特開2015-193765(P2015-193765A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-193765(P2015-193765A)
(43)【公開日】2015年11月5日
(54)【発明の名称】冷却液
(51)【国際特許分類】
   C09K 5/08 20060101AFI20151009BHJP
   C23F 11/12 20060101ALI20151009BHJP
   C23F 11/18 20060101ALI20151009BHJP
   C23F 11/14 20060101ALI20151009BHJP
   C23F 11/16 20060101ALI20151009BHJP
【FI】
   C09K5/00 F
   C23F11/12 101
   C23F11/18 101
   C23F11/18 102
   C23F11/18
   C23F11/14
   C23F11/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-73231(P2014-73231)
(22)【出願日】2014年3月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000106771
【氏名又は名称】シーシーアイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122954
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷部 善太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 泰之
(72)【発明者】
【氏名】久保 朋生
(72)【発明者】
【氏名】仲野 誠一
(72)【発明者】
【氏名】片山 拓也
(72)【発明者】
【氏名】服部 直樹
(72)【発明者】
【氏名】加賀 伸行
(72)【発明者】
【氏名】長岡 俊大
【テーマコード(参考)】
4K062
【Fターム(参考)】
4K062AA03
4K062BB06
4K062BB18
4K062BB22
4K062BB30
4K062CA05
4K062FA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来のグリコール系冷却液と同等の熱特性を持ち、かつ冷却液の粘度をより低粘度とすることによって、電動ポンプの消費電力を低下させることができる低粘度の冷却液組成物の提供。
【解決手段】ホルムアミド及び/又はメチルホルムアミド20〜70重量%、水80〜30重量%、防錆剤0.1〜10重量%含有する冷却液組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホルムアミド及び/又はメチルホルムアミド20〜70重量%、水80〜30重量%、防錆剤0.1〜10重量%含有する冷却液組成物。
【請求項2】
前記防錆剤が脂肪族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸またはそれらの塩から選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の冷却液組成物。
【請求項3】
前記防錆剤が、ホウ酸、ホウ酸塩、ケイ酸、ケイ酸塩、リン酸、リン酸塩、亜硝酸塩、硝酸塩、モリブデン酸塩、トリアゾール、ジアゾール及びチアゾールから選ばれる少なくとも一種である請求項1又は2に記載の冷却液組成物。
【請求項4】
20℃における動粘度が2.5mm/s以下である請求項1〜3のいずれかに記載の冷却液組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却液組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2に記載されるように、シリコーンオイル又は水に対して、1種以上の有機溶媒を含む冷却液において、その有機溶媒としては、極めて広範囲のものが使用できるとされている。
これらの特許文献には、その広範囲な有機溶媒として、単に炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、およびアルコール類、エーテル類、ケトン・アルデヒド類、エステル類、フェノール類などの含酸素化合物、および含窒素化合物、シリコーン系溶媒、フロン系溶媒が列挙され、これらの有機溶媒が同等に使用されることが示されている。
また、内燃機関の冷却系統に使用される冷却液は、エンジンを冷却することによって温度が上昇され、ラジエータによって冷却されるようにウォーターポンプにより循環される。
そして、このような内燃機関の冷却液としては、エチレングリコール水溶液やプロピレングリコール水溶液が使用されてきた。
ところが、これらの冷却液は外気温が低下することにより粘度が高くなるので、ウォーターポンプへの負担が大きくなり、ひいてはウォーターポンプの寿命が短くなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−142149号公報
