特開2015-199021(P2015-199021A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-199021(P2015-199021A)
(43)【公開日】2015年11月12日
(54)【発明の名称】フィルタ洗浄ヘッド
(51)【国際特許分類】
   B01D 24/46 20060101AFI20151016BHJP
   B01D 33/44 20060101ALI20151016BHJP
   B01D 33/58 20060101ALI20151016BHJP
   B01D 33/06 20060101ALI20151016BHJP
【FI】
   B01D33/36
   B01D33/06 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-78859(P2014-78859)
(22)【出願日】2014年4月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000175272
【氏名又は名称】三浦工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074181
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 明博
(74)【代理人】
【識別番号】100152249
【弁理士】
【氏名又は名称】川島 晃一
(72)【発明者】
【氏名】白石 仁士
【テーマコード(参考)】
4D026
【Fターム(参考)】
4D026BA01
4D026BC23
4D026BC26
4D026BC30
4D026BD01
4D026BD05
4D026BF06
(57)【要約】
【課題】 ノズルの当接面がフィルタ内面の縦継目を跨いだときでも当接面に設けられている吸引穴による逆洗水の吸引を可能とし、洗浄汚水排出管を流れる洗浄汚水の水量の変化を少なくし、水撃作用を緩和することができるようにしたフィルタ洗浄ヘッドを得る。
【解決手段】 ケーシング3内に配置されて内部に流入した被処理水を濾過して外部へ流出させる円筒状のフィルタ4内に備えられ、フィルタ4の内面に摺動可能に当接して逆洗水を吸引するフィルタ洗浄ヘッド1であって、後端がフィルタ4内に配置された洗浄汚水排出管13に接続するヘッド基管14と、ヘッド基管14の先端側に設けられフィルタ4の内面に当接するノズル15とを備え、ノズル15の当接面15aには吸引穴19を設けており、吸引穴19はノズル15の当接面15aがフィルタ4の縦継目7を跨いだとき、吸引穴19の一部がフィルタ4の縦継目7の外に露出するように形成した。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング内に配置されて内部に流入した被処理水を濾過して外部へ流出させる円筒状のフィルタ内に備えられ、前記フィルタ内面に摺動可能に当接して逆洗水を吸引するフィルタ洗浄ヘッドであって、
後端が前記フィルタ内に配置された洗浄汚水排出管に接続するヘッド基管と、ヘッド基管の先端側に設けられ前記フィルタ内面に当接するノズルとを備え、前記ノズルの当接面には吸引穴が設けられており、前記吸引穴は前記ノズルの当接面が前記フィルタの縦継目を跨いだとき、前記吸引穴の一部が前記フィルタの縦継目の外に露出するように形成されていることを特徴とするフィルタ洗浄ヘッド。
【請求項2】
前記吸引穴は、前記フィルタの縦継目幅より狭幅に形成され、前記ノズルの当接面に複数設けられており、1つの吸引穴がフィルタの縦継目内にあるとき他の吸引穴がフィルタの縦継目外に位置するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ洗浄ヘッド。
【請求項3】
前記吸引穴は、前記フィルタの縦継目幅より狭幅で且つ前記フィルタの縦継目幅より長い細長に形成され、前記ノズルの当接面が前記フィルタの縦継目を跨いだとき、前記吸引穴の傾斜上部と傾斜下部が前記フィルタの縦継目の外に露出するように傾斜して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ洗浄ヘッド。
【請求項4】
前記吸引穴は、前記フィルタの縦継目幅より広幅に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ洗浄ヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーシング内に配置されて内部に流入した被処理水を濾過して外部へ流出させる円筒状のフィルタ内に備えられ、前記フィルタ内面に摺動可能に当接して逆洗水を吸引するフィルタ洗浄ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
