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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-20080(P2015-20080A)
(43)【公開日】2015年2月2日
(54)【発明の名称】除湿システム
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20150106BHJP
   F24F 3/14 20060101ALI20150106BHJP
   F24F 11/02 20060101ALI20150106BHJP
   H01M 6/02 20060101ALI20150106BHJP
   H01M 10/058 20100101ALN20150106BHJP
【FI】
   B01D53/26 101C
   F24F3/14
   F24F11/02 102D
   H01M6/02 A
   H01M10/058
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-147318(P2013-147318)
(22)【出願日】2013年7月16日
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000108890
【氏名又は名称】株式会社ダイキンアプライドシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】桑名 孝一
(72)【発明者】
【氏名】岩田 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】眞田 明典
(72)【発明者】
【氏名】松田 佳穂里
【テーマコード(参考)】
3L053
3L260
4D052
5H024
5H029
【Fターム(参考)】
3L053BC03
3L260AB12
3L260AB13
3L260BA24
3L260FB72
3L260FC06
4D052AA08
4D052BA00
4D052CB00
4D052CE00
4D052DA01
4D052DA03
4D052DA08
4D052DB01
4D052DB04
4D052FA02
4D052GA02
4D052GB08
5H024AA11
5H024AA12
5H024BB18
5H024BB19
5H024FF11
5H024FF23
5H029AJ14
5H029CJ28
5H029CJ30
(57)【要約】
【課題】ケーシング(111)内における吸着部材(151,152)の下流側で除湿側空気通路(136)と再生側空気通路(135)を仕切板(115)で区画するように構成された除湿機(20)を用いる除湿システムにおいて、除湿機(20)の構成を複雑にせずに仕切板(115)での結露を防止できるようにする。
【解決手段】除湿機(20)(第2除湿ユニット)を収納する収納室(70)を設けて第2除湿ユニットの再生空気を収納室(70)に排出し、除湿側空気と再生側空気の間の仕切板(115)に再生空気の温熱を与えるようにする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング(111)と、ケーシング(111)内に設けられた一対の吸着部材(151,152)と、ケーシング(111)内における吸着部材(151,152)の下流側で除湿側空気通路(136)と再生側空気通路(135)を区画する仕切板(115)と、を備えて低露点空気を生成する除湿機(20)を有する除湿システムであって、
上記除湿機(20)を収納する収納室(70)を備え、
上記除湿側空気通路(136)は、上記収納室(70)を通過して該収納室(70)の外部に除湿空気を流出させるように該収納室(70)の除湿空気流出口(76)に接続され、上記再生側空気通路(135)は上記収納室(70)内に再生空気を流出させるように該収納室(70)内で開口する再生空気流出口(77)を有し、
上記収納室(70)は、収納室(70)内の再生空気を該収納室(70)から排出する排出口(78)を備えていることを特徴とする除湿システム。
【請求項2】
請求項1において、
上記吸着部材(151,152)が第1吸着部材(151)と第2吸着部材(152)を含み、
上記除湿機(20)は、第1吸着部材(151)を通過した除湿空気が除湿側空気通路(136)を流れるとともに第2吸着部材(152)を通過した再生空気が再生側空気通路(135)を流れる第1空気流通状態と、第1吸着部材(151)を通過した再生空気が再生側空気通路(135)を流れるとともに第2吸着部材(152)を通過した除湿空気が除湿側空気通路(136)を流れる第2空気流通状態と、を切り換え可能な空気通路切換機構(26,27)を有することを特徴とする除湿システム。
【請求項3】
請求項1または2において、
上記収納室(70)は、上記除湿機(20)が収納される収納ボックス(75)により構成されていることを特徴とする除湿システム。
【請求項4】
請求項1または2において、
上記収納室(70)は、除湿対象空間を除湿するために上記除湿機(20)とともに用いられる機器が設置される機械室(80)により構成されていることを特徴とする除湿システム。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1つにおいて、
