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  • 特開2015191353-警報システム 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-191353(P2015-191353A)
(43)【公開日】2015年11月2日
(54)【発明の名称】警報システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/16 20060101AFI20151006BHJP
【FI】
   G08B21/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-66976(P2014-66976)
(22)【出願日】2014年3月27日
(71)【出願人】
【識別番号】000190301
【氏名又は名称】新コスモス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】西岡 吉行
(72)【発明者】
【氏名】西上 佳典
(72)【発明者】
【氏名】中里 嘉浩
(72)【発明者】
【氏名】末廣 陽
【テーマコード(参考)】
5C086
【Fターム(参考)】
5C086AA02
5C086CA01
5C086CB11
5C086DA10
5C086DA11
5C086EA45
5C086FA02
5C086FA07
5C086FA12
5C086GA11
(57)【要約】
【課題】操作を行い易い警報システムを提供する。
【解決手段】外部環境の異常を検出して警報を行う警報システムXであって、外部環境の変化を検知するセンサ部11、異常発生時に警報出力を行う警報出力手段12、および、警報システムXへの動作指示を受付可能な第1指示受付手段13、を備えた警報器本体10と、警報器本体10と別体で警報器本体10と通信可能であり、警報システムXへの動作指示を受付可能な第2指示受付手段21を備えたリモコン装置20と、を備え、警報器本体10は、第1指示受付手段13および第2指示受付手段21の少なくとも何れかに動作指示があった場合に警報システムXの動作を制御する制御手段15を備えた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部環境の異常を検出して警報を行う警報システムであって、
外部環境の変化を検知するセンサ部、異常発生時に警報出力を行う警報出力手段、および、前記警報システムへの動作指示を受付可能な第1指示受付手段、を備えた警報器本体と、
前記警報器本体と別体で当該警報器本体と通信可能であり、前記警報システムへの動作指示を受付可能な第2指示受付手段を備えたリモコン装置と、を有し、
前記警報器本体は、前記第1指示受付手段および前記第2指示受付手段の少なくとも何れかに指示受付けがあった場合に前記警報システムの動作を制御する制御手段を備えた警報システム。
【請求項2】
前記第1指示受付手段および前記第2指示受付手段において、一方が所定の指示を受付けるまで他方は所定の指示を受付けないようにしてある請求項1に記載の警報システム。
【請求項3】
前記第1指示受付手段および前記第2指示受付手段において、一方の指示受付けを行い、所定時間内に他方の指示受付けを行うことで特定の指示を行えるようにしてある請求項1に記載の警報システム。
【請求項4】
前記第1指示受付手段および前記第2指示受付手段は、それぞれ異なる指示受付けにより、複数の動作の指示を行うようにしてある請求項1に記載の警報システム。
【請求項5】
前記第1指示受付手段および前記第2指示受付手段において、それぞれに対する指示受付けが所定時間内に行われた場合、優先順位の高い方の指示を実行するようにしてある請求項1に記載の警報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部環境の異常を検出して警報を行う警報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外部環境の異常を検出して警報を行う警報システムとして、外部環境の変化を検知するセンサ部と、センサ部の出力に基づいて外部環境の変化を判定するマイコン回路と、を備えたものが知られていた。外部環境の変化を検知するセンサ部としては、例えばCOセンサ、都市ガスセンサ、LPガスセンサなどのガスセンサを使用していた。
センサ部が例えばガス検知素子の場合、センサ部が警報レベル以上の被検知ガスを継続して検知したことをマイコン回路が判定すると、当該マイコン回路から警報信号を受け取り、音声により警報を発するように構成してあった。
【0003】