船舶に貯留されるバラスト水や、その他汚染物質を含んだ汚染水などの被処理水を濾過するものとして、内部に流入した被処理水を濾過して外部へ流出させる円筒状のフィルタを備えた濾過器がある。この濾過器で使用されるフィルタは、多数の穴を設けた金属薄板を、その側辺を突き合わせて接続し円筒形に形成した支持体の内周面に金網などの濾過体を円筒状に設けた構成のものが知られている。
【0003】
このように構成されるフィルタは、一方の開口部が被処理水入口となり、他方の開口部は閉鎖され、被処理水入口からフィルタ内側に流入した被処理水を内周面の濾過体を通過させ被処理水中の異物を捕捉することから、フィルタの内面に異物が堆積し、異物の堆積量が多くなるにつれフィルタの閉塞が進み、そのままにしておくと圧力損失が大きくなり、濾過流量が十分に得られなくなる。このような事態を防止するため、フィルタを洗浄して内面に堆積している異物を除去し、フィルタの濾過能力を維持する必要がある。
【0004】
フィルタを洗浄する方法として、濾過方向と逆方向にフィルタ二次側の処理水を流す逆洗浄が知られている。この逆洗浄によって濾過物が混在した水は、フィルタ内に備えられ、フィルタ内面に摺動可能に当接し、フィルタ内面を摺動するフィルタ洗浄ヘッドから吸引排出される(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に例示されるこの種のフィルタ洗浄ヘッドは、フィルタ内に配置された洗浄汚水排出管に接続され、フィルタ内面に摺動可能に当接するノズルを備えており、ノズルの当接面には吸引穴が設けられ、フィルタ二次側の圧力と洗浄汚水排出管の圧力差により逆洗水を吸引穴から吸引し、洗浄汚水排出管を通して排出するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2008−507391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した円筒状のフィルタが、多数の穴を設けた金属薄板の側辺を接続して円筒形に形成した支持体の内周面に金網などの濾過体を円筒状に設けた構成のものである場合、フィルタに1又は複数の縦継目が存在することになる。
このため、特許文献1に例示されるこの種のフィルタ洗浄ヘッドにおけるノズルの当接面は、フィルタ内面の摺動の過程で必ず縦継目を通過し、ノズルの当接面が縦継目を跨いだときノズルの当接面に設けられている吸引穴がフィルタの縦継目により瞬間的に塞がれ逆洗水の吸引が停止することになる。その結果、洗浄汚水排出管を流れる洗浄汚水の水量の急激な減少による洗浄汚水排出管の急激な圧力変化によって生じる圧力波の伝播による水撃作用が発生し、大きな衝撃音の発生ばかりか配管を破損してしまう場合がある。
また、洗浄汚水排出管を流れる洗浄汚水の水量の急激な減少による洗浄汚水排出管の急激な圧力変化したときに生じる負の圧力波が排水側に伝播し、反射波が正の圧力波となってノズルの吸引穴から水を噴射させ、この噴射圧によりノズルの当接面をフィルタ内面から離反させる場合がある。この場合、ノズルの当接面にフィルタの一次側の圧力が掛かり、ノズルの当接面をフィルタに押しつける力が小さいと、ノズルの当接面がフィルタの縦継目を通過した後も、ノズルの当接面がフィルタ内面から離反したままの状態となることもある。こうしたノズルの当接面のフィルタ内面からの離反を防ぐためには、正の圧力波により発生するノズルの吸引穴から水を噴射する噴射圧に勝る大きな力でノズルの当接面をフィルタに押しつけなければならず、その分構成が大がかりになる。
【0007】
本発明の目的は、ノズルの当接面がフィルタ内面の縦継目を跨いだときでも当接面に設けられている吸引穴による逆洗水の吸引を可能とし、洗浄汚水排出管を流れる洗浄汚水の水量の変化を少なくし、水撃作用を緩和することができるようにしたフィルタ洗浄ヘッドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ケーシング内に配置されて内部に流入した被処理水を濾過して外部へ流出させる円筒状のフィルタ内に備えられ、前記フィルタ内面に摺動可能に当接して逆洗水を吸引するフィルタ洗浄ヘッドであって、後端が前記フィルタ内に配置された洗浄汚水排出管に接続するヘッド基管と、ヘッド基管の先端側に設けられ前記フィルタ内面に当接するノズルとを備え、前記ノズルの当接面には吸引穴が設けられており、前記吸引穴は前記ノズルの当接面が前記フィルタの縦継目を跨いだとき、前記吸引穴の一部が前記フィルタの縦継目の外に露出するように形成されていることを特徴としているフィルタ洗浄ヘッドである。