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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-201286(P2015-201286A)
(43)【公開日】2015年11月12日
(54)【発明の名称】配線モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20151016BHJP
   H01M 2/34 20060101ALI20151016BHJP
【FI】
   H01M2/10 M
   H01M2/34 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-78368(P2014-78368)
(22)【出願日】2014年4月7日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福島 直樹
(72)【発明者】
【氏名】森田 光俊
(72)【発明者】
【氏名】中山 治
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AA18
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY08
5H040DD05
5H040JJ02
5H040NN01
5H043AA04
5H043AA13
5H043AA20
5H043CA05
5H043CA21
5H043GA23
5H043GA30
5H043HA04
5H043JA02
5H043JA04
5H043LA23
(57)【要約】
【課題】外部接続のための部材と他の部材との干渉を防止した蓄電モジュールを提供する。
【解決手段】配線モジュール10は、他の機器と電極端子とを電気的に接続する外部接続端子17を有する外部接続部材14と、外部接続端子17に対してねじ止めにより接続されるとともに、端部に電線44が接続された端子部材40と、を備える。外部接続部材14には切欠部18が形成され、端子部材40には外部接続部材14に対する回転を規制する規制突部42が形成され、外部接続部材14の切欠部18の中心軸(Y−Y線)は、外部接続端子17の中心Zを通り切欠部18の中心軸(Y−Y線)と平行な方向の中心軸線(X−X線)に対してずれた位置であって、端子部材40をねじ止めすることで、端子部材40の軸線(P−P線)と外部接続端子17の中心軸線(X−X線)とのなす角Qがねじ止め前よりも小さくなる位置に設定されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極および負極の電極端子を有する蓄電素子を複数個並べてなる蓄電素子群に取り付けられる配線モジュールであって、
他の機器と前記電極端子とを電気的に接続する外部接続端子を有する外部接続部材と、
前記外部接続端子に対してねじ止めにより接続されるとともに、端部に電線が接続された端子部材と、を備え、
前記外部接続部材および前記端子部材のうち、いずれか一方の部材には切欠部が形成されるとともに、他方の部材には前記切欠部の端面に当接することで前記一方の部材に対する回転を規制する規制突部が形成され、
前記外部接続部材の、前記切欠部または前記規制突部の中心軸は、前記外部接続端子の中心を通り前記切欠部または前記規制突部の中心軸と平行な方向の中心軸線に対してずれた位置であって、前記端子部材をねじ止めすることで、前記端子部材の軸線と前記外部接続端子の中心軸線とのなす角がねじ止め前よりも小さくなる位置に設定されている配線モジュール。
【請求項2】
前記外部接続端子はボルト状をなす一方、前記端子部材の前記外部接続端子と接続される端子接続部には、前記外部接続端子を挿通する貫通孔が形成されている請求項1に記載の配線モジュール。
【請求項3】
前記端子部材のねじ止めが完了したときに、前記外部接続部材の前記切欠部の中心軸または前記規制突部の中心軸は、前記端子部材の軸線と平行に配される請求項1または請求項2に記載の配線モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電気自動車やハイブリッド車両に搭載される電池モジュールは、一般に、多数の単電池を、バスバーを介して直列接続することにより構成されている。
このような電池モジュールの一例として、単電池を複数個並べてなる単電池群に、接続部材などを備えた電池用配線モジュールを取り付けて、組み立てるものが知られている(特許文献1を参照)。