【特許文献2】特開2013−057036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発明は、シリコーンオイル冷却液の循環経路に水分を吸着する吸着剤を配置することにより、低温時には吸着剤が水を吸着して冷却液中に水分を含有しないようにし、高温時には吸着剤が吸着していた水分が脱着されて水相とシリコーンオイル相となる冷却液の発明であって、冷却液が高温下および低温下においても冷却液内に水を存在させるものではなく、さらに、冷却液の粘度を低粘度とすることを意図していない。
特許文献2に記載の発明は、水と有機溶媒を含有する冷却液に係る発明ではあるが、高温域にて冷却液の見掛け比熱を増加させることにより、冷却液をより迅速に所定の温度に到達させることを目的としており、決して、冷却液の粘度を低粘度とすることを意図していない。
電気自動車においては、モータ/コントロールユニット冷却システムに液を循環させるために電動ポンプを使用しているが、電動ポンプの消費電力が大きく、車輌の航続距離が短くなっていた。
そして、本発明はこれらの特許文献には記載されていない、従来のグリコール系冷却液と同等の熱特性を持ち、かつ冷却液の粘度をより低粘度とすることによって、電動ポンプの消費電力を低下させることができる低粘度の冷却液組成物の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1.ホルムアミド及び/又はメチルホルムアミド20〜70重量%、水80〜30重量%、防錆剤0.1〜10重量%含有する冷却液組成物。
2.前記防錆剤が脂肪族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸またはそれらの塩から選ばれる少なくとも1種である1に記載の冷却液組成物。
3.前記防錆剤が、ホウ酸、ホウ酸塩、ケイ酸、ケイ酸塩、リン酸、リン酸塩、亜硝酸塩、硝酸塩、モリブデン酸塩、トリアゾール、ジアゾール及びチアゾールから選ばれる少なくとも一種である1又は2に記載の冷却液組成物。
4.20℃における動粘度が2.5mm/s以下である1〜3のいずれかに記載の冷却液組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、従来のグリコール化合物含有冷却液と同等の熱特性を持ちながら、冷却液をより低粘度化させることができる。その結果、電気自動車における、モータ/コントロールユニット冷却システムに液を循環させるための電動ポンプの消費電力を低下させることができ、ひいては車輌の航続距離をより長くすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(冷却液組成物の用途)
本発明の冷却液組成物は、電気自動車における、モータ/コントロールユニットの冷却、さらに、内燃機関、燃料電池、モータ等の冷却系に用いることができる。
以下、具体的に本発明について述べる。
【0008】
本発明はホルムアミド及び/又はメチルホルムアミド20〜70重量%、水80〜30重量%、防錆剤0.1〜10重量%含有する冷却液組成物である。
[ホルムアミド及び/又はメチルホルムアミド]
冷却液組成物中のホルムアミド及び/又はメチルホルムアミドの含有量は上記の通り20〜70重量%であるが、30〜60重量%が好ましく、40〜50重量%がより好ましい。20〜70重量%の範囲とすることにより、他の有機化合物を含有させたときよりも、低温時において低粘度化させることができる。
冷却液組成物中に同じ含有量で含有させる場合、メチルホルムアミドよりも、ホルムアミドの方が、動粘度を低くする効果が高い。
【0009】
[防錆剤]
本発明において使用される防錆剤として、脂肪族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸またはそれらの塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩、ケイ酸、リン酸塩、リン酸、亜硝酸塩、硝酸塩、モリブデン酸塩、トリアゾール、及びチアゾールから選ばれる少なくとも一種を使用することができる。
これらの防錆剤の冷却液組成物中の含有量としては0.1〜10重量%であり、1.0〜5.0重量%がより好ましい。0.1重量%未満であると、十分に防錆性を発揮することができず、10重量%を超えて含有させてもさらに防錆性が良くなることはない。
以下に使用できる防錆剤について説明する。
【0010】
(脂肪族モノカルボン酸)
脂肪族モノカルボン酸としては、ペンタン酸、ヘキサン酸、へプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸、ステアリン酸等、及びそれらのアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩が使用される。
(芳香族モノカルボン酸)