このような警報システムにおいて、その警報機能の正常性を確認するため、操作者が設置場所において警報システムを点検できる点検機能を備えたものがあった。当該点検機能は、外部環境の異常が検出されていないときに、操作者が点検スイッチを操作することにより、警報システムの各機能の診断を自動的に行う。点検は、例えば点検スイッチを操作することで、所定時間だけ、火災やガスの発生を警報するための表示灯を点灯させたり、ブザー音や音声メッセージをスピーカから出力する。このとき、ガス検出時に住宅戸外のガスマイコンメータに対して有電圧出力を行うことによってガスの元栓の自動遮断を行わせる警報システムにおいては、点検時にもガス検出時の有電圧出力を所定時間だけ行っており、これによってガスマイコンメータがガスの元栓を遮断していた。
【0004】
尚、本発明における従来技術となる上述した警報システムは、一般的な技術であるため、特許文献等の従来技術文献は示さない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
警報システムを例えばガス警報器とした場合、通常、当該ガス警報器は壁面において天井付近の高い位置に配設されていた。この場合、操作者が点検スイッチである点検操作手段を操作するに際して、高い位置に配設されたガス警報器の点検操作手段を操作する必要があり、脚立や踏み台等を利用してスイッチ操作を行う場合があったため、点検時の操作が煩雑であった。
【0006】
従って、本発明の目的は、操作を行い易い警報システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る警報システムは、外部環境の異常を検出して警報を行う警報システムであって、その第一特徴構成は、外部環境の変化を検知するセンサ部、異常発生時に警報出力を行う警報出力手段、および、前記警報システムへの動作指示を受付可能な第1指示受付手段、を備えた警報器本体と、前記警報器本体と別体で当該警報器本体と通信可能であり、前記警報システムへの動作指示を受付可能な第2指示受付手段を備えたリモコン装置と、を有し、前記警報器本体は、前記第1指示受付手段および前記第2指示受付手段の少なくとも何れかに指示受付けがあった場合に前記警報システムの動作を制御する制御手段を備えた点にある。
【0008】
本構成では、警報器本体と別体で、当該警報器本体と離間した位置に配設することが可能なリモコン装置を備えるため、警報器本体と別体のリモコン装置を持ち運ぶ等して警報器本体とリモコン装置とを通信可能にすることができる。
従って本構成によれば、警報器本体の第1指示受付手段、および、警報器本体と別体で警報器本体と通信可能なリモコン装置の第2指示受付手段にそれぞれ指示受付けがあった場合に、警報システムの所定の動作を制御するため、警報器本体が壁面において天井付近の高い位置に配設される場合であっても、リモコン装置を指示の受付けが容易な位置(当該壁面における低い位置等)に配設しておけば、操作者は容易にリモコン装置を手にして警報システムの所定の動作を容易に行わせることができる。
【0009】
本発明に係る警報システムの第二特徴構成は、前記第1指示受付手段および前記第2指示受付手段において、一方が所定の指示を受付けるまで他方は所定の指示を受付けないようにした点にある。
【0010】
本構成によれば、どちらか一方が指示を受付けるまで、他方はロックされて指示を受付けないようにすることができるため、一方の指示受付けを前提としてのみ行える態様を適用することができる。
【0011】
本発明に係る警報システムの第三特徴構成は、前記第1指示受付手段および前記第2指示受付手段において、一方の指示受付けを行い、所定時間内に他方の指示受付けを行うことで特定の指示を行えるようにした点にある。
【0012】
本構成によれば、第1指示受付手段および第2指示受付手段に対する指示受付けが必要となるため、通常は実施しないような特殊な点検動作等を行う場合の操作方法とすることができる。
【0013】
本発明に係る警報システムの第四特徴構成は、前記第1指示受付手段および前記第2指示受付手段は、それぞれ異なる指示受付けにより、複数の動作の指示を行うようにした点にある。
【0014】
本構成によれば、第1指示受付手段および第2指示受付手段を例えばスイッチ状の部材とした場合、第1指示受付手段を短押しした場合は点検操作を開始させ、長押しした場合は警報の停止動作を行わせることができ、第2指示受付手段を短押しした場合は警報の停止動作を行わせ、長押しした場合は点検操作を開始させるように制御することができる。そのため、それぞれ異なる指示受付けにより、所望の動作の指示を設定することができる。
【0015】