特許文献1に記載された電池用配線モジュールは、樹脂プロテクタの所定の位置に保持された複数の接続部材等を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−35972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電池用配線モジュールは、複数の単電池を接続するとともに、外部の他の機器等に電源を供給する役割を有しており、多くの場合、他の機器等に接続されて電源を供給する外部接続端子を備えている。
【0005】
外部接続端子には、他の機器などと接続するための部材(外部接続のための部材)等がねじ止め等の方法により接続されるが、ねじ止め作業に伴って当該部材がねじ回り方向に回転することにより、当該部材が他の部材と干渉する位置に取り付けられることが懸念された。
本発明は、外部接続のための部材と他の部材との干渉を防止した蓄電モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、正極および負極の電極端子を有する蓄電素子を複数個並べてなる蓄電素子群に取り付けられる配線モジュールであって、他の機器と前記電極端子とを電気的に接続する外部接続端子を有する外部接続部材と、前記外部接続端子に対してねじ止めにより接続されるとともに、端部に電線が接続された端子部材と、を備え、前記外部接続部材および前記端子部材のうち、いずれか一方の部材には切欠部が形成されるとともに、他方の部材には前記切欠部の端面に当接することで前記一方の部材に対する回転を規制する規制突部が形成され、前記外部接続部材の、前記切欠部または前記規制突部の中心軸は、前記外部接続端子の中心を通り前記切欠部または前記規制突部の中心軸と平行な方向の中心軸線に対してずれた位置であって、前記端子部材をねじ止めすることで、前記端子部材の軸線と前記外部接続端子の中心軸線とのなす角がねじ止め前よりも小さくなる位置に設定されている蓄電モジュールである。
【0007】
本発明においては、外部接続部材および端子部材のうち、いずれか一方の部材には切欠部が形成されるとともに、他方の部材には切欠部の端面に当接することで一方の部材に対する回転を規制する規制突部が形成されている。したがって本発明によれば、端子部材を外部接続部材に対してねじ止めする際に端子部材が回転したとしても、一方の部材に形成された切欠部の端面に他方の部材に形成された規制突部が当接することにより回転が規制される。
【0008】
ここで、外部接続部材の、切欠部または規制突部の中心軸が、外部接続端子の中心を通り切欠部または規制突部の中心軸と平行な方向の中心軸線と重なる位置に設定されている場合、ねじ止め作業に伴って端子部材がねじ回りに回転することにより、ねじ止め後の端子部材の傾き(端子部材の軸線と外部接続端子の中心軸線とのなす角)がねじ止め前よりも大きくなる場合がある。このような場合には、端子部材と他の部材との干渉が起こりやすくなることが懸念される。
【0009】
しかしながら、本発明においては、外部接続部材の、切欠部または規制突部の中心軸は、外部接続端子の中心を通り切欠部または規制突部の中心軸と平行な方向の中心軸線に対してずれた位置であって、端子部材をねじ止めすることで、端子部材の軸線と外部接続端子の中心軸線とのなす角がねじ止め前よりも小さくなる位置に設定されている。したがって、ねじ止め操作に伴って端子部材がねじ止め方向に回転したとしても、端子部材の傾き(端子部材の軸線と外部接続端子の中心軸線とのなす角)が小さくなり他の部材と干渉しにくくなる。その結果、本発明によれば、外部接続のための部材と他の部材との干渉を防止した蓄電モジュールを提供することができる。
【0010】
本発明は以下の構成であってもよい。
外部接続端子はボルト状をなす一方、端子部材の外部接続端子と接続される端子接続部には、外部接続端子を挿通する貫通孔が形成されていてもよい。
このような構成であると、ボルト状の外部接続端子を端子部材の貫通孔に挿通させるようにするだけで外部接続端子に端子部材を配置することができるので外部接続のための部材を接続する作業の作業効率が向上する。
【0011】
前記端子部材のねじ止めが完了したときに、前記外部接続部材の前記切欠部の中心軸または前記規制突部の中心軸は、前記端子部材の軸線と平行に配される構成であってもよい。
このような構成とすると、端子部材のねじ止めが完了したときに、端子部材の傾きがほとんどない状態となるので、部材同士の干渉防止効果が高まる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、外部接続のための部材と他の部材との干渉を防止した蓄電モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態1の配線モジュールの斜視図
