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特開2015-191906プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-191906(P2015-191906A)
(43)【公開日】2015年11月2日
(54)【発明の名称】プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/28 20060101AFI20151006BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20151006BHJP
【FI】
   H05K3/28 C
   H05K3/28 F
   B32B27/00 M
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2014-65752(P2014-65752)
(22)【出願日】2014年3月27日
(71)【出願人】
【識別番号】500471629
【氏名又は名称】台虹科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】李育憲
(72)【発明者】
【氏名】洪子景
(72)【発明者】
【氏名】施玉真
(72)【発明者】
【氏名】田豐榮
(72)【発明者】
【氏名】盧振國
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼淑萍
【テーマコード(参考)】
4F100
5E314
【Fターム(参考)】
4F100AA21
4F100AK01A
4F100AK01B
4F100AK01C
4F100AK41A
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4F100AK49
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4F100AT00D
4F100BA03
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4F100GB43
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4F100YY00A
4F100YY00B
4F100YY00C
5E314AA25
5E314AA26
5E314AA32
5E314AA34
5E314BB03
5E314CC15
5E314FF01
5E314GG08
5E314GG19
5E314GG26
(57)【要約】
【課題】表面実装工程を経ても黄変し難く、反射率が高いと共に、構造上の強度に優れた、プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムを提供する。
【解決手段】二つの側面を有し、厚さが2マイクロメートルないし125マイクロメートルであるとともに、融点がセ氏260度より高い、高温耐熱性を有する高分子薄膜と、屈折率が1以上である第一反射塗料を有し、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜の一つの側面に設けられると共に、厚さが2マイクロメートルないし30マイクロメートルである、高反射率を有する高分子複合材料層と、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜における前記高反射率を有する高分子複合材料層の反対する側の側面に設けられると共に、厚さが10マイクロメートルないし75マイクロメートルである粘着層とを有し、全体の反射率が89パーセント以上であるスペクトルにおいて、該高温耐熱性を有する高分子薄膜の吸収率が35パーセント以下となることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムであって、
二つの側面を有し、厚さが2マイクロメートルないし125マイクロメートルであるとともに、融点がセ氏260度より高い、高温耐熱性を有する高分子薄膜と、
屈折率が1以上である第一反射塗料を有し、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜の一つの側面に設けられると共に、厚さが2マイクロメートルないし30マイクロメートルである、高反射率を有する高分子複合材料層と、
前記高温耐熱性を有する高分子薄膜における前記高反射率を有する高分子複合材料層の反対する側の側面に設けられると共に、厚さが10マイクロメートルないし75マイクロメートルである粘着層とを有し、
前記プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける全体の反射率が89パーセント以上であるスペクトルにおいて、該高温耐熱性を有する高分子薄膜の吸収率が35パーセント以下となることを特徴とするプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項2】
前記粘着層が第二反射塗料を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項3】
前記第二反射塗料の屈折率が1以上であることを特徴とする請求項2に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項4】
前記高温耐熱性を具備する高分子薄膜が第三反射塗料を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項5】
前記第三反射塗料の屈折率が1以上であることを特徴とする請求項4に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項6】
前記第一反射塗料は、前記高反射率を有する高分子複合材料層における全体の20体積パーセントないし70体積パーセントを占めることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項7】
前記第二反射塗料は、前記粘着層における全体の10体積パーセントないし50体積パーセントを占めることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項8】
前記第三反射塗料は、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜における全体の1体積パーセントないし20体積パーセントを占めることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項9】
前記高温耐熱性を有する高分子薄膜の厚さが12.5マイクロメートルないし125マイクロメートルであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項10】
前記高反射率を有する高分子複合材料層の厚さが6マイクロメートルないし20マイクロメートルであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項11】
前記粘着層の厚さが10マイクロメートルないし35マイクロメートルであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項12】
前記高反射率を有する高分子複合材料層は、反応性官能基を有する第一樹脂を有し、該反応性官能基を有する第一樹脂は、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、および二重結合からなる群より選択される少なくとも一つの反応性官能基を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項13】
前記高反射率を有する高分子複合材料層は、第一架橋剤を有し、該第一架橋剤は、二つ以上の架橋反応性官能基を備える芳香族化合物、および二つ以上の架橋反応性官能基を備える脂肪族化合物からなる群より選択されるものであり、該第一架橋剤の架橋反応性官能基は、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、及び二重結合からなる群より選択されるものであることを特徴とする請求項12に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項14】
前記粘着層は、反応性官能基を有する第二樹脂を有し、該反応性官能基を有する第二樹脂は、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、およびヒドロキシル基からなる群より選択される少なくとも一つの反応性官能基を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項15】
前記粘着層は、第二架橋剤を有し、該第二架橋剤は、二つ以上の架橋反応性官能基を備える芳香族化合物、および二つ以上の架橋反応性官能基を備える脂肪族化合物からなる群より選択されるものであり、該第一架橋剤の架橋反応性官能基は、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、及び二重結合からなる群より選択されるものであることを特徴とする請求項14に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項16】
前記高温耐熱性を有する高分子薄膜は、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、およびポリエーテルエーテルケトンからなる群より選択される化合物を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項17】
波長が415ナノメートルから700ナノメートルまでのスペクトルにおいて、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜の吸収率が35パーセント以下となると共に、前記プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける全体の反射率が89パーセント以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にプリント基板に適用され、高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来では、電子商品用の光源モジュールに特定の波長およびスペクトル分布を有する光線を放射させるために、補助光学部材が用いられるが、該光源モジュールから放射される光線が前記補助光学部材を経由すると、光吸収や光散乱などによる光損失が生じるので、放射される光線の一部が無駄になるだけでなく、該電子商品における全体の発光効率および演色性に悪影響を及ぼしてしまう。さらに、前記光源モジュールの光源部材から発生する光線が前記補助光学部材を経由する時、この光線が進むほど強度が次第に低減してしまうことから、該電子商品の発光効率を確保するために、該光源モジュールの光源部材の出力を上げる必要があった。しかしながら、例えば、ディスプレイ用バックライトモジュールは、導光板を利用した面光源技術を用いることにより、均一の発光効果を得ることはできるが、該導光板による光吸収や光散乱により光損失を齎す。
【0003】
図10に示すように、補助光学部材による光損失を低減するために、従来の技術では、例えば特許文献1に記載したように、電子商品の光源モジュールの光源部材に反射インク層を有するプリント基板を用いることにより、プリント基板82の表面に該反射インク層81がインクでプリント成形されると共に、光源モジュールの光源部材83は、表面実装技術により、該プリント基板82の表面に設けられる。これによれば、前記光源モジュールの光源部材83から該プリント基板82の表面に到達する散乱光を該反射インク層81に反射させ、該プリント基板82から離れる方向へ進行させることにより、電子商品の発光効率および演色性の改善を図る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾特許公開第201213406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記反射インク層81を用いる従来の装置には、以下のような問題を有する。
【0006】
1、表面実装の温度はセ氏160〜320度であるので、前記光源部材83を表面実装する工程において、インクプリント成形される反射インク層81が黄変(yellowing)し、該反射インク層81の反射率の低下に繋がる。
