(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-201612(P2015-201612A)
(43)【公開日】2015年11月12日
(54)【発明の名称】積層セラミックキャパシタ及び積層セラミックキャパシタの実装基板
(51)【国際特許分類】
H01G 4/232 20060101AFI20151016BHJP
H01G 2/06 20060101ALI20151016BHJP
H01G 4/30 20060101ALI20151016BHJP
【FI】
H01G4/12 352
H01G1/035 C
H01G4/30 301B
H01G4/30 301C
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-151545(P2014-151545)
(22)【出願日】2014年7月25日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0039816
(32)【優先日】2014年4月3日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100166420
【弁理士】
【氏名又は名称】福川 晋矢
(72)【発明者】
【氏名】イ・ジョン・ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム・ド・ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム・チャン・フン
(72)【発明者】
【氏名】パク・ミュン・チョン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC02
5E001AC03
5E001AF03
5E001AF06
5E082AB03
5E082BC40
5E082CC03
5E082EE04
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082GG10
5E082GG28
(57)【要約】
【課題】本発明は、積層セラミックキャパシタ及び積層セラミックキャパシタの実装基板に関する。
【解決手段】本発明の一実施形態は、厚さ方向に対向する上面及び下面、長さ方向に対向する第1端面及び第2端面を有し、幅より厚さが大きいセラミック本体と、上記第1端面のうち上記上面と隣接する所定の領域が露出するように上記第1端面に配置される第1外部電極と、上記第2端面のうち上記上面と隣接する所定の領域が露出するように上記第2端面に配置される第2外部電極と、上記セラミック本体内に上記セラミック本体の幅方向に積層されて配置され、上記第1外部電極及び第2外部電極とそれぞれ連結される第1内部電極及び第2内部電極と、を含む積層セラミックキャパシタを提供することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向に対向する上面及び下面、長さ方向に対向する第1端面及び第2端面を有し、幅より厚さが大きいセラミック本体と、
前記第1端面のうち前記上面と隣接する所定の領域が露出するように前記第1端面に配置される第1外部電極と、
前記第2端面のうち前記上面と隣接する所定の領域が露出するように前記第2端面に配置される第2外部電極と、
前記セラミック本体内に前記セラミック本体の幅方向に積層されて配置され、前記第1外部電極及び第2外部電極とそれぞれ連結される第1内部電極及び第2内部電極と、を含む積層セラミックキャパシタ。
【請求項2】
前記第1内部電極は第1メイン電極部、及び前記第1メイン電極部と連結されて前記第1端面に引出される第1リード部を含み、前記第2内部電極は第2メイン電極部、及び前記第2メイン電極部と連結されて前記第2端面に引出される第2リード部を含み、前記第1リード部及び第2リード部の幅は前記第1メイン電極部及び第2メイン電極部の幅より狭い、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項3】
前記第1内部電極は前記第1端面に露出する第1リード部を含み、前記第2内部電極は前記第2端面に露出する第2リード部を含み、前記第1リード部の前記第1端面に露出した領域の長さと前記第2リード部の前記第1端面に露出した領域の長さは、前記セラミック本体の厚さの2/5以下である、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項4】
前記第1外部電極及び第2外部電極は前記セラミック本体の下面に延長したバンド部を含む、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項5】
前記第1内部電極及び第2内部電極は前記セラミック本体の実装面に垂直に配置された、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項6】
前記積層セラミックキャパシタの重心は前記セラミック本体の重心より下側に位置する、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項7】