上記再生空気流出口(77)は、上記ケーシング(111)の外面であって上記仕切板(115)が設けられている箇所の外面に向かって開口していることを特徴とする除湿システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーシング内に設けられた一対の吸着部材の下流側でケーシング内を除湿側空気通路と再生側空気通路に区画する仕切板とを備えた除湿機を有する除湿システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、表面に吸着剤が設けられた吸着熱交換器を有する除湿機を用いて除湿対象空間を除湿する調湿システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の例えば図9に示された除湿機は、ケーシングと、ケーシング内に設けられた一対の吸着熱交換器(吸着部材)と、ケーシング内における吸着部材の下流側で除湿側空気通路と再生側空気通路を区画する仕切板とを備えている。吸着熱交換器は空気熱交換器の表面に吸着剤が担持されたものであって冷媒回路の一対の熱交換器に用いられており、蒸発器になる状態と凝縮器になる状態が交互に切り換えられる。また、ケーシング内の空気の流れはダンパで切り換えるようになっている。
【0003】
特許文献1の調湿システムを室内の除湿に用いる場合、蒸発器になる吸着熱交換器で吸着剤に除湿された空気が除湿側空気通路を通って室内に供給される一方、凝縮器になる吸着熱交換器で吸着剤を再生した空気が室外へ排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−281476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記除湿機は、除湿側空気通路と再生側空気通路が仕切板で区画されており、運転中は、除湿側空気通路を常に低温低湿の空気が流れるのに対して、再生側空気通路を常に高温高湿の空気が流れることになる。仕切板は一般に板金で製造される部材であり、高温高湿の空間と低温低湿の空間の間に位置しているため、両空間の温度差が大きくなると仕切板に結露が生じやすくなる問題がある。また、ケーシングの内部の結露を防止しようとすると除湿機のケーシング内に多くの断熱材を設けることが必要になり、構成が複雑になってしまう。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ケーシング内における吸着部材の下流側で除湿側空気通路と再生側空気通路を仕切板で区画するように構成された除湿機を用いる除湿システムにおいて、除湿機の構成を複雑にすることなく、除湿側空気通路と再生側空気通路の間での結露を防止できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、ケーシング(111)と、ケーシング(111)内に設けられた一対の吸着部材(151,152)と、ケーシング(111)内における吸着部材(151,152)の下流側で除湿側空気通路(136)と再生側空気通路(135)を区画する仕切板(115)と、を備えて低露点空気を生成する除湿機(20)を有する除湿システムを前提としている。
【0008】
そして、この除湿システムは、上記除湿機(20)を収納する収納室(70)を備え、上記除湿側空気通路(136)が、上記収納室(70)を通過して該収納室(70)の外部に除湿空気を流出させるように該収納室(70)の除湿空気流出口(76)に接続され、上記再生側空気通路(135)は上記収納室(70)内に再生空気を流出させるように該収納室(70)内で開口する再生空気流出口(77)を有し、上記収納室(70)が、収納室(70)内の再生空気を該収納室(70)から排出する排出口(78)を備えていることを特徴としている。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、上記吸着部材(151,152)が第1吸着部材(151)と第2吸着部材(152)を含み、上記除湿機(20)が、第1吸着部材(151)を通過した除湿空気が除湿側空気通路(136)を流れるとともに第2吸着部材(152)を通過した再生空気が再生側空気通路(135)を流れる第1空気流通状態と、第1吸着部材(151)を通過した再生空気が再生側空気通路(135)を流れるとともに第2吸着部材(152)を通過した除湿空気が除湿側空気通路(136)を流れる第2空気流通状態と、を切り換え可能な空気通路切換機構(26,27)を有することを特徴としている。
【0010】
上記第1,第2の発明では、除湿機(20)で除湿された空気が除湿側空気通路(136)及び除湿空気流出口(76)を通って流出する一方、再生空気は、除湿機(20)から再生空気流出口(77)を通って収納室(70)に流出する。再生空気は吸着部材(151,152)を再生した暖かい空気であり、この暖かい空気が収納室(70)を満たすので、その温熱が除湿機(20)のケーシング(111)に伝えられ、さらに除湿側空気通路(136)と再生側空気通路(135)を区画する仕切板(115)に伝達される。また、収納室(70)の再生空気は、排出口(78)から室外へ排出される。
【0011】
第3の発明は、第1または第2の発明において、上記収納室(70)が、上記除湿機(20)が収納される収納ボックス(75)により構成されていることを特徴としている。
【0012】
第4の発明は、第1または第2の発明において、上記収納室(70)が、除湿対象空間を除湿するために上記除湿機(20)とともに用いられる機器が設置される機械室(80)により構成されていることを特徴としている。
【0013】