【0007】
2、プリント成形された前記反射インク層81の厚さを増大させることにより、その反射率を向上させることはできるが、カッティング成形工程を施す場合、またはプリント基板におけるR角が0.5mm以下の撓曲を受けた時、基材に支持されていない前記増大した厚さを有する反射インク層81のインクの破損が起こり易い。
【0008】
そこで、出願されたのが本発明であって、表面実装工程を経ても黄変し難いと共に、反射率が高く、構造上の強度に優れた、プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の請求項1の発明は、プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムであって、
二つの側面を有し、厚さが2マイクロメートルないし125マイクロメートルであるとともに、融点がセ氏260度より高い、高温耐熱性を有する高分子薄膜と、
屈折率が1以上である第一反射塗料を有し、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜の一つの側面に設けられると共に、厚さが2マイクロメートルないし30マイクロメートルである、高反射率を有する高分子複合材料層と、
前記高温耐熱性を有する高分子薄膜における前記高反射率を有する高分子複合材料層の反対する側の側面に設けられると共に、厚さが10マイクロメートルないし75マイクロメートルである粘着層とを有し、
前記プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける全体の反射率が89パーセント以上であるスペクトルにおいて、該高温耐熱性を有する高分子薄膜の吸収率が35パーセント以下となることを特徴とするプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0010】
本願の請求項2の発明は、前記粘着層が第二反射塗料を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0011】
本願の請求項3の発明は、前記第二反射塗料の屈折率が1以上であることを特徴とする請求項2に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0012】
本願の請求項4の発明は、前記高温耐熱性を具備する高分子薄膜が第三反射塗料を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0013】
本願の請求項5の発明は、前記第三反射塗料の屈折率が1以上であることを特徴とする請求項4に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0014】
本願の請求項6の発明は、前記第一反射塗料は、前記高反射率を有する高分子複合材料層における全体の20体積パーセントないし70体積パーセントを占めることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0015】
本願の請求項7の発明は、前記第二反射塗料は、前記粘着層における全体の10体積パーセントないし50体積パーセントを占めることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0016】
本願の請求項8の発明は、前記第三反射塗料は、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜における全体の1体積パーセントないし20体積パーセントを占めることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0017】
本願の請求項9の発明は、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜の厚さが12.5マイクロメートルないし125マイクロメートルであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0018】
本願の請求項10の発明は、前記高反射率を有する高分子複合材料層の厚さが6マイクロメートルないし20マイクロメートルであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0019】
本願の請求項11の発明は、前記粘着層の厚さが10マイクロメートルないし35マイクロメートルであることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0020】
本願の請求項12の発明は、前記高反射率を有する高分子複合材料層は、反応性官能基を有する第一樹脂を有し、該反応性官能基を有する第一樹脂は、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、および二重結合からなる群より選択される少なくとも一つの反応性官能基を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0021】
本願の請求項13の発明は、前記高反射率を有する高分子複合材料層は、第一架橋剤を有し、該第一架橋剤は、二つ以上の架橋反応性官能基を備える芳香族化合物、および二つ以上の架橋反応性官能基を備える脂肪族化合物からなる群より選択されるものであり、該第一架橋剤の架橋反応性官能基は、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、及び二重結合からなる群より選択されるものであることを特徴とする請求項12に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0022】
本願の請求項14の発明は、前記粘着層は、反応性官能基を有する第二樹脂を有し、該反応性官能基を有する第二樹脂は、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、およびヒドロキシル基からなる群より選択される少なくとも一つの反応性官能基を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0023】
本願の請求項15の発明は、前記粘着層は、第二架橋剤を有し、該第二架橋剤は、二つ以上の架橋反応性官能基を備える芳香族化合物、および二つ以上の架橋反応性官能基を備える脂肪族化合物からなる群より選択されるものであり、該第一架橋剤の架橋反応性官能基は、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、及び二重結合からなる群より選択されるものであることを特徴とする請求項14に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0024】
本願の請求項16の発明は、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜は、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、およびポリエーテルエーテルケトンからなる群より選択される化合物を有することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0025】
本願の請求項17の発明は、波長が415ナノメートルから700ナノメートルまでのスペクトルにおいて、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜の吸収率が35パーセント以下となると共に、前記プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける全体の反射率が89パーセント以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける高温耐熱性は、セ氏160度ないしセ氏320度で10秒間ないし180秒間の表面実装工程を施しても黄変や剥離が生じないことを意味する。
【0027】
本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける高反射率とは、波長が415ナノメートルから700ナノメートルまでのスペクトルにおいて、反射率が89パーセントないし100パーセントであることを意味し、特に、波長が415ナノメートルから700ナノメートルまでのスペクトルにおいては、前記プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける全体の反射率が89パーセントないし100パーセントである。
【0028】
本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける前記高反射率を有する高分子複合材料層は第一反射塗料を有するので、光源部材を発する光線の反射比率を上げると共に、光源部材が発する光線が前記高反射率を有する高分子複合材料層を通過する比率を低下させることができる。また、本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける反射率が全体の89パーセント以上であるスペクトルにおいては、該高温耐熱性を有する高分子薄膜の吸収率が35パーセント以下となることから、該スペクトルにおける通過光線の吸収率を低減させると共に、多重反射させることができるので、小出力の光源部材を用いても、電子商品における増大した全体の発光効果を得て、該電子商品の演色性を改善することができる。なお、これによれば、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜の融点はセ氏260度より高いので、表面実装する工程において、黄変や剥離など問題は生じない。
【0029】
また、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜は、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜を支持する基材としての効果を有するので、該高温耐熱性を有する高分子薄膜を備える本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムが撓曲した時でも、またはカッティング成形工程を施す時でも、該プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムが破損し難い。
【0030】
また、前記粘着層の厚さは、10マイクロメートルないし75マイクロメートルであるので、プリント基板の回路の隙間を被覆することができる。
【0031】
また、前記高反射率を有する高分子複合材料層の厚さの遊びは、±2マイクロメートルであるので、従来技術の反射インクを上回る光線反射の均一性を有する。
【0032】
前記第一反射塗料は、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、および水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも一つの物質を有する。
【0033】
前記第二反射塗料は、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、および水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも一つの物質を有する。
【0034】
前記第三反射塗料は、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、および水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも一つの物質を有する。
【0035】
本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムは、表面実装工程を経ても黄変、剥離することがないと共に、高反射率を有し、構造上の強度に優れ、その薄さもなお産業上の小型化設計に好適である。
【0036】
また、本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムは、さらに離型層を有し、該離型層は、前記粘着層における前記高温耐熱性を有する高分子薄膜の反対する側の側面に設けられる。尚、該離型層は、プラスチック離型膜、または離型紙などを含むが、それらに限られていない離型部材を含む。
【0037】
