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特開2015-201188情報処理装置、情報送信システム、及び情報送信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-201188(P2015-201188A)
(43)【公開日】2015年11月12日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報送信システム、及び情報送信方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/04 20060101AFI20151016BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20151016BHJP
   G06Q 50/22 20120101ALI20151016BHJP
【FI】
   G08B21/04
   A61B5/00 102C
   A61B5/00 102A
   A61B5/00 102B
   G06Q50/22 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-70310(P2015-70310)
(22)【出願日】2015年3月30日
(31)【優先権主張番号】特願2014-71010(P2014-71010)
(32)【優先日】2014年3月31日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137947
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 貴文
(72)【発明者】
【氏名】馬場口 豊
【テーマコード(参考)】
4C117
5C086
5L099
【Fターム(参考)】
4C117XA04
4C117XB04
4C117XC02
4C117XE13
4C117XE23
4C117XE26
4C117XE43
4C117XE52
4C117XE64
4C117XE77
4C117XF22
4C117XH12
4C117XJ11
4C117XJ42
4C117XJ45
4C117XL01
4C117XL06
4C117XQ19
4C117XQ20
5C086AA22
5C086BA07
5C086CA28
5C086DA14
5C086FA18
5L099AA13
(57)【要約】      (修正有)
【課題】要介護者から離れた場所に担当介護者がいるなどの場合でも、適切な対処を実行可能な情報送信システムを提供する。
【解決手段】被検対象の状態を検出する状態検出部と、電子端末の近接状態を検出する端末検出部と、状態検出部の検出結果及び端末検出部による検出結果に基づいて、被検対象との距離が近いと判定された第1電子端末300B、前記被検対象に近接したと判定された第2電子端末300A、及び予め被検対象に関する情報と関連付けられた第3電子端末、から選択された1以上の電子端末に状態情報を送信する情報送信部と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
状態検出部により検出された被検対象の状態を示すデータを受信する受信部と、
前記状態を示すデータに基づき外部機器に状態情報を送信する情報送信部を備え、
前記情報送信部は、
前記被検対象との距離が近いと判定された第1外部機器、
前記被検対象に近接したと判定された第2外部機器、及び
予め定められた第3外部機器、
から選択された1以上の外部機器に前記状態情報を送信する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記第1外部機器は、前記被検対象の状態の検出に基づいて決定され、
前記第2外部機器は、前記第1外部機器より前に前記被検対象に近接したことに基づいて決定される、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報送信部は、前記第1外部機器及び前記第2外部機器の少なくとも一方と、前記第3外部機器と、に前記状態情報を送信する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記状態情報を送信する前記第1外部機器及び前記第2外部機器は、外部機器の近接状態を検出する端末検出部からの入力に基づいて決定される
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報送信部は、
前記1以上の外部機器に前記状態情報を送信後、
前記端末検出部が、前記1以上の外部機器のうちの一の外部機器の近接を検出し、その後近接を検出できない状態になった場合、
前記1以上の外部機器のうちの他の外部機器に完了情報を送信する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記端末検出部による検出結果と、該検出結果と関連付けられた検出時間とを記憶する検出端末記憶部をさらに備える
ことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報送信部は、
前記1以上の外部機器に前記状態情報を送信後、
前記1以上の外部機器のうちの一の外部機器から送信された第1応答情報を受信した場合、
前記1以上の外部機器のうちの他の外部機器に第1他者応答情報を送信する
ことを特徴とする請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記情報送信部は、
前記1以上の外部機器に前記状態情報を送信後、
前記1以上の外部機器のうちの一の外部機器の近接を検出したとき、
前記1以上の外部機器のうちの他の外部機器に他者近接情報を送信する
ことを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記情報送信部は、
前記1以上の外部機器に前記状態情報を送信後、
前記1以上の外部機器のうちの一の外部機器から送信された第2応答情報を受信した場合、
前記1以上の外部機器のうちの他の外部機器に第2他者応答情報を送信する
ことを特徴とする請求項4乃至請求項8のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記外部機器の状態を示す端末状態情報を記憶する端末状態情報記憶部をさらに備え、
前記情報送信部は、前記端末状態情報記憶部に記憶された前記端末状態情報が所定の状態を示す前記外部機器に対して前記状態情報を送信することを禁止する
ことを特徴とする請求項3乃至請求項9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記外部機器に関連付けられた端末特定情報を記憶する端末特定情報記憶部をさらに備え、
前記情報送信部は、前記外部機器に情報を送信するときに、該情報に前記端末特定情報を付加して送信する
ことを特徴とする請求項4乃至請求項10のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記データは、撮影データから検出されたデータ及び生体情報に基づくデータの少なくとも一方である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記被検対象の状態を検出する状態検出部、及び
