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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-197910(P2015-197910A)
(43)【公開日】2015年11月9日
(54)【発明の名称】タッチパネルの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20151013BHJP
【FI】
   G06F3/041 490
   G06F3/041 660
   G06F3/041 422
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-169168(P2014-169168)
(22)【出願日】2014年8月22日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0039319
(32)【優先日】2014年4月2日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100166420
【弁理士】
【氏名又は名称】福川 晋矢
(72)【発明者】
【氏名】シン・ジェ・ホ
(72)【発明者】
【氏名】ハン・ソン
(72)【発明者】
【氏名】イ・スン・ミン
(72)【発明者】
【氏名】イ・ヒョン・ドン
(72)【発明者】
【氏名】キム・ヨン・ス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】導体線を形成する金属を黒化処理して導体線の不可視性を増加するタッチパネルの製造方法を提供する。
【解決手段】基板210に設けられるフォトレジストの一部領域を露光及び現像してマスクパターンMPを形成する段階、マスクパターン及びマスクパターン間の空間として定義される溝部の表面に第1黒化膜245aを形成する段階、第1黒化膜及び溝部から上面が平坦になるように金属膜243aを形成する段階、金属膜を酸化処理して第2黒化膜247aを形成する段階、及びマスクパターンを剥離する段階により導体線を形成する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に設けられるフォトレジストの一部領域を露光及び現像してマスクパターンを形成する段階と、
前記マスクパターン及び前記マスクパターン間の空間として定義される溝部の表面に第1黒化膜を形成する段階と、
前記第1黒化膜及び前記溝部から上面が平坦になるように金属膜を形成する段階と、
前記金属膜を酸化処理する段階と、
前記マスクパターンを剥離する段階と、を含む、タッチパネルの製造方法。
【請求項2】
前記第1黒化膜を形成する段階は、真空蒸着方式を用いて前記第1黒化膜を形成する、請求項1に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項3】
前記真空蒸着方式は、スパッタリング(Sputtering)方式を含む、請求項2に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項4】
前記金属膜を形成する段階は、フィル(fill)めっき方式を用いて前記金属膜を形成する、請求項1に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項5】
前記金属膜の厚さは前記フォトレジストの厚さによって決定される、請求項1に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項6】
前記溝部上に形成される金属膜の厚さは1〜5μmである、請求項1に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項7】
前記金属膜を酸化処理する段階は、前記マスクパターン上の金属膜が除去されるのに十分な時間で行われる、請求項1に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項8】
前記マスクパターンを剥離する段階では、剥離液を用いて前記マスクパターンを剥離する、請求項1に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項9】
前記金属膜は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、及び銅(Cu)のいずれか一つの金属、またはこれらの合金で形成される、請求項1に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項10】
前記第1黒化膜は、ブラックニッケル(Black Ni)で形成される、請求項1に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項11】
基板に設けられるフォトレジストの一部領域を露光及び現像してマスクパターンを形成する段階と、
前記マスクパターンの上面及び前記マスクパターン間の空間として定義される溝部の表面から上面が平坦になるように金属膜を形成する段階と、
前記金属膜を酸化処理する段階と、
前記マスクパターンを剥離する段階と、を含む、タッチパネルの製造方法。
【請求項12】
前記金属膜を形成する段階は、フィル(fill)めっき方式を用いて前記金属膜を形成する、請求項11に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項13】
前記金属膜の厚さは前記フォトレジストの厚さによって決定される、請求項11に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項14】
前記溝部上に形成される金属膜の厚さは1〜5μmである、請求項11に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項15】