上記第3,第4の発明では、除湿機(20)が収納される収納ボックス(75)や機械室(80)に除湿機(20)から再生空気を吹き出すことにより、収納ボックス(75)や機械室(80)の室内が暖かい空気で満たされて、その温熱が除湿機(20)のケーシング(111)から上記仕切板(115)に伝達される。
【0014】
第5の発明は、第1から第4の発明の何れか1つにおいて、上記再生空気出口が、上記ケーシング(111)の外面であって上記仕切板(115)が設けられている箇所の外面に向かって開口していることを特徴としている。
【0015】
この第5の発明では、再生空気が仕切板(115)の近傍でケーシング(111)に向かって吹き出されるので、その温熱が仕切板(115)に伝達されやすくなる。
【発明の効果】
【0016】
上記第1,第2の発明によれば、吸着部材(151,152)を再生した再生空気を除湿機(20)から収納室(70)に吹き出して、その温熱を除湿機(20)の仕切板(115)に伝達するようにしているので、除湿側空気通路(136)の低温の空気(例えば約0℃の空気)と再生側空気通路(135)の高温の空気(例えば約30℃の空気)とを仕切る仕切り板において結露が発生するのを抑えることができる。また、ケーシング(111)に多くの断熱材を設けて結露を防止することが不要になるので、装置構成を簡素化することもできる。
【0017】
上記第3,第4の発明によれば、上記収納ボックス(75)や機械室(80)に再生空気を吹き出す簡単な構成で、仕切板(115)の結露を抑えられる。
【0018】
上記第5の発明によれば、再生空気を仕切板(115)の近傍でケーシング(111)に向かって吹き出すようにしているので、仕切板(115)の結露をより確実に抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施形態の除湿システムの全体を示す概略の構成図であり、第2除湿ユニットが第1動作中の状態を示している。
図2図2は、実施形態の除湿システムの全体を示す概略の構成図であり、第2除湿ユニットが第2動作中の状態を示している。
図3図3は、第2除湿ユニットの構成を内部構造も含めて示す斜視図である。
図4図4は、第2除湿ユニット内の機器配置図であり、(A)は平面視図、(B)は左側面視図、(C)は右側面視図である。
図5図5は、第1動作中における第2除湿ユニットの空気流れ図であり、(A)は平面視図、(B)は左側面視図、(C)は右側面視図である。
図6図6は、第2動作中における第2除湿ユニットの空気流れ図であり、(A)は平面視図、(B)は左側面視図、(C)は右側面視図である。
図7図7(A)は、収納室に配置した第2除湿ユニットの空気流れを示す模式図、図7(B)は図7(A)の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
本発明の実施形態は、室内空間(S)を除湿する除湿システム(10)に関するものである。この除湿システム(10)は、室外空気(OA)を除湿し、この空気を給気(SA)として室内へ供給する。除湿対象となる室内空間(S)は、低露点空気が求められるリチウム電池の製造ラインのドライクリーンエリア(除湿乾燥室)であり、図1図2に全体の概略構成を示している除湿システム(10)は、リチウムイオン電池の製造ラインの一部を構成するものである。
【0022】
図1図2に示すように、除湿システム(10)は、第1除湿ユニット(60)と、第2除湿ユニット(20)と、第3除湿ユニット(30)とを備えている。
【0023】
この除湿システム(10)は、室外空気(OA)を除湿して給気(SA)として室内へ供給するための給気通路(40)を備えている。給気通路(40)は、第1から第3までの給気路(41,42,43)を有している。第1給気路(41)は、第2除湿ユニット(20)の上流側に形成されている。第2給気路(42)は、第2除湿ユニット(20)と第3除湿ユニット(30)の間に形成され、第2除湿ユニット(20)と第3除湿ユニット(30)を直接に接続している。第3給気路(43)は、第3除湿ユニット(30)の下流側に形成されている。
【0024】
また、除湿システム(10)は、給気通路(40)の一部の空気を排気(EA)として室外へ排出するための排気通路(50)を備えている。排気通路(50)は、第1から第4までの排気路(51,52,53,54)を備えている。排気通路(50)は、流入端が第2給気路(42)に接続し、流出端が室外に連通している。
【0025】
上記給気通路(40)は室内空間(S)へ供給される空気が通過する通路であり、排気通路(50)は室外へ排出される空気が通過する通路であって、この給気通路(40)と排気通路(50)により、空気通路(40,50)が構成されている。そして、この空気通路(40,50)には、上記第1除湿ユニット(60)と第2除湿ユニット(20)と第3除湿ユニット(30)が、室内へ供給される空気である室外空気の入口側から順に配置されている。
【0026】
第1除湿ユニット(60)は、上記室外空気を冷却して除湿する外気冷却熱交換器(61)と、外気冷却熱交換器(61)で凝縮した水を回収するドレンパン(62)とを備え、外気冷却熱交換器(61)が第1給気路(41)に設けられている。また、上記第2除湿ユニット(20)には、第2給気路(42)に接続される通路に、空気を室内へ搬送するための給気ファン(63)が設けられている。第3給気路(43)には、空気を加熱する再熱熱交換器(64)が設けられている。
【0027】