前記第1及び第2端面に配置された第1及び第2外部電極の高さは前記セラミック本体の厚さの1/2以下である、請求項1に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項8】
上部に第1及び第2電極パッドを有する印刷回路基板と、
前記印刷回路基板上に設けられた積層セラミックキャパシタと、を含み、
前記積層セラミックキャパシタは、厚さ方向に対向する上面及び下面、長さ方向に対向する第1端面及び第2端面を有し、幅より厚さが大きいセラミック本体と、前記第1端面のうち前記上面と隣接する所定の領域が露出するように前記第1端面に配置される第1外部電極と、前記第2端面のうち前記上面と隣接する所定の領域が露出するように前記第2端面に配置される第2外部電極と、前記セラミック本体内に前記セラミック本体の幅方向に積層されて配置され、前記第1外部電極及び第2外部電極とそれぞれ連結される第1内部電極及び第2内部電極と、を含み、
前記セラミック本体の下面が前記印刷回路基板と隣接して対向するように実装された積層セラミックキャパシタの実装基板。
【請求項9】
前記第1内部電極は第1メイン電極部、及び前記第1メイン電極部と連結されて前記第1端面に引出される第1リード部を含み、前記第2内部電極は第2メイン電極部、及び前記第2メイン電極部と連結されて前記第2端面に引出される第2リード部を含み、前記第1リード部及び第2リード部の幅は前記第1メイン電極部及び第2メイン電極部の幅より狭い、請求項8に記載の積層セラミックキャパシタの実装基板。
【請求項10】
前記第1内部電極は前記第1端面に露出する第1リード部を含み、前記第2内部電極は前記第2端面に露出する第2リード部を含み、前記第1リード部の前記第1端面に露出した領域の長さと前記第2リード部の前記第1端面に露出した領域の長さは前記セラミック本体の厚さの2/5以下である、請求項8に記載の積層セラミックキャパシタの実装基板。
【請求項11】
前記積層セラミックキャパシタの重心は前記セラミック本体の重心より下側に位置する、請求項8に記載の積層セラミックキャパシタの実装基板。
【請求項12】
厚さ方向に対向する上面及び下面、長さ方向に対向する第1端面及び第2端面を有し、幅より厚さが大きいセラミック本体と、
セラミック本体内に配置され、誘電体層により囲まれており、それぞれがセラミック本体の第1端面に露出する部分を有する複数の第1内部電極と、
セラミック本体内に配置され、誘電体層により囲まれており、それぞれがセラミック本体の第2端面に露出する部分を有する複数の第2内部電極と、
前記第1内部電極の露出した部分を全て覆うように前記第1端面に配置される第1外部電極と、
前記第2内部電極の露出した部分を全て覆うように前記第2端面に配置される第2外部電極と、
を含む、積層セラミックキャパシタ。
【請求項13】
前記第1内部電極と前記第2内部電極は、セラミック本体の幅方向に交互に積層されており、前記第1外部電極及び前記第2外部電極とそれぞれ連結される、請求項12に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項14】
前記第1内部電極及び第2内部電極の露出した部分は、第1端面及び第2端面の中心より下に位置する、請求項12に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項15】
前記第1及び第2外部電極はセラミック本体の下面を覆う、請求項12に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項16】
前記第1内部電極は第1メイン電極部、及び前記第1メイン電極部と連結されて前記第1端面に引出される第1リード部を含み、前記第2内部電極は第2メイン電極部、及び前記第2メイン電極部と連結されて前記第2端面に引出される第2リード部を含み、前記第1リード部及び第2リード部の幅は前記第1メイン電極部及び第2メイン電極部の幅より狭い、請求項12に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項17】
前記第1内部電極及び第2内部電極の露出した部分の長さは、前記セラミック本体の厚さの2/5以下である、請求項12に記載の積層セラミックキャパシタ。
【請求項18】
前記セラミック本体の第1及び第2端面に配置された前記第1及び第2外部電極の高さは、前記セラミック本体の厚さの1/2以下である、請求項12に記載の積層セラミックキャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層セラミックキャパシタ及び積層セラミックキャパシタの実装基板に関する。
【背景技術】
【0002】
積層セラミックキャパシタは、積層された複数の誘電体層と、一誘電体層を介して対向配置される内部電極と、上記内部電極に電気的に接続された外部電極と、を含む。
【0003】
