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特開2015-19406直交周波数分割多重アクセスにおけるセル固有の参照記号とユーザ装置固有の参照記号とを使用した方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-19406(P2015-19406A)
(43)【公開日】2015年1月29日
(54)【発明の名称】直交周波数分割多重アクセスにおけるセル固有の参照記号とユーザ装置固有の参照記号とを使用した方法
(51)【国際特許分類】
   H04J 99/00 20090101AFI20141226BHJP
   H04J 11/00 20060101ALI20141226BHJP
   H04B 7/04 20060101ALI20141226BHJP
【FI】
   H04J15/00
   H04J11/00 Z
   H04B7/04
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2014-182140(P2014-182140)
(22)【出願日】2014年9月8日
(62)【分割の表示】特願2013-34157(P2013-34157)の分割
【原出願日】2009年10月28日
(31)【優先権主張番号】12/267,876
(32)【優先日】2008年11月10日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】510284071
【氏名又は名称】モトローラ モビリティ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA MOBILITY LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】クリシャナ カマル サヤナ
(72)【発明者】
【氏名】タイラー ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】コリン フランク
(72)【発明者】
【氏名】シャン ヤン ジュアン
【テーマコード(参考)】
5K159
【Fターム(参考)】
5K159CC04
5K159EE02
5K159FF03
(57)【要約】
【課題】直交周波数分割多重アクセス搬送波で伝送されたデータを復調すること。
【解決手段】ネットワーク基地局106は、少なくとも1つの共通参照記号に基づき構成可能な第1実効チャネルを介して副搬送波で伝送すべく、共通アンテナ集合110を備え得る。ネットワーク基地局106は、少なくとも1つの専用参照記号に基づき推定可能な第2実効チャネルを介して副搬送波で伝送すべく、専用アンテナ集合112を備え得る。ユーザ装置102は、少なくとも1つの共通参照記号と少なくとも1つの専用参照記号を用いて、データ伝送を復調し得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの基地局に通信するための方法であって、前記方法は、
ユーザ装置が、前記少なくとも1つの基地局の共通アンテナ集合から伝送される第1データストリームを受信することと;
前記ユーザ装置が、前記少なくとも1つの基地局の専用アンテナ集合から伝送される第2データストリームを受信することであって、前記共通アンテナ集合と前記専用アンテナ集合とは互いに異なることと;
前記ユーザ装置が、前記少なくとも1つの基地局から少なくとも1つの共通参照記号を受信することと;
前記ユーザ装置が、前記少なくとも1つの基地局から少なくとも1つの専用参照記号を受信することと;
前記ユーザ装置が、前記少なくとも1つの共通参照記号に基づきつつも前記専用参照記号には基づかずに第1実効チャネル部分行列を構成することであって、前記第1実効チャネル部分行列は前記第1データストリームに対応することと;
前記ユーザ装置が、前記少なくとも1つの専用参照記号に基づきつつも前記共通参照記号には基づかずに第2実効チャネル部分行列を推定することであって、前記第2実効チャネル部分行列は前記第2データストリームに対応することと;
前記ユーザ装置が、前記第1実効チャネル部分行列と前記第2実効チャネル部分行列とに基づき、実効チャネル行列を構成することと;
前記ユーザ装置が、前記実効チャネル行列を用いて、前記第1データストリームと前記第2データストリームとを復号することと
を有する、方法。
【請求項2】
前記第1データストリームは複数のデータストリームを有し、
前記第2データストリームは複数のデータストリームを有する、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの共通参照記号は、第1基地局から受信され、
前記少なくとも1つの専用参照記号は、第2基地局から受信される、
請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの共通参照記号は、前記共通アンテナ集合に関連する少なくとも1つのアンテナポートに対応し、
前記少なくとも1つの専用参照記号は、前記専用アンテナ集合に関連する少なくとも1つのアンテナポートに対応する、
請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記第1実効チャネル部分行列H=HVであり、
は前記共通アンテナ集合に対応するチャネル部分行列であり、
はN×NCRSのサイズを備え、
は受信機アンテナの数であり、
CRSは前記共通アンテナ集合のアンテナの数であり、
Vは前記少なくとも1つの基地局によって信号で伝えられるプリコーディング行列であり、
VはNCRS×NCRSのサイズを備え、
CRSはプリコーディング行列インデックスに基づくプリコーディングを用いて送信されるデータストリーム数である、
請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記第2実効チャネル部分行列を推定することは、前記少なくとも1つの専用参照記号から直接に前記第2実効チャネル部分行列Hを推定することを有し、
はN×NDRSのサイズを備え、
DRSは非拘束プリコーディングを用いて受信されるデータストリーム数である、
請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記第2実効チャネル部分行列を推定することは、前記少なくとも1つの専用参照記号から直接に前記第2実効チャネル部分行列Hを推定することを有し、
はN×NDRSのサイズを備え、
DRSは非拘束プリコーディングを用いて受信されるデータストリーム数である、
請求項5記載の方法。
【請求項8】
前記方法はさらに、前記少なくとも1つの基地局から信号Yを受信することを有し、
Y=HS+HS’であり、
Sは第1データストリームであり、
S’は第2データストリームである、
請求項7記載の方法。
【請求項9】
S=S’である、
請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記第1データストリームはデータストリームの第1集合であり、
前記第2データストリームはデータストリームの第2集合である、
請求項1記載の方法。
【請求項11】
データストリームの前記第1集合と前記第2集合は互いに異なる、
請求項10記載の方法。
【請求項12】
データストリームの前記第1集合と前記第2集合は、互いに異なる数のデータストリームを有する、
請求項10記載の方法。
【請求項13】
前記方法はさらに、前記少なくとも1つの基地局から信号Yを受信することを有し、
前記第1データストリームはデータストリームの第1集合Sの一部であり、
前記第2データストリームはデータストリームの第2集合S’の一部であり、
S=[SS’は、データストリームの前記第1集合と前記第2集合との複数のデータストリームであり、
Y=[H][SS’=HVSであり、
上付き文字「T」は行列転置を示し、
[H]は実効チャネル行列であり、
【数1】
ijはアンテナ集合iからデータストリーム集合jまでのプリコーダ行列であり、
H=[H]は、全物理的アンテナから受信アンテナまでのチャネルである、