第2除湿ユニット(20)は、低露点空気(一般に露点温度がマイナス10℃以下の空気を言う)を生成するための本発明の除湿機であって、圧縮機(21)、第1吸着熱交換器(第1吸着部材)(22)、膨張弁(23)、第2吸着熱交換器(第2吸着部材)(24)、及び四方切換弁(25)が接続された冷媒回路(20a)を備え、図1には示していないケーシング内に機器が収納されている。各吸着熱交換器(22,24)はフィンアンドチューブ式の熱交換器の表面に吸着剤が担持されたものであり、ケーシング内には、第1吸着熱交換器(22)を収納する後述の第1熱交換器室(137)と、第2吸着熱交換器(24)を収納する後述の第2熱交換器室(138)が設けられている(図3図6参照)。
【0028】
四方切換弁(25)は、第1から第4までのポートを有し、第1ポートが圧縮機(21)の吐出側と、第2ポートが圧縮機(21)の吸入側と、第3ポートが第1吸着熱交換器(22)の端部と、第4ポートが第2吸着熱交換器(24)の端部とそれぞれ接続されている。四方切換弁(25)は、第1ポートと第3ポートとが連通するとともに第2ポートと第4ポートとが連通する第1状態(図1の実線で示す状態)と、第1ポートと第4ポートとが連通するとともに第2ポートと第3ポートとが連通する第2状態(図1の破線で示す状態)とに切換可能に構成されている。
【0029】
第2除湿ユニット(20)は、2つの吸着熱交換器(22,24)へ流入する空気の流れを変更する第1流路切換部(26)と、2つの吸着熱交換器(22,24)を流出した空気の流れを変更する第2流路切換部(27)とを備えている。各流路切換部(26,27)は、開閉式の複数のダンパによって構成されている。各流路切換部(26,27)は、図1の実線で示す状態と、第2の実線で示す状態とに、空気の流路を切換可能に構成されている。
【0030】
上記第2除湿ユニット(20)において、上記四方切換弁(25)は、冷媒回路(20a)に設けられた2つの吸着熱交換器(22,24)を除湿側と再生側に交互に切り換える冷媒流路切換機構(25)であり、上記第1流路切換部(26)と第2流路切換部(27)は、蒸発器となる吸着熱交換器を給気通路(40)に接続して凝縮器となる吸着熱交換器を排気通路(50)に接続するように切り換える空気通路切換機構(26,27)である。
【0031】
第2除湿ユニット(20)の具体的な装置構成は後述する。
【0032】
第3除湿ユニット(30)は、吸着ロータ(31)と再生熱交換器(空気加熱器)(65)とを有している。吸着ロータ(31)は、円板状の多孔性の基材の表面に吸着剤が担持されることにより構成されている。吸着ロータ(31)は、給気通路(40)と排気通路(50)に跨って配置されるとともに、駆動機構(図示省略)によって駆動されて、両通路(40,50)の間の軸心を中心として回転するように構成されている。
【0033】
吸着ロータ(31)には、給気通路(40)の第3給気路(43)を流れる空気が通過する第1吸着部(32)と、排気通路(50)の第1排気路(51)を流れる空気が通過する第2吸着部(33)と、排気通路(50)の第2排気路(52)を流れる空気が通過する再生部(34)とが形成されている。第1吸着部(32)と第2吸着部(33)とでは、空気中の水分が吸着され、再生部(34)では、吸着剤中の水分が空気中へ放出される。
【0034】
上記第1排気路(51)は、吸着ロータ(31)の第2吸着部(33)の上流側に形成されている。第2排気路(52)は、吸着ロータ(31)の第2吸着部(33)と、該吸着ロータ(31)の再生部(34)との間に形成されている。第3排気路(53)は、吸着ロータ(31)の再生部(34)と第2除湿ユニット(20)の間に形成されている。また、第4排気路(54)は、第2除湿ユニット(20)の下流側に形成されている。
【0035】
第2排気路(52)には、吸着ロータ(31)を再生するために空気を加熱する上記再生熱交換器(65)が、吸着ロータ(31)への再生空気の入口側に設けられている。第4排気路(54)には、空気を室外へ放出するための排気ファン(66)が第2除湿ユニット(20)内に設けられている。また、第3排気路(53)は、第1給気路(41)から分岐した分岐路(55)と接続されている。
【0036】
除湿システム(10)は、室内空気(RA)を給気通路(40)へ返送する還気通路(58)を備えている。還気通路(58)は、流入端が室内空間(S)に連通する還気口(58a)に接続され、流出端が第2給気路(42)に接続されている。つまり、還気通路(58)の流出端は、給気通路(40)における第2除湿ユニット(20)と吸着ロータ(31)との間に接続されている。また、還気通路(58)の流出端は、排気通路(50)の流入端よりも上流側に位置している。還気通路(58)には、室内空気を給気通路(40)へ送り出す換気ファン(59)と、空気冷却部を構成する還気冷却熱交換器(67)が設けられている。
【0037】
第2除湿ユニット(20)の具体的な装置構成について、図3及び図4を参照しながら説明する。尚、ここでの説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、特にことわらない限り、第2除湿ユニット(20)を前面側から見た場合の方向を意味している。
【0038】
第2除湿ユニット(20)は、ケーシング(111)を備えている。また、ケーシング(111)内には、上記冷媒回路(20a)の構成部品である第1吸着熱交換器(22)、第2吸着熱交換器(24)、圧縮機(21)、四方切換弁(25)、及び膨張弁(23)が収容されている。
【0039】
ケーシング(111)は、やや扁平で高さが比較的低い直方体状に形成されている。このケーシング(111)では、図2における左手前側に前面パネル(112)が、同図における右奥側に背面パネル(113)がそれぞれ立設されている。このケーシング(111)は、前後方向の幅と左右方向の幅とが略同一の長さとなっている。