図2】外部接続部材と端子部材との接続構造を示す部分平面図
図3】端子部材を接続する前の外部接続部材の部分平面図
図4】外部接続部材に対し端子接続部材をねじ止めする前の状態を示す部分平面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図4によって説明する。
本実施形態の配線モジュール10は、複数並んだ蓄電素子(図示せず)の隣り合う電極端子間を接続部材12で接続するものである。この配線モジュール10を蓄電素子群に取り付けてなる蓄電モジュール(図示せず)は、例えば、電気自動車またはハイブリッド自動車等の車両の駆動源として使用される。図面においては、複数の同一部材のうち一の部材にのみ符号を付し、他の同一部材については符号を省略する場合がある。
【0015】
(蓄電素子)
蓄電素子群は蓄電素子を複数並べてなる。蓄電素子群を構成する蓄電素子は、内部に蓄電要素が収容された本体と、本体から外側方向に突出するボルト状の正極および負極の電極端子を有している。各蓄電素子の向きは、隣り合う電極端子の極性が反対になるように配置され、直列に接続されている。
【0016】
本実施形態においては、蓄電素子は、二次電池、キャパシタ、コンデンサ等、必要に応じて任意の蓄電素子を用いることができる。本実施形態に係る蓄電素子としては、二次電池が用いられている。
【0017】
(配線モジュール10)
配線モジュール10は、図1に示すように、蓄電素子の隣り合う電極端子間を接続する複数の接続部材12と、蓄電素子の端部の電極端子に接続されるとともに他の機器(外部機器)と電気的に接続される外部接続端子17を備えた外部接続部材14と、接続部材12および外部接続部材14を保持する絶縁プロテクタ11と、を有する。
【0018】
(絶縁プロテクタ11)
絶縁プロテクタ11は、絶縁樹脂材料からなり、接続部材12を保持する第1保持部20と、外部接続部材14を保持する第2保持部25と、を備える。詳しくは、絶縁プロテクタ11には、図1に示すように、長手方向に沿って並んだ複数の第1保持部20が2列設けられており、2列の第1保持部20の間には検知端子13に接続された電線(図示せず)が収容される電線収容部32が設けられている。絶縁プロテクタ11の図1に示す左上の端部には第2保持部25が1つ設けられており、第2保持部25のすぐ隣には第1保持部20が並んでいる。
【0019】
第1保持部20は、接続部材12の長さに応じた長さで設けられており、底板上に載置した接続部材12を包囲する角筒状の仕切り壁21と、接続部材12の離脱を規制する複数の離脱規制片22とを有する。第1保持部20の電極端子の配される位置には底板が設けられていない開口部(図示せず)が形成されている。
【0020】
仕切り壁21は、工具等が電極端子及び接続部材12に接触して短絡することを防止できる高さで形成されている。離脱規制片22は、仕切り壁21にC字状の切欠きを設けることにより、撓み変形可能に構成されており、下端側に向けて厚み寸法が傾斜状に大きく形成されている。
【0021】
第2保持部25は、図1に示すように、外部接続部材14の形状に応じた長さで設けられ、外部接続部材14の端子接続部15が載置される底板(図示せず)と、外部接続部材14を囲む保持壁26と、外部接続部材14の第2保持部25からの離脱を規制する離脱規制片27とを有する。第2保持部25のうち、電極端子の配される位置には底板が設けられていない開口部(図示せず)が形成されている。
【0022】
第2保持部25の保持壁26は、外部接続部材14の端子接続部15を囲んで形成され、保持壁26の高さは、工具等が電極端子及び外部接続部材14に接触して短絡することを防止できる高さに設定されている。離脱規制片27の構成は、第1保持部20と同様である。
【0023】
第2保持部25の隣りにはヒンジ28を介して第2保持部25を覆う箱状の蓋部29が設けられている。蓋部29には第2保持部25の保持壁26の外面に設けられた蓋係止突部30に係止される係止受け部31が設けられている。
第1保持部20の仕切り壁21および第2保持部25の保持壁26には検知端子13の電線接続部13Bを導出する端子導出孔23が形成されている。
【0024】
第1保持部20と電線収容部32との間には、検知端子13に接続した電線を導出する電線導出溝24が設けられている。電線導出溝24は端子導出孔23から連なっており、電線の飛び出しを防止する電線押さえ片24Aが設けられている。
【0025】
電線収容部32は各第1保持部20側に形成された一対の側壁部32Aと一対の側壁部32Aをつなげる底壁部32Bとを備える。一対の側壁部32Aには電線収容部32に配された電線の飛び出しを防止する電線押さえ部33が設けられている。