本発明に係る警報システムの第五特徴構成は、前記第1指示受付手段および前記第2指示受付手段において、それぞれに対する指示受付けが所定時間内に行われた場合、優先順位の高い方の指示を実行するようにした点にある。
【0016】
本構成によれば、第1指示受付手段および第2指示受付手段において予め優先順位を設定しておき、第1指示受付手段および第2指示受付手段の両方に対して、所定時間内に指示受付けが行われたときに、優先順位の高い方の指示を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の警報システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の警報システムは、外部環境の異常を検出して警報を行うものである。
図1に示したように、本発明の警報システムXは、外部環境の変化を検知するセンサ部11と、センサ部11の出力に基づいて外部環境の変化を判定し、異常発生時に外部機器Bに対して警報出力を送信する警報出力手段12と、警報システムXへの動作指示を受付可能な第1指示受付手段13と、を備えた警報器本体10を有する。
また、警報システムXは、警報器本体10と別体で当該警報器本体10と通信可能であり、警報システムXの動作指示を受付可能な第2指示受付手段21を備えたリモコン装置20を有する。
警報器本体10は、第1指示受付手段13および第2指示受付手段21の少なくとも何れかに指示受付けがあった場合に警報システムXの動作を制御する制御手段15を備える。
【0019】
警報器本体10は、例えば壁面において天井付近の高い位置に配設される。警報器本体10は、その内部に外部環境の変化を検知するセンサ部11を備える。このようなセンサ部11として、可燃性ガスセンサ、COセンサ、都市ガスセンサ、LPガスセンサなどのガスセンサや、火災センサなどを使用することができるが、これに限られるものではない。
【0020】
ガスセンサは、被検知ガスを検知するものであれば、どのような態様であってもよい。例えば、可燃性ガスセンサは水素ガスなどの可燃性ガスを検出でき、酸素センサは酸素ガスを検出でき、COセンサは不完全燃焼で発生する一酸化炭素ガスを検出でき、都市ガスセンサは炭化水素ガス等の漏洩ガスを検出することができるものであれば、公知の半導体式センサ素子や接触燃焼式センサ素子などが使用できる。
火災センサは、温度の上昇を感知する温度センサや、煙感知機能を有する公知の散乱光式煙センサなどが使用できる。
本実施形態では、センサ部11として、家庭などで被検知ガスとしてメタンやプロパンなどを検知する可燃性ガスセンサ、COセンサおよび火災センサを備えた場合について説明する。
【0021】
また、本実施形態では、センサ部11からの信号が警報出力手段12に送信され、警報レベル以上の被検知ガスや温度の上昇などを継続して検知したことを警報出力手段12のマイコン回路が判定した場合、警報動作を行うように構成してもよいし、外部機器Bが警報出力手段12から警報信号を受信して、警報動作を行うように構成してもよい。
【0022】
警報出力手段12は、外部環境における異常発生が検出された場合には第1電圧による有電圧出力を行い、外部環境において所定の異常発生が検出されていない通常時には第1電圧とは異なる第2電圧による有電圧出力を行う。何れの場合においても、警報システムX内に組み込んだスピーカよりブザー音や音声メッセージを鳴動させ、さらに警報システムX内に組み込んだLEDを点滅させる警報動作を所定時間行わせることが可能である。
外部機器Bは、例えば警報システムXとは離間した位置に配設されたガスマイコンメータや、監視部に組み込まれた態様とする。当該外部機器Bをガスマイコンメータとした場合、警報動作は、例えばガスの元栓を遮断する動作を行わせることが可能である。
【0023】
即ち、警報出力手段12は、例えばガスの検出有無や検出されたガスの種類に応じた電圧の出力が行われる。例えば、警報システムXは通常時には6vの出力を維持し、警報システムXに異常がある場合には0vを出力し、可燃性ガス或いはCOが検出された場合(以下「ガス検出時」と称する)にはそれぞれ12v、18vの出力を行う。このような有電圧出力を受けたガスマイコンメータでは、この有電圧出力が12vまたは18Vであればガスの元栓を自動遮断する制御を行う。
【0024】
第1指示受付手段13は、警報システムXの所定の動作を開始するトリガーとなる態様であれば、どのようなものであってもよく、例えばスイッチ状の部材で構成してもよいし、音や光に感応して動作指示を受付ける構成であってもよい。例えばスイッチ状の部材とした場合、操作時には、第1指示受付手段13を長押し、短押し或いは連続押しするなど、任意の態様で操作すればよい。前記所定の動作は、例えば点検動作の開始や、警報の停止等の動作等があるが、これに限定されるものではない。第1指示受付手段13の数は1つでもよいし、複数設けてもよい。第1指示受付手段13を複数設けた場合は、それぞれの第1指示受付手段13に異なる所定の動作を行わせるようにすればよい。また、第1指示受付手段13を複数設けた場合は、それぞれの第1指示受付手段13のサイズや形状を変更してもよい。これにより、それぞれの第1指示受付手段13の識別が容易となる。