積層セラミックキャパシタは基板に実装されて使用されることができ、基板への実装時、回路基板上の実装パッドと外部電極は半田を介して電気的に連結され、上記実装パッドは基板上の配線パターンや導電性ビアを介して他の外部回路と連結されてもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録特許第10−0586962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一実施形態の目的は、積層セラミックキャパシタ及び積層セラミックキャパシタが実装された基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、幅より厚さが大きいセラミック本体と、上記セラミック本体内に配置された内部電極と、上記セラミック本体の外部面に配置された外部電極と、を含む積層セラミックキャパシタを提供する。
【0007】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、セラミック本体の端面のうちセラミック本体の上面と隣接する所定の領域が露出するように、セラミック本体の端面に外部電極が配置されて積層セラミックキャパシタの実装安定性を向上させることができる。
【0008】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、基板への実装時、内部電極が基板と垂直な方向に配置されるようにセラミック本体内に配置されてもよく、上記積層セラミックキャパシタの重心は、上記セラミック本体の重心より下側に位置してもよい。
【0009】
本発明の他の一実施形態は、上部に第1及び第2電極パッドを有する印刷回路基板と、上記印刷回路基板上に設置された積層セラミックキャパシタと、を含み、上記積層セラミックキャパシタは、幅より厚さが大きいセラミック本体と、上記セラミック本体の端面のうち上記セラミック本体の上面と隣接する所定の領域が露出するようにセラミック本体の端面に配置される第1外部電極及び第2外部電極と、上記セラミック本体内に配置され、上記外部電極と連結される内部電極と、を含む積層セラミックキャパシタの実装基板を提供することができる。
【0010】
上記積層セラミックキャパシタは、上記セラミック本体の下面が上記印刷回路基板と隣接して対向するように実装されてもよい。
【0011】
本発明のさらに他の一実施形態は、厚さ方向に対向する上面及び下面、長さ方向に対向する第1端面及び第2端面を有し、幅より厚さが大きいセラミック本体と、セラミック本体内に配置され、誘電体層により囲まれており、それぞれがセラミック本体の第1端面に露出する部分を有する複数の第1内部電極と、セラミック本体内に配置され、誘電体層により囲まれており、それぞれがセラミック本体の第2端面に露出する部分を有する複数の第2内部電極と、上記第1内部電極の露出した部分を全て覆うように上記第1端面に配置される第1外部電極と、上記第2内部電極の露出した部分を全て覆うように上記第2端面に配置される第2外部電極と、を含む、積層セラミックキャパシタを提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一実施形態によると、基板への実装時、チップ倒れ現象が改善され、実装安定性に優れた積層セラミックキャパシタ及びその実装基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの一部を切開して概略的に示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタのセラミック本体を概略的に示した斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタのセラミック本体の分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの長さ−厚さ方向の断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの実装基板を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0015】
積層セラミックキャパシタ100
図1は、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの一部を切開して概略的に示した斜視図である。
【0016】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、セラミック本体110及び外部電極131、132を含む。
【0017】
図1に示されたように、上記外部電極131、132は、上記セラミック本体110の外部面に配置されるが、セラミック本体の厚さ方向の一側のみに形成されてもよい。
【0018】
例えば、上記外部電極131、132は、セラミック本体の上面と隣接する所定の領域には配置されず、セラミック本体の下面と隣接する所定の領域に配置されることができる。
【0019】
上記のように、外部電極131、132がセラミック本体の厚さ方向の一側のみに形成されると、セラミックキャパシタの基板への実装時、チップ倒れ現象が改善されて実装安定性を確保することができる。