【0026】
(接続部材12)
接続部材12は、長方形状をなし、例えば、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等の金属からなる。接続部材12には、電極端子が挿通される円形状の一対の挿通孔12Aが形成されている。
【0027】
(検知端子13)
接続部材12および外部接続部材14には、検知端子13が重ねられて、ねじ止めにより電極端子に接続される。検知端子13には電極端子が挿通される円形状の貫通孔13Aが形成されている。検知端子13の端部には電線(図示せず)が接続されるようになっており、検知端子13の電線が接続される電線接続部13Bは端子導出孔23から導出される。
【0028】
(外部接続部材14)
外部接続部材14は、例えば、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等の金属からなり、図1に示すように、L字状をなしている。外部接続部材14は、直列接続の端部の電極端子に接続される端子接続部15と、端子接続部15から垂直方向に連なり他の機器に接続される外部接続端子17が形成された外部接続部16とを有する。
【0029】
端子接続部15は接続部材12と並んで配されており、端子接続部15の蓄電素子の電極端子に接続される一端部には円形状の挿通孔15Aが1つ形成されている。端子接続部15には検知端子13が重ねられ接続される。
【0030】
外部接続部16にはボルト状の外部接続端子17が形成されており、インバータ等の外部機器(他の機器)に電気的に接続される。外部接続部16には図3に示すように、切欠部18が形成されている。切欠部18の中心軸(Y−Y線)は外部接続端子17の中心Zを通り切欠部18の中心軸(Y−Y線)と平行な方向の中心軸線(X−X線)に対してずれた位置に設定されている。
詳しくは、切欠部18の中心軸(Y−Y線)は、端子部材40をねじ止めすることで、端子部材40の軸線(P−P線)と外部接続端子17の中心軸線(X−X線)とのなす角Qがねじ止め前よりも小さくなる位置に設定されている。
【0031】
(端子部材40)
本実施形態の配線モジュール10は、外部接続端子17に対してねじ止めにより接続されるとともに、端部に電線44が接続された端子部材40を備える。端子部材40は銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等の金属からなる。
【0032】
端子部材40は、図2及び図4に示すように、筒状をなし電線44が接続された電線接続部43と外部接続端子17と接続される端子接続部41とを有する。端子部材40の端子接続部41には、外部接続端子17を挿通する円形の貫通孔41Aが設けられている(図3および図4を参照)。
【0033】
また端子接続部41には外側方向に突出し、外部接続部材14の切欠部18の端面に当接して、外部接続部材14に対する端子部材40の回転を規制する規制突部42が設けられている。端子部材40の規制突部42は、図2および図4に示すように、外部接続部材14の切欠部18内に配される。
【0034】
端子部材40は、図2に示すように、外部接続部材14の切欠部18の中心軸(Y−Y線)が端子部材40の軸線(P−P線)と平行になるように配されている。
【0035】
(配線モジュール10の組み付け方法)
次に、配線モジュール10の組み付け方法について説明する。
検知端子13を取り付けた各接続部材を絶縁プロテクタ11の第1保持部20の底板に載置して収容・保持させる。また、検知端子13を取り付けた外部接続部材14の端子接続部15を、第2保持部25の底板に載置して収容・保持させる。このとき、接続部材12および外部接続部材14を各保持部20,25内に嵌め入れると、離脱規制片22,27が撓み変形し、接続部材12および外部接続部材14が離脱規制片22,27よりも蓄電素子側に至ると離脱規制片22,27が弾性復帰して、各接続部材12および外部接続部材14が各保持部20,25の外に離脱しないように保持される。次に、サーミスタ等を接続する。
【0036】
次に、他の機器に接続した端子部材40を外部接続部材14に取り付ける。具体的には、まず、端子部材40の貫通孔41Aを外部接続端子17に挿通させて端子部材40の端子接続部41を外部接続部16に重ねた後、端子部材40の規制突部42を外部接続部16の切欠部18に配する。
端子部材40が外部接続端子17に対してねじ止めされる前の状態においては、図4に示すように、端子部材40が、絶縁プロテクタ11の第1保持部20側に傾いている。
【0037】
