特開2015-192(P2015-192A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2015000192-電動ベッドの背ボトムの動作機構 図000003
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  • 特開2015000192-電動ベッドの背ボトムの動作機構 図000012
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-192(P2015-192A)
(43)【公開日】2015年1月5日
(54)【発明の名称】電動ベッドの背ボトムの動作機構
(51)【国際特許分類】
   A47C 20/04 20060101AFI20141202BHJP
   A61G 7/00 20060101ALI20141202BHJP
【FI】
   A47C20/04 Z
   A61G7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-126319(P2013-126319)
(22)【出願日】2013年6月17日
(71)【出願人】
【識別番号】594128625
【氏名又は名称】シモンズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098202
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100077241
【弁理士】
【氏名又は名称】桑原 稔
(72)【発明者】
【氏名】小川 孝一
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040AA05
4C040BB01
4C040DD02
(57)【要約】
【課題】背ボトムの起立動作時に背ボトムをベッドのヘッド側にスライド移動させるようにした機構を最小の部品点数をもってより合理的に構成可能とする。
【解決手段】フレーム2に備えられたベッドの長さ方向に延びるレール部3と、背ボトム1’におけるベットのフット側Fの端部に備えられてレール部3に案内される被案内部1aと、レール部3よりもベッドのヘッド側Hにおいてフレーム2に架設された駆動軸4から延び出しすリフトアーム体5と、駆動軸4から延び出す連係アーム体12と、連係アーム体12と背ボトム1’とを連係するリンク体13とを備える。駆動軸4が正転されたときに、摺接部5aを上方に移動させるリフトアーム体5によって被案内部1aを中心として背ボトム1’が起立されると共に、背ボトム1’が所定の起立位置に至った以降において連係アーム体12によって背ボトム1’の被案内部1aがベッドのヘッド側Hに移動される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドを構成するボトムを支持するフレームに備えられたベッドの長さ方向に延びるレール部と、
前記ボトムを構成する背ボトムにおけるこのベットのフット側の端部に備えられて前記レール部に案内される被案内部と、
前記レール部よりもベッドのヘッド側において前記フレームに架設された駆動軸から延び出してその延び出し端を前記背ボトムの裏面部に対する摺接部とするリフトアーム体と、
前記駆動軸から延び出す連係アーム体と、
前記連係アーム体の延び出し端と背ボトムとを連係するリンク体とを備え、
駆動手段により前記駆動軸が正転されたときに、摺接部を上方に移動させるリフトアーム体によって前記被案内部を中心として前記背ボトムが起立されると共に、少なくとも背ボトムが所定の起立位置に至った以降において前記連係アーム体によって背ボトムの被案内部がベッドのヘッド側に移動されるようになっていることを特徴とする電動ベッドの背ボトムの動作機構。
【請求項2】
連係アーム体とリンク体とは、両者の一方に設けた長孔に、両者の他方に設けた被ガイド部を納めて組み合わされており、背ボトムが所定の起立位置に至った以降において連係アーム体の移動に追随してリンク体が移動するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の電動ベッドの背ボトムの動作機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電動ベッドのボトムの一部となる背ボトムを、伏倒位置と所定の起立位置とに亘る起伏動作させるために電動ベッドに適用される動作機構の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
