【課題】ラインラッチ回路において、データの直列的なラッチ規模に応じて回路構成の変更やレイアウト変更を要せず、また、複数のラッチ規模に対応するためにアドレスデコーダのような規模の大きな回路を要しないものとする。
【解決手段】ラインラッチ回路は、クロック信号に同期してラッチクロックを直列的にシフトする複数のシフトラッチを有するシフトレジスタ回路と、ラッチクロックをラッチイネーブルとするラッチ回路を有する。タイミング制御回路は、ラインラッチ回路への入力データ供給サイクル毎のクロック信号の計数値が第1目標値に達したとき初段のシフトラッチに対してラッチクロックを出力させ、計数値が第2目標値に達したとき所定の中段のシフトラッチに対してラッチクロックを出力させる。
タイミング制御回路と、前記タイミング制御回路の制御に基づいて、入力データを直列的にラッチするラインラッチ回路と、前記ラインラッチ回路に直列的にラッチされたラッチデータを並列に入力して駆動信号を出力する駆動回路とを有する半導体装置であって、
前記ラインラッチ回路は、クロック信号に同期してラッチクロックを直列的にシフトする複数のシフトラッチを有するシフトレジスタ回路と、
前記シフトレジスタ回路によってシフトされてくるラッチクロックで前記入力データをラッチする複数のデータラッチを有するラッチ回路を有し、
前記タイミング制御回路は、前記ラインラッチ回路への入力データの供給サイクル毎に、前記クロック信号を計数し、計数値が第1目標値に達したとき初段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御し、計数値が第2目標値に達したとき所定の中段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御する、半導体装置。
請求項4において、前記シフトレジスタ回路は、シフトラッチのラッチクロックの入力端子に、次段のシフトラッチの出力又は前段のシフトラッチの出力を前記モード信号によって選択するセレクタの出力が接続され、全てのセレクタが前段のシフトラッチの出力を選択することによってシフトレジスタ回路は第1シフト方向を実現し、全てのセレクタが次段のシフトラッチの出力を選択することによってシフトレジスタ回路は第2シフト方向を実現する、半導体装置。
並設された複数の階調信号出力端子を有する表示ドライバと、前記表示ドライバの並設された複数の階調信号出力端子の中央部を空けてその左右の階調信号出力端子に接続されたドットマトリクス型の表示パネルとを有する表示装置であって、
前記表示ドライバは、タイミング制御回路と、前記タイミング制御回路の制御に基づいて、入力データを直列的にラッチするラインラッチ回路と、前記ラインラッチ回路に直列的にラッチされたラッチデータを並列に入力して階調信号を出力する駆動回路とを有し、
前記ラインラッチ回路は、クロック信号に同期してラッチクロックを直列的にシフトする複数のシフトラッチを有するシフトレジスタ回路と、
前記シフトレジスタ回路によってシフトされてくるラッチクロックで前記入力データをラッチする複数のデータラッチを有するラッチ回路とを有し、
前記タイミング制御回路は、前記ラインラッチ回路への画像データの供給サイクル毎に、前記クロック信号を計数し、計数値が第1目標値に達したとき初段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御し、計数値が第2目標値に達したとき所定の中段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御する、表示装置。
請求項12において、前記シフトレジスタ回路は、シフトラッチのラッチクロックの入力端子に、次段のシフトラッチの出力又は前段のシフトラッチの出力を前記モード信号によって選択するセレクタの出力が接続され、全てのセレクタが前段のシフトラッチの出力を選択することによってシフトレジスタ回路は第1シフト方向を実現し、全てのセレクタが次段のシフトラッチの出力を選択することによってシフトレジスタ回路は第2シフト方向を実現する、表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示駆動可能な最大解像度の範囲で表示ドライバを複数の解像度の表示パネルの駆動に対応させる場合、表示ドライバの縁辺に並設された複数の階調信号出力端子の内の中央部の出力端子を未使用とし、その両側の階調信号出力端子を表示パネルの階調信号電極線(例えばアクティブマトリクス型液晶表示パネルにおけるソース電極線)に接続することが望ましい。これは、表示パネルと表示ドライバとの距離を小さくするためである。階調信号出力端子及び階調信号電極線のピッチが決まっているため、
図16の階調信号出力端子を全て使用する場合に対して、
図17及び
図18の階調信号出力端子の一部を使用する場合は、中央部を未使用にすれば、中央部を使用するよりも、
図17及び
図18のように表示パネルと表示ドライバとの距離を小さくすることができる。即ち、中央部を未使用にする場合の双方の距離aは、中央部を使用する場合の双方の距離bよりも小さくなる。この距離が小さいほど表示装置の小型化に好都合となる。
【0005】
本発明者は一種類の表示ドライバで中央部を未使用にして異なる解像度の表示パネルに対応することについて検討した。
図16乃至
図18の解像度A,B,Cに対応する場合、例えば
図19に例示されるように、左右に分けたラインラッチ回路に解像度A,B,Cに合わせてラッチクロックのスタート回路_1〜スタート回路_8を配置することが必要になる。ここではラッチクロックのシフト方向を左右何れにも対応できる場合を一例として図示してある。スタート回路_1〜スタート回路_8の制御信号_1〜制御信号_8は制御回路が所定の論理に従って生成する。スタート回路_1〜スタート回路_8及びそれらで挟まれたラインラッチ部_1〜ラインラッチ部_7は、例えばその一部が図示された
