特開2015-194305(P2015-194305A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-194305(P2015-194305A)
(43)【公開日】2015年11月5日
(54)【発明の名称】バーナーノズル
(51)【国際特許分類】
   F23D 14/22 20060101AFI20151009BHJP
   F23D 14/08 20060101ALI20151009BHJP
   F23D 14/58 20060101ALI20151009BHJP
   F23D 14/24 20060101ALI20151009BHJP
【FI】
   F23D14/22 D
   F23D14/08 Z
   F23D14/22 C
   F23D14/58 A
   F23D14/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-72714(P2014-72714)
(22)【出願日】2014年3月31日
(71)【出願人】
【識別番号】391002498
【氏名又は名称】フタバ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140486
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100170058
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 拓真
(74)【代理人】
【識別番号】100123641
【弁理士】
【氏名又は名称】茜ヶ久保 公二
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 加織
(72)【発明者】
【氏名】大野 一成
【テーマコード(参考)】
3K017
3K019
【Fターム(参考)】
3K017AA02
3K017AB02
3K017AC02
3K017AD01
3K017CA04
3K017CD03
3K017CE06
3K019AA02
3K019BA01
3K019BB02
3K019BD01
(57)【要約】
【課題】燃料含有ガスの供給量や噴射量、燃料含有ガスを噴射するための孔の配置や数を変化させたとしても、より安定して燃料含有ガスを噴射することが可能なバーナーノズルを提供すること。
【解決手段】空気噴射孔50は、内側側壁10の内側を通る空気が噴射されるように空気流路61に連通して形成され、燃料含有ガス噴射孔51は、空気噴射孔50を囲むように複数配置されると共に、予備室60を通る燃料含有ガスが噴射されるように、予備室60に連通して形成され、燃料含有ガス供給孔52は、予備室60内に供給する燃料含有ガスが内側側壁10の周囲を旋回しながら進行して燃料含有ガス噴射孔51に至るように設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予混合ガスや燃料ガスといった燃料含有ガスを主軸方向に噴射して燃焼させるバーナーノズルにおいて、
燃料含有ガスが通過する予備室を規定する側壁であって、前記主軸方向に沿って内側に配置される内側側壁と、
前記内側側壁との間において前記予備室を規定する側壁であって、前記主軸方向に沿って前記内側側壁よりも外側に配置される外側側壁と、
前記予備室を規定する端壁であって、前記内側側壁の一端側と前記外側側壁の一端側とを繋ぐ第1端壁と、
前記予備室を規定する端壁であって、前記内側側壁の他端側と前記外側側壁の他端側とを繋ぐ第2端壁と、を備え、
前記第1端壁には、空気噴射孔と、燃料含有ガス噴射孔とが設けられ、前記外側側壁又は前記第2端壁には、燃料含有ガス供給孔が設けられており、
前記空気噴射孔は、前記内側側壁の内側を通る空気が噴射されるように、前記内側側壁がその内側に規定する空気流路に連通して形成され、
前記燃料含有ガス噴射孔は、前記空気噴射孔を囲むように複数配置されると共に、前記予備室を通る燃料含有ガスが噴射されるように、前記予備室に連通して形成され、
前記燃料含有ガス供給孔は、前記予備室内に供給する燃料含有ガスが前記内側側壁の周囲を旋回しながら進行して前記燃料含有ガス噴射孔に至るように設けられていることを特徴とするバーナーノズル。
【請求項2】
前記燃料含有ガス供給孔は、その中心軸が前記内側側壁の中心軸に対して外側向きにオフセット配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のバーナーノズル。
【請求項3】
前記燃料含有ガス供給孔は、その中心軸が、前記主軸とねじれの位置にあり且つ前記第1端壁方向に傾斜するように設けられていることを特徴とする、請求項2に記載のバーナーノズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予混合ガスや燃料ガスといった燃料含有ガスを主軸方向に噴射して燃焼させるバーナーノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
中央に空気流路が形成され、その空気流路を囲むように予混合ガス室が形成されているバーナーノズルは、ガス台に用いられたり(下記特許文献1参照)、燃料電池の改質用ガスを加温する箇所に用いられたり、といったように様々な場面で用いられている。
【0003】