背ボトムを起立させる機能を備えた電動ベッドにおいて、背ボトムを固定された一つの軸を中心に単純に起立動作させるようにしてしまうと、背ボトムの起立量が増えるに従ってボトム上に載置されるマットレスの屈曲中心がベッドのフット側にシフトしてしまうため、前記起立動作時にベッド利用者の腹部に圧迫感を与えてしまう。こうしたことから、背ボトムの起立動作時に背ボトムをベッドのヘッド側にスライド移動させるようにした機構が提案されているところである。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2927419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、背ボトムの起立動作時に背ボトムをベッドのヘッド側にスライド移動させるようにした機構を最小の部品点数をもってより合理的に構成可能とする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、電動ベッドの背ボトムの動作機構を、ベッドを構成するボトムを支持するフレームに備えられたベッドの長さ方向に延びるレール部と、
前記ボトムを構成する背ボトムにおけるこのベットのフット側の端部に備えられて前記レール部に案内される被案内部と、
前記レール部よりもベッドのヘッド側において前記フレームに架設された駆動軸から延び出してその延び出し端を前記背ボトムの裏面部に対する摺接部とするリフトアーム体と、
前記駆動軸から延び出す連係アーム体と、
前記連係アーム体の延び出し端と背ボトムとを連係するリンク体とを備え、
駆動手段により前記駆動軸が正転されたときに、摺接部を上方に移動させるリフトアーム体によって前記被案内部を中心として前記背ボトムが起立されると共に、少なくとも背ボトムが所定の起立位置に至った以降において前記連係アーム体によって背ボトムの被案内部がベッドのヘッド側に移動されるようになっているものとした。
【0006】
背ボトムが少なくとも所定の起立位置に至った以降は、この起立動作の中心である前記被案内部は背ボトムの起立量の増加に比例してベッドのヘッド側に移動される。これにより、この実施の形態にかかる動作機構によれば、簡素な構造、すなわち、最小の部品点数をもって、背ボトムの起立動作時においてこの背ボトム上に載置されるマットレスの屈曲中心がベッドのフット側へ移動しないようにすることができる。
【0007】
前記連係アーム体とリンク体とを、両者の一方に設けた長孔に、両者の他方に設けた被ガイド部を納めて組み合わせ、背ボトムが所定の起立位置に至った以降において連係アーム体の移動に追随してリンク体が移動するようにしておくことが、この発明の好ましい態様の一つである。
【0008】
前記駆動軸の正転開始と同時に、すなわち、背ボトムの起立動作開始と同時に、ベッドのヘッド側に背ボトムが移動を開始してしまうと、ベッドにヘッドボードがある場合、この起立動作開始の段階ではかかるヘッドボードと背ボトムにおけるベッドのヘッド側の端部との間の間隔が大きくなっていないため、背ボトムのこの端部とヘッドボードとの接触を生じさせてしまう。前記背ボトムが所定の起立位置に至った以降において連係アーム体の移動に追随してリンク体が移動するようにしておけば、ヘッドボードと背ボトムにおけるベッドのヘッド側の端部との間の間隔が背ボトムの起立により大きくなっていることから、背ボトムの前記端部とヘッドボードとの接触を生じさせることなく背ボトムをベッドのヘッド側に適切に移動させることが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、背ボトムの起立動作時に背ボトムをベッドのヘッド側にスライド移動させるようにした機構を最小の部品点数をもってより合理的に構成することができ、したがってまた、この発明はかかる機構を備えた電動ベッドを低廉供給を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は実施の形態にかかる電動ベッドの要部斜視構成図であり、背ボトムは起立位置にある。
図2図2は前記電動ベッドの要部斜視構成図であり、起立した背ボトムをベッドのヘッド側から見て示している。
図3図3は前記電動ベッドの要部をボトムの記載を省略して表した平面構成図である。
図4図4は前記電動ベッドの要部を表した側面構成図である。
図5図5は前記電動ベッドの背ボトムの支持部分を拡大して表した平面構成図である。
図6図6前記電動ベッドの背ボトムの支持部分を拡大して表した側面構成図であり、背ボトムは伏倒位置にある。
図7図7は前記電動ベッドの背ボトムの支持部分を図6と90度異なる向きから見て拡大して表した側面構成図である。
図8図8前記電動ベッドの背ボトムの支持部分を拡大して表した側面構成図であり、背ボトムは所定の起立位置にある。
図9図9前記電動ベッドの背ボトムの支持部分を拡大して表した側面構成図であり、背ボトムは所定の起立位置を越えて起立している。
図10図10前記電動ベッドの背ボトムの支持部分を拡大して表した側面構成図であり、背ボトムは起立しきっている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1図10に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかる動作機構は、電動ベッドのボトム1の一部となる背ボトム1’を、伏倒位置と所定の起立位置とに亘る起伏動作させるために電動ベッドに適用されるものである。
【0012】
前記ボトム1はフレーム2に支持され、ボトム1上にマットレス(図示は省略する。)が載置される。前記フレーム2はさらに典型的には図示しないベースに昇降可能に支持される。図示の例では、フレーム2は、左右のサイドフレーム2a、2a間に、ベッドのヘッド側Hとフット側Fとにおいてそれぞれ、エンドバー2bを架設させた矩形枠状を呈している。(図3)図示の例では、前記ボトム1はマットレスを介してベッド上に横臥するベッド利用者の上半身を支持する前記背ボトム1’と、下半身側を支持するその余のボトム1”とから構成されている。(図1)各ボトム1はそれぞれ前記左右のサイドフレーム2a、2a間に亘る幅を備えた板状を呈している。
【0013】
前記フレーム2には、ベッドの長さ方向に延びるレール部3が備えられている。図示の例ではレール部3は、サイドフレーム2aの長さ方向略中程の位置よりややベッドのヘッド側Hによった位置において、左右のサイドフレーム2a、2a内側にそれぞれ設けられている。(図3)図示の例では、チャンネル材3aの溝側と反対の背側をサイドフレーム2aの内面に止着することでサイドフレーム2aにチャンネル材3aが取り付けられ、このチャンネル材3aの溝が前記レール部3として機能するようになっている。
【0014】
前記背ボトム1’は、前記レール部3に案内される被案内部1aを備えている。かかる被案内部1aは、背ボトム1’におけるベットのフット側Fの端部に備えられている。図示の例では、被案内部1aは、背ボトム1’のフット側Fに向けられた辺1dと背ボトム1’の右辺1eとの間の隅部近傍においてこの右辺1eより突き出す軸部1cの突き出し端に備えられたローラ部1b、及び、背ボトム1’のフット側Fに向けられた辺1dと背ボトム1’の左辺1fとの間の隅部近傍においてこの左辺1fより突き出す軸部1cの突き出し端に備えられたローラ部1bによって構成されている。そして、背ボトム1’とフレーム2とは、背ボトム1’の右側のローラ部1bを右側のサイドフレーム2aに設けられたレール部3内に納め、かつ、背ボトム1’の左側のローラ部1bを左側のサイドフレーム2aに設けられたレール部3内に納めて組み合わされている。これにより、背ボトム1’は、レール部3によって、ベッドの長さ方向に沿ったスライド移動と、被案内部1aを中心とした回動とが可能になっている。
【0015】
前記レール部3よりもベッドのヘッド側Hには、前記左右のサイドフレーム2a、2a間に駆動軸4が架設されている。駆動軸4はその軸線をベッドの左右方向に沿わせると共に、右側の軸端を右側のサイドフレーム2aに回転可能に軸支され且つ左側の軸端を左側のサイドフレーム2aに回転可能に軸支されている。図示の例では、ベッドの長さ方向略中程の位置において、前記左右のサイドフレーム2a、2a間にクロスバー2cが架設されている。そして、このクロスバー2cと駆動軸4との間に前記レール部3が位置されるようになっている。(図3
【0016】
前記駆動軸4は駆動手段6により回転されるようになっている。図示の例では、かかる駆動手段6は電動アクチュエータ6aによって構成されている。図示の例では、かかる電動アクチュエータ6aは可動部6bをベッドの長さ方向に沿って移動させる構成となっている。電動アクチュエータ6aは図示しないコントロールユニットとコントローラを有し、前記可動部6bの移動は制御可能となっている。図示の例では、電動アクチュエータ6aの本体6cは前記クロスバー2cに上下方向に揺動可能に枢支されている。前記可動部6bは、基部を前記駆動軸4の中間部に固定した連係腕体7の自由端にベッドの左右方向に軸中心線を沿わせたピン8を介して可動部6bの突き出し端を揺動可能に取り付けることで、駆動軸4に組み合わされている。これにより、図示の例では、背ボトム1’が伏倒位置にある状態から電動アクチュエータ6aの可動部6bがベッドのヘッド側Hに往動移動すると駆動軸4が正転されて後述のリフトアーム体5によって背ボトム1’が起立するようになっている。なお、図3及び図4中、符号9は前記下半身側を支持するその余のボトム1”側を可動させるための電動アクチュエータであり、その可動部9aのベッドのフット側Fへの移動により図中符号10で示されるフット側Fの駆動軸が正転してこれに組み合わされたリフトアーム体11により前記その余のボトム1”は全体として山形に屈曲するようになっている。
【0017】
また、前記駆動軸4には、背ボトム1’が伏倒位置にある状態において、この駆動軸4に基部を固定させてこの駆動軸4からベッドのヘッド側Hに延び出して、その延び出し端を前記背ボトム1’の裏面部に対する摺接部5aとするリフトアーム体5が備えられている。図示の例ではリフトアーム体5は駆動軸4の左右にそれぞれ設けられている。左右のリフトアーム体5の間において、駆動軸4に電動アクチュエータ6aの前記可動部6bが前記のように組み合わされている。右側のリフトアーム体5と駆動軸4の右端及び左側のリフトアーム体5と駆動軸4の左端との間にはそれぞれ、間隔が形成されている。リフトアーム体5の延び出し端には、ベッドの左右方向に軸中心線を沿わせた軸体を介してローラ5bが回転可能に取り付けられている。そして、背ボトム1’の裏面部にこのローラ5bが常時接するようになっている。すなわち、図示の例では、かかるローラ5bが前記摺接部5aとして機能するようになっている。
【0018】
また、前記駆動軸4には、背ボトム1’が伏倒位置にある状態において、この駆動軸4に基部を固定させてこの駆動軸4からベッドのフット側Fに延び出す連係アーム体12が備えられている。連係アーム体12は駆動軸4の左右の端部にそれぞれ備えられている。
【0019】
また、右側の連係アーム体12は右側に配されたリンク体13によって背ボトム1’と連係され、左側の連係アーム体12は左側に配されたリンク体13によって背ボトム1’と連係されている。かかるリンク体13は、ベットのヘッド側Hに位置される端部13aを連係アーム体12の延び出し端に回動可能に組み合わせると共に、ベッドのフット側Fに位置される端部13bを背ボトム1’の被案内部1aとなるローラ部1bを支持する軸部1cに回動可能に組み合わせて、連係アーム体12と背ボトム1’との間に架設されている。図示の例では、リンク体13はベッドの左右方向を厚さ方向とした細長い板状をなし、平面視の状態では連係アーム体12の外側でサイドフレーム2aの内側に位置されるようになっている。(図5)リンク体13は、ベッドのヘッド側Hに位置される端部13aをベッドの左右方向に軸中心線を沿わせた軸状をなす後述の被ガイド部15をもって連係アーム体12の延び出し端に連係されると共に、ベッドのフット側Fに位置される端部に形成された貫通孔13cに前記軸部1cを通して背ボトム1’と連係されている。
【0020】
そして、前記駆動手段6により前記駆動軸4が正転されたときに、摺接部5aを上方に移動させる向きに回動されるリフトアーム体5によって前記被案内部1aを中心として前記背ボトム1’が起立されると共に、少なくとも背ボトム1’が所定の起立位置に至った以降において前記連係アーム体12によって背ボトム1’の被案内部1aがベッドのヘッド側Hに移動されるようになっている。
【0021】
背ボトム1’が少なくとも所定の起立位置に至った以降は、この起立動作の中心である前記被案内部1aは背ボトム1’の起立量の増加に比例してベッドのヘッド側Hに移動される。これにより、この実施の形態にかかる動作機構によれば、簡素な構造をもって、背ボトム1’の起立動作時においてこの背ボトム1’上に載置されるマットレスの屈曲中心がベッドのフット側Fへ移動しないようにすることができる。
【0022】
具体的には、連係アーム体12とリンク体13とは、両者の一方に設けた長孔14に、両者の他方に設けた被ガイド部15を納めて組み合わされており、背ボトム1’が所定の起立位置に至った以降において連係アーム体12の移動に追随してリンク体13が移動するようになっている。
【0023】
図示の例では、前記長孔14はリンク体13におけるベッドのヘッド側Hに位置される端部13aに形成されている。前記長孔14は、かかるリンク体13の長さ方向に沿い、かつ、かかるリンク体13をその厚さ方向に貫通したスロット状を呈している。また、この長孔14は、背ボトム1’が伏倒位置にある状態において、駆動軸4を中心とした仮想の円の円弧に沿うように形成されている。(図6)連係アーム体12は、かかる長孔14に連係アーム体12の一部をなす被ガイド部15を納めてリンク体13と組み合わされている。図示の例では、かかる被ガイド部15は連係アーム体12の延び出し端に設けられた軸状を呈し、その外径は前記長孔14の孔幅と略一致している。そして、背ボトム1’が起立前の伏倒位置にあるときは前記長孔14のベッドのフット側Fの孔端に前記被ガイド部15が位置されるようになっている。(図6
【0024】
前記駆動軸4の正転開始と同時に、すなわち、背ボトム1’の起立動作開始と同時に、ベッドのヘッド側Hに背ボトム1’が移動を開始してしまうと、ベッドにヘッドボードHbがある場合、(図4)この起立動作開始の段階ではかかるヘッドボードHbと背ボトム1’におけるベッドのヘッド側Hの端部との間の間隔xが大きくなっていないため、背ボトム1’のこの端部とヘッドボードとの接触を生じさせてしまう。前記背ボトム1’が所定の起立位置に至った以降において連係アーム体12の移動に追随してリンク体13が移動するようにしておけば、ヘッドボードHbと背ボトム1’におけるベッドのヘッド側Hの端部との間の間隔xが背ボトム1’の起立により大きくなっていることから、背ボトム1’の前記端部とヘッドボードとの接触を生じさせることなく背ボトム1’をベッドのヘッド側Hに適切に移動させることが可能となる。
【0025】
図示の例では、前記長孔14は背ボトム1’が伏倒位置にある状態において駆動軸4を中心とした仮想の円の円弧に沿うように形成されていることから、背ボトム1’の起立動作開始と同時にはリンク体13は移動しない。リンク体13のベッドのヘッド側Hに向けた移動は、長孔14のベッドのヘッド側Hの孔縁に被ガイド部15を至らせる所定の起立位置まで連係アーム体12が回動した後に開始される。(図8)所定の起立位置を越える位置まで起立された背ボトム1’は、駆動軸4の逆転によりリフトアーム体5が摺接部5aを下方に移動させる向きに回動されると自重により伏倒位置に向けた復帰回動を開始する。背ボトム1’が所定の起立位置を越えた起立位置にあるときは、長孔14は駆動軸4を中心とした仮想の円の円弧に沿っていない。(図9図10)これにより、駆動軸4が逆転されると長孔14のベッドのヘッド側Hの孔端に被ガイド部15を位置させた状態で連係アーム体12によりリンク体13はベッドのフット側Fに向けて押され背ボトム1’もベットのフット側Fに向けて移動する。背ボトム1’が所定の起立位置に至ると、その後は長孔14内での被ガイド部15の移動が許容され、背ボトム1’の伏倒位置に向けた復動回動は継続するがベッドのフット側Fに向けたスライド移動は停止される。
【符号の説明】
【0026】
1’ 背ボトム
1a 被案内部
2 フレーム
3 レール部
4 駆動軸
5 リフトアーム体
5a 摺接部
12 連係アーム体
13 リンク体
F フット側
H ヘッド側
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10