【解決手段】ITU−TRec.G.709に準拠した、被試験対象から送信ビットレートとして送出されるOTUkフレームにトリビュータリ・ポートとしてマッピングされるODUkフレームの各先頭データの位置を検出する所定ポート数分の同期回路20aと、各先頭データの位置情報に基づいて、ODUkフレームより各エラー/アラーム検出用データをドロップする所定ポート数分のドロップ回路20bと、ポート番号を管理するカウンタ回路20eと、カウンタ出力に基づいて各エラー/アラーム検出用データをポート番号順に多重化する多重化回路20cと、多重化出力を時分割で処理し、全ポートに対するエラー/アラーム検出信号を検出する検出回路20dと、を有している。
前記検出回路によって検出された前記トリビュータリ・ポートの全ポートに対するエラー/アラーム検出信号を表示するための表示部(12)を、さらに備えることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク試験装置。
前記検出回路によって検出された前記トリビュータリ・ポートの全ポートに対するエラー/アラーム検出信号を、さらに表示部(12)で表示させることを特徴とする請求項3に記載のネットワーク試験方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のOTN測定器において、例えば、80ポートのトリビュータリ・スキャン機能を実現しようとすると80ポート分のエラー/アラーム検出部が必要になるという課題があった。
【0007】
すなわち、従来のトリビュータリ・スキャン機能を備えたOTN測定器は、全トリビュータリ・ポート数分のエラー/アラーム検出部を有し、各ポートに対する検出処理を並行して行うものであった。なお、各エラー/アラーム検出部は、それぞれ、ODUkフレームの先頭データの位置を検出する同期モジュールと、その先頭データの位置情報に基づいて、ODUkフレームよりエラー/アラーム検出用データをドロップするデータドロップモジュールと、検出/解除の条件に照らして、エラー/アラーム検出信号を種別ごとに検出するエラー/アラーム検出モジュールと、を含んでいる。
【0008】
このように、上記した非特許文献1の勧告に準拠するためには、トリビュータリ・ポート数の増加に伴ってエラー/アラーム検出部数が増えてしまう。エラー/アラーム検出部数の増加は、回路規模の増加やソースコードの可読性を悪化させる要因となる。
【0009】
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、回路規模の増加を抑制することができ、回路のゲート使用率およびソースコードの可読性が悪化するのを改善できるネットワーク試験装置およびネットワーク試験方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係るネットワーク試験装置(1)は、通信基幹網に用いられる通信用機器を被試験対象(2)として試験するネットワーク試験装置であって、ITU−TRec.G.709(12/2009)に準拠した、前記被試験対象から送信ビットレートとして送出される上位階層の第1フレームにトリビュータリ・ポートとしてマッピングされる下位階層の所定ポート数分の第2フレームの各先頭データの位置を検出する所定ポート数分の同期回路(20a)、および、前記各先頭データの位置情報に基づいて、前記所定ポート数分の第2フレームより各エラー/アラーム検出用データをドロップする所定ポート数分のドロップ回路(20b)を有して構成されたフレーム検出部(20A)と、前記トリビュータリ・ポートの番号を管理するカウンタ回路(20e)と、前記カウンタ回路の出力に基づいて、前記フレーム検出部の前記所定ポート数分のドロップ回路でドロップされた前記各エラー/アラーム検出用データを、前記トリビュータリ・ポートの番号順に多重化する多重化回路(20c)と、前記多重化回路の出力を時分割で処理し、前記トリビュータリ・ポートの全ポートに対するエラー/アラーム検出信号を検出する検出回路(20d)と、を有した構成とされている。
【0011】