図20のように構成することができる。
図20にはラインラッチ部_4、スタート回路_6、及びラインラッチ部_5が例示される。ラインラッチ部_4及びラインラッチ部_5はラッチクロックSCK(N−2),SCK(N−1),…を順次シフトするシフトレジスタ回路と、ラッチクロックをラッチイネーブルとするラッチ回路とによって構成される。スタート回路_6はパネル解像度選択信号に従って制御信号_6又は前段からのラッチクロックSCK(N−1)を選択してこれを次段にラッチクロックとして供給する。例えば
図21に例示されるように制御信号_6がパルス変化されると、クロック信号に同期してラインラッチ部_5でラッチクロックSCK(N)のシフトが開始され、これに同期して表示データが24ビット単位でラインラッチ部_5のラッチ回路に順次ラッチされていく。
図19の構成で例えば解像度Bに対応する場合、
図22に例示されるように、左側のラインラッチ回路においてラインラッチ部_1、ラインラッチ部_2までデータの転送が完了したら、制御回路はそのタイミングでスタート信号_6をパルス変化させ、ラインラッチ部_5の動作を開始して、後続の表示データをラインラッチ部_5にラッチする動作を開始する。これによって解像度Bに対応する表示データがラインラッチ部_1、ラインラッチ部_2、ラインラッチ部_5、ラインラッチ部_6に格納される。
【0006】
しかしながら、解像度に合わせてスタート回路を設ける構成では、対応させる解像度の種類を増やした場合、ラインラッチ回路の途中に解像度の種類に応じたスタート回路を追加しなければならず、回路構成やマスクパターンの修正が必要になってしまう。更に、ラインラッチ回路の途中で複数個所にスタート回路が挿入されるため、ラインラッチ回路におけるレイアウトの繰り返し性が崩れてしまい、ラインラッチ回路の全体で均一な回路特性を得られなくなって、高速動作への対応が難しくなる。
【0007】
一方、アドレス方式のラインラッチ回路の場合には、
図23に例示されるように、左右のラインラッチ回路に対して、アドレス信号_1、アドレス信号_2をアドレスデコーダ_1、アドレスデコーダ_2でデコードすることによって特定のラインラッチ部に画像データを転送することができる。したがって、解像度に応じて制御部でアドレス信号で指定する開始アドレスなどを制御することによって、ラインラッチ部の任意の位置からデータ転送を行うことができる。これによって、ラインラッチ回路の変更なく解像度A,B,Cなどの任意の解像度に対応することが可能である。
【0008】
しかしながら、アドレス方式の場合には最大解像度に応じてアドレス信号のビット数が相違されるアドレスデコーダを設けなければならないから、スタート回路方式の場合に比べて回路規模が格段に大きくなってしまう。
【0009】
本発明の目的は、データの直列的なラッチ規模に応じて回路構成の変更やレイアウト変更を行わずに済み、また、複数のラッチ規模に対応するためにアドレスデコーダのような規模の大きな回路を必要とすることなく、ラインラッチ回路による直列的な複数種類のラッチ規模に対応することができる半導体装置を提供することにある。
【0010】
上記並びにその他の課題と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願において開示される実施の形態のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0012】
すなわち、入力データを直列的にラッチするラインラッチ回路は、クロック信号に同期してラッチクロックを直列的にシフトする複数のシフトラッチを有するシフトレジスタ回路と、ラッチクロックをラッチイネーブルとして入力データを順次ラッチするラッチ回路とを有する。タイミング制御回路は、ラインラッチ回路への入力データの供給サイクル毎に、クロック信号を計数し、計数値が第1目標値に達したとき初段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御し、カウンタの計数値が第2目標値に達したとき所定の中段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御する。
【発明の効果】
【0013】
本願において開示される実施の形態のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0014】
すなわち、データの直列的なラッチ規模に応じて回路構成の変更やレイアウト変更を行わずに済み、また、複数のラッチ規模に対応するためにアドレスデコーダのような規模の大きな回路を必要とすることなく、ラインラッチ回路による直列的な複数種類のラッチ規模に対応することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される実施の形態について概要を説明する。実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0017】
〔1〕<任意の直列的なデータラッチ規模に対応するラインラッチ回路>
