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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-193282(P2015-193282A)
(43)【公開日】2015年11月5日
(54)【発明の名称】車両用バンパー装置の補強部材
(51)【国際特許分類】
   B60R 19/24 20060101AFI20151009BHJP
   B60R 19/04 20060101ALI20151009BHJP
   B60R 19/18 20060101ALI20151009BHJP
   B60R 19/34 20060101ALI20151009BHJP
【FI】
   B60R19/24 D
   B60R19/04 M
   B60R19/18 M
   B60R19/18 R
   B60R19/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-71219(P2014-71219)
(22)【出願日】2014年3月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000100791
【氏名又は名称】アイシン軽金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】特許業務法人プロスペック特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100155767
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 憲志
(72)【発明者】
【氏名】金子 孝信
(72)【発明者】
【氏名】正保 順
(72)【発明者】
【氏名】高波 雄太
(57)【要約】
【課題】車両の前端又は後端における車幅方向一端側の狭い領域に物体が衝突したとき、バンパーリインフォースメントの一端部が折れ曲がることを抑制するための車両用バンパー装置の補強部材を提供する。
【解決手段】 補強部材10は、バンパーリインフォースメントBRの車幅方向端部の延設方向に沿うように延設され、バンパーリインフォースメントBRの車幅方向一端から前記車幅方向一端部内に挿入されて、バンパーリインフォースメントBRの車幅方向一端部を補強する補強部20と、補強部20の車幅方向外方側の端部から車両前後方向に延設され、サイドメンバSL,SR又はサイドメンバSL,SRから見て車幅方向外方側に設けられた支持部材SPL,SPRに取り付けられる取り付け部30と、を備える。補強部20は、バンパーリインフォースメントBRの車幅方向一端部に挿入された状態で少なくともサイドメンバSL,SRの前方又は後方まで達するように延設されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向に延設されたサイドメンバの前方又は後方にて車幅方向に延設された中空のバンパーリインフォースメントを補強する車両用バンパー装置の補強部材であって、
前記バンパーリインフォースメントの車幅方向端部の延設方向に沿うように延設され、前記バンパーリインフォースメントの車幅方向一端から前記車幅方向一端部内に挿入されて、前記バンパーリインフォースメントの車幅方向一端部を補強する補強部と、
前記補強部の車幅方向外方側の端部から車両前後方向に延設され、前記サイドメンバ又は前記サイドメンバから見て車幅方向外方側に設けられた支持部材を介して前記サイドメンバに取り付けられる取り付け部と、を備え、
前記補強部は、前記バンパーリインフォースメントの車幅方向一端部に挿入された状態で少なくとも前記サイドメンバの前方又は後方まで達するように延設されている、車両用バンパー装置の補強部材。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用バンパー装置の補強部材において、
前記取り付け部の車幅方向外方側の端部から車幅方向外方側へ延設されたバンパー延長部を備えた、車両用バンパー装置の補強部材。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用バンパー装置の補強部材において、