この構成により、本発明の請求項1に係るネットワーク試験装置は、所定ポート数分の同期回路およびドロップ回路を有するフレーム検出部に対して、共通に多重化回路と検出回路とを設け、エラー/アラーム検出を1モジュールで行うようにしたので、規格の変更などによるポート数の変化に応じて、トリビュータリ・スキャン機能に十分な拡張性を持たせることができる。
【0012】
本発明の請求項2に係るネットワーク試験装置は、前記検出回路によって検出された前記トリビュータリ・ポートの全ポートに対するエラー/アラーム検出信号を表示するための表示部(12)を、さらに備える構成とされている。
【0013】
この構成により、本発明の請求項2に係るネットワーク試験装置は、測定の結果を表示させることによって、被試験対象のエラー発生数およびアラーム発生数を目視により容易に理解できるようになる。
【0014】
本発明の請求項3に係るネットワーク試験方法は、通信基幹網に用いられる通信用機器を被試験対象(2)として試験するネットワーク試験装置(1)の試験方法であって、ITU−TRec.G.709(12/2009)に準拠した、前記被試験対象から送信ビットレートとして送出される上位階層の第1フレームにトリビュータリ・ポートとしてマッピングされる下位階層の所定ポート数分の第2フレームの各先頭データの位置を、フレーム検出部(20A)を構成する所定ポート数分の同期回路(20a)により検出するとともに、前記フレーム検出部を構成する所定ポート数分のドロップ回路(20b)により、前記各先頭データの位置情報に基づいて、前記所定ポート数分の第2フレームより各エラー/アラーム検出用データをドロップし、前記トリビュータリ・ポートの番号を管理するカウンタ回路(20e)の出力に基づいて、前記フレーム検出部の前記所定ポート数分のドロップ回路でドロップされた前記各エラー/アラーム検出用データを、前記トリビュータリ・ポートの番号順に多重化回路(20c)により多重化し、前記多重化回路の出力を検出回路(20d)により時分割で処理し、前記トリビュータリ・ポートの全ポートに対するエラー/アラーム検出信号を検出する構成とされている。
【0015】
この構成により、本発明の請求項3に係るネットワーク試験方法は、所定ポート数分の同期回路およびドロップ回路を有するフレーム検出部に対して、共通に多重化回路と検出回路とを設け、エラー/アラーム検出を1モジュールで行うようにしたので、規格の変更などによるポート数の変化に応じて、トリビュータリ・スキャン機能に十分な拡張性を持たせることができる。
【0016】
本発明の請求項4に係るネットワーク試験方法は、前記検出回路によって検出された前記トリビュータリ・ポートの全ポートに対するエラー/アラーム検出信号を、さらに表示部(12)で表示させるように構成されている。
【0017】
この構成により、本発明の請求項4に係るネットワーク試験方法は、測定の結果を表示させることによって、被試験対象のエラー発生数およびアラーム発生数を目視により容易に理解できるようになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、回路規模の増加を抑制することができ、回路のゲート使用率およびソースコードの可読性が悪化するのを改善できるネットワーク試験装置およびネットワーク試験方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。ここでは、通信基幹網における中継器やスイッチといったネットワーク機器である被試験対象(Device Under Test、単にDUTとも称する)の性能試験などを行うネットワーク試験装置として、光伝送網(OTN)から送信ビットレートとして送出されるOTNフレーム信号の、上位階層であるOTUkフレームのODUkのペイロードエリアにマッピングされた下位階層であるODUkフレームの全てのトリビュータリ・ポートについて、エラー検出やアラーム検出を同時に行うトリビュータリ・スキャン機能を備えたOTN測定器を例に説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態に係るOTN測定器1の概略構成を示すブロック図である。
【0022】
図1に示すように、OTN測定器1は、各種の測定プログラムなどにしたがって装置全体の制御を司る制御部10と、この制御部10に接続された、操作部11と、表示部12と、外部制御用IF部13と、送信部を含む生成部14と、受信部15Aを備えた測定部15と、を有している。
