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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-20155(P2015-20155A)
(43)【公開日】2015年2月2日
(54)【発明の名称】果菜自動選別方法と果菜自動選別装置
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/36 20060101AFI20150106BHJP
   B65G 47/46 20060101ALI20150106BHJP
   B65G 15/12 20060101ALI20150106BHJP
   B65G 47/30 20060101ALI20150106BHJP
【FI】
   B07C5/36
   B65G47/46 H
   B65G15/12
   B65G47/30 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-152943(P2013-152943)
(22)【出願日】2013年7月23日
(71)【出願人】
【識別番号】391017702
【氏名又は名称】日本協同企画株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076369
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正治
(74)【代理人】
【識別番号】100144749
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正英
(72)【発明者】
【氏名】宮田 和男
【テーマコード(参考)】
3F015
3F023
3F079
3F081
【Fターム(参考)】
3F015AA07
3F015BA01
3F015BA02
3F015FA02
3F015GA01
3F015JC06
3F023AA03
3F023BB03
3F079AC21
3F079AC23
3F079CB01
3F079CB24
3F079CC01
3F079DA16
3F079DA18
3F079DA19
3F079DA25
3F079EA05
3F079EA10
3F081AA46
3F081BA01
3F081BC01
3F081BE04
3F081BE08
3F081CA31
3F081CA43
3F081CC08
3F081FA01
3F081FB01
(57)【要約】
【課題】 横幅が狭いプールコンベアであっても細長い果菜を引き継ぐことができ、箱詰め作業もし易い果菜自動選別方法と果菜自動選別装置を提供する。
【解決手段】 果菜キャリアの隣接する二本以上のベルトを一ユニットとし、一ユニットのベルトの果菜載せ部に跨がせて果菜を載せて搬送し、果菜を載せた一ユニットのベルトをプールコンベア側に回転(往回転)させて、当該果菜をプールコンベアに送り出すときに一ユニットのベルトの往回転に時間差を持たせることにより、果菜の向きを搬送時と変えてプールコンベアに送り出すようにした。果菜を載せた一ユニットのベルトを、果菜搬送方向先方のベルトから後方のベルトに時間差をもって順次往回転させて、プールコンベアに送り出す果菜の向きを、搬送時の横向きから縦向きに変えることもできる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
果菜搬送体のベルトコンベア式の果菜キャリアに果菜を載せて搬送し、搬送中に果菜を計測器で自動計測して当該果菜の等階級を判別し、判別済み果菜を判別結果に基づいて等階級別に果菜搬送体の側方(真横、斜め前方、斜め後方を含む:明細書及び特許請求の範囲において同じ)のベルトコンベア式のプールコンベアに送り出して仕分ける果菜自動選別方法において、
果菜キャリアの隣接する二本以上のベルトを一ユニットとし、一ユニットのベルトの果菜載せ部に跨がせて果菜を載せて搬送し、
果菜を載せた一ユニットのベルトをプールコンベア側に回転(往回転)させて、当該果菜をプールコンベアに送り出すときに一ユニットのベルトの往回転に時間差を持たせることにより、果菜の向きを搬送時と変えてプールコンベアに送り出す、
ことを特徴とする果菜自動選別方法。
【請求項2】
請求項1記載の果菜自動選別方法において、
果菜を載せた一ユニットのベルトを、果菜搬送方向先方のベルトから後方のベルトに時間差をもって順次往回転させて、プールコンベアに送り出す果菜の向きを、搬送時の横向きから縦向きに変える、
ことを特徴とする果菜自動選別方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の果菜自動選別方法において、
往回転した一ユニットのベルトを、それらベルトが果菜搬送体の果菜載せエリアに到来するまでに、往回転時と逆回転(復回転)させて、ベルトの果菜載せ部を元の位置に戻して一列に揃える、
ことを特徴とする果菜自動選別方法。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の果菜自動選別方法において、