前記取り付け部は、前記バンパーリインフォースメントに車両前方又は後方への荷重が加えられたとき車両前後方向に圧縮されることにより前記バンパーリインフォースメントに作用した衝撃を吸収する、車両用バンパー装置の補強部材。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちのいずれか1つに記載の車両用バンパー装置の補強部材において、
前記補強部は、前記サイドメンバと前記バンパーリインフォースメントとの間に設けられた衝撃吸収部材とともに共通の締結部材によって前記バンパーリインフォースメントに締結される、車両用バンパー装置の補強部材。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか1つに記載の車両用バンパー装置の補強部材において、
押出方向が車両高さ方向に一致するように金属材料を押出加工して形成されている、車両用バンパー装置の補強部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用バンパー装置の補強部材に関する。特に、バンパーリインフォースメントを補強する補強部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記特許文献1に記載されているように、車両走行中において車両の前端(又は後端)に物体が衝突したとき、その衝撃を吸収するバンパー装置を備えた車両は知られている。特許文献1に記載されているバンパー装置は、車両前後方向に延設された左右一対のサイドメンバ及びサイドメンバの前方(又は後方)にて車幅方向に延設されたバンパーリインフォースメントを備えている。このバンパーリインフォースメントは、サイドメンバからみて車両幅方向外方側まで延設されている。バンパーリインフォースメントとサイドメンバとの間には、衝撃吸収部材が配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−189124号公報
【発明の概要】
【0004】
上記従来の車両において、車幅方向一端側の狭い領域(例えば、サイドメンバの前方(又は後方)に位置する部分)から車幅方向一端に亘る部分)に物体が衝突(以下、微少オーバーラップ衝突という)したとき、バンパーリインフォースメントの端部が車両前後方向に圧縮されて板状に変形する場合がある。この場合、バンパーリインフォースメントの端部が折れ曲がり易くなる。バンパーリインフォースメントの端部が折れ曲がると、衝撃吸収部材の軸線方向に対して傾斜した方向に荷重が作用する。つまり、衝撃吸収部材がその軸線方向に圧縮され難い。その結果、衝撃があまり吸収されない。したがって、バンパーリインフォースメントは、微少オーバーラップ衝突時にその端部が折れ曲がらない程度の強度を備えている必要がある。例えば、バンパーリインフォースメントの肉厚を十分に大きくしておく必要がある。しかし、微少オーバーラップ衝突とは無関係の車幅方向中間部を含むバンパーリインフォースメント全体の肉厚が大きくなると、バンパーリインフォースメントの重量が増大してしまう。
【0005】
本発明は上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、車両の前端又は後端における車幅方向一端側の狭い領域に物体が衝突したとき、バンパーリインフォースメントの一端部が折れ曲がることを抑制するための車両用バンパー装置の補強部材を提供することにある。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の各構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、車両前後方向に延設されたサイドメンバ(SL,SR)の前方又は後方にて車幅方向に延設された中空のバンパーリインフォースメント(BR)を補強する車両用バンパー装置の補強部材(10)であって、バンパーリインフォースメントの車幅方向端部の延設方向に沿うように延設され、バンパーリインフォースメントの車幅方向一端から車幅方向一端部内に挿入されて、バンパーリインフォースメントの車幅方向一端部を補強する補強部(20)と、補強部の車幅方向外方側の端部から車両前後方向に延設され、サイドメンバ又はサイドメンバから見て車幅方向外方側に設けられた支持部材(SPL,SPR)を介してサイドメンバに取り付けられる取り付け部(30)と、を備え、補強部は、前記バンパーリインフォースメントの車幅方向一端部に挿入された状態で少なくともサイドメンバの前方又は後方まで達するように延設されている、車両用バンパー装置の補強部材としたことにある。