請求項7記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直交周波数分割多重アクセス接続(OFDMアクセス接続)を通じてデータを伝送する方法とシステムに関する。本発明は更に、データ伝送の復調における参照記号の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代提携プロジェクト(3GPP)は、世界的に適用可能な次世代普遍的無線アクセス(E−UTRA:Evolved Universal Terrestrial Radio Access)に基づき物理層を用いるロングタームエボルーション(LTE)標準を開発している。ロングタームエボルーションのリリース8規格において拡張ノードB(eNB)と称されるロングタームエボルーション基地局は、信号を一部のユーザ装置(UE:User Equipment)に送信すべく、4アンテナの配列を使用し得る。
【0003】
ユーザ装置は、チャネル推定すべく送信機から送信されたパイロット信号または参照記号(RS:Reference Symbol)、それに続くデータ復調およびレポートするリンク品質測定に依存する。フィードバックのリンク品質測定は、ランク、すなわち共通リソースで送信されるデータストリーム数のような空間パラメータ;プリコーディング行列インデックス(PMI);および変調誤り訂正方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)またはチャネル品質情報(CQI)などの符号化パラメータを含み得る。更にリンク品質測定は、支援フィードバックモードのうちの一つで拡張ノードBによって命令されると、周期的または非周期的にリポートされ得る。リポートは、パラメータの広帯域またはサブバンド周波数選択的情報を含み得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2008/115588号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
直交周波数分割多重ネットワークでデータを伝送する方法、ネットワーク基地局、およびユーザ装置が、開示される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ネットワーク基地局は、少なくとも1つの共通参照記号(CRS:Common Reference Symbol)に基づき構成可能な第1実効チャネルを介して副搬送波で伝送すべく、共通アンテナ集合を備え得る。ネットワーク基地局は、少なくとも1つの専用参照記号(DRS:Dedicated Reference Symbol)に基づき推定可能な第2実効チャネルを介して副搬送波で伝送すべく、専用アンテナ集合を備え得る。ユーザ装置は、少なくとも1つの共通参照記号と少なくとも1つの専用参照記号とを用いて、データ伝送を復調し得る。
【0007】
これらの図面は、本発明の典型的な実施形態だけを示しているので、その範囲を制限するものと考えるべきではないことを理解しながら、本発明は、添付の図面を用いることによって更に別の特殊性および詳細が記載および説明されることになる。
【0008】
本発明の更に別の特徴および利点は、以下の説明において示され、或る程度、説明から明らかになるか、または本発明を実行することによって知り得る。本発明の特徴および利点は、添付の特許請求の範囲において詳細に指摘される手段および組合せを用いることによって、理解および獲得され得る。本発明のこれらの特徴と他の特徴は、以下の説明および添付の特許請求の範囲から更に十分明らかになり得るか、または本明細書において示されるように、本発明を実行することによって分かり得る。
【0009】
本発明の種々の実施形態は、以下で詳細に考察される。特定の実装が考察されるが、当然のことながらこれは、例示するためだけに行われる。当業者は、他の構成要素および構成が、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく用いられ得ることを認識するだろう。
【0010】
本発明は、方法、装置および電子機器などの様々な実施形態、および本発明の基本的構想に関する他の実施形態を含む。電子機器は、任意の様式のコンピュータ、携帯機器または無線通信装置であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】通信システムの一実施形態。
図2】基地局の機能を果たすコンピューティングシステムの構成。
図3】ユーザ装置の一実施形態のブロック線図。
図4】直交周波数分割多重システムにおける枠組構造の一実施形態。
図5】リソースブロックの一実施形態のブロック線図。
図6】共通参照記号に基づく復調の一実施形態のブロック線図。
図7】専用参照記号に基づく復調の一実施形態のブロック線図。
図8】共通参照記号と専用参照記号の組合せに基づく復調の一実施形態のブロック線図。
図9】参照記号と共にデータを伝送する方法の一実施形態のフローチャート。
図10】参照記号を用いてデータ伝送を復調する方法の一実施形態のフローチャート。
図11】実効チャネルの一実施形態のブロック線図。
図12】リンク品質測定の一実施形態のブロック線図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、ロングタームエボルーション(LTE)通信システム100の一実施形態を例示する。ロングタームエボルーション搬送波通信システム100が、開示されているが、他の様式の通信システムを本発明に使用し得る。ロングタームエボルーションユーザ装置(UE)102は、ロングタームエボルーションネットワーク基地局106を介して遠隔通信ネットワーク104にアクセスし得る。種々の通信装置は、ネットワーク104を介してデータまたは情報を交換し得る。ネットワーク104は、次世代普遍的無線アクセス(E−UTRA)、または他の様式の遠隔通信ネットワークであり得る。一実施形態では、ユーザ装置102は、携帯電話、ノート型パソコン、または携帯情報端末(PDA)などの幾つかの様式の手動操作機器か携帯機器のうちの1つであり得る。一実施形態では、ユーザ装置102は、WiFi(登録商標)が可能なデバイス、WiMAX(登録商標)が可能なデバイス、または他の無線デバイスであり得る。
【0013】
ネットワーク基地局106は、ユーザ装置102にデータ伝送を行う物理的アンテナの完全集合か部分集合108を備え得る。物理的アンテナの部分集合を備えるネットワーク基地局106は、データ伝送送信を行うべく、1または複数の他のネットワーク基地局106と協調し得る。データ伝送は、データの様式または伝送形態に関わらずデータを送信する動作であり得る。データ伝送は、1または複数の実効チャネルを介する1または複数のデータストリームを含み得る。アンテナポートは、ユーザ装置102が観測可能な実際のチャネルまたは実効チャネルに関連付けられ得る。1つの物理的アンテナ108は、アンテナポートが実際の物理的アンテナに対応する単一のアンテナポートに直接マップし得る。物理的アンテナおよび対応アンテナポートは、本発明のために互換的に称され得る。また物理的アンテナの集合か部分集合108、すなわちアンテナ集合108は、各々の物理的アンテナ108の信号に複合重付け、巡回遅延、またはその両方を適用後、1または複数のアンテナポートにマップされ得る。物理的アンテナ集合108は、単一の基地局106由来か、または多重基地局106由来のアンテナを備え得る。重付けは、巡回遅延ダイバーシティ(CDD)などのアンテナ仮想化方式におけるように付けられ得る。関連パイロットは、全ユーザ装置102に共通であり得る。物理的アンテナ108からアンテナポートを得るために用いられる手順は、基地局106実装に特異的であり得ると共にユーザ装置102に透過的であり得る。
【0014】
基地局106は、各々のアンテナ信号に複合値を重付けすることによって、直交周波数分割多重(OFDM)副搬送波で信号をユーザ装置102に伝送し得る。プリコーディングと称される動作は、数1の行列方程式によって数学的に示され得る。
【0015】
【数1】
数1は、1つのデータストリーム、すなわちランク1を伝送する場合、以下によって示され得る。
【0016】
【数2】
また数1は、2つのデータストリーム、すなわちランク2を伝送する場合、以下によって示され得る。
【0017】
【数3】
