【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題解決手段は、
作業具を揺動駆動するアクチュエータと、
前記作業具の揺動角度を検出する揺動角検出器と、
操作具の人為操作に基づいて前記アクチュエータの作動を制御する手動用制御部と、
人為操作が継続されている間は前記作業具を制御目標角度にて自動停止させる目標角停止制御の実行を指令する指令操作具と、
前記目標角停止制御の実行が継続して指令されている間は前記目標角停止制御を実行し、前記目標角停止制御の実行中に前記揺動角検出器の出力に基づいて前記作業具の揺動角度が前記制御目標角度に達したことを検知した場合に、前記手動用制御部の制御作動に優先して前記アクチュエータを自動停止させる自動停止用制御部と、
を備え、
前記自動停止用制御部は、前記目標角停止制御の実行中に、前記揺動角検出器の出力に基づいて前記作業具の揺動角度が前記制御目標角度に達したことを検知するまでの間において、前記操作具の人為操作と前記指令操作具の人為操作とのいずれか一方又は双方が解除された場合は、前記目標角停止制御を終了して前記アクチュエータを直ちに自動停止させるように構成している。
【0007】
この手段によると、指令操作具を人為操作しながら操作具の人為操作を行うことにより、作業具を、その揺動角度が制御目標角度に達するように揺動駆動することができ、作業具の揺動角度が制御目標角度に達するのに伴って作業具を自動停止させることができる。
【0008】
これにより、作業具の揺動角度が制御目標角度から大きく外れている場合であっても、作業具を制御目標角度に対応する任意の揺動姿勢に簡単かつ迅速に復帰させることができる。
【0009】
又、例えば、揺動角検出器の故障などに起因して、作業具が任意の揺動姿勢にて自動停止しないことに運転者が気付いた場合には、操作具の人為操作と指令操作具の人為操作とのいずれか一方又は双方を解除することにより、作業具を現在の揺動姿勢にて迅速かつ確実に緊急停止させることができる。
【0010】
従って、作業具を任意の揺動姿勢に簡単かつ迅速に復帰させることができる上に、作業具が任意の揺動姿勢にて自動停止しない場合の対応を迅速かつ確実に行うことができる。
【0011】
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記アクチュエータとして、
走行車体に装備した支持部材に対してブームを左右向きの第1支軸を支点にして上下方向に揺動駆動するブーム用アクチュエータと、
前記ブームに対してバケットを左右向きの第2支軸を支点にして上下方向に揺動駆動するバケット用アクチュエータと、
を備え、
前記揺動角検出器として、
前記ブームの上下揺動角度を検出するブーム角検出器と、
前記ブームに対する前記バケットの上下揺動角度を検出するバケット角検出器と、
を備え、
前記手動用制御部は、前記操作具のブーム操作用の人為操作に基づいて前記ブーム用アクチュエータの作動を制御し、又、前記操作具のバケット操作用の人為操作に基づいて前記バケット用アクチュエータの作動を制御し、
前記自動停止用制御部は、
前記ブーム角検出器の出力と前記バケット角検出器の出力とに基づいて前記バケットの対地揺動角度を演算し、
前記目標角停止制御の実行中に、
前記バケットの対地揺動角度が前記制御目標角度に達したことを検知した場合は、前記手動用制御部の制御作動に優先して前記バケット用アクチュエータを自動停止させ、
前記バケットの対地揺動角度が前記制御目標角度に達したことを検知するまでの間において、前記操作具の人為操作と前記指令操作具の人為操作とのいずれか一方又は双方が解除された場合は、前記目標角停止制御を終了して前記バケット用アクチュエータを直ちに自動停止させるように構成している。
【0012】
この手段によると、指令操作具を人為操作しながら操作具の人為操作を行うことにより、バケットを、その対地揺動角度が制御目標角度に達するように揺動駆動することができ、バケットの対地揺動角度が制御目標角度に達するのに伴ってバケットを自動停止させることができる。
【0013】
これにより、バケットの対地揺動角度が制御目標角度から大きく外れている場合であっても、バケットを制御目標角度に対応する任意の揺動姿勢に簡単かつ迅速に復帰させることができる。
【0014】
又、例えば、ブーム角検出器又はバケット角検出器揺の故障などに起因して、バケットが任意の揺動姿勢にて自動停止しないことに運転者が気付いた場合には、操作具の人為操作と指令操作具の人為操作とのいずれか一方又は双方を解除することにより、バケットを現在の揺動姿勢にて迅速かつ確実に緊急停止させることができる。
【0015】
従って、バケットを任意の揺動姿勢に簡単かつ迅速に復帰させることができる上に、バケットが任意の揺動姿勢にて自動停止しない場合の対応を迅速かつ確実に行うことができる。
【0016】
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記アクチュエータとして、
走行車体に着脱可能に装備した支持部材に対してブームを左右向きの第1支軸を支点にして上下方向に揺動駆動するブーム用アクチュエータと、
前記ブームに対してバケットを左右向きの第2支軸を支点にして上下方向に揺動駆動するバケット用アクチュエータと、
を備え、
前記揺動角検出器として、
前記ブームの上下揺動角度を検出するブーム角検出器と、
前記ブームに対する前記バケットの上下揺動角度を検出するバケット角検出器と、
を備え、
