特開2015-20055(P2015-20055A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-20055(P2015-20055A)
(43)【公開日】2015年2月2日
(54)【発明の名称】医療用ウエイトアンカー
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20150106BHJP
【FI】
   A61B17/00 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-165572(P2013-165572)
(22)【出願日】2013年7月23日
(71)【出願人】
【識別番号】502034903
【氏名又は名称】株式会社スズキプレシオン
(71)【出願人】
【識別番号】509332671
【氏名又は名称】大平 猛
(72)【発明者】
【氏名】大平 猛
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 庸介
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160MM21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】目的とする臓器・病変部などを直接あるいは付属する生体膜に取り付け、重力、あるいは、磁力を生じる機器を接近させることによって、効率的に医療用ウエイトアンカーを介して間接的に臓器や病変部を目的の方向に牽引し、単一操作で目視にて容易に位置の同定するマーカーの役割を果たすことができる、医療用ウエイトアンカーを提供する。
【解決手段】重錘2と、掛着環状ロープ3とを有し、重錘と掛着環状ロープの楔着は重錘の外形に突出しない形態で楔着形成し、楔着形成は、体液等の侵入しない密封帯で楔着され、重錘は常磁性、若しくは強磁性素材で形成し、楔着環状ロープ2は、可撓性素材で形成した構成とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
重錘と、掛着環状ロープとを有し、前記、重錘と掛着環状ロープの楔着は重錘の外形に
前記重錘は、常磁性素材、もしくは、強磁性素材で形成し、前記楔着環状ロープは、可撓性素材で形成し、目的の臓器等に医療用ウエイトアンカーを掛着させることにより、医療用ウエイトアンカーの自重力により、医療用ウエイトアンカーの位置と体位との関係を利用し、臓器を任意の方向に牽引することができる。あるいは、臓器を目的の方向に医療用ウエイトアンカーを牽引するのに必要な磁性体を配置することにより臓器を目的の方向に牽引することができ、目的の臓器の病変部は切離、縫合等の処置に必要視野が得られるとともに、該、医療用ウエイトアンカーは、常磁性もしくは、強磁性を有しているため、消化管内あるいは気管内に医療用ウエイトアンカーが設定されていても、磁力装置による医療用ウエイトアンカーの位置を同定可能としたことを特徴とする、医療用ウエイトアンカー。
【請求項2】
請求項1記載の医療用ウエイトアンカーにおいて、重錘と、掛着環状ロープを有した、医療用ウエイトアンカーは、内視鏡、もしくはトロカール等の器具を介し、腹腔内等へ挿入可能な形態に形成したことを特徴とする、医療用ウエイトアンカー。
【請求項3】
請求項1記載の医療用ウエイトアンカーにおいて、重錘は、常磁性素材、もしくは、強磁性素材で形成し、環状ロープは可撓性素材で形成したことを特徴とする、医療用ウエイトアンカー。
【請求項4】
請求項1記載の医療用ウエイトアンカーにおいて、重錘に具設した掛着環状ロープは、重錘の外形に突出しない形態で楔着されていることを特徴とする、医療用ウエイトアンカー。
【請求項5】
請求項1、及び請求項4記載の医療用ウエイトアンカーにおいて、重錘に具設した掛
療用ウエイトアンカー。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外科手術の際に使用する切除、縫合支援器具に関するものであり、特に本発明は、内視鏡手術の際に使用する切除、縫合支援器具に係るものである。
【背景技術】
【0002】
