【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題解決手段は、
歩行型作業機用のバランスウェイトにおいて、
前後方向に長い取付基部と前記取付基部の前端部分から上方に延出する延出部とを備えている。
【0008】
この手段によると、バランスウェイトを歩行型作業機に取り付ける場合に、バランスウェイトの延出部が、機体の前後一端部に備える耕耘ロータなどの対地作業装置から最も離れるようにバランスウェイトの取り付け姿勢を設定すれば、バランスウェイトの延出部は、歩行型作業機における対地作業装置から最も離れる箇所において重心位置が高くなる上向き姿勢で位置することになる。
【0009】
つまり、バランスウェイトの延出部を、対地作業装置に対するバランサとしての好適な位置に好適な姿勢で位置させることができる。
【0010】
その結果、バランスウェイトを単に立方体形状に形成する場合に比較して、バランスウェイトの全体重量を軽くしながらも、対地作業装置に対するバランサとしての機能を効果的に発揮させることができる。
【0011】
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
請求項1に記載の歩行型作業機用のバランスウェイトに備えた前記取付基部が着脱可能に取り付けられる被取付部を備えた歩行型作業機において、
前記被取付部を機体フレームの前下部に備え、
前記被取付部に前記取付基部を取り付けたバランスウェイト装着状態では、前記バランスウェイトの前記延出部が前記機体フレームの前端よりも機体前側に位置するように構成している。
【0012】
この手段によると、バランスウェイト装着状態では、バランスウェイトの取付基部が機体フレームの前下部に位置し、又、バランスウェイトの延出部が、機体後部の対地作業装置から最も離れる機体フレームの前端よりも機体前側の位置に重心を高くする上向き姿勢で位置するようになる。
【0013】
つまり、機体フレームの上部側をエンジンなどの載置部として無駄なく使用することを可能にしながら、バランスウェイトを、ヒッチなどを備えることなく、対地作業装置に対するバランサとしての好適な位置に好適な姿勢で配備することができる。
【0014】
これにより、バランスウェイトの全体重量を軽くしながら、機体を旋回させる場合に行う車輪を支点にした対地作業装置の浮上操作を行い易くすることができる。又、機体フレームの前端部にヒッチを備える場合に比較して、車輪から前方への機体の延出長さを短くすることができ、その分、対地作業装置を浮上させた場合にバランスウェイトが地面に接触し難くなることから、対地作業装置を浮上させ易くなって機体の旋回操作が行い易くなる。
【0015】
そして、機体の旋回操作を行う際に機体の対地作業装置側を持ち上げ過ぎた場合には、バランスウェイトの延出部が地面などに接触することから、その接触に起因した機体の傷付きなどを抑制することができる。
【0016】
従って、機体フレームの上部側をエンジンなどの載置部として無駄なく使用しながら、又、バランスウェイトの軽量化を図りながら、対地作業装置に対するバランサとしての機能を効果的に発揮させることができ、機体の旋回性を向上させることができる。
【0017】
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記機体フレームの前端部から前上方に延出する保護部材を備え、
前記バランスウェイト装着状態では、前記バランスウェイトの前記延出部が前記保護部材に側面視で重複するように構成している。
【0018】
この手段によると、車輪から前方への機体の延出長さが長くなることを回避しながら保護部材を備えることできる。そして、機体の旋回操作を行う際に機体の対地作業装置側を持ち上げ過ぎた場合には、バランスウェイトの延出部とともに保護部材が地面などに接触することから、その接触に起因した機体の傷付きなどをより効果的に抑制することができる。
【0019】
従って、機体の旋回性を損なうことなく、機体の傷付きなどをより効果的に抑制することができる。
【0020】
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記保護部材は正面視逆U字状の上向き延出部を備え、
前記バランスウェイト装着状態では、前記バランスウェイトの前記延出部が前記上向き延出部の空間部分に位置している。
【0021】
この手段によると、バランスウェイトを、その延出部を保護部材における上向き延出部の空間部分に収めた状態で歩行型作業機に取り付けることができる。
【0022】
これにより、バランスウェイトが保護部材の上向き延出部から左右にはみ出す構成に比較して、歩行型作業機の小型化を図ることができる。
【0023】
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記バランスウェイト装着状態では、前記バランスウェイトにおける前記延出部の下側部分が前記保護部材の前縁よりも機体前下側に位置するように構成している。
【0024】
この手段によると、機体の旋回操作を行う際に機体の対地作業装置側を持ち上げ過ぎた場合には、鋼材で構成する保護部材よりも頑丈な鋳物で構成することが一般的なバランスウェイトにおける延出部の下側部分を地面などに接触させることできる。
【0025】
その結果、その接触に起因した機体の傷付きなどをより効果的に抑制することができる上に、保護部材の傷付きなどをも抑制することができる。
【0026】
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記機体フレームは、前記取付基部が取り付けられた状態において、前記取付基部における前記機体フレームとの連結部分よりも後側の後端部分を受け止める受止部を備えている。
【0027】
この手段によると、バランスウェイトは、機体フレームとの連結部分よりも前側の部分に延出部を備えることにより、その前側部分が重くなっている。そのため、機体フレームに取り付けた状態では、機体フレームとの連結部分を境にして、バランスウェイトの前側部分が下降傾向になり、前側部分が上昇傾向になる。
【0028】
この点を利用して、取付基部の後端部分を受け止める受止部を機体フレームに備えるようにしているのであり、これにより、バランスウェイトの自重によって取付基部の後端部分が機体フレームの受止部に密接する安定状態でバランスウェイトを機体フレームに取り付けることができる。
【0029】
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記被取付部は、左右向きのボルトを介して前記取付基部の後部側が連結される第1被連結部分と、上下向きのボルトを介して前記取付基部の前部側が連結される第2被連結部分とを備えている。
【0030】
この手段によると、締結方向の異なる2種類のボルトにより、バランスウェイトを機体フレームに確実に取り付けることができる。