【解決手段】 LED照明装置A6は、第1の搭載台としてのベース部材14と、前記第1の搭載台に形成された光を発するLEDチップ11と、前記第1の搭載台上にLEDチップ11を覆って形成された透光性の樹脂パッケージ12と、を各々が備えたLEDモジュール10と、表面にLEDモジュール10が搭載された第2の搭載台としての基板20と、前記第2の搭載台上において、前記第1の搭載台の側面から樹脂パッケージ12まで延在してLEDモジュール10を覆って形成された断面円弧形状且つ透光性の透光部材30と、を有する。
第1の搭載台と、前記第1の搭載台に形成された光を発するLEDチップと、前記第1の搭載台上に前記LEDチップを覆って形成された透光性の樹脂と、を各々が備えたLEDモジュールと、
表面に前記LEDモジュールが搭載された第2の搭載台と、
前記第2の搭載台上において、前記第1の搭載台の側面から前記樹脂まで延在して前記LEDモジュールを覆って形成された断面円弧形状且つ透光性の透光部材と、
を有することを特徴とするLED照明装置。
【背景技術】
【0002】
図16は、従来のLED照明装置を示している(たとえば特許文献1参照)。同図に示されたLED照明装置Xは、長矩形状の基板91と、基板91上に搭載された複数のLEDモジュール92と、基板91を収容する管93と、端子94とを備えている。基板91上には、複数のLEDモジュール92および端子94に接続される図示しない配線パターンが形成されている。このLED照明装置Xは、端子94を一般用蛍光灯照明器具のソケットの差込口に嵌合させることにより、複数のLEDモジュール92を発光させることが可能であり、一般用蛍光灯の代替手段として用いることが可能なLEDランプとして構成されている。
【0003】
一般用蛍光灯照明器具とは、主に屋内の一般照明に広く用いられる照明器具であり、たとえば日本国内においては、商用100Vまたは200V電源を用い、JIS C7617に定められた直管形蛍光ランプまたはJIS C7618に定められた環形蛍光ランプが取り付けられる照明器具をいう。
【0004】
しかしながら、LED照明装置Xを点灯させると、LEDモジュール92のLEDチップ(図示略)から熱が発する。上記LEDチップを覆う封止樹脂は、比較的熱を伝えにくい。また、基板91に対してLEDモジュール92のピン端子(図示略)がハンダ付けされた構成の場合、上記LEDチップからの熱は基板91に伝わりにくい。このため、LEDモジュール92に熱がこもりやすいという問題があった。また、複数のLEDモジュール92の搭載個数が少ないと、LEDモジュール92の一つ一つが輝点として視認されてしまう。このような外観は蛍光灯とは顕著に異なり、需要者に奇異な印象を与えてしまう。
【0005】
また、上記従来のLED照明装置Xでは、カバーをなす管93とLEDモジュール92との間に空間があり、これらの屈折率の違いから光の一部が管93の内面で反射してしまう。そのため、ランプとして十分な光量を得るためには、LEDモジュール92の個数を増やしたり、あるいはLEDに供給する電流を増加させたりする必要があった。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1および
図2は、本発明の第1実施形態に基づくLED照明装置を示している。本実施形態のLED照明装置A1は、複数のLEDチップ11、基板20、透光部材30、透光カバー40、放熱部材50、および口金80を備えており、全体として細長円筒状に形成されている。このLED照明装置A1は、たとえば直管形蛍光ランプの代替として、一般用蛍光灯照明器具に取り付けられて用いられる、いわゆるLEDランプとして構成されている。
【0019】
基板20は、長矩形状とされており、
図3に示すように本体21、絶縁膜22、および配線パターン23を有している。本体21は、たとえばAl製である。絶縁膜22は、本体21の一部を覆っており、たとえばAl
2O
3またはSiO
2からなる。配線パターン2
3は、Au,Cu,Ni、またはそれらの合金からなり、絶縁膜22上にパターン形成されている。
【0020】
複数のLEDチップ11は、基板20上に千鳥状に配置されている。
