【実施例1】
【0019】
図6は本発明の無電源間欠供給装置11が用いられるシステム構成図で、コンプレッサー14で昇圧された圧縮空気がエアユニット13を介して連続的に本発明の無電源間欠供給装置11に供給されるが、本発明の無電源間欠供給装置11によって圧縮空気の供給、停止を繰り返すことによって間欠的にエアダスター12に供給されるものである。なお、3は間欠周期を調節する周波数調節弁であり、15は無電源間欠供給装置11での圧縮空気の供給時間を調節する開時間調節弁である。本発明の実施例1について、
図1を参照して説明する。
図1は本発明の状態1の無電源間欠供給装置11の断面図である。状態1は、ピストンが図の右に位置している状態である。配管その他の部品等は模式的に記載してある。実施例1はエアダスター4(記号で図示)を使用している。
【0020】
本発明の無電源間欠供給装置11は、円柱形状をしたピストン1とこのピストン1を摺動可能に収容するケース2とこのケース2を密閉する蓋10とで構成され、ピストン1は、大径部、小径部、中間径部を備えた径の異なる3段階のピストン形状をしている。ケース2にはピストン1の大径部を収容する空気室7と中間径部を収容する空気室6と小径部を収容する空気室16がケース2の一端面から他端面へ向けて順次形成されており、各空気室6、7、16とピストン1の各径部とはOリング17等で気密状態を保って摺動可能に構成されている。空気室6には、圧縮空気が供給される供給口5が形成されている。また、空気室7の左(中間径の空気室6側)には、開放口9が形成されている。空気室16の出口もしくは無電源間欠供給装置11の吐出口とエアダスター4との間に分岐部8を設け、周波数調整弁3を介して空気室7へ圧縮空気が供給できるようになっている。空気室7には開時間調整弁15が連結されている。
【0021】
次に本発明の無電源間欠供給装置11の動作について説明する。
図1、
図9において、ピストン1が右端に位置して停止している状態1から説明する。説明上、図を見ている状態での左右が左右である。エアダスター4は閉であり、圧縮空気の供給が停止しているためピストン1も停止している。
【0022】
この状態1においてエアダスター4を開にすると、圧縮空気は供給口5から中間径の空気室6を通過し、エアダスター4から噴射する。
【0023】
同時に途中の分岐部8から、周波数調節弁3を介してピストン1とケース2の蓋10との間にわずかな隙間があることから大きい径の空気室7にも圧縮空気が供給され、ピストン1の径の差による受圧面積の差のため、大きい径の空気室7でピストン1の大径部端面が受ける力が中間径の空気室6でピストン1の中間径部の端面が受ける力より強くなる。その力の差によりピストン1は左に移動し、ピストン1の小径部とケース2によって中間径の空気室6からエアダスター4に行く圧縮空気は遮断され吐出も停止し、分岐部8に行く圧縮空気も遮断される。(状態2の
図2、
図10参照)。
【0024】
分岐部8からの圧縮空気が遮断されると、大きい径の空気室7内の圧縮空気は分岐部8を逆流し、エアダスター4から吐出される。吐出後、大きい径の空気室7の圧力は低くなり、供給口5から圧縮空気の供給を受けている中間径の空気室6でピストン1を押す力は大きい径の空気室7でピストン1を押す力より強くなり、その結果ピストン1は右に移動する。(状態3の
図3、
図11参照)。
【0025】
この移動により、圧縮空気はエアダスター4から吐出され、同時に分岐部8から大きい径の空気室7にも供給される。(状態4の
図4、
図12参照)。
【0026】
このため、再度大きい径の空気室7に圧縮空気が供給され、その結果ピストン1は左に移動する。以後はエアダスター4を開にする間は、ピストン1が左右移動を繰り返すため、エアダスター4からの圧縮空気は間欠吐出を繰り返す。
【0027】
エアダスター4を閉にすると、供給口5からの圧縮空気の供給が停止するため、無電源間欠供給装置11のピストン1の動きも停止する。
【0028】
なお間欠の周波数の変更は、分岐部8からの途中に設けられた周波数調節弁3で流量を変更して行う。流量を大きくすれば周波数は大きくなる。
【0029】
また間欠する開時間の設定は、開時間調節弁15により変更ができ、周波数調節弁3を閉にして開時間調節弁15を開くことで、全開状態を保持することも可能である。
【0030】