前記外部機器の近接状態を検出する端末検出部をさらに備え、
前記情報送信部は、前記状態検出部の検出結果、及び前記端末検出部による検出結果に基づいて、前記状態情報を送信する外部機器を決定する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記第3外部装置は、予め前記被検対象に関連付けられている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項15】
被検対象の状態に関するデータに基づき送信された状態情報を受信する受信部と、
前記状態情報に基づき所定の画像を表示する表示部と、を備え、
前記受信部は、
前記被検対象との距離が近いと判定された第1外部装置、
前記被検対象に近接したと判定された第2外部装置、及び
予め定められた第3外部装置、
から選択された1以上に対して送信された前記状態情報を受信する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項16】
被検対象の状態を検出する第1ステップと、
外部機器の近接状態を検出する第2ステップと、
前記第1ステップ及び前記第2ステップでの検出結果に基づいて、
前記被検対象との距離が近いと判定された第1外部機器、
前記被検対象に近接したと判定された第2外部機器、及び
予め定められた第3外部機器、
から選択された1以上の外部機器に状態情報を送信する第3ステップと、を含む
ことを特徴とする情報送信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、介護施設において要介護者の異常状態を検出して介護者に通知する介護システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、要介護者の異常状態を検出し、介護者に通知する介護システムが提案されている。このような介護システムでは、要介護者のベッドサイドに設置したセンサを用いてこの要介護者に異常状態が発生しないかを検出し、異常状態を検出した場合には、この要介護者を担当する介護者の携帯端末に異常状態の発生を通知する。例えば、特許文献1には、異常状態が発生した際に介護者が携帯する受信機に報知信号を送信する異常検知システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−353570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のシステムでは、異常状態が発生した要介護者を担当する介護者に異常発生を通知しているため、担当介護者がこの要介護者から遠くにいる場合には、緊急対応をすることが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するために次のような手段を採る。なお、以下の説明において、発明の理解を容易にするために図面中の符号等を括弧書きで付記するが、本発明の各構成要素はこれらの付記したものに限定されるものではなく、当業者が技術的に理解しうる範囲にまで広く解釈されるべきものである。
【0006】
本発明の一の手段は、
状態検出部(ベッドサイドセンサ200)により検出された被検対象(要介護者210)の状態を示すデータを受信する受信部と、
前記データに基づき外部機器(携帯端末300A、300B、及び300C)に状態情報を送信する情報送信部(無線送信部140)を備え、
前記情報送信部は、
前記被検対象(要介護者210)との距離が近いと判定された第1外部機器(携帯端末300B)、
前記被検対象に近接したと判定された第2外部機器(携帯端末300A)、及び
予め定められた第3外部機器(携帯端末300C)、
から選択された1以上の外部機器に前記状態情報(異常状態情報)を送信する
ことを特徴とする情報処理装置(サーバ100)である。
【0007】
また、本発明の別の手段は、
被検対象の状態を検出する状態検出部(ベッドサイドセンサ200)と、
外部機器の近接状態を検出する端末検出部(ベッドサイドセンサ200)と、
前記状態検出部の検出結果、及び前記端末検出部による検出結果に基づいて、
前記被検対象との距離が近いと判定された第1外部機器(携帯端末300B)、
前記被検対象に近接したと判定された第2外部機器(携帯端末300A)、及び
予め定められた第3外部機器(携帯端末300C)、
から選択された1以上の外部機器に状態情報(異常状態情報)を送信する情報送信部(サーバ100の無線送信部140)と、を備える
ことを特徴とする情報送信システムである。
【0008】
また、本発明の別の手段は、
被検対象の状態を検出する第1ステップと、
外部機器の近接状態を検出する第2ステップと、
前記第1ステップ及び前記第2ステップでの検出結果に基づいて、
前記被検対象との距離が近いと判定された第1外部機器、
前記被検対象に近接したと判定された第2外部機器、及び
予め定められた第3外部機器、
から選択された1以上の外部機器に状態情報を送信する第3ステップと、を含む
ことを特徴とする情報送信方法である。
【0009】
また、本発明の別の手段は、
被検対象の状態を示すデータに基づき送信された状態情報を受信する受信部と、
前記状態情報に基づき所定の画像を表示する表示部と、を備え、
前記受信部は、
前記被検対象との距離が近いと判定された第1外部装置、
前記被検対象に近接したと判定された第2外部装置、及び
予め定められた第3外部装置、
から選択された1以上に対して送信された前記状態情報を受信する
ことを特徴とする電子機器である。
【0010】
上記構成の情報処理装置、情報送信システム、情報送信方法、または電子機器によれば、被検対象に対する適切な対応を可能とする環境を提供することができる。特に、これらの情報処理装置などを介護システムに適用すれば、(1)特定の状態となった(異常状態が発生した)被検対象(要介護者210)の近くにいる携帯端末(300B)を持った介護者B(310B)、(2)上記状態の発生直前にこの被検対象(要介護者210)の近くにいた携帯端末(300A)を持った介護者A(310A)、及び(3)上記状態になった被検対象(要介護者210)を担当する介護者、のうちの1名以上に、特定の状態となったこと(異常状態の発生)を通知することができる。これにより、介護者Bによる緊急対応、被検対象(要介護者210)の状態を把握している可能性の高い介護者A、被検対象(要介護者210)の経緯に詳しい可能性が高い担当介護者による適切な対応を行うことが可能となる。なお、上記特定の状態となったことを複数名に通知することが好ましい。これによれば、より適切な処理が可能となる。また、上記第3外部機器は予め被検対象に関連付けられることが好ましい。これによれば、さらに適切な処理が可能となる。
【0011】
また、上記情報処理装置または情報送信システムにおいて、好ましくは、
前記第1外部機器は、前記被検対象の状態の検出に基づいて決定され、
前記第2外部機器は、前記第1外部機器より前に前記被検対象に近接したことに基づいて決定される。
