特開2015-194204(P2015-194204A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2015194204-作業機の油圧システム 図000003
  • 特開2015194204-作業機の油圧システム 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-194204(P2015-194204A)
(43)【公開日】2015年11月5日
(54)【発明の名称】作業機の油圧システム
(51)【国際特許分類】
   F15B 20/00 20060101AFI20151009BHJP
   F15B 11/08 20060101ALI20151009BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20151009BHJP
【FI】
   F15B20/00 C
   F15B11/08 B
   E02F9/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-72154(P2014-72154)
(22)【出願日】2014年3月31日
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】福田 祐史
(72)【発明者】
【氏名】有井 一善
【テーマコード(参考)】
2D003
3H082
3H089
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB01
2D003AB02
2D003BA01
2D003DA02
2D003DA04
2D003FA02
3H082AA01
3H082CC02
3H082DA23
3H082DA40
3H082DA46
3H082DB22
3H082EE01
3H089BB14
3H089CC01
3H089DA02
3H089DA13
3H089DB45
3H089DB48
3H089EE17
3H089GG02
3H089JJ01
(57)【要約】
【課題】被駆動体を駆動するモータを制動及び制動解除するネガティブブレーキが作動するまでの応答性の向上を図る。
【解決手段】被駆動体を駆動するモータをバネ力によって制動すると共に該制動を油圧によって解除するネガティブブレーキと、このネガティブブレーキから油圧を抜く制動位置とネガティブブレーキに油圧を供給する制動解除位置とに切替え自在なブレーキ切替弁と、このブレーキ切替弁とネガティブブレーキとを接続する油圧給排油路と、この油圧給排油路に接続されていて該油圧給排油路の油圧をタンクに逃がす圧抜き油路と、この圧抜き油路に設けられた第1の絞りとを有する作業機の油圧システムであって、
前記油圧給排油路における圧抜き油路の接続点の上流側に第2の絞りを設ける。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被駆動体を駆動するモータをバネ力によって制動すると共に該制動を油圧によって解除するネガティブブレーキと、このネガティブブレーキから油圧を抜く制動位置とネガティブブレーキに油圧を供給する制動解除位置とに切替え自在なブレーキ切替弁と、このブレーキ切替弁とネガティブブレーキとを接続する油圧給排油路と、この油圧給排油路に接続されていて該油圧給排油路の油圧をタンクに逃がす圧抜き油路と、この圧抜き油路に設けられた第1の絞りとを有する作業機の油圧システムであって、
前記油圧給排油路における圧抜き油路の接続点の上流側に第2の絞りを設けたことを特徴とする作業機の油圧システム。
【請求項2】
前記第2の絞りを前記圧抜き油路の接続点の近傍に設けたことを特徴とする請求項1に記載の作業機の油圧システム。
【請求項3】
前記第2の絞りの絞り径を第1の絞りの絞り径より大としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機の油圧システム。
【請求項4】
前記第2の絞りの絞り径を第1の絞りの絞り径と同じ径としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機の油圧システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、スキッドステアローダ(SSL)、コンパクトトラックローダ(CTL)といった車両系建設機械や車両系農業機械等の作業機に設けられる油圧システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、作業機の油圧システムとして特許文献1、2に記載の油圧システムがある。