式中、y・・・yNRは、それぞれユーザ装置受信アンテナ#1〜#Nでの受信データであり得る。ランク1伝送、すなわち“s”で示される1データストリームの伝送に関する実施形態において、Vは、それぞれ基地局106伝送アンテナ#1〜#Nの重みv・・・vNTを有するプリコーディングベクトルであり得る。ランク2伝送、すなわち同じ副搬送波での2つのデータストリーム、s1とs2の伝送に関する実施形態において、Vは、プリコーディング行列であり得る。行列Hは、送信アンテナと受信アンテナの間の伝搬チャネル行列であり得る。入力hijは、第j送信アンテナと第i受信アンテナの間のチャネルを示す。値nは、雑音と干渉を示し得る。ベクトルか行列のうちの何れかのプリコーディング重付けVは、一般に、特にユーザ装置102のチャネル、すなわちユーザ装置特有のチャネルに基づき基地局106によって測定され得る。プリコーディング重付けは、予め設定されたベクトルまたは行列の集合からなる所定コードブックに拘束されるかもしれないし、されないかもしれない。拘束プリコーディングの実施形態において、プリコーディング行列は、プリコーディング行列インデックス(PMI)、すなわち所定コードブック内のプリコーディング行列のインデックスによって効率的に信号で伝えられ得る。用語「行列」は、ベクトルの変性した特殊例を含み得る。最も一般的な意味において、用語「プリコーディング」は、行列Vを用いてデータストリーム集合をアンテナ集合にマッピングすることとみなされ得る、任意の可能な伝送方式を指し得る。用語「プリコーディング」は、巡回遅延ダイバーシティ(CDD)などの非重付けアンテナおよび任意のアンテナ仮想化方式による特殊な「プリコーディング」としての「オープンループ」伝送を含み得る。
【0018】
共通参照記号(CRS)すなわちセル固有参照記号は、セルにおけるユーザ装置を対象とする基地局106から送信され得る。共通参照記号場所およびパターンは、セルによって互いに異なり得るので、用語「セル固有」であるが、セルの全ユーザ装置によって用いられ得るので、用語「共通」である。共通参照記号は、物理的アンテナポートまたは「仮想」アンテナポートに対応し得る。仮想化プロセスは、一定の方法で同じ信号を伝送する放射素子群を備え得る。仮想化プロセスにおいて信号は、基地局106実装に基づき事前に決められ得るが、そうでなければ全ユーザ装置102に共通および透過的であり得る。
【0019】
専用参照記号(DRS)、すなわちユーザ固有のパイロットは、特定ユーザ装置102を対象とし得る。典型的動作において、専用参照記号は、ユーザに割当てられた副搬送波かサブバンドなどのユーザの配分内に組込まれ得る。専用参照記号は通常、プリコード化参照記号に対応し得る。プリコーディングは、データ記号のプリコーディングと類似の方法で実行され得る。実際に適用されるプリコーディングは、ユーザ装置102固有であり得ると共に、ユーザ装置102からの対応フィードバックまたは基地局106でのチャネル測定結果に基づき得る。
【0020】
プリコード化データを復号するため、ユーザ装置102は、ユーザ装置102によって見られるような実効チャネルまたは同等チャネルなどの、データ記号によって認められるようなチャネルを推定し得る。一般的に実効チャネルは、少なくとも1つのデータストリームと受信信号の間のチャネルとみなされ得ると共に、適用されれば、プリコーディングの効果を含み得る。従って数学形式において、実効チャネルは、データストリーム数に依存する次元の行列であり得る。従って用語「実効チャネル」および「実効チャネル行列」は、互換的に用いられ得る。前述の方程式で表わされるようなプリコーディング動作例において、データ復調の実効チャネル行列は、HVであり得る。実効チャネル行列の次元は、ユーザ装置102での受信アンテナ数と伝送されるランク、すなわちデータストリーム数によって決定され得る。2以上のランクのデータ伝送に関する実施形態において、実効チャネル行列は、データストリームの部分集合に対応する部分行列の集合を備え得る。実効チャネル行列は、適用時の伝搬チャネル行列Hと公知のプリコーディング行列Vを推定することによって、ユーザ装置102で得られ得る。実効チャネル行列は、実効チャネルを直接推定することによっても得られ得る。
【0021】
通常、ユーザ装置102は、受信データを復調するため、両方ではなく共通参照記号か専用参照記号の何れかに依存し得る。受信データの復調は、更に復号すべく各々の伝送ビットに対して、或る種のメトリックを受信信号から抽出する受信機プロセスを指し得る。メトリックは、対数尤度比(LLR)または、たとえばターボ復号に用いられる同様のメトリックなどのビットレベル信頼メトリックであり得る。復調は、共通参照記号か専用参照記号の何れかから得られる実効チャネルの情報を用い得る。たとえば共通参照記号は、ユーザ装置102がアンテナポートに対応するチャネルを推定できるようにし得る。基地局106は、ダウンリンクで適用されたプリコーディング行列インデックスを信号で伝え得る。プリコーディング行列インデックスの情報によって、実効チャネルが、少なくとも1つの共通参照記号に基づき構成され得る。ユーザ装置102は、プリコーディング重付けを知る必要なく、専用参照記号から直接実効チャネルを推定し得る。専用参照記号の伝送時、基地局106は、非拘束プリコーディング重付けを適用すべく、さらにフレキシビリティを備え得る。何故ならこれらのプリコーディング重付けは、ユーザ装置102に信号で伝えられなくても良いからである。共通参照記号は、復調目的の代わりに測定目的にもユーザ装置で伝送され得る。測定結果は、ハンドオーバに有用なリンク品質測定結果および受信電力測定結果を含み得る。
【0022】
ユーザ装置102は、共通アンテナ集合110に関連付けられた1または複数のアンテナポートに対応する共通参照記号を受信し得る。ユーザ装置102は、ユーザ装置102に固有の専用参照記号も受信し得る。専用参照記号は、専用アンテナ集合112に関連付けられた1または複数のアンテナポートに対応し得る。共通アンテナ集合110とは対照的に、専用アンテナ集合112は、特定のユーザ装置102へのデータ伝送において用いられるアンテナを備え得る。共通アンテナ集合110と専用アンテナ集合112は、1または複数の物理的アンテナまたは仮想アンテナを備え得る。共通アンテナ集合110および専用アンテナ集合112は、互いに異なり得る。また共通アンテナ集合110と専用アンテナ集合112は、少なくとも1つのアンテナを共通して備え得る。共通アンテナ集合110は、1よりも多い基地局106上のアンテナを含み得る。専用アンテナ集合112は、1よりも多い基地局106上のアンテナを含み得る。第1基地局106は、共通アンテナ集合110のアンテナを備え得るが、第2基地局106は、専用アンテナ集合112のアンテナを備え得る。
【0023】
ユーザ装置102は、たとえばその供給基地局などの第1ネットワーク基地局から送信された共通参照記号または専用参照記号を受信し得る。ユーザ装置102は更に、協調多点伝送の実施例において第2ネットワーク基地局106から送信された共通参照記号または専用参照記号を同時に受信し得る。協調多点伝送は、1よりも多い基地局106が、同じユーザ装置102に同時に伝送し得る伝送方式である。ユーザ装置102は、データを復号すべく両実効チャネルの複合情報を用い得る。協調多点動作において、ユーザ装置102は、共通アンテナ集合110から、更に専用アンテナ集合112からも参照記号を受信し得る。
【0024】
基地局106は、第1実効チャネルを介して副搬送波で送信すべく、共通アンテナ集合110を使用し得る。ユーザ装置102は、少なくとも1つの共通参照記号に基づき第1実効チャネルを構成可能であり得る。基地局106は、第1ユーザ装置に伝送すべく第1実効チャネルを用い得る。基地局106は、第2実効チャネルを介して副搬送波で伝送すべく専用アンテナ集合112を使用し得る。ユーザ装置102は、少なくとも1つの専用参照記号に基づき第2実効チャネルを構成可能であり得る。基地局106は、第1ユーザ装置に伝送すべく第2実効チャネルを用い得る。また基地局106は、第2ユーザ装置に伝送すべく第2実効チャネルを使用し得る。
【0025】
図2は、基地局106の機能を果たすコンピューティングシステムの可能な構成を例示する。基地局106は、バス270によって接続される、基地局コントローラ/プロセッサ210、基地局メモリ220、基地局データベースインタフェース230、基地局送受信機240、基地局入出力(I/O)インタフェース250、および基地局ネットワークインタフェース260を含み得る。基地局106は、たとえばMicrosoft WINDOWS(登録商標)、UNIX(登録商標)、またはLINUX(登録商標)などの任意の動作システムを実装し得る。クライアントサーバ型のソフトウエアは、C,C++,JAVA(登録商標)またはVisual Basicなどの任意のプログラミング言語で記載され得る。サーバ型ソフトウエアは、たとえばJava(登録商標)サーバまたはNET(登録商標)フレームワークなどのアプリケーションフレームワーク上で動き得る。
【0026】