【0012】
上記構成の情報処理装置または情報送信システムによれば、被検対象(要介護者)の状態の検出に基づいて第1外部機器が決定されるため、被検対象の状態の変化に応じた状態情報の送信が可能となる。特に、これらの情報処理装置などを介護システムに適用すれば、例えば、外部機器を持った介護者が、被検対象(要介護者)の状態の変化をより適切に把握することが可能となる。また、第1外部機器より前に被検対象に近接したことに基づいて第2外部機器が決定されるため、被検対象の過去の状況を知る可能性の高い第2外部機器の保有者(介護者A)に対する状態情報の送信が可能となる。
【0013】
また、上記情報処理装置または情報送信システムにおいて、好ましくは、
前記情報送信部(無線送信部140)は、前記第1外部機器及び前記第2外部機器の少なくとも一方と、前記第3外部機器と、に前記状態情報を送信する。
【0014】
上記構成の情報処理装置または情報送信システムによれば、第3外部機器に対して状態情報を送信することとしているため、被検対象(要介護者)と関連付けられた担当者(担当介護者)に対して漏れなく状態情報を送信することが可能となる。
【0015】
また、上記情報処理装置において、好ましくは、
前記状態情報を送信する前記第1外部機器及び前記第2外部機器は、外部機器の近接状態を検出する端末検出部(ベッドサイドセンサ200)からの入力に基づいて決定される。
【0016】
上記構成の情報処理装置によれば、端末検出部(ベッドサイドセンサ200)の入力に基づいて外部機器の近接状態を検出するため、より適切な外部機器の近接判定を行うことが可能となる。
【0017】
また、上記情報処理装置または情報送信システムにおいて、好ましくは、
前記情報送信部(無線送信部140)は、
前記1以上の外部機器に前記状態情報を送信後、
前記端末検出部(ベッドサイドセンサ200)が、前記1以上の外部機器のうちの一の外部機器の近接を検出し、その後近接を検出できない状態になった場合、
前記1以上の外部機器のうちの他の外部機器に完了情報(対処完了情報)を送信する。
【0018】
上記構成の情報処理装置または情報送信システムによれば、被検対象に対する対処が完了したことを、他の外部機器を保有する者に自動的に通知することなどが可能となる。より具体的には、上記情報処理装置などによれば、要介護者の異常状態の対処が完了したことを、異常状態の対処状況を知らない介護者に自動的に通知することが可能となる。
【0019】
また、上記情報処理装置または情報送信システムにおいて、好ましくは、
前記端末検出部(ベッドサイドセンサ200)による検出結果と、該検出結果と関連付けられた検出時間とを記憶する検出端末記憶部(メモリ130)をさらに備える。
【0020】
上記構成の情報処理装置または情報送信システムによれば、例えば、サーバ100がベッドサイドセンサ200による外部機器(携帯端末300Aまたは300B)の検出状態を記憶することが可能となり、異常状態の発生の通知処理を容易に実行することが可能となる。
【0021】
また、上記情報処理装置または情報送信システムにおいて、好ましくは、
前記情報送信部(無線送信部140)は、
前記1以上の外部機器に前記状態情報(異常状態情報)を送信後、
前記1以上の外部機器のうちの一の外部機器から送信された第1応答情報(対処宣言情報)を受信した場合、
前記1以上の外部機器のうちの他の外部機器に第1他者応答情報(他者対処宣言情報)を送信する。
【0022】
上記構成の情報処理装置または情報送信システムによれば、例えば、外部機器を保持するいずれかの介護者が、他の外部機器を保持する介護者に対して、異常状態に対処する旨を容易に通知することが可能となる。
【0023】
また、上記情報処理装置または情報送信システムにおいて、好ましくは、
前記情報送信部(無線送信部140)は、
前記1以上の外部機器に前記状態情報(異常状態情報)を送信後、
前記1以上の外部機器のうちの一の外部機器の近接を検出したとき、
前記1以上の外部機器のうちの他の外部機器に他者近接情報を送信する。
【0024】
上記構成の情報処理装置または情報送信システムによれば、例えば、外部機器を保持するいずれかの介護者が異常状態の発生した要介護者に近づいたことを、他の外部機器を保持する介護者に対して容易に通知することが可能となる。これにより、他の外部機器を保持する介護者は、別の介護者が異常状態に対処しようとしていることを容易に知ることが可能となる。
【0025】
また、上記情報処理装置または情報送信システムにおいて、好ましくは、
前記情報送信部(無線送信部140)は、
前記1以上の外部機器に前記状態情報(異常状態情報)を送信後、
前記1以上の外部機器のうちの一の外部機器から送信された第2応答情報(ヘルプ要請情報)を受信した場合、
前記1以上の外部機器のうちの他の外部機器に第2他者応答情報(他者ヘルプ要請情報)を送信する。
【0026】
上記構成の情報処理装置または情報送信システムによれば、例えば、要介護者の異常状態に対処している介護者が、他の介護者に対して容易にヘルプ要請を送信することが可能となる。
【0027】
また、上記情報処理装置または情報送信システムにおいて、好ましくは、
前記外部機器の状態を示す端末状態情報を記憶する端末状態情報記憶部(メモリ130)をさらに備え、
前記情報送信部(無線送信部140)は、前記端末状態情報記憶部に記憶された前記端末状態情報が所定の状態を示す前記外部機器に対して前記状態情報を送信することを禁止する。
【0028】
上記構成の情報処理装置または情報送信システムによれば、例えばBUSY状態や休止状態などの外部機器に対して状態情報を送信することを避けることができる。これにより、要介護者の異常状態に実際に対処可能な介護者が保持する携帯端末に限定して異常状態情報を送信することなどが可能となる。
【0029】
また、上記情報処理装置または情報送信システムにおいて、好ましくは、
前記外部機器に関連付けられた端末特定情報を記憶する端末特定情報記憶部(メモリ130)をさらに備え、
前記情報送信部(無線送信部140)は、前記外部機器に情報を送信するときに、該情報に前記端末特定情報を付加して送信する。
【0030】
上記構成の情報処理装置または情報送信システムによれば、例えば、端末特定情報として外部機器を保持する介護者の名前を予め記憶部に記憶させておくことで、介護者は、具体的にどの介護者が異常状態に対処しているかなどの情報を容易に認識することができる。これにより、さらに適切な対処が可能な介護システムなどを提供することが可能となる。
【0031】
また、上記情報処理装置、情報送信システム、または電子機器において、好ましくは、
前記被検対象の状態を示す情報が、撮影データから検出されたデータ、及び生体情報に基づくデータの少なくとも一方である。
【0032】
上記構成の情報処理装置、情報送信システム、または電子機器によれば、被検対象に発生した異常状態に対して適切な対応を行うことが可能な介護システムなどを提供することができる。
【0033】
また、上記情報処理装置において、好ましくは、
前記被検対象の状態を検出する状態検出部、及び
前記外部機器の近接状態を検出する端末検出部をさらに備え、