果菜を載せる作業者が果菜を目視判別して、その判別結果(目視判別データ)をトラッキングスイッチで入力し、その目視判別データと、計測器での自動計測データを総合して、果菜の等階級を判別する、
ことを特徴とする果菜自動選別方法。
【請求項5】
多数の果菜キャリアが無端走行体に連結されて果菜搬送体が構成され、多数の果菜キャリアは無端走行体の走行に伴って同方向に移動し、移動中の果菜キャリアに果菜を載せると、果菜が果菜キャリアの移動に伴って搬送され、その搬送中に果菜を自動的に計測して当該果菜の等階級を判別し、判別済み果菜を判別結果に基づいて等階級別に果菜搬送体の側方のプールコンベアに送り出す果菜自動選別装置において、
果菜搬送体は果菜を載せる果菜載せエリアと、果菜を計測して等階級を判別する計測判別エリアと、計測部での計測・判別結果に基づいて果菜を果菜搬送体の搬送方向側方に送り出す仕分けエリアとを備え、
果菜キャリアは無端走行体にその走行方向に一列に並べて多数設けられ、
夫々の果菜キャリアは一本又は二本以上のベルトを有し、夫々のベルトが別々に回転可能なベルトコンベア式であり、
一本又は二本以上の果菜キャリアのベルトを一ユニットとし、一ユニットのベルトに跨がせて果菜を載せることができ、
各ユニットのベルトは時間差を持って個別に往回転して、果菜の向きを搬送時と変えてプールコンベアに送り出し可能である、
ことを特徴とする果菜自動選別装置。
【請求項6】
請求項5記載の果菜自動選別装置において、
果菜搬送体の搬送方向側方に、果菜を載せる作業者の目視判断による果菜判別結果を入力する多数のトラッキングスイッチを備え、
トラッキングスイッチは、果菜搬送体の少なくとも果菜載せエリアであって、果菜搬送体の搬送方向側方に、当該果菜搬送体と平行して走行回転可能に設けられた、
ことを特徴とする果菜自動選別装置。
【請求項7】
請求項5又は請求項6記載の果菜自動選別装置において、
一ユニットのベルトの本数を変えることができる、
ことを特徴とする果菜自動選別装置。
【請求項8】
請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の果菜自動選別装置において、
往回転してベルトの上の果菜を送り出したベルトが、その後に復回転して、ベルトの果菜載せ部が元の位置に戻って一列に揃うようにした、
ことを特徴とする果菜自動選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トマト、桃、梨、柿、メロン、小玉西瓜、茄子、胡瓜、ゴーヤといった各種果菜を搬送しながらサイズ、形状、色、糖度などを計測して等階級判別し、その果菜を判別された等階級別に仕分けるという作業を、連続的且つ自動的に行うことのできる果菜自動選別方法と果菜自動選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[果菜自動選別装置]
前記したような各種果菜の等階級を判別し、等階級別に仕分けるための果菜自動選別装置として、本件発明者が先に開発したベルトコンベア式の果菜自動選別装置(例えば、特許文献1〜4)がある。
【0003】
特許文献1、2に開示された果菜自動選別装置は、無端走行体(例えば、無端走行チェーン)にベルトコンベア式の果菜載せ体(果菜キャリア)を多数取り付けて果菜搬送ライン(果菜搬送体)としてある。この果菜搬送体は、作業員が果菜キャリアに果菜を載せる果菜供給部(果菜載せエリア)、果菜キャリアに載せた果菜の形状、大きさ(サイズ)等を計測して予め定めてある等階級に判別する計測・判別部(計測判別エリア)、等階級判別された果菜を等階級ごとに仕分けして果菜搬送ラインの側方に設けられているプールコンベアに送り出す仕分けエリアを備えている。
【0004】
特許文献1、2の果菜自動選別装置は、果菜キャリアのベルトの果菜載せ部に載せてある果菜を、ベルトの往回転(プールコンベア側に回転)により果菜選別ラインの側方に送り出し、その後、果菜キャリアが果菜載せエリアに戻るまでの間にベルトが復回転(戻り回転)して前記果菜載せ部を一列又は略一列に揃うようにしてある。
【0005】
特許文献1、2記載の果菜キャリアは、果菜搬送中に、果菜キャリアのベルトの往回転によって、ベルトに載せてある果菜を、搬送方向側方のプールコンベア側に送り出すので、搬送方向に慣性のついている果菜が果菜の送り出し時に転がったり、倒れたりして、傷付くことがあった。これら問題を解決するため、ベルトの上方に支持体を突設したベルトコンベア式の果菜キャリアもある(特許文献2)。
【0006】
前記問題を解決するため、ベルトを搬送方向斜め後方に回転させて、ベルトの果菜載せ部の上の果菜を斜め後方に送り出す斜めバック式のものもある(特許文献3)。特許文献3の果菜キャリアは、一つのフレームに幅細ベルト(横幅1〜2cm程度)を複数本回転自在に巻回し、果菜キャリアを斜め後方に向けて無端チェーンに一列に多数取付けてあるため、果菜を搬送方向斜め後方に送り出して、果菜の搬送方向への慣性を減殺し、果菜を転倒しにくくなり、果菜の傷付きを防止できるという利点がある。