基地局コントローラ/プロセッサ210は、当業者にとって公知の任意のプログラムプロセッサであり得る。しかし意志決定支援方法はまた、汎用コンピュータか特殊用途コンピュータ、プログラムマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ、周辺集積回路要素、アプリケーション特有の集積回路または他の集積回路、たとえば個別素子回路などのハードウエア/電子論理回路、たとえばプログラマブル論理アレー、フィールドプログラマブルゲートアレーなどのプログラマブル論理装置で実行され得る。一般的に本明細書において記載されるような意志決定支援方法を実行可能な任意の装置は、本発明の意志決定支援システム機能を実行すべく用いられ得る。
【0027】
基地局メモリ220は、たとえばランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュ、ハードドライブ、または他のメモリ装置などの1または複数の電気メモリ、磁気メモリまたは光メモリを含む揮発性と不揮発性のデータ記憶を含み得る。メモリは、特定のデータへのアクセスを加速すべくキャッシュを備え得る。基地局メモリ220はまた、コンパクトディスク−読取専用メモリ(CD−ROM)、デジタルビデオディスク−読取専用メモリ(DVD−ROM)、DVD読書入力、テープドライブ、または媒体コンテンツをシステム内に直接アップロードできるようにする他の着脱式メモリ装置に接続され得る。
【0028】
データは、メモリ内か別個のデータベース内に保存され得る。基地局データベースインタフェース230は、データベースにアクセスすべく基地局コントローラ/プロセッサ210によって使用され得る。データベースは、ユーザ装置102をネットワーク104に接続すべく任意の書式設定データを含有し得る。
【0029】
基地局送受信機240は、ユーザ装置102とデータ接続を生じさせ得る。送受信機は、基地局106とユーザ装置102間にダウンリンクとアップリンク制御チャネルおよびダウンリンクとアップリンクデータチャネルを生じさせるべく、共通参照記号ポートまたは専用参照記号ポートを介してアンテナ集合を使用し得る。
【0030】
基地局I/Oインタフェース250は、キーボード、マウス、ペン操作式タッチスクリーンかモニタ、音声認識装置、または入力を受け入れる何れかの他のデバイスを含み得る1または複数の入力デバイスに接続され得る。基地局I/Oインタフェース250は、たとえばモニタ、プリンタ、ディスクドライブ、スピーカ、または出力データに提供される任意の他のデバイスなどの1または複数の出力デバイスにも接続され得る。基地局1/Oインタフェース250は、ネットワーク管理者からデータタスクまたは接続基準を受信し得る。
【0031】
基地局ネットワーク接続インタフェース260は、通信装置、モデム、ネットワークインタフェースカード、送受信機、またはネットワーク104から信号を送受信可能な任意の他のデバイスに接続され得る。基地局ネットワーク接続インタフェース260は、クライアントデバイスをネットワークに接続すべく用いられ得る。基地局106の構成要素は、たとえば電気バス270を介して接続され得るか、または無線でリンクされ得る。
【0032】
クライアント型ソフトウエアおよびデータベースは、基地局メモリ220から基地局コントローラ/プロセッサ210によってアクセスされ得ると共に、たとえばデータベースアプリケーション、文書処理アプリケーション、および本発明の意志決定支援機能性を具体化する構成要素を含み得る。基地局106は、たとえばMicrosoft Windows(登録商標)、LINUX(登録商標)、またはUNIX(登録商標)などの何れかの動作システムを実装し得る。クライアントサーバ型ソフトウエアは、たとえばC,C++、JAVA(登録商標)またはVisual Basicなどの何れかのプログラミング言語で記載され得る。要求されないが、本発明は、汎用コンピュータなどの電子機器によって実行される、プログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令の一般的状況に関連して、少なくとも部分的に記載される。一般的にプログラムモジュールは、特定のタスクを実施するか、または特定の抽象データ型を実行するルーティンプログラム、オブジェクト、成分、データ構造などを含む。しかも当業者は、本発明の他の実施形態が、パーソナルコンピュータ、手動操作機器、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサ型かプログラム可能な家庭用電子機器、ネットワークPC、小型コンピュータ、大型汎用コンピュータなどを含む多くの様式のコンピュータシステム構成を備えるネットワークコンピューティング環境において実行され得ることを理解するだろう。
【0033】
図3は、ユーザ装置102の機能を果たすことが可能なユーザ装置300または端末の一実施形態をブロック線図で例示する。ユーザ装置300は、ネットワーク104に保存された情報またはデータにアクセスすることが可能であり得る。本発明の幾つかの実施形態において、ユーザ装置300はまた、ネットワーク104と様々な通信を実行すべく1または複数のアプリケーションを支援し得る。ユーザ装置300は、たとえば携帯電話、ノート型パソコン、または個人用デジタル補助装置(PDA)などの手動操作機器であり得る。本発明の幾つかの実施形態では、ユーザ装置300は、データのため、またはVOIPを用いる音声によってネットワーク104にアクセスすべく用いられ得るWiFi(登録商標)が可能なデバイスであり得る。
【0034】
ユーザ装置300は、ネットワーク104を通じてデータを送受信可能なユーザ送受信機302を含み得る。ユーザ装置300は、保存プログラムを実行するユーザプロセッサ304を含み得る。ユーザ装置300は、ユーザプロセッサ304によって用いられる揮発性メモリ306と不揮発性メモリ308も含み得る。ユーザ装置300は、たとえばキーパッド、ディスプレイ、タッチスクリーンなどの要素を備え得るユーザ入力インタフェース310を含み得る。ユーザ装置300は、表示画面と、たとえばマイクロホン、イヤホン、およびスピーカなどの要素を含み得る音声インタフェース312とを含み得るユーザ出力デバイスも含み得る。ユーザ装置300は、たとえばユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェースの更に別の要素が取り付けられ得る構成要素インタフェース314も含み得る。最後にユーザ装置300は、電力供給316を含み得る。
【0035】
図4は、OFDMシステム400における枠組構造の一実施形態を例示する。基地局106は、復調すべくユーザ装置102が両ドメインにおけるチャネル情報を得られるように時間と周波数副搬送波の両ドメインの参照記号を送信し得る。アンテナポートに対応する共通参照記号(CRS)402の部分集合は、ユーザ装置102が全バンドに対して1つのチャネルを推定できるように全システム帯域にわたって分散され得る。共通参照記号402が、データを復調すべくユーザ装置102によって用いられる場合、共通参照記号402の部分集合は、ユーザ装置102がチャネルの時間変化も追跡し得るように、タイムスロット、またはフレームにわたって分散され得る。専用参照記号(DRS)404は、特定のユーザ装置102またはユーザ装置の部分集合102が、特有の実効チャネルを得られるようにすべく、送信され得る。これを達成するため、基地局106は、ユーザ固有の配分リソース領域に専用参照記号404を組込み得る。時間と周波数ドメインにおける副搬送波リソースは、たとえばリソースブロック(RB)などの或る基本単位に分割され得る。ユーザ装置固有の配分は、リソースブロックの連続または不連続集合の何れかを占め得る。異種リソースブロック406は、共通参照記号402と専用参照記号404の両方を含み得るが、同種リソースブロック408は、共通参照記号402だけか、専用参照記号404だけを含み得る。
【0036】