前記情報送信部は、前記状態検出部の検出結果、及び前記端末検出部による検出結果に基づいて、前記状態情報を送信する外部機器を決定する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】介護システムの全体の概念図。
図2】サーバの構成の具体例を示す図。
図3】ベッドサイドセンサによる検出処理の具体例を示すフローチャート。
図4】サーバによる処理の具体例を示すフローチャート。
図5】介護システムの動作例を示す図。
図6】介護システムの動作例を示す図。
図7】介護システムの動作例を示す図。
図8】介護システムの動作例を示す図。
図9】介護システムの動作例を示す図。
図10】実施形態3の携帯端末における表示例を示す図。
図11】実施形態3の携帯端末における表示例を示す図。
図12】実施形態3の携帯端末における表示例を示す図。
図13】実施形態3の携帯端末における表示例を示す図。
図14】実施形態3の携帯端末における表示例を示す図。
図15】実施形態4の携帯端末における表示例を示す図。
図16】実施形態5の携帯端末における表示例を示す図。
図17】実施形態5の携帯端末における表示例を示す図。
図18】実施形態7の携帯端末における表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明に係る実施形態について、以下の構成に従って図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下で説明する実施形態はあくまで本発明の一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定的に解釈させるものではない。なお、各図面において、同一の構成要素には同一の符号を付しており、その説明を省略する場合がある。
1.実施形態1
(1)介護システムの構成例
(2)介護システムの動作例
2.実施形態2
3.実施形態3
4.実施形態4
5.実施形態5
6.実施形態6
7.実施形態7
8.補足事項
【0036】
<1.実施形態1>
まず、本発明の実施形態1について、図1乃至図9を参照しながら説明する。
【0037】
<(1)介護システムの構成例>
図1は、本実施形態の介護システムの全体を示す概念図である。図1に示すように、本実施形態の介護システムは、サーバ100、ベッドサイドセンサ200、並びに携帯端末300A及び300Bを含んで構成される。ベッドサイドセンサ200は、要介護者210のベッドまたはベッドの近くに設置される。携帯端末300A及び300Bは、それぞれ介護者310A及び310Bが携帯する。すなわち、要介護者にはそれぞれに対応するベッドサイドセンサが配置され、介護者はそれぞれ携帯端末を携帯している。図1に示す例では、要介護者210はそれぞれ個室に入っており、介護者310Aは要介護者210から離れた場所におり、介護者310Bは要介護者210の近くの廊下にいる状態を示している。
【0038】
<ベッドサイドセンサ200>
ベッドサイドセンサ200は、(1)要介護者210の異常状態を検出可能な異常検出部としての機能と、(2)携帯端末300A及び300Bの近接状態を検出可能な端末検出部としての機能と、(3)サーバ100への無線でのデータ送信を行う無線送信部としての機能を有する。
【0039】
ベッドサイドセンサ200は、要介護者210の動作を検出し、検出結果に基づいて異常状態を検出可能に構成される。要介護者210の動作の検出は、カメラによる撮影によって行われる。異常状態の検出は、上記カメラによる撮影結果に対して画像処理を行い、暴れている、微動が確認できない(呼吸していないと推定される)、またはベッドから離れた、などの状態を検出することによって行われる。なお、要介護者210の異常状態の検出は、必ずしもカメラを用いて行われるものではなく、要介護者210の脈拍、または体温などの生体情報を検出することによって行われてもよい。
【0040】
ベッドサイドセンサ200は、携帯端末300A及び300Bとの無線通信によって、検出可能範囲220に携帯端末300A及び300Bが存在することを検出可能に構成される。ベッドサイドセンサ200と、携帯端末300Aまたは300Bとの無線通信は、検出可能範囲220の範囲内でのみ可能である。
【0041】
ベッドサイドセンサ200は、要介護者210の異常状態を検出したとき、並びに携帯端末300A及び300Bの近接状態を検出したときに、これらに関する情報をサーバ100に無線で送信可能に構成される。なお、ベッドサイドセンサ200からサーバ100への情報送信は、有線通信で行ってもよい。
【0042】
<検出可能範囲220>
検出可能範囲220は、ベッドサイドセンサ200が、携帯端末が近接したことを検出可能な範囲を示す。
【0043】
<サーバ100>
図2は、サーバ100の構成の具体例を示す図である。図2に示すように、サーバ100は、無線受信部110、CPU120、メモリ130、及び無線送信部140を含んで構成される。
【0044】
<無線受信部110>
無線受信部110は、ベッドサイドセンサ200から送信された、要介護者210の異常状態の検出情報、及び携帯端末(300A及び300B)の近接状態の検出情報を受信可能に構成される。無線受信部110は、受信したこれらの情報をCPU120に出力する。
【0045】
<CPU120>
CPU120は、無線受信部110から受信した、要介護者210の異常状態の検出情報、及び携帯端末(300A及び300B)の近接状態の検出情報を入力情報として受け取る。CPU120は、入力された携帯端末(300A及び300B)の近接状態の検出情報に基づいて、ベッドサイドセンサごとに、携帯端末の検出を開始した時間、及び検出を終了した時間を、メモリ130に記憶させる。携帯端末が近接した時間は、ベッドサイドセンサ200から携帯端末の近接状態の検出信号を受領した時間に、CPU120の内部タイマーが示す時間によって決定される。携帯端末の検出を開始した時間は、特定の携帯端末が近接していない状態(検出されない状態)から、近接した状態(検出される状態)へと変化したタイミングに基づいて決定される。携帯端末の検出を終了した時間は、特定の携帯端末が近接した状態(検出される状態)から、近接していない状態(検出されない状態)へと変化したタイミングに基づいて決定される。
【0046】
CPU120は、要介護者210の異常状態の検出情報を受け取ると、異常状態が発生したことを示す異常状態情報を送信すべき携帯端末を特定し、無線送信部140を介して、これらの携帯端末に異常状態情報を送信する。なお、CPU120による処理を含むこれらの具体的な動作については後述する。
【0047】
<メモリ130>
メモリ130は、CPU120から受け取った、携帯端末の近接状態の検出情報に基づいて決定された、ベッドサイドセンサごとの、携帯端末の検出を開始した時間、及び検出を終了した時間を記憶可能に構成される。メモリ130は、上記情報以外にも各種情報を記憶可能に構成される。
【0048】
<無線送信部140>
無線送信部140は、CPU120からの指示に基づいて、所定の携帯端末(300A及び300B)に異常状態情報を無線で送信可能に構成される。なお、無線送信部140は上記無線受信部110と組み合わされて無線送受信部となってもよい。