【0007】
前記果菜自動選別装置での果菜選別に際しては、計測判別エリアでの計測に先立って、果菜載せエリアで目視判別が行われる。この目視判別は、計測判別エリアで計測判別できない判別、例えば、果菜の裏側の傷、腐食、変形等の有無、程度等を、果菜キャリアに果菜を載せる作業者が、果菜を載せる際に、目視判別してトラッキングスイッチを押すことによって行われる。トラッキングスイッチは一台の果菜キャリアに数個(通常二個)設けられ(特許文献4:図7)、例えば、いずれのトラッキングスイッチも押さない場合はA級、作業者から見て右側のトラッキングスイッチのみを押す場合はB級、左側のトラッキングスイッチのみを押す場合はC級、双方のトラッキングスイッチを押す場合をD級といったように、スイッチ操作と等級との関係を予め定めておき、果菜キャリアの上に載せる果菜の底面状態が良好な場合はA級と目視判別していずれのトラッキングスイッチも押さず、底面状態がやや悪い場合はB級と目視判別して右側のトラッキングスイッチを押し、底面の変形が著しい場合はC級と目視判別して左側のトラッキングスイッチを押し、底面状態が悪い場合はD級と目視判別して両トラッキングスイッチを押すようにしている。
【0008】
夫々の等階級に目視判別された果菜は、果菜搬送体の計測判別エリアにおいて形状や大きさ等が計測器で計測され、計測結果に応じてA級のSサイズ(AS)、A級のMサイズ(AM)、C級のLサイズ(CL)、D級のLLサイズ(DLL)、といったように等階級判別される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−115654号公報
【特許文献2】特開2003−053275号公報
【特許文献3】特許第4469912号公報
【特許文献4】特開2011−037550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1〜4の果菜自動選別装置は、果菜キャリアに載せた果菜を、そのままの向きでプールコンベアに送り出す方式である。胡瓜やゴーヤのように長い果菜の場合は果菜キャリアに横向き(果菜キャリアの横幅方向に横長)に載せるため、そのままの向きでプールコンベアに送り出すためには、プールコンベアの横幅を広くしなければならない。この場合、果菜搬送体の搬送方向に設置されるプールコンベアの本数が多くなると、プールコンベアの設置スペースが広くなり、果菜自動選別装置の設置に広い選果場が必要になる。
【0011】
プールコンベアに送り出された果菜を箱詰めする場合、長い果菜の場合、果菜の向きによっては果菜を取り上げにくいという難点がある。
【0012】
本発明の目的は、横幅が狭いプールコンベアであっても長い果菜を引き継ぐことができ、箱詰め作業もし易い果菜自動選別方法と果菜自動選別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の果菜自動選別方法は、果菜搬送体のベルトコンベア式の果菜キャリアに果菜を載せて搬送し、搬送中に果菜を計測器で自動計測して当該果菜の等階級を判別し、判別済み果菜を判別結果に基づいて等階級別に果菜搬送体の側方(真横、斜め前方、斜め後方を含む:明細書及び特許請求の範囲において同じ)のベルトコンベア式のプールコンベアに送り出して仕分ける果菜自動選別方法において、果菜キャリアの隣接する二本以上のベルトを一ユニットとし、一ユニットのベルト(ユニットベルト)の果菜載せ部に跨がせて果菜を載せて搬送し、果菜を載せたユニットベルトをプールコンベア側に回転(往回転)させて当該果菜をプールコンベアに送り出すときに、ユニットベルトの往回転に時間差を持たせることにより、果菜の向きを搬送時と変えてプールコンベアに送り出すようにした。
【0014】
前記果菜自動選別方法では、果菜を載せたユニットベルトを、果菜搬送方向先方のベルトから後方のベルトに時間差をもって順次往回転させて、プールコンベアに送り出す果菜の向きを、搬送時の横向きから縦向き(プールコンベアの搬送方向と同方向に縦向き、斜め縦向きを含む:以下、発明の詳細な説明及び特許請求の範囲において同じ。)に変えることもできる。
【0015】
前記果菜自動選別方法では往回転したユニットベルトを、果菜搬送体の果菜載せエリアに到来するまでに、往回転時と逆回転(復回転)させて、ユニットベルトの果菜載せ部を元の位置に戻して一列に揃えることができる。
【0016】
前記果菜自動選別方法では、果菜を載せる作業者が果菜を目視判別して、その判別結果(目視判別データ)をトラッキングスイッチで入力し、その目視判別データと、計測器での自動計測データを総合して、果菜の等階級を判別することができる。
【0017】