【0020】
以下では、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100をより詳細に説明する。
【0021】
図2は本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100のセラミック本体110を概略的に示した斜視図であり、
図3は本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100のセラミック本体110の分解斜視図である。
【0022】
図2及び
図3を参照すると、上記セラミック本体110は、複数の誘電体層111を含み、厚さ方向に対向する上面S
T及び下面S
B、幅方向に対向する第1側面1及び第2側面2、長さ方向に対向する第1端面3及び第2端面4を有することができる。上記セラミック本体110の形状は特に制限されないが、図示されたように、上記セラミック本体110は完全な直線を有する六面体状ではないが、略六面体状であってもよい。
【0023】
上記セラミック本体110は、複数の誘電体層111が積層されて形成されてもよい。
図2及び
図3に示されたように、上記セラミック本体は、誘電体層111上に形成された内部電極121、122を含み、内部電極が形成された複数の誘電体層が積層されて形成されてもよい。上記内部電極は第1内部電極121及び第2内部電極122を含むことができ、上記第1及び第2内部電極121、122は、少なくとも一誘電体層111を介して上記誘電体層上に交互に配置され、上記セラミック本体の幅W方向に積層されてもよい。
【0024】
上記第1内部電極121及び第2内部電極122は、上記セラミック本体の第1端面3及び第2端面4を介して交互に露出することができる。
【0025】
また、上記セラミック本体110は、内部電極を外部の衝撃から保護するために、最外側の内部電極の外側に配置されたカバー層113、114を含んでもよい。
【0026】
本発明の一実施形態によると、
図1及び
図2のW方向は、セラミック本体110の幅方向であって、内部電極121、122及び誘電体層111が積層される方向であり、L方向は、セラミック本体110の長さ方向であり、T方向は、セラミック本体110の厚さ方向である。
【0027】
ここで、「幅方向」は、誘電体層を積み上げる方向、即ち、「積層方向」と同じ概念で使用することができる。
【0028】
また、本発明の積層セラミックキャパシタ100は、基板への実装時、上記セラミック本体110の厚さT方向が基板と垂直するように配置されることができる。
【0029】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタは、大容量を具現するために上記セラミック本体110の幅と厚さを略同一寸法に設定したものではなく、幅Wより厚さTの寸法が大きい形態を有する。
【0030】
本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100は、セラミック本体110の厚さの増加により、基板への実装時に十分な空間を確保することができ、且つ大容量を具現することができる。内部電極121、122をセラミック本体110の幅方向に積層し、セラミック本体110の厚さを増加させることで、内部電極が重畳する面積を増加させることができ、基板への実装時、電子部品が占める面積が同一でも、より高容量を確保することができる。
【0031】
但し、本発明の一実施形態のように、セラミック本体110の厚さを幅より大きく形成すると、大容量を確保することができるという長所はあるものの、積層セラミックキャパシタの重心が上昇して、実装時、ピックアップ(Pick−up)過程でチップがテーピングポケット内で傾いているため、持ち上げられない不良が発生したり、装着過程でチップ倒れ現象が発生する頻度が増加するという問題がある。
【0032】
しかし、本発明の一実施形態に従って、外部電極131、132をセラミック本体の厚さ方向の一側のみに配置すると、上述した問題点を解決することができる。
【0033】
上記セラミック本体110は、複数の誘電体層111及び内部電極121、122を積層した後、焼成して形成される。該セラミック本体110の形状、寸法及び誘電体層111の積層数は本実施形態に図示されたものに限定されない。
【0034】
本発明の一実施形態によると、上記誘電体層111の平均厚さは、積層セラミック電子部品の容量設計に合わせて任意に変更してもよい。
【0035】
また、誘電体層111は、高誘電率を有するセラミック粉末、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO
3)系またはチタン酸ストロンチウム(SrTiO
3)系粉末を含んでもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0036】