この油圧システムは、作業機の被駆動体を駆動するモータをバネ力によって制動すると共に該制動を油圧によって解除するネガティブブレーキと、このネガティブブレーキから油圧を抜く制動位置とネガティブブレーキに油圧を供給する制動解除位置とに切替え自在なブレーキ切替弁と、このブレーキ切替弁とネガティブブレーキとを接続する油圧給排油路と、この油圧給排油路に接続されていて該油圧給排油路の油圧をタンクに逃がす圧抜き油路と、この圧抜き油路に設けられた絞りとを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−46554号公報
【特許文献2】特開2010−209637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の油圧システムにあっては、ブレーキ切替弁からの油圧供給が停止し且つブレーキ切替弁が制動解除位置から制動位置に切り替わらない事態が生じた場合に、ネガティブブレーキの制動を解除する油圧が圧抜き油路から抜けることにより、ネガティブブレーキが効き、作業機の被駆動体を駆動するモータが制動されるというものである。
しかしながら、このような場合、ブレーキ切替弁からネガティブブレーキに至る油圧給排油路の全ての油圧が抜けなければならないことから、例えば、油圧給排油路に油圧ホースが使われており且つ経路が長いような場合に、油圧給排油路の油圧が抜けるのに時間がかかり、ネガティブブレーキの制動が遅れる場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、ネガティブブレーキが作動するまでの応答性の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
請求項1に係る発明では、被駆動体を駆動するモータをバネ力によって制動すると共に該制動を油圧によって解除するネガティブブレーキと、このネガティブブレーキから油圧を抜く制動位置とネガティブブレーキに油圧を供給する制動解除位置とに切替え自在なブレーキ切替弁と、このブレーキ切替弁とネガティブブレーキとを接続する油圧給排油路と、この油圧給排油路に接続されていて該油圧給排油路の油圧をタンクに逃がす圧抜き油路と、この圧抜き油路に設けられた第1の絞りとを有する作業機の油圧システムであって、
前記油圧給排油路における圧抜き油路の接続点の上流側に第2の絞りを設けたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明では、前記第2の絞りを前記圧抜き油路の接続点の近傍に設けたことを特徴とする。
請求項3に係る発明では、前記第2絞りの絞り径を第1の絞りの絞り径より大としたことを特徴とする。
請求項4に係る発明では、前記第2の絞りの絞り径を第1の絞りの絞り径と同じ径としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、ブレーキ切替弁からの油圧供給が停止し且つブレーキ切
替弁が制動解除位置の状態で圧抜き油路から油圧が抜けてネガティブブレーキが制動される場合において、第2の絞りの下流側の油圧が抜けるだけでネガティブブレーキが効くので、ネガティブブレーキの制動を早くすることができる。
【0009】
また、第2絞りの下流側の油圧は、第1絞りと第2絞りとのバランスにより設定されるので、この第2絞りの下流側の油圧をブレーキ切替弁からの油圧よりも低い圧力に設定することができ、これによって、圧抜き油路から油圧が抜けてネガティブブレーキが制動される場合における応答性を早くすることができる。
請求項2に係る発明によれば、第2の絞りを圧抜き油路の接続点の近傍に設けることで、圧抜き油路から油圧が抜けてネガティブブレーキが制動される場合におけるネガティブブレーキの応答性を早くすることができる。
【0010】
請求項3に係る発明によれば、第2絞りの絞り径を第1の絞りの絞り径より大とすることで、前記請求項1の効果に加えて、ネガティブブレーキの制動を解除する解除圧を確保することができる。