【0049】
<携帯端末300A及び300B>
携帯端末300A及び300Bは、それぞれサーバ100及びベッドサイドセンサ200と無線通信が可能な端末であって、各介護者が1台ずつ保持している。携帯端末300A及び300Bは、携帯電話またはスマートフォンなどの電子端末または電子機器であってもよい。携帯端末300A及び300Bは、それぞれ端末固有識別情報を持っており、サーバ100、ベッドサイドセンサ200及び他の機器は、この端末固有識別情報に基づいて携帯端末を特定可能である。また、携帯端末300A及び300Bは、サーバ100及びベッドサイドセンサ200との間で無線通信を行う通信部を備える。なお、この通信部は、情報の受信のみを行う受信部であってもよい。さらに、携帯端末300A及び300Bは、受信した情報に基づいて画像を表示し、かつユーザによる操作を検出するタッチパネルを備える。このタッチパネルは、液晶ディスプレイ(LCD)または有機ELディスプレイなどの表示部を含んで構成される。なお、このタッチパネルは画像を表示する機能を有する表示部であってもよい。
【0050】
<(2)介護システムの動作例>
次に、図3乃至図9を参照しながら、本実施形態の介護システムの動作例について説明する。まずは、図3及び図4を参照しながらベッドサイドセンサ200、及びサーバ100での処理の流れについて説明し、その後、図5乃至図9を参照しながらより具体的な動作例を説明する。
【0051】
<S500〜S510>
図3は、ベッドサイドセンサ200による検出処理の具体例を示すフローチャートである。ベッドサイドセンサ200は、検出処理を開始すると(S500)、まず、検出可能範囲220にいずれかの携帯端末が存在するか否かを確認する(S510)。検出可能範囲220に携帯端末が存在しなければ(S510でN)、S530の処理に移行する。
【0052】
<S520>
検出可能範囲220に携帯端末が存在すれば(S510でY)、ベッドサイドセンサ200は、検出した携帯端末の端末固有識別情報をサーバ100に送信する。これらの情報を受信したサーバ100の処理については後述する。
【0053】
<S530>
次いで、ベッドサイドセンサ200は、要介護者210に異常状態が発生していないかを確認する(S530)。具体的には、要介護者210をカメラで撮影し、暴れている、微動が確認できない(呼吸していないと推定される)、またはベッドから離れた、などの状態を検出したかどうか確認する。要介護者210に異常状態が発生していなければ(S530でN)、S510の処理に戻る。
【0054】
<S540>
要介護者に異常状態が発生していた場合は(S530でY),異常状態の検出情報をサーバ100に送信し(S540)、ベッドサイドセンサ200は検出処理を終了する。その後、ベッドサイドセンサ200は、繰り返し検出処理を実行する。
【0055】
<S600>
図4は、サーバ100による処理の具体例を示すフローチャートである。サーバ処理が開始されると(S600)、サーバ100の無線受信部110は、ベッドサイドセンサ200から受信した、携帯端末の近接状態の検出情報である端末固有識別情報(S520参照)、及び要介護者210の異常状態の検出情報(S540参照)をCPU120に出力する。
【0056】
<S610〜S620>
CPU120が携帯端末の端末固有識別情報を受信すると(S610でY)、この情報に基づいて、ベッドサイドセンサごとの、携帯端末(端末固有識別情報に基づいて特定される)の検出を開始した時間、及び検出を終了した時間を、メモリ130に記憶させる(S620)。携帯端末の検出を開始した時間、及び検出を終了した時間は、CPU120の内部タイマーによって決定される。
【0057】
<S630>
CPU120が携帯端末の端末固有識別情報を受信していないとき(S610でN)、または受信情報をメモリ130に記憶させたら(S620の後)、CPU120はベッドサイドセンサ200から要介護者210の異常状態の検出情報を受領したかどうかを確認する(S630)。要介護者210の異常状態の検出情報を受信していなければ(S630でN)、CPU120はS610の処理を繰り返し実行する。
【0058】
<S640>
要介護者210の異常状態の検出情報を受信していたら(S630でY)、CPU120は、当該異常情報の検出情報を発信したベッドサイドセンサ200を異常発生場所として特定し、異常発生場所に最も近い携帯端末を特定して、無線送信部140を介して異常状態情報を発信する(S640)。異常発生場所に最も近い携帯端末は、メモリ130に記憶されている携帯端末の検出情報に基づいて、CPU120が特定する。
【0059】
<S650>
次いで、CPU120は、異常発生の直前に異常発生場所にあった(近接していた)携帯端末を特定して、無線送信部140を介して異常状態情報を送信する(S650)。この携帯端末は、メモリ130に記憶されている携帯端末の検出情報に基づいて、CPU120が特定する。ここで異常状態情報を送信するのは、上記の、異常発生場所に最も近い携帯端末とは別の携帯端末である。このようにして、CPU120は、2台の携帯端末に対して異常状態情報を発信することとなる。
【0060】
<S660〜S670>
そして、CPU120は、対処完了の検出を待って(S660)、対処完了が検出されたら、対処完了を示す情報を携帯端末に送信する(S670)。対処完了の検出は、CPU120が上記の異常状態情報を送信した後に、異常発生場所のベッドサイドセンサ200が異常状態情報を送信した2台の携帯端末の一方の近接を検出し、その後この携帯端末が検出されなくなったことに基づいて判断される。すなわち、サーバ100が異常状態情報を送信した後に、介護者が要介護者に近づき、その後要介護者から離れたとの検出結果に基づいて、要介護者の異常状態に対する対処を完了したものと推定するものである。
【0061】
<S680>
上記の処理が終了したら、サーバ100は処理を終了する(S680)。
【0062】
<具体的動作例>
次に、図5乃至図9を参照しながら、より具体的な動作例について説明する。
【0063】
図5は、携帯端末300Aを保持する介護者310Aが、要介護者210の近くにいる状態(10:05時点)を示す図である。このとき、ベッドサイドセンサ200は、検出可能範囲220に携帯端末300Aが存在することを検出し(S510)、サーバ100に端末固有識別情報を送信する(S520)。
【0064】
図6は、メモリ130によって記憶される、携帯端末の近接状態の検出情報(端末固有識別情報)に基づいて決定された、ベッドサイドセンサごとの、携帯端末の検出を開始した時間、及び検出を終了した時間を示している(S610及びS620参照)。図6(a)の最上段に示すように、上記の携帯端末300AがベッドサイドセンサA(200)に近接した情報が記憶される。ここでは、時刻10:00に、携帯端末A(300A)がベッドサイドセンサA(200)で検出され始めたことを示している。
【0065】
図7は、要介護者210に異常状態が発生したとき(11:14時点)の状態を示す図である。携帯端末300Aを保持する介護者310Aは、要介護者210から離れた場所におり、携帯端末300Bを保持する介護者310Bは、ベッドサイドセンサB(201)の検出可能範囲221にいる。この状態のとき、メモリ130に記憶されたベッドサイドセンサごとの携帯端末の検出開始時間及び検出終了時間を示す情報は、図6のようになる。