半導体装置(1)は、タイミング制御回路(25)と、前記タイミング制御回路の制御に基づいて、入力データを直列的にラッチするラインラッチ回路(31,31A)と、前記ラインラッチ回路に直列的にラッチされたラッチデータを並列に入力して駆動信号を出力する駆動回路(32)とを有する。前記ラインラッチ回路は、クロック信号(CLK)に同期してラッチクロックを直列的にシフトする複数のシフトラッチ(100)を有するシフトレジスタ回路(31SFT)と、前記シフトレジスタ回路によってシフトされてくるラッチクロックで前記入力データをラッチする複数のデータラッチ(101)を有するラッチ回路(31LTC)とを有する。前記タイミング制御回路は、前記ラインラッチ回路への入力データの供給サイクル毎に、前記クロック信号を計数し、計数値(HCNT)が第1目標値(ST1)に達したとき初段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御し、計数値が第2目標値(ST2)に達したとき所定の中段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御する。
【0018】
これによれば、ラッチ回路の並列出力の中央部を不使用とし、その両側を使用する場合、使用とされる片側のデータラッチの段数に対する、不使用とされる中央部におけるデータラッチの段数の半分の段数の差分を第2目標値に設定すれば、クロック計数値が第1目標値から第2目標値に達したとき、不使用とされる中央部におけるデータラッチの半分の段数に相当するクロック信号のサイクル数分だけ、早く中段以降のデータラッチ回路に対するラッチクロックの供給を開始することができる。よって、不使用とする中央部における段数規模のデータラッチを跨いで、その両側のデータラッチに入力データを連続的にラッチしていくことができる。したがって、データの直列的なラッチ規模に応じて回路構成の変更やレイアウト変更を行わずに済み、また、複数のラッチ規模に対応するためにアドレスデコーダのような規模の大きな回路を必要とすることなく、ラインラッチ回路による直列的な複数種類のラッチ規模に対応することができる。
【0019】
〔2〕<第2目標値は可変可能>
項1において、前記第1目標値は固定値であり、前記第2目標値は可変可能である。
【0020】
これによれば、半導体装置のユーザ自らがラインラッチ回路による直列的な複数種類のラッチ規模に対応することができる。
【0021】
〔3〕<第2目標値が書き換え可能に設定されるレジスタ>
項2において、前記第2目標値が書き換え可能に設定されるレジスタ(24)を有する。
【0022】
これによれば、複数種類のラッチ規模への対応が容易である。
【0023】
〔4〕<ラッチクロックのシフト方向可変>
項1において、ラッチクロックのシフト方向は相互に逆の第1シフト方向及び第2シフト方向であって、モード信号(SS)によって選択可能である。
【0024】
これによれば、駆動回路による駆動対象の上下左右のどのような位置に半導体装置を配置してもデータラッチ方向を一方向に統一することが可能になる。
【0025】
〔5〕<ラッチクロックのシフト方向可変のシフトレジスタ回路>
項4において、前記シフトレジスタ回路は、シフトラッチ(100)のラッチクロックの入力端子(Data)に、次段のシフトラッチの出力又は前段のシフトラッチの出力を前記モード信号によって選択するセレクタ(102)の出力が接続され、全てのセレクタが前段のシフトラッチの出力を選択することによってシフトレジスタ回路は第1シフト方向を実現し、全てのセレクタが次段のシフトラッチの出力を選択することによってシフトレジスタ回路は第2シフト方向を実現する。
【0026】
これによれば、シフト方向の異なるシフトレジスタ回路を一対設ける場合に比べてシフトレジスタ回路の回路規模を小さくすることができる。
【0027】
〔6〕<ラッチクロックの可変シフト方向に対応するタイミング制御回路>
項5において、前記タイミング制御回路は、前記ラインラッチ回路への入力データの供給サイクル(HSYNCのサイクル)毎に、前記クロック信号を計数するカウンタ(110)と、前記カウンタの計数値が第1目標値に達したとき第1信号(CMP1)を形成する第1コンパレータ(112)と、前記カウンタの計数値が第2目標値に達したとき第2信号(CMP2)を形成する第2コンパレータ(111)と、前記モード信号によって第1シフト方向が選択されているとき第1信号に基づいて第1シフト方向の初段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御する第1初段制御信号(SCNT1)を生成すると共に、第2信号に基づいて第1シフト方向の所定の中断のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御する第1中段制御信号(SCNT3)を生成し、また、前記モード信号によって第2シフト方向が選択されているとき第1信号に基づいて第2シフト方向の初段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御する第2初段制御信号(SCNT2)を生成すると共に、第2信号に基づいて第2シフト方向の所定の中断のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御する第2中段制御信号(SCNT4)を生成する信号生成回路(113)と、を有する。
【0028】
これによれば、ラッチクロックの可変シフト方向に対応するタイミング制御を容易に行うことができる。
【0029】
〔7〕<ラッチクロックの固定シフト方向に対応するタイミング制御回路>