【0023】
操作部11は、例えば、トリビュータリ・スキャン機能などの各種の測定の開始や停止、測定間隔などの測定条件の設定、生成部14においてDUT2に送信されるフレーム信号などを生成するためのパラメータなど、測定者が各種の測定に関する種々の操作を行う操作ボタンなどを有して構成されている。
【0024】
ただし、上記した操作部11は必須の構成要素ではなく、外部制御用IF部13を介して接続された端末装置(図示せず)などから、各種の測定に関する種々の操作を行うようにしてもよい。
【0025】
表示部12は、例えば液晶表示器によって構成され、操作部11による各種の測定に関する種々の操作情報や測定結果(後述する、トリビュータリ・スキャン画面)など、各種の測定に関する数々の表示を行うようになっている。
【0026】
なお、表示部12は、OTN測定器1が測定中であるか否かを、例えば点灯や点滅または色分けなどにより表示するLEDなどを含むものである。
【0027】
ただし、上記した表示部12は必須の構成要素ではなく、外部制御用IF部13を介して接続された端末装置(図示せず)などによって、測定結果などの表示を行うようにしてもよい。
【0028】
外部制御用IF部13は、OTN測定器1を図示せぬ外部の端末装置などと接続するためのもので、測定結果などを端末装置に送出したり、端末装置からの各種の測定に関する種々の操作情報を受け付けたりすることができる。
【0029】
ただし、上記した外部制御用IF部13は必須の構成要素ではなく、省略することも可能である。
【0030】
生成部14は、制御部10の制御に基づいてDUT2に送信するフレーム信号などを生成するものであり、生成したフレーム信号などを図示せぬ送信部によってDUT2に送信するようになっている。
【0031】
測定部15は、例えば測定の一つとして、受信部15Aで受信したDUT2からのOTNフレーム信号をもとに、OTNの全てのトリビュータリ・ポートについて、エラー検出やアラーム検出を同時に行う、いわゆるトリビュータリ・スキャン機能を実行するものである。
【0032】
なお、測定部15の詳細については後述するが、本実施の形態においては、受信部15Aの他、ビットレートのフレーム同期モジュール16と、トリビュータリ・ポート識別モジュール(OPU解析モジュール)17と、エラー/アラーム検出部(トリビュータリ・スキャン回路)20と、を有して、測定部15が構成されている(
図3参照)。
【0033】
また、上記した構成のOTN測定器1においては、例えば、制御部10が、生成部14に所定のフレーム信号を生成させるとともに、そのフレーム信号をDUT2に出力させるように構成してもよいが、生成部14を用いずに、DUT2がフレーム信号を出力する構成としてもよい。
【0034】
一方、制御部10は、測定部15を制御して、DUT2から送出されるOTNフレーム信号を受信部15Aにより取り込み、OTNの全てのトリビュータリ・ポートについて、エラー/アラーム検出を同時に実行させる。
【0035】
ここで、DUT2より送信ビットレートとして送信されるOTNフレーム信号のフレーム構造について説明する。
【0036】
図2は、本実施の形態に係るOTN測定器1で扱うOTNフレーム信号のフレーム構造(ペイロードエリアの階層構造)を示す概略図である。
【0037】
すなわち、OTNフレーム信号は、ITU−Tの通信規格に関する勧告G.709に準拠しており、上位階層であるOTUkフレーム(第1フレーム)Fと、そのODUkのペイロードエリアにクライアントとしてマッピングされた、下位階層である所定ポート数分のODUkフレーム(第2フレーム)Dと、を含んでいる。なお、kは整数である。
【0038】
ODUkフレームDのポート数は、例えば、OTU2にマッピングされるODU0フレームDの場合は8ポート、例えば、OTU4にマッピングされるODU0フレームDの場合、例えば、100Gbit/sのOTN伝送においてGbEのようなイーサネット信号をクライアントとする場合は最大80ポートと規定されている。
【0039】
したがって、例えば、OTNフレーム信号がODU4の場合、OTN測定器1は、トリビュータリ・スキャン機能として、ODU4にマッピングされた80ポート分のODU0フレームDのエラー/アラーム検出を同時に行う必要がある。
