【解決手段】特定の長鎖アルキルベタイン型界面活性剤を含有することによる、優れた洗浄力を維持しながら、洗浄後の繊維製品に柔軟性を付与できる繊維製品用洗浄剤組成物。炭素数16〜22の直鎖上長鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を有するベタイン型界面活性剤で、繊維製品用洗浄剤の総重量に対して0.1重量%以上含有する洗浄剤組成物。
長鎖アルキルベタイン型界面活性剤がパルミチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン又はベヘニルジメチルアミノ酢酸ベタインである、請求項1又は請求項2に記載の繊維製品用洗浄剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0008】
上記項1〜項3に記載の発明にある通り、特定の長鎖アルキルベタイン型界面活性剤を含有する繊維製品用洗浄剤組成物は、優れた洗浄力を維持しながら、洗浄後の繊維製品に柔軟性を付与する。
即ち、特定の長鎖アルキル鎖を有するアルキルベタイン型界面活性剤を含有させることにより、洗浄後の繊維製品に柔軟性を付与することができる。
以下、本発明の構成について詳述する。
【0009】
本発明にかかる上記一般式(1)で表される長鎖アルキルベタイン型界面活性剤において、一般式(1)におけるR
1は、炭素数16〜22の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であり、好ましくは炭素数16〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が推奨される。R
2及びR
3は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はヒドロキシエチル基であり、好ましくはメチル基が推奨される。
【0010】
本発明にかかる長鎖アルキルベタイン型界面活性剤としては、具体的には、パルミチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、イソステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アラキドイルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ベヘニルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パルミチルジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタイン、ステアリルジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタイン、イソステアリルジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタイン、アラキドイルジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタイン、オレイルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ベヘニルジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタインなどが例示される。
より好ましくは、パルミチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ベヘニルジメチルアミノ酢酸ベタインが推奨される。これらは、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。
これらの中でも、洗浄後の繊維製品に柔軟性を付与するという観点から、好ましくはパルミチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタインン、ベヘニルジメチルアミノ酢酸ベタイン、より好ましくはパルミチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、特にステアリルジメチルアミノ酢酸ベタインが推奨される。
【0011】
本発明にかかる長鎖アルキルベタイン型界面活性剤は、特に限定はなく、市販されているものや公知の方法で製造されたものを使用することができる。市販品としては、商品名「リカビオンA−700」(新日本理化(株)製,ステアリルベタイン)、商品名「アンヒトール86B」(花王(株)製,ステアリルベタイン)などが例示される。また、例えば「2013年版16373の化学商品(発行所;化学工業日報社,発行日2013年1月29日)」にも多くのメーカが記載されている。
【0012】
本発明にかかるアニオン性界面活性剤は、本技術分野で利用されているものを使用することができ、具体的にはアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪酸モノエタノールアミドエーテル硫酸塩、コハク酸系界面活性剤(ポリオキシエチレンスルホコハク酸モノアルキルエーテルエステル塩等)、アミノ酸系界面活性剤(N−アシルグリシン塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシルアラニン塩、N−アシル−N−メチルアラニン塩、N−アシル−L−グルタミン酸塩、N−アシル−L−アスパラギン酸塩、N−脂肪族アシル−N−メチルタウリン塩等)、イセチオン酸エステル塩、モノアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテルリン酸エステル塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩などが挙げられる。
【0013】