図5は、リソースブロック500の一実施形態をブロック線図で例示する。ロングタームエボルーション規格におけるリソースブロックは、部分フレームを形成する2つのスロット502を備えるスロットに広がり得る。リソースブロック500内の共通参照記号場所は、幾つかの部分集合に分けられ、各々は、互いに異なるアンテナポートに関連付けられ得る。たとえばリソースブロック500は、それぞれアンテナポート#0に関連付けられた第1共通参照記号部分集合504と、アンテナポート#1に関連付けられた第2共通参照記号部分集合506とを備え、各々の部分集合は、リソースブロック500において4つの場所を有し得る。更にリソースブロック500は、アンテナポート#2に関連付けられた第3共通参照記号部分集合508と、アンテナポート#3に関連付けられた第4共通参照記号部分集合510とを備え得る。基地局106から伝送された任意の共通参照記号に加えて、更に別の専用参照記号も、ユーザ装置固有の配分内で伝送され得る。リソースブロック500は、アンテナポート#5に関連付けられた専用参照記号512の集合、この実施例においては6つの専用参照記号512を備え得る。実際のアンテナであるよりはむしろ、アンテナポート#5は、基地局106が、物理的アンテナ集合108にプリコーディングを適用した後、ユーザ装置102で見られる実効チャネルに対応し得る。ユーザ装置102の観点から参照記号は、対応チャネルを介してアンテナポートから送信され得るが、参照記号は、プリコーディング動作において物理的アンテナの全集合か部分集合から実際に送信され得る。プリコーディングは、実効チャネルを得るべく重付けベクトルが、専用アンテナ集合に適用され得るビーム形成の形態を取り得る。
【0037】
ユーザ装置102は、共通アンテナポートから得られる適当なフィードバックによって、測定を行い得ると共に、そのユーザ装置102の空間パラメータの測定において基地局106を支援し得る。そのようなフィードバックは、性能を改善すべくユーザ装置固有の重付けを同時に適用するために用いられ得る。基地局106は、何れのユーザ装置フィードバックもなしに、たとえばアップリンク−ダウンリンクチャネル相互依存を用いて時分割二重(TDD)システムにおいて空間パラメータを取得し得る。2つの様式のデータ復調動作は、共通参照記号402か専用参照記号404に基づきユーザ装置102で実施され得る。
【0038】
図6は、共通参照記号に基づく復調600の一実施形態をブロック線図で例示する。共通参照記号に基づく方法において、ユーザ装置102は、アンテナポート#0に対応する共通参照記号602の部分集合を受信し、その後、共通参照記号602の部分集合を共通参照記号に基づくチャネル推定器604に送ることによって、アンテナ#0に対応する周波数と時間にわたるチャネルを取得し得る。同様にユーザ装置102は、アンテナ#1から#N−1にそれぞれ対応する共通参照記号602の部分集合の処理を実行し得る。実効チャネル計算機606は、各々のアンテナポートに対するチャネル推定器604由来のチャネルを用いることによって、ユーザ装置102に信号で送られたプリコーディング情報608に基づき、各々のプリコード化データストリームの実効チャネルを構成し得る。プリコーディング情報は、たとえばプリコーディング重付けなどの伝送パラメータをプリコーディング行列インデックスの形式で伝達し得る。ランク2方程式に戻って参照すると、各々のユーザ装置102受信アンテナから各々の基地局106送信アンテナまでのチャネルの共通参照記号に基づく推定値は、行列形式Hで示され得る。ビットメトリック計算機610は、実効チャネルHVと受信信号612を用いることによって、各々のデータストリームでの各々の送信ビットに対するビットメトリックを計算し得る。各々の副搬送波で生じる受信信号とデータ記号の関係を示す信号モデルは、受信機処理が、最大合成比(MRC)、最小平均二乗誤差(MMSE)のような線形処理、または最大尤度(ML)復号のような非線形処理の何れであり得るかに基づき、周知の単一入力多重出力(SIMO)または多重入出力(MIMO)モデルを示し得る。複合器614は、そのようなビットメトリックを処理することによって、情報ビット616を取得し得る。
【0039】
共通参照記号に基づく復調は、何れの専用参照記号404をも用いることなく済ませ得るが、ユーザ装置102は、実効チャネルを構成するため、基地局106で適用されるプリコーディングの情報を使用し得る。基地局106は、基地局の配分をユーザ装置102に命令することと一致するこのプリコーディング情報を伝達し得る。経常費を減らすため、基地局106は、プリコーディング重付けをベクトルまたは行列の所定集合由来のものに拘束し得る。たとえばロングタームエボルーション規格において基地局106は、N=4の伝送アンテナの実施形態の2ストリーム、すなわちランク2プリコーディングに16行列の集合を事前に設定し得る。基地局は、基地局のデータに用いられる対応プリコーディング重付けをユーザ装置102に通知すべく、4ビット2進値として示されるプリコーディング行列インデックスを信号で伝え得る。多くの場合において、プリコーディング重付けをコードブックに拘束することは、量子化による性能の損失につながり得る。この損失を避けるため、基地局106は、ユーザ装置102が各々のプリコード化ストリームに対応する実効チャネルを直接推定できるようにすべく、専用参照記号404を用い得る。専用参照記号404の使用によって、基地局106が非量子化、つまり最適プリコーディング行列を適用できるようにし得る。
【0040】
図7は、専用参照記号に基づく復調700の一実施形態をブロック線図で例示する。ユーザ装置102は、データストリームに対応する受信した専用参照記号702を、専用参照記号に基づくチャネル推定器704内に伝送し得る。ユーザ装置102は、更に別のデータストリームに対応する受信した専用参照記号702を、更に別の専用参照記号に基づくチャネル推定器に伝送し得る。ビットメトリック計算機706は、少なくとも1つのチャネル推定器704由来の実効チャネル行列と受信データ708を用いることによって、ユーザ装置102に向けられた各々のデータストリームでの各々の伝送ビットに対するビットメトリックを計算し得る。復号器710は、そのようなビットメトリックを処理することによって、情報ビット712を取得し得る。ユーザ装置102は、基地局106で適用される何れのプリコーディング情報も有さないので、ユーザ装置102が、上記のように測定のために共通参照記号402をなお使用し得るとしても、ユーザ装置102は、復調には共通参照記号402の代わりに専用参照記号702に依存し得る。
【0041】
専用参照記号404が用いられる場合でさえ、たとえばユーザ装置102がチャネル行列を測定できるようにし、更に幾つかのユーザ装置102に予め設定されたプリコーディングを供給する、共通の制御情報を放送伝送が含むシステムにおける全ユーザ装置102を対象とする復号放送伝送などの任意数の他の要件のため、基地局106は、なお共通参照記号402を送信し得る。通常、基地局106は、更に別のパイロットとして専用参照記号404を共通参照記号402に送信し得るが、結果的に経常費が増加する。N=4のロングタームエボルーション規格の実施例において、共通参照記号は、全副搬送波の1/7=14.3%を取り得るが、専用参照記号は、全副搬送波の別の1/14=7.1%を取り得る。非拘束プリコーディングで得られる性能向上は、さらなるパイロット経常費を代償として成り立ち得る。
【0042】
図8は、共通参照記号と専用参照記号の組合せに基づく復調800の一実施形態をブロック線図で例示する。ユーザ装置102は、アンテナポート#0由来の共通参照記号802をチャネル推定器804に伝送することによって、アンテナポート#0に対応するチャネルを推定し得る。同様に他のアンテナポートに対応する他のチャネルは、他の共通参照記号802に基づき推定され得る。同時にユーザ装置102は、受信した専用参照記号808を、1または複数の専用参照記号に基づくチャネル推定器810に伝送し得る。
【0043】
実効チャネル計算機812は、1または複数の専用参照記号に基づくチャネル推定器810の出力と、1または複数の共通参照記号に基づくチャネル推定器804の出力とに基づき、少なくとも1つのデータストリームに対応する実効チャネル行列を構成し得る。実効チャネルの構成は、プリコーディング情報806も用い得る。ビットメトリック計算機814は、構成された実効チャネル行列と受信データ816を用いることによって、復号器818が更に、ビットメトリックを情報ビット820に復号する前に、少なくとも1つのデータストリームのビットメトリックを計算し得る。
【0044】
実効チャネル計算機812で構成された実効チャネル行列は、第1実効チャネル部分行列と第2実効チャネル部分行列を有し得る。少なくとも1つのデータストリームは、共通参照記号に基づくチャネル推定器804によって推定されたチャネルに基づき構成され得る第1実効チャネルを介して送信され得る。データストリームの第1集合は、1または複数のデータストリームを指し得る。データストリームの第1集合は、プリコーディング行列インデックスなどの公知のプリコーディング情報806が、ユーザ装置102によって使用され得る場合、プリコーディング行列インデックス拘束下でオープンループ方式またはプリコーディング方式で送信され得る。少なくとも1つのデータストリームは、専用参照記号に基づくチャネル推定器810によって直接推定された第2実効チャネルを介して送信され得る。データストリームの第2集合は、1または複数のデータストリームを指し得る。
