特開2015-194033(P2015-194033A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2015194033-非常用地下貯水槽 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-194033(P2015-194033A)
(43)【公開日】2015年11月5日
(54)【発明の名称】非常用地下貯水槽
(51)【国際特許分類】
   E03B 11/14 20060101AFI20151009BHJP
   E03F 1/00 20060101ALI20151009BHJP
【FI】
   E03B11/14
   E03F1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】4
(21)【出願番号】特願2014-72844(P2014-72844)
(22)【出願日】2014年3月31日
(71)【出願人】
【識別番号】306024805
【氏名又は名称】株式会社 林物産発明研究所
(72)【発明者】
【氏名】林 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】林 和志郎
(72)【発明者】
【氏名】林 宏三郎
(72)【発明者】
【氏名】林 加奈子
【テーマコード(参考)】
2D063
【Fターム(参考)】
2D063AA14
2D063AA17
(57)【要約】

【課題】 狭いスペースでの構築を可能とし、かつ貯水を分割貯水するような構成に基づき、大量水の貯水にも関わらず水の劣化を防止し、生活用水として或いは旱魃等に際する農業用水の貯えが良好になされるようにした、新規の非常用貯水槽の提供を図ったものである。
【解決手段】 地上の雨水を導入するための雨水用貯水槽を地中に構築し、その下方に一つ以上の貯水槽を構築すると共に、上位にある貯水槽のオーバーフロー水を下位の貯水槽に順次導くような配管を施し、更に、各貯水槽にはその貯水を汲み出すための取水パイプを、夫々別個に設けるように構成した非常用地下貯水槽。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地上の雨水を導入するための雨水用貯水槽を地中に構築し、その下方に一つ以上の貯水槽を構築すると共に、上位にある貯水槽のオーバーフロー水を下位の貯水槽に順次導くような配管を施し、更に、各貯水槽にはその貯水を汲み出すための取水パイプを、夫々別個に設けるように構成した非常用地下貯水槽。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非常用生活用水、或いは旱魃等に備えて農業用水を貯えておくための非常用地下貯水槽に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、非常用等に用いる水を貯えておくための非常用地下貯水槽は、地下に一つの大きな貯水槽を構築し、これから必要に応じて利用水を取り出すように構成したものである(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−107403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のように一つの大きな貯水槽を地中に構築するものであると、そのためには大きなスペースを要し、従ってその構築場所は、公園のようのような広い場所の地下、と言うような場所的制限性を伴うこととなった。
【0005】
更に、従来は、大きな貯水槽に対して、一括して貯水する様に構成したものであったため、貯水の大量管理に基づく水劣化、すなわち、腐敗等が生じる恐れがあった
【0006】
本発明は狭いスペースでの構築を可能とし、かつ貯水を分割貯水するような構成に基づき、大量水の貯水にも関わらず水の劣化を防止し、生活用水として或いは旱魃等に際する農業用水の貯えが良好になされるようにした、新規の非常用貯水槽の提供を図ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は請求項1に記載のように、地上の雨水を導入するための雨水用貯水槽を地中に構築し、その下方に一つ以上の貯水槽を構築すると共に、上位にある貯水槽のオーバーフロー水を下位の貯水槽に順次導くような配管を施し、更に、各貯水槽にはその貯水を汲み出すための取水パイプを、夫々別個に設けるように構成した非常用地下貯水槽に係る。