より具体的には、例えば、アルキル(C10〜14)ベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィン(C14〜16)スルホン酸塩、アルキル(C8〜22)硫酸塩、ポリオキシエチレン(1〜5)アルキル(C8〜22)エーテル硫酸塩、炭素数8〜18の脂肪族アシル基を有するポリオキシエチレン(1〜5)脂肪酸モノエタノールアミドエーテル硫酸塩、炭素数8〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレン(1〜5)スルホコハク酸モノアルキルエーテルエステル塩、炭素数8〜18の脂肪酸由来の脂肪酸塩、炭素数8〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレン(1〜7)アルキルエーテル酢酸塩、炭素数8〜18の脂肪族アシル基を有するポリオキシエチレン脂肪酸モノエタノールアミドエーテル酢酸塩、炭素数8〜18の脂肪酸由来の脂肪族アシルアミノ酸塩(N−アシルグリシン塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシルアラニン塩、N−アシル−N−メチルアラニン塩、N−アシル−L−グルタミン酸塩、N−アシル−L−アスパラギン酸塩)、炭素数8〜18の脂肪族アシル基を有するN−脂肪族アシル−N−メチルタウリン塩、炭素数8〜18の脂肪族アシル基を有するイセチオン酸エステル塩、炭素数8〜18のアルキル基を有するモノアルキルリン酸エステル塩、炭素数8〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレン(1〜7)モノアルキルエーテルリン酸エステル塩、炭素数8〜18のアルキル基を有するα−スルホ脂肪酸メチルエステル塩などのアニオン性界面活性剤等が挙げられる。
前記アニオン性界面活性剤を構成する対カチオンは、アルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリムイオン、カリウムイオン等)、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオン等が例示され、好ましくはナトリムイオン、カリウムイオンが推奨される。
【0014】
前記具体例の中でも、好ましくはアルキル(C10〜14)ベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィン(C14〜16)スルホン酸塩、ポリオキシエチレン(1〜5)アルキル(C8〜22)エーテル硫酸塩、特に好ましくはアルキル(C10〜14)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィン(C14〜16)スルホン酸ナトリウムが推奨される。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「オキシエチレン」に続く括弧内の数字は、オキシエチレン基の平均付加モル数を意味する。また「アルキル」に続く括弧内の「C数字」は、アルキル基の炭素数を意味する。
【0015】
市販品としては、商品名「シノリンSPE−1300」(新日本理化(株)製,ポリオキシエチレン(3)ラウリル硫酸ナトリウム)、商品名「エマール20C」(花王(株)製,ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)などが例示される。また、例えば「2013年版16313の化学商品(発行所;化学工業日報社,発行日2013年1月29日)」にも多くのメーカが記載されている。
【0016】
本発明にかかるノニオン性界面活性剤は、本技術分野で利用されているものを使用することができ、具体的にはアルキルグリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルキルポリグリコシド、アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸メチルエステルなどが挙げられる。
【0017】
より具体的には、例えば、アルキル(C12〜18)グリセリルエーテル、炭素数8〜18の脂肪族アシル基を有するアルカノールアミド、炭素数8〜18の脂肪族アシル基を有するポリオキシエチレン(1〜10)脂肪酸アルカノールアミド、炭素数8〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレン(1〜20)アルキルエーテル、炭素数8〜18のアルキル基を有するポリオキシプロピレン(1〜10)ポリオキシエチレン(1〜20)アルキルエーテル、炭素数8〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレン(1〜20)アルキルアミン、炭素数8〜18のアルキル基を有するポリオキシプロピレン(1〜10)ポリオキシエチレン(1〜20)アルキルアミン、炭素数8〜14のアルキル基又はポリオキシエチレン(1〜7)アルキルエーテル基を有するアルキルポリグリコシドなどが挙げられ、炭素数8〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレン(1〜20)アルキルエーテル、炭素数8〜18のアルキル基を有するポリオキシプロピレン(1〜10)ポリオキシエチレン(1〜20)アルキルエーテル、炭素数8〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレン(1〜20)アルキルアミン、炭素数8〜18のアルキル基を有するポリオキシプロピレン(1〜10)ポリオキシエチレン(1〜20)アルキルアミンが好ましく、特に好ましくは、炭素数8〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレン(1〜20)アルキルエーテル、炭素数8〜18のアルキル基を有するポリオキシプロピレン(1〜10)ポリオキシエチレン(1〜20)アルキルエーテルが推奨される。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「オキシプロピレン」「オキシエチレン」に続く括弧内の数字は、オキシプロピレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数を意味する。オキシプロピレン基、オキシエチレン基の付加順序は問わず、また、ランダム付加あるいはブロック付加でもかまわない。