【0007】
この場合、取り付け部の車幅方向外方側の端部から車幅方向外方側へ延設されたバンパー延長部(40)を備えてもよい。
【0008】
また、この場合、取り付け部は、バンパーリインフォースメントに車両前方又は後方への荷重が加えられたとき車両前後方向に圧縮されることによりバンパーリインフォースメントに作用した衝撃を吸収するように構成されてもよい。
【0009】
また、この場合、押出方向が車両高さ方向に一致するように金属材料を押出加工して形成されていてもよい。
【0010】
本発明に係る補強部材の補強部がバンパーリインフォースメントの端部に挿入されることにより、バンパーリインフォースメントの端部が補強される。したがって、微少オーバーラップ衝突時にバンパーリインフォースメントの車幅方向端部が車両前後方向に圧縮されて板状に変形することが抑制される。よって、バンパーリインフォースメントの車幅方向端部が折れ曲がることが抑制される。したがって、バンパーリインフォースメントとサイドメンバとの間に配置された衝撃吸収部材には、その軸線方向(車両前後方向)に荷重が作用する。これにより、衝撃吸収部材が、その軸線方向(車両前後方向)に圧縮される。したがって、微少オーバーラップ衝突による衝撃が効率良く吸収される。
【0011】
また、バンパーリインフォースメントの強度を高めるためにバンパーリインフォースメントの肉厚を大きくする必要が無いので、バンパーリインフォースメントを軽量化できる。また、バンパーリインフォースメントの車幅方向一端からバンパーリインフォース内に補強部が挿入されるようにして、本発明に係る補強部材がバンパーリインフォースメントに組み付けられる。車両の端部に衝突した物体は、バンパーリインフォースメントの車幅方向端部、及び補強部材のうちバンパーリインフォースメントよりも車幅方向外方側に位置する取り付け部(及びバンパー延長部)の前端部(又は後端部)によって受けられる。つまり、取り付け部(及びバンパー延長部)は、バンパーリインフォースメントを車幅方向に延長した部分として機能する。したがって、バンパーリインフォースメントの車幅方向端部は、サイドメンバの前方(又は後方)に位置していればよい。言い換えれば、バンパーリインフォースメントは、サイドメンバから見て車幅方向外方側へ突出するように延設されている必要が無い。車種によってバンパーカバーの車幅方向端部の形状が異なっていても、前記バンパーカバーの形状にそれぞれ合致するように取り付け部(及びバンパー延長部)の形状を変更するだけで、それぞれの車種のバンパー装置を構成することができる。つまり、バンパーリインフォースメントを、複数の車種に対して共通に適用することができる。なお、取り付け部は、サイドメンバに直接組み付けられても良いし、支持部材を介してサイドメンバに組み付けられても良い。
【0012】
また、本発明の他の特徴は、補強部は、サイドメンバとバンパーリインフォースメントとの間に設けられた衝撃吸収部材とともに共通の締結部材によってバンパーリインフォースメントに締結されることにある。これによれば、補強部材とバンパーリインフォースメントとを締結する締結部材と、衝撃吸収部材とバンパーリインフォースメントとを締結する締結部材とが個々に必要な場合に比べて締結部材を削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】微少オーバーラップ衝突試験の概要を示す概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係る補強部材が適用された車両の前部における右端部の構造を示す平面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る補強部材の斜視図である。
図4図3の補強部材の平面図である。
図5】本発明の変形例に係る補強部材の平面図である。
図6図5に係る補強部材が組付けられたバンパーリインフォースメント及び衝撃吸収部材の車幅方向に垂直な断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係る補強部材10について説明する。まず、補強部材10が組み付けられる車両1の前部の構成について簡単に説明しておく。この車両1は、図1に示すように、車幅方向に間隔をおいて配置され、車両前後方向にそれぞれ延設された左右一対のサイドメンバSL,SRと、サイドメンバSL,SRの前方にて車幅方向に延設されたバンパーリインフォースメントBRと、を備える。さらに、この車両1は、サイドメンバSL,SRから見て車幅方向外方側にそれぞれ隣接するように配置された支持部材SPL,SPRを有する。