本発明の果菜自動選別装置は、多数の果菜キャリアが無端走行体に連結されて果菜搬送体が構成され、多数の果菜キャリアは無端走行体の走行に伴って同方向に移動し、移動中の果菜キャリアに果菜を載せると、果菜が果菜キャリアの移動に伴って搬送され、その搬送中に果菜を自動的に計測して当該果菜の等階級を判別し、判別済み果菜を判別結果に基づいて等階級別に果菜搬送体の側方のプールコンベアに送り出す果菜自動選別装置である。前記果菜搬送体は果菜を載せる果菜載せエリアと、果菜を計測して等階級を判別する計測判別エリアと、計測部での計測・判別結果に基づいて果菜を果菜搬送体の搬送方向側方に送り出す仕分けエリアとを備えている。果菜キャリアは無端走行体にその走行方向に一列に並べて多数設けられており、夫々の果菜キャリアは一本又は二本以上のベルトを有し、夫々のベルトが別々に回転可能なベルトコンベア式である。一本又は二本以上の果菜キャリアのベルトを一ユニットとし、ユニットベルトに跨がせて果菜を載せることができ、各ユニットベルトは時間差を持たせて個別に往回転して、果菜の向きを搬送時と変えてプールコンベアに送り出し可能としてある。
【0018】
本発明の果菜自動選別装置は、果菜搬送体の搬送方向側方に、果菜を載せる作業者の目視判断による果菜判別結果を入力する多数のトラッキングスイッチを備えることができる。トラッキングスイッチは、果菜搬送体の少なくとも果菜載せエリアであって、果菜搬送体の搬送方向側方に、当該果菜搬送体と平行して走行回転可能に設けることができる。
【0019】
本発明の果菜自動選別装置は、ユニットベルトの本数を変えることができる。
【0020】
本発明の果菜自動選別装置は、往回転してベルトの上の果菜を送り出したベルトを復回転させて、ベルトの果菜載せ部を元の位置に戻して一列に揃えることができるようにしてある。
【発明の効果】
【0021】
本発明の果菜自動選別方法は次の効果がある。
(1)果菜の向きを搬送時と変えてプールコンベアに送り出すので、プールコンベアの横幅が狭くても長い果菜を送り出すことができる。
(2)果菜の向きを、箱詰し易い向きに変えてプールコンベアに送り出すので、箱詰め作業がし易くなる。
【0022】
本発明の果菜自動選別装置は次の効果がある。
(1)果菜の向きを搬送時と変えてプールコンベアに送り出すことができるので、プールコンベアの横幅が狭くても長い果菜を送り出すことができる。
(2)果菜の向きを、箱詰し易い向きに変えてプールコンベアに送り出すことができるので、箱詰め作業が容易になる。
(3)ユニットベルトの本数を変えることができるので、一台の果菜選別装置で、形状、長さ、大きさ等が異なる各種果菜を載せて果菜選別することができ、ベルトの横幅が異なる果菜選別装置を各種用意する必要がなく、設備導入コストを抑制でき、広い設置スペースを必要としない。
(4)往回転して果菜を送り出したベルトを復回転させて、ベルトの果菜載せ部を元の位置に戻して一列に揃えることができるので、果菜載せエリアにおいて、ユニットベルトの果菜載せ部に果菜を載せれば、果菜が一列に揃って搬送され、その状態で形状、大きさ、長さ等が計測されるため、計測精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の果菜自動選別装置の一例を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)の果菜キャリアとプールコンベア部分の詳細図、(c)は(a)のトラッキングスイッチ部分の詳細図。
図2】本発明の果菜自動選別装置に用いる果菜キャリアの一例を示すものであって、(a)は平面側斜視図、(b)裏面側斜視図。
図3図2(a)、(b)に示す果菜キャリアの底面図。
図4】(a)〜(c)は本発明において果菜の向きを変える一例の説明図。
図5】本発明においてベルトを側方へ往回転させる場合の説明図、(a)は側面図、(b)は平面図。
図6】本発明において一ユニットへの果菜載せ方法を示すもので、(a)は三本のベルトを一ユニットして果菜を載せた場合の平面図、(b)は五本のベルトを一ユニットして果菜を載せた場合の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施形態)
本発明の果菜自動選別方法及び果菜自動選別装置の実施形態の一例を、図面を参照して説明する。
【0025】
[果菜自動選別方法]
本発明の果菜自動選別方法は、図1(a)〜(c)に示すように、走行中の果菜搬送体4の果菜キャリア3のベルト5の上面の果菜載せ部6(図1(b))に果菜Gを載せて搬送し、搬送中に果菜を計測器10で自動的に計測して当該果菜Gの等階級を判別し、判別済みの果菜Gを等階級別に果菜搬送体4の側方に送り出す果菜自動選別方法であり、更に、次のようにして選別する方法である。
【0026】
(1)無端走行体2に一列に並べて取り付けられた多数の果菜キャリア3のベルト5のうち、隣接する二本以上のベルト5を一ユニットとし、そのベルト5の果菜載せ部6に跨がせて果菜Gを載せて搬送する。
(2)前記搬送中の果菜Gの形状、大きさ、長さ等を計測器10で自動計測して、果菜Gの等階級を判別する。
(3)前記判別結果に基づいてユニットベルト5を果菜搬送体4の果菜搬送方向側方に往回転して前記果菜Gをベルトコンベア式のプールコンベアPに送り出す。このとき、複数本のユニットベルト5を、時間差をもたせて往回転させて、図4(a)〜(c)のようにプールコンベアPに送り出す果菜Gの向きを搬送時と変える。図1図4では、果菜Gを搬送方向斜め後方に送り出して、果菜Gの搬送方向への慣性を低減させて、プールコンベアPに送り出される果菜Gが転倒しにくくなるようにしてある。図示していないが、ベルト5は搬送方向斜め前方に回転して、果菜GをプールコンベアPに送り出すことも、真横に回転してプールコンベアPに送り出すこともできる。