請求項4に係る発明によれば、第2の絞りの絞り径を第1の絞りの絞り径と同じ径とすることで、ネガティブブレーキの制動を解除する解除圧を十分に落とすことができ、圧抜き油路から油圧が抜けてネガティブブレーキが制動される場合におけるネガティブブレーキの応答性をよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】スキッドステアローダの側面図である。
図2】油圧システムの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、作業機(車両系建設機械)として例示するスキッドステアローダ1である。
このスキッドステアローダ1は、機体フレーム2と、この機体フレーム2に搭載されたキャビン3と、機体フレーム2に装備された作業装置4と、機体フレーム2の左右両側に設けられた走行装置(被駆動体)5A,5Bとを有する。
【0013】
機体フレーム2内の後部にはエンジンEが搭載されている。
キャビン3内の後部には運転席8が設けられていると共に、該運転席8の前方には走行装置5A,5Bを操作する左右一対の走行レバー9が設けられている。左側の走行レバー9は左側の走行装置5A(前側のHSTポンプ7F)を操作するものであり、右側の走行レバー9は右側の走行装置5B(後側のHSTポンプ7R)を操作するものである。
【0014】
作業装置4は、機体フレーム2の左右両側に配置された左右のブーム10と、この左右ブーム10の先端側(前端側)に上下揺動自在に設けられたバケット11と、ブーム10の基部側(後部側)を支持するリフトリンク12及び制御リンク13と、ブーム10を昇降駆動するブームシリンダC1と、バケット11を揺動駆動するバケットシリンダC2とを有する。
【0015】
バケット11は、左右ブーム10の先端側(前端側)に着脱自在に装着されており、バケット11の代わりに油圧アタッチメントが装着可能とされている。
リフトリンク12、制御リンク13及びブームシリンダC1は左右のブーム10に対応して機体フレーム2の左右両側に設けられている。リフトリンク12の上端側はブーム10の基部側後部に枢支連結され、リフトリンク12の下端側は機体フレーム2の後端側上部に枢支連結されている。制御リンク13はリフトリンク12の前方に配置され、その後端側がブーム10の基部側下端部に枢支連結され、その前端側が機体フレーム2に枢支連結されている。
【0016】
ブームシリンダC1は、その上部がブーム10の基部側前部に枢支連結され、その下部が機体フレーム2の後端側下部に枢支連結されている。このブームシリンダC1を伸縮することによりリフトリンク12及び制御リンク13によってブーム10の基部側が支持されながら該ブーム10の先端側が昇降するように該ブーム10が揺動駆動する。
バケットシリンダC2は左右各ブーム10に設けられ、伸縮することでバケット11を揺動駆動する。
【0017】
前記左右の各走行装置5A,5Bは、本実施形態では前輪5F及び後輪5Rを有する車輪型の走行装置5A,5Bが採用されている。なお、走行装置5A,5Bとしてクローラ型(セミクローラ型を含む)の走行装置5A,5Bを採用してもよい。
前記エンジンEの前面側に設けられたポンプハウジング6には走行駆動用のHSTポンプ7F,7Rが前後方向Xに並設されて一対設けられている。前側のHSTポンプ7Fの前方X1には、第1〜3ポンプP1,P2,P3が前後方向Xに設けられている。これらHSTポンプ7F,7R及び第1〜3ポンプP1,P2,P3はエンジンEによって駆動される。
【0018】
前後のHSTポンプ7F,7Rは左右の走行装置5A,5Bを駆動するためのものであり、斜板形可変容量油圧ポンプで構成されている。
第1〜3ポンプP1,P2,P3は、定容量型のギヤポンプによって構成され、第1ポンプP1は、作業装置4に装備された油圧アクチュエータや作業装置4に取り付けられる油圧アタッチメントの油圧アクチュエータを駆動するためのものである。第2ポンプP2は、作動油を増量するのに使用され、第3ポンプP3は、主として制御信号圧力の供給用に使用される。
【0019】
図2に示すように、前後のHSTポンプ7F,7Rは左右の走行装置5A,5Bを駆動するHST(静油圧式無段変速機)14の一部を構成する。該HST14は左右の各走行装置5A,5Bに対してそれぞれ設けられている。前側のHSTポンプ7Fは左側の走行装置5Aの駆動用であり、後側のHSTポンプ7Rは右側の走行装置5Bの駆動用である。
