入力されたものに対して検体誤認が判定された場合であっても、検体が誤認されていない場合がある。血小板濃度が相対的に高い検体、例えばPRP検体に対して、PRP検体の光学条件として設定された吸光度範囲を下回る吸光度が測定された場合は、検体誤認の可能性が高い。従って、血小板濃度が相対的に高い検体に対して検体誤認を判定したときにのみ、報知部18を作動させるように処理部17aを構成しておいてもよい。
【0069】
処理部17aは、ひとつの検体測定が終了するたびに、その検体の種類が、入力された検体種と異なるか否かを判断するように構成されていてもよい。その場合、処理部17aは、検体種の誤認の可能性を判定したときに、報知部18を直ちに作動させるように構成されていてもよい。処理部17aは、検体種の誤認の可能性を判定したときに、測定部10にその後の測定を中止させるように構成されていてもよい。これらの場合は、検体分析装置1の操作者が、検体の誤認の可能性を早期に把握し得る。
【0070】
測定部10は、血小板に関する複数種類の情報を測定するように構成されていてもよい。その場合、処理部17aは、検体の血小板凝集能に関する情報を演算するときに用いた、光学情報とは異なる情報を用いて誤認判定を行うように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 検体分析装置
10 測定部
11 保持具設置部
12 保持具
13a、13b 検体容器
14 分注部
17 制御部
17a 処理部
17b 記憶部
18 報知部
19 入力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7