【0025】
リモコン装置20は、警報器本体10と異なる筐体で構成されており、警報器本体10と別体で、当該警報器本体10と離間した位置に配設することが可能である。例えば警報器本体10を壁面において天井付近の高い位置に配設した場合、リモコン装置20は、通常は、操作者が容易に手にすることができる場所に配設するのがよく、当該壁面において低い位置に配設してもよいし、当該壁面とは異なる場所に配設してもよい。
【0026】
リモコン装置20は警報器本体10と通信可能に構成してある。即ち、リモコン装置20は警報器本体10と、有線通信、無線通信等によって通信できるように構成すればよい。これら通信は、双方向通信でもよいし、一方向通信でもよい。有線による通信は、リモコン装置20および警報器本体10をUSBや光ファイバー等の公知の通信ケーブルによって接続することで通信可能となる。無線による通信は、警報器本体10およびリモコン装置20のそれぞれに、赤外線通信等の無線通信手段を備えることで通信可能となる。
【0027】
本実施形態では、当該無線通信手段として赤外線による通信(一方向通信)を適用した場合について説明する。即ち、警報器本体10には第1通信手段として赤外線の受信部14、リモコン装置20には第2通信手段として赤外線の送信部22をそれぞれ設けることでリモコン装置20は警報器本体10と通信可能となる。無線通信手段として双方向通信を採用する場合は、第1通信手段および第2通信手段のそれぞれに送受信可能な送受信装置を配設すればよい。
尚、警報器本体10およびリモコン装置20を無線通信とした場合、警報システムXの駆動方式が電池式である場合は、通信を間欠制御することで電池の寿命を延ばすことができる。
【0028】
リモコン装置20が備える第2指示受付手段21は、警報システムXの所定の動作を開始するトリガーとなる態様であれば、どのようなものであってもよく、例えばスイッチ状の部材で構成してもよいし、音や光に感応して動作指示を受付ける構成であってもよい。例えばスイッチ状の部材とした場合、操作時には、第2指示受付手段21を長押し、短押し或いは連続押しするなど、任意の態様で操作すればよい。第2指示受付手段21の数は1つでもよいし、複数設けてもよい。第2指示受付手段21を複数設けた場合は、それぞれの第2指示受付手段21に異なる所定の動作を行わせるようにすればよい。また、第2指示受付手段21を複数設けた場合は、それぞれの第2指示受付手段21のサイズや形状を変更してもよい。これにより、それぞれの第2指示受付手段21の識別が容易となる。また、第2指示受付手段21を複数設けた場合は、無線通信時の赤外線の周波数をそれぞれ変更するように構成してもよい。
【0029】
本発明の警報システムXは、第1指示受付手段13および第2指示受付手段21の少なくとも何れかに指示受付けがあった場合に警報システムXの動作を制御する制御手段15を警報器本体10に備える。本実施形態における当該制御手段15は、警報器本体10の第1指示受付手段13および警報器本体10と通信可能なリモコン装置20の第2指示受付手段21にそれぞれ指示受付けがあった場合に、所定の警報出力を警報出力手段12に行わせる(点検動作の開始)、および、当該警報出力を停止する(警報の停止)ように制御する場合について説明する。
【0030】
例えば制御手段15は、第1指示受付手段13に指示受付けがあった場合には、外部機器Bに対する第1の点検警報出力を警報出力手段12に行わせ、第2指示受付手段21に指示受付けがあった場合には、外部機器Bに対する第1の点検警報出力とは異なる第2の点検警報出力を警報出力手段12に行わせるように制御する。
【0031】
この場合、警報出力手段12は、第1の点検警報出力として、外部環境における異常発生が検出された場合と同じ第1電圧による有電圧出力を行い、第2の点検警報出力として、外部環境において所定の異常発生が検出されていない通常時と同じ第2電圧による有電圧出力を行うようにすればよい。
【0032】
また、上記態様に替えて、第1指示受付手段13に指示受付けがあった場合には、第2の点検警報出力(所定の異常発生が検出されていない通常時と同じ第2電圧による有電圧出力)を警報出力手段12に行わせ、第2指示受付手段21に指示受付けがあった場合には、第1の点検警報出力(異常発生が検出された場合と同じ第1電圧による有電圧出力)を警報出力手段12に行わせるように制御してもよい。