図2はピストン1が左端に位置して、停止している状態2である。この状態2からエアダスター4を開にした場合を説明する。エアダスター4は閉であり、圧縮空気の供給が停止しているためピストン1も停止している。
【0031】
この状態2においてエアダスター4を開にすると、大きい径の空気室7のエアは周波数調節弁3を通過し、エアダスター4から吐出するため、大きい径の空気室7の圧力が低くなる。したがって供給口5からの圧縮空気が中間径の空気室6に入り、ピストン1を右方に移動させて、
図1の状態1になり、圧縮空気は供給口5からエアダスター4に送られ吐出する。
【0032】
その結果圧縮空気は途中の分岐部8から、大きい径の空気室7(
図2参照)にも供給され、空気室の受圧面積の差のため、大きい径の空気室7の圧力が高くなるにつれピストン1を押す力が中間径の空気室6のピストン1を押す力より強くなる。その力の差によりピストン1は左に移動し、中間径の空気室6からエアダスター4に行く圧縮空気は遮断され吐出も停止し、分岐部8に行く圧縮空気も遮断される。(
図2、
図10参照)
【0033】
分岐部8からの圧縮空気が遮断されると、大きい径の空気室7内の圧縮空気は分岐部8を逆流し、エアダスター4から吐出される。吐出後、大きい径の空気室7の圧力は低くなりピストン1を押す力は弱くなることで、供給口5から圧縮空気の供給を受けている中間径の空気室6の圧力によるピストン1を押す力の方が強くなり、その力の差によりピストン1は右に移動する。(
図3、
図11参照)
【0034】
この移動により、圧縮空気はエアダスター4から噴射され、同時に分岐部8から大きい径の空気室7にも供給される。(
図4、
図12参照)
【0035】
その後、再度大きい径の空気室7の圧力は高くなりピストン1を押す力が強くなることで、その結果ピストン1は左に移動する。以後はエアダスター4を開にしている間は、ピストン1が左右移動を繰り返すため、エアダスター4からの圧縮空気は間欠吐出を繰り返す。
【0036】
エアダスター4を閉にすると、供給口5からの圧縮空気の供給が停止するため、無電源間欠供給装置11のピストン1の動きも停止する。
【0037】
図3は本発明の状態3の無電源間欠供給装置の断面図である。
【0038】
ピストン1が
図3のように、中間径の空気室6の出口をふさぐように位置して、しかも中間にて停止している状態3の場合もある。この時にエアダスター4を開にすると、供給口5から圧縮空気の供給を受けている中間径の空気室6でピストン1を押す力は大きい径の空気室7でピストン1を押す力より強くなり、その結果ピストン1は右に移動する。
【0039】
この移動により、今度は圧縮空気がエアダスター4に供給され、同時に分岐部8からは大きい径の空気室7にも供給される。(
図4、
図12参照)。
【0040】
このため、大きい径の空気室7の圧力が高くなり、ピストン1は左に移動する。以後はこの作動を繰り返す為、エアダスター4からの圧縮空気の吐出は間欠になる。
【0041】
図4は本発明の状態4の無電源間欠供給装置の断面図である。ピストン1が
図4のように、移動の中間においてやや左に位置して停止している状態4の時に、エアダスター4を開にすると、大きい径の空気室7内の圧縮空気は分岐部8を逆流し、エアダスター4から放出され大きい径の空気室7の圧力が低くなる。
【0042】
したがって供給口5から圧縮空気の供給を受けている中間径の空気室6でピストン1を押す力は大きい径の空気室7でピストン1を押す力より強くなり、その結果ピストン1は右に移動し、
図1の状態1になり、圧縮空気は供給口5からエアダスター4に送られ吐出する。
【0043】
以後は、この作動を繰り返す為、エアダスター4からの圧縮空気の吐出は間欠になる。
【0044】
また、大きい径の空気室7の左には、空気の出入りのための開放口9が設けられている。これはピストン1の動きが阻害されないようにするため必要である。この出入りする空気は大気であり、特別に供給の必要は無く、したがって供給されるエアは、すべてエアダスター4から噴射され無駄が無い。
【0045】
以上の説明により、無電源間欠供給装置11の停止状態が状態1、2、3、4のいずれであっても、エアダスター4の開によりエアが間欠に噴射される。
【0046】
図5は、本発明の無電源間欠供給装置の透視斜視図である。
【0047】
図6は、本発明の無電源間欠供給装置を作業現場で使用するシステム構成図である。