【0027】
前記果菜自動選別方法では、果菜Gを載せたユニットベルト5を、果菜搬送方向先方のベルト5から順次、後方のベルト5を時間差をもって往回転させて、プールコンベアPに送り出す果菜Gの向きを搬送時の横向きから縦向き(図4(a)〜(c))に変えることもできる。
【0028】
前記果菜自動選別方法では往回転したユニットベルト5を、それらベルト5が果菜搬送体1の果菜載せエリアX(図1)に到来するまでに往回転時と逆回転(復回転)させて、ベルト5の果菜載せ部6を元の位置に戻して一列に揃える。更に、往回転を進行させて元の位置に戻すこともできる。
【0029】
前記果菜自動選別方法では、果菜載せエリアX(図1(a))において、果菜キャリア3に果菜Gを載せるときに、作業者が果菜Gの底面側を目視して、傷の有無、変形等を判別し、その目視判別データと、計測判別エリアY(図1(a))において計測器10で自動計測された果菜Gの形状や大きさ等の自動計測データを総合して、果菜Gの等階級を判別することができる。例えば、目視判別でA級と判断された果菜Gが自動計測でSサイズと判別された場合はA級のSサイズ(AS)、自動計測でMサイズと判別された場合はA級のMサイズ(AM)、自動計測でLサイズと判別された場合はA級のLサイズ(AL)、自動計測でLLサイズと判別された場合はA級のLLサイズ(ALL)といったように総合的に等階級判別できる。
【0030】
[果菜自動選別装置]
本発明の果菜自動選別装置1の一例を、図面を参照して説明する。一例として図1(a)〜(c)に示す果菜自動選別装置1は、無端走行体2にベルトコンベア式の果菜キャリア3が多数取り付けられて果菜搬送体4が構成されている。果菜キャリア3は無端走行体2の走行に伴ってそれと同方向に走行して、果菜キャリア3のベルト5の上の果菜載せ部6(図1(b)の上に載せた果菜Gを搬送する。
【0031】
本発明では、前記搬送中に果菜Gの形状、大きさ、長さ等を計測器10で自動計測し、計測結果と予め定めてある等階級から果菜Gの等階級を判別し、それら果菜Gを、判別された等階級別に、果菜搬送方向斜め後方のプールコンベアPに送り出して、等階級別に仕分けすることができるようにしてある。
【0032】
[果菜搬送体]
前記果菜搬送体4は、前記無端走行体2に多数の果菜キャリア3を取り付けて構成され、無端走行体2の走行に伴って果菜キャリア3が同方向に走行するようにしてある。この果菜搬送体4は、果菜Gを載せる果菜載せエリアXと、果菜キャリア3上の果菜Gを計測器10で自動計測して等階級を判別する計測判別エリアYと、計測器10での計測・判別結果に基づいて、果菜Gを果菜搬送体4の側方に配置されているプールコンベアPに送り出して等階級別に仕分ける仕分けエリアZを備えている。果菜搬送体4の長さは選果場の広さによっても異なるが、通常は数十〜百数十メートルである。
【0033】
[無端走行体]
前記無端走行体2には、チェーンベルト、タイミングベルトその他の走行体を使用することができる。無端走行体2がモータM(図1(a))で回転する駆動ホイールH1、従動ホイールH2(いずれも図1(a))の外周に巻回されて、それらホイールH1、H2の回転に伴ってそれらの外周を回転できるようにしてある。この場合、無端走行体2は、一方のホイール(従動ホイールH2)の外側を上から下に廻り込んで方向転換して走行し、他方のホイール(駆動ホイールH1)の外側を下から上に廻り込んで方向転換して縦方向に循環回転するようにしてある。
【0034】
[果菜キャリア]
図1(a)の果菜キャリア3の一例を図2(a)、(b)に示す。この果菜キャリア3はベルトコンベア式であり、硬質樹脂製の一つのフレーム11の横幅方向に横幅の狭いベルト巻回部12が四列設けられ、隣接するベルト巻回部12の前端部と後端部に段差を設けて前端部と後端部を斜めにしてある。夫々のベルト巻回部12の先端と後端に回転自在に設けられたローラ13に、当該ベルト巻回部12の横幅と同程度の横幅のべルト5が回転自在に巻回されている。ベルト5は斜めに成型されているベルト巻回部12に沿って巻回されている。夫々のベルト5の上走行部5xの上方には支持具14が突設され、夫々のベルト5の上であって支持具14よりも果菜搬送方向先方に果菜載せ部6(図1(b))を設けてある。夫々のベルト5の下走行部5yよりも下方にピン(突起)15が突設されている。
【0035】
フレーム11の横幅、ベルト5の本数、ベルト5の横幅等は適宜選定することができる。図2(a)に示した果菜キャリア3は通常サイズの茄子を四本のベルト5に跨がせて横向きに載せることができる程度にしてある。夫々のベルト5の横幅及び長さは載せる果菜Gによっても異なるが、図2に示すベルト5の横幅はベルト巻回部12の横幅と同じ(略同じを含む)程度にしてあり、10〜30mm程度である。
【0036】