項1において、前記タイミング制御回路は、前記ラインラッチ回路への入力データの供給サイクル毎に、前記クロック信号を計数するカウンタと、前記カウンタの計数値が第1目標値に達したとき第1信号を形成する第1コンパレータと、前記カウンタの計数値が第2目標値に達したとき第2信号を形成する第2コンパレータと、第1信号に基づいて初段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御する初段制御信号を生成すると共に、第2信号に基づいて所定の中段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御する中段制御信号を生成する信号生成回路と、を有する。
【0030】
これによれば、ラッチクロックの固定シフト方向に対応するタイミング制御を容易に行うことができる。
【0031】
〔8〕<LCDドライバ>
項1において、前記入力データは表示データである。前記駆動回路が出力する駆動信号は液晶パネル(3)を駆動するための階調信号である。前記ラインラッチ回路への入力データの供給サイクルは水平表示期間(HSYNCのサイクル)である。前記クロック信号は画素表示のためのドットクロック信号である。半導体装置はLCDドライバ(1)を有する。
【0032】
これによれば、解像度の異なる複数種類のLCD表示パネルの駆動に対応することができる。
【0033】
〔9〕<任意の直列的なデータラッチ規模に対応するラインラッチ回路>
表示装置は、並設された複数の階調信号出力端子を有する表示ドライバと、前記表示ドライバの並設された複数の階調信号出力端子の中央部を空けてその左右の階調信号出力端子に接続されたドットマトリクス型の表示パネルとを有する。前記表示ドライバは、タイミング制御回路(25)と、前記タイミング制御回路の制御に基づいて、入力データを直列的にラッチするラインラッチ回路(31)と、前記ラインラッチ回路に直列的にラッチされたラッチデータを並列に入力して階調信号を出力する駆動回路(32)とを有する。前記ラインラッチ回路は、クロック信号(CLK)に同期してラッチクロックを直列的にシフトする複数のシフトラッチを有するシフトレジスタ回路(31SFT)と、前記シフトレジスタ回路によってシフトされてくるラッチクロックで前記入力データをラッチする複数のデータラッチを有するラッチ回路(31LTC)とを有する。前記タイミング制御回路は、前記ラインラッチ回路への画像データの供給サイクル毎に、前記クロック信号を計数し、計数値(HCNT)が第1目標値(ST1)に達したとき初段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御し、計数値が第2目標値(ST2)に達したとき所定の中段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御する。
【0034】
これによれば、ラッチ回路の並列出力の中央部を不使用とし、その両側を使用する場合、使用とされる片側のデータラッチの段数に対する、不使用とされる中央部におけるデータラッチの段数の半分の段数の差分を第2目標値に設定すれば、クロック計数値が第1目標値から第2目標値に達したとき、不使用とされる中央部におけるデータラッチの半分の段数に相当するクロック信号のサイクル数分だけ、早く中段以降のデータラッチ回路に対するラッチクロックの供給を開始することができる。よって、不使用とする中央部における段数規模のデータラッチを跨いで、その両側のデータラッチに入力データを連続的にラッチしていくことができる。したがって、表示制御すべき表示パネルの解像度に応じて回路構成の変更やレイアウト変更を行わずに済み、また、その解像度に対応するためにアドレスデコーダのような規模の大きな回路を必要とすることなく、複数種類の解像度の表示制御に対応することができる。
【0035】
〔10〕<第2目標値は可変可能>
項9において、前記第1目標値は固定値であり、前記第2目標値は可変可能である。
【0036】
これによれば、表示装置のユーザ自らが表示パネルの解像度に応じて前記第2目標値を設定することができる。
【0037】
〔11〕<第2目標値が書き換え可能に設定されるレジスタ>
項10において、前記第2目標値が書き換え可能に設定されるレジスタ(24)を有する。
【0038】
これによれば、前記第2目標値のプログラマブルな設定を容易に行うことが可能である。
【0039】
〔12〕<ラッチクロックのシフト方向可変>
項9において、ラッチクロックのシフト方向は相互に逆の第1シフト方向及び第2シフト方向であって、モード信号によって選択可能である。
【0040】
これによれば、表示パネルの上下左右のどのような位置に表示ドライバを配置してもデータラッチ方向を一方向に統一することが可能になる。
【0041】
〔13〕<ラッチクロックのシフト方向可変のシフトレジスタ回路>
項12において、前記シフトレジスタ回路は、シフトラッチのラッチクロックの入力端子に、次段のシフトラッチの出力又は前段のシフトラッチの出力を前記モード信号によって選択するセレクタ(102)の出力が接続され、全てのセレクタが前段のシフトラッチの出力を選択することによってシフトレジスタ回路は第1シフト方向を実現し、全てのセレクタが次段のシフトラッチの出力を選択することによってシフトレジスタ回路は第2シフト方向を実現する。
【0042】
これによれば、シフト方向の異なるシフトレジスタ回路を一対設ける場合に比べてシフトレジスタ回路の回路規模を小さくすることができる。
【0043】
〔14〕<ラッチクロックの可変シフト方向に対応するタイミング制御回路>