【0066】
すなわち、図6に示すように、ベッドサイドセンサA(200)では、(1)10:00に携帯端末300Aの検出が開始され、(2)10:10に携帯端末300Aの検出が終了し、(3)11:00に携帯端末300Bの検出が開始され、(4)11:10に携帯端末300Bの検出が終了している。すなわち、携帯端末300Aを保持する介護者310Aが10:00〜10:10の間にベッドサイドセンサA(200)の近くにいたこと、及び携帯端末300Bを保持する介護者310Bが11:00〜11:10の間にベッドサイドセンサA(200)の近くにいたことを示している。また、ベッドサイドセンサB(201)では、(1)10:10に携帯端末300Aの検出が開始され、(2)10:20に携帯端末300Aの検出が終了し、(3)11:10に携帯端末300Bの検出が開始されている。すなわち、携帯端末300Aを保持する介護者310Aが10:10〜10:20の間にベッドサイドセンサB(201)の近くにいたこと、及び携帯端末300Bを保持する介護者310Bは現時点(11:14時点)でベッドサイドセンサB(201)の近くにいることを示している。
【0067】
ベッドサイドセンサA(200)が要介護者210の異常状態を検出したら、異常状態の検出情報をサーバ100に送信する(S540)。サーバ100が、この異常状態の検出情報を受信したら(S630)、サーバ100のCPU120は、上記のメモリ130に記憶された情報に基づいて、異常発生場所に最も近い携帯端末300Bと(S640参照)、この携帯端末300Bの直前に異常発生場所の近くにあった携帯端末300Aと(S650参照)に対して、異常状態情報を送信する。異常状態情報を受信した携帯端末を見た介護者310A及び310Bは、異常状態を発生した要介護者210の対応のため、要介護者210のもとに向かう。
【0068】
そして、要介護者210のもとにすぐに到着した介護者310Bによる要介護者210の異常状態の対処が短時間で終了し、介護者310Bが要介護者210のもとを離れる。このとき、介護者310Aは要介護者210のもとには到着していない。
【0069】
図8は、上記状態(11:26時点)を示す図である。携帯端末300Bを保持する介護者310Bは、ベッドサイドセンサA(200)の検出可能範囲220から出て、ベッドサイドセンサB(201)の検出可能範囲221に入っている。
【0070】
図9は、このときのメモリ130に記憶されている、ベッドサイドセンサごとの携帯端末の検出開始時間及び検出終了時間を示す情報を示している(S610及びS620参照)。要介護者210に異常状態が発生した11:14に異常状態情報を受信した携帯端末300Bを見た介護者310Bは、すぐに要介護者210のもとに向かった。そのため、ベッドサイドセンサB(201)に関する携帯端末の検出情報では、11:15に携帯端末300Bの検出終了が記憶されている。そして、ベッドサイドセンサA(201)に関する携帯端末の検出情報では、11:15〜11:25の間に携帯端末300Bが検出されている。これによって、11:15に要介護者210のもとに到着した介護者310Bは、11:25に異常状態への対処を完了して、要介護者210のもとを離れたものとCPU120は判断する。
【0071】
上記のように、異常状態への対処完了を検出したCPU120は(S660)、携帯端末300Aに対して対処完了を示す対処完了情報を送信する(S670)(図8参照)。
【0072】
なお、上記の処理では、2つの携帯端末300A及び300Bに対して異常状態情報を送信したが、いずれか一方の携帯端末に対して異常状態情報を送信してもよい。ただし、携帯端末300A及び300Bの双方に対して異常状態情報を送信する構成にすると、要介護者210の異常状態への対処を適切に実行可能であるため好ましい。
【0073】
<2.実施形態2>
次に、本発明の実施形態2について説明する。本実施形態は、実施形態1と比較して、携帯端末300Aに対して異常状態情報を送信する処理(S650参照)に代えて、要介護者210を担当する介護者が保持する携帯端末300C(図示なし)に対して異常状態情報を送信する点で相違する。なお、携帯端末300Cの構成は、携帯端末300Aまたは300Bと同様である。
【0074】
メモリ130は、各要介護者にそれぞれ関連付けられた介護者の情報を、携帯端末情報として記憶可能に構成される。この、各介護者と関連付けられた携帯端末情報は、ユーザによって予め登録されている。
【0075】
サーバ100は、図4に示したS650の処理に代えて、メモリ130に記憶された上記情報に基づいて、予め登録された、異常状態が発生した要介護者を担当する介護者が保持する携帯端末300Cに、異常状態情報を送信する(S650参照)。
【0076】
なお、上記の例では、携帯端末300B及び担当介護者が保持する携帯端末300Cに異常状態情報を送信したが、携帯端末300A及び担当介護者が保持する携帯端末300Cに異常状態情報を送信する方法も適用可能である。ただし、携帯端末300B及び担当介護者が保持する携帯端末に異常状態情報を送信する方法を適用するほうが、要介護者210に対する緊急対応及び適切な対応を同時に達成可能となるため、より好ましい。また、本実施形態を実施形態1の内容と組み合わせ、携帯端末300A及び300B、並びに担当介護者が保有する携帯端末300Cの3台の携帯端末に異常状態情報を送信する構成としてもよい。この構成によれば、要介護者210の異常状態に対して3名で対処可能となる。
【0077】
上記の実施形態1及び実施形態2で説明した情報処理装置または情報送信システムを採用すると、異常状態が発生した要介護者(210)の近くにいる携帯端末(300B)を持った介護者B(310B)、異常状態の発生直前にこの要介護者の近くにいた携帯端末(300A)を持った介護者A(310A)、及び異常状態が発生した要介護者(210)を担当する介護者のうちの複数名に、異常状態の発生を通知することができる。これにより、介護者Bによる緊急対応、要介護者の状態を把握している可能性の高い介護者A、要介護者の経緯に詳しい可能性が高い担当介護者による適切な対応を行うことが可能となる。
【0078】
また、携帯端末の近接状態に基づいて、サーバ100から携帯端末に対して対処完了情報を送信する処理が行われるため、要介護者の異常状態の対処が完了したことを、異常状態の対処状況を知らない介護者に自動的に通知することが可能となる。
【0079】
また、サーバ100が、前記端末検出部による検出結果と、該検出結果と関連付けられた検出時間とを記憶するメモリ130を備えるため、サーバ100がベッドサイドセンサ200による電子端末(携帯端末300Aまたは300B)の検出状態を記憶することが可能となり、異常状態の発生の通知処理を容易に実行することが可能となる。
【0080】
<3.実施形態3>
次に、本発明の実施形態3について図10乃至図14を参照しながら説明する。本実施形態は、実施形態1及び実施形態2と比較して、携帯端末が他の携帯端末に対して、異常状態に対処することを宣言する対処宣言情報を送信する機能を備える点で相違する。以下、具体的に説明する。