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、前記ノズルの当接面に設けられた前記吸引穴は前記ノズルの当接面が前記フィルタの縦継目を跨いだとき、前記吸引穴の一部が前記フィルタの縦継目の外に露出するように形成されているので、前記ノズルの当接面が前記フィルタの縦継目を跨いだときでも、前記吸引穴から逆洗水が吸引され洗浄汚水として洗浄汚水排出管を流れることから、洗浄汚水排出管を流れる洗浄汚水の水量の変化を少なくすることができ、水撃作用を緩和することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記吸引穴は、前記フィルタの縦継目幅より狭幅に形成され、前記ノズルの当接面に複数設けられており、1つの吸引穴がフィルタの縦継目内にあるとき他の吸引穴がフィルタの縦継目外に位置するように配置されていることを特徴としている請求項1に記載のフィルタ洗浄ヘッドである。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、1つの吸引穴がフィルタの縦継目内にあるとき他の吸引穴がフィルタの縦継目外に位置するように配置されているので、1つの吸引穴がフィルタの縦継目で塞がれた場合でも他の吸引穴から逆洗水が吸引され洗浄汚水排出管を流れるので、洗浄汚水排出管を流れる洗浄汚水の水量の変化を少なくすることができ、水撃作用を緩和することができる。そして、前記吸引穴は、前記フィルタの縦継目幅より狭幅に形成されているので、前記ノズルの当接面に設けられている複数の吸引穴が前記フィルタの縦継目から外れ全開した場合でも、全ての吸引穴から吸引される逆洗水の吸引量を適量に抑えることができ、逆洗水として使用する洗浄水の過度な排出を防止することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記吸引穴は、前記フィルタの縦継目幅より狭幅で且つ前記フィルタの縦継目幅より長い細長に形成され、前記ノズルの当接面が前記フィルタの縦継目を跨いだとき、前記吸引穴の傾斜上部と傾斜下部が前記フィルタの縦継目の外に露出するように傾斜して設けられていることを特徴としている請求項1に記載のフィルタ洗浄ヘッドである。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、前記ノズルの当接面が前記フィルタの縦継目を跨いだとき、前記吸引穴の傾斜上部と傾斜下部が前記フィルタの縦継目の外に露出するように傾斜して設けられているので、前記ノズルの当接面が前記フィルタの縦継目を跨いだときでも、前記吸引穴から逆洗水が吸引され洗浄汚水として洗浄汚水排出管を流れることから、洗浄汚水排出管を流れる洗浄汚水の水量の変化を少なくすることができ、水撃作用を緩和することができる。そして、前記吸引穴は、前記フィルタの縦継目幅より狭幅に形成されているので、前記ノズルの当接面に設けられている吸引穴が前記フィルタの縦継目から外れ全開した場合でも、吸引穴から吸引される逆洗水の吸引量を適量に抑えることができ、逆洗水として使用する洗浄水の過度な排出を防止することができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記吸引穴は、前記フィルタの縦継目幅より広幅に形成されていることを特徴としている請求項1に記載のフィルタ洗浄ヘッドである。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、前記吸引穴は、前記フィルタの縦継目幅より広幅に形成されているので、前記ノズルの当接面が前記フィルタの縦継目を跨いだとき、前記吸引穴の一部が前記フィルタの縦継目の外に露出し、露出した前記吸引穴の一部から逆洗水が吸引され洗浄汚水として洗浄汚水排出管を流れることから、前記ノズルの当接面が前記フィルタの縦継目を跨いだときでも、洗浄汚水排出管を流れる洗浄汚水の水量の変化を少なくすることができ、水撃作用を緩和することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るフィルタ洗浄ヘッドによれば、ノズルの当接面に設けられた吸引穴はフィルタの縦継目を跨いだとき、吸引穴の一部がフィルタの縦継目の外に露出するように形成されているので、吸引穴がフィルタの縦継目を跨いだときでも、吸引穴から逆洗水が吸引され洗浄汚水として洗浄汚水排出管を流れることから、洗浄汚水排出管を流れる洗浄汚水の水量の変化を少なくし、水撃作用を緩和することができ、水撃作用による衝撃音の発生を抑えるとともに配管の破損を防止することができ、さらに、水撃作用による正の圧力波を受けてノズルの当接面がフィルタ内面から離反するといった事態を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るフィルタ洗浄ヘッドを備えた濾過器の一例を示す概略断面図である。