項13において、前記タイミング制御回路は、前記ラインラッチ回路への入力データの供給サイクル毎に、前記クロック信号を計数するカウンタ(110)と、前記カウンタの計数値が第1目標値に達したとき第1信号(CMP1)を形成する第1コンパレータ(112)と、前記カウンタの計数値が第2目標値に達したとき第2信号(CMP2)を形成する第2コンパレータ(111)と、前記モード信号によって第1シフト方向が選択されているとき第1信号に基づいて第1シフト方向の初段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御する第1初段制御信号(SCNT1)を生成すると共に、第2信号に基づいて第1シフト方向の所定の中断のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御する第1中段制御信号(SCNT3)を生成し、また、前記モード信号によって第2シフト方向が選択されているとき第1信号に基づいて第2シフト方向の初段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御する第2初段制御信号(SCNT2)を生成すると共に、第2信号に基づいて第2シフト方向の所定の中断のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御する第2中段制御信号(SCNT4)を生成する信号生成回路(113)と、を有する。
【0044】
これによれば、ラッチクロックの可変シフト方向に対応するタイミング制御を容易に行うことができる。
【0045】
〔15〕<ラッチクロックの固定シフト方向に対応するタイミング制御回路>
項9において、前記タイミング制御回路は、前記ラインラッチ回路への入力データの供給サイクル毎に、前記クロック信号を計数するカウンタと、前記カウンタの計数値が第1目標値(ST1)に達したとき第1信号を形成する第1コンパレータ(112)と、前記カウンタの計数値が第2目標値(ST2)に達したとき第2信号を形成する第2コンパレータ(111)と、第1信号に基づいて初段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御する初段制御信号(SCNT1)を生成すると共に、第2信号に基づいて所定の中段のシフトラッチに対するラッチクロックの出力タイミングを制御する中段制御信号(SCNT3)を生成する信号生成回路と、を有する。
【0046】
これによれば、ラッチクロックの固定シフト方向に対応するタイミング制御を容易に行うことができる。
【0047】
〔16〕<LCDドライバ>
項9において、前記入力データは表示データであり、前記駆動回路が出力する駆動信号は液晶パネルを駆動するための階調信号であり、前記ラインラッチ回路への入力データの供給サイクルは水平表示期間である。前記クロック信号は画素表示のためのドットクロック信号である。表示ドライバはLCDドライバ(1)である。
【0048】
これによれば、解像度の異なる複数種類のLCD表示パネルの駆動に対応することができる。
【0049】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0050】
図2には表示ドライバとしてLCD(liquid crystal display)ドライバを備えた表示装置の一例が示される。
図2に示されるLCDドライバ1は、例えばCMOS集積回路製造技術などにより1個の半導体基板に形成された半導体装置の一例である。LCDドライバ1はホストプロセッサ2から表示動作を指示するコマンド及び表示データを受取る。LCDドライバ1は受取ったコマンドに従った動作を行って、表示データに基づいてLCDパネル3に画像を表示する制御などを行う。
【0051】
LCDパネル3は解像度に応じた数の画素がマトリクス状に配置されたドットマトリクス型の表示パネルであって、特に、画素の選択にアクティブ素子を用いるアクティブマトリクス型の構成を有する。アクティブマトリクス型のLCDパネル3は、特に制限されないが、ガラス基板上に解像度に応じて透明電極及び液晶による画素が形成され、表示ライン単位で画素の選択端子には走査駆動されるゲート電極線G1〜Gmが複数本接続され、画素の信号入力端子にはゲート電極線G1〜Gmに交差する方向に階調駆動されるソース電極線S1〜Snが複数本接続されている。特に制限されないが、画素は、アクティブ素子としての薄膜トランジスタのゲート電極である選択端子がゲート電極線に接続され、薄膜トランジスタのソースである信号入力端子がソース電極線に接続され、薄膜トランジスタのドレイン電極に液晶表示素子と電荷蓄積容量の一方の電極が接続され、液晶表示素子及び電荷蓄積容量の他方の電極が共通電極に接続されて、構成される。
【0052】
LCDドライバ1は、ホストプロセッサ2から画像データを入力し、表示タイミングに同期しながら、複数本のゲート電極線G1〜Gmによって画素を表示ライン単位で順次走査駆動し、走査駆動された表示ラインの画素には表示データに応ずる階調信号を複数本のソース電極線S1〜Snに並列的に供給する制御を行う。
【0053】
LCDドライバ1は、特に制限されないが、表示系インタフェース(表示系I/F)20、コマンドフェース(コマンドI/F)21、不揮発性記憶回路(NVM回路)23、レジスタ回路24、タイミング制御回路25、表示データ処理回路26、表示RAM27、LCD駆動電圧生成回路28、ゲート出力回路29、階調電圧生成回路30、ラインラッチ回路31、及びソース出力回路32を有する。
【0054】
表示系インタフェース20はホストプロセッサ2から表示データと共に、そのデータイネーブル信号DEN,表示タイミング信号としてクロック信号CLK,垂直同期信号VSYNC及び水平同期信号HSYNCを受取る。コマンドインタフェース21はホストプロセッサ2からコマンド及び制御データを受け取り、受取ったコマンド及び制御データはレジスタ回路24に格納される。初期設定データ等の一部の制御データは不揮発性記憶回路22からロードされる。タイミング制御回路25は、表示系インタフェース20から与えられる表示系タイミング信号、レジスタ回路24から転送されたコマンド及び制御データに基づいて表示制御を行う。クロック信号CLKはドットクロックに一致されるドットクロック信号である。