前記手動用制御部は、前記操作具のブーム操作用の人為操作に基づいて前記ブーム用アクチュエータの作動を制御し、又、前記操作具のバケット操作用の人為操作に基づいて前記バケット用アクチュエータの作動を制御し、
前記自動停止用制御部は、
前記制御目標角度として、前記支持部材を前記走行車体から離脱させる離脱姿勢に基づいて設定した離脱用のブーム目標角度と離脱用のバケット目標角度とを備え、
前記目標角停止制御の実行中に、
前記ブーム角検出器の出力に基づいて前記ブームの上下揺動角度が前記離脱用のブーム目標角度に達したことを検知した場合は、前記手動用制御部の制御作動に優先して前記ブーム用アクチュエータを自動停止させ、
前記ブームの上下揺動角度が前記離脱用のブーム目標角度に達したことを検知するまでの間において、前記操作具の人為操作と前記指令操作具の人為操作とのいずれか一方又は双方が解除された場合は、前記目標角停止制御を終了して前記ブーム用アクチュエータを直ちに自動停止させ、
前記バケット角検出器の出力に基づいて前記バケットの上下揺動角度が前記離脱用のバケット目標角度に達したことを検知した場合は、前記手動用制御部の制御作動に優先して前記バケット用アクチュエータを自動停止させ、
前記バケットの上下揺動角度が前記離脱用のバケット目標角度に達したことを検知するまでの間において、前記操作具の人為操作と前記指令操作具の人為操作とのいずれか一方又は双方が解除された場合は、前記目標角停止制御を終了して前記バケット用アクチュエータを直ちに自動停止させるように構成している。
【0017】
この手段によると、指令操作具を人為操作しながら操作具のブーム操作用の人為操作を行うことにより、ブームを、その揺動角度が離脱用のブーム目標角度に達するように揺動駆動することができ、ブームの揺動角度が離脱用のブーム目標角度に達するのに伴ってブームを自動停止させることができる。
【0018】
又、指令操作具を人為操作しながら操作具のバケット操作用の人為操作を行うことにより、バケットを、その揺動角度が離脱用のバケット目標角度に達するように揺動駆動することができ、バケットの揺動角度が離脱用のバケット目標角度に達するのに伴ってバケットを自動停止させることができる。
【0019】
これにより、ブーム及びバケットを所定の離脱姿勢に簡単かつ迅速に移動させることができる。
【0020】
又、例えば、ブーム角検出器又はバケット角検出器揺の故障などに起因して、ブーム又はバケットが所定の離脱姿勢にて自動停止しないことに運転者が気付いた場合には、操作具の人為操作と指令操作具の人為操作とのいずれか一方又は双方を解除することにより、ブーム又はバケットを現在の揺動姿勢にて迅速かつ確実に緊急停止させることができる。
【0021】
従って、ブーム及びバケットを所定の離脱姿勢に簡単かつ迅速に移動させることができる上に、ブーム又はバケットが所定の離脱姿勢にて自動停止しない場合の対応を迅速かつ確実に行うことができる。
【0022】
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記自動停止用制御部は、前記目標角停止制御の実行中に、前記バケット角検出器の出力に基づいて前記バケットの上下揺動角度が前記離脱用のバケット目標角度に達していないことを検知している状態において、前記操作具のブーム操作用の人為操作が行われた場合は、前記手動用制御部の制御作動に優先して前記ブーム用アクチュエータを停止状態に維持するように構成している。
【0023】
この手段によると、バケットの姿勢が所定の離脱姿勢に切り替わっていない限り、ブームの姿勢を所定の離脱姿勢に切り換えることができなくなる。
【0024】
これにより、バケットの姿勢が所定の離脱姿勢に切り替わっていない状態でブームの姿勢を所定の離脱姿勢に切り替えようとした場合に生じる虞のある、例えば、ブームに備えた離脱時用のスタンドがバケットに先行して接地することに起因して損傷する虞を回避することができる。
【0025】
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記自動停止用制御部は、前記目標角停止制御の実行中に、前記バケットの対地揺動角度が前記制御目標角度よりも設定角度手前の減速角度に達したことを検知した場合は、前記バケット用アクチュエータの作動速度を低下させるように構成している。
【0026】
この手段によると、バケット用アクチュエータが自動停止する前にバケット用アクチュエータの作動速度を低下させることができる。
【0027】
これにより、バケット用アクチュエータを自動停止させたときに発生するショックを軽減することができるとともに、任意の揺動姿勢でのバケットの自動停止を精度良く行うことができる。
【0028】
本発明をより好適なものにするための手段の一つとして、
前記自動停止用制御部は、前記目標角停止制御の実行中に、前記バケットの上下揺動角度が前記離脱用のバケット目標角度よりも設定角度手前の減速角度に達したことを検知した場合は、前記バケット用アクチュエータの作動速度を低下させ、前記ブームの上下揺動角度が前記離脱用のブーム目標角度よりも設定角度手前の減速角度に達したことを検知した場合は、前記ブーム用アクチュエータの作動速度を低下させるように構成している。
【0029】
この手段によると、バケット用アクチュエータ又はブーム用アクチュエータが自動停止する前に、バケット用アクチュエータ又はブーム用アクチュエータの作動速度を低下させることができる。
【0030】
これにより、バケット用アクチュエータ又はブーム用アクチュエータを自動停止させたときに発生するショックを軽減することができるとともに、所定の離脱姿勢でのバケット及びブームの自動停止を精度良く行うことができる。