前記果菜キャリア3は、図1(a)のように、その回転方向先端部(果菜送り出し方向先端部)を、果菜搬送体4の搬送方向斜め後方に向けて、前端部及び後端部を一列に揃えて、無端走行体2に多数取り付けてある。この果菜キャリア3の場合は、個々の果菜キャリア3の四本のベルト5を一ユニット(一単位)として、特定された数本のベルト(ユニットベルト)5に跨がせて果菜Gを載せるようにしてある。
【0037】
果菜Gはフレーム11とは無関係に(同じフレーム11に設けられたベルト5であるか否かを問わずに)跨がせて載せることができる。例えば、図4(a)に示すように、無端走行体2に隣接して取り付けられた二つの果菜キャリア3の七本のベルト5に跨がせて果菜(胡瓜)Gを載せることもできる。図4(a)では、果菜Gを一つの果菜キャリア3の四本のベルト5と、その左隣の果菜キャリア3の右側一本のベルトと、右隣の果菜キャリア3の左側二本のベルト5の計七本のベルト5に跨がせて載せてある。
【0038】
果菜Gが三本のベルト5を必要とする丸物(例えば、トマト)の場合は図6(a)のように載せ、果菜Gが五本のベルト5を必要とする長物(例えば、胡瓜や茄子、ゴーヤなど)の場合は図6(b)のように載せることができる。
【0039】
前記載せ方は一例であり、どこからどこまでのベルト5を一ユニットとするかは、選別する果菜Gの種類、サイズに応じて設定することができる。一ユニットとして特定されたユニットベルト5の果菜載せ部6(図1(b))の上に果菜Gを載せると、計測判別エリアY(図1(a))において果菜Gが計測器10で自動計測され、仕分けエリアZ(図1(a))において、ユニットベルト5がプールコンベアP(図1(a))側(斜め後方)に往回転して果菜GをプールコンベアPに送り出すことができるようにしてある。
【0040】
一つの果菜キャリア3の四本のベルト5のうち、二本ずつのベルト5に果菜Gを跨がせて載せて、一つの果菜キャリア3に二つの果菜Gを載せることもできる。
【0041】
[支持具]
図2(a)の支持具14はベルト5とは別に成型されており、個々のベルト5の上走行部5xの上に固定具(例えばネジ)で固定してある。この場合、上走行部5xの裏面にピン15(図2(b))を配置し、そのピン15を前記固定具で支持具14と一緒に上走行部5xに固定してある。ピン15はベルト5の横幅方向略中央部に、ベルト5の略全長に渡って設けたスリット16(図2(b)、図3)を貫通して、フレーム11の底面から下方まで突出している。ベルト5と支持具14とピン15をこの取付け構造とすることにより、夫々のピン15はベルト巻回部12の前後方向(ベルト5の巻回方向)に往復移動でき、その往復移動に伴ってベルト5とピン15が同方向に往復移動可能となる。
【0042】
支持具14は可能であれば接着剤でベルト5の上走行部5xの上面に接着固定することもできる。支持具14は果菜載せ部6に果菜Gを載せる際の位置決めの目安となり、ベルト5の上に載せた果菜Gを搬送中に支持して果菜Gの位置ずれや転倒等を防止することもできる。ベルト5が回転して果菜Gを果菜搬送体4の側方のプールコンベアP(図1(a))に送り出すときに果菜Gを押し出すこともできる。
【0043】
図2(a)、(b)に示す果菜キャリア3のピン15はベルト5の上走行部5x(図2(b))に固定して下方に突設しているが、ピン15はベルト5の下走行部5yに設けることもできる。この場合はピン15とベルト5及び支持具14が逆方向に移動するので、ピン15の移動によりユニットベルト5が回転すると、ユニットベルト5の上の果菜Gが側方のプールコンベアPに送り出されるようにする。
【0044】
図2(a)のベルト5の表面に設けた果菜載せ部6は、支持具14との関係で特定してあり、支持具14よりもベルト5の往回転方向先方直近に設けられている。果菜載せ部6には目印となるような表示を付したり、皿状の受け具を取り付けたりすることができるが、何も表示しなくても、何も取り付けなくてもよい。
【0045】
図2(a)、(b)、図3に示す果菜キャリア3では、夫々のベルト5に果菜載せ部6が設けられているが、二本以上のベルト5を一ユニットとして使用する場合は、一ユニットとなるベルト5の個々の果菜載せ部6が全体で一つの果菜載せ部6となる。
【0046】
図示したベルト5はいずれも支持具14を備えている場合であるが、本発明のベルト5は支持具14がない場合もある。この場合は果菜載せ部6を支持具14との関係で特定することはできないので他の方法で特定する。例えば、果菜搬送体4の果菜載せエリアXのスタート位置で横一列に揃う各ベルト5の上走行部5xの中央部を果菜載せ部6と特定したり、ベルト5の上走行部5xの上面であって、下走行部5yの下方に突出しているピン15と反対側位置(箇所)を果菜載せ部6と特定したりすることができる。
【0047】
図2(a)、(b)に示すように、ベルト5が往復回転式の場合は、果菜Gを搬送方向側方(例えば、プールコンベアP)に送り出してから果菜載せエリアXに戻るまでの間に、ベルト5が復回転して元の位置に復帰すると、無端走行体2に取り付けられている多数の果菜キャリア3の支持具14及び果菜載せ部6が一列又は略一列に整列するようにしてある。このように整列することで、次に果菜載せ部6に果菜Gを載せる作業が容易になるとともに、果菜載せ部6に載せた果菜Gが一列に揃って搬送されて、計測器10の真下を通過して、計測精度が向上し、精度の高い選別、仕分けができる。