【0018】
市販品としては、商品名「コニオン275−90」(新日本理化(株)製,ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル)、商品名「リカノンEP−200」(新日本理化(株)製,ポリオキシアルキレン[プロピレン/エチレン]オレイルエーテル)、商品名「エマルミンHL−100」(三洋化成工業(株)製,ポリオキシアルキレンラウリルエーテル)などが例示される。また、例えば「2013年版16313の化学商品(発行所;化学工業日報社,発行日2013年1月29日)」にも多くのメーカが記載されている。
【0019】
本発明にかかる繊維製品用洗浄剤組成物に、より効果的に、洗濯後の柔軟性を付与する効果を高めたい場合、上記長鎖アルキルベタイン型界面活性剤、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤の含有量を、繊維製品用洗浄剤組成物の総重量に対して、それぞれ、好ましくは0.1〜20重量%、0〜20重量%、0〜20重量%の範囲とすることにより、より一層効果が発揮されやすくなる。ただし、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤が同時に0重量%になることはない。
【0020】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物には、本発明にかかるアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤及び長鎖アルキルベタイン型界面活性剤の他に、一般的に繊維製品用洗浄剤に配合される「他の成分」を、本発明の効果が奏する範囲で配合することができる。
他の成分としては、例えば、本発明にかかるアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤及び長鎖アルキルベタイン型界面活性剤を除く、カチオン性界面活性剤、半極性界面活性剤、両性界面活性剤、ポリオール、無機塩類、油性成分、カチオン性ポリマー、高級アルコール、パール化剤、乳化剤、分散剤、保湿剤、増粘剤、減粘剤、粘度調整剤、泡調整剤、溶媒、キレート剤、pH調整剤、酸化防止剤、抗菌・防腐剤、色素(着色剤)、アルカリ剤、工程剤、蛍光剤、水軟化剤、漂白剤、酵素、酵素安定剤、その他ビタミン類、天然エキス、香料、スクラブ剤、精製水などを配合することができる。これらは、用途や剤型などによって配合量は変動する。
【0021】
カチオン性界面活性剤としては、モノ、ジ又はトリ中〜長鎖アルキル又はアルケニル型第4級アンモニウム塩、第3級アミン塩、イミダゾリン塩、イミダゾリニウム塩、アミノ酸系カチオン性界面活性剤等から選ばれる1種又は2種以上が好適に使用される。この中〜長鎖アルキル又はアルケニル基は、炭素数8〜28、好ましくは炭素数8〜22の直鎖又は分岐鎖であってもよく、−O−、−CONH−、−COO−等のエーテル基、エステル基もしくはアミド基で分断、又は−OH等で置換されていてもよい。
その対となるアニオンは特に限定されず、塩素、ヨウ素、臭素等のハロゲンイオン、メトサルフェート、エトサルフェート、メトフォスフェート、エトフォスフェート等の有機アニオンが挙げられる。
カチオン性界面活性剤の好ましい具体例として、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、カプリルトリメチルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルクロライド、N−ステアリル−N,N,N−トリ(ポリオキシエチレン)アンモニウムクロライド(EO合計3モル付加)、セチルベンジルジメチルアンモニウムクロライド、セチルトリエチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルオクタデシルジメチルアンモニウムブロマイドやその他アルキル(アルキル基の炭素数8〜28)メチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、N−メチル−N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−N−(3−牛脂脂肪酸アミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−メチル−N−(3−牛脂脂肪酸アミドプロピル)−N−(2−牛脂脂肪酸エチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムクロライド、N−メチル−N−(3−牛脂アミドプロピル)−N,N−ビス−(2−牛脂脂肪酸エチル)アンモニウムクロライド、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−(2−牛脂エチル)アンモニウムクロライド、N,N−ビス−(2−牛脂脂肪酸エチル)アンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0022】
半極性界面活性剤としては、アミンオキシドなどが挙げられる。アミンオキシドとしては、オクチルジメチルアミンオキシド、デシルジメチルアミンオキシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、パルミチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、オレイルジメチルアミンオキシド、ベヘニルジメチルアミンオキシド、アルキルエーテルジメチルアミンオキシド、高級脂肪酸アミドプロピルアミンオキシド、エチレンオキシド付加アミンオキシド等が挙げられる。
【0023】