【0033】
第1の点検警報出力或いは第2の点検警報出力が発報されている状態で、第1指示受付手段13或いは第2指示受付手段21に指示受付けがあった場合には、これら警報出力を停止するように制御するのがよい。
【0034】
第1指示受付手段13および第2指示受付手段21は、それぞれ異なる指示受付けにより、複数の動作の指示を行うように構成することができる。第1指示受付手段13および第2指示受付手段21を例えばスイッチ状の部材とした場合、第1指示受付手段13および第2指示受付手段21は、同じ操作(短押し、長押し、連続押し)で同じ動作を指示するように制御してもよいし、同じ動作を行ったとしてもそれぞれ異なる動作を指示するように制御すればよい。例えば第1指示受付手段13を短押しした場合は点検操作を開始させ、長押しした場合は警報の停止動作を行わせる。このとき第2指示受付手段21を短押しした場合は警報の停止動作を行わせ、長押しした場合は点検操作を開始させる。
【0035】
また、第1指示受付手段13の操作でしか実行できない動作があってもよく、このような動作としては、例えば顧客には行わせたくない通常は実施しないような点検動作が挙げられる。
【0036】
本発明の警報システムXは、警報器本体10の第1指示受付手段13、および、警報器本体10と別体のリモコン装置20の第2指示受付手段21にそれぞれ指示受付けがあった場合に、警報システムXの所定の動作を制御するため、警報器本体10が壁面において天井付近の高い位置に配設される場合であっても、リモコン装置20を指示の受付けが容易な位置(当該壁面における低い位置等)に配設しておけば、操作者は容易にリモコン装置20を手にして警報システムXの所定の動作を容易に行わせることができる。
【0037】
〔別実施の形態1〕
上述した実施形態では、制御手段15は、第1指示受付手段13に指示受付けがあった場合には、第1の点検警報出力を警報出力手段12に行わせ、第2指示受付手段21に指示受付けがあった場合には、第2の点検警報出力を警報出力手段12に行わせるように制御した場合について説明した。しかし、このような態様に限定されるものではなく、第1指示受付手段13および第2指示受付手段21にそれぞれ指示受付けがあった場合の何れにおいても、同じ点検警報出力を警報出力手段12に行わせるように制御してもよい。
【0038】
また、第1指示受付手段13および第2指示受付手段21において、同じ指示や異なる指示を同時(または指示受付けに基づく制御が行われるまでの所定時間内)に受付けた場合には、どちらかの指示をキャンセルするようにしてもよいし、両方の指示を順次実行するようにしてもよい。例えば第1指示受付手段13および第2指示受付手段21において予め優先順位を設定しておき、優先順位の高い方の指示を実行し、優先順位の低い方の指示をキャンセルするように構成してもよく、優先順位の高い指示から順次実行するようにしてもよい。
【0039】
〔別実施の形態2〕
上述した実施形態では、リモコン装置20は、警報器本体10と別体とする場合について説明したが、リモコン装置20は警報器本体10に対して着脱自在に構成してもよい。
【0040】
この場合、装着時および離脱時において、互いの通信方式を異ならせるように構成してもよい。即ち、リモコン装置20を警報器本体10に装着している場合には電気的に接続した方式で通信し、離脱させている場合には無線方式で通信させるように構成することが可能である。
また、警報器本体10の制御手段15は、リモコン装置20が装着されたことを検出すると、無線通信用の受信部への電源供給を遮断するように構成してもよい。このようにすることで、無線通信による電力消費を抑えることができる。この場合、リモコン装置20が離脱された場合には、無線通信用の受信部への電源供給を再開するように構成するのがよい。
【0041】
〔別実施の形態3〕
第1指示受付手段13および第2指示受付手段21は、指示受付けを行えないようにするロック機構をそれぞれ備えてもよい。この場合、例えば第1指示受付手段13および第2指示受付手段21において、一方が所定の指示を受付けるまで他方は所定の指示を受付けないようにすることができる。本構成では、どちらか一方が指示を受付けるまで、他方はロックされて指示を受付けないようにすることができるため、一方の指示受付けを前提としてのみ行える態様を適用することができる。
【0042】
また、第1指示受付手段13および第2指示受付手段21のそれぞれにおいて、所定の時間内に所定の回数を超えて指示を受付けた場合にロック機構を作動させるように構成することができる。
このようなロック機構を備えた場合、ロックされた状態を解除するロック解除機構を設けるとよい。