【0040】
ケーシング(111)の前面パネル(112)では、左寄りの位置に排気口(121)が、右寄りの位置に給気口(122)がそれぞれ開口している。ケーシング(111)の背面パネル(113)の中央部には、上側寄りの位置に外気吸込口(123)が、下側寄りの位置に内気吸込口(124)がそれぞれ開口している。
【0041】
ケーシング(111)の内部空間は、前面パネル(112)側の部分と背面パネル(113)側の部分とに区画されている。
【0042】
ケーシング(111)内における前面パネル(112)側の空間は、吸着熱交換器(22,24)の下流側で、仕切板(115)により、左右2つの空間に仕切られている。この左右に仕切られた2つの空間は、左寄りの空間が排気ファン室(再生側空気通路)(135)を、右寄りの空間が給気ファン室(除湿側空気通路)(136)をそれぞれ構成している。
【0043】
排気ファン室(135)には、上記排気口(121)が設けられている。この排気ファン室(135)には上記排気ファン(66)が収容されており、排気ファン(66)の吹出口が排気口(121)に接続されている。一方、給気ファン室(136)には、上記給気口(122)が設けられている。この給気ファン室(136)には、上記給気ファン(63)が収容されており、給気ファン(63)の吹出口が給気口(122)に接続されている。また、給気ファン室(136)には、圧縮機(21)も収容されている。
【0044】
一方、ケーシング(111)内の背面パネル(113)側の空間は、ケーシング(111)内に立設された第1仕切板(116)及び第2仕切板(117)によって前後3つの空間に仕切られている。これら仕切板(116,117)は、ケーシング(111)の左右方向に延びている。第1仕切板(116)は上記背面パネル(113)寄りに、第2仕切板(117)は前面パネル(112)寄りにそれぞれ配置されている。
【0045】
ケーシング(111)内において、第1仕切板(116)の奥の空間は上下2つの空間に仕切られており、上側の空間が外気側流路(132)を、下側の空間が内気側流路(134)をそれぞれ構成している。外気側流路(132)は、外気吸込口(123)と連通している。この外気側流路(132)には、ケーシング(111)の左右の内壁に亘って横断するように外気フィルタ(161)が配置されている。この外気フィルタ(161)は、外気吸込口(123)から取り込まれる室外空気中の塵埃を捕集する。内気側流路(134)は内気吸込口(124)と連通している。この内気側流路(134)には、ケーシング(111)の左右の内壁に亘って横断するように内気フィルタ(162)が配置されている。この内気フィルタ(162)は、内気吸込口(124)から取り込まれる室内空気中の塵埃を捕集する。
【0046】
第2仕切板(117)の手前の空間は上下2つの空間に仕切られており、上側の空間が排気側流路(131)を、下側の空間が給気側流路(133)を構成している。排気側流路(131)は、排気ファン室(135)と連通している。給気側流路(133)は、給気ファン室(136)と連通している。
【0047】
第1仕切板(116)と第2仕切板(117)との間の空間は、更に中央仕切板(118)によって左右2つの空間に仕切られている。そして、中央仕切板(118)の右側の空間が第1熱交換器室(137)を構成し、その左側の空間が第2熱交換器室(138)を構成している。第1熱交換器室(137)には第1吸着熱交換器(22)が、第2熱交換器室(138)には第2吸着熱交換器(24)がそれぞれ収容されている。これら2つの吸着熱交換器(22,24)は、それぞれが収容される熱交換器室(137,138)を左右方向へ横断するように配置されている。
【0048】
第1仕切板(116)には、開閉式のダンパ(141〜144)が4つ設けられている。具体的に、第1仕切板(116)では、右側の上部に第1ダンパ(141)が、左側の上部に第2ダンパ(142)が、右側の下部に第3ダンパ(143)が、左側の下部に第4ダンパ(144)がそれぞれ取り付けられている。第1ダンパ(141)を開くと、外気側流路(132)と第1熱交換器室(137)が連通する。第2ダンパ(142)を開くと、外気側流路(132)と第2熱交換器室(138)が連通する。第3ダンパ(143)を開くと、内気側流路(134)と第1熱交換器室(137)が連通する。第4ダンパ(144)を開くと、内気側流路(134)と第2熱交換器室(138)が連通する。これらのダンパ(141〜144)により、上記第1流路切換部(26)が構成されている。
【0049】
第2仕切板(117)には、開閉式のダンパ(145〜148)が4つ設けられている。具体的に、第2仕切板(117)では、右側の上部に第5ダンパ(145)が、左側の上部に第6ダンパ(146)が、右側の下部に第7ダンパ(147)が、左側の下部に第8ダンパ(148)がそれぞれ取り付けられている。第5ダンパ(145)を開くと、排気側流路(131)と第1熱交換器室(137)が連通する。第6ダンパ(146)を開くと、排気側流路(131)と第2熱交換器室(138)が連通する。第7ダンパ(147)を開くと、給気側流路(133)と第1熱交換器室(137)が連通する。第8ダンパ(148)を開くと、給気側流路(133)と第2熱交換器室(138)が連通する。これらのダンパ(145〜148)により、上記第2流路切換部(27)が構成されている。
【0050】