本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムは、リジッド基板またはフレキシブル基板に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの側面断面図である。
図2】本発明の実施例1〜11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムをプリント基板に適用し、その反射率を測定する状態を示す側面断面図である。
図3】本発明の実施例4〜11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムをプリント基板に適用し、表面実装工程を施す箇所の側面断面図である。
図4】本発明の実施例4〜7に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射スペクトルであり、その内、実施例4〜7はそれぞれ符号「■」、「●」、「▲」、および「▼」で示す。
図5】本発明の実施例4〜6および実施例8〜11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの吸収スペクトルであり、その内、50マイクロメートルのポリエチレンテレフタラートを用いる実施例8は符号「●」で示し、125マイクロメートルのポリエチレンテレフタラートを用いる実施例9は符号「■」で示し、50マイクロメートルのポリ(パラフェニレンスルフィド)を用いる実施例10は符号「◆」で示し、12.5マイクロメートルのポリイミドを用いる実施例4〜6は符号「▲」で示すと共に、12.5マイクロメートルのポリエーテルエーテルケトンを用いる実施例11は符号「▼」で示す。
図6】本発明の実施例6および実施例11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射スペクトルであり、その内、実施例6、11はそれぞれ符号「▲」、「■」で示す。
図7】本発明の実施例8〜10に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射スペクトルであり、その内、実施例8〜10はそれぞれ符号「▲」、「●」、および「■」で示す。
図8】対照例1に係る反射インクを有するプリント基板の部分側面断面図である。
図9】対照例1および対照例2に係る反射インクを有するプリント基板の反射スペクトルであり、その内、耐熱性測定前後の対照例1はそれぞれ符号「▲」、「▼」で示すと共に、耐熱性測定前後の対照例2はそれぞれ符号「■」、「●」で示す。
図10】従来の反射インクを有するプリント基板の部分側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【実施例1】
【0040】
図1に示すように、本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム10は、高温耐熱性を有する高分子薄膜11と、高反射率を有する高分子複合材料層12と、粘着層13と、離型層とを有する。該高温耐熱性を有する高分子薄膜11は二つの側面を有し、該高反射率を有する高分子複合材料層12および粘着層13は、該高温耐熱性を有する高分子薄膜11の二つの側面にそれぞれ設けられると共に、該離型層は前記粘着層13における前記高温耐熱性を有する高分子薄膜11の反対側の側面に設けられる。
【0041】
本実施例において、前記プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム10の製造方法は、該高温耐熱性を有する高分子薄膜11を提供するステップと、該高反射率を有する高分子複合材料層12を該高温耐熱性を有する高分子薄膜11の一つの側面に設置するステップと、該粘着層13を該高温耐熱性を有する高分子薄膜11における該高反射率を有する高分子複合材料層12の反対側のもう一つの側面に設置するステップと、該離型層を該粘着層13における該高温耐熱性を有する高分子薄膜11の反対側の側面に設置するステップとを有する。
【0042】
前記該高反射率を有する高分子複合材料層12を該高温耐熱性を有する高分子薄膜11の一つの側面に設置するステップにおいて、まず、反応性官能基を有する第一樹脂、第一架橋剤、および触媒を混合させることにより、第一混合溶液を形成する。それから、第一反射塗料を物理的な分散技術により該第一混合溶液に分散させ、高反射率を有する高分子複合材料前駆溶液を形成する。表面塗装成膜技術により、該高反射率を有する高分子複合材料前駆溶液を該高温耐熱性を有する高分子薄膜11の一つの側面に被覆し、高反射率を有する高分子複合材料前駆層を形成する。該高反射率を有する高分子複合材料前駆層を加熱し、該反応性官能基を有する第一樹脂および第一架橋剤を固化反応させ、該高反射率を有する高分子複合材料層12を形成する。
【0043】
前記該粘着層13を該高温耐熱性を有する高分子薄膜11における該高反射率を有する高分子複合材料層12の反対側のもう一つの側面に設置するステップにおいて、まず、反応性官能基を有する第二樹脂、および第二架橋剤を混合させることにより、第二混合溶液を形成する。それから、第二反射塗料を物理的な分散技術により該第二混合溶液に分散させ、粘着液を形成する。表面塗装成膜技術により、該粘着液を該高温耐熱性を有する高分子薄膜11のもう一つの側面に被覆し、粘着層13を形成する。
【0044】
また、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜11は、12.5マイクロメートルの厚さと、セ氏260度より高い融点とを有するポリイミドであり、該反応性官能基を有する第一樹脂は、反応性官能基としてのヒドロキシル基を有するポリエステルポリオールの共重合体(polyester−polyol copolymer)である。該第一架橋剤は、ポリイソシアネート(HDI polyisocyanate)である。該第一反射塗料(reflected pigment)は屈折率(refractive index)が1以上の二酸化チタン(TiO2)の粉末である。該高反射率を有する高分子複合材料層12の厚さは20マイクロメートルである。該高反射率を有する高分子複合材料層12は20体積パーセント(vol%)の二酸化チタンの粉末を含有する。該反応性官能基を有する第二樹脂は、反応性官能基としてのエポキシ基を有するエポキシ樹脂である。該第二架橋剤は、二つのアミノ基を有するジアミンである。該第二反射塗料は屈折率が1以上の炭酸カルシウムの粉末である。該粘着層13の厚さは約25マイクロメートルであり、例えば、±2マイクロメートルの遊びで、23〜27マイクロメートルの厚さを有する。本実施例において、該粘着層13の厚さは25マイクロメートルである。該粘着層13は10体積パーセントの炭酸カルシウムの粉末を含有する。プラスチック離型膜、または離型紙などの離型部材から選択される離型紙を該離型層とする。
【0045】
図1及び図2に示すように、本実施例において、プレス工程により、離型層が取り除かれた本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム10を、該粘着層13を介して、プリント基板20の一つの側面に貼り付ける。それから、加熱固化工程を行い、該粘着層13に架橋反応をさせ、該粘着層13を固化させることにより、第一サンプル30を得る。該第一サンプル30を対象として、反射率測定を行う。
【0046】
本実施例における反射率測定は、日立ハイテクノロジーズ社製U−4100分光光度計(Hitachi U−4100 spectrometer)と、標準レファレンスとする日立純正品の硫酸バリウム白色板(反射率100パーセント)とを用いる。反射率測定値は、波長550ナノメートルで、本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム10の全体の反射率の測定値と前記標準レファレンスの測定値との比較値とする。測定結果は表1に示す。
【実施例2】
【0047】
本実施例は実施例1とほぼ同様であるが、該高反射率を有する高分子複合材料層12は、第一反射塗料として、30体積パーセントの二酸化チタンの粉末を含有する点で異なる。本実施例の測定結果は表1に示す。
【実施例3】
【0048】
本実施例は実施例1とほぼ同様であるが、該高反射率を有する高分子複合材料層12は、第一反射塗料として、60体積パーセントの二酸化チタンの粉末を含有する点で異なる。本実施例の測定結果は表1に示す。
【0049】
【表1】
【実施例4】
【0050】
図3に示すように、本実施例は実施例1とほぼ同様であるが、以下の点で異なる。本実施例に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム10Aの高反射率を有する高分子複合材料層12Aの厚さは、13マイクロメートルである。本実施例は、波長400ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、該プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム10Aの全体の反射率の測定を行う。
【0051】
さらに図3に示すように、本実施例で行われる耐高温性測定は、本実施例の第一サンプル30Aに表面実装工程を施すことで行う。該表面実装工程は、プリント基板20Aにおける粘着層13Aが貼り付けられる側面に光源部材40Aを取り付ける工程を、セ氏300度で30秒間行う。
【0052】
また、本実施例において、高温耐熱性を有する高分子薄膜11Aに対して、日立ハイテクノロジーズ社製U−4100分光光度計(Hitachi U−4100 spectrometer)を用い、吸収率測定を行う。なお、本実施例における高温耐熱性を有する高分子薄膜11Aはポリイミドからなる薄膜である。
【0053】
本実施例において、日本工業規格(Japanese Industrial Standard)におけるJIS―K7105規格に従い、セ氏300度の耐高温性測定を施したプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム10Aにおける黄変性を測定する。なお、CIE 1976(Lab)のNBS色差単位および知覚色差の関係に従い、ΔE値が1.5以下のものを、極微ないし軽微知覚色差とする。
【0054】
本実施例の測定結果は表2、図4および図5に示す。
【実施例5】
【0055】
本実施例は実施例4とほぼ同様であるが、該高反射率を有する高分子複合材料層の厚さは、20マイクロメートルである点で異なる。また、本実施例の測定結果は表2、図4および図5に示す。
【実施例6】
【0056】
本実施例は実施例4とほぼ同様であるが、該高反射率を有する高分子複合材料層の厚さは、29マイクロメートルである点で異なる。また、本実施例の測定結果は表2、図4および図5に示す。
【実施例7】
【0057】
本実施例は実施例4とほぼ同様であるが、該高反射率を有する高分子複合材料層の厚さは、32マイクロメートルである点で異なる。また、本実施例の測定結果は表2、図4および図5に示す。
【0058】
【表2】
【実施例8】
【0059】
本実施例は実施例4とほぼ同様であるが、該高温耐熱性を有する高分子薄膜は、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)からなる、厚さが50マイクロメートルである薄膜である点、ならびに、高反射率を有する高分子複合材料層の厚さが29マイクロメートルである点で異なる。本実施例の測定結果は表3、図5および図7に示す。
【実施例9】
【0060】
本実施例は実施例8とほぼ同様であるが、該高温耐熱性を有する高分子薄膜としてのポリエチレンテレフタレート薄膜の厚さが125マイクロメートルである点で異なる。本実施例の測定結果は表3、図5および図7に示す。
【0061】
【表3】
【実施例10】
【0062】
本実施例は実施例1とほぼ同様であるが、以下の点で異なる。本実施例の高温耐熱性を有する高分子薄膜は、ポリ(パラフェニレンスルフィド)(poly(p−phenylene sulfide)、PPS)からなる、厚さが50マイクロメートルであると共に、融点がセ氏260度より高い薄膜である。本実施例の高反射率を有する高分子複合材料層の厚さは29マイクロメートルである。本実施例の粘着層は、第二混合溶液そのものを粘着液とし、湿式塗布方法により、該粘着液を該高温耐熱性を有する高分子薄膜の一つの側面に被覆し、粘着層を形成する。該粘着層における第二反射塗料の含量は0体積パーセントであり、即ち、該粘着層は第二反射塗料を含有しないものである。
【0063】