【0043】
当該ロック解除機構は、警報器本体10およびリモコン装置20のどちらにも設けられる構成でもよく、いずれか一方に設けられる構成でもよい。通常、リモコン装置20は操作し易い位置に配置されることが多く、子供などによって必要以上の回数の操作が行われる可能性が警報器本体10よりも高いため、ロック解除機構は警報器本体10に設けられるのが好ましい。
尚、警報器本体10にロック解除機構を設ける場合には、双方向通信とする。また、ロック解除機構は、リモコン装置20を警報器本体10に装着すると、ロックが解除される機構としてもよい。
【0044】
〔別実施の形態4〕
制御手段15は、第1指示受付手段13および第2指示受付手段21において、一方の指示受付けを行い、所定時間内に他方の指示受付けを行うことで特定の指示を行えるように制御してもよい。本態様は、通常は実施しないような特殊な点検動作等を行う場合の操作方法とすることができる。
前記「所定時間内」の指示受付としては、例えば、一方の指示受付から所定時間経過するまでに他方の指示を受付けた場合や、一方の指示受付から所定時間経過するまでにおいて、一方の指示受付からある期間は他方の指示を受付けず、この期間が経過した時点から前記所定期間経過するまでの間に他方の指示を受付けた場合、等とすることができる。
【0045】
〔別実施の形態5〕
リモコン装置20は、警報器本体10のようにセンサ部や警報出力手段を備えてもよい。この場合、リモコン装置20に設けた警報出力手段は、警報器本体10の警報出力手段からの警報出力にあわせて、即ち警報器本体10からの通信によって、警報を出力する態様とすることができる。このようにすることで、各種報知内容を、顧客が警報器本体10から離れた場所にいる場合であっても、的確に伝達できる可能性を高めることができる。
【0046】
本構成では、最初から警報器本体10の警報出力手段12およびリモコン装置20の警報出力手段から報知されてもよく、初めはどちらか一方から報知され、所定時間が経過すると両方から報知されてもよく、交互に報知を行うようにしてもよい。
【0047】
また、本構成においては、警報器本体10の警報出力手段12からは出力されず、リモコン装置20の警報出力手段からのみ出力される警報を設定してもよい。このような警報としては、例えば、リモコン装置20の第2指示受付手段が所定時間内に所定回数以上操作された場合に、操作の停止を促す旨の報知などが挙げられる。さらに、警報器本体10のみから出力される警報を設定してもよい。
【0048】
リモコン装置20に設けたセンサ部は、警報器本体10に設けたセンサ部11と同じであっても異なっていてもよい。リモコン装置20に設けたセンサ部が警報器本体10に設けたセンサ部11と異なる場合は、警報器本体10の設置位置では適切な検出が困難な外部環境の変化を検知するセンサ部、例えば温湿度センサとするのがよい。
【0049】
リモコン装置20に温湿度センサを設けることで、顧客の周囲における温湿度の変化を的確に捉えることができるので、当該温湿度センサの検出値に基づいて、適切な熱中症予防のための警報や、インフルエンザ予防のお知らせ警報(ウイルスの蔓延を防ぐための加湿をよびかける警報など)を行うことができる。
【0050】
このような熱中症やインフルエンザに関する警報は、メッセージやブザー音などのいずれでもよく、警報器本体10のみ、リモコン装置20のみ、または警報器本体10およびリモコン装置20の両方から報知される態様でもよい。
【0051】
また温湿度センサにおける温度や湿度の変化に基づいて、顧客がリモコン装置20の周辺に存在するかを判断し、当該判断結果に基づいて、上述した報知態様の変更を行っても良い。例えば、当初は警報器本体10のみから報知を行っていたが、リモコン装置20の周辺に人が存在する可能性が高いと判断すると、リモコン装置20からも報知を行うように変更するようにしてもよい。
【0052】
また、リモコン装置20に設けた警報出力手段は、リモコン装置20に設けたセンサ部からの信号とともに、警報器本体10のセンサ部11からの信号を受け取って、リモコン装置20および警報器本体10の状態を報知するように構成してもよい。当該報知は、例えばリモコン装置20に組み込んだスピーカよってブザー音や音声メッセージを鳴動させてもよいし、表示装置やLED等によって視覚的に行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、外部環境の異常を検出して警報を行う警報システムに利用できる。
【符号の説明】
【0054】
X 警報システム
10 警報器本体
11 センサ部
12 警報出力手段
13 第1指示受付手段
15 制御手段
20 リモコン装置
21 第2指示受付手段
図1