両性界面活性剤としては、炭素数8〜14のアルキル鎖を有するアルキルベタイン型両性界面活性剤、炭素数8〜22を有する脂肪酸由来のアルキルアミドベタイン型両性界面活性剤、炭素数8〜18を有する脂肪酸由来のイミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤、炭素数8〜18のアルキル基を有するN−アルキルアミノジ酢酸塩、N−アルキルアミノジプロピオン酸塩、N−アルキルジアミノエチルグリシン塩等のN−アルキルアミノ酸型両性界面活性剤、アルキルヒドロキシスルホベタイン、脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤などが挙げられる。
【0024】
また、消泡剤や滑り性を改良するシリコーン化合物を含有することができる。シリコーン化合物としては、例えば、カルボキシ変性シリコーン化合物、アミノ変性シリコーン化合物、アルキル変性シリコーン化合物、エポキシ変性シリコーン化合物などを挙げることができる。
【0025】
さらに、アルカリ金属の水酸化物、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム等の炭酸塩、アルカノールアミン等のアルカリ剤、硫酸ナトリウム等の硫酸塩などの工程剤、
【0026】
エタノール、メタノール、プロパノール等の炭素数1〜4の低級アルコール類、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリセリンやグリコール類、ポリオキシアルキレン(好ましくはポリオキシエチレン)ベンジルエーテル、ポリオキシアルキレンフェニルエーテル(好ましくはポリオキシエチレン)ベンジルエーテル、ポリオキシアルキレンフェニルエーテル(好ましくはフェニルエチルエーテル)等のフェニル又はベンジル系の溶剤(殺菌剤としても使用できる)、
【0027】
パラトルエンスルホン酸(塩)、キシレンスルホン酸(塩)、安息香酸塩(防腐剤としての効果もある)並びに尿素等の減粘剤、可溶化剤(ハイドロトロープ剤)、
【0028】
ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩、イミノ二酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩、グリコールエーテルジアミン四酢酸塩、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸塩及びトリエチレンテトラミン六酢酸塩等のアミノポリ酢酸塩、並びにマロン酸、コハク酸、ジグリコール酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等の酸及びそれらの塩等の金属捕捉剤、
【0029】
ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、カルボキシメチルセルロース、平均分子量5000以上のポリエチレングリコール、無水マレイン酸−ジイソブチレン共重合体、無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸−イソブチレン共重合体、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物などの再汚染防止剤及び分散剤、ポリビニルピロリドン等の色移り防止剤、
【0030】
過炭酸ナトリウム、過酸化水素又は過硼酸ナトリウム等の漂白剤、テトラアセチルエチレンジアミンなどの漂白活性剤、アミラーゼ、プロアテーゼ、リパーゼ及びセルラーゼ等の酵素、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、ギ酸、硼酸(硼素化合物)等の酵素安定化剤、チノパールCBS(チバガイギー社製)やホワイテックスSA(住友化学社製)等の蛍光染料、シリカ、シリコーン化合物の消泡剤、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤、その他、青み付け剤、香料、抗菌防腐剤等が挙げられる。
【0031】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物のpHは、該組成物が粉末もしくは固体の場合、0.1重量%水溶液で測定したときのpH(25℃)が6〜10の範囲、液体の場合、原液で測定したときのpH(25℃)が6〜10の範囲であることが好ましい。またいずれの場合も、被洗浄物の変形・変防止の点で、pH(25℃)が、6〜8の範囲がより好ましく、6.5〜8の範囲が好ましく、7〜7.8の範囲が更に好ましい。
【0032】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物の剤型は、錠剤、粉末、ペースト、液体等のいずれの形態でも良いが、溶解性、使い易さの点で液体が好ましい。本発明の組成物が液体である場合、界面活性剤や他の成分を除いた組成物の残部は実質的に水であり、貯蔵安定性の点からイオン交換水を用いることが好ましい。また当該組成物の粘度は、取り扱いの容易さの点で、測定温度20℃で測定したときの粘度が5〜400mPa・sの範囲が好ましく、10〜100mPa・sの範囲がより好ましく、10〜50mPa・sの範囲が更に好ましい。粘度の調整方法としては、粘度調整剤等を用いることによりこのような範囲になるようにすることができる。
【0033】
粘度調整剤としては、前記の減粘剤や可溶化剤等を用いることができ、増粘剤として水溶性高分子、無機電解質を用いることができる。ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合物、ポリプロピレングリコール(分子量100〜1000)等が挙げられる。無機電解質としては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。
【0034】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、特に、肌触り・柔軟さ、洗浄性能の点で、該組成物中に含まれるすべての界面活性剤の含有量が、繊維製品用洗浄剤組成物に対して、10〜60重量%、更に12〜55重量%、特に15〜45重量%であることが好ましい。