本実施例は、波長400ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、該プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの全体の反射率の測定を行う。また、本実施例の高温耐熱性を有する高分子薄膜とされるポリ(パラフェニレンスルフィド)薄膜の反射率をも測定する。さらに、本実施例において、上述した実施例4のように、耐高温性測定、及び吸収率測定を行う。本実施例の測定結果は表4、図5および図7に示す。
【0064】
【表4】
【実施例11】
【0065】
本実施例は実施例10とほぼ同様であるが、以下の点で異なる。本実施例の高温耐熱性を有する高分子薄膜は、ポリエーテルエーテルケトン(poly(ether ether ketone)、PEEK)からなる、厚さが12.5マイクロメートルであると共に、融点がセ氏260度より高い薄膜である。本実施例の測定結果は表4、図5および図6に示す。
【0066】
(対照例1)
図8に示すように、本対照例は反射インク層を有するプリント基板に関する。該プリント基板50の一つの側面にインク(Teamchem. Materials社製T―75)をプリントし、反射インク層60を成形させる。
【0067】
本対照例において、該反射インク層を有するプリント基板に対して直接に反射率測定を行う後、図8に示すように、プリント基板50における反射インク層60が位置する側面に光源部材40Aを取り付ける表面実装工程を施す。それから、再び反射率測定を行うと共に、JIS−K7105規格に従い、黄変の有無を測定する。
【0068】
また、本対照例において、前記反射率測定用の入射光線として、波長が415ナノメートルないし700ナノメートルの可視光線が用いられる。前記表面実装工程は、セ氏288度で、10秒間行う。本対照例の測定結果は、図9および表5に示す。
【0069】
【表5】
【0070】
(対照例2)
本対照例は対照例1とほぼ同様であるが、反射インク層を成形させるためにTaiwan Taiyo Ink 社製PSR-4000 シリーズのインクが用いられる点で異なる。本実施例の測定結果は図9および表5に示す。
【0071】
図9に示すように、耐高温性測定を施す前に、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、対照例1、2における最大の反射率は共に80パーセント以上である。しかしながら、耐高温性測定後、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、対照例1、2における最大の反射率は、共に77パーセントを下回るようになる。表5に示すように、耐高温性測定後、対照例1、2におけるΔE値はそれぞれ3.8および2.6との1.5より大きい数値であるので、対照例1および対照例2に黄変があることがわかる。対照例1および対照例2における耐高温性測定後発生する黄変により、反射率が下げられると考えられる。
【0072】
表1〜5、図4〜7および図9に示すように、波長が550ナノメートルである時、実施例1〜3および実施例5〜11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率は、89パーセント以上である。対照例1、2に係る反射インク層を有するプリント基板の反射率は、80パーセントを下回る。また、実施例1〜11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムは、対照例1、2に係る反射インク層を有するプリント基板より高い反射率を有する。耐高温性測定後、実施例4〜11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムのΔE値は、皆1.5より小さいので、黄変が生じないことがわかる。対照例1、2に係る反射インク層を有するプリント基板の反射インク層の厚さの遊びは、±15マイクロメートルであることに対して、実施例1〜11の高反射率を有する高分子複合材料層の厚さの遊びは、±2マイクロメートルしかない。すなわち、対照例1、2に係る反射インク層を有するプリント基板の反射インク層の厚さの均一性は、実施例1〜11より劣ることを示す。実施例1〜11は、対照例1、2より、厚さの均一性に優れる。
【0073】
表1に示すように、実施例1に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの高反射率を有する高分子複合材料層における二酸化チタン粉末の含量は20体積パーセントである。入射光線の波長が550ナノメートルである時、実施例1に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率は、89パーセント以上である。実施例2、3に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの高反射率を有する高分子複合材料層は、それぞれ30体積パーセント、60体積パーセントとの、実施例1より高い二酸化チタン粉末の含量を有する。入射光線の波長が550ナノメートルである時、実施例2、3に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率は、それぞれ実施例1に近い90.2パーセント、90.5パーセントである。これにより、該高反射率を有する高分子複合材料層の二酸化チタン粉末の含量が20体積パーセントを達すると、反射率は89パーセント以上である。
【0074】
表2及び図4に示すように、波長が420ナノメートルないし495ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例4に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムは、89パーセント以上の反射率を有する。波長が420ナノメートルないし600ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例5に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムは、89パーセント以上の反射率を有する。波長が420ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例6に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムは、89パーセント以上の反射率を有する。波長が415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例7に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムは、89パーセント以上の反射率を有する。そこで、実施例4〜7における高反射率を有する高分子複合材料層の厚さはそれぞれ、13マイクロメートル、20マイクロメートル、29マイクロメートル、および32マイクロメートルである。また、実施例4〜7における高温耐熱性を有する高分子薄膜は共に厚さが12.5マイクロメートルのポリイミド薄膜である。
【0075】
図5に示すように、入射光線の波長が415ナノメートルないし520ナノメートルであるスペクトルにおいて、厚さが12.5マイクロメートルであるポリイミド薄膜の吸収率は35パーセント以上である。
【0076】
上述によれば、420ナノメートルないし495ナノメートルのスペクトルにおいて、厚さが12.5マイクロメートルであるポリイミド薄膜を有する、プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率が89パーセント以上となる条件は、高反射率を有する高分子複合材料層の厚さが30マイクロメートル以上であることである。さらに、プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの高反射率を有する高分子複合材料層の厚さが30マイクロメートル以下である時、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、該プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムが89パーセント以上の反射率を有する条件は、高温耐熱性を有する高分子薄膜の吸収率が35パーセント以下であることである。
【0077】
表3、図5および図7に示すように、実施例8における高温耐熱性を有する高分子薄膜の厚さは50マイクロメートルである。実施例9における高温耐熱性を有する高分子薄膜の厚さは125マイクロメートルである。330ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例8、9に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける高温耐熱性を有する高分子薄膜の吸収率は、ともに35パーセント以下である。また、330ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例8、9に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率はともに89パーセント以上である。これにより、高温耐熱性を有する高分子薄膜の厚さは、実施例8、9に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率に影響を与えない。
【0078】
表3、表4および図5に示すように、実施例8における高温耐熱性を有する高分子薄膜は、厚さが50マイクロメートルであるポリエチレンテレフタレート薄膜であることに対して、実施例10における高温耐熱性を有する高分子薄膜は、厚さが50マイクロメートルであるポリ(パラフェニレンスルフィド)薄膜であり、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、両者の吸収率が共に35パーセントより小さい。図7及び表3に示すように、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例8、10に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率は、89パーセント以上である。耐熱性測定(表面実装工程、セ氏300度、30秒間)後、実施例8における高温耐熱性を有する高分子薄膜は耐熱性不足による莫大な熱膨張量は、その高反射率を有する高分子複合材料層と、高温耐熱性を有する高分子薄膜としての該ポリエチレンテレフタレート薄膜との間、該ポリエチレンテレフタレート薄膜とその粘着層との間、または粘着層とプリント基板との間に、剥離が起こり、層間剥離現象(de−lamination)が発生する。しかしながら、実施例10の高温耐熱性を有する高分子薄膜としてのポリ(パラフェニレンスルフィド)薄膜には、層間剥離現象が発生しない。比較すれば、ポリエチレンテレフタレート薄膜の融点がセ氏260度より小さいが、ポリ(パラフェニレンスルフィド)薄膜の融点がセ氏260度より高いことが原因であることがわかる。これにより、高温耐熱性を有する高分子薄膜の融点がセ氏260度より高い時、該高温耐熱性を有する高分子薄膜を有するプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムに表面実装工程を施しても層間剥離現象は発生しない。
【0079】
表2および表4に示すように、実施例6における高温耐熱性を有する高分子薄膜は、厚さが12.5マイクロメートルであるポリイミド薄膜であることに対して、実施例11における高温耐熱性を有する高分子薄膜は、厚さが12.5マイクロメートルであるポリエーテルエーテルケトン薄膜である。また、該ポリイミド薄膜の融点はセ氏260度より小さく、該ポリエーテルエーテルケトン薄膜の融点はセ氏260度より高い。耐熱性測定後、実施例6、11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムに、層間剥離現象は発生しない。しかしながら、表2、図5および図6に示すように、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例6における高温耐熱性を有する高分子薄膜の吸収率は35パーセントより高いのみならず、415ナノメートルから、420ナノメートル未満のスペクトルにおいて、実施例6に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率は89パーセントに達していない。即ち、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、その反射率は全体的に89パーセント以上ではない。表4、図5および図6に示すように、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例11における高温耐熱性を有する高分子薄膜の吸収率は35パーセント以下であるのみならず、実施例11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率は89パーセントに達している。