【0048】
本発明の果菜自動選別装置1は、載せる果菜Gの大きさや長さ等に応じて、一ユニットのベルト5の数や位置を変更することができる。
【0049】
図2(a)、(b)、図3に示す果菜キャリア3は一例である。果菜キャリア3は所期の目的を達成できればこれら以外の構造とすることもできる。例えば、横幅の狭い一つのフレーム11に、幅の狭い一本のベルト5を巻回して一つの果菜キャリア3とし、この果菜キャリア3を無端走行体2に多数取り付けることもできる。この場合、果菜キャリア3は図1(a)のように、ベルト5の回転方向先端部(果菜送り出し方向先端部)を、果菜搬送体4の搬送方向斜め後方に向けて、前端部及び後端部を横一列に揃えて無端走行体2に多数取り付ける。このように取り付けた果菜キャリア3の場合は、数個の果菜キャリア3を一ユニットとし、それらユニットベルトに跨がせて果菜Gを載せることができる
【0050】
果菜キャリア3は、可能であれば、フレーム11がなく、ベルト5のみで構成し、そのベルト5を無端走行体2に回転可能に取り付けることもできる。
【0051】
[トラッキングスイッチ]
前記計測器10による自動計測は、果菜Gの上方或いは側方から測定光を果菜Gに照射して行うのが一般的であるため、果菜Gの底面の傷や変形、色ムラ等は計測することができない。本発明では、計測器10で自動計測できない果菜底面側の傷、変形、色ムラ等を目視判別することができる。この判別は、ベルト5の果菜載せ部6上に果菜Gを載せる際に、果菜Gを載せる作業者が目視で果菜底面側の傷や変形、色ムラ等を確認することによって行う。目視判別した作業者は、果菜Gを果菜載せ部6に載せるとき或いは果菜載せ部6に載せる前に、判別結果に応じてトラッキングスイッチ8を操作して、その判別結果を入力できるようにしてある。
【0052】
図1(a)、(c)に示すトラッキングスイッチ8は、無端回転チェーンや無端回転タイミングベルト等のスイッチ用無端走行体18を、果菜搬送体4の側方であって、果菜載せエリアXから仕分けエリアZの手前までの区間に設けてあり、当該区間を循環回転走行するようにしてある。スイッチ用無端走行体18を仕分けエリアZの手前で折り返し回転するようにしたのは、トラッキングスイッチ8が、ベルト5の上の果菜Gを果菜搬送方向側方へ送り出す際に邪魔にならないようにするためである。
【0053】
トラッキングスイッチ8は、果菜キャリア3のベルト5の間隔と等間隔で設けてあり(図1(a))、スイッチ用無端走行体18の走行速度を果菜搬送体4の無端走行体2の走行速度と等速とすることによって、走行状態において常にトラッキングスイッチ8が果菜キャリア3のベルト5の一本一本に対応するようにしてある。
【0054】
図1(a)では、前記多数のトラッキングスイッチ8のうち、一ユニットのベルト5(図1(a)では三本)に対応する位置の三個のトラッキングスイッチ8を一組にしてある。
【0055】
各組のトラッキングスイッチ8は、いずれのトラッキングスイッチ8も操作しない(押さない)場合は果菜GがA級、作業者から見て右側のトラッキングスイッチ8のみを押す場合はB級、中央のスイッチのみを押す場合はC級、左側のトラッキングスイッチ8のみを押す場合はD級、三個のスイッチを全て押す場合をE級といったように、トラッキングスイッチ8の操作と等級との関係を予め定めておく。この関係の下に、ベルト5の上に載せる果菜Gの底面状態が良好な場合はA級と目視判別していずれのトラッキングスイッチ8も押さず、底面状態がやや悪い場合はB級と目視判別して右側のトラッキングスイッチ8を押し、底面の変形が著しい場合はC級と目視判別して中央のトラッキングスイッチ8を押し、底面状態が悪い場合はD級と目視判別して左側のトラッキングスイッチ8を押し、底面の色付きが悪い場合はE級と目視判別して三個全てのトラッキングスイッチ8を押して、夫々の目視判別結果を入力するようにしてある。
【0056】
目視判別された果菜Gは、果菜搬送体4で搬送され、計測判別エリアYにおいて形状や大きさ等が計測器10で自動計測される。自動計測結果は前記のようにトラッキングスイッチ8から入力された目視判別結果と合わせて総合的に等階級が判別される。例えば、目視判別でA級と判断された果菜Gが自動計測でSサイズと判別された場合はA級のSサイズ(AS)、自動計測でMサイズと判別された場合はA級のMサイズ(AM)、自動計測でLサイズと判別された場合はA級のLサイズ(AL)、自動計測でLLサイズと判別された場合はA級のLLサイズ(ALL)といったように総合的に等階級判別される。
【0057】
トラッキングスイッチ8はベルト5の移動と同期して移動してベルト5との対応位置関係がずれないようにしてある。
【0058】
(使用例)