次に、外部接続端子17にネジ部材45を取り付けて端子部材40を外部接続端子17に対してねじ止めにより接続すると、ネジ部材45を右回りに回動する操作に伴って、端子部材40が外部接続部材14に対して右回りに回動する。端子部材40のねじ止めが完了し、外部接続部材14の切欠部18の端面に端子部材40の規制突部42が当接すると、外部接続部材14の切欠部18の中心軸(Y−Y線)が、端子部材40の軸線(P−P線)と平行に配されるとともに端子部材40が外部接続部材14に対して回転規制される(図2を参照)。このとき端子部材40の軸線(P−P線)と外部接続端子17の中心軸線(X−X線)とは平行に配されるので、端子部材40の軸線(P−P線)と外部接続端子17の中心軸線(X−X線)とのなす角Qは0°である。
【0038】
外部接続端子17と他の機器との接続作業が終了したら、配線モジュール10を複数の蓄電素子を並べてなる蓄電素子群に装着して接続部材12と電極端子とをねじ止めにより接続する。配線モジュール10の蓄電素子群への組み付けが完了すると、蓄電モジュールが得られる。
【0039】
(本実施形態の作用・効果)
本実施形態によれば、以下の作用・効果を奏する。
本実施形態においては、外部接続部材14には切欠部18が形成されるとともに、端子部材40には切欠部18の端面に当接することで一方の部材に対する回転を規制する規制突部42が形成されているので、端子部材40を外部接続部材14に対してねじ止めする際に端子部材40が回転したとしても、外部接続部材14に形成された切欠部18の端面に端子部材40に形成された規制突部42が当接することにより回転が規制される。
【0040】
ここで、外部接続部材14の切欠部18の中心軸(Y−Y線)と、外部接続端子17の中心軸線(X−X線)とが重なる位置に設定されている場合、ねじ止め作業に伴い端子部材40が右回りに回転することにより、ねじ止め後の端子部材40の傾き(端子部材40の軸線と外部接続端子17の中心軸線とのなす角Q)がねじ止め前よりも大きくなって、端子部材40と他の部材との干渉が起こりやすくなることが懸念される。
【0041】
しかしながら、本実施形態においては、外部接続部材14の切欠部18の中心軸(Y−Y線)が外部接続端子17の中心軸線(X−X線)に対してずれた位置であって、端子部材40をねじ止めすることで、端子部材40の軸線(P−P線)と外部接続端子17の中心軸線(X−X線)とのなす角Qがねじ止め前よりも小さくなる位置に設定されている。
したがって、ねじ止め操作に伴って端子部材40がねじ止め方向に回転したとしても、端子部材40の傾き(端子部材40の軸線と外部接続端子17の中心軸線とのなす角Q)が小さくなり他の部材と干渉しにくくなる。その結果、本実施形態によれば、端子部材40(外部接続のための部材の一例)と他の部材との干渉を防止した蓄電モジュールを提供することができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、外部接続端子17はボルト状をなす一方、端子部材40の端子接続部41には、外部接続端子17を挿通する貫通孔41Aが形成されているから、ボルト状の外部接続端子17を端子部材40の貫通孔41Aに挿通させるようにするだけで外部接続端子17に端子部材40を配置することができるので端子部材40を外部接続端子17に接続する作業の作業効率が向上する。
【0043】
また、本実施形態によれば、端子部材40のねじ止めが完了したときに、外部接続部材14の切欠部18の中心軸(Y−Y線)は、端子部材40の軸線(P−P線)と平行に配されるので、部材同士の干渉防止効果が高まる。
【0044】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では外部接続部材14に切欠部18が形成され、端子部材40に規制突部42が形成された例を示したが、外部接続部材に規制突部が形成され、端子部材に切欠部が形成されていてもよい。
(2)上記実施形態では、ボルト状の外部接続端子17を示したが、内部にねじ部が形成されたナット状の外部接続端子を備えるものであってもよい。
(3)上記実施形態では、端子部材40のねじ止めが完了したときに、外部接続部材14の切欠部18の中心軸(Y−Y線)が、端子部材の軸線(P−P線)と平行に配される構成を示したが、これに限定されない。
【符号の説明】
【0045】
10…配線モジュール
14…外部接続部材
16…外部接続部
17…外部接続端子
18…切欠部
40…端子部材
41…端子接続部
41A…貫通孔
42…規制突部
43…電線接続部
44…電線
45…ネジ部材
P−P…端子部材の軸線
Q…端子部材の軸線と外部接続端子の中心軸線とのなす角
X−X…外部接続端子の中心軸線
Y−Y…切欠部の中心軸
Z…外部接続端子の中心
図1
図2
図3
図4