【0080】
表1ないし表4に示すように、実施例1〜8における粘着層は10体積パーセントの第二反射塗料を含有するが、実施例10、11における粘着層は第二反射塗料を有していない。波長550ナノメートルを例として、実施例1〜3および実施例5〜8に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率は89パーセントより高いことに対して、実施例10、11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率は同じく89パーセントより高い。これにより、実施例1〜3及び実施例5〜8の反射率は実施例10、11の反射率に近い数値を有する。すなわち、第二反射塗料の使用は、本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率を向上させることができることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
上述したように、反射率測定および耐熱性測定による検証結果が示したところ、対照例1、2と比べ、実施例1〜3および実施例5〜11はより優れた反射率および耐熱性を有する。また、実施例1〜3および実施例5〜11における互いの比較結果によれば、融点がセ氏260度以上でありながら、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて吸収率が35パーセント以下である高温耐熱性を有する高分子薄膜、ならびに第一反射塗料を含有する高反射率を有する高分子複合材料層の使用は、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率を89パーセント以上にすることができると共に、表面実装工程(セ氏300度、30秒間)を経ても、黄変や剥離が生じないようにすることができる。これにより、電子商品における全体の発光効率を向上させ、電子商品に小出力の光源部材の適用を可能にすると共に、電子商品の演色性を改善することができる。
【符号の説明】
【0082】
10、10A プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム
11、11A 高温耐熱性を有する高分子薄膜
12 高反射率を有する高分子複合材料層
13、13A 粘着層
20、20A プリント基板
30、30A 第一サンプル
40、40A 光源部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2015年4月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムであって、
二つの側面を有し、厚さが2マイクロメートルないし125マイクロメートルであるとともに、融点がセ氏260度より高い、高温耐熱性を有する高分子薄膜と、
屈折率が1以上である第一反射塗料を有し、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜の一つの側面に設けられると共に、厚さが2マイクロメートルないし30マイクロメートルである、高反射率を有する高分子複合材料層と、
前記高温耐熱性を有する高分子薄膜における前記高反射率を有する高分子複合材料層の反対する側の側面に設けられると共に、厚さが10マイクロメートルないし75マイクロメートルである粘着層とを有し、
前記プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける全体の反射率が89パーセント以上である波長が415ナノメートルから700ナノメートルまでのスペクトルにおいて、該高温耐熱性を有する高分子薄膜の吸収率が35パーセント以下となることを特徴とするプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項2】
前記粘着層が第二反射塗料を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項3】
前記第二反射塗料の屈折率が1以上であることを特徴とする請求項2に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項4】
前記第一反射塗料は、前記高反射率を有する高分子複合材料層における全体の20体積パーセントないし70体積パーセントを占めることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項5】
前記第二反射塗料は、前記粘着層における全体の10体積パーセントないし50体積パーセントを占めることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項6】
前記高温耐熱性を有する高分子薄膜の厚さが12.5マイクロメートルないし125マイクロメートルであることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項7】
前記高反射率を有する高分子複合材料層の厚さが6マイクロメートルないし20マイクロメートルであることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項8】
前記粘着層の厚さが10マイクロメートルないし35マイクロメートルであることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項9】
前記高反射率を有する高分子複合材料層は、反応性官能基を有する第一樹脂を有し、該反応性官能基を有する第一樹脂は、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、および二重結合からなる群より選択される少なくとも一つの反応性官能基を有することを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項10】
前記高反射率を有する高分子複合材料層は、第一架橋剤を有し、該第一架橋剤は、二つ以上の架橋反応性官能基を備える芳香族化合物、および二つ以上の架橋反応性官能基を備える脂肪族化合物からなる群より選択されるものであり、該第一架橋剤の架橋反応性官能基は、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、及び二重結合からなる群より選択されるものであることを特徴とする請求項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項11】
前記粘着層は、反応性官能基を有する第二樹脂を有し、該反応性官能基を有する第二樹脂は、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、およびヒドロキシル基からなる群より選択される少なくとも一つの反応性官能基を有することを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項12】
前記粘着層は、第二架橋剤を有し、該第二架橋剤は、二つ以上の架橋反応性官能基を備える芳香族化合物、および二つ以上の架橋反応性官能基を備える脂肪族化合物からなる群より選択されるものであり、該第一架橋剤の架橋反応性官能基は、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、及び二重結合からなる群より選択されるものであることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【請求項13】
前記高温耐熱性を有する高分子薄膜は、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、およびポリエーテルエーテルケトンからなる群より選択される化合物を有することを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にプリント基板に適用され、高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来では、電子商品用の光源モジュールに特定の波長およびスペクトル分布を有する光線を放射させるために、補助光学部材が用いられるが、該光源モジュールから放射される光線が前記補助光学部材を経由すると、光吸収や光散乱などによる光損失が生じるので、放射される光線の一部が無駄になるだけでなく、該電子商品における全体の発光効率および演色性に悪影響を及ぼしてしまう。さらに、前記光源モジュールの光源部材から発生する光線が前記補助光学部材を経由する時、この光線が進むほど強度が次第に低減してしまうことから、該電子商品の発光効率を確保するために、該光源モジュールの光源部材の出力を上げる必要があった。しかしながら、例えば、ディスプレイ用バックライトモジュールは、導光板を利用した面光源技術を用いることにより、均一の発光効果を得ることはできるが、該導光板による光吸収や光散乱により光損失を齎す。
【0003】
図10に示すように、補助光学部材による光損失を低減するために、従来の技術では、例えば特許文献1に記載したように、電子商品の光源モジュールの光源部材に反射インク層を有するプリント基板を用いることにより、プリント基板82の表面に該反射インク層81がインクでプリント成形されると共に、光源モジュールの光源部材83は、表面実装技術により、該プリント基板82の表面に設けられる。これによれば、前記光源モジュールの光源部材83から該プリント基板82の表面に到達する散乱光を該反射インク層81に反射させ、該プリント基板82から離れる方向へ進行させることにより、電子商品の発光効率および演色性の改善を図る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾特許公開第201213406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記反射インク層81を用いる従来の装置には、以下のような問題を有する。
【0006】
1、表面実装の温度はセ氏160〜320度であるので、前記光源部材83を表面実装する工程において、インクプリント成形される反射インク層81が黄変(yellowing)し、該反射インク層81の反射率の低下に繋がる。
【0007】
2、プリント成形された前記反射インク層81の厚さを増大させることにより、その反射率を向上させることはできるが、カッティング成形工程を施す場合、またはプリント基板におけるR角が0.5mm以下の撓曲を受けた時、基材に支持されていない前記増大した厚さを有する反射インク層81のインクの破損が起こり易い。
【0008】
そこで、出願されたのが本発明であって、表面実装工程を経ても黄変し難いと共に、反射率が高く、構造上の強度に優れた、プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願の請求項1の発明は、プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムであって、
二つの側面を有し、厚さが2マイクロメートルないし125マイクロメートルであるとともに、融点がセ氏260度より高い、高温耐熱性を有する高分子薄膜と、
屈折率が1以上である第一反射塗料を有し、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜の一つの側面に設けられると共に、厚さが2マイクロメートルないし30マイクロメートルである、高反射率を有する高分子複合材料層と、
前記高温耐熱性を有する高分子薄膜における前記高反射率を有する高分子複合材料層の反対する側の側面に設けられると共に、厚さが10マイクロメートルないし75マイクロメートルである粘着層とを有し、
前記プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける全体の反射率が89パーセント以上である波長が415ナノメートルから700ナノメートルまでのスペクトルにおいて、該高温耐熱性を有する高分子薄膜の吸収率が35パーセント以下となることを特徴とするプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0010】