下記特許文献1に記載のバーナーノズルは、環状のバーナー本体を備え、このバーナー本体は環状の底壁及び天壁と、これら底壁及び天壁の外周部を接続する外周部壁と、それらの内周部を接続する内周側壁と、を有している。底壁、天壁、外周側壁及び内周側壁は、予混合ガス(都市ガス、LPガスといった燃料用ガスに一次空気が混合されたもの)が送給される環状の内部空間を規定する。外周側壁及び内周側壁は、底壁から垂直上方に延び、外周側壁の上端部に複数個の第1炎孔が設けられ、また天壁に複数個の第2炎孔が設けられている。下記特許文献1の図1から図3に示されている通り、環状の内部空間には、混合管を経由して予混合ガスが供給されている。混合管は、バーナー本体の中心に向かって半径方向の延長線上に沿って配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−50513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、予混合ガスを主軸方向に噴射して燃焼させるバーナーノズルの基本構造は保持したまま、予混合ガスの供給量や噴射量、予混合ガスを噴射するための孔の配置や数を変化させると、ある条件下では、予混合ガスの噴射が安定しない場合がある。予混合ガスの供給量や噴射量、予混合ガスを噴射するための孔の配置や数は、バーナーノズルが設けられる環境や用途によって様々な要求仕様が想定されることからすると、これらをいかに変化させたとしても、予混合ガスを安定して噴射させる必要がある。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、予混合ガスや燃料ガスといった燃料含有ガスの供給量や噴射量、燃料含有ガスを噴射するための孔の配置や数を変化させたとしても、より安定して燃料含有ガスを噴射することが可能なバーナーノズルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るバーナーノズルは、燃料含有ガスを主軸方向に噴射して燃焼させるバーナーノズルであり、燃料含有ガスが通過する予備室を規定する側壁であって、主軸方向に沿って内側に配置される内側側壁と、内側側壁との間において予備室を規定する側壁であって、主軸方向に沿って内側側壁よりも外側に配置される外側側壁と、予備室を規定する端壁であって、内側側壁の一端側と外側側壁との一端側とを繋ぐ第1端壁と、予備室を規定する端壁であって、内側側壁の他端側と外側側壁との他端側とを繋ぐ第2端壁と、を備える。第1端壁には、空気噴射孔と、燃料含有ガス噴射孔とが設けられ、外側側壁又は第2端壁には、燃料含有ガス供給孔が設けられている。空気噴射孔は、内側側壁の内側を通る空気が噴射されるように、内側側壁がその内側に規定する空気流路に連通して形成されている。燃料含有ガス噴射孔は、空気噴射孔を囲むように複数配置されると共に、予備室を通る燃料含有ガスが噴射されるように、予備室に連通して形成されている。燃料含有ガス供給孔は、予備室内に供給する燃料含有ガスが内側側壁の周囲を旋回しながら進行して燃料含有ガス噴射孔に至るように設けられている。
【0008】
本発明に係るバーナーノズルによれば、予備室内に供給する燃料含有ガスが内側側壁の周囲を旋回しながら進行して燃料含有ガス噴射孔に至るように燃料含有ガス供給孔が設けられているので、予備室内に供給された燃料含有ガスは内側側壁の周囲を旋回しながら燃料含有ガス噴射孔に向かう。従って、空気噴射孔を囲むように複数配置された燃料含有ガス噴射孔のそれぞれに満遍なく燃料含有ガスが供給され、安定した燃料含有ガスの噴射が可能となる。
【0009】
また本発明に係るバーナーノズルでは、燃料含有ガス供給孔は、その中心軸が内側側壁の中心軸に対して外側向きにオフセット配置されていることも好ましい。
【0010】
この好ましい態様では、燃料含有ガス供給孔を内側側壁に対して外側向きにオフセット配置しているので、燃料含有ガス供給孔から供給される燃料含有ガスの全てが内側側壁と干渉することなく旋回流を形成する。従って、空気噴射孔を囲むように複数配置された燃料含有ガス噴射孔のそれぞれに、より偏りを低減した状態で燃料含有ガスが供給され、安定した燃料含有ガスの噴射が可能となる。
【0011】
また本発明に係るバーナーノズルでは、燃料含有ガス供給孔は、その中心軸が、主軸とねじれの位置にあり且つ第1端壁方向に傾斜するように設けられていることも好ましい。
【0012】
この好ましい態様では、燃料含有ガス供給孔を、主軸基準で横を向けつつ第1端壁方向に傾斜するように設けているので、燃料含有ガス供給孔から供給される燃料含有ガスの流れに旋回成分をより確実に付与することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、燃料含有ガスの供給量や噴射量、燃料含有ガスを噴射するための孔の配置や数を変化させたとしても、より安定して燃料含有ガスを噴射することが可能なバーナーノズルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係るバーナーノズルの外観を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係るバーナーノズルを示す図であって、(A)は平面図、(B)は横断面図、(C)は縦断面図を示す図である。
図3図1及び図2に示すバーナーノズルの変形例を示す図であって、(A)は平面図、(B)は横断面図、(C)は縦断面図を示す図である。
図4図3に示す燃料含有ガス供給孔の傾斜を説明するための部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
図1に示すように、バーナーノズルBNは、予混合ガスを主軸方向(y軸方向)に噴射して燃焼させるバーナーノズルである。図1においては、バーナーノズルBNの主軸方向をy軸方向とし、このy軸を基準として直交座標を構成するように、x軸及びz軸を設定している。図2以降においても同様である。バーナーノズルBNは、内側側壁10と、外側側壁20と、第1端壁30と、第2端壁40と、を備えている。