【0015】
サイドメンバSL,SRは、車両1の車幅方向左端及び右端からの距離が車幅の1/4程度になるような位置にそれぞれ配置されている。サイドメンバSL,SRは、車両前後方向に延設された筒状の本体部と、前記本体部の前端面及び後端面に形成されたフランジ状のブラケット部を有する。バンパーリインフォースメントBRは、車幅方向に延びる筒状(中空)に形成されている。バンパーリインフォースメントBRの延設方向に垂直な断面は、略矩形を呈する。また、図2に示すように、バンパーリインフォースメントBRの車幅方向中央部を含む中間部は、平面視において車幅方向内方側よりも車幅方向外方側が少し後方に位置するように湾曲している。バンパーリインフォースメントBRの車幅方向両端部は、斜め後方に直線状に延びるように形成されている。バンパーリインフォースメントBRの車幅方向両端は、サイドメンバSL,SRの前方に位置している。支持部材SPL,SPRは、車両の骨格を構成する部材(例えば、サイドメンバSL,SR)に組み付けられている。支持部材SPL,SPRは、車両前後方向に延設された筒状の本体部と、前記本体部の前端面及び後端面に形成されたフランジ状のブラケット部を有する。バンパーリインフォースメントBRは、衝撃吸収部材SA,SAを介してサイドメンバSL,SR及び支持部材SPL,SPRに接続される。つまり、衝撃吸収部材SA,SAの前端部がバンパーリインフォースメントBRの左右の端部に組み付けられ、衝撃吸収部材SA,SAの後端部がサイドメンバSL,SRのフランジ部に組み付けられる。また、バンパーリインフォースメントBRは、本発明に係る補強部材10,10を介して支持部材SPL,SPRに接続される。つまり、補強部材10,10の前端部がバンパーリインフォースメントBRの左右の端部にそれぞれ組み付けられ、補強部材10,10の後端部が支持部材SPL,SPRのフランジ部に組み付けられる。なお、本実施形態では、バンパーリインフォースメントBR、衝撃吸収部材SA,SA及び補強部材10,10は、車両の前端部に設けられる部材として説明するが、本発明は、これらが車両の後端部に設けられる場合にも適用可能である。また、図2においては、車両1の前部における車幅方向右端部のみを示している。また、車両1の前部における車幅方向左端部は車幅方向右端部と対称であるので、その説明を適宜省略する。
【0016】
次に、補強部材10について説明する。補強部材10は、図3及び図4に示すように、補強部20、衝撃吸収部30及びバンパー延長部40を備える。補強部20、衝撃吸収部30及びバンパー延長部40は、押出加工により一体的に形成される。押出加工における押出方向は、補強部材10が車両に組み付けられたときの車両高さ方向に相当する。したがって、補強部材10の車両高さ方向に垂直な断面の形状は、その切断位置に拘らず同一である。
【0017】
補強部20は、バンパーリインフォースメントBRの端部の延設方向に沿うように延設されている。補強部20は、前壁部21及び後壁部22を有する。前壁部21及び後壁部22は、バンパーリインフォースメントBRの端部における前壁及び後壁に平行に形成されている。前壁部21及び後壁部22は車両前後方向に離間している。補強部20は、前壁部21の左端部から延設され後壁部22の左端部に接続された左壁部23を有する。また、補強部20は、前壁部21の右端部から延設され後壁部22の右端部に接続された右壁部24を有する。補強部20をバンパーリインフォースメントBRの内部に挿入可能なように、補強部20の各部の外形寸法がそれぞれ設定されている。補強部20は、バンパーリインフォースメントBRの右端部に挿入された状態で少なくともサイドメンバSRの前方まで達するように延設されている。
【0018】
衝撃吸収部30は、車両前後方向に延設されている。衝撃吸収部30は、補強部20の右端に接続されている。この衝撃吸収部30が本発明の取り付け部に相当する。衝撃吸収部30は、車両前後方向に延びる内壁部31及び外壁部32を備える。内壁部31の前端は補強部20の右壁部24の後端に一致している。外壁部32は、内壁部31から見て車幅方向外方(図2において右方)に配置されている。外壁部32の前端は、右壁部24の前端よりも少し後方に位置している。内壁部31の前端と外壁部32の前端とが補強部20の前壁部21と同様の前壁部33によって接続されている。内壁部31の車両前後方向における後端位置と、外壁部32の車両前後方向における後端位置は同一である。内壁部31の後端と外壁部32の後端とが車幅方向に延びる後壁部34により接続されている。