前記の「すべての界面活性剤」とは、本発明にかかるアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤及び長鎖アルキルベタイン型界面活性剤に加えて、上述の「他の成分」で例示した界面活性剤を含むことを意味する。
【0035】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物は、洗濯により被洗浄物に柔軟性(肌触り、柔軟さ)の向上効果を付与するために用いることができる。このため、柔軟性能(繊維製品に対する柔軟性の付与効果を有する)を要望される繊維製品に対して好適な家庭用又は工業用洗浄剤として使用できる。前記繊維製品とは、例えば、綿、毛(ウール、アンゴラ等)、絹、麻などの繊維からなる製品であり、例えば、ニット製品、おしゃれ着、肌着、寝衣等の衣料品、タオル・ハンカチ類、毛布、シーツ等の寝具などが例示される。また家庭用品品質表示法に掲載されている繊維製品なども同様に例示される。
【0036】
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物の調製方法としては、所定量の上記長鎖アルキルベタイン型界面活性剤とアニオン性界面活性剤及び/又はノニオン性界面活性剤と、必要に応じて所望量の水(工程剤,バランス剤)や上述の「他の成分」とを混合することにより、容易に調製することができる。前記の水とは、水道水、イオン交換水、蒸留水、純水、精製水等を含めた総称である。各組成成分を混合する方法には、特に限定はなく、混合性や泡立ち等の作業性を考慮して、本技術分野において通常使用されている方法を用いることができる。
【実施例】
【0037】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例における分析・評価は以下の方法で行った。実施例等で使用した組成成分は、市販品、試薬又は下記の調製品を用いた。
【0038】
[pH]
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物のpHは、pHメーター((株)堀場製作所製F−52、電極型式9615−10D)を用いて、25℃で測定した。
【0039】
[柔軟性付与効果]
全自動洗濯機(ナショナル製 愛妻号4.2 NA−F42Z1)の洗濯槽に水道水30リットルを入れ、試験布(綿製ハンドタオル)を入れる。市販品の衣料用粉末洗剤;商品名「ジョブホワイト」(アルベス(株)製)及び液体衣料用洗剤;商品名「リバイブパワー」(アルベス(株)製)を各々20ml入れ、通常コースで4回連続にて洗濯を行い、予備洗浄とした。予備洗浄に引き続き、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物を60ml使用して、通常コース(洗い・濯ぎ・脱水)で、水道水30Lにて洗濯した後、自然乾燥させた。その後、肌触り・柔軟さを10人のパネラーにより評価した。評価点は10名の合計点とした。
<肌触り・柔軟さの判定基準>
0点:肌触りが悪く、柔軟さも不足
1点:肌触りは良いが、柔軟さがやや不足
2点:肌触りが良く、柔軟さも良好
[柔軟性付与効果評価]
上記の肌触り・柔軟さの判定基準により、パネラーが評価した評価点の合計点の範囲から柔軟性付与効果を判定した。
<柔軟性付与効果の判定基準>
○:上記合計点が15〜20点 柔軟性付与効果が大きい
△:上記合計点が10〜14点 柔軟性付与効果が小さい
×:上記合計点が0〜9点 柔軟性付与効果の有意差が認められない
[洗浄性評価]
本発明の繊維製品用洗浄剤組成物を水道水にて界面活性剤濃度0.1wt%に希釈した。その希釈液1Lに湿式人工汚染布((財)洗濯科学協会製)5枚入れ、ターゴトメーター((株)上島製作所社製型式No.91324)にて洗浄試験を実施した。
<洗浄条件>
洗浄時間:15分間
回転数:100rpm/min.
水温:30℃
洗浄した汚染布を流水ですすぎ、アイロンにて乾燥させた。
洗浄性評価は、汚染原布((財)洗濯科学協会製)及び洗浄前後の湿式人工汚染布の反射率を550nmの波長を使用して測色色差計((有)東京電色社製TC−6D)にてそれぞれ測定し、次式によって洗浄率(%)を求め、湿式人工汚染布の5枚の洗浄率の平均値をもって洗浄性判定基準にて評価した。
<洗浄性判定基準>
○:洗浄率70%以上
△:洗浄率30%〜69%
×:洗浄率29%以下
【0040】
[実施例1]
長鎖アルキルベタイン型界面活性剤としてステアリルベタイン2.0重量%とノニオン性界面活性剤としてポリオキシアルキレンオレイルエーテル15.0重量%に、それらの残余としてイオン交換水を加えて、加温下で混合し、均一になったことを目視で確認して、室温まで冷却して、本発明の繊維製品用洗浄剤組成物を調製した。前記組成物のpHは7.2であった。本発明の繊維製品用洗浄剤組成物の柔軟性付与効果及び洗浄性評価の評価結果を表1に示した。なお「重量%」は、繊維製品用洗浄剤組成物の総重量を基準とする。
【0041】
[比較例1]
実施例と同様に、ノニオン性界面活性剤としてポリオキシアルキレンオレイルエーテル15.0重量%に、それらの残余としてイオン交換水を加えて調製した。pHは6.8であった。
【0042】
【表1】
【0043】
実施例に使用した化合物は以下の通りであり、各組成成分の重量%は純分を表示している。即ち、水溶液の形態の市販品等を使用して本発明の組成物の調製の際には、各組成成分を純分換算して配合し、混合して調製した。
【0044】
・長鎖アルキルベタイン型界面活性剤・・・ステアリルベタイン;商品名「リカビオンA−700」(新日本理化(株)製)
・ノニオン性界面活性剤・・・ポリオキシアルキレンオレイルエーテル;商品名「リカノンEP−200」(新日本理化(株)製,ポリオキシエチレン(8)ポリオキシプロピレン(4)ポリオキシエチレン(4)オレイルエーテル)
【0045】
表1より、長鎖アルキルベタイン型界面活性剤を含有させることにより、優れた洗浄力を維持しながら、洗浄後の繊維製品に良好な柔軟性(肌触り、柔軟さ)を付与できることがわかった。