【0045】
データストリームの第1集合と第2集合は、互いに同じか、互いに異なるか、部分的に同じであり得る。共同集合のデータストリームは、単一ユーザ装置102または多重ユーザ装置102を対象とし得る。多重ユーザ装置の実施形態において、第1実効チャネル部分行列は、第1ユーザ装置102を対象とする第1集合のデータストリームに対応し、第2実効チャネル部分行列は、第2ユーザ装置102を対象とする第2集合のデータストリームに対応し得る。他のデータストリームを干渉として処理している間に、第1ユーザ装置102または第2ユーザ装置102は、それ自体を対象とするデータ伝送を復調し得る。全実効チャネル行列が構成されると、ユーザ装置102は、干渉除去受信機を用い得る。
【0046】
図9は、参照記号と共にデータを伝送する方法900の一実施形態をフローチャートで例示する。ネットワーク基地局106は、第1実効チャネルを介して副搬送波で、少なくとも1つの共通参照記号402を含むデータを伝送すべく共通アンテナ集合110を用い得る(ブロック902)。第1実効チャネル部分行列は、少なくとも1つの共通参照記号に基づき構成され得る。ネットワーク基地局106は、第2実効チャネルを介して副搬送波で、少なくとも1つの専用参照記号404を含むデータを伝送すべく専用アンテナ集合112を用い得る(ブロック904)。ネットワーク基地局106は、周波数分割二重(FDD)伝送かTDD伝送としてデータを送信し得る。共通アンテナ集合110と専用アンテナ集合112は、1または複数の物理的アンテナか仮想アンテナを備え得る。共通アンテナ集合110と専用アンテナ集合112は、互いに異なり得るか、少なくとも1つのアンテナを共通して備え得る。
【0047】
ユーザ装置復調に共通参照記号402と専用参照記号404の両方を用いることは、ネットワーク基地局106で追加数の送信機アンテナを扱う場合に有用になり得る。たとえばロングタームエボルーションリリース8規格などの第3世代提携プロジェクト(3GPP)における世代普遍的無線アクセス規格の特定例において、4つの送信機が、ネットワーク基地局106によって支援され得る。ネットワーク基地局106は、4送信機アンテナの各々に対応する共通参照記号402を伝送することによって、ユーザ装置102が、4アンテナの各々に対応するチャネルを推定できるようにし得る。ユーザ装置102は、最適な4アンテナプリコーディング重付けを測定し、その情報をプリコーディング行列インデックス形式でネットワーク基地局106に戻し得る。
【0048】
ネットワーク基地局106が、物理的アンテナ数を8まで増やすと、ネットワーク基地局106は、4送信機ネットワーク基地局106が与え得るよりも大きなプリコーディングゲインを潜在的に与え得る。しかし、レガシーユーザ装置102は、最大4アンテナポートに対応する共通参照記号402を受信し得るが、8アンテナポートに対応する共通参照記号402を処理することは不可能である。この実施形態において、共通参照記号402と専用参照記号404の両方に基づきデータを復調するユーザ装置102への伝送は、復調すべく共通参照記号402のみに依存する伝送よりも優れたプリコーディング性能を与え得る。同様に、発生経常費は、専用参照記号のみに依存する伝送方式よりも低くなり得る。
【0049】
ネットワーク基地局106は、全部で8アンテナの共通アンテナ集合110を各々が共通参照記号集合402に関連付けられた4つの仮想アンテナポートにマップし得る。たとえば基地局106は、仮想アンテナポートを形成すべく、巡回遅延ダイバーシティ(CDD)方式を介して2つの物理的アンテナを対にし得る。基地局106は、得られた4つの仮想アンテナポートに重付けを適用し得る。前記仮想アンテナポートから第1集合のデータストリームが、個々のユーザ装置に送信される。ユーザ装置102のプリコーディング行列インデックス推奨も、プリコーディングが、4つの仮想アンテナに適用され得るという前提に基づき得られ得る。
【0050】
第2集合のデータストリームでは、基地局106は、全部で8つのアンテナを備える専用アンテナ集合112を使用し得る。基地局106は、4仮想アンテナのチャネルに適合されるよりはむしろ、全部で8アンテナに対応する空間チャネルに適合されるプリコーディング行列でより最適な8送信機プリコーディングを実行し得る。基地局106が、全部で8アンテナに共通参照記号402を提供できない場合、ユーザ装置102は、実効チャネルを得るべく、専用参照記号404に依存し得る。
【0051】
共通参照記号402と専用参照記号404の両方を用いてユーザ装置102にデータを復調させることによって、ネットワーク基地局106は、専用参照記号パターンが、単一のストリームに対して規定される場合でさえ、例としてランク2すなわち2データストリーム動作を支援し得る。ネットワーク基地局106は、第1ストリームが、4仮想アンテナに適用されるプリコーディングで準最適な方式を用いて送信され、第2ストリームが、より最適な真の8送信機プリコーディング方式を用い得ることをユーザ装置102に通知し得る。第1ストリームに対応する第1実効チャネル部分行列は、共通参照記号402に基づき構成され得るが、第2ストリームに対応する第2実効チャネル部分行列は、専用参照記号404から推定され得る。共通参照記号402と専用参照記号404の両方を用いることによって、従来式に代わる、さらに最適な、ランク2の専用参照記号の専用構成がより低いパイロット経常費で提供され得るが、同様に性能が低下する可能性もよくある。共通参照記号専用構成と比較して、専用参照記号404の導入による追加経常費は、そのストリームに非拘束プリコーディング戦略を用いる可能性があるため、専用参照記号404に基づき改善された第2ストリームの性能によって正当化され得る。チャネル推定の観点からユーザ受信機102処理の複雑さは、ランク1の専用参照記号404が受信され得るシナリオと変わらなくなり得る。共通参照記号(CRS)に基づくチャネル推定は、すでに測定条件に適合するように支援され得る。
【0052】
一実施形態において共通アンテナ集合110は、利用可能なN送信機アンテナの部分集合としてNCRS<Nアンテナを備え得る。共通アンテナ集合に対応するチャネル部分行列Hは、N×NCRSのサイズを備え得る。Nは受信機アンテナの数である。ユーザ装置102は、Hと信号プリコーディング行列インデックスVに基づき構成される第1実効チャネル部分行列Hを取得し得る。これは、NCRS×NCRS行列であり、NCRSは、たとえばH=HVなどのプリコーディング行列インデックスに基づくプリコーディングを用いて送信されるデータストリーム数である。ユーザ装置102は、直接専用参照記号(直接DRS)404に基づき第2実効チャネル部分行列、サイズN×NDRSのHを取得し得る。NDRSは、非拘束プリコーディングを用いるデータストリーム数であり、Hは、例えばN×NDRSの次元を有する。
【0053】
一般的にユーザ装置102での受信信号モデルは、Y=HS+HS’として示され得る。式中、SとS’は、それぞれ第1集合と第2集合のデータストリームである。第1集合と第2集合のデータストリームは、互いに同じか、互いに異なるか、または部分的な重なり部分を有し得ると共に、互いに異なる数のストリームを備え得る。S=S’の場合、伝送されるデータストリーム数は、NCRSに匹敵するNDRSであり得る。共通参照記号402は、専用参照記号404と共に使用され得る。このシナリオにおいてH+Hは、共通参照記号402と専用参照記号404の両方に依存する実効チャネルであり得る。
【0054】
しかし、SとS’が互いに異なる場合、ユーザ装置102を対象とする総データストリーム数は、Nがこの数よりも大きいと仮定すると、NDRS+NCRSであり得る。この実施形態の一般化信号モデルは、Y=[H][SS’として記載され得る。式中、上付き文字「T」は、行列転置を示し、[H]は、完全実効チャネル行列であり得る。部分行列は、共通参照記号402と専用参照記号404から得られる。変数[SS’は、共通参照記号402と専用参照記号404に関連付けられた複数のデータストリームであり得る。第1集合と第2集合のデータストリーム、SとS’はまた、部分的重なり部分を有し得る。プリコーディングに関して、プリコーディング行列Vは、入力の何れかがゼロである必要はない無限ケースと称せられる、一般N×(NCRS|NDRS)行列であり得る。一実施形態において、物理的アンテナは、対応チャネル部分行列を備える2つのアンテナ部分集合に分割され得る。全物理的アンテナから受信アンテナまでのチャネルは、H=[H]と示される。ユーザ装置102は、共通参照記号402由来のこのチャネルの部分と、個別に信号化される低密度共通参照記号402由来のチャネルの部分とを推定し得る。無限プリコーダ行列は、以下の部分行列のブロックによって示され得る。