【0019】
右壁部24、内壁部31、外壁部32、前壁部33及び後壁部34によって囲まれた空間SPには、リブR1乃至R6が形成されている。リブR1は、後壁部22と右壁部24との接続部から車幅方向外方へ延設され、外壁部32に接続されている。リブR1は、後壁部22と平行に形成されている。リブR2は、内壁部31の前後方向中間部から車幅方向外方へ延設され、外壁部32に接続されている。リブR3は、内壁部31と補強部20の後壁部22との接続部から車幅方向外方かつ後方へ延設され、外壁部32とリブR2との接続部に接続されている。リブR4は、リブR1の後側面における車幅方向中間部であって、リブR1と外壁部32との接続部から見て左方に位置する部分から車幅方向内方かつ後方へ延設され、内壁部31とリブR2との接続部に接続されている。
【0020】
リブR5及びリブR6は、内壁部31、外壁部32、後壁部34及びリブR2によって囲まれた、平面視において略矩形を呈する空間の対角を接続するようにそれぞれ形成されている。つまり、リブR5は、内壁部31とリブR2との接続部から車幅方向外方かつ後方へ延設され、外壁部32と後壁部34との接続部に接続されている。また、リブR6は、外壁部32とリブR2との接続部から車幅方向内方かつ後方へ延設され、内壁部31と後壁部34との接続部に接続されている。
【0021】
また、衝撃吸収部30の後端には、車幅方向内方及び車幅方向外方へ延びるフランジ状のフランジ部35が形成されている。フランジ部35には、その前面から後面へ貫通する貫通孔が形成されている。
【0022】
バンパー延長部40は、衝撃吸収部30の外壁部32の前端部における車幅方向外方側の面から車幅方向外方へ突出するように形成されている。バンパー延長部40は、外壁部32と前壁部33との接続部から車幅方向外方且つ後方へ延設された前壁部41を有する。また、バンパー延長部40は、外壁部32とリブR2との接続部から車幅方向外方且つ前方へ延設され、前壁部41に接続された後壁部42を有する。衝撃吸収部30の前端部及びバンパー延長部40の形状は、この補強部材10が適用される車両のバンパーカバーの形状に応じて設定されている。
【0023】
上記のように構成された補強部材10は、次のようにして、バンパーリインフォースメントBRに組み付けられる。まず、補強部20がバンパーリインフォースメントBRの右端から内部へ挿入される。そして、図示しないボルト及びナットにより、補強部20がバンパーリインフォースメントBRの右端部に締結される。また、図示しないボルト及びナットにより、衝撃吸収部材SAがバンパーリインフォースメントBRの右端部に締結される。バンパーリインフォースメントBRの左端部にも、右端部と同様に補強部材10及び衝撃吸収部材SAが締結される。
【0024】
上記のようにしてバンパーリインフォースメントBRの左右の端部にそれぞれ組み付けられた補強部材10,10のフランジ部35が、図示しないボルト及びナットにより、支持部材SPL,SPRに締結される。また、衝撃吸収部材SA,SAが、図示しないボルト及びナットにより、サイドメンバSL,SRに締結される。
【0025】
上記のように、補強部材10の補強部20がバンパーリインフォースメントBRの端部に挿入されることにより、バンパーリインフォースメントBRの端部が補強される。したがって、微少オーバーラップ衝突時にバンパーリインフォースメントBRの車幅方向端部が車両前後方向に圧縮されることが抑制される。つまり、バンパーリインフォースメントBRの車幅方向端部が板状に変形することが抑制される。よって、バンパーリインフォースメントBRの車幅方向端部が折れ曲がることが抑制される。したがって、衝撃吸収部30及び衝撃吸収部材SAには、それらの軸線方向(車両前後方向)に荷重が作用する。これにより、衝撃吸収部30及び衝撃吸収部材SAが、それらの軸線方向に圧縮される。したがって、微少オーバーラップ衝突による衝撃が効率良く吸収される。
【0026】