本願の請求項2の発明は、前記粘着層が第二反射塗料を含むことを特徴とする請求項1に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0011】
本願の請求項3の発明は、前記第二反射塗料の屈折率が1以上であることを特徴とする請求項2に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0012】
本願の請求項の発明は、前記第一反射塗料は、前記高反射率を有する高分子複合材料層における全体の20体積パーセントないし70体積パーセントを占めることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0013】
本願の請求項の発明は、前記第二反射塗料は、前記粘着層における全体の10体積パーセントないし50体積パーセントを占めることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0014】
本願の請求項の発明は、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜の厚さが12.5マイクロメートルないし125マイクロメートルであることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0015】
本願の請求項の発明は、前記高反射率を有する高分子複合材料層の厚さが6マイクロメートルないし20マイクロメートルであることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0016】
本願の請求項の発明は、前記粘着層の厚さが10マイクロメートルないし35マイクロメートルであることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0017】
本願の請求項の発明は、前記高反射率を有する高分子複合材料層は、反応性官能基を有する第一樹脂を有し、該反応性官能基を有する第一樹脂は、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、および二重結合からなる群より選択される少なくとも一つの反応性官能基を有することを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0018】
本願の請求項1の発明は、前記高反射率を有する高分子複合材料層は、第一架橋剤を有し、該第一架橋剤は、二つ以上の架橋反応性官能基を備える芳香族化合物、および二つ以上の架橋反応性官能基を備える脂肪族化合物からなる群より選択されるものであり、該第一架橋剤の架橋反応性官能基は、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、及び二重結合からなる群より選択されるものであることを特徴とする請求項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0019】
本願の請求項1の発明は、前記粘着層は、反応性官能基を有する第二樹脂を有し、該反応性官能基を有する第二樹脂は、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基、およびヒドロキシル基からなる群より選択される少なくとも一つの反応性官能基を有することを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0020】
本願の請求項1の発明は、前記粘着層は、第二架橋剤を有し、該第二架橋剤は、二つ以上の架橋反応性官能基を備える芳香族化合物、および二つ以上の架橋反応性官能基を備える脂肪族化合物からなる群より選択されるものであり、該第一架橋剤の架橋反応性官能基は、カルボキシル基、酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、及び二重結合からなる群より選択されるものであることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【0021】
本願の請求項1の発明は、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜は、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレンナフタレート、およびポリエーテルエーテルケトンからなる群より選択される化合物を有することを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載のプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム、を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける高温耐熱性は、セ氏160度ないしセ氏320度で10秒間ないし180秒間の表面実装工程を施しても黄変や剥離が生じないことを意味する。
【0023】
本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける高反射率とは、波長が415ナノメートルから700ナノメートルまでのスペクトルにおいて、反射率が89パーセントないし100パーセントであることを意味し、特に、波長が415ナノメートルから700ナノメートルまでのスペクトルにおいては、前記プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける全体の反射率が89パーセントないし100パーセントである。
【0024】
本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける前記高反射率を有する高分子複合材料層は第一反射塗料を有するので、光源部材を発する光線の反射比率を上げると共に、光源部材が発する光線が前記高反射率を有する高分子複合材料層を通過する比率を低下させることができる。また、本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける反射率が全体の89パーセント以上であるスペクトルにおいては、該高温耐熱性を有する高分子薄膜の吸収率が35パーセント以下となることから、該スペクトルにおける通過光線の吸収率を低減させると共に、多重反射させることができるので、小出力の光源部材を用いても、電子商品における増大した全体の発光効果を得て、該電子商品の演色性を改善することができる。なお、これによれば、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜の融点はセ氏260度より高いので、表面実装する工程において、黄変や剥離など問題は生じない。
【0025】
また、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜は、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜を支持する基材としての効果を有するので、該高温耐熱性を有する高分子薄膜を備える本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムが撓曲した時でも、またはカッティング成形工程を施す時でも、該プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムが破損し難い。
【0026】
また、前記粘着層の厚さは、10マイクロメートルないし75マイクロメートルであるので、プリント基板の回路の隙間を被覆することができる。
【0027】
また、前記高反射率を有する高分子複合材料層の厚さの遊びは、±2マイクロメートルであるので、従来技術の反射インクを上回る光線反射の均一性を有する。
【0028】
前記第一反射塗料は、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、および水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも一つの物質を有する。
【0029】
前記第二反射塗料は、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、および水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも一つの物質を有する。
【0030】
前記第三反射塗料は、二酸化チタン、硫酸バリウム、硫酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、および水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも一つの物質を有する。
【0031】
本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムは、表面実装工程を経ても黄変、剥離することがないと共に、高反射率を有し、構造上の強度に優れ、その薄さもなお産業上の小型化設計に好適である。
【0032】
また、本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムは、さらに離型層を有し、該離型層は、前記粘着層における前記高温耐熱性を有する高分子薄膜の反対する側の側面に設けられる。尚、該離型層は、プラスチック離型膜、または離型紙などを含むが、それらに限られていない離型部材を含む。
【0033】
本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムは、リジッド基板またはフレキシブル基板に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの側面断面図である。
図2】本発明の実施例1〜11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムをプリント基板に適用し、その反射率を測定する状態を示す側面断面図である。
図3】本発明の実施例4〜11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムをプリント基板に適用し、表面実装工程を施す箇所の側面断面図である。
図4】本発明の実施例4〜7に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射スペクトルであり、その内、実施例4〜7はそれぞれ符号「■」、「●」、「▲」、および「▼」で示す。
図5】本発明の実施例4〜6および実施例8〜11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの吸収スペクトルであり、その内、50マイクロメートルのポリエチレンテレフタラートを用いる実施例8は符号「●」で示し、125マイクロメートルのポリエチレンテレフタラートを用いる実施例9は符号「■」で示し、50マイクロメートルのポリ(パラフェニレンスルフィド)を用いる実施例10は符号「◆」で示し、12.5マイクロメートルのポリイミドを用いる実施例4〜6は符号「▲」で示すと共に、12.5マイクロメートルのポリエーテルエーテルケトンを用いる実施例11は符号「▼」で示す。
図6】本発明の実施例6および実施例11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射スペクトルであり、その内、実施例6、11はそれぞれ符号「▲」、「■」で示す。
図7】本発明の実施例8〜10に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射スペクトルであり、その内、実施例8〜10はそれぞれ符号「▲」、「●」、および「■」で示す。
図8】対照例1に係る反射インクを有するプリント基板の部分側面断面図である。
図9】対照例1および対照例2に係る反射インクを有するプリント基板の反射スペクトルであり、その内、耐熱性測定前後の対照例1はそれぞれ符号「▲」、「▼」で示すと共に、耐熱性測定前後の対照例2はそれぞれ符号「■」、「●」で示す。
図10】従来の反射インクを有するプリント基板の部分側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【実施例1】
【0036】