図2】濾過器のフィルタの一例を示す一部省略斜視図である。
図3】本発明に係るフィルタ洗浄ヘッドの実施の形態の第1例を示す断面図である。
図4】第1例のノズルの当接面に設けられた吸引穴を示す説明図である。
図5】本発明に係るフィルタ洗浄ヘッドの実施の形態の第2例のノズルの当接面に設けられた吸引穴を示す説明図である。
図6】本発明に係るフィルタ洗浄ヘッドの実施の形態の第3例のノズルの当接面に設けられた吸引穴を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係るフィルタ洗浄ヘッドの実施の形態の一例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係るフィルタ洗浄ヘッドを備えた濾過器の一例を示す概略断面図、図2は濾過器のフィルタの一例を示す一部省略斜視図、図3は本発明に係るフィルタ洗浄ヘッドの実施の形態の第1例を示す断面図、図4は第1例のノズルの当接面に設けられた吸引穴を示す説明図である。
【0019】
本発明に係るフィルタ洗浄ヘッド1は、濾過器2のケーシング3内に配置されたフィルタ4内に備えられている。ケーシング3は、円筒状に形成され、上部開口部が蓋部5で、下部開口部が底部6で密閉されている。ケーシング3内に配置されたフィルタ4は、本例では、多数の穴を設けた金属薄板を、その側辺を突き合わせて接続し円筒形に形成した縦継目7が存在する支持体の内周面に金網などの濾過体を円筒状に設けた構成となっており(図2参照。)、その上部開口部が上閉止部8で密閉され、下部開口部が下閉止部9で密閉され、その軸心を中心にケーシング3に回転可能に支持され、モータ10で回転するようになっている。
ケーシング3の下部にはフィルタ4と連通する被処理水導入口11が設けられ、ケーシング3の側部には処理水流出口12が設けられている。また、フィルタ4内には、フィルタ4の軸心に洗浄汚水を外部に排出する洗浄汚水排出管13が配置されている。
【0020】
フィルタ4内に備えられているフィルタ洗浄ヘッド1は、洗浄汚水排出管13に連通状態で取り付けられており、洗浄汚水排出管13に接続するヘッド基管14と、ヘッド基管14の先端側に設けられフィルタ4の内周面に摺動可能に当接するノズル15とを備えている。
ノズル15はヘッド基管14の先端側外周に軸方向移動自在に嵌合しており、ヘッド基管14の外周に設けた支持枠16により移動距離が規制され且つ抜け出しが防止されている。ノズル15の後端と支持枠16との間には、ノズル15を先端側に付勢してフィルタ4の内周面に押しつけるバネ17が介装されている。また、ノズル15とヘッド基管14の間には、ノズル15とヘッド基管14の間をシールするOリング18が装着されている。
【0021】
フィルタ4の内周面に当接するノズル15の当接面15aにはヘッド基管14内と連通する吸引穴19が設けられている。この吸引穴19は、ノズル15の当接面15aがフィルタ4の縦継目7を跨いだとき、吸引穴19の一部がフィルタ4の縦継目7の外に露出するように形成されている。
第1例では、ノズル15の当接面15aに設けられた吸引穴19の幅W1がフィルタ4の縦継目7の幅W2より狭幅の縦長に形成され、ノズル15の当接面15aに複数設けられている。
本例では2本の吸引穴19(A)、19(B)が平行に設けられている。この2本の吸引穴19(A)、19(B)は、1つの吸引穴19(A)がフィルタ4の縦継目7内にあるとき他の吸引穴19(B)がフィルタ4の縦継目7外に位置するように配置されている(図4参照。)。
【0022】
このように構成された第1例のフィルタ洗浄ヘッド1によれば、ノズル15の当接面15aはフィルタ4の回転によりフィルタ4の内面を走査し、その過程でノズル15の当接面15aがフィルタ4の縦継目7を跨ぎ、1つの吸引穴19(A)がフィルタ4の縦継目7で塞がれた場合でも他の吸引穴19(B)がフィルタの縦継目の外に露出する(図4参照。)。この結果、フィルタ4の縦継目7の外に露出する他の吸引穴19(B)から逆洗水が吸引され洗浄汚水として洗浄汚水排出管13を流れるので、ノズル15の当接面15aがフィルタ4の縦継目7を跨いだときにおける洗浄汚水排出管13を流れる洗浄汚水の水量の変化を少なくすることができ、洗浄汚水の水量の変化により発生する水撃作用を緩和することができる。
【0023】