この除湿システムには、上記第2除湿ユニット(20)を収納する収納室(70)を有する収納ボックス(75)が設けられている(図1,2参照)。上記除湿側空気通路(136)は、上記収納室(70)を通過して該収納室(70)の外部に除湿空気を流出させるように収納ボックス(75)の除湿空気流出口(76)に接続されている。また、上記再生側空気通路(135)は、上記収納室(70)内に再生空気を流出させるように該収納室(70)内で開口する再生空気流出口(77)を有している。上記収納ボックス(75)は、収納室(70)内の再生空気を該収納室(70)から室外へ排出する排出口(78)を備えている。
【0051】
そして、上記第2除湿ユニット(20)は、上述したように、第1吸着熱交換器(22)を通過した除湿空気が除湿側空気通路(136)を流れるとともに第2吸着熱交換器(24)を通過した再生空気が再生側空気通路(135)を流れる第1空気流通状態と、第1吸着熱交換器(22)を通過した再生空気が再生側空気通路(135)を流れるとともに第2吸着熱交換器(24)を通過した除湿空気が除湿側空気通路(136)を流れる第2空気流通状態とを切り換え可能な空気通路切換機構(26,27)を有している。
【0052】
−運転動作−
除湿システム(10)の運転動作について説明する。
【0053】
〈第2除湿ユニットの動作〉
除湿システム(10)の運転時には、第2除湿ユニット(20)が図1に示す第1動作と図2に示す第2動作とを所定時間おきに(例えば5分間隔で)交互に行う。
【0054】
このとき、第2除湿ユニット(20)では、排気ファン(66)及び給気ファン(63)が運転される。図5,6に示すように、給気ファン(63)の運転が開始されると、室外空気が外気吸込口(123)からケーシング(111)内へ第1空気として取り込まれる。排気ファン(66)の運転が開始されると、室内空気が内気吸込口(124)からケーシング(111)内へ第2空気として取り込まれる。
【0055】
第1動作では、第2吸着熱交換器(24)で空気を除湿すると同時に、第1吸着熱交換器(22)の吸着剤を再生する。
【0056】
具体的に、第1動作中の除湿側冷媒回路(20a)では、四方切換弁(25)が図1の状態となり、膨張弁(23)が所定開度に制御される。第1流路切換部(26)は、第1給気路(41)と第2吸着熱交換器(24)の収容室(第2熱交換器室(138))とを連通させ、且つ第3排気路(53)と第1吸着熱交換器(22)の収容室(第1熱交換器室(137))とを連通させる。また、第2流路切換部(27)は、第2吸着熱交換器(24)の収容室(第2熱交換器室(138))と第2給気路(42)とを連通させ、且つ第1吸着熱交換器(22)の収容室(第1熱交換器室(137))と第4排気路(54)とを連通させる。
【0057】
第1動作において、圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、四方切換弁(25)を通過して、第1吸着熱交換器(22)を流れる。第1吸着熱交換器(22)では、冷媒によって吸着剤が加熱され、吸着剤中の水分が空気へ放出される。第1吸着熱交換器(22)で放熱して凝縮した冷媒は、膨張弁(23)で減圧された後、第2吸着熱交換器(24)を流れる。第2吸着熱交換器(24)では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、この際に生じる吸着熱が冷媒に付与される。第2吸着熱交換器(24)で吸熱して蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入されて圧縮される。
【0058】
図5に示すように、この第1動作中には、第2ダンパ(142)、第3ダンパ(143)、第5ダンパ(145)、及び第8ダンパ(148)だけが開状態となり、残りのダンパ(141,144,146,147)が閉状態となる。
【0059】
外気吸込口(123)から外気側流路(132)へ流入した第1空気は、第2ダンパ(142)を通って第2熱交換器室(138)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(24)を通過する。第2吸着熱交換器(24)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着される。第2吸着熱交換器(24)で除湿された第1空気は、第8ダンパ(148)を通って給気側流路(133)へ流入し、給気ファン室(136)を通過後に給気口(122)を通り、室内へ向かって流れていく。
【0060】
一方、内気吸込口(124)から内気側流路(134)へ流入した第2空気は、第3ダンパ(143)を通って第1熱交換器室(137)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(22)を通過する。第1吸着熱交換器(22)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(22)で水分を付与された第2空気は、第5ダンパ(145)を通って排気側流路(131)へ流入し、排気ファン室(135)を通過後に排気口(121)を通って収納室(70)へ排出される。
【0061】
第2動作では、第1吸着熱交換器(22)で空気を除湿すると同時に、第2吸着熱交換器(24)の吸着剤を再生する。
【0062】
第2動作中の除湿側冷媒回路(20a)では、四方切換弁(25)が図2の状態となり、膨張弁(23)が所定開度に制御される。第1流路切換部(26)は、第1給気路(41)と第1吸着熱交換器(22)の収容室(第1熱交換器室(137))とを連通させ、且つ第3排気路(53)と第2吸着熱交換器(24)の収容室(第2熱交換器室(138))とを連通させる。また、第2流路切換部(27)は、第1吸着熱交換器(22)の収容室(第1熱交換器室(137))と第2給気路(42)とを連通させ、且つ第2吸着熱交換器(24)の収容室(第2熱交換器室(138))と第4排気路(54)とを連通させる。