【0055】
表示系インタフェース20が受取った表示データは表示データ処理部26により必要なフィルタ演算などが行われ、表示フレーム単位で、表示RAM27に格納される。表示RAM27に格納された表示データは表示タイミングに同期して読出され、読み出された表示データは表示ライン毎に直列的にラインラッチ回路31にラッチされる。ラインラッチ回路31のラッチ制御はタイミング制御回路25に設けられたラインラッチ制御部33が行う。ソース出力回路32はラインラッチ回路31に直列的にラッチされた表示データを並列的に入力し、表示データに応ずる階調電圧の階調信号を表示ライン単位でLCDパネル3のソース電極線S1〜Snに出力する。階調電圧は階調電圧生成回路30が生成してソース出力回路32に与える。
【0056】
ゲート出力回路29はゲート電極線G1〜Gmを表示ライン単位で順次選択レベルに駆動する。選択レベルに駆動された表示ラインの画素はソース電極線S1〜Snを介して供給される階調信号によってその液晶素子の透過度が制御される。ゲート電極線G1〜Gmの選択レベルはLCD駆動電圧生成回路28で生成される。
【0057】
図1にはラインラッチ回路31の概略的な構成が例示される。ここでは、表示ドライバ1は、並列された階調信号出力端子の内の中央部を未使用にして異なる解像度の表示パネル3に対応可能にされる。例えば、
図16乃至
図18の解像度A,B,Cに対応する場合を想定する。ラインラッチ回路31を左右2分して、左側ラインラッチ回路31Lと右側ラインラッチ回路31Rを考える。
【0058】
解像度Aに対応する場合は左側ラインラッチ回路31L及び右側ラインラッチ回路31Rの全ての階調信号出力端子がソース電極線に接続される。
【0059】
解像度Bに対応する場合は左側ラインラッチ回路31Lの一部のラインラッチ部31L_1,31L_2の階調信号出力端子と右側ラインラッチ回路31Rの一部のラインラッチ部31R_5,31R_6の階調信号出力端子がソース電極線に接続される。中央部のラインラッチ部31L_3,31R_4の階調信号出力端子はフローティングにされ、不使用とされる。
【0060】
解像度Cに対応する場合は左側ラインラッチ回路31Lの一部のラインラッチ部31L_1の階調信号出力端子と右側ラインラッチ回路31Rの一部のラインラッチ部31R_6の階調信号出力端子がソース電極線に接続される。中央部のラインラッチ部31L_2,31L_3,31R_4,31R_5の階調信号出力端子はフローティングにされ、不使用とされる。
【0061】
ラインラッチ回路31はシフトレジスタ回路31SFTとラッチ回路31LTCから成る。
図3に例示されるように、シフトレジスタ回路31SFTはクロック信号CLKに同期してラッチクロックSCK(…,SCK(N−i),…,SCK(N−3),…)を直列的にシフトする複数のシフトラッチ100を有する。ラッチ回路31LTCはシフトレジスタ回路31SFTによってシフトされてくるラッチクロックSCKで表示データをラッチする複数のデータラッチ101を有する。シフトラッチ100及びデータラッチ101においてCKはクロック端子、Dataはデータ入力端子、Outはデータ出力端子である。ラッチクロックSCKはラッチイネーブル信号として機能される。特に制限されないが、ラッチクロックCLKのシフト方向は相互に逆の第1シフト方向(
図1の右方向)及び第2シフト方向(
図1の左方向)であって、モード信号SSによって選択可能にされている。したがって、
図3のように、シフトレジスタ回路31SFTは、シフトラッチ100のラッチクロックCLKの入力端子(Data)に、次段のシフトラッチ100の出力(Out)又は前段のシフトラッチ100の出力(Out)を前記モード信号SSによって選択するセレクタ102の出力が接続され、全てのセレクタ102が前段のシフトラッチ100の出力を選択することによってシフトレジスタ回路31SFTは第1シフト方向を実現し、全てのセレクタ102が次段のシフトラッチ100の出力を選択することによってシフトレジスタ回路31SFTは第2シフト方向を実現する。ラッチクロックCLKのシフト方向を相互に逆向きで選択可能にするのは、例えばLCDドライバ1をLCDパネル3の下辺に沿って配置する場合と上辺に沿って配置する場合とでLCDドライバ1を180度回転させて向きを変えなければならない場合に対応できるように考慮されている。
【0062】
図1において、左側ラインラッチ回路31Lには第1シフト方向の初段のシフトラッチ100にラッチクロックCLKを与える第1初段制御信号としての制御信号SCNT1が供給され、右側ラインラッチ回路31Rには第1シフト方向の初段のシフトラッチにラッチクロックを与える第1中段制御信号としての制御信号SCNT3が供給される。同様に、右側ラインラッチ回路31Rには第2シフト方向の初段のシフトラッチ100にラッチクロックCLKを与える第2初段制御信号としての制御信号SCNT4が供給され、左側ラインラッチ回路31Lには第2シフト方向の初段のシフトラッチにラッチクロックを与える第2中段制御信号としての制御信号SCNT2が供給される。
図1において、制御信号CNT1,CNT2,CNT3,CNT4が与えられる回路を便宜上スタート回路(STRC)103_1,103_2,103_3,103_4として図示する。