【0020】
HST14は、前記HSTポンプ7F,7Rと、このHSTポンプ7F,7Rと一対の変速用油路16,17により閉回路接続されたHSTモータ18A,18Bとを有する。そして、HSTポンプ7F,7Rからの吐出油によってHSTモータ18A,18Bが駆動され、このHSTモータ18A,18Bから出力される回転動力によって、本実施形態では、前輪5F及び後輪6Rが駆動される。
【0021】
また、HSTポンプ7F,7Rの斜板の傾転角を変更することにより、該HSTポンプ7F,7Rから吐出される作動油の吐出方向や吐出流量が変更され、これによって、HSTモータ18A,18Bの出力軸19の回転方向や回転数が変更され、スキッドステアローダ1を前後進及び速度変更可能としている。
スキッドステアローダ1は、図2に示すように、走行装置5A,5Bを駆動するHSTモータ18A,18Bをバネ力によって制動すると共に該制動を油圧によって解除するネガティブブレーキ20を備えている。このネガティブブレーキ20は各HSTモータ18A,18Bそれぞれに対して設けられている。
【0022】
このネガティブブレーキ20は、ブレーキディスク22と、ブレーキシリンダ(油圧シリンダ)23と、ブレーキバネ24とを有する。
ブレーキディスク22は、HSTモータ18A,18Bに設けられたブレーキ軸21に設けられ、このブレーキ軸21はHSTモータ18A,18Bによって駆動されて出力軸19と一体回転する。
【0023】
ブレーキシリンダ23は、伸長することでブレーキディスク22を押圧してHSTモータ18A,18Bを制動し、収縮することでブレーキディスク22に対する前記押圧を解除してHSTモータ18A,18Bに対する前記制動を解除する。
ブレーキバネ24は、ブレーキシリンダ23に組み込まれていて、該ブレーキシリンダ23を伸長方向に付勢する。
【0024】
このネガティブブレーキ20を制御する手段は、ブレーキ切替弁25と、このブレーキ切替弁25とネガティブブレーキ20とを接続する油圧給排油路26とを有する。
ブレーキ切替弁25は、第3ポンプP3から吐出された作動油が入力される入力ポート27と、該入力した作動油を出力する出力ポート28と、タンクTに連通するタンクポート29とを有する。このブレーキ切替弁25は、ネガティブブレーキ20から油圧を抜く制動位置31と、ネガティブブレーキ20に油圧を供給する制動解除位置32とを有する。
【0025】
また、ブレーキ切替弁25は、電磁弁からなり、図示省略の制御装置によって制御され、ソレノイド33を励磁することで制動解除位置32に切り替えられ、ソレノイド33を消磁することでバネ34によって制動位置31に切り替えられる。このブレーキ切替弁25のソレノイド33は、エンジンEを始動するエンジンキーによってキースイッチをオンすることにより励磁され、キースイッチをオフすることにより消磁される。
【0026】
油圧給排油路26は、ブレーキ切替弁25の出力ポート28に一端側が接続された油路36と、この油路36の他端側から分岐された分岐油路37,38とを有する。一方の分岐油路37は左側のHSTモータ18Aを制動するネガティブブレーキ20のブレーキシリンダ23に接続され、他方の分岐油路38は右側のHSTモータ18Bを制動するネガティブブレーキ20のブレーキシリンダ23に接続されている。
【0027】
従来のスキッドステアローダ1にあっては、該スキッドステアローダ1がエンジンストールをおこした場合、キースイッチがオンの状態であるので、ブレーキ切替弁25は制動位置31に切り替わらず制動解除位置32のままである。このとき、第3ポンプP3は停止しており、作動油がブレーキ切替弁25等からリークすることで、油圧給排油路26の油圧が抜け、HSTモータ18A,18Bが制動される。したがって、従来のスキッドステアローダ1では、エンジンストールをおこしたときのHSTモータ18A,18Bの制動が遅いという問題がある。
【0028】
本実施形態のスキッドステアローダ1にあっては、このようなときに、ネガティブブレーキ20の応答性を早くするために、油圧給排油路26の油圧をタンクTに逃がす圧抜き回路39が設けられている。
この圧抜き回路39は、油圧給排油路26の各分岐油路37,38それぞれに対して設けられている。この圧抜き回路39は、圧抜き油路40と絞り41(第1絞りという)とから構成されている