【0081】
携帯端末300(300A、300B、及び300C)は、画像を表示し、かつユーザによる操作を検出可能なタッチパネル301を備える。携帯端末300(300A、300B、及び300C)は、サーバ100から異常状態情報を受信したときに、この異常状態に対処するか否かを確認するための表示をタッチパネル301に表示する。また、異常状態情報には、この異常状態情報を受信した携帯端末が、(1)異常発生場所に最も近い携帯端末(300B)か、(2)その携帯端末(300B)の直前に異常状態の近くにあった携帯端末(300A)か、または(3)異常状態が発生した要介護者を担当する介護者が保持する携帯端末(300C)か、を示す情報が含まれ、該情報に対応した内容がタッチパネル301に表示される。
【0082】
図10乃至図12は、このときの携帯端末300のタッチパネル301での表示状態を示す図である。図10は、(1)異常発生場所に最も近い携帯端末(300B)における表示状態を示す。図11は、(2)異常発生場所に最も近い携帯端末(300B)の直前に異常状態の近くにあった携帯端末(300A)における表示状態を示す。図12は、(3)異常状態が発生した要介護者を担当する介護者が保持する携帯端末(300C)における表示状態を示す。この携帯端末300を保持する介護者が、「対応する」ことを示す操作を行うと、携帯端末300はサーバ100に対して対処宣言情報を送信する。一方で、この携帯端末300を保持する介護者が、「対応しない」ことを示す操作を行うと、携帯端末300はサーバ100に対して不対処宣言情報を送信する。対処宣言情報及び不対処宣言情報には、これらの対処宣言情報及び不対処宣言情報を送信した携帯端末300を識別する端末固有識別情報が含まれる。
【0083】
サーバ100の無線受信部110は、携帯端末300A、300B、または300Cから対処宣言情報及び不対処宣言情報を受信し、受信した対処宣言情報及び不対処宣言情報をCPU120に出力する。
【0084】
CPU120は、対処宣言情報を受け取ると、この対処宣言情報に含まれる端末固有識別情報に基づいて対処宣言情報を送信した携帯端末を特定し、この携帯端末以外の携帯端末であって、この携帯端末と同時に異常状態情報を送信した携帯端末に対して、他者対処宣言情報を送信するよう無線送信部140を制御する。他者対処宣言情報を受信した携帯端末300のタッチパネル301には、発生した異常状態に対して他の介護者が対応している旨の表示がなされる。図13は、このときの携帯端末300のタッチパネル301における表示状態を示す図である。
【0085】
一方でCPU120は、不対処宣言情報を受け取ると、この不対処宣言情報に含まれる端末固有識別情報に基づいて不対処宣言情報を送信した携帯端末を特定し、この携帯端末以外の携帯端末であって、この携帯端末と同時に異常状態情報を送信した携帯端末に対して、他者不対処宣言情報を送信する。他者不対処宣言情報を受信した携帯端末300のタッチパネル301には、発生した異常状態に対して他の介護者ができない旨の表示がなされる。図14は、このときの携帯端末300のタッチパネル301における表示状態を示す図である。
【0086】
ここで、異常状態情報を受信した携帯端末を保持する介護者がいずれも「対応しない」旨の操作をすると、CPU120は、異常状態情報を送信したすべての携帯端末から不対処宣言情報を受信することとなる。このとき、CPU120は、既に異常状態情報を送信した携帯端末以外の携帯端末に対して異常状態情報を送信することとなる。
【0087】
上記構成の情報処理装置または情報送信システムを採用すると、携帯端末を保持するいずれかの介護者が、他の携帯端末を保持する介護者に対して、異常状態に対処する旨を容易に通知することが可能となる。また、いずれの介護者も異常状態に対処できないときには、他の介護者に通知することが可能となる。
【0088】
<4.実施形態4>
次に、本発明の実施形態4について、図15を参照しながら説明する。本実施形態は、実施形態1及び実施形態2と比較して、異常状態情報が送信された携帯端末が異常状態の発生場所に近づいたことを検出し、その検出結果を他の携帯端末に送信する点で相違する。以下、具体的に説明する。
【0089】
実施形態1では、サーバ100が異常状態情報を送信した後に、介護者が要介護者に近づき、その後要介護者から離れたとの検出結果に基づいて、要介護者の異常状態に対する対処を完了したものと推定し、その旨を携帯端末に送信する処理について説明した(S660及びS670参照)。本実施形態では、サーバ100が異常状態情報を送信した後、介護者Aが要介護者に近づいた時点で、介護者Bに対して、他の介護者Aが要介護者に近づいたことを示す他者近接情報を送信する。
【0090】
より具体的には、サーバ100の無線送信部140から異常状態情報が送信された後、異常発生場所のベッドサイドセンサ200により異常状態情報を送信した携帯端末のいずれかが近接したことが検出されると、ベッドサイドセンサ200はこの検出結果をサーバ100に送信する。サーバ100のCPU120は、この検出結果に基づいて、この携帯端末以外の異常状態情報を送信した携帯端末300に対して上記他者近接情報を送信する。
【0091】
携帯端末300は、他者近接情報を受信すると、タッチパネル301に、他の介護者が異常状態の発生場所に近接したことを示す情報を表示する。図15は、このときの携帯端末300のタッチパネル301における表示状態を示す図である。
【0092】
上記構成の情報処理装置または情報送信システムを採用すると、携帯端末を保持するいずれかの介護者が異常状態の発生した要介護者に近づいたことを、他の携帯端末を保持する介護者に対して容易に通知することが可能となる。これにより、他の携帯端末を保持する介護者は、別の介護者が異常状態に対処しようとしていることを容易に知ることが可能となる。
【0093】
<5.実施形態5>
次に、本発明の実施形態5について、図16及び図17を参照しながら説明する。本実施形態は、上記実施形態と比較して、要介護者に発生した異常状態に対処中の介護者が、他の介護者に対してヘルプ要請を発信することができる点で相違する。以下、具体的に説明する。
【0094】
図16は、異常状態に対処中の介護者が保持する携帯端末300のタッチパネル301における表示状態を示す図である。ある携帯端末300を保持する介護者が異常状態に対処中であることは種々の方法により特定可能であるが、例えば、該携帯端末300から対処宣言情報が送信されたことに基づいて判断されてもよい。
【0095】
ここで、介護者がヘルプを要請する旨の操作を行うと、携帯端末300は、サーバ100に対してヘルプ要請情報を送信する。ヘルプ要請情報には、ヘルプ要請情報を送信した携帯端末300を識別する端末固有識別情報が含まれる。
【0096】
サーバ100の無線受信部110は、携帯端末300からヘルプ要請情報を受信すると、このヘルプ要請情報をCPU120に出力する。
【0097】