図3にその具体例が例示されるように、スタート回路STRC3はモード信号SSの値に応じて前段からのシフトクロックSCK(N−i)又は制御信号SCNT3を選択するセレクタによって実現される。スタート回路STRC2はモード信号SSの値に応じて前段からのシフトクロックSCK(N−2)又は制御信号SCNT2を選択するセレクタによって実現される。スタート回路103_1,103_4については図示を省略するが、少なくとも制御信号SCNT1,SCNT4を初段のラッチクロックとして対応するシフトラッチ100の端子Dataに導く機能を備えていればよいが、ここでは回路の対称性という観点よりスタート回路103_2,103_3と同様のセレクタをダミー回路として配置し、制御信号SCNT1,SCNT4を常時選択する選択状態が初期設定されるようになっている。
【0063】
図4には制御信号SCNT1〜SCNT4を生成するラインラッチ制御部33の構成が例示される。ラインラッチ制御部33は、例えば水平同期カウンタ110、第1コンパレータ112、第2コンパレータ111、及びセレクタ113を有する。
【0064】
水平同期カウンタ1110はラインラッチ回路31への入力データの供給サイクル、即ち、水平同期信号HSYNCによる水平同期サイクル毎に、前記クロック信号CLKを計数する。計数値をHCNTとする。
【0065】
第1コンパレータ112は、水平同期カウンタ110の計数値HCNTが第1目標値ST1=1に対して、例えば1〜3、の値になっているとき第1信号として比較結果信号CMP1をアサートし(CMP1=1)、それ以外のとき比較結果信号CMP1をネゲート(CMP1=0)する。
【0066】
第2コンパレータ111は、水平同期カウンタ110の計数値HCNTが第2目標値ST2=STに対して、例えばST〜ST+2、の値になっているとき第2信号として比較結果信号CMP2をアサートし(CMP2=1)、それ以外のとき比較結果信号CMP2をネゲート(CMP2=0)する。
【0067】
セレクタ113は、モード信号SSによって第1シフト方向が選択されているとき(SS=0)、比較結果信号CMP1=1の期間に制御信号子SCNT1をアサートすると共に、比較結果信号CMP2=1の期間に制御信号子SCNT3をアサートする。このときのラインラッチ制御部33の動作タイミングは
図5に例示される。
【0068】
セレクタ113は、モード信号SSによって第2シフト方向が選択されているとき(SS=1)、比較結果信号CMP1=1の期間に制御信号子SCNT4をアサートすると共に、比較結果信号CMP2=1の期間に制御信号子SCNT2をアサートする。このときのラインラッチ制御部33の動作タイミングは
図6に例示される。
【0069】
図7には上記セレクタ113による制御信号生成機能が整理して示される。Fix0は対応する制御信号がネゲート固定(値0に固定)を意味する。
【0070】
図8にはラインラッチ回路31の中央部を空けてその左右に表示データを連続的にラッチする動作原理が示される。ここではラッチ回路31LTCにおける並列出力の中央部を不使用とし、その両側を使用する場合について示してある。不使用のデータラッチ101に対応するシフトラッチ100の区間を不使用区間、その左右の使用するデータラッチ101に対応するシフトラッチ100の区間を使用区間とする。ラインラッチ回路31における不使用区間のシフトラッチの段数の半分の数をaとする。このとき、比較結果信号CMP1をアサートする条件である、計数値HCNTの第1目標値をTRV1とし、比較結果信号CMP2をアサートする条件である、計数値HCNTの第2目標値(設定値ST〜ST+2)をTRV2とする。第2目標値TRV2には、使用範囲の片側のデータラッチの段数に対する、不使用範囲のデータラッチの段数の半分の段数の差分の値aを採用する。そして、クロック計数値HCNTが第1目標値TRV1になって(時刻t0)片方の使用区間のデータラッチ101に表示データのラッチを開始してから第2目標値TRV2に達したとき(時刻t1)、当該使用区間に対するデータのラッチが完了する前に、不使用区間におけるデータラッチの半分の段数に相当するクロック信号のサイクル数aの分だけ早く、中段以降のデータラッチ回路に対するラッチクロックの供給を開始することができる(時刻t1)。時刻t1から更に、クロック信号のサイクル数aの分だけデータをラッチすることによって最初の使用区間に対するデータのラッチが完了する(時刻t2)。この時刻t2では、中段以降のデータラッチ回路では既にサイクル数aの分だけラッチクロックのシフト動作が進んでいる。したがって、不使用区間のデータラッチを跨いで、その両側の使用区間のデータラッチに入力表示データを連続的にラッチしていくことができる。
【0071】
図9には解像度A(
図16参照)のLCDパネルを表示制御する場合における表示ドライバ1の動作タイミングが例示される。ここでは、モード信号SSによって第1シフト方向が選択されているとき(SS=0)を一例とする。図に示されるように第1方向に向けてラインラッチ部31L_1,31L_2,31L_3,31R_4,31R_5,31R_6に順次表示データがラッチされる。
【0072】
図10には解像度B(
図17参照)のLCDパネルを表示制御する場合における表示ドライバ1の動作タイミングが例示される。ここでは、モード信号SSによって第1シフト方向が選択されているとき(SS=0)を一例とする。図に示されるように第1方向に向けてラインラッチ部31L_1にデータのラッチが完了されたタイミング(時刻ti)で右側のラインラッチ部31Rでのラッチクロックのシフト動作が開始され、左側のラインラッチ部31L_2にデータのラッチが完了されると(時刻tj)、これに連続して、右側のラインラッチ部31R_5へのデータのラッチ動作が開始される。これによって、第1方向に向けてラインラッチ部31L_1,31L_2,31R_5,31R_6に順次表示データがラッチされる。図において”動作”と記述された期間の内、ハッチングが付された”動作”の期間でラッチされたデータが実際にLCDパネル3の駆動に供されることになる。