【0055】
【数4】
式中、Vijは、アンテナ集合iからデータストリーム集合jまでのプリコーダ行列を示し得る。一実施形態において各々の集合のデータストリームは、等数のデータストリームを有し得る。
【0056】
一実施例において、プリコーディング行列は、制限型
【0057】
【数5】
であり得る。
【0058】
式中、V11は、共通参照記号402に適用されると共にユーザ装置102に信号で伝えられるべきプリコーディング行列インデックスに拘束され得るが、V22は、非拘束プリコーディングであり得る。ネットワーク基地局106は、それぞれ共通参照記号と専用参照記号404に対応する各々の部分集合のアンテナに対して個別のプリコーダを使用し得るが、これらのプリコーダは、連帯して決定され得る。一実施形態において、共通アンテナ集合110と専用アンテナ集合112は、互いに異なり得る。その共通アンテナ集合110は、1からNCRSのアンテナを備え、専用アンテナ集合112は、NCRS+1からNのアンテナを有する。
【0059】
制限プリコーダの別の実施例において、ブロック上三角行列
【0060】
【数6】
はまた、Y=[H11S+(H12+H22)S’]のようにユーザ装置102で受信される信号のモデルを与えるべく用いられ得る。式中、Sは、共通参照記号に関連付けられたデータストリームのNCRS×1ベクトルであり得るが、S’は、専用参照記号404に関連付けられたデータストリームのNDRS×1ベクトルであり得る。この信号モデルは、共通参照記号402が送信アンテナの部分集合か共通アンテナ集合110から送信される場合に生じ得るが、専用参照記号404は、送信アンテナポート全てか、または共通アンテナ集合110を含み得る専用アンテナ集合112から送信され得る。
【0061】
共通参照記号402は、N×NCRSチャネルHを推定すべく用いられ得るが、ユーザ装置102は、第1実効チャネル部分行列H11を構成し得る。専用参照記号は、サイズがN×NDRSの第2実効チャネル部分行列H12+H22を推定すべく用いられ得る。V11は、ネットワーク基地局106によってプリコーディング行列インデックスとして信号で伝えられ得る。この方法によってデータストリームの第2集合は、第1集合のデータストリームよりも大きなゲインを獲得し得る。任意に各々の集合のデータストリームに配分される電力と、各々の集合に配分されるデータストリーム数とは、性能向上を提供すべく最適化され得る。
【0062】
ネットワーク基地局106で適用されるプリコーディング重付けに関して、幾つかのプリコーディング方式は、幾つかの長期チャネル統計値に基づき得るか、無作為プリコーディングを用い得るか、またはコードブックに規定されるプリコーディングを交代で行い得る。またネットワーク基地局106は、チャネル状態情報意識のビーム形成を用い得る。ネットワーク基地局106は、ネットワーク基地局106実装と二重モードに依存してアップリンクからチャネル情報を受信し得る。更に別の実施形態において、ネットワーク基地局106は、低密度パターンで4共通参照記号シグナリングを追加することによって、第2群のアンテナに関するチャネル状態情報を取得し得る。参照記号の高密度、高オーバーヘッドパターンは、副搬送波に基づく振幅と位相を含む良好なチャネル推定、およびユーザ受信機102での復調を目的とするパイロットシグナリングに対応し得る。参照記号の低密度、低オーバーヘッドパターンは、ユーザ装置102がフィードバックのチャネル測定を実行できるようにすることを目的とするパイロットシグナリングに対応し得る。フィードバックのチャネル測定は、復調のチャネル測定よりもずっとゆっくりと変化し得るので、より低密度の参照記号で十分であり得る。
【0063】
共通参照記号402と専用参照記号404を用いることが、性能向上とパイロット経常費用の間の良好な得失評価を得るのに有益であり得る別の実施形態において、共通参照記号402と専用参照記号404の複合復調方式は、協調多点伝送のため、追加数の送信機アンテナを取り扱うために用いられ得る。一実施形態において4送信機アンテナを備えるネットワーク基地局106群が展開され、2つ以上のネットワーク基地局106が、ユーザ装置102のために働くべく協調し得る。ユーザ装置102は、ユーザ装置102が取り付けられる供給基地局106のうちの1つとして共通アンテナ集合110から伝送された第1集合のデータストリームに対応する第1実効チャネル部分行列を推定すべく、共通参照記号402に依存し得る。ユーザ装置102は、他のネットワーク基地局106全てのアンテナのような、専用アンテナ集合112由来のデータストリームの第2集合に対応する第2実効チャネル行列を推定すべく、専用参照記号404に依存し得る。この実施形態において、共通アンテナ集合110と専用アンテナ集合112は、互いに異なり得る。別の実施形態において、共通アンテナ集合110と専用アンテナ集合112は、少なくとも1つのアンテナを共通して備え得る。たとえば専用アンテナ集合112は、共通アンテナ集合110を部分的または完全に含み得る。
【0064】
ユーザ装置102は、多重協調点によって供される場合、ユーザ装置102によって復調されるべきストリーム数を増やすために専用参照記号404を用い得る。OFDM部分フレームにおいて幾つかのユーザ装置102は、多重点(MP)−多重入出力(MIMO)を用いるように構成され得るが、他のユーザ装置102は、単一点(SP)−MIMOで動作し得る。SP−MIMOで動作するユーザ装置は、4共通参照記号402を備えた参照記号構造を用い得る。MP−MIMOモードで動作するユーザ装置102では、第2ネットワーク基地局106が、伝送に加わり得る。関連する多重点集合は、各々のユーザで互いに異なり得るので、ユーザ装置102によって互いに異なり得る。対合は、同時に実行され得る。第2点は、専用参照記号を用いて信号を送信し得る。これは、よりフレキシビリティをもって個々に基づきMP−MIMOを支援し得る。
【0065】
種々レベルの連携は、共通参照記号402と専用参照記号404を用いて支援され得る。限定連携において、ネットワーク基地局106は、独立してプリコーディング戦略を決定し得るが、データを交換し得る。接続ネットワーク基地局106は、共通参照記号402で信号を送り得るが、第2ネットワーク基地局106は、専用参照記号404で信号を送り得る。高速セル交換において、接続ネットワーク基地局が選択されると、共通参照記号信号が用いられ得るが、第2ネットワーク基地局が選択されると、専用参照記号信号が用いられ得る。「完全」連携において、参加ネットワーク基地局は、データを交換し得ると共に、連携ビーム形成を行うべくプリコーディング重付けを合同で決定し得る。
【0066】
単一点動作と多点動作の両動作において、マルチユーザ動作は、多数のユーザ間でデータストリームを共有することによって支援され得る。たとえば1または複数の基地局106は、共通参照記号402を用いて1ストリームを一人のユーザに送信し得るが、別のユーザには専用参照記号404を用いて別のストリームを送信し得る。共通参照記号402と専用参照記号404の両方から得られた実効チャネルは、「所望の」チャネル、さらに「干渉」チャネルに関する任意の情報に対応し得る。従って1動作モードにおいて、ユーザ装置102は、チャネルが、そのユーザ装置102に向けられたデータストリームに対応する、共通参照記号402からだけの所望チャネル情報と、専用参照記号404からだけの干渉チャネル情報とを取得し得るが、逆もまた同様である。またユーザ装置102は、共通参照記号402と専用参照記号404の両方から所望のチャネル情報を取得し得るが、同様に干渉チャネル情報も、共通参照記号402と専用参照記号404の両方から取得され得る。このような干渉チャネルの情報は、ユーザ受信機102がこれらの実装を支援する場合、最小平均2乗誤差−干渉除去(MMSE−IC)または所望ストリームの最大尤度復号を用いて、性能を有意に改善し得る。
【0067】