圧抜き油路40は、一端が分岐油路37,38に接続され他端がタンクTに連通している。この圧抜き油路40は、ブレーキシリンダ23の油圧給排ポート近傍に設けられる。より具体的には、ブレーキシリンダ23に対して油圧を給排すべく、ネガティブブレーキ20のブレーキボディに設けられる油圧出入ポートに接続又は該油圧出入ポートの近傍位置で分岐油路37,38に接続される。
【0029】
第1絞り41は圧抜き油路40に介装されている。この第1絞り41は圧抜き油路40の接続点42の近傍に設けるのが好ましい。
前記油圧給排油路26における圧抜き油路40の接続点42の上流側に絞り43(第2の絞りという)が設けられている。この第2絞り43は圧抜き油路40の接続点42の近傍に設けるのが好ましい。
【0030】
前記第1絞り41及び第2絞り43は、オリフィス絞り又はチョーク絞りによって構成される。
また、前記第2絞り43の絞り径は第1の絞り41の絞り径より大きい径に形成されるか、又は、第2の絞り43の絞り径は第1の絞り41の絞り径と同じ径に形成される。
前記構成のスキッドステアローダ1にあっては、エンジンストールをおこして、第3ポンプP3が停止してブレーキ切替弁25からの油圧供給が停止し且つブレーキ切替弁25が制動解除位置32にある状態において、ネガティブブレーキ20のブレーキシリンダ23の圧油は圧抜き回路39を介してタンクTに抜け、HSTモータ18A,18Bが早く制動される。
【0031】
一方、第2絞り43が設けられていない場合、ブレーキ切替弁25からネガティブブレーキ20に至る油圧給排油路26の全ての油圧が圧抜き回路39から抜けなければならないことから、例えば、油圧給排油路26に油圧ホースが使われており且つ経路が長いような場合に、油圧給排油路26の油圧が抜けるのに時間がかかり、ネガティブブレーキ20の制動が遅れる場合がある。
【0032】
しかしながら、本実施形態のスキッドステアローダ1にあっては、第2絞り43が設けられているので、圧抜き回路39から油圧が抜けてネガティブブレーキ20が制動される場合において、第2の絞り43の下流側の油圧が抜けるだけでネガティブブレーキ20が
効くので、ネガティブブレーキ20の制動を早くすることができる。
また、第2絞り43の下流側の油圧は、第1絞り41と第2絞り43とのバランスにより設定されるので、この第1絞り41と第2絞り43との絞り径を調整して、第2絞り43の下流側の油圧をブレーキ切替弁25からの油圧よりも低い圧力に設定する(例えば、第2絞り43の下流側の油圧を、ネガティブブレーキ20の制動の解除に必要な最小圧力、又は、ブレーキバネ24のバネ圧より少し高い圧力に設定する)ことにより、圧抜き回路39から油圧が抜けてネガティブブレーキ20が制動される場合における応答性を早くすることができる。
【0033】
また、第1絞り41及び第2の絞り43を圧抜き油路40の接続点42の近傍に設けることで、圧抜き油路40から油圧が抜けてネガティブブレーキ20が制動される場合における該ネガティブブレーキ20の応答性を早くすることができる。
また、第2絞り43の絞り径を第1の絞り41の絞り径より大とすることで、ネガティブブレーキ20の制動を解除する解除圧を確保することができる。
【0034】
また、第2の絞り43の絞り径を第1の絞り41の絞り径と同じ径とすることで、ネガティブブレーキ20の制動を解除する解除圧を十分に落とすことができ、圧抜き油路40から油圧が抜けてネガティブブレーキ20が制動される場合における該ネガティブブレーキ20の応答性をよくすることができる。
また、タンクTから吸い込まれて第3ポンプP3から吐出した作動油はブレーキ切替弁25→第2絞り43→第1絞り41→タンクTへと循環するので、低温時に油圧給排油路26内の作動油をヒートアップさせることができ、低温時応答性を向上させることができる。
【0035】
なお、本実施形態では、被駆動体として走行装置を例示したが、被駆動体としてはバックホーの旋回体であってもよい。
【符号の説明】
【0036】
5A 被駆動体(走行装置)
5B 被駆動体(走行装置)
18A HSTモータ
18B HSTモータ
20 ネガティブブレーキ
25 ブレーキ切替弁
26 油圧給排油路
31 制動位置
32 制動解除位置
40 圧抜き油路
41 第1の絞り
42 接続点
43 第2の絞り
T タンク
図1
図2