図3に示すように、LEDチップ11は、n型半導体層11a、活性層11b、p型半導体層11c、およびp側電極11dを有しており、n型半導体層11aを下側として配線パターン23にダイボンディングされている。n型半導体層11aおよびp型半導体層11cは、たとえばGaN系半導体からなる。活性層11bは、n型半導体層11aおよびp型半導体層11cによって挟まれており、多重量子井戸(MQW)構造を有する。このようなLEDチップ11は、たとえば青色光を発する。p側電極11dは、p型半導体層11cに形成されている。p側電極11dと配線パターン23とは、ワイヤ13によって接続されている。LEDチップ11は、その平面視寸法がたとえば0.46mm×0.26mm程度である。
【0021】
本実施形態においては、複数のLEDチップ11が比較的高密度に搭載されている。これにより、これらのLEDチップ11は、肉眼によっては点光源の集合とは視認されず、均一な光を発する発光面として視認される面状光源部11Aを構成している。
【0022】
透光部材30は、複数のLEDチップ11を覆っており、第1層31および第2層32からなる。第1層31は、基板20および複数のLEDチップ11を直接覆っており、ほぼ無色透明なエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂などからなる。第2層32は、第1層31上に積層されており、ほぼ無色透明なエポキシ樹脂またはシリコーン樹脂に蛍光材料が混入された材質からなる。この蛍光材料は、LEDチップ11からの青色光によって励起されることにより黄色光を発する。LEDチップ11からの青色光と上記蛍光材料からの黄色光とを混色させることにより、白色光が得られる。上記蛍光材料としては、黄色光を発するもののほかに、青色光によって励起されることにより、赤色光を発するものと緑色光を発するものとを混合したものを用いてもよい。
【0023】
図2に示すように、透光部材30は、堰35によって囲まれている。堰35は、基板20上に矩形枠状に形成されており、たとえば樹脂からなる。堰35は、たとえば複数のLEDチップ11を覆うように透光部材30を形成するための液体樹脂材料を注ぐ際に、この液体樹脂材料が不当に広がってしまうことを防止する役割を果たす。
【0024】
透光カバー40は、LEDチップ11から透光部材30を透過してきた光を拡散させるために設けられている。この透光カバー40は、断面円形状を呈しており、たとえばポリカーボネート樹脂からなる。
【0025】
放熱部材50は、たとえば基板20の本体21と同一材料のAl製であり、この基板20に接合されている。放熱部材50は、基板20に接合された板状部分と、この板状部分から垂直に延びる複数のフィン部からなる。
【0026】
口金80は、一般用蛍光灯照明器具の差込口に嵌合される部分であり、通電用の端子ピン81を保持している。口金80は、基板20の長手方向両端部に取り付けられており、各端子ピン81は、配線パターン23に通じている。各端子ピン81を蛍光灯照明器具の差込口に嵌合させることにより、複数のLEDチップ11に電力が供給され、LEDチップ11が発光させられる。
【0027】
次に、LED照明装置A1の作用について説明する。
【0028】
本実施形態によれば、LEDチップ11からの熱は、基板20に対して直接伝えられる。このため、
図16に示す例のようにLEDモジュール92の形態で基板91に搭載される構成と比較して、LEDチップ11からの放熱を促進することができる。
【0029】
複数のLEDチップ11を導通支持部材である基板20に直接搭載するため、
図16の例に示すLEDモジュール92を構成するための封止樹脂やピン端子といった部品は、本実施形態には存在しない。このため、LEDチップ11どうしの間隔を顕著に狭めることが可能である。これにより、肉眼によっては点光源の集合とは視認し得ない、面状光を発する面状光源部11Aを構成することができる。これにより、従来の蛍光灯の代替手段として用いた場合に、奇異な印象を与えるおそれが少ない。
【0030】
また、複数のLEDチップ11の個数が多いほど各LEDチップ11に流れる電流を小さくすることができる。この電流が小さいほど、LEDチップ11の発光効率を高め、熱として消費されるエネルギーを削減することが可能である。
【0031】
LEDチップ11からの光は、第1層31を透過した後に、第2層32を透過する。第2層32は、透光部材30の表層に位置するため、LEDチップ11から斜め上方に発せられた光は、第1層31中を比較的長く透過した後に、第2層32中を比較的短く透過する。このため、斜め上方に発せられた光が、過大に多量の蛍光材料を励起してしまうおそれが少ない。これは、適切な混色によって鮮明な白色光を得るのに有利である。
【0032】
図4〜
図15は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0033】