また、吸引穴19(A)、19(B)の幅W1は、フィルタ4の縦継目7の幅W2より狭幅に形成されているので、ノズル15の当接面15aに設けられている全ての吸引穴19(A)、19(B)がフィルタ4の縦継目7から外れ全開した場合でも、全ての吸引穴19(A)、19(B)から吸引される逆洗水の吸引量を適量に抑えることができ、逆洗水として使用する洗浄水の過度な排出を防止することができる。
【0024】
図5は本発明に係るフィルタ洗浄ヘッドの実施の形態の第2例のノズルの当接面に設けられた吸引穴を示す説明図である。
第2例のフィルタ洗浄ヘッドについて、第1例と同一の構成については同一の符号を付して説明する。
【0025】
第2例のフィルタ洗浄ヘッド1は、ノズル15の当接面15aに設けられた吸引穴20の幅W3は、フィルタ4の縦継目7の幅W2より狭幅で且つフィルタ4の縦継目7の幅W2より長い細長に形成され、ノズル15の当接面15aがフィルタ4の縦継目7を跨いだとき、吸引穴20の傾斜上部20aと傾斜下部20bがフィルタ4の縦継目7の外に露出するように傾斜して設けられている(図5参照。)。
その他の構成は、第1例と同様なので、第1例の説明を援用する。
【0026】
このように構成された第2例のフィルタ洗浄ヘッド1によれば、ノズル15の当接面15aはフィルタ4の回転によりフィルタ4の内面を走査し、その過程でノズル15の当接面15aがフィルタ4の縦継目7を跨いだとき、吸引穴20の傾斜上部20aと傾斜下部20bがフィルタ4の縦継目7の外に露出する(図5参照。)。この結果、フィルタ4の縦継目7の外に露出する吸引穴20の傾斜上部20aと傾斜下部20bから逆洗水が吸引され洗浄汚水として洗浄汚水排出管13を流れるので、ノズル15の当接面15aがフィルタ4の縦継目7を跨いだときにおける洗浄汚水排出管13を流れる洗浄汚水の水量の変化を少なくすることができ、洗浄汚水の水量の変化により発生する水撃作用を緩和することができる。
【0027】
また、吸引穴20の幅W3は、フィルタ4の縦継目7の幅W2より狭幅に形成されているので、ノズル15の当接面15aに設けられている吸引穴20がフィルタ4の縦継目7から外れ全開した場合でも、吸引穴20から吸引される逆洗水の吸引量を適量に抑えることができ、逆洗水として使用する洗浄水の過度な排出を防止することができる。
【0028】
図6は本発明に係るフィルタ洗浄ヘッドの実施の形態の第3例のノズルの当接面に設けられた吸引穴を示す説明図である。
第3例のフィルタ洗浄ヘッドについて、第1例と同一の構成については同一の符号を付して説明する。
【0029】
第3例のフィルタ洗浄ヘッド1は、ノズル15の当接面15aに設けられた吸引穴21の幅W4は、フィルタ4の縦継目7の幅W2より広幅に形成されている(図6参照。)。
【0030】
このように構成された第1例のフィルタ洗浄ヘッド1によれば、ノズル15の当接面15aはフィルタ4の回転によりフィルタ4の内面を走査し、その過程でノズル15の当接面15aがフィルタ4の縦継目7を跨いだとき、ノズル15の当接面15aに設けられている吸引穴21の一部がフィルタ4の縦継目7の外に露出する(図6参照。)。この結果、フィルタ4の縦継目7の外に露出する吸引穴21の一部から逆洗水が吸引され洗浄汚水として洗浄汚水排出管13を流れるので、ノズル15の当接面15aがフィルタ4の縦継目7を跨いだときにおける洗浄汚水排出管13を流れる洗浄汚水の水量の変化を少なくすることができ、洗浄汚水の水量の変化により発生する水撃作用を緩和することができる。
【0031】
なお、第1例、第3例では、ノズル15の当接面15aに設けられた吸引穴19、20の幅W1、W3がフィルタ4の縦継目7の幅W2より狭幅となっているが、これに限られるものではなく、吸引穴19、20の幅W1、W3がフィルタ4の縦継目7の幅W2と同程度或いはフィルタ4の縦継目7の幅W2より広幅とすることもできる。
【0032】
また、第1例〜第3例では、フィルタ4は回転するように構成され、フィルタ4内に配置された洗浄汚水排出管13に取り付けられているフィルタ洗浄ヘッド1のノズル15の当接面15aは、フィルタ4の回転によりフィルタ4の内面を走査するようになっているが、フィルタ4が固定され、洗浄汚水排出管13が回転するように構成されている場合にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 フィルタ洗浄ヘッド
2 濾過器
3 ケーシング
4 フィルタ
5 蓋部
6 底部
7 縦継目
8 上閉止部
9 下閉止部
10 モータ
11 被処理水導入口
12 処理水流出口
13 洗浄汚水排出管
14 ヘッド基管
15 ノズル
15a 当接面
16 支持枠
17 バネ
18 Oリング
19、20、21 吸引穴
21a 傾斜上部
21b 傾斜下部
図1
図2
図3
図4
図5
図6