上記カバー層113、114は、内部電極を含まないことを除き、誘電体層111と同じ材質及び構成を有することができる。上記カバー層は、単一誘電体層または2つ以上の誘電体層を内部電極が交互に積層されたアクティブ層の幅方向の側面にそれぞれ積層して形成したとみることができ、物理的または化学的ストレスによる第1及び第2内部電極121、122の損傷を防ぐ役割を担うことができる。
【0037】
例えば、上記カバー層は、内部電極が形成されていない誘電体層を10層以上積層して形成することができる。
【0038】
上記第1及び第2内部電極121、122は特に制限されず、例えば、パラジウム(Pd)、パラジウム−銀(Pd−Ag)合金などの貴金属材料及びニッケル(Ni)、銅(Cu)のうち一つ以上の物質からなる導電性ペーストを用いて形成してもよい。
【0039】
一方、上記第1及び第2内部電極121、122は、異なる極性を有する一対の電極であって、誘電体層111上に導電性金属を含む導電性ペーストを所定の厚さに印刷して形成してもよい。
【0040】
上記第1及び第2内部電極121、122の焼成後の平均厚さは、静電容量を形成することができれば特に制限されず、例えば、1.5μm以下であってもよい。
【0041】
本発明の一実施形態によると、第1及び第2内部電極121、122は、上記セラミック本体の上面S
Tまたは下面S
Bに対して垂直となるように配置されてもよい。例えば、上記第1及び第2内部電極121、122は、積層セラミック電子部品の基板への実装時、基板と対向する面である下面(実装面)に対して垂直となるように配置されてもよい。
【0042】
本発明における第1及び第2は、異なる極性を意味することができる。
【0043】
図4は本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタ100の長さ−厚さ方向の断面図であり、誘電体層111と、誘電体層上に配置された第1及び第2内部電極121、122と、第1及び第2外部電極131、132が示されている。
【0044】
図4を参照すると、上記第1内部電極121は容量形成に主に寄与する第1メイン電極部121a、及び上記第1メイン電極部から延長して上記セラミック本体の外部面に引出される第1リード部121bを含み、上記第2内部電極122は容量形成に主に寄与する第2メイン電極部122a、及び上記第2メイン電極部から延長して上記セラミック本体の外部面に引出される第2リード部122bを含む。
【0045】
上記第1リード部121bは上記第1外部電極131と電気的に連結され、上記第2リード部122bは上記第2外部電極132と電気的に連結される。
【0046】
上記第1リード部121bは上記セラミック本体の第1端面3に露出し、上記第2リード部122bは上記セラミック本体の第2端面4に露出することができる。
【0047】
図4に示されたように、上記第1メイン電極部121a及び第2メイン電極部122aの幅をW1、上記第1リード部121b及び第2リード部122bの幅をW2とするとき、上記第1及び第2内部電極121、122はW2<W1を満たすように形成されることができる。即ち、第1及び第2メイン電極部の幅は、第1及び第2リード部の幅より広く形成されてもよい。上記のように第1及び第2リード部の幅が狭く形成されても、第1及び第2メイン電極部の幅を第1及び第2リード部の幅より広く形成することで、十分な容量を確保することができる。
【0048】
本発明の一実施形態によると、
図4に示されたように、上記第1及び第2メイン電極部121a、122aの一端部と上記第1及び第2リード部121b、122bの一端部は、それぞれ同一線上に形成されてもよい。例えば、第1メイン電極部と第1リード部の下側端部が同一線上に形成され、第2メイン電極部と第2リード部の下側端部が同一線上に形成されてもよい。上記のように、第1及び第2リード部が第1及び第2メイン電極部より狭い幅に形成され、それぞれの下側端部が同一線上に形成されると、セラミック本体内で相対的に下側に配置された第1及び第2リード部によりセラミック本体の重心がセラミック本体の厚さ方向の下側に移動することができ、これにより、積層セラミックキャパシタをより安定的に基板に実装することができる。
【0049】
これに制限されないが、セラミック本体の重心を効率的にセラミック本体の厚さ方向の下側に移動させるために、上記第1リード部121bの上記第1端面3に露出した領域の長さと上記第2リード部122bの上記第2端面4に露出した領域の長さは、上記セラミック本体の厚さの2/5以下となることが好ましい。第1リード部と第2リード部の第1及び第2端面に露出した領域の長さがセラミック本体の厚さの2/5を超えると、重心が一定水準まで低くなった後再び上昇することがあるため、第1リード部と第2リード部の第1及び第2端面に露出した領域の長さは、セラミック本体の厚さの2/5以下に形成されることが好ましいが、必ずしもこれに限定されない。
【0050】
特に、本発明の一実施形態によると、上記第1及び第2内部電極121、122は、上記セラミック本体110の幅方向に積層されることにより、外部電極131、132が厚さ方向の一側のみに形成されても、内部電極121、122の積層数には影響を与えