【解決手段】所定の導電パターン20が形成された複数のサブ領域2と、隣接するサブ領域同士2を繋ぐ連結部3と、を備え、隣接するサブ領域2に形成された導電パターン20同士が、連結部3に形成された接続パターン31によって電気的に接続されている連結基板とする。各サブ領域2に形成される導電パターン20は、同一であることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池スタックを構成する電池セルの数は、用途(要求される電圧や容量)に応じて変化する。したがって、電池ユニットに搭載される基板は、
1)電池セルの数が変化したときその数に合わせた基板をその都度作製する(新たに基板を作製する、基板のパターンを変更する等)
2)複数の基板を電線、コネクタで連結して使用する
3)予め多数の電池セル用の大きな基板を作製し、少数の電池セル用にもその基板を使用する
等の対応を経て作製される。
しかし、1)〜3)の全ての対応はコストが嵩むという問題があり、3)の対応は装置の大型化を招くという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、対象機器の構成に応じた基板を容易に作製することができる連結基板を提供することにある。また、この連結基板を用いた電気機器、電池ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明にかかる連結基板は、所定の導電パターンが形成された複数のサブ領域と、隣接する前記サブ領域同士を繋ぐ連結部と、を備え、隣接する前記サブ領域に形成された導電パターン同士が、前記連結部に形成された接続パターンによって電気的に接続されていることを特徴とする。
【0007】
前記各サブ領域に形成される導電パターンは、同一であるとよい。
【0008】
前記各サブ領域には、外部機器と接続するための接続部品が実装可能な第一実装領域が設けられているとよい。
【0009】
前記接続パターンは、基材の内側に形成されているとよい。
【0010】
前記各サブ領域に形成された前記導電パターンは、前記接続パターンに繋がる配線部を含み、前記配線部は、スルーホールを通じて接続された部分を有するとよい。
【0011】
前記各サブ領域に形成された前記導電パターンは、前記接続パターンに繋がる一方側配線と、当該一方側配線との間にジャンパ部品が実装可能な第二実装領域を隔てて設けられる他方側配線と、を有する配線部を含むとよい。
【0012】
前記各サブ領域に形成された前記導電パターンは、各種素子が実装されることによって回路を構成する回路部と、前記回路部側に設けられた第一配線部と、
前記接続パターン側に設けられた第二配線部と、を含み、前記第一配線部と前記第二配線部との間に、両配線部を接続するためのジャンパ部品が実装可能な第二実装領域が設けられているとよい。
【0013】
前記第一配線部は、前記回路部および前記第一実装領域に繋がる一方側配線と、前記第二配線部側に設けられた他方側配線と、を含み、前記一方側配線と前記他方側配線との間に、両配線を接続するためのジャンパ部品が実装可能な第三実装領域が設けられているとよい。
【0014】
本発明にかかる電気機器は、上記いずれかに記載の連結基板を、一または複数のサブ領域に分割した基板を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明にかかる電池ユニットは、一または複数のサブ領域に分割した基板と、複数の電池セルから構成される電池スタックと、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる連結基板は、連結部を切断するだけで、所望の数のサブ領域を有する基板が得られる。つまり、対象機器に応じた基板を作製することが容易である。特に、複数の電池セルから構成される電池スタックを備える電池ユニットの場合、求められる電圧や容量等に応じて電池スタックを構成する電池セルの数が変化することになるところ、本発明にかかる連結基板によれば、電池スタックを構成する電池セルの数に合わせた基板を容易に作製することができる。
【0017】
各サブ領域に形成される導電パターンが同一形状とすれば、同一構成の基板を容易に得ることができる。
【0018】
各サブ領域に外部機器と接続するための接続部品(例えばコネクタ)が実装可能な第一実装領域を設けておけば、一つのサブ領域のみを含む基板としても、当該基板と外部機器を容易に接続することができる。また、複数のサブ領域を含む基板とした場合には、いずれかのサブ領域に設けられた第一実装領域を使用して接続部品を実装すればよいから、配線等のレイアウトの幅が広がる。
【0019】
所望の基板を得るために連結部を切断すると、当該切断部分から導電パターン(導電性材料の箔)が捲れ上がってしまうおそれがある。接続パターンが基材の内側に形成されていれば、切断部分から導電パターンが捲れ上がってしまうことが防止される。配線部がスルーホールを通じて接続された部分を有するものであれば、切断部分から導電パターンが捲れ上がったとしても、スルーホールでその進行は阻止されるため、品質(信頼性)向上につながる。また、配線部が、ジャンパ部品を実装可能な第二実装領域によって分割された構造とすれば、切断部分から導電パターンが捲れ上がったとしても、当該第二実装領域でその進行は阻止される。
【0020】
連結部を切断して所望の基板を得たとき、導通に使用しない部分がアンテナとして作用してしまうおそれがある。つまり、導通に使用しない部分からノイズが進入したり、導通に使用しない部分からノイズが発生したりする。回路部側に設けられた第一配線部と、接続パターン側に設けられた第二配線部の間にジャンパ部品が実装可能な第三実装領域を設けておけば、所望の基板を得た後、導通に必要な箇所のみジャンパ部品を実装することで、導通に使用しない部分が短くなり、アンテナとして作用するおそれを低減することができる。
【0021】
第一配線部における、回路部および第一実装領域に繋がる一方側配線と、第二配線部側に設けられた他方側配線との間に、ジャンパ部品が実装可能な第四実装領域が設けられた構成とすると、一のサブ領域のみを含む基板を用いる場合に、当該第三実装領域にジャンパ部品を実装しなければ、導通に使用しない部分が短くなり、アンテナとして作用するおそれを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第一実施形態にかかる連結基板の平面図である。
【
図2】(a)は一つのサブ領域を含む基板の平面図であり、(b)はその基板を備える電池ユニットの模式図である。
【
図3】(a)は二つのサブ領域を含む基板の平面図であり、(b)はその基板を備える電池ユニットの模式図である。
【
図4】(a)は四つのサブ領域を含む基板の平面図であり、(b)はその基板を備える電池ユニットの模式図である。
【
図5】(a)は接続パターンおよび第二配線部が基材の内側に形成された構成の断面を模式的に示した図であり、(b)は接続パターンおよび第二配線部が基材の表面に形成された構成の断面を模式的に示した図である。
【
図6】配線部(第二配線部)におけるスルーホールを通じて接続された部分の断面を模式的に示した図である。
【
図7】配線部(第二配線部)における第二実装領域が設けられた部分(当該領域に実装されたジャンパ部品で接続された部分)の断面を模式的に示した図である。
【
図8】本発明の第二実施形態にかかる連結基板(第三実装領域が設けられた連結基板)の平面図である。
【
図9】
図8に示した連結基板から得た二つのサブ領域を含む基板の平面図である。
【
図10】本発明の第三実施形態にかかる連結基板(第四実装領域が設けられた連結基板)の平面図である。
【
図11】(a)は
図10に示した連結基板から得た一つのサブ領域を含む基板の平面図であり、(b)は
図10に示した連結基板から得た二つのサブ領域を含む基板の平面図である。
【
図12】(a)は第三実装領域および第四実装領域が設けられた連結基板から得た二つのサブ領域を含む基板の平面図であり、(b)は第三実装領域および第四実装領域が設けられた連結基板から得た一つのサブ領域を含む基板の平面図である。
【
図13】(a)は第一具体例にかかる連結基板の平面図であり、(b)は当該連結基板から得た一つのサブ領域を含む基板の平面図であり、(c)は当該連結基板から得た短手方向に並ぶ二つのサブ領域を含む基板の平面図であり、(d)は当該連結基板から得た長手方向に並ぶ二つのサブ領域を含む基板の平面図である。
【
図14】(a)は第二具体例にかかる連結基板の平面図であり、(b)は当該連結基板から得た一つのサブ領域を含む基板の平面図であり、(c)は当該連結基板から得た短手方向に並ぶ二つのサブ領域を含む基板の平面図であり、(d)は当該連結基板から得た長手方向に並ぶ二つのサブ領域を含む基板の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態にかかる連結基板1について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に示す本発明の第一実施形態にかかる連結基板1は、複数のサブ領域2および連結部3を備え、複数のサブ領域2が一列に並ぶように連結部3により連結されたものである。
【0024】
サブ領域2は、(当該領域を構成する基材が)同一形状(本実施形態では矩形状)に形成された部分である。各サブ領域2には、所定の導電パターン20が形成されている。本実施形態における各サブ領域2に形成される導電パターン20は同一である。具体的には以下の通りである。なお、以下で説明する導電パターン20は、特に明示した場合を除き、基板の外層に形成されていても、内層に形成されていてもよい。各図には、連結基板1(各サブ領域2)に形成された配線の構成を模式的に図示している。各図において、配線が黒点を介して繋がっている箇所は導通しており、単に交差している箇所は導通していないものとする。
【0025】
各サブ領域2に形成される導電パターン20は、回路部21および配線部(第一配線部22、第二配線部23)を含む。回路部21は、用途に応じた各種処理を行う部分である。つまり、連結基板1から得られた基板を用いる対象機器によってその構成が異なる。各回路部21に、各種素子等が実装されることにより所定の回路が構築される。本実施形態における各配線部は、二本のパターンから構成される差動信号線であるが、各配線部の数は適宜変更可能である(単線であってもよいし、三つ以上の配線であってもよい)。第一配線部22は、回路部21から引き出された配線パターンである。第一配線部22は、第一実装領域24に向かう部分と、第二配線部23に向かう部分に分岐する。
【0026】
第一実装領域24は、外部機器と接続するための接続部品241が実装可能な領域である。具体的には、本実施形態にかかる連結基板1を所望の基板としたとき、当該基板と外部機器を電気的に接続するための接続部品241が設けられる領域である。基板と外部機器を電線等で接続する(有線接続)場合には、当該電線の端末に設けられたコネクタと嵌合可能なコネクタ(基板コネクタ)が接続部品241として実装される。なお、基板と外部機器は、直接接続されてもよいし、別の機器を介して接続されてもよい。実装された接続部品241は、第一配線部22を介して回路部21と電気的に接続される。基板と外部機器を無線接続する場合には、外部機器と無線接続するための素子等が接続部品241として実装される。本実施形態における第一実装領域24は、接続部品241であるコネクタが実装可能な領域であって、各サブ領域2の外縁近傍に設けられている。つまり、接続部品241が外縁近傍に実装されることになるため、基板と外部機器の接続が容易である。
【0027】
上述したように、第一配線部22は、第一実装領域24に向かう部分と第二配線部23に向かう部分に分岐し、第二配線部23に向かう部分が第二配線部23に繋がっている。第二配線部23は、隣接するサブ領域2に向かうように形成された配線部である。具体的には、各サブ領域2(サブ領域2を構成する基材)は、連結部3によって繋がっている。各サブ領域2に形成された第二配線部23同士は、連結部3に形成された導電パターン20(以下接続パターン31と称する)によって接続されている。両側に隣接するサブ領域2が存在するサブ領域2(端に位置していないサブ領域2)は、一方に延びる第二配線部23と他方に延びる第二配線部23の両方が接続パターン31に接続されている。端に位置しているサブ領域2は、一方の第二配線部23が接続パターン31に接続されている。したがって、各サブ領域2に形成された回路部21同士は、第一配線部22、第二配線部23および連結部3に形成された接続パターン31によって電気的に接続されている。
【0028】
本実施形態における連結基板1では、各サブ領域2同士の連結強度を高めるため、上記連結部3とは別の連結部4が設けられている。当該別の連結部4は、あるサブ領域2の第一実装領域24と、それに隣接するサブ領域2の回路部21との間に設けられている。つまり、各サブ領域2(サブ領域2を構成する基材同士)は、二箇所で接続されている。なお、要求されるサブ領域2同士の連結強度に応じて、別の連結部4の数は適宜増減することができる。
【0029】
以上の構成を備える連結基板1は、次のように使用される。基板を用いる対象となる機器の仕様等に応じて、連結部3(本実施形態では別の連結部4を含む)を切断して所望の基板を得る。対象となる機器としては、複数の電池セル91(単電池)から構成される電池スタック90(組電池)が例示できる。例えば、複数の電池セル91から構成される電池スタック90およびこの電池スタック90と電気的に接続される基板を備える電池ユニット90uにおいて、電池スタック90を構成する電池セル91の数に応じて必要な回路部21の数が異なるものとする。電池スタック90uを構成する電池セル91の数がX個までにつき、一つの回路部21が必要であるとする。
【0030】
電池スタック90を構成する電池セル91の数がX個以下の場合、連結部3を切断することにより、一つのサブ領域2のみを含む基板101を得る(
図2(a)参照)。当該基板101の第一実装領域24には、コネクタ(接続部品241)が実装される。本実施形態では、当該基板101は電池電圧を計測するセンサー基板のため、このコネクタを用いて電池電圧を管理する回路が構築されたユニット(外部機器;図示せず)と接続して通信を可能とする。なお、測定できる電池セル91の最大数Xは回路21にて決まっている。また、基板101と上記回路が構築されたユニットとの接続や当該ユニットと電池セル91との接続は図示していない。これにより、電池セル91数がX個以下である電池スタック90と基板101を備える電池ユニット90u(基板を備える電気機器)が得られる(
図2(b)参照)。
【0031】
電池スタック90を構成する電池セル91の数がX個超〜2X(2×X)個以下の場合、連結部3を切断することにより二つのサブ領域2を含む基板102を得る(
図3(a)(b)参照)。一方のサブ領域2の回路部21と他方のサブ領域2の回路部21は第一配線部22、第二配線部23、接続パターン31によって電気的に接続されており、各回路部21同士で信号の授受が可能であるため、基板に設ける接続用のポート(コネクタ)は一箇所でよい(
図3(a)参照)。つまり、基板102を構成する二つのサブ領域2のうち、一つのサブ領域2の第一実装領域24にコネクタ(接続部品241)が実装される。各サブ領域2に第一実装領域24が設けられているため、配線に都合の良い方の第一実装領域24にコネクタを実装すればよい。
【0032】
同様に、電池セル91の数が2X個超〜3X個以下の場合は三つのサブ領域2を含む基板を用い、3X個超〜4X個以下の場合は四つのサブ領域2を含む基板103を用いる(
図4(a)(b)参照)・・・というように、所定位置の連結部3を切断する(別の連結部4が設けられる場合には別の連結部4も切断する)だけで、電池セル91の数に応じた基板を得ることができる。つまり、複数の電池セル91から構成される電池スタック90を備える電池ユニット90uの場合、求められる電圧や容量等に応じて電池スタック90を構成する電池セル91の数が変化することになるところ、本実施形態にかかる連結基板1によれば、電池スタック90を構成する電池セル91の数に合わせた基板を容易に作製することができる。
【0033】
本実施形態において、連結部3に形成される接続パターン31は、基材の表面ではなく、基材の内側に形成されていることが望ましい。つまり、連結基板1がいわゆる多層基板であれば、少なくとも連結部3に形成される接続パターン31が内層に形成されていることが望ましい。基材の表面に接続パターン31xが形成されていると、連結部3の切断部分から導電性材料の箔が捲れ上がってしまうおそれがある(
図5(b)参照)。つまり、捲れ上がった接続パターン31xがショート等の不具合を招いてしまうおそれがある。また、接続パターン31xに繋がる第二配線部23も基材の表面に形成されていれば、接続パターン31xが捲れ上がることにより、第二配線部23が捲れ上がってしまうおそれがある。これに対し、基材の内側に接続パターン31が形成されていれば、当該パターンは厚み方向において基材を構成する部材同士に挟まれた状態にあるため、切断部分から接続パターン31が捲れ上がってしまうことが防止される。また、第二配線部23も基材の内側に形成されているとよい(
図5(a)参照)。
【0034】
このような切断部分からのパターンの捲れ上がりを防止する構造としては、
図6に示すように、接続パターン31に繋がる第二配線部23がスルーホール25を通じて接続された部分を有する構造とすることが考えられる。つまり、各サブ領域2に設けられた配線部が、スルーホール25を通じて、基材の一方面からその反対側の面に至る部分を有するものである。このような構造とすれば、第二配線部23および接続パターン31が基材の表面に形成されており、連結部3の切断部分から接続パターン31が捲れ上がったとしても、スルーホール25でその進行は阻止される。したがって、当該スルーホール25はできるだけ各連結部3の近くに設けることが好ましい。
【0035】
また、パターンの捲れ上がりを防止する別の構造としては、
図7に示すように、第二配線部23を分割し、分割された両者の間にジャンパ部品261を実装する領域を設ける構造が例示できる。つまり、各サブ領域2に形成された配線部の一部である第二配線部23が、接続パターン31に繋がる一方側第二配線231(本発明における一方側配線に相当する)と、第一配線部側に設けられた他方側配線232(本発明における他方側配線に相当する)に分割され、両者の間にジャンパ部品261が実装可能な領域(第二実装領域26)を設けた構造とすることが考えられる。このような構造とすれば、第二配線部23および接続パターン31が基材の表面に形成されており切断部分から接続パターン31が捲れ上がったとしても、第二実装領域26において配線は離れた状態にあるため、当該領域においてその進行は阻止される。上記一方側第二配線231と他方側第二配線232との接続を図る必要がある際には、第二実装領域26にジャンパ部品261を実装すればよい。
【0036】
第二実施形態にかかる連結基板1aについて、上記第一実施形態にかかる連結基板1と異なる点を中心に説明する。
図8に示す本実施形態にかかる連結基板1aは、上記第一配線部22と第二配線部23の間にジャンパ部品271が実装可能な第三実装領域27が設けられたものである。具体的には、一端が回路部21に接続される第一配線部22は、その他端の一方が第一実装領域24まで延び、他端の他方が第二配線部23付近まで延びる。当該第一配線部22の他端側の他方と、第二配線部23における第一配線部22側の端部の間に、第三実装領域27が設けられている。つまり、第三実装領域27は、一方に延びる第二配線部23と第一配線部22の間、他方に延びる第二配線部23と第一配線部22の間に設けられている(各サブ領域2において、一組の第一配線部22と第二配線部23につき二箇所の第三実装領域27が設けられている)。
【0037】
第三実装領域27を設けることによる作用は次の通りである。例えば、
図9に示すような二つのサブ領域2を含む基板を得る場合、一方のサブ領域2の回路部21と、他方のサブ領域2の回路部21とが接続されていればよいことになる。したがって、一方のサブ領域2における他方のサブ領域2側に延びる第二配線部23は上記接続に必要であるが、その反対側に延びる第二配線部23は不要である。同様に、他方のサブ領域2における一方のサブ領域2側に延びる第二配線部23は上記接続に必要であるが、その反対側に延びる第二配線部23は不要である。このような不要な配線部が残っている場合、当該配線部がアンテナとして作用し、ノイズの影響を受けやすい(ノイズの発生源にもなりやすい)。
【0038】
したがって、複数の第三実装領域27のうち、第一配線部22との接続が必要な箇所にのみジャンパ部品271を実装し、回路部21同士の電気的接続を確保する。一方、回路部21同士の電気的接続に必要のない個所にはジャンパ部品271を実装せず、第一配線部22と第二配線部23が断線した状態とする。これにより、回路部21同士の電気的接続に不要である配線部を短くし、アンテナとして作用してしまうことを抑制する。
【0039】
複数のサブ領域2を含む基板を得る場合、両側に隣接するサブ領域2が存在するサブ領域2(端に位置していないサブ領域2)においては、一方側のサブ領域2および他方側のサブ領域2の両方と電気的に接続される必要があるため、二箇所の第三実装領域27の両方(本実施形態のように二組の第一配線部22と第二配線部23が設けられる場合には、計四つの第三実装領域27)にジャンパ部品271が実装される。端に位置しているサブ領域2においては、隣接するサブ領域2側の第三実装領域27にジャンパ部品271が実装され、もう一つの第三実装領域27にはジャンパ部品271が実装されない。
【0040】
一方、一つのサブ領域2のみを含む基板を得る場合には、回路部21と第一実装領域24に実装される接続部品241の電気的接続を図ればよいため、第二配線部23はその全部が不要である。したがって、第三実装領域27にジャンパ部品271が実装される必要はない。
【0041】
第三実施形態にかかる連結基板1bについて、上記第一実施形態にかかる連結基板1と異なる点を中心に説明する。
図10に示す本実施形態における連結基板1bは、第一配線部22が、回路部21および第一実装領域24に繋がる一方側第一配線221と、第二配線部23側に設けられた他方側第一配線222とに分割されたものである。当該一方側第一配線221と他方側第一配線222との間にジャンパ部品281が実装可能な第四実装領域28が設けられている。
【0042】
第四実装領域28を設けることによる作用は次の通りである。
図11(a)に示すように、一つのサブ領域2のみを含む基板を得る場合、回路部21と第一実装領域24に実装される接続部品241の電気的接続を図りさえすればよい。つまり、両者を繋ぐ一方側第一配線221のみが必要であり、他方側第一配線222は不要である。したがって、第四実装領域28にジャンパ部品281を実装せず、一方側第一配線221と他方側第一配線222との接続を遮断する。したがって、第一配線部22における電気的接続に寄与しない不要な部分がアンテナとして作用してしまうことが抑制される。
【0043】
図11(b)に示すように、複数のサブ領域2を含む基板を得る場合には、第一配線部22は第二配線部23と接続される必要があるため、第四実装領域28にジャンパ部品281が実装される。
【0044】
上記第二実施形態における第三実装領域27および第三実施形態における第四実装領域28の両方が設けられた構成としてもよい。
【0045】
この場合、複数のサブ領域2を含む基板を得る場合には、両側に隣接するサブ領域2が存在するサブ領域2(端に位置していないサブ領域2)においては、二つの第三実装領域27の両方にジャンパ部品271が実装される。端に位置しているサブ領域2においては、隣接するサブ領域2側の第三実装領域27にジャンパ部品271が実装され、もう一つの第三実装領域27にはジャンパ部品271が実装されない(
図12(a)参照)。また、各サブ領域2における第四実装領域28にジャンパ部品281が実装される。
【0046】
一方、一つのサブ領域2を含む基板を得る場合には、サブ領域2における第三実装領域27の全部および第四実装領域28にジャンパ部品が実装されない(
図12(b)参照)。つまり、一方側第一配線221のみが電気的接続に寄与した状態とする。
【0047】
なお、上述したパターンの捲れ上がりを防止する構造は、第二実施形態および第三実施形態にかかる連結基板1a、1bに対して適用することができる。第二実施形態においては、第一配線部22と第二配線部23の間にジャンパ部品271が実装可能な第三実装領域27が設けられることを説明したが、当該第三実装領域27が、パターンの捲れ上がりを防止するための役割を果たす構成としてもよい。ただし、上記第三実装領域27は、不要となった配線部がアンテナとして作用することを防止するために設けられるものであるため、第三実装領域27の位置が連結部3に近ければ近いほど、不要配線の短小化作用に劣る。したがって、不要となった配線の長さをできるだけ小さくしたい場合には、第三実装領域27(不要配線短小化用)とは別に上記第二実装領域(パターンの捲れ上がり防止用)に相当する領域を設けたり、別の捲れ上がり防止構造を採用したりすることが好ましい。
【0048】
上記第一実施形態〜第三実施形態にかかる連結基板1、1a、1bは、複数のサブ領域2が一列に並ぶように連結部3により連結されたものであることを説明したが、
図13および
図14に示すように、一つのサブ領域2に隣接するサブ領域2が複数存在する構成としてもよい。
【0049】
図13(a)に示す連結基板(第一具体例にかかる連結基板1d)は、二つのサブ領域2d組同士の間に、当該サブ領域2d同士を繋ぐ連結部3dを設けたものである。本例にかかる連結基板1dは、各サブ領域2dに形成される導電パターン20が同一となるように、連結部3dに各サブ領域2d同士を電気的に接続する接続パターン31dが形成されている。つまり、各サブ領域2dに形成される導電パターン20が同一となるように、かつ、各サブ領域2dに形成される導電パターン20同士を電気的に接続するように、接続パターン31dが適宜交差等させられて形成される。連結部3dは、当該接続パターン31dを形成することができる大きさを有する。
【0050】
本連結基板1dから一つのサブ領域2dを含む基板を得る場合、連結部3dとサブ領域2dを切り離す。本連結基板1dから一つのサブ領域2dを含む基板(
図13(b)参照)を四つ得る場合には、連結部3dは不要となる(連結部3dは「捨てられる部分」となる)。
【0051】
一方、連結部3dと二つのサブ領域2dとを切り離すことで、連結部3dを介して連結された二つのサブ領域2dを含む基板(サブ領域2dが短手方向に並ぶ基板)を得ることができる(
図13(c)参照)。連結部3d自体を切断する(中央で二分する)ことで、サブ領域2dが長手方向に並ぶ基板を得ることもできる(
図13(d)参照)。
【0052】
図14(a)に示す連結基板(第二具体例にかかる連結基板1e)は、サブ領域2eに形成される導電パターン20が全て同じではないものである。具体的には、一方の対角線方向に並ぶサブ領域2eの導電パターン201eと他方の対角線方向に並ぶサブ領域2eの導電パターン202eは異なる。ただし、全てのサブ領域2eにおいて、サブ領域2eを構成する基材に対する接続部品241が実装される第一実装領域24の位置は同じである。各サブ領域2eに形成される導電パターン201e、202e同士は、連結部3eに形成された接続パターン31eによって接続されている。
【0053】
連結部3eを切断することにより、一つのサブ領域2eを含む基板が得られる。
図14(a)に示す連結基板1eの連結部3eを全て切断し、一つのサブ領域2eを含む基板(例えば
図14(b)参照)を得た場合、当該基板の導電パターン201e、202eは全て同じではない。しかし、サブ領域2eを構成する基材に対する第一実装領域24の位置は全てのサブ領域2eにおいて同じであるため、得られた基板と外部機器の接続構造は同じにすることができる(同じ電線等を用いて接続することができる)。また、本例では、全てのサブ領域2eにおいて、サブ領域2eを構成する基材に対する回路部21の位置も同じであるため、回路部21を構成する素子等の実装工程も同じにすることができる。
【0054】
一部の連結部3eを切断することにより、二つのサブ領域2eを含む基板を得ることができる。サブ領域2eが短手方向に並ぶ基板を得ることもできる(
図14(c)参照)し、サブ領域2eが長手方向に並ぶ基板を得ることもできる(
図14(d)参照)。
【0055】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。