【0040】
なお、OTUkフレームFにおけるオーバーヘッドの構成については、後述する。
【0041】
次に、本実施の形態における、OTUkフレームFにマッピングされる全てのトリビュータリ・ポートについて、エラー/アラーム検出を同時に行うトリビュータリ・スキャン機能について、より詳細に説明する。
【0042】
図3は、本実施の形態に係るOTN測定器1の測定部15の概略構成を示すブロック図である。なお、受信部15Aは図示を省略している。
【0043】
図3に示すように、測定部15は、受信部15Aにつながるビットレートのフレーム同期モジュール16と、トリビュータリ・ポート識別モジュール17と、エラー/アラーム検出部20と、を有して構成されている。
【0044】
ビットレートのフレーム同期モジュール16は、受信部15Aが受信した外部のDUT2から送出されるOTNフレーム信号を取り込み、該OTNフレーム信号における上位階層であるOTUkフレームFの先頭データの位置を検出する。または、OTNフレーム信号に対しては、下位階層とされるODUkフレームとして取り込み、その先頭位置を検出する場合もある。
【0045】
トリビュータリ・ポート識別モジュール17は、OPUの解析を行って、下位階層であるODUkフレームDのポート番号を識別する。
【0046】
エラー/アラーム検出部20は、同期回路としての所定ポート数分のフレーム同期モジュール20a〜と、ドロップ回路としての所定ポート数分のデータドロップモジュール20b〜と、多重化回路としてのマルチプレクサ(Mux)モジュール20cと、検出回路としてのエラー/アラーム検出モジュール20dと、カウンタ回路としてのポート番号(Port no.)カウンタモジュール20eと、RAMモジュール20f,20gと、を備えている。
【0047】
本実施の形態においては、所定ポート数分のフレーム同期モジュール20a〜とデータドロップモジュール20b〜とによって、フレーム検出部20Aが構成されている。
【0048】
フレーム検出部20Aにおいて、各フレーム同期モジュール20a〜は、DUT2からビットレートとして送出されるOTNフレーム信号の、上位階層のOTUkフレームFまたは上位階層のODUkフレームDにマッピングされた所定ポート数分の下位階層のODUkフレームDをポートごとに取り込み、下位階層のODUkフレームDの先頭データの位置を検出する。
【0049】
フレーム検出部20Aにおいて、各データドロップモジュール20b〜は、対応するフレーム同期モジュール20a〜からの先頭データの存在を示すデータ位置情報(Timing)に基づいて、各ODUkフレームDよりエラー/アラーム検出用データをドロップする。
【0050】
Muxモジュール20cは、フレーム検出部20Aを構成する、所定ポート数分のフレーム同期モジュール20a〜とデータドロップモジュール20b〜とに対して共通に設けられ、各データドロップモジュール20b〜からのエラー/アラーム検出用データを、それぞれのデータ位置情報(Timing)とポート番号カウンタモジュール20eのカウンタ出力とに基づいて、OTUkフレームFまたは上位階層のODUkフレームDにマッピングされた下位階層のODUkフレームDのトリビュータリ・ポート番号順に多重化する。
【0051】
なお、番号順とは、必ずしも、1ずつの昇順である必要はない。
【0052】
エラー/アラーム検出モジュール20dは、フレーム検出部20Aを構成する、所定ポート数分のフレーム同期モジュール20a〜とデータドロップモジュール20b〜とに対して共通に設けられ、Muxモジュール20cからの多重化データの存在を示すM-Timing信号とRAMモジュール20fに格納された検出/解除シーケンスの状態とに基づいて、Muxモジュール20cによって多重化された多重化データを時分割で処理し、OTUkフレームFまたは上位階層のODUkフレームDにマッピングされる全トリビュータリ・ポートに対するエラー/アラーム検出信号を検出する。
【0053】
本実施の形態において、エラー/アラーム検出モジュール20dは、Muxモジュール20cからの出力を取り込むタイミングが、RAMモジュール20fによる検出/解除シーケンスの状態の管理と連動されている。これにより、エラー/アラーム検出モジュール20dは、その構成およびリソースを、1トリビュータリ・ポートのエラー/アラーム検出を行う場合と同等とすることができる。
【0054】
ポート番号カウンタモジュール20eは、トリビュータリ・ポート数を1サイクルとしてカウント(0〜n、自走)動作し、該OTNのトリビュータリ・ポート番号およびRAMモジュール20fのメモリアドレスを管理する。
【0055】
なお、カウント動作は、必ずしも、1ずつの昇順である必要はない。
【0056】
RAMモジュール(メモリ回路)20fは、エラー/アラーム検出モジュール20dでのエラー/アラーム検出の検出/解除シーケンスの状態をポートごとに記憶するもので、ポート番号カウンタモジュール20eによってメモリアドレスが管理される。
【0057】
RAMモジュール20gは、エラー/アラーム検出モジュール20dでのエラー/アラーム検出の結果をステータス(Status)として出力するために、一次的に記憶する。
【0058】
本実施の形態におけるエラー/アラーム検出部20は、OTUkフレームFにマッピングされる全トリビュータリ・ポート数分のフレーム検出部20Aが必要になるものの、エラー/アラーム検出モジュール20dを共通化することができる。
【0059】
すなわち、フレーム同期モジュール20a〜は、ODUkフレームDの1バイトごとのデータ処理を必要とするのに対し、エラー/アラーム検出モジュール20dは、ODUフレームDの特有のフレーム構造により、ODUフレームDの特定のデータを対象に処理を行うため、複数ポート分の処理を1フレーム間に時分割で行う時間的な余裕ができる。したがって、OTUkフレームFにマッピングされるトリビュータリ・ポート数によらず、トリビュータリ・スキャン機能を一つのエラー/アラーム検出モジュール20dにより実現でき、トリビュータリ・ポート数の変化に伴う回路規模の増加やソースコードの可読性が悪化するのを抑制できる。
【0060】
なお、本実施の形態において、RAMモジュール20f,20gは、必ずしも別個に設ける必要はなく、一つのRAMモジュールによって構成することもできる。
【0061】
図4は、本発明の実施の形態に係るOTN測定器1で扱うOTNフレーム信号におけるOTUkフレームFのフレーム構造(フォーマットとエラー/アラーム検出部の1つであるPM(Path Monitoring)3のバイト位置)を示す概略図である。
【0062】
OTUkフレームFは、ITU−Tの通信規格に関する勧告G.709により規定(準拠)されており、送信データである種々のクライアント信号CSに、OPUヘッダ(オーバーヘッドとも記す)OH1と、ODUヘッダOH2と、OTUヘッダOH3と、が付加されて作成される。
【0063】
また、OTUkフレームFには、図示していないが、そのFECフィールドに誤り訂正バイト(FEC)がデフォルトとして付加される。
【0064】
例えば、OTUkフレームFにおいて、Frame Alignment overhead(FA)は7バイト、OPUoverhead(OH1)は8バイト、ODUoverhead(OH2)は42バイト、OTUoverhead(OH3)は7バイト、にそれぞれ規定されている。
【0065】
なお、
図4において、OTUkフレームFのoverheadのフォーマットにおける、PM、TCM(Tandem Connection Monitoring)、および、OPUヘッダOH1などの各フォーマットは、図示の通りとなっている。
【0066】
また、PM&TCM(遅延時間測定)において、DMt1〜DMt6は、tandem connection delay monitoring1〜6の略称であり、DMpは、path delay monitoringの略称であり、RESは、Reserved for future international standardizationの略称である。
【0067】
図5は、本発明の実施の形態に係るOTN測定器1において、エラー/アラーム検出部20を構成するMuxモジュール20c(
図3参照)のタイミングチャートを示すものである。なお、ここでは、トリビュータリ・ポートのポート番号「Port1」〜「Port4」を入力(エラー/アラーム検出用データ)とし、PM3の出力(Out)を生成する場合について例示している。
【0068】
すなわち、Muxモジュール20cは、各データドロップモジュール20b〜において、それぞれのデータ位置情報(Timing)のタイミングでドロップされた、ポート番号Port1〜Port4の各エラー/アラーム検出用データを、後段のエラー/アラーム検出モジュール20dでのデータ処理のために、ポート番号カウンタモジュール20eのカウンタ出力とそれぞれのデータ位置情報(Timing)とに基づいて、OTUkフレームFにマッピングされたODUkフレームDのトリビュータリ・ポート番号順に多重化する。
【0069】
また、Muxモジュール20cは、該多重化データをポート数に応じて一周するスロットにポート番号順に収納し、該多重化データの存在を示すM-Timing信号とともに、エラー/アラーム検出モジュール20dに出力する。
【0070】
なお、Muxモジュール20cでは、各フレーム同期モジュール20a〜および各データドロップモジュール20b〜から、ポートごとにばらばらに送られてくる各エラー/アラーム検出用データをそれぞれのスロット内に収納し、当該ポート番号に対応するデータ位置情報(Timing)に応じた送出タイミングまでラッチする。これにより、いくつかのポートから同時に複数のデータが送出されたとしても、特に問題はない。
【0071】
また、Muxモジュール20cは、各ポート番号が、RAMモジュール20fのメモリアドレスを管理するポート番号カウンタモジュール20eによって管理されるので、エラー/アラーム検出モジュール20dが、Muxモジュール20cからの出力を取り込むタイミングを、RAMモジュール20fによる検出/解除シーケンスの状態の管理と連動させることが可能となる。したがって、エラー/アラーム検出モジュール20dは、1トリビュータリ・ポートのエラー/アラーム検出を行う場合と同等の構成およびリソースとすることができる。
【0072】
ここで、上記したMuxモジュール20cを含む、エラー/アラーム検出部20の動作について、簡単に説明する。
【0073】
図6は、トリビュータリ・スキャン機能の実行時の動作を説明するために示すフローチャートである。
【0074】
図6に示すように、例えば、トリビュータリ・スキャン機能を搭載したOTN測定器1において、操作部11から、測定者によってトリビュータリ・スキャンによる測定の開始などが指示されたとする(ステップS1のYES)。
【0075】
すると、その信号が、制御部10から生成部14および測定部15に送られる。これにより、OTN測定器1では、生成部14において所定のフレーム信号が生成され、外部のDUT2に出力されるとともに、測定部15において、DUT2からビットレートとして送出されるOTNフレーム信号が受信部15Aを介して取り込まれる。こうして、OTN測定器1による、所望のDUT2に対するトリビュータリ・スキャン機能が実行される。
【0076】
なお、本実施の形態において、トリビュータリ・スキャン機能としては、DUT2から送出されるOTNフレーム信号を取り込み、OTNの全てのトリビュータリ・ポートについて、エラー/アラーム検出を同時に実行するものであればよく、その方法については特に限定されるものではないので、トリビュータリ・スキャン機能に関する具体的な説明は省略する。
【0077】
該トリビュータリ・スキャン機能の実行に伴って、測定部15の受信部15Aが、DUT2からのOTNフレーム信号を取り込むと、測定部15においては、まず、ビットレートのフレーム同期モジュール16とトリビュータリ・ポート識別モジュール17とによって、取り込んだOTNフレーム信号におけるOTUkフレームFの先頭データの位置の検出と、OTUkフレームFにおけるODUkフレームDのポート番号の識別と、が行われる。
【0078】
続いて、エラー/アラーム検出部20において、フレーム検出部20Aの各フレーム同期モジュール20a〜によって、ODUkフレームDにおける先頭データとそのデータ位置情報(Timing)とをポートごとに検出するとともに、フレーム検出部20Aの各データドロップモジュール20b〜によって、各ポートのデータ位置情報(Timing)に基づいて、ODUkフレームDよりエラー/アラーム検出用データをポートごとにドロップする(ステップS2)。
【0079】
そして、エラー/アラーム検出部20では、逐次、各データドロップモジュール20b〜からのエラー/アラーム検出用データを、それぞれのデータ位置情報(Timing)とともに、Muxモジュール20cに送出する。Muxモジュール20cでは、ポートごとにばらばらに送られてくる各エラー/アラーム検出用データをそれぞれのスロット内に収納し、当該ポート番号に対応するデータ位置情報(Timing)に応じた送出タイミングまでラッチする。
【0080】
次いで、全ポート分のエラー/アラーム検出データの送出が終了すると、エラー/アラーム検出部20では、Muxモジュール20cによって、全ポート分のエラー/アラーム検出用データを、それぞれのデータ位置情報(Timing)とポート番号カウンタモジュール20eのカウンタ出力とに基づいて、OTUkフレームFにマッピングされたODUkフレームDのトリビュータリ・ポート番号順に多重化する(ステップS3)。
【0081】
次いで、エラー/アラーム検出部20では、エラー/アラーム検出モジュール20dによって、Muxモジュール20cからの多重化データの存在を示すM-Timing信号とRAMモジュール20fに格納された検出/解除シーケンスの状態とに基づいて、Muxモジュール20cからの多重化データを時分割で処理し、該OTNの全トリビュータリ・ポートに対するエラー/アラーム検出信号を検出する(ステップS4)。
【0082】
次いで、エラー/アラーム検出部20では、RAMモジュール20gによって、エラー/アラーム検出モジュール20dでのエラー/アラーム検出の結果を一次的に保持した後、それをステータスとして出力させる(ステップS5)。
【0083】
こうして、OTN測定器1は、測定部15において、エラー/アラーム検出部20からのステータスを制御部10に送出させることで、トリビュータリ・スキャン機能における一連の動作を終了する。
【0084】
なお、制御部10に送出されたステータスは、例えば、測定の結果としてポート番号ごとに表示部12で表示される。
【0085】
図7は、本発明の実施の形態に係るOTN測定器1の表示部12での表示例を示す概略図である。
【0086】
図7に示すように、表示部12の表示画面には、例えば、OTN測定器1によるトリビュータリ・スキャン機能の実行に伴う測定の結果として、エラー/アラーム検出の結果がポート番号ごとに表示される。
【0087】
なお、
図7では、OTUkフレームFにマッピングされる全トリビュータリ・ポート数を80ポートとした場合において、ポート番号「Port1」についてのエラー/アラームの検出例を示している。
【0088】
これにより、測定者は、被試験対象のDUT2におけるエラー発生数およびアラーム発生数を、目視により容易に理解できるようになる。
【0089】
上記したように、本実施の形態においては、回路規模の増加を抑制することができ、回路のゲート使用率およびソースコードの可読性が悪化するのを改善できるネットワーク試験装置およびネットワーク試験方法を提供することができる。
【0090】
すなわち、本実施の形態に係るOTN測定器1は、エラー/アラーム検出部20において、80ポート分のフレーム同期モジュール20a〜とデータドロップモジュール20b〜とを有するフレーム検出部20Aに対して、共通にMuxモジュール20cとエラー/アラーム検出モジュール20dとを設け、エラー/アラーム検出を1モジュール(エラー/アラーム検出モジュール20d)で行うことができるようにしている。これにより、80ポート分の処理を1フレーム間に時分割で行う時間的な余裕を確保できるため、OTUkフレームFにマッピングされるトリビュータリ・ポート数によらず、トリビュータリ・スキャン機能を一つのエラー/アラーム検出モジュール20dにより実現できる。したがって、規格の変更などによるトリビュータリ・ポート数の変化に応じてトリビュータリ・スキャン機能に十分な拡張性を持たせることが可能となり、回路規模の増加やソースコードの可読性が悪化するのを抑制できる。
【0091】
以上により、本発明のネットワーク試験装置およびネットワーク試験方法は、回路規模の増加を抑制することができ、回路のゲート使用率およびソースコードの可読性が悪化するのを改善できるという効果を有し、ネットワーク試験装置の全般に有用である。