【0063】
第2動作において、圧縮機(21)で圧縮された冷媒は、四方切換弁(25)を通過して、第2吸着熱交換器(24)を流れる。第2吸着熱交換器(24)では、冷媒によって吸着剤が加熱され、吸着剤中の水分が空気へ放出される。第2吸着熱交換器(24)で放熱して凝縮した冷媒は、膨張弁(23)で減圧された後、第1吸着熱交換器(22)を流れる。第1吸着熱交換器(22)では、空気中の水分が吸着剤に吸着され、この際に生じる吸着熱が冷媒に付与される。第1吸着熱交換器(22)で吸熱して蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入されて圧縮される。
【0064】
図6に示すように、この第2動作中には、第1ダンパ(141)、第4ダンパ(144)、第6ダンパ(146)、及び第7ダンパ(147)だけが開状態となり、残りのダンパ(142,143,145,148)が閉状態となる。
【0065】
外気吸込口(123)から外気側流路(132)へ流入した第1空気は、第1ダンパ(141)を通って第1熱交換器室(137)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(22)を通過する。第1吸着熱交換器(22)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着される。第1吸着熱交換器(22)で除湿された第1空気は、第7ダンパ(147)を通って給気側流路(133)へ流入し、給気ファン室(136)を通過後に給気口(122)を通り、室内へ向かって流れていく。
【0066】
一方、内気吸込口(124)から内気側流路(134)へ流入した第2空気は、第4ダンパ(144)を通って第2熱交換器室(138)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(24)を通過する。第2吸着熱交換器(24)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(24)で水分を付与された第2空気は、第6ダンパ(146)を通って排気側流路(131)へ流入し、排気ファン室(135)を通過後に排気口(121)を通って収納室(70)へ排出される。
【0067】
以上のように、第2除湿ユニット(20)の排気口(121)から排出される空気は、図7(A)に示すように、収納ボックス(75)の収納室(70)に流出する。この空気が再生空気で暖かいため、収納室(70)が温暖な環境になる。したがって、第2除湿ユニット(20)の再生側空気通路(135)と除湿側空気通路(136)の間に温度差がある状態でも、収納室(70)の温熱が仕切板(115)に伝達され、仕切板(115)における結露が生じにくくなる。
【0068】
〈除湿システムの運転動作〉
次いで、除湿システム(10)の運転動作について説明する。
【0069】
室外空気(OA)は、給気通路(40)の第1給気路(41)に流入する。この空気は、比較的高温高湿の空気である。第1給気路(41)を流れる空気は、第1除湿ユニット(60)の外気冷却熱交換器(61)によって冷却される。冷却時に空気中から発生した凝縮水は、ドレンパン(62)に回収される。上記第1動作では、外気冷却熱交換器(61)で冷却及び除湿された空気は、第2除湿ユニット(20)の第2吸着熱交換器(24)を通過する。第2吸着熱交換器(24)では、空気中の水分が吸着剤に吸着される。また、第2動作では、外気冷却熱交換器(61)で冷却及び除湿された空気は、第2除湿ユニット(20)の第1吸着熱交換器(22)で除湿される。
【0070】
各吸着熱交換器(22,24)で吸着剤に水分が吸着されるときに発生する吸着熱は、上述したように吸着熱交換器(22,24)を流れる冷媒に与えられる。また、給気通路(40)を流れる空気は冷媒による冷却作用を受けるので、除湿されて湿度が低下するとともに冷却されて温度も低下する。
【0071】
第2除湿ユニット(20)で除湿された空気は、第2給気路(42)を流れ、吸着ロータ(31)の第1吸着部(32)を通過する。その結果、この空気中の水分が吸着ロータ(31)の吸着剤に吸着される。吸着ロータ(31)で除湿された空気は、再熱熱交換器(64)で温度が調整された後、給気(SA)として室内へ供給される。
【0072】
第2給気路(42)を流れる空気の一部は、排気通路(50)に流入し、吸着ロータ(31)の第2吸着部(33)を通過する。その結果、この空気中の水分が吸着ロータ(31)の吸着剤に吸着される。第2吸着部(33)は高温の再生空気が通過した再生部(34)が第1吸着部(32)へ移動する途中の段階であり、第2吸着部(33)に第2給気路(42)の空気が流れることにより、第2吸着部(33)が冷やされる作用も生じることになる。
【0073】
吸着ロータ(31)の第2吸着部(33)で除湿された空気は、第2排気路(52)を流れて再生熱交換器(65)で加熱される。加熱された空気は、吸着ロータ(31)の再生部(34)を通過する。その結果、吸着ロータ(31)の吸着剤から空気中へ水分が脱離し、吸着剤が再生される。吸着ロータ(31)の再生に利用された空気は、第3排気路(53)を流れ、分岐路(55)から送られてくる空気と混合される。
【0074】