外科手術の方策として、いわゆる内視鏡手術が知られている。なお本明細書で内視鏡とは、膀胱鏡、縦隔鏡、胸腔鏡等の体内に挿入して操作を行うものも含む。また、胃・小腸・大腸といった消化管内腔に使用する胃カメラや大腸カメラや気道腔内に使用する気管支鏡なども含まれる。内視鏡手術とは、患者の体に小さな穴を開け、当該穴に内視鏡や特殊なメス、鋏、鉗子等を挿入し、体外から内視鏡で臓器等の状態を観察しつつ手術を行う方法である。
【0003】
内視鏡手術において、取り分け臓器等の組織を切除する、あるいは縫合する内視鏡手術が必須要項である。
さらに、内視鏡による手術は、旧来の開腹手術に比べて切開する範囲が小さく、患者に与える負担が小さい。そのため開腹手術によらず、内視鏡手術による処置を希望する患者が多い。また内視鏡手術は、前記したように、患者に与える負担が小さいという優れた特徴があるため、従来、内視鏡手術が困難であるとされていた疾患や手術部位に対しても、内視鏡による手術の応用が試みられている。また、消化管管腔内および気管支腔内に存在する早期病変に対する処置も内視鏡下に施行されている。
【先行技術文献】
【特許文献1】特許 2002−224128号公報
【特許文献2】特許 2002−282265号公報
【特許文献1】特許 2002−11017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、内視鏡手術は、旧来の開腹手術に比べて、手指を直接体腔内に挿入することが不可能であるという問題点がある。
すなわち内視鏡手術は、患者の体の小さな切開部分から鉗子等の器具を挿入して行うものであるから、直接的に手術部位を手指で把持・牽引することができない。また前記した様に、内視鏡手術は、患者の体の小さな切開部分から鉗子等の器具を挿入して行うが、鉗子等の先端は体内の手術部位に至り、医師が操作する操作部は、体外に位置することから、内視鏡手術に使用する鉗子等は、通常の手術で使用する鉗子に比べて格段に柄が長いため、通常の鉗子に比べて扱いにくい。
【0005】
さらに内視鏡手術は、鉗子等を動かし得るスペースが極めて限定される。すなわち旧来の開腹手術であれば、施術部位は外部に露出しているから、鉗子等を動かす際の自由度が高い。これに対して内視鏡手術は、狭い体腔内で手術を行うので、鉗子等を動作させ得る空間が狭い。たとえば、胃や子宮を手術する場合は、腹腔内あるいは骨盤腔内で鉗子等を一定の位置に固定する必要があり、開腹手術に比べて鉗子等を動かす自由度が低い。
さらに近年では、胸腔内の手術にも内視鏡手術が実施されている。すなわち胸腔は、肋骨によってアプローチが大幅に制約されるが、この様な部位の手術においても、内視鏡手術が実施される傾向がある。
このような部位は、鉗子等を動作・移動させる空隙が小さく、操作する鉗子の自由度が制約され、手術を行いにくい。そのため、内視鏡による手術は、極めて高い熟練性を要する作業であるといえる。
【0006】
内視鏡手術の成否やできばえは、術者の熟練度に負うところが大きい。特に内視鏡手術の際の部位の切除や縫合作業は、柄の長い鉗子で小さな針を操作しなければならず、困難性が高い。また、内視鏡外科医は目的の臓器を任意の方向に牽引し必要な視野、縫合や剥離に必要な牽引力を得ることが望ましい。
また、臓器の目的位置に対するマーカーは、既存のマーカーは容量も小さく鏡視下に同定が困難であることから、臓器の目的位置に対するマーカーの役割を果たすことが難しい。
【0007】
このような課題に対して、目的とする臓器・病変部などを直接あるいは付属する生体膜に医療用ウエイトアンカーを取り付け、医療用ウエイトアンカーの重力、あるいは、磁力を生じる機器を接近させることによって、効率的に医療用ウエイトアンカーを介して間接的に臓器や病変部を目的の方向に牽引することが可能となる。
また、臓器の目的位置に対する既存のマーカーは、容量も小さく鏡視下に同定が困難であったが、単一操作で目視にて容易に位置の同定することが可能となり、臓器の目的位置に対する、マーカーの役割を医療用ウエイトアンカー自体が果たすことができる、医療用ウエイトアンカーを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、重錘と、掛着環状ロープとを有し、前記、重錘と掛着環状ロープの楔着は重錘の外形に突出しない形態で楔着形成し、前記楔着形成は、体液等の侵入しない密