芳香族モノカルボン酸としては、安息香酸、ニトロ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸等の安息香酸類、p−トルイル酸、p−エチル安息香酸、p−プロピル安息香酸、p−イソプロピル安息香酸、p−tertブチル安息香酸等のアルキル安息香酸、一般式RO−C−COOH(RはC1〜5のアルキル基)で示されるアルコキシ安息香酸、一般式R−C−CH=COOH(RはC1〜5のアルキル基又はアルコキシ基)で示されるケイヒ酸、アルキルケイヒ酸、アルコキシケイヒ酸、及びこれらのアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩が使用される。
(脂肪族ジカルボン酸)
脂肪族ジカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピペリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン酸、ドデカン2酸、ブラシル酸、タブチン酸等、及びそれらのアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩が使用される。
(芳香族ジカルボン酸)
芳香族ジカルボン酸としては、イソフタル酸、無水フタル酸又はテレフタル酸等、及びそれらのアルカリ金属塩、アミン塩、アンモニウム塩が使用される。
【0011】
(ホウ酸、ホウ酸塩)
ホウ酸、及びホウ酸塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、アンモニウム塩等が使用される。
(ケイ酸、ケイ酸塩)
ケイ酸、及びケイ酸塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、アンモニウム塩等が使用される。
(リン酸、リン酸塩)
リン酸、及びリン酸塩としては、正リン酸、ピロリン酸、トリメタリン酸、テトラリン酸等のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、アンモニウム塩が使用される。
(亜硝酸塩)
亜硝酸塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、アンモニウム塩等が使用される。
(硝酸塩)
硝酸塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、アンモニウム塩等が使用される。
(モリブデン酸塩)
モリブデン酸塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩、アンモニウム塩等が使用される。
【0012】
(トリアゾール)
トリアゾールとしては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、4−フェニル−1,2,3−トリアゾール、2−ナフトトリアゾール、4−ニトロベンゾトリアゾール等を使用することができる。
(ジアゾール)
イミダゾリン、イミダゾール、メルカプトイミダゾリン、メルカプトイミダゾール、ベンズイミダゾール、メチルイミダゾール等を使用することができる。
(チアゾール)
チアゾールとしては、ベンゾチアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、及びそのアルカリ金属塩を使用することができる。
【0013】
(動粘度)
本発明の冷却液組成物は、好ましくは動粘度が2.5mm/s以下であり、2.3mm/s以下がより好ましく、2.0以下がさらに好ましく、それ以上に1.8mm/s以下が好ましい。
【0014】
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては、シクロアルキルアミン及びその誘導体、チオ尿素及びその誘導体、ポリアミン及びその誘導体、ピペリジン及びその誘導体、アミノアルコール類及びアミノフェノール類、炭素同素体、及び糖アルコール等を使用することができる。これらの酸化防止剤は優れた抗酸化性を有し、本発明の冷却液組成物中に含有させることができる。その結果、冷却液組成物中にイオン物質の発生を抑制することができる。
これらの酸化防止剤の冷却液組成物中の含有量としては10重量%以下であり、5.0重量%以下がより好ましい。10重量%を超えて含有させてもさらに酸化防止性が良くなることはない。
【0015】
(シクロアルキルアミン及びその誘導体)
シクロアルキルアミン及びその誘導体としては、シクロプロピルアミン、シクロブチルアミン、シクロペンチルアミン、シクロヘキシルアミン、シクロオクチルアミン及びシクロドデシルアミン及びその誘導体を使用することができる。
(チオ尿素及びその誘導体)