多重伝送点、すなわち基地局106は、多重ユーザ装置102に伝送し得るが、各々のユーザ装置102は、共通参照記号402と専用参照記号404の両方でそのストリームを受信し得る。更に共通アンテナ集合110と専用アンテナ集合112は、1または複数の基地局由来であり得る。共通参照記号402,専用参照記号404および基地局106へのアンテナ集合の配分は、性能;ユーザ装置102と基地局106間で支援されるフィードバック様式;たとえば基地局106とユーザ装置チャネル条件の間の情報の協調および交換のレベル、セルエッジなどの多点動作の的確な様式;および基地局106でのスケジューリング拘束のような種々の因子によって影響を受け得る。
【0068】
記載された各々の実施形態において、ユーザ装置102は、そのようなモードで調整された対応空間パラメータをフィードバックすべく、共通参照記号402と専用参照記号404を用いる伝送モードの情報を用い得る。基地局106は、ユーザ装置102にそうするように明示的に命令し得る。これらのパラメータは、1または複数のプリコーディング行列Vij、完全なプリコーディング行列V、各々のストリームに加えられる電力、および様々なストリームに適用されるべき変調誤り訂正方式(MCS)を含み得る。更にこれらのパラメータは、周波数バンドの一部、周波数バンドの集合、または周波数バンドがOFDM副搬送波の連続集合である場合、全伝送バンド幅に対してリクエストされ得る。一連の伝送モードは、基地局106およびユーザ装置102によって仕様における動作可能モードとして理解されるように、互いに異なるランク、ストリーム数、およびNCRS,NDRS、多点か単一点、および単一ユーザか多重ユーザ動作などの前に規定された種々のパラメータによって予め設定され得る。ユーザ装置102は、出来る限り長期間にわたって、そのチャネル条件、受信機実装および他の基準に基づくようなモードの好ましい選択肢をフィードバックし得る。基地局106は、このフィードバックを受信し、更に前記フィードバックを、そのユーザ装置102に対して対応モードをスケージューリングする推奨事項として使用し得る。
【0069】
図10は、参照記号を用いてデータ伝送を復調する方法1000の一実施形態をフローチャートで例示する。ユーザ装置102は、単一のユーザ装置102を対象とする複数のデータストリームを受信し得る。ユーザ装置102は、第1ネットワーク基地局106の共通アンテナ集合110から少なくとも1つの共通参照記号402で符号化されたデータストリームを受信し得る(ブロック1002)。ユーザ装置102は、ネットワーク基地局106の専用アンテナ集合112から少なくとも1つの専用参照記号404で符号化されたデータストリームを受信し得る(ブロック1004)。少なくとも1つの専用参照記号404で符号化されたデータストリームを送信するネットワーク基地局106は、第1ネットワーク基地局106または第2ネットワーク基地局106であり得る。ユーザ装置102は、少なくとも1つの共通参照記号402と少なくとも1つの専用参照記号404を同定し得る(ブロック1006)。ユーザ装置102は、少なくとも1つの共通参照記号402と少なくとも1つの専用参照記号404に基づき、少なくとも1つのデータストリームに対応する実効チャネル行列を構成し得る。ユーザ装置102は、少なくとも1つの共通参照記号402に基づき第1実効チャネル部分行列を構成することによって(ブロック1008)、および少なくとも1つの専用参照記号404に基づき第2実効チャネル部分行列を推定することによって(ブロック1010)、実効チャネル行列を構成し得る。ユーザ装置102は、実効チャネル行列を用いてデータ伝送を復調し得る(ブロック1012)。ユーザ装置102は、共通参照記号402を用いてデータ伝送のリンク品質測定(LQM)を実行し得る(ブロック1014)。ユーザ装置102は、リンク品質測定結果に基づく伝送パラメータをネットワーク基地局106に送信することによって、フィードバックを提供し得る(ブロック1016)。
【0070】
図11は、実効チャネル1100の一実施形態をブロック線図で例示する。実効チャネル1100は、所望チャネル1110と干渉チャネル1120を備え得る。所望チャネル1110は、所望位相データ集合1112と所望振幅データ集合1114によって記載され得る。干渉チャネル1120は、干渉位相データ集合1122と干渉振幅データ集合1124によって記載され得る。
【0071】
図12は、リンク品質測定フィードバック1200の一実施形態をブロック線図で例示する。リンク品質測定フィードバック1200は、プリコーディング行列インデックス(PMI)1210、変調誤り訂正方式(MCS)インデックス1220、チャネル品質情報(CQI)1230、およびランク表示1240を備え得る。プリコーディング行列インデックス1210は、データ伝送のプリコーディング時に実行されるべきパラメータ集合であり得る。変調誤り訂正方式インデックス1220は、ダウンリンク伝送を変調すべく用いられている変調誤り訂正方式の表示であり得る。チャネル品質情報1230は、無線チャネルの通信品質の測定値であり得る。ランク表示1240は、実効チャネルによって支援され得るデータストリーム数の表示であり得る。
【0072】
本発明の範囲内の実施形態は、コンピュータ実行可能な命令またはそれに保存されるデータ構造を持ち運ぶか、有するコンピュータ可読媒体も含み得る。そのようなコンピュータ可読媒体は、汎用コンピュータまたは特殊用途コンピュータによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であることが可能である。例として、しかし限定するものではないが、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM,ROM、EEPROM,CD−ROMまたは他の光ディスク記憶、磁気ディスク記憶または他の磁気記憶装置、あるいはコンピュータ実行可能命令またはデータ構造の形式で所望のプログラム符号手段を持ち運ぶか、保存するために使用可能な任意の他の媒体を含むことが可能である。情報が、ネットワークまたは別の通信接続(配線、無線、またはその組合せの何れかの)を通じてコンピュータに転送または提供される場合、コンピュータは、コンピュータ可読媒体としての接続を正しく表示する。従って、任意のそのような接続は、相応にコンピュータ可読媒体と称される。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含められるものとする。
【0073】
実施形態はまた、タスクが通信ネットワークを通して(配線リンク、無線リンクによってか、その組合せによっての何れかで)リンクされる局所および遠隔処理デバイスによって行われる分散コンピューティング環境において実行され得る。
【0074】
コンピュータ実行可能命令は、たとえば汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、または特殊用途処理装置に特定の機能または機能群を実行させる命令およびデータを含む。コンピュータ実行可能命令は、独立型またはネットワーク環境のコンピュータによって実行されるプログラムモジュールも含む。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、要素、およびデータ構造などを含む。コンピュータ実行可能命令、関連データ構造、およびプログラムモジュールは、本明細書において開示される方法の段階を実行するプログラム符号手段の例を示す。そのような実行可能命令または関連データ構造の特定配列は、そのような段階において記載される機能を実行する対応動作の例を示す。
【0075】
上記の説明は、詳細な具体策を含み得るが、決して特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。本発明の記載された実施形態の他の構成は、本発明の範囲の一部である。たとえば、本発明の原理は、各々のユーザが、そのようなシステムを個々に展開し得る場合に各々の個々のユーザに適用され得る。これは、多数の可能なアプリケーションのうちの何れか1つが、本明細書において記載される機能性を必要としなくても、各々のユーザが本発明の利点を利用できるようにする。つまり、各々が種々の可能な方法でコンテンツを処理する電子機器の多くの例が存在し得る。必ずしもエンドユーザによって使用される1つのシステムである必要はない。従って与えられた何れの具体例よりもむしろ、添付の特許請求の範囲およびその法律上の等価物だけが、本発明を規定するものとする。
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