本発明の果菜自動選別装置1の使用例を以下に説明する。この使用例は、前記した果菜自動選別装置1を使用して行う、本発明の果菜自動選別方法の一例でもある。この使用例では図4(a)に示すように、七本のベルト5を一ユニット(ユニットベルト)とし、選別対象が胡瓜のような細長果菜の場合である。
(1)選別作業に先立って、七本のベルト5を一ユニットとして設定する。
(2)果菜搬送体4及びスイッチ用無端走行体18を回転させて、作業者が果菜搬送体4の果菜載せエリアXにおいて、果菜Gをユニットベルト5の果菜載せ部6(図1(b))の上に跨がせて載せる。
(3)作業者は果菜Gを果菜載せ部6に載せるに前に、果菜Gの裏面側の傷、変形等を目視して、予め決めてある判別基準に従って、その果菜の等階級(例えば、A級、B級・・・・)を判別し、トラッキングスイッチ8を操作して目視判別データを入力する。
(4)前記(3)の作業が終了した果菜Gは果菜キャリア3の走行によって先方に搬送され、計測判別エリアY(図1(a))にある計測器10で自動的に計測され、計測された大きさ、長さ等が、予め決めてある判別基準に従って、SS、S、M、MM、L、LLといったサイズに判別され、先の目視判別データと総合的に判別されて、例えば、ASS、AS、AM、AMM、AL、ALL、BSS、BS、BM、BMM、BL、BLL、・・・・・)といったように判別される。
(5)前記(4)の等階級判別された果菜Gは、果菜搬送体4により仕分けエリアZに搬送され、この仕分けエリアZにおいて、前記判別結果に基づいて、ユニットベルト5が往回転して、果菜搬送体4の側方に設けられたプールコンベアPに送り出される(等階級別に仕分けされる)。このとき、七本のユニットベルト5が同時に往回転すれば、ユニットベルト5の上の果菜Gはそのままの向きで側方に送り出される。この場合、七本のユニットベルト5が搬送方向先方のベルト5から後方のベルト5の順に時間差をもって往回転させれば、図4(a)〜(c)のように、ユニットベルトの上の果菜Gは搬送時の横向きから縦向きに向きが変えられて縦向きに送り出される。
(6)前記(5)によって、果菜GをプールコンベアPに送り出した果菜キャリア3はそのまま移動を続ける。このとき、果菜Gを送り出したユニットベルト5及び支持具14は送り出した状態にあるが、果菜Gを送り出してから果菜キャリア3が果菜搬送体4の果菜載せエリアXに戻るまでの間に、ユニットベルト5が復回転して果菜載せ部6及び支持具14が元の位置に戻って、ベルト5の果菜載せ部6及び支持具14が一列に揃うようにしてある。ユニットベルト5は復回転せず、往回転が進行して元の位置にもどるようにすることもできる。
【0059】
前記(5)における果菜キャリア3のベルト5の回転は、次のようにして行われる。果菜キャリア3の下に突設されたピン15が、果菜搬送体4の仕分けエリアZに果菜キャリア3のピン15を案内可能な直進ガイド溝20及び側方(プールコンベアP側)に向けて斜めの仕分けガイド21溝を設けておき、果菜キャリア3のピン15は通常は直進ガイド溝20に沿って移動し、仕分けする果菜Gが載っている果菜キャリア3が到来すると、切替えレバー22(図5)が直進ガイド溝20を閉じて仕分けガイド溝21を開いて、前記ピン15が仕分けガイド溝21に案内されて側方に移動する。このピン15の移動により、ピン15と連動するベルト5がピン15の移動方向(搬送方向側方:プールコンベアP側)に回転(往回転)して、当該果菜キャリア3のベルト5の上に載せてある果菜GがプールコンベアPに送り出されるようにしてある。切替えレバー22はその下方に設けられているロータリーソレノイドによって切り替えられるようにしてあり、ロータリ―ソレノイドは、計測判別エリアYでの判別信号を受けて動作するようにしてある。ピン15にはガイドローラ23が回転自在に設けられている。
【0060】
(他の使用例)
前記果菜自動選別装置1は、ユニットベルト5の本数を、載せる果菜Gのサイズ、長さ等に合わせて、例えば、四本一ユニット、六本一ユニットといったように変えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の果菜自動選別装置1は一ユニットのベルト5の数を変更可能であるため、トマト、桃、梨、メロン、小玉西瓜といった丸物果菜や、茄子や胡瓜、ゴーヤといった長物果菜など、各種形状、サイズの果菜の選別を一台で行うことができる。
【符号の説明】
【0062】
1 果菜自動選別装置
2 無端走行体
3 果菜キャリア
4 果菜搬送体
5 ベルト(ユニットベルト)
5x ベルトの上走行部
5y ベルトの下走行部
6 果菜載せ部
8 トラッキングスイッチ
10 計測器
11 フレーム
12 ベルト巻回部
13 ローラ
14 支持具
15 ピン(突起)
16 スリット
17 表示区域
18 スイッチ用無端走行体
19 表示部
20 直進ガイド溝
21 仕分けガイド溝
22 切替えレバー
23 ガイドローラ
G 果菜
H1 駆動ホイール
H2 従動ホイール
M モータ
P プールコンベア
X 果菜載せエリア
Y 計測判別エリア
Z 仕分けエリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6