着環状ロープは、可撓性素材で形成し、目的の臓器等に医療用ウエイトアンカーを掛着させることにより、医療用ウエイトアンカーの自重力により、医療用ウエイトアンカーの位置と体位との関係を利用し、臓器を任意の方向に牽引することができる。あるいは、臓器を目的の方向に医療用ウエイトアンカーを牽引するのに必要な磁性体を配置することにより臓器を目的の方向に牽引することができ、目的の臓器の病変部は切離、縫合等の処置に必要視野が得られるとともに、該、医療用ウエイトアンカーは、常磁性もしくは、強磁性を有しているため、消化管内あるいは気管内に医療用ウエイトアンカーが設定されていても、磁力装置による医療用ウエイトアンカーの位置を同定可能としたことを特徴とする、医療用ウエイトアンカーを提案する。
【0009】
また、本発明では、上記構成において、重錘と、掛着環状ロープを有した、医療用ウエイトアンカーは、内視鏡、もしくはトロカール等の器具を介し、腹腔内等へ挿入可能な形態に形成したことを特徴とする、医療用ウエイトアンカーを提案する。
【0010】
また、本発明では、上記構成において、重錘は、常磁性素材、もしくは、強磁性素材で形成し、掛着環状ロープは可撓性素材で形成したことを特徴とする、医療用ウエイトアンカーを提案する。
【0011】
また、本発明では、上記構成において、重錘に具設した掛着環状ロープは、重錘の外形に突出しない形態で楔着されていることを特徴とする、医療用ウエイトアンカーを提案する。
【0012】
また、本発明では、上記構成において、重錘に具設した掛着環状ロープの楔着は、体
案する。
【発明の効果】
【0013】
上述した医療用ウエイトアンカーでは、重錘と、掛着環状ロープとを有し、前記、重錘と掛着環状ロープの楔着は重錘の外形に突出しない形態で楔着形成し、前記楔着形成
磁性素材で形成し、前記楔着環状ロープは、可撓性素材で形成し、目的の臓器等に医療用ウエイトアンカーを掛着させることにより、医療用ウエイトアンカーの自重力により、医療用ウエイトアンカーの位置と体位との関係を利用し、臓器を任意の方向に牽引することができる。あるいは、臓器を目的の方向に医療用ウエイトアンカーを牽引するのに必要な磁性体を配置することにより臓器を目的の方向に牽引することができ、目的の臓器の病変部は切離、縫合等の処置に必要視野が得られるとともに、該、医療用ウエイトアンカーは、常磁性もしくは、強磁性を有しているため、消化管内あるいは気管内に医療用ウエイトアンカーが設定されていても、磁力装置による医療用ウエイトアンカーの位置を同定可能としている。
【0014】
また、重錘と、掛着環状ロープを有した、医療用ウエイトアンカーは、内視鏡、もしくはトロカール等の器具を介し、腹腔内等へ挿入可能な形態に形成している。
【0015】
また、重錘は、常磁性素材、もしくは、強磁性素材で形成し、掛着環状ロープは可撓性素材で形成している。
【0016】
また、重錘に具設した掛着環状ロープは、重錘の外形に突出しない形態で楔着されている。
【0017】
いる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の構成要素の図である。
図2】本発明の挿入時の図である。
図3】本発明の挿入時の図である
図4】本発明の楔着の模擬図である。
図5】本発明の楔着と剥離時の模擬図である
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明の医療用ウエイトアンカーの一実施形態について、図1から図5を参照しながら説明する。図1は、本発明の医療用ウエイトアンカーの構成要素を示す図であり、重錘1と、掛着環状ロープ2とを有し、前記、重錘1と掛着環状ロープ2の楔着は重錘1の外形に突出しない形態で楔着形成し、前記、楔着形成は、体液等の侵入しない密封
楔着環状ロープ2は、可撓性素材で形成し、目的の臓器4等のクリップ5に医療用ウエイトアンカーを掛着させることにより、医療用ウエイトアンカーの自重力により、医療用ウエイトアンカーの位置と体位との関係を利用し、目的の臓器4を任意の方向に牽引することができる。