図4は、透光部材30の他の例を示している。同図に示された透光部材30は、その全体に蛍光材料が混入されている。このような実施形態によっても、LEDチップ11の放熱促進や適切な面状光源部11Aの実現を図ることができる。また、複数のLEDチップ11として、赤色光、緑色光、青色光を発するものを用いることにより、白色光を得る構成としてもよい。この場合、透光部材30には蛍光材料を混入しなくてもよい。
【0034】
図5は、LEDチップ11の他の例を示している。同図に示されたLEDチップ11は、いわゆるフリップチップタイプのLEDチップであり、基板11e、n型半導体層11a、活性層11b、p型半導体層11c、n側電極11f、およびp側電極11dを有している。基板11eは、たとえばサファイアからなり、LEDチップ11の土台となっている。n型半導体層11aは、たとえばバッファ層を介して基板11eに接合されており、たとえばn−GaN系半導体からなる。活性層11bは、MQW構造とされた層であり、n側電極11fから供給される電子とp側電極11dから供給される正孔とが再結合することにより発せられる光を増幅させるための層である。活性層11bは、たとえば複数のInGaN層と複数のGaN層とが交互に積層されている。p型半導体層11cは、活性層11bを挟んでn型半導体層11aと反対側に形成されており、たとえばp−GaN系半導体からなる。n側電極11fは、n型半導体層11aと導通しており、p側電極11dは、p型半導体層11cと導通している。n側電極11fおよびp側電極11dは、たとえばAl、Niが積層された構造、あるいはW、Zr、Ptを含む金属層からなる。このようなLEDチップ11は、活性層11bからたとえば青色光を発し、配線パターン23に対してたとえば共晶ボンディングされている。
【0035】
このような実施形態によれば、
図3および
図4に示した実施形態と異なり、ワイヤ13をボンディングするための領域を基板20上に確保する必要がない。このため、LEDチップ11どうしの間隔をより縮小することが可能である。これは、LEDチップ11の高密度実装化に有利である。
【0036】
図6および
図7は、本発明の第2実施形態に基づくLED照明装置を示している。本実施形態のLED照明装置A2は、上述した実施形態における基板20を備えておらず、放熱部材50に複数のLEDチップ11が搭載されている。
図7に示すように、本実施形態の放熱部材50は、たとえばアルミからなる本体51、本体51を覆う絶縁膜52、および絶縁膜52上に形成された配線パターン53からなる。この配線パターン53にLEDチップ11がボンディングされている。
【0037】
このような実施形態によれば、LEDチップ11からの熱を放熱部材50に直接伝えることが可能である。したがって、LEDチップ11の放熱性をさらに高めることができる。
【0038】
図8および
図9は、本発明の第3実施形態に基づくLED照明装置を示している。本実施形態のLED照明装置A3は、基板20、複数のLEDチップ11、リフレクタ60、筐体51、コネクタ71、およびホルダ72を備えている。LED照明装置A3は、
図9の上下方向において天地を逆にした姿勢で、天井に設けられた開口スペースに設置されることにより、いわゆるダウンライトして用いられるものである。
【0039】
基板20は、円形であり、その直径が66mm程度である。複数のLEDチップ11が搭載されている領域は、直径50〜60mm程度の円形領域である。基板20には、複数のLEDチップ11が上述した実施形態と同様の形態で搭載されている。なお、
図8および
図9においては透光部材30を省略している。複数のLEDチップ11が搭載された円形領域は、面状光源部11Aを構成している。
【0040】
リフレクタ60は、開口61,62を有し、基板20から遠ざかるほど断面寸法が大となるコーン状であり、たとえばアルミからなる。リフレクタ60は、複数のLEDチップ11を囲んでおり、これらから出射された光を反射する。リフレクタ60の内面は、たとえば凹凸状のAlメッキ面とされている。
【0041】
筐体51は、たとえばアルミからなり、基板20およびリフレクタ60を支持している。LEDチップ11の発光時には、LEDチップ11からの熱が基板20を介してリフレクタ40および筐体50に伝えられる。これにより、LEDチップ11の放熱促進を図っている。コネクタ71は、LED照明装置A3が天井に設置されるときに、建造物側のコネクタ(図示略)と接続されるものである。ホルダ72は、たとえばステンレス(SUS301)製のプレートを折り曲げ加工したものである。ホルダ72は、LED照明装置A3を天井に取り付ける際に、天井の一部と係合することにより、LED照明装置A3を保持する。