図1に示すように、本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム10は、高温耐熱性を有する高分子薄膜11と、高反射率を有する高分子複合材料層12と、粘着層13と、離型層とを有する。該高温耐熱性を有する高分子薄膜11は二つの側面を有し、該高反射率を有する高分子複合材料層12および粘着層13は、該高温耐熱性を有する高分子薄膜11の二つの側面にそれぞれ設けられると共に、該離型層は前記粘着層13における前記高温耐熱性を有する高分子薄膜11の反対側の側面に設けられる。
【0037】
本実施例において、前記プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム10の製造方法は、該高温耐熱性を有する高分子薄膜11を提供するステップと、該高反射率を有する高分子複合材料層12を該高温耐熱性を有する高分子薄膜11の一つの側面に設置するステップと、該粘着層13を該高温耐熱性を有する高分子薄膜11における該高反射率を有する高分子複合材料層12の反対側のもう一つの側面に設置するステップと、該離型層を該粘着層13における該高温耐熱性を有する高分子薄膜11の反対側の側面に設置するステップとを有する。
【0038】
前記該高反射率を有する高分子複合材料層12を該高温耐熱性を有する高分子薄膜11の一つの側面に設置するステップにおいて、まず、反応性官能基を有する第一樹脂、第一架橋剤、および触媒を混合させることにより、第一混合溶液を形成する。それから、第一反射塗料を物理的な分散技術により該第一混合溶液に分散させ、高反射率を有する高分子複合材料前駆溶液を形成する。表面塗装成膜技術により、該高反射率を有する高分子複合材料前駆溶液を該高温耐熱性を有する高分子薄膜11の一つの側面に被覆し、高反射率を有する高分子複合材料前駆層を形成する。該高反射率を有する高分子複合材料前駆層を加熱し、該反応性官能基を有する第一樹脂および第一架橋剤を固化反応させ、該高反射率を有する高分子複合材料層12を形成する。
【0039】
前記該粘着層13を該高温耐熱性を有する高分子薄膜11における該高反射率を有する高分子複合材料層12の反対側のもう一つの側面に設置するステップにおいて、まず、反応性官能基を有する第二樹脂、および第二架橋剤を混合させることにより、第二混合溶液を形成する。それから、第二反射塗料を物理的な分散技術により該第二混合溶液に分散させ、粘着液を形成する。表面塗装成膜技術により、該粘着液を該高温耐熱性を有する高分子薄膜11のもう一つの側面に被覆し、粘着層13を形成する。
【0040】
また、前記高温耐熱性を有する高分子薄膜11は、12.5マイクロメートルの厚さと、セ氏260度より高い融点とを有するポリイミドであり、該反応性官能基を有する第一樹脂は、反応性官能基としてのヒドロキシル基を有するポリエステルポリオールの共重合体(polyester−polyol copolymer)である。該第一架橋剤は、ポリイソシアネート(HDI polyisocyanate)である。該第一反射塗料(reflected pigment)は屈折率(refractive index)が1以上の二酸化チタン(TiO)の粉末である。該高反射率を有する高分子複合材料層12の厚さは20マイクロメートルである。該高反射率を有する高分子複合材料層12は20体積パーセント(vol%)の二酸化チタンの粉末を含有する。該反応性官能基を有する第二樹脂は、反応性官能基としてのエポキシ基を有するエポキシ樹脂である。該第二架橋剤は、二つのアミノ基を有するジアミンである。該第二反射塗料は屈折率が1以上の炭酸カルシウムの粉末である。該粘着層13の厚さは約25マイクロメートルであり、例えば、±2マイクロメートルの遊びで、23〜27マイクロメートルの厚さを有する。本実施例において、該粘着層13の厚さは25マイクロメートルである。該粘着層13は10体積パーセントの炭酸カルシウムの粉末を含有する。プラスチック離型膜、または離型紙などの離型部材から選択される離型紙を該離型層とする。
【0041】
図1及び図2に示すように、本実施例において、プレス工程により、離型層が取り除かれた本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム10を、該粘着層13を介して、プリント基板20の一つの側面に貼り付ける。それから、加熱固化工程を行い、該粘着層13に架橋反応をさせ、該粘着層13を固化させることにより、第一サンプル30を得る。該第一サンプル30を対象として、反射率測定を行う。
【0042】
本実施例における反射率測定は、日立ハイテクノロジーズ社製U−4100分光光度計(Hitachi U−4100 spectrometer)と、標準レファレンスとする日立純正品の硫酸バリウム白色板(反射率100パーセント)とを用いる。反射率測定値は、波長550ナノメートルで、本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム10の全体の反射率の測定値と前記標準レファレンスの測定値との比較値とする。測定結果は表1に示す。
【実施例2】
【0043】
本実施例は実施例1とほぼ同様であるが、該高反射率を有する高分子複合材料層12は、第一反射塗料として、30体積パーセントの二酸化チタンの粉末を含有する点で異なる。本実施例の測定結果は表1に示す。
【実施例3】
【0044】
本実施例は実施例1とほぼ同様であるが、該高反射率を有する高分子複合材料層12は、第一反射塗料として、60体積パーセントの二酸化チタンの粉末を含有する点で異なる。本実施例の測定結果は表1に示す。
【0045】
【表1】
【実施例4】
【0046】
図3に示すように、本実施例は実施例1とほぼ同様であるが、以下の点で異なる。本実施例に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム10Aの高反射率を有する高分子複合材料層12Aの厚さは、13マイクロメートルである。本実施例は、波長400ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、該プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム10Aの全体の反射率の測定を行う。
【0047】
さらに図3に示すように、本実施例で行われる耐高温性測定は、本実施例の第一サンプル30Aに表面実装工程を施すことで行う。該表面実装工程は、プリント基板20Aにおける粘着層13Aが貼り付けられる側面に光源部材40Aを取り付ける工程を、セ氏300度で30秒間行う。
【0048】
また、本実施例において、高温耐熱性を有する高分子薄膜11Aに対して、日立ハイテクノロジーズ社製U−4100分光光度計(Hitachi U−4100 spectrometer)を用い、吸収率測定を行う。なお、本実施例における高温耐熱性を有する高分子薄膜11Aはポリイミドからなる薄膜である。
【0049】
本実施例において、日本工業規格(Japanese Industrial Standard)におけるJIS―K7105規格に従い、セ氏300度の耐高温性測定を施したプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム10Aにおける黄変性を測定する。なお、CIE 1976(Lab)のNBS色差単位および知覚色差の関係に従い、ΔE値が1.5以下のものを、極微ないし軽微知覚色差とする。
【0050】
本実施例の測定結果は表2、図4および図5に示す。
【実施例5】
【0051】
本実施例は実施例4とほぼ同様であるが、該高反射率を有する高分子複合材料層の厚さは、20マイクロメートルである点で異なる。また、本実施例の測定結果は表2、図4および図5に示す。
【実施例6】
【0052】
本実施例は実施例4とほぼ同様であるが、該高反射率を有する高分子複合材料層の厚さは、29マイクロメートルである点で異なる。また、本実施例の測定結果は表2、図4および図5に示す。
【実施例7】
【0053】
本実施例は実施例4とほぼ同様であるが、該高反射率を有する高分子複合材料層の厚さは、32マイクロメートルである点で異なる。また、本実施例の測定結果は表2、図4および図5に示す。
【0054】
【表2】
【実施例8】
【0055】
本実施例は実施例4とほぼ同様であるが、該高温耐熱性を有する高分子薄膜は、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)からなる、厚さが50マイクロメートルである薄膜である点、ならびに、高反射率を有する高分子複合材料層の厚さが29マイクロメートルである点で異なる。本実施例の測定結果は表3、図5および図7に示す。
【実施例9】
【0056】
本実施例は実施例8とほぼ同様であるが、該高温耐熱性を有する高分子薄膜としてのポリエチレンテレフタレート薄膜の厚さが125マイクロメートルである点で異なる。本実施例の測定結果は表3、図5および図7に示す。
【0057】
【表3】
【実施例10】
【0058】
本実施例は実施例1とほぼ同様であるが、以下の点で異なる。本実施例の高温耐熱性を有する高分子薄膜は、ポリ(パラフェニレンスルフィド)(poly(p−phenylene sulfide)、PPS)からなる、厚さが50マイクロメートルであると共に、融点がセ氏260度より高い薄膜である。本実施例の高反射率を有する高分子複合材料層の厚さは29マイクロメートルである。本実施例の粘着層は、第二混合溶液そのものを粘着液とし、湿式塗布方法により、該粘着液を該高温耐熱性を有する高分子薄膜の一つの側面に被覆し、粘着層を形成する。該粘着層における第二反射塗料の含量は0体積パーセントであり、即ち、該粘着層は第二反射塗料を含有しないものである。
【0059】
本実施例は、波長400ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、該プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの全体の反射率の測定を行う。また、本実施例の高温耐熱性を有する高分子薄膜とされるポリ(パラフェニレンスルフィド)薄膜の反射率をも測定する。さらに、本実施例において、上述した実施例4のように、耐高温性測定、及び吸収率測定を行う。本実施例の測定結果は表4、図5および図7に示す。
【0060】
【表4】
【実施例11】
【0061】
本実施例は実施例10とほぼ同様であるが、以下の点で異なる。本実施例の高温耐熱性を有する高分子薄膜は、ポリエーテルエーテルケトン(poly(ether ether ketone)、PEEK)からなる、厚さが12.5マイクロメートルであると共に、融点がセ氏260度より高い薄膜である。本実施例の測定結果は表4、図5および図6に示す。
【0062】
(対照例1)
図8に示すように、本対照例は反射インク層を有するプリント基板に関する。該プリント基板50の一つの側面にインク(Teamchem. Materials社製T―75)をプリントし、反射インク層60を成形させる。
【0063】
本対照例において、該反射インク層を有するプリント基板に対して直接に反射率測定を行う後、図8に示すように、プリント基板50における反射インク層60が位置する側面に光源部材40Aを取り付ける表面実装工程を施す。それから、再び反射率測定を行うと共に、JIS−K7105規格に従い、黄変の有無を測定する。
【0064】
また、本対照例において、前記反射率測定用の入射光線として、波長が415ナノメートルないし700ナノメートルの可視光線が用いられる。前記表面実装工程は、セ氏288度で、10秒間行う。本対照例の測定結果は、図9および表5に示す。
【0065】
【表5】
【0066】
(対照例2)
本対照例は対照例1とほぼ同様であるが、反射インク層を成形させるためにTaiwan Taiyo Ink 社製PSR−4000 シリーズのインクが用いられる点で異なる。本実施例の測定結果は図9および表5に示す。
【0067】
図9に示すように、耐高温性測定を施す前に、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、対照例1、2における最大の反射率は共に80パーセント以上である。しかしながら、耐高温性測定後、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、対照例1、2における最大の反射率は、共に77パーセントを下回るようになる。表5に示すように、耐高温性測定後、対照例1、2におけるΔE値はそれぞれ3.8および2.6との1.5より大きい数値であるので、対照例1および対照例2に黄変があることがわかる。対照例1および対照例2における耐高温性測定後発生する黄変により、反射率が下げられると考えられる。
【0068】