【0073】
図11には解像度C(
図18参照)のLCDパネルを表示制御する場合における表示ドライバ1の動作タイミングが例示される。ここでは、モード信号SSによって第1シフト方向が選択されているとき(SS=0)を一例とする。図に示されるように第1方向に向けてラインラッチ部31L_1にデータのラッチを開始するタイミング(時刻ti)で右側のラインラッチ部31Rでのラッチクロックのシフト動作が開始され、左側のラインラッチ部31L_1にデータのラッチが完了されると(時刻tj)、これに連続して、右側のラインラッチ部31R_6へのデータのラッチ動作が開始される。これによって、第1方向に向けてラインラッチ部31L_1,31R_6に順次表示データがラッチされる。
【0074】
尚、
図9乃至
図11における第1目標値及び第2目標値は
図8で説明したように設定されればよいから、ここではその設定値について詳細な説明は省略する。また、モード信号SSによって第2シフト方向が選択されている(SS=1)場合の動作は制御信号SCNT2,SCNT4を用いてラッチ方向が逆になる点を除けば
図9乃至
図11と同様であるから、ここではその詳細な説明は省略する。
【0075】
図12にはデータラッチの方向を一方向のみとする場合のラインラッチ回路31Aの例が示される。
図1に対してスタート回路103_2,103_4を省略し、
図13に例示されるように
図3のセレクタ102を必要とせず、ラインラッチ制御部33Aには制御信号SCNT2,SCNT4の生成機能を省略すればよい。その他の構成は上記と同様であるから、その詳細な説明を省略する。
【0076】
図14及び
図15には最大表示解像度よりも小さな解像度のLCDパネルを表示駆動する場合に無駄なデータラッチ動作を少なくする場合の動作例が示される。
図14、
図15に例示されるように、前半にデータラッチを行う左右何れか片側のラインラッチ回路において、時刻tj以降にデータラッチ動作の停止、即ち、ラッチクロックのシフト動作停止を行う。これは低消費電力に寄与する。
【0077】
上記実施の形態によれば以下の作用効果を得る。
【0078】
(1)ラッチ回路31LTCの並列出力の中央部を不使用とし、その両側を使用する場合、使用とされる片側のデータラッチ101の段数に対する、不使用とされる中央部におけるデータラッチ101の段数の半分の段数の差分を第2目標値に決定すれば、クロック計数値が第1目標値から第2目標値に達したとき、不使用とされる中央部におけるデータラッチの半分の段数に相当するクロック信号のサイクル数分だけ、早く中段以降のデータラッチ回路に対するラッチクロックの供給を開始することができる。よって、不使用とする中央部における段数規模のデータラッチを跨いで、その両側のデータラッチに入力データを連続的にラッチしていくことができる。したがって、LCDドライバ1が表示駆動するLCDパネル3の解像度に応じてスタート回路等の回路の増設やレイアウト変更を行わずに済み、また、複数の解像度に対応するためにアドレスデコーダのような規模の大きな回路を必要とすることなく、複数種類の解像度にラインラッチ回路31を容易に対応させることができる。
【0079】
(2)前記第2目標値はLCDドライバ1の外部からレジスタ回路24に任意に設定し、或いは不揮発性記憶回路22からレジスタ回路24に設定することができる。したがって、所要の解像度に応じて第2目標値を決定すればよいから、任意の解像度に容易に対応することができる。
【0080】
(3)ラッチクロックのシフト方向は相互に逆の第1シフト方向及び第2シフト方向であって、モード信号SSによって選択可能であるから、LCDパネル3の上下左右のどのような位置にLCDドライバ1を配置してもLCDパネルのデータ表示方向に対応することができる。
【0081】
(4)シフトレジスタ回路31SFTにおいてセレクタ102を用いてラッチクロックのシフト方向を可変するから、シフト方向の異なるシフトレジスタ回路を一対設ける場合に比べてシフトレジスタ回路の回路規模を小さくすることができる。
【0082】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0083】
例えば、ラインラッチ回路は表示データをラッチする用途に限定されず、その他の画像データや音声データなどをラッチする回路であってもよい。したがって、半導体装置がLCDドライバに限定されず、その他のドライバLSI、システムオンチップにLSI、更にはマイクロコンピュータなどであってもよい。
【0084】
図4で説明したように、第1コンパレータ111は、水平同期カウンタ110の計数値HCNTが第1目標値ST1=1に対して、例えば1〜3、の値になっているとき第1信号として比較結果信号CMP1をアサートし(CMP1=1)、第2コンパレータ112は、水平同期カウンタ110の計数値HCNTが第2目標値ST2=STに対して、例えばST〜ST+2、の値になっているとき第2信号として比較結果信号CMP2をアサートする(CMP2=1)、ものとした。このように、比較結果信号CMP1,CMP2のアサート期間は必ずしもカウンタ値が設定値に一致する期間に一致する必要は無いが、一致させてもよい。
【0085】
第1目標値は値1のような固定値に限定されず、可変値であることは妨げられない。
【0086】
表示パネルはLCDパネルに限らず、プラズマパネル、エレクトロルミネッセンスパネルなどであってもよい。