【0017】
内側側壁10は、予混合ガスが通過する予備室60(図2参照)を規定する側壁であって、主軸方向(y軸方向)に沿って内側に配置されるものである。内側側壁10は、円筒形状を成すように構成されている。
【0018】
外側側壁20は、内側側壁10との間において予備室60を規定する側壁であって、主軸方向(y軸方向)に沿って内側側壁10よりも外側に配置されるものである。外側側壁20は、円筒形状を成すように構成されている。
【0019】
第1端壁30は、予備室60を規定する端壁であって、内側側壁10の一端側と外側側壁20の一端側とを繋ぐものである。第1端壁30は略円盤状をなしており、その外周は外側側壁20の一端側外周と密接固定されている。第1端壁30の中央部分には空気噴射孔50が設けられている。空気噴射孔50は略円形状をなしており、その外周に装用に内側側壁10の一端側が密接固定されている。
【0020】
第2端壁40は、予備室60を規定する端壁であって、内側側壁10の他端側と外側側壁20の他端側とを繋ぐものである。第2端壁40は略円盤状をなしており、その外周は外側側壁20の一端側外周と密接固定されている。
【0021】
第1端壁30には、空気噴射孔50と、燃料含有ガス噴射孔51とが設けられている。本実施形態の場合、空気噴射孔50は中央部分に一つ設けられている。燃料含有ガス噴射孔51は、空気噴射孔50を取り囲むように8つ設けられている。外側側壁20には、燃料含有ガス供給孔52が設けられている。
【0022】
続いて、図2を参照しながら説明を進める。図2の(A)に示すように、燃料含有ガス噴射孔51は、空気噴射孔50を取り囲み、それぞれが等間隔となるように配置されている。燃料含有ガス噴射孔51は、予備室60を通る予混合ガスが噴射されるように、予備室60に連通して形成されている(図2の(C)参照)。空気噴射孔50は、内側側壁10の内側を通る空気が噴射されるように、内側側壁10がその内側に規定する空気流路61に連通するように形成されている(図2の(B)参照)。
【0023】
図2の(B)及び(C)に示すように、燃料含有ガス供給孔52は、外側側壁20を貫通するように形成されている。燃料含有ガス供給孔52は、この孔を通って内部に供給される予混合ガスの全てが内側側壁10と干渉することがないように、内側側壁10に対して外側向きにオフセット配置されている。より具体的には、図2の(B)に示すように、燃料含有ガス供給孔52の中心軸Aの延長線上に、内側側壁10が存在しないように、燃料含有ガス供給孔52は外側向きに指向させられている。
【0024】
このように燃料含有ガス供給孔52を形成することで、予備室60内に供給される予混合ガスが内側側壁10の周囲を旋回しながら進行して燃料含有ガス噴射孔51に至るように構成されている。もっとも、燃料含有ガス供給孔52から供給される予混合ガスが全く内側側壁10に干渉しないわけではなく、8つの燃料含有ガス噴射孔51に供給される予混合ガスの均等性が技術的に問題ないレベルで確保されればある程度の干渉は許容し得るものである。この観点からすれば、本実施形態のように、燃料含有ガス供給孔52の孔外周を中心軸A方向に投影した場合に内側側壁10に全く干渉しない形態に本発明の実施形態が限定されるものではなく、燃料含有ガス供給孔52の孔外周を中心軸A方向に投影した場合に内側側壁10に一部が干渉する形態も本発明の実施形態に含みうるものである。
【0025】
続いて、本実施形態の変形例について図3を参照しながら説明する。上述した本実施形態の燃料含有ガス供給孔52は外側側壁20に設けられていたけれども、この変形例の燃料含有ガス供給孔52は、第2端壁40に設けられている。更に、燃料含有ガス供給孔52Aは、その中心軸Bが、主軸(y軸)と交わり且つ第1端壁30方向に傾斜するように設けられている。
【0026】
具体的には、図4に示すように、第2端壁40から第1端壁30に向かう方向を上向きと定義すれば、燃料含有ガス供給孔52Aは斜め上向きとなるように第2端壁40に設けられている。燃料含有ガス供給孔52Aの中心軸が主軸(y軸)とねじれの位置ではなく、主軸(y軸)と略平行となるように燃料含有ガス供給孔52Aを形成してしまうと、一部の燃料含有ガス噴射孔51のみに予混合ガスが供給されることになり、燃焼の均一性が確保されなくなる。そこで、燃料含有ガス供給孔52Aを、その中心軸Bが、主軸(y軸)とねじれの位置にあり且つ第1端壁30方向に傾斜するように設けることで、内側側壁10周りを旋回するように予混合ガスを供給することができ、全ての燃料含有ガス噴射孔51に満遍なく予混合ガスを供給することができる。
【0027】
尚、本実施形態及び変形例では、燃料含有ガス噴射孔51は、一重の円環を形成するように等間隔配置したが、燃料含有ガス噴射孔51の配置態様はこれに限られるものではない。バーナーノズルBNに求められる燃焼性能に応じて、燃料含有ガス噴射孔51を不均一に配置したり、燃料含有ガス噴射孔51を二重・三重若しくはそれ以上の複数の円環を形成するように配置したりしてもよい。この場合、必要に応じて予備室60を複数設けることも好ましい態様である。
【0028】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0029】
BN:バーナーノズル
10:内側側壁
20:外側側壁
30:第1端壁
40:第2端壁
50:空気噴射孔
51:燃料含有ガス噴射孔
52:燃料含有ガス供給孔
60:予備室
61:空気流路
図1
図2
図3
図4