あるいは、臓器4を目的の方向に医療用ウエイトアンカーを牽引するのに必要な磁性体を配置することにより臓器4を目的の方向に牽引することができ、目的の臓器4の病変部は切離、縫合等の処置に必要視野が得られるとともに、該、医療用ウエイトアンカーは、常磁性もしくは、強磁性を有しているため、消化管内あるいは気管内にウエイトアンカーが設定されていても、磁力装置による医療用ウエイトアンカーの位置を同定可能としている。
【0012】
また、重錘1と、掛着環状ロープ2を有した、医療用ウエイトアンカーは、内視鏡、もしくはトロカール等の器具を介し、腹腔内等へ挿入可能な形態に形成している。
【0013】
また、医療用ウエイトアンカーの重錘1は、常磁性素材、もしくは、強磁性素材で形成し、掛着環状ロープ2は可撓性素材で形成していることにより、臓器4を目的の方向に医療用ウエイトアンカーを牽引するのに必要な磁性体を配置することで臓器4を目的の方向に牽引することができ、目的の臓器4の病変部は切離、縫合等の処置に必要視野が得られるとともに、該、医療用ウエイトアンカーは、常磁性もしくは、強磁性を有しているため、消化管内あるいは気管内にウエイトアンカーが設定されていても、磁力装置による医療用ウエイトアンカーの位置を同定可能としている。
【0014】
また、医療用ウエイトアンカーの重錘1に具設した掛着環状ロープ2は、重錘1の外形に突出しない形態で楔着されていることにより、医療用ウエイトアンカーを複数個掛着できるとともに臓器4等に損傷を与えない。
【0015】
また、医療用ウエイトアンカーの重錘1に具設した掛着環状ロープ2の楔着は、体液
【実施形態の効果】
【0016】
この実施形態によれば、医療用ウエイトアンカーの重錘と、掛着環状ロープとを有し、前記、重錘と掛着環状ロープの楔着は重錘の外形に突出しない形態で楔着形成
性素材、もしくは、強磁性素材で形成し、前記、楔着環状ロープは、可撓性素材で形成し、目的の臓器等のクリップに医療用ウエイトアンカーを掛着させることにより、医療用ウエイトアンカーの自重力により、医療用ウエイトアンカーの位置と体位との関係を利用し、目的の臓器を任意の方向に牽引することができる。
あるいは、臓器を目的の方向に医療用ウエイトアンカーを牽引するのに必要な磁性体を配置することにより臓器を目的の方向に牽引することができ、目的の臓器の病変部は切離、縫合等の処置に必要視野が得られるとともに、該、医療用ウエイトアンカーは、常磁性もしくは、強磁性を有しているため、消化管内あるいは気管内にウエイトアンカーが設定されていても、磁力装置による医療用ウエイトアンカーの位置を同定可能としている。
【0017】
また、重錘と、掛着環状ロープを有した、医療用ウエイトアンカーは、内視鏡、もしくはトロカール等の器具を介し、腹腔内等へ挿入可能な形態に形成している。
【0018】
また、医療用ウエイトアンカーの重錘は、常磁性素材、もしくは、強磁性素材で形成し、掛着環状ロープ2は可撓性素材で形成していることにより、臓器を目的の方向に医療用ウエイトアンカーを牽引するのに必要な磁性体を配置することで臓器を目的の方向に牽引することができ、目的の臓器4の病変部は切離、縫合等の処置に必要視野が得られるとともに、該、医療用ウエイトアンカーは、常磁性もしくは、強磁性を有しているため、消化管内あるいは気管内に医療用ウエイトアンカーが設定されていても、磁力装置による医療用ウエイトアンカーの位置を同定可能としている。
【0019】
また、医療用ウエイトアンカーの重錘に具設した掛着環状ロープは、重錘の外形に突出しない形態で楔着されていることにより、医療用ウエイトアンカーを複数個掛着できるとともに臓器等に損傷を与えない。
【0024】
また、医療用ウエイトアンカーの重錘に具設した掛着環状ロープの楔着は、体液等の
【産業状の利用可能性】
本発明に係る医療用ウエイトアンカーは、文字通り内視鏡手術に用いることを主目的としているが、内視鏡手術以外の手術にも利用可能である。
【符号の説明】
【0025】
1.医療用ウエイトアンカー 2.重錘
3.掛着環状ロープ 4.外部器具(1)
5.外部器具(2) 6.模擬臓器
7.クリップ
図1
図2
図3
図4
図5