【0042】
このようなダウンライトとして用いられるLED照明装置A3においても、LEDチップ11の放熱性向上を図りつつ、均一な面状光を発する面状光源部11Aを構成することができる。
【0043】
図10および
図11は、本発明の第4実施形態に基づくLED照明装置を示している。本実施形態のLED照明装置A4は、光源となる複数のLEDモジュール10、基板20、透光部材30、透光カバー40、放熱部材50、および口金80を備えており、全体として細長円筒状に形成されている。このLED照明装置A4は、たとえば直管形蛍光ランプの代替として、一般用蛍光灯照明器具に取り付けられて用いられるLEDランプとしてこうせいされている。
【0044】
LEDモジュール10は、基板20上において所定の間隔で列をなすように複数個搭載されている。
図11に示すように、各LEDモジュール10は、LEDチップ11、これを保護する樹脂パッケージ12、およびワイヤ13によってLEDチップ11と導通された状態でこれを支持するベース部材14からなる。LEDチップ11は、たとえばGaN系半導体からなり、青色光を発光する。樹脂パッケージ12は、透光性をもつたとえばシリコーン樹脂からなる。この樹脂パッケージ12には、たとえば青色光によって励起されることにより黄色光を発する蛍光材料が含まれている。ベース部材14は、たとえば基板20の図示しない配線パターンに導通接続された状態で基板20に接合されている。
【0045】
基板20は、たとえばAl製であり、長矩形状を呈している。複数のLEDモジュール10が搭載された基板20の搭載面20aは、透光部材30によって覆われている。基板20の搭載面20aとは反対側の背面20bには、放熱部材50が設けられている。
【0046】
透光部材30は、LEDモジュール10からの光を効率よく外方へと拡散させるためのものであり、複数のLEDモジュール10に密接した状態でこれらを覆うように設けられている。この透光部材30は、断面半円状を呈しており、たとえばLEDモジュール10の樹脂パッケージ12の母材と同一材料からなる。これにより、たとえばLEDモジュール10のLEDチップ11で発光した青色光は、LEDモジュール10の樹脂パッケージ12および透光部材30を通って外方に放射される。透光部材30の湾曲した外表面全体には、透光カバー40が密接するように設けられている。このように、透光部材30は、LEDモジュール10や透光カバー40との間に隙間がないように設けられている。そのため、LEDモジュール10からの光は、各媒質の屈折率の違いが比較的小さいことによって反射が起こりにくく、透光部材30を介して効率よく外方へと導かれる。
【0047】
透光カバー40は、LEDモジュール10から透光部材30を通って導かれてきた光を拡散させるために設けられており、透光部材30に密接した状態でこれを覆うように設けられている。この透光カバー40は、断面半円弧状を呈しており、たとえばポリカーボネート樹脂からなる。
【0048】
放熱部材50は、たとえば基板20と同一材料のAl製であり、この基板20の背面20bから垂直方向に複数延びる複数のフィン部を有するように形成されている。これらのフィン部は、基板20の短手方向に所定の間隔で並ぶように設けられており、外気に触れるようになっている。これにより、放熱部材50は、LEDモジュール10の発光によって発生した熱を外気へと効率よく放散させる役割を果たす。
【0049】
口金80は、一般用蛍光灯照明器具の差込口に嵌合される部分であり、通電用の端子ピン81を保持している。口金80は、基板20の長手方向両端部に取り付けられており、各端子ピン81は、基板20上の図示しない配線パターンに通じている。各端子ピン81を蛍光灯照明器具の差込口に嵌合させることにより、複数のLEDモジュール10に電力が供給され、LEDチップ11が発光させられる。
【0050】
次に、本実施形態のLED照明装置A4の作用について説明する。
【0051】