CPU120は、ヘルプ要請情報を受け取ると、このヘルプ要請情報に含まれる端末固有識別情報に基づいてヘルプ要請情報を送信した携帯端末を特定し、この携帯端末以外の携帯端末であって、この携帯端末と同時に異常状態情報を送信した携帯端末に対して、他者ヘルプ要請情報を送信するよう無線送信部140を制御する。なお、CPU120は、ヘルプ要請情報を送信した携帯端末以外のすべての携帯端末に対して他者ヘルプ要請情報を送信してもよい。また、CPU120は、ヘルプ要請情報を送信しようとするときに、この場所(異常発生場所)に近い場所にある携帯端末に対して他者ヘルプ要請情報を送信してもよい。他者ヘルプ要請情報を受信した携帯端末300のタッチパネル301には、発生した異常状態に対処している他の介護者がヘルプを要請している旨の表示がなされる。図17は、このときの携帯端末300のタッチパネル301における表示状態を示す図である。
【0098】
上記構成の情報処理装置または情報送信システムを採用すると、要介護者の異常状態に対処している介護者が、他の介護者に対して容易にヘルプ要請を送信することが可能となる。
【0099】
<6.実施形態6>
次に、本発明の実施形態6について説明する。本実施形態は、上記実施形態と比較して、サーバ100が各携帯端末の状態を記憶し、所定の状態の携帯端末に対しては異常状態情報を送信しないよう処理する点で相違する。以下、具体的に説明する。
【0100】
サーバ100のメモリ130には、各携帯端末の状態が記憶される。携帯端末の状態とは携帯端末を保持する介護者の状態を指し、例えば他の業務に対応中で要介護者の異常状態に対処できない状態を示すBUSY状態、食事などの休憩中で要介護者の異常状態にすぐに対処できない状態を示す休止状態(または休憩中状態)、及び要介護者の異常状態に対応可能であることを示すアクティブ状態、などの状態がある。
【0101】
サーバ100のCPU120は、異常状態情報を送信する際に、メモリ130に記憶された各携帯端末の状態を確認し、異常状態に対処可能な状態を示す携帯端末に対してのみ異常状態情報を送信するよう制御する。
【0102】
上記構成の情報処理装置または情報送信システムを採用すると、例えばBUSY状態や休止状態などの携帯端末に対して異常状態情報を送信することを避けることができる。これにより、要介護者の異常状態に実際に対処可能な介護者が保持する携帯端末に限定して異常状態情報を送信することなどが可能となる。
【0103】
<7.実施形態7>
次に、本発明の実施形態7について、図18を参照しながら説明する。本実施形態は、上記実施形態と比較して、サーバ100のメモリ130に各携帯端末に関連付けられた端末特定情報が予め登録され、これによって携帯端末を保持する介護者の名前などが携帯端末上に表示される点で相違する。以下、具体的に説明する。
【0104】
メモリ130には、携帯端末と、その携帯端末を保持する介護者の名前とを関連付けられた端末特定情報のテーブルが予め登録されている。これにより、例えば、他者対処宣言情報を受信した携帯端末300のタッチパネル301には、具体的に誰が対処しているのかを示す情報が表示される。図18は、このときの携帯端末300のタッチパネル301における表示状態を示す図である。
【0105】
より具体的には、CPU120は、携帯端末300に対して他者対処宣言情報、他者不対処宣言情報、他者ヘルプ要請情報、または他者近接情報を送信するとき、対応する対処宣言情報、不対処宣言情報、若しくはヘルプ要請情報を送信した携帯端末に関連付けられた介護者の名前、または異常状態の発生場所に近づいた携帯端末に関連付けられた介護者の名前を示す端末特定情報を付加して送信する。これにより、他者対処宣言情報、他者不対処宣言情報、他者ヘルプ要請情報、または他者近接情報を受信した携帯端末300は、端末特定情報に基づいて、誰が異常状態に対処するのか、などに関する情報をタッチパネル301に表示することができる。
【0106】
なお、端末特定情報は、必ずしも介護者の名前ではなく、介護者を特定する社員コード、またはニックネームなどであってもよい。
【0107】
上記構成の情報処理装置または情報送信システムを採用すると、端末特定情報として携帯端末を保持する介護者の名前を予め記憶部に記憶させておくことで、介護者は、具体的にどの介護者が異常状態に対処しているかなどの情報を容易に認識することができる。これにより、さらに適切な対処が可能な介護システムなどを提供することが可能となる。
【0108】
<8.補足事項>
以上、本発明の各実施形態についての具体的な説明を行った。上記説明は、あくまで一実施形態としての説明であって、本発明の範囲はこの一実施形態に留まらず、当業者が把握可能な範囲にまで広く解釈されるものである。
【0109】
上記実施形態では、ベッドサイドセンサ200が異常状態を検出しているが、異常状態の検出はサーバ100が行ってもよい。この場合、ベッドサイドセンサ200はカメラで撮影した情報などをサーバ100に送信し、サーバ100のCPU120がこの情報に基づいて異常状態の発生を検出する構成となる。
【0110】
また、上記実施形態では、ベッドサイドセンサ200が、異常検出部としての機能と、端末検出部としての機能と、無線送信部としての機能を有する例について説明したが、これらの機能は必ずしもベッドサイドセンサ200がすべて備える必要はない。すなわち、これらの一部の機能またはすべての機能が、ベッドサイドセンサ200とは別に設けられてもよい。すなわち、ベッドとは無関係に上記機能を備える構成を設けてもよい。
【0111】
また、携帯端末の検出は、ベッドサイドセンサ200の端末検出ではない別の構成によって行ってもよい。例えば、ベッドとは別の場所に端末検出器を配置してもよい。
【0112】
また、上記実施形態では、携帯端末を検出した時間は、サーバ100のCPU120が備える内部タイマーに基づいて決定する例について説明したが、この携帯端末の検出時間は、ベッドサイドセンサ200が備えるタイマーに基づいて決定されてもよい。ただし、ベッドサイドセンサ200がそれぞれ時間を決定する場合、異なるベッドサイドセンサの間で時間のずれが生じることがあるため、サーバ100が携帯端末の検出時間を決定する構成が好ましい。
【0113】
また、サーバ100による対処完了の検出(S660)は、CPU120が自動的に行うのではなく、要介護者210の異常状態の対処を行った介護者が入力した情報に基づいて行ってもよい。この構成にすれば、要介護者210の異常状態の対処が完了したことをより正確に判定可能となる。ただし、CPU120による自動的な異常状態の対処完了の検出を行えば、要介護者による入力の手間が省けるため好ましい。
【0114】
また、携帯端末は、サーバ100と有線で通信を行う電子機器に置き換えられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0115】
本発明は、介護システムとして好適に適用される。
【符号の説明】
【0116】
100…サーバ
110…無線受信部
120…CPU
130…メモリ
140…無線送信部
200、201…ベッドサイドセンサ
210…要介護者
220、221…検出可能範囲
300、300A、300B、300C…携帯端末
301…タッチパネル
310A、310B…介護者
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