上記第1動作において、この空気は、第2除湿ユニット(20)の第1吸着熱交換器(22)を通過する。第1吸着熱交換器(22)では、吸着剤から空気中へ水分が脱離し、吸着剤が再生される。第1吸着熱交換器(22)の吸着剤の再生に利用された空気は、第4排気路(54)を流れ、排気(EA)として収納室(70)に流出し、排気口(77)から室外へ排出される。また、第2動作では、空気が第2吸着熱交換器(22)の吸着剤を再生した後、排気(EA)として収納室(70)に流出し、排気口(77)から室外へ排出される。
【0075】
また、室内空間(S)の空気の一部は、排気(EA)として室外へ直接排出される。さらに、室内空間(S)の空気の一部は、還気通路(58)に流入する。還気通路(58)を流れる空気は、還気冷却熱交換器(67)によって冷却された後、第2給気路(42)へ返送される。この返送空気は、第2除湿ユニット(20)で除湿された空気と混合される。第2除湿ユニット(20)で除湿された空気と、室内空間(S)から返送された空気とでは、返送された空気の方が低温、低湿となっている。このため、第2除湿ユニット(20)で除湿された空気は、返送空気と混合されることで、更に低温低湿となる。これにより、吸着ロータ(31)での水分の吸着能力が向上する。
【0076】
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、除湿側空気通路(136)と再生側空気通路(135)が仕切板(115)で区画された第2除湿ユニット(20)において、運転中に除湿側空気通路(136)を常に低温低湿の空気(例えば約0℃の除湿空気)が流れ、再生側空気通路(135)を常に高温高湿の空気(例えば約30℃の再生空気)が流れるのに対して、図7(A)に示すように、第2除湿ユニット(20)が収納された収納室(70)に暖かい再生空気を流出させるようにしているので、その温熱が仕切板(115)に伝達され、仕切板(115)における結露を防止することが可能になる。また、本実施形態によれば、ケーシング(111)内に多くの断熱材を設けなくても第2除湿ユニット(20)のケーシング(111)内で結露が生じるのを防止できるから、構成が複雑になるのも防止できる。また、本実施形態では、第2除湿ユニット(20)のケーシング(111)の周囲に排気(EA)を流すことでケーシング(111)の内壁の温度が上がり、第2除湿ユニット(20)のケーシング(111)の内壁での結露が生じにくくなる効果があり、そのことからも断熱材を少なくして構成の複雑化を防止できる。さらに、第2除湿ユニット(20)の内部に低温空気が流れているところではケーシング(111)も低温になって周囲で結露しやすいのに対して、本実施形態によれば、特に夏期には外気よりも湿度が低い排気(EA)をケーシング(111)の周囲に流すことにより、ケーシング(111)の周囲での結露も防ぐことができる。
【0077】
−実施形態の変形例−
(変形例1)
上記実施形態では、収納室(70)を収納ボックス(75)の内部の空間にしているが、上記収納室(70)は、図1において、除湿対象空間を除湿するために上記第2除湿ユニット(除湿機)とともに用いられる機器が設置される機械室(80)により構成してもよい。
【0078】
このように構成しても、機械室(80)に流出する排気空気の温熱をケーシング(111)の仕切板(115)に伝達することにより、ケーシング(111)内で結露が生じる問題を防止できるし、構成が複雑になるのも防止できる。
【0079】
(変形例2)
上記実施形態においては、図7(B)に示すように、上記再生空気流出口(77)を、上記ケーシング(111)の外面であって上記仕切板(115)が設けられている箇所の外面に向かって開口するように構成するとよい。このように構成すると、排気空気の温熱が仕切板(115)に伝達されやすくなるので、第2除湿ユニット(20)のケーシング(111)内で結露が生じる問題をより確実に防止できる。
【0080】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0081】
例えば、上記実施形態では、第2除湿ユニット(20)を1台だけ用いる例を説明したが、第2除湿ユニット(20)は、複数台(例えば5台程度)を並列に接続して用いてもよい。その場合でも、本発明においては、上記複数の第2除湿ユニット(20)を収納室(70)に収納し、第2除湿ユニット(20)の排気を収納室に流出させるようにすることにより、上記実施形態と同様に、排気空気の温熱を利用して第2除湿ユニット(20)のケーシング内で結露が生じるのを防止でき、構成が複雑になるのも防止できる。
【0082】
また、上記実施形態において、除湿システム(10)の回路構成や第2除湿ユニット(20)の装置構成などは一例であり、適宜変更してもよい。
【0083】
このように、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上説明したように、本発明は、ケーシング内における吸着部材の下流側で除湿側空気通路と再生側空気通路を仕切板で区画するように構成された除湿機を用いる除湿システムについて有用である。
【符号の説明】
【0085】
10 除湿システム
20 除湿機
26 第1流路切換部(空気通路切換機構)
27 第2流路切換部(空気通路切換機構)
70 収納室
75 収納ボックス
76 除湿空気流出口
77 再生空気流出口
78 排出口
80 機械室
111 ケーシング
115 仕切板
136 除湿側空気通路
135 再生側空気通路
151 第1吸着部材
152 第2吸着部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7