このLED照明装置A4の各LEDモジュール10において、LEDチップ11から出射した青色光は、その一部が樹脂パッケージ12に含まれる蛍光材料よって黄色光となり、この黄色光とその余の青色光とが混ざることによって白色光になる。白色光は、樹脂パッケージ12から透光部材30へと放出され、この透光部材30の内部で拡散した後、透光部材30の外表面から透光カバー40を通って外方に放射される。なお、白色光を放射させるには、LEDチップ11の発光色を青色としつつ、上記したような蛍光材料を樹脂パッケージ12に代えて透光部材30に含有させるようにしてもよい。あるいは、赤色、緑色、および青色のLEDチップ11を樹脂パッケージ12で一括封止したものをLEDモジュール10とし、これらの光の加色混合によって白色光を樹脂パッケージ12から導光体へと放出させるようにしてもよい。
【0052】
このとき、同一材料からなるLEDモジュール10の樹脂パッケージ12と透光部材30とが密接しており、樹脂パッケージ12から透光部材30へと屈折率変化がほとんど無い状態で光が通過する。また、透光部材30と透光カバー40とが密接しており、これらについても屈折率の違いが比較的小さいため、透光部材30から透光カバー40へと屈折率変化が小さい状態で光が通過する。すなわち、LEDモジュール10からの光は、透光カバー40の内面側において屈折率変化による反射をほとんど起こすことなく効率よく外方へと放射される。
【0053】
したがって、本実施形態のLED照明装置A4によれば、LEDモジュール10や透光カバー40に密接した状態で透光部材30が設けられ、これらの間に屈折率が大きく異なる空気層が介在しない。そのため、LEDモジュール10からの光が透光部材30を介して外方へと効率よく導かれる。これにより、LED照明装置A4では、LEDモジュール10の個数をできる限り少なくして部品コストの低減を図りつつも十分な光量を得ることができる。また、LEDモジュール10に供給する電流を抑えて低消費電力としつつも十分な光量を得ることができる。
【0054】
図12および
図13に示すLED照明装置A5は、全体として円環状に形成されており、たとえば環形蛍光ランプの代替として一般用蛍光灯照明器具に取り付けられる。透光カバー40は、全体として円環状に形成され、断面でみると先述した実施形態によるものと同様に半円弧状を呈している。基板20は、透光カバー40の形状に応じて長辺部分が湾曲しており、複数の基板20が透光カバー40に沿って並ぶように配置されている。なお、基板20と基板20との間や基板20と口金80との間には、これらの間を埋めるように断面半円状や板状のスペーサを設けてもよい。放熱部材50は、基板20ごとに透光カバー40の形状に応じて湾曲している。透光部材30は、先述した実施形態によるものと同様に、基板20の搭載面20aと透光カバー40との間でこれらとLEDモジュール10に密接した状態で設けられている。
【0055】
このようなLED照明装置A5によっても、透光部材30とLEDモジュール10との間や透光部材30と透光カバー40との間には屈折率が大きく異なる空気層が介在せず、LEDモジュール10からの光が透光部材30を介して外方へと効率よく導かれる。これにより、LED照明装置A5でも、LEDモジュール10の個数をできる限り少なくして部品コストの低減を図り、LEDモジュール10に供給する電流を抑えて低消費電力としつつも十分な光量を得ることができる。
【0056】
図14に示すLED照明装置A6では、透光カバーが設けられておらず、透光部材30のみによってLEDモジュール10が覆われている。このようなLED照明装置A6によれば、部品点数の削減によってさらなるコスト低減を図ることができ、LEDモジュール10からの光をより効率よく外方へと導くことができる。
【0057】
図15に示すLED照明装置A7では、LEDチップ11が基板20に直接実装されており、このLEDチップ11がLED光源になっている。透光部材30は、LEDチップ11に密接した状態でこれらを覆うように設けられている。このようなLED照明装置A7によって白色光を照射させるには、LEDチップ11の発光色を青色としつつ、先述した蛍光材料を透光部材30に含有しておけばよい。なお、赤色、緑色、および青色のLEDベアチップを交互に並べつつ、これらの光の加色混合によって白色光を照射させるようにしてもよい。このようなLED照明装置A7によっても、部品点数の削減によってさらなるコスト低減を図ることができ、LEDチップ11からの光をより効率よく外方へと導くことができる。
【0058】
本発明に係るLED照明装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るLED照明装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。