前記金属膜を酸化処理する段階は、前記マスクパターン上の金属膜が除去されるのに十分な時間で行われる、請求項11に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項16】
前記マスクパターンを剥離する段階では、剥離液を用いて前記マスクパターンを剥離する、請求項11に記載のタッチパネルの製造方法。
【請求項17】
前記金属膜は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、及び銅(Cu)のいずれか一つの金属、またはこれらの合金で形成される、請求項11に記載のタッチパネルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
静電容量方式のタッチスクリーンは、一定のパターンを有する複数の電極を含み、タッチ入力によって静電容量の変化が生成される複数のノードが上記複数の電極によって定義される。2次元平面に分布する複数のノードは、タッチ入力によって自己静電容量(Self−Capacitance)または結合静電容量(Mutual−Capacitance)の変化を生成し、複数のノードで生成される静電容量の変化に加重平均計算法などを適用してタッチ入力の座標を計算することができる。
【0003】
一般に、タッチパネルでは、タッチを認識するセンシング電極をITO(Indium Tin Oxide、インジウム‐スズ酸化物)で形成した。しかし、ITOの場合、原料であるインジウム(Indium)が希土類金属で高価であるため価格競争力が落ちる上、10年以内に枯渇すると予想されるため需給が円滑ではないという問題がある。
【0004】
上記のような理由で不透明な導体線を用いて電極を形成しようとする研究が行われており、導体線で形成される電極にはITOや伝導性高分子に比べて電気伝導度に優れ、需給が円滑であるという長所がある。
【0005】
但し、導体線をタッチスクリーン用電極として用いる場合、金属の特有の色相による光反射が発生して、導体線がユーザーに容易に視認されるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国公開特許第10−2011−0089423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、導体線を形成する金属を黒化処理して導体線の不可視性を増加することができるタッチパネルの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一形態によるタッチパネルの製造方法は、基板に設けられるフォトレジストの一部領域を露光及び現像してマスクパターンを形成する段階と、上記マスクパターン及び上記マスクパターン間の空間として定義される溝部の表面に第1黒化膜を形成する段階と、上記第1黒化膜及び上記溝部から上面が平坦になるように金属膜を形成する段階と、上記金属膜を酸化処理する段階と、上記マスクパターンを剥離する段階と、を含むことができる。
【0009】
上記第1黒化膜を形成する段階は省略されることができる。
【0010】
上記第1黒化膜を形成する段階は、真空蒸着方式を用いて上記第1黒化膜を形成することができる。
【0011】
上記真空蒸着方式は、スパッタリング(Sputtering)方式を含むことができる。
【0012】
上記金属膜を形成する段階は、フィル(fill)めっき方式を用いて上記金属膜を形成することができる。
【0013】
上記金属膜の厚さは上記フォトレジストの厚さによって決定されることができる。
【0014】
上記溝部上に形成される金属膜の厚さは1〜5μmであることができる。
【0015】
上記金属膜を酸化処理する段階は、上記マスクパターン上の金属膜が除去さされるのに十分な時間で行われることができる。
【0016】
上記マスクパターンを剥離する段階は、剥離液を用いて上記マスクパターンを剥離することができる。
【0017】
上記金属膜は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、及び銅(Cu)のいずれか一つの金属、またはこれらの合金で形成されることができる。
【0018】
上記第1黒化膜は、ブラックニッケル(Black Ni)で形成されることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、導体線を形成する金属を黒化処理して導体線の不可視性を増加させることができる。
【0020】
また、マスクパターンの剥離前に、マスクパターン上の金属物質を除去することにより、製造工程を簡単にすることができ、タッチパネルの不良率を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態によるタッチパネルを含む電子機器の外観を示した斜視図である。
図2】本発明の一実施形態によるタッチパネルを示した正面図である。
図3図2の実施形態によるタッチパネルをより詳細に示した図面である。
図4図2の実施形態によるタッチパネルをより詳細に示した図面である。
図5】本発明の一実施形態によるタッチパネルの断面を概略的に示した図面である。
図6a】本発明の一実施形態によるタッチパネルの製造方法を説明するために提供される図面である。
図6b】本発明の一実施形態によるタッチパネルの製造方法を説明するために提供される図面である。
図6c】本発明の一実施形態によるタッチパネルの製造方法を説明するために提供される図面である。
図6d】本発明の一実施形態によるタッチパネルの製造方法を説明するために提供される図面である。
図6e】本発明の一実施形態によるタッチパネルの製造方法を説明するために提供される図面である。
図6f】本発明の一実施形態によるタッチパネルの製造方法を説明するために提供される図面である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0023】
図1は本発明の一実施形態によるタッチパネルを含む電子機器の外観を示した斜視図である。
【0024】
図1を参照すると、本実施形態による電子機器100は、画面を出力するためのディスプレイ装置110、入力部120、音声を出力するためのオーディオ部130、及びディスプレイ装置110と一体化されて形成されるタッチスクリーン装置を含むことができ、タッチスクリーン装置内にタッチパネルが含まれることができる。
【0025】
図1に示されているように、モバイル機器の場合、タッチスクリーン装置がディスプレイ装置と一体化されて備えられることが一般的であり、タッチスクリーン装置はディスプレイ装置が示す画面が透過できるほど高い光透過率を有さなければならない。したがって、タッチスクリーン装置は、PET(Polyethylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、PES(polyethersulfone)、PI(polyimide)、PMMA(Polymethylmethacrylate)、COP(Cyclo−Olefin Polymers)などのフィルム、ソーダガラス(Soda glass)または強化ガラス(tempered glass)のような材質の透明な基板に電気伝導性を有する物質で電極を形成することで具現されることができる。タッチスクリーン装置のベゼル領域には電気伝導性物質で形成された電極と連結される配線パターンが配置され、配線パターンはベゼル領域によって視覚的に遮蔽される。
【0026】
本発明によるタッチスクリーン装置は、静電容量方式によって動作することを仮定するため、所定のパターンを有する複数の電極を含むことができる。また、タッチスクリーン装置には、複数の電極で生成される静電容量の変化を検出するための静電容量感知回路や静電容量感知回路の出力信号をデジタル値に変換するアナログ−デジタル変換回路、デジタル値に変換されたデータを用いてタッチ入力を判断する演算回路などが含まれることができる。
【0027】
図2は本発明の一実施形態によるタッチパネルを示した図面である。
【0028】
図2を参照すると、本実施形態によるタッチパネル200は、基板210、基板210上に設けられる電極部220、及び電極部220とそれぞれ連結される複数のバッドを含むパッド部230を含む。また、図2には示されていないが、電極部220とそれぞれ連結されるパッド部230は配線電極及びボンディングパッドによって基板210の一端に付着される回路基板の配線パターンと電気的に連結されることができる。回路基板にはコントローラ集積回路が実装されて、電極部220において生成される感知信号を検出し、タッチ入力を判断することができる。
【0029】
基板210は、電極部220が形成されるための透明な基板であることができる。上述のように、基板210は、PET(Polyethylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、PES(polyethersulfone)、PI(polyimide)、PMMA(Polymethlymethacrylate)、COP(Cyclo−Olefin Polymers)などのフィルム、ソーダガラス(Soda glass)または強化ガラス(tempered glass)のような材質で形成されることができる。
【0030】
電極部220は、X軸方向に延長される第1電極223、及びY軸方向に延長される第2電極226を含むことができる。第1電極223及び第2電極226は、基板210の両面に設けられたり、または異なる基板210に設けられて交差することができる。基板210の一面にともに設けられる場合は、第1電極223と第2電極226との交差地点に部分的に所定の絶縁層を形成することができる。なお、これとは異なって、第1電極223及び第2電極226は異なる基板に設けられて交差することもできる。
【0031】
さらに、電極部220が形成される領域の他に、電極部220とそれぞれ連結されるパッド部230が設けられる領域には、一般に、不透明な金属物質で形成される配線を視覚的に遮蔽するための所定の印刷領域が基板210に形成されることができる。
【0032】
電極部220と電気的に連結されるタッチ入力感知装置は、タッチ入力によって電極部220で生成される静電容量の変化を検出し、タッチ入力を感知する。第1電極223はコントローラ集積回路においてD1〜D8と定義されるチャンネルと連結されて所定の駆動信号の印加を受けることができ、第2電極226はS1〜S8と定義されるチャンネルと連結されて接触感知装置が感知信号を検出するのに用いられることができる。このとき、コントローラ集積回路は、第1電極223と第2電極226との間で生成される結合静電容量(mutual−capacitance)の変化を検出して感知信号を得ることができ、それぞれの第1電極223に順に駆動信号を印加し、第2電極226で同時に静電容量の変化を検出する方式で動作することができる。
【0033】
チャンネルD1〜D8によって第1電極223に駆動信号が印加されると、駆動信号が印加された第1電極223と第2電極226との間で結合静電容量が生成される。タッチパネルに接触物体が接触されると、接触物体が接触した領域と隣接する第1電極223と第2電極226との間で生成される結合静電容量で静電容量の変化が生じる。上記静電容量の変化は、接触物体の面積に比例することができる。
【0034】
図3及び図4図2の実施形態によるタッチパネルをより詳細に説明するための図面である。図3を参照すると、電極部220は、導体線で構成されることができ、電極部220を構成する導体線は網状またはメッシュ状に形成されることができる。導体線が網状またはメッシュ状に形成されることで、従来のITO(Indium−Tin Oxide)電極が存在する領域においてパターニング跡が現れる現象を減少させ、タッチパネルの透過性を向上させることができる。
【0035】
図3には電極部220を構成する導体線がひし形または四角形に形成されるように示されているが、これに限定されず、六角形、八角形、ダイアモンド形及び無定形(random)など、当業者が明白または容易に導出することができる範囲であればよい。また、図4に示されているように、直線状に形成されることもできる。
【0036】
図5は本発明の一実施形態によるタッチパネルの断面を概略的に示した図面である。図5を参照すると、電極部220を構成する導体線は基板の一面に所定のパターンで形成される金属層243、基板210への金属層243の積層面(金属層243の下面)と金属層243の側面に形成される第1黒化層245、及び金属層243の上面に形成される第2黒化層247を含むことができる。
【0037】
金属層243は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)のいずれか一つの金属、またはこれらの合金で製造されることができる。このように、電極部220が金属で製造されることで、電極の抵抗値が減少し、伝導性及び検出感度が向上できる。
【0038】
ただし、金属層243を上記金属物質で具現する場合、金属の特有の色相による光反射が発生して、金属層243がユーザーに容易に視認されるという問題点があるが、金属層243の下面及び側面に第1黒化層245を形成することにより、基板210の他面側からユーザーがタッチパネルをみたときに、タッチパネルの視認特性を改善させることができる。
【0039】
また、金属層243の上面に第2黒化層247を形成することにより、基板の一面側からユーザーがタッチパネルをみたときも、金属層243が視認されることを防止することができる。
【0040】
図6aから図6fは本発明の一実施形態によるタッチパネルの製造方法を説明するために提供される図面である。以下では、図6aから図6fを参照して本実施形態によるタッチパネルの製造方法を説明する。
【0041】
本発明の一実施形態によるタッチパネルの製造方法は、基板210の一面にフォトレジストPRをコーティングすることから始まる(図6a)。その後、フォトレジストPRの所定の領域を露光及び現像してマスクパターンMPを形成するが(図6b)、上記所定の領域は図3及び図4に示される電極部の導体線を形成するための領域に対応することができる。
【0042】
続いて、マスクパターンMPの上面及び側面とマスクパターンMP間の空間として定義される溝部の表面に第1黒化膜245aを形成する(図6c)。このとき、第1黒化膜245aは、ブラックニッケル(Black Ni)をスパッタリング(Sputtering)方式、電子ビーム(E−Beam)方式のような真空蒸着方式を用いて蒸着することにより形成することができる。ここで、第1黒化膜245aのマスクパターンMPの上面からの厚さ、マスクパターンMPの側面からの厚さ、及び基板の一面からの厚さは同一であることができる。
【0043】
次いで、基板210の一面側に銀(Ag)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)のいずれか一つの金属、またはこれらの合金をめっきして金属膜243aを形成する(図6d)。上記金属物質は、溝部を満たすようにめっきされて、金属膜243aの上面が平坦に形成されることができる。
【0044】
一例として、金属膜243aを形成するために、フィル(fill)めっき方式を用いることができる。これにより、溝部上に形成される金属膜243aの厚さがマスクパターンMP上に形成される金属膜243aの厚さよりさらに厚くてもよい。このとき、溝部上に形成される金属膜243aの厚さはマスクパターンMPの厚さ、または最初に基板210にコーティングされるフォトレジストPRの厚さによって決定されることができるため、溝部に形成される金属膜243aの厚さは1〜5μmで自由に設計されることができる。
【0045】
金属膜243aを形成した後に、金属膜243aを酸化処理して第2黒化膜247aを形成する(図6e)。このとき、マスクパターンMP上に形成される金属膜243aが除去されるのに十分な時間で酸化処理が行われて、マスクパターンMP上に形成される金属膜243aが除去されることができる。
【0046】
黒化膜247aを形成した後に、マスクパターンMPを剥離して、図5のようにタッチパネルを製造することができる(図6f)。このとき、一例として、マスクパターンMPを剥離するために、フォトレジスト剥離液を用いることができる。
【0047】
マスクパターンMPを剥離するとき、マスクパターン上に金属膜が残存しないため洗浄工程などをさらに必要としないことから、製造工程を簡単にすることができ、タッチパネルの不良率を減らすことができる。
【0048】
本発明の他の実施形態によると、第1黒化層245を製造するための工程、即ち、図6cに対応する工程が省略されることができる。このとき、金属膜243aは、マスクパターンの上面及び溝部の表面から上面が平坦になるように形成されることができる。後続する工程は、図6e及び図6fにおいて説明した工程と類似するため詳細な説明を省略する。
【0049】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有するものには明らかである。
【符号の説明】
【0050】
210 基板
220 電極部
223 第1電極
226 第2電極
230 パッド部
243 金属層
245 第1黒化層
247 第2黒化層
PR フォトレジスト
MP マスクパターン
243a 金属膜
245a 第1黒化膜
247a 第2黒化膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
図6c
図6d
図6e
図6f