表1〜5、図4〜7および図9に示すように、波長が550ナノメートルである時、実施例1〜3および実施例5〜11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率は、89パーセント以上である。対照例1、2に係る反射インク層を有するプリント基板の反射率は、80パーセントを下回る。また、実施例1〜11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムは、対照例1、2に係る反射インク層を有するプリント基板より高い反射率を有する。耐高温性測定後、実施例4〜11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムのΔE値は、皆1.5より小さいので、黄変が生じないことがわかる。対照例1、2に係る反射インク層を有するプリント基板の反射インク層の厚さの遊びは、±15マイクロメートルであることに対して、実施例1〜11の高反射率を有する高分子複合材料層の厚さの遊びは、±2マイクロメートルしかない。すなわち、対照例1、2に係る反射インク層を有するプリント基板の反射インク層の厚さの均一性は、実施例1〜11より劣ることを示す。実施例1〜11は、対照例1、2より、厚さの均一性に優れる。
【0069】
表1に示すように、実施例1に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの高反射率を有する高分子複合材料層における二酸化チタン粉末の含量は20体積パーセントである。入射光線の波長が550ナノメートルである時、実施例1に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率は、89パーセント以上である。実施例2、3に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの高反射率を有する高分子複合材料層は、それぞれ30体積パーセント、60体積パーセントとの、実施例1より高い二酸化チタン粉末の含量を有する。入射光線の波長が550ナノメートルである時、実施例2、3に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率は、それぞれ実施例1に近い90.2パーセント、90.5パーセントである。これにより、該高反射率を有する高分子複合材料層の二酸化チタン粉末の含量が20体積パーセントを達すると、反射率は89パーセント以上である。
【0070】
表2及び図4に示すように、波長が420ナノメートルないし495ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例4に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムは、89パーセント以上の反射率を有する。波長が420ナノメートルないし600ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例5に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムは、89パーセント以上の反射率を有する。波長が420ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例6に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムは、89パーセント以上の反射率を有する。波長が415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例7に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムは、89パーセント以上の反射率を有する。そこで、実施例4〜7における高反射率を有する高分子複合材料層の厚さはそれぞれ、13マイクロメートル、20マイクロメートル、29マイクロメートル、および32マイクロメートルである。また、実施例4〜7における高温耐熱性を有する高分子薄膜は共に厚さが12.5マイクロメートルのポリイミド薄膜である。
【0071】
図5に示すように、入射光線の波長が415ナノメートルないし520ナノメートルであるスペクトルにおいて、厚さが12.5マイクロメートルであるポリイミド薄膜の吸収率は35パーセント以上である。
【0072】
上述によれば、420ナノメートルないし495ナノメートルのスペクトルにおいて、厚さが12.5マイクロメートルであるポリイミド薄膜を有する、プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率が89パーセント以上となる条件は、高反射率を有する高分子複合材料層の厚さが30マイクロメートル以上であることである。さらに、プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの高反射率を有する高分子複合材料層の厚さが30マイクロメートル以下である時、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、該プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムが89パーセント以上の反射率を有する条件は、高温耐熱性を有する高分子薄膜の吸収率が35パーセント以下であることである。
【0073】
表3、図5および図7に示すように、実施例8における高温耐熱性を有する高分子薄膜の厚さは50マイクロメートルである。実施例9における高温耐熱性を有する高分子薄膜の厚さは125マイクロメートルである。330ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例8、9に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムにおける高温耐熱性を有する高分子薄膜の吸収率は、ともに35パーセント以下である。また、330ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例8、9に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率はともに89パーセント以上である。これにより、高温耐熱性を有する高分子薄膜の厚さは、実施例8、9に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率に影響を与えない。
【0074】
表3、表4および図5に示すように、実施例8における高温耐熱性を有する高分子薄膜は、厚さが50マイクロメートルであるポリエチレンテレフタレート薄膜であることに対して、実施例10における高温耐熱性を有する高分子薄膜は、厚さが50マイクロメートルであるポリ(パラフェニレンスルフィド)薄膜であり、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、両者の吸収率が共に35パーセントより小さい。図7及び表3に示すように、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例8、10に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率は、89パーセント以上である。耐熱性測定(表面実装工程、セ氏300度、30秒間)後、実施例8における高温耐熱性を有する高分子薄膜は耐熱性不足による莫大な熱膨張量は、その高反射率を有する高分子複合材料層と、高温耐熱性を有する高分子薄膜としての該ポリエチレンテレフタレート薄膜との間、該ポリエチレンテレフタレート薄膜とその粘着層との間、または粘着層とプリント基板との間に、剥離が起こり、層間剥離現象(de−lamination)が発生する。しかしながら、実施例10の高温耐熱性を有する高分子薄膜としてのポリ(パラフェニレンスルフィド)薄膜には、層間剥離現象が発生しない。比較すれば、ポリエチレンテレフタレート薄膜の融点がセ氏260度より小さいが、ポリ(パラフェニレンスルフィド)薄膜の融点がセ氏260度より高いことが原因であることがわかる。これにより、高温耐熱性を有する高分子薄膜の融点がセ氏260度より高い時、該高温耐熱性を有する高分子薄膜を有するプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムに表面実装工程を施しても層間剥離現象は発生しない。
【0075】
表2および表4に示すように、実施例6における高温耐熱性を有する高分子薄膜は、厚さが12.5マイクロメートルであるポリイミド薄膜であることに対して、実施例11における高温耐熱性を有する高分子薄膜は、厚さが12.5マイクロメートルであるポリエーテルエーテルケトン薄膜である。また、該ポリイミド薄膜の融点はセ氏260度より小さく、該ポリエーテルエーテルケトン薄膜の融点はセ氏260度より高い。耐熱性測定後、実施例6、11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムに、層間剥離現象は発生しない。しかしながら、表2、図5および図6に示すように、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例6における高温耐熱性を有する高分子薄膜の吸収率は35パーセントより高いのみならず、415ナノメートルから、420ナノメートル未満のスペクトルにおいて、実施例6に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率は89パーセントに達していない。即ち、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、その反射率は全体的に89パーセント以上ではない。表4、図5および図6に示すように、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、実施例11における高温耐熱性を有する高分子薄膜の吸収率は35パーセント以下であるのみならず、実施例11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率は89パーセントに達している。
【0076】
表1ないし表4に示すように、実施例1〜8における粘着層は10体積パーセントの第二反射塗料を含有するが、実施例10、11における粘着層は第二反射塗料を有していない。波長550ナノメートルを例として、実施例1〜3および実施例5〜8に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率は89パーセントより高いことに対して、実施例10、11に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率は同じく89パーセントより高い。これにより、実施例1〜3及び実施例5〜8の反射率は実施例10、11の反射率に近い数値を有する。すなわち、第二反射塗料の使用は、本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率を向上させることができることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0077】
上述したように、反射率測定および耐熱性測定による検証結果が示したところ、対照例1、2と比べ、実施例1〜3および実施例5〜11はより優れた反射率および耐熱性を有する。また、実施例1〜3および実施例5〜11における互いの比較結果によれば、融点がセ氏260度以上でありながら、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて吸収率が35パーセント以下である高温耐熱性を有する高分子薄膜、ならびに第一反射塗料を含有する高反射率を有する高分子複合材料層の使用は、415ナノメートルないし700ナノメートルのスペクトルにおいて、本発明に係るプリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルムの反射率を89パーセント以上にすることができると共に、表面実装工程(セ氏300度、30秒間)を経ても、黄変や剥離が生じないようにすることができる。これにより、電子商品における全体の発光効率を向上させ、電子商品に小出力の光源部材の適用を可能にすると共に、電子商品の演色性を改善することができる。
【符号の説明】
【0078】
10、10A プリント基板用高温耐熱性及び高反射率を有する被覆保護フィルム
11、11A 高温耐熱性を有する高分子薄膜
12 高反射率を有する高分子複合材料層
13、13A 粘着層
20、20A プリント基板
30、30A 第一サンプル
40、40A 光源部材