【発明の効果】
【0008】
本発明は請求項1に記載のような構成の採用、すなわち、 地上の雨水を導入するための雨水用貯水槽を地中に構築し、その下方に一つ以上の貯水槽を構築すると共に、上位にある貯水槽のオーバーフロー水を下位の貯水槽に順次導くような配管を施し、更に、各貯水槽にはその貯水を汲み出すための取水パイプを、夫々別個に設けるように構成したから、
貯水槽は縦方向に分割された形態を呈し、従って、その構築のための平面面積の縮小化が図られる。 そのため、従来のようにその構築が例えば公園等広い場所を要することがないため、例えば農道の下のような狭い面積の場所であっても構築可能とされる。
【0009】
更に、雨水用貯水槽2に取り込まれた雨水は、当該貯水槽2並びに下方の貯水槽に順次オーバーフローに基づき貯水され、かつ、その取出しは夫々の貯水槽から直接汲み上げることによって、生活用水、農業用水、工業用水、防火用水、寒冷地におけるアイスバーン溶解用等としての利用が図ることが出来る。 なお、下段に位置するにつれて貯水槽内の水は古いものとされるため、用途に応じて適宜な順位で取り出すことにより、貯水の合理的利用が図られる。
【0010】
また、貯水槽内に地下水を積極的に導入するように構成することもでき、この場合は、貯水用水源の多様化が図られると共に、飲料水としての貯蔵目的も達成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の全体を表した説明用略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図に於いて、1は農道等の道路、1aは当該道路1の両側部に形成した雨水流入用側溝、2は道路1の下方に構築した雨水用貯水槽であって、図面に示す実施例にあっては、当該側溝1a内に流れ込んだ雨水を当該貯水槽2内に導くような通路(図面に示す実施例にあっては連通パイプ2a)が形成してある。 なお、雨水用貯水槽2は上記のように道路1の下方に構築することなく、所要の土地の下方に構築する場合もあり、この場合は上記側溝2に該当する部分を形成し、ここから雨水を導入する様な通路を形成しておく。
【0013】
3は第2貯水槽であって、上記雨水用貯水槽2の真下に構築してある。 そして、当該雨水用貯水槽2と第2貯水槽3とは、雨水用貯水槽2のオーバーフロー水を第2貯水槽3に導くための配管3aが施されている。
【0014】
4は第3貯水槽であって、上記第2貯水槽3の真下に構築してある。 そして、当該第3貯水槽4と第2貯水槽3とは、第2貯水槽3のオーバーフロー水を第3貯水槽4に導くための配管4aが施されている。
【0015】
なお、図示の実施例にあっては、3つの貯水槽2,3,4で構成する様に示してあるが、本発明は、最上位に構築する雨水用貯水槽2と、この下方に構築する貯水槽とから成ることを要件とするものであり、当該下方に構築する貯水槽は1つ以上でその数の限定性は無い。
【0016】
上記した各貯水槽2,3,4の底部寄りには、取水用パイプMが夫々設けられており、これにより、モーターによる汲み上げに基づき、各貯水槽内の水を夫々別個に地上に取り出すことが出来るように構成してある。
【0017】
ところで、図面に示す実施例にあっては、各貯水槽2,3,4を夫々上下方向に連結された状態で構築してあるが、各貯水槽2,3,4夫々所定の間隔を保った形態で構築する様に構成しても良い。 このようにすることにより、地下水の水脈部分に貯水槽を位置させて、積極的に地下水を取り込み、これを活用する様にすることが出来る。 この場合、該当貯水槽には地下水導入用部材(図示の実施例にあっては取り込み用パイプN)を設けるものとする。 本発明はこのような形態で実施する場合もある。
【0018】
本発明は上述したように、雨水用貯水槽2に取り込まれた雨水は、当該貯水槽2並びに下方の貯水槽に順次オーバーフローに基づき貯水される。 そして、その取出しは夫々の貯水槽から直接汲み上げることによって、生活用水或いは農業用水としての利用が図られる。 なお、下段に位置するにつれて貯水槽内の水は古いものとされるため、用途に応じて適宜に取り出すものとする。 なお、地下水を積極的に導入するようにした場合は、このことを考慮した汲み上げ順位を図ることが出来る。
【符号の説明】
【0019】
1 農道等の道路
1a 雨水流入用側溝
2 雨水用貯水槽
2a 連通パイプ
3 第2貯水槽
3a 配管
4 第3貯水槽
4a 配管
M 取水用パイプ
N 取り込み用パイプ
図1