また、バンパーリインフォースメントBRの強度を高めるためにバンパーリインフォースメントの肉厚を大きくする必要が無いので、バンパーリインフォースメントBRを軽量化できる。また、バンパーリインフォースメントBRの左端及び右端から車幅方向外方側へ突出するようにして補強部材10,10がバンパーリインフォースメントBRに組み付けられる。車両の端部に衝突した物体は、バンパーリインフォースメントBRの車幅方向端部、取り付け部30及びバンパー延長部40によって受けられる。つまり、衝撃吸収部30の前端部及びバンパー延長部40は、バンパーリインフォースメントBRを車幅方向に延長した部分として機能する。したがって、バンパーリインフォースメントBRの車幅方向両端は、サイドメンバSL,SRの前方に位置していればよい。言い換えれば、バンパーリインフォースメントBRは、サイドメンバSL,SRから見て車幅方向外方へ突出するように延設されている必要が無い。車種によってバンパーカバーの車幅方向端部の形状が異なっていても、前記バンパーカバーの形状にそれぞれ合致するように衝撃吸収部30及びバンパー延長部40の形状を変更するだけで、それぞれの車種のバンパー装置を構成することができる。つまり、バンパーリインフォースメントBRを、複数の車種に対して共通に適用することができる。また、この場合、バンパーリインフォースメントBRとバンパーカバーなどの他の部材が干渉する可能性が低い。したがって、バンパーリインフォースメントBRと他の部材との干渉を避けるためにバンパーリインフォースメントBRを加工する工程(例えば、車幅方向端部をバンパーカバーに干渉しないようにトリミングする工程)を削減できる。
【0027】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0028】
衝撃吸収部30内におけるリブの数及び配置は上記実施形態に限られない。衝撃吸収部材SAの強度と衝撃吸収部30の強度のバランスを考慮して、リブの数及び配置を決定すればよい。また、例えば、衝撃吸収部30が上記実施形態よりも後方まで延設され、その後端部の側面部がサイドメンバの側面に固定されてもよい。
【0029】
また、補強部20と衝撃吸収部材SAとを、共通のボルト及びナットを用いて、同時にバンパーリインフォースメントBRに締結してもよい。例えば、図5に示すように、補強部20内に複数のリブR7を形成するとともに、車両高さ方向に延びる複数(例えば2つ)の筒状部201を形成しておく。また、図6に示すように、衝撃吸収部材SAの上壁部SA1及び下壁部SA2の前端部が側壁部よりも前方へ突出するように形成することにより上壁部SA1及び下壁部SA2との間にバンパーリインフォースメントBRを挟み込めるように構成する。そして、上壁部SA1及び下壁部SA2の前端部に上下方向に貫通する貫通孔H1をそれぞれ形成しておく。また、バンパーリインフォースメントBRの上壁部SA1及び下壁部SA2にも上下方向に貫通する貫通孔H2を形成しておく。バンパーリインフォースメントBRに補強部20が挿入され、且つ上壁部SA1及び下壁部SA2との間にバンパーリインフォースメントBRが挿入された状態で貫通孔H1、貫通孔H2と及び筒状部201の位置が一致するように、貫通孔H1、貫通孔H2及び筒状部201の位置が設定されている。貫通孔H1、貫通孔H2及び筒状部201にボルトを挿入するとともに前記ボルトの先端部をナットに締結する。これによれば、補強部材10とバンパーリインフォースメントBRとを締結する締結部材と、衝撃吸収部材SAとバンパーリインフォースメントBRとを締結する締結部材とが個々に必要な場合に比べて締結部材を削減できる。
【0030】
また、上記実施形態においては、衝撃吸収部30は、バンパーリインフォースメントに後方への荷重が加えられたとき車両前後方向に圧縮されることによりバンパーリインフォースメントBRに作用した衝撃を吸収する。しかし、衝撃吸収部30が衝撃を吸収する機能を備えず、単に補強部20を支持する支持部として機能するだけでもよい。
【0031】
また、サイドメンバSL,SRとバンパーカバーの車両幅方向端部との距離が短い場合には、バンパー延長部40を削除してもよい。
【符号の説明】
【0032】
10・・・補強部材、20・・・補強部、30・・・衝撃吸収部、40・・・バンパー延長部、BR・・・バンパーリインフォースメント、R1〜R7・・・リブ、SA・・・衝撃吸収部材、SL,SR・・・サイドメンバ、SP・・・空間、SPL,SPR・・・支持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6