チオ尿素及びその誘導体としては、チオ尿素、メチルチオ尿素、ジオチルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素、ジエチルチオ尿素、ジイソプロピルチオ尿素、ジブチルチオ尿素、アリルチオ尿素、アリルヒドロキシエチルチオ尿素、アセチルチオ尿素、シアノジメチルチオ尿素、アミジノチオ尿素、二酸化チオ尿素、ジシクロヘキシルチオ尿素、フェニルチオ尿素、メチルフェニルチオ尿素、ベンゾイルチオ尿素、ジトリルチオ尿素、ジフェニルチオ尿素、ナフチルチオ尿素、アダマンチルチオ尿素、チオセミカルバシド、メチルチオセキカルバシド、ジメチルチオセキカルバシド、イソプロピルチオセキカルバシド、フェニルチオセキカルバシド、ジフェニルチオセキカルバシド等を使用することができる。
(ポリアミン及びその誘導体)
ポリアミン及びその誘導体としては、ヒドラジン、グアニジン及びこれらの誘導体を使用することができる。
【0016】
(ピペリジン及びその誘導体)
ピペリジン及びその誘導体としては、ピペリジンの環に結合する基が、オキソ基、水酸基、アミノ基、炭素数が1〜20の炭化水素基、さらに、水酸基、アミノ基、アルコキシカルボニル基から選ばれた1つ以上で置換された炭化水素基を使用することができる。
具体的には、2,6―ジメチルピペリジン、2−ピペコリン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−ピペリジンエタノール、1−メチルピペリジン、4−ヒドロキシ−1−メチルピペリジン、1−メチル−4−ピペリドン、及び1−ベンジル−4−ピペリドンを使用することができる。
(アミノアルコール類及びアミノフェノール類)
アミノアルコール類及びアミノフェノール類としては、アミノプロパノール、アミノメチルプロパノール、ジメチルアミノプロパノール、アミノエチルプロパノール、ジエチルアミノプロパノール、アミノプロパンジオール、アミノメチルプロパンジオール、アミノエチルプロパンジオール、アミノヒドロキシメチルプロパンジオール、(ジメチルアミノ)プロパンジオール、アミノブタノール、アミノメチルブタノール、ジメチルアミノブタノール、アミノエチルブタノール、アミノペンタノール、アミノヘキサノール、アミノヘプタノール、アミノオクタール、ジメチルアミノオクタール、(アミノエチルアミノ)エタノール、(アミノエチルアミノ)プロパノール、アミノエトキシエタノール、(tert−ブチルアミノ)エタノール、ジエチルアミノエトキシエタノール、アミノプロペノール、メチルアミノプロペノール、アミノプロピノール、メチルアミノプロピノール、アミノブテノール、メチルアミノブテノール、アミノブチノール、メチルアミノブチノール、ジメチルアミノブチノール、メチルアミノブチノール、(ベンジルアミノ)エタノール、アミノベンジルエタノール、(メチルアミノメチル)ベンジルアルコール、アミノシクロヘキサノール、アミノフェニルエタノール、アミノフェニルプロパノール、アミノクレゾール、アミノナフトール、アミノフェノール、アミノニトロフェノール、アミノメチルフェノール、ジメチルアミノフェノール、アミノエチルフェノール、ジエチルアミノフェノール等から選ばれる1種以上を使用することができる。
【0017】
(炭素同素体)
炭素同素体としては、グラファイト、ダイヤモンド、フラーレン、炭素ナノチューブ、バッキーオニオン、ヘテロフラーレン、フラーレンの水酸化物、水素化物、フッ化物、臭素化物を使用することができる。
(糖アルコール)
糖アルコールとしては、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、イノシトール、クエルシトール、パラチニット、ラクチトール、マルチトール、スクロース、ラフィノース、ゲンチアノース、メレジトース、プランテオース、スタキオース等を使用することができる。
【0018】
[その他添加剤]
本発明の冷却液組成物には、用途等に応じて潤滑剤、耐磨耗剤、消泡剤、極圧剤、着色剤、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のpH調整剤の1種以上を含有させることができる。
【0019】
(実施例)
下記表1の記載に基づいて、本発明の実施例1及び2の冷却液組成物及び比較例1及び2の冷却液組成物を調製し、これらの冷却液組成物に対して動粘度及び凍結温度を測定した。
これらの実施例及び比較例にて使用した冷却液組成物の組成と、これらの試験結果を以下の表1に示す。表1中の数値は重量部を示す。
【0020】
(動粘度の測定)
JIS K2283に基づいて冷却液組成物の動粘度を測定した。
【0021】
【表1】
【0022】
上記の表に示されているように、本発明に沿った例である実施例1及び2によれば、得られた冷却液組成物は、十分に低い凍結温度を有すると同時に、その動粘度は2.2mm/s及び1.5mm/sであり、十分に低い動粘度となった。また、特にホルムアミドを使用した場合のほうが、メチルホルムアミドを使用するよりも良好な結果となった。これらのような低い動粘度であれば、冷却液組成物として使用したときに循環用モータにかかる負荷を低減させることができる。
しかしながら、エチレングリコールやジメチルホルムアミドを使用した比較例1及び2によれば、動粘度は3.3及び2.8mm/sと低い動粘度ではなく、このような冷却液組成物を使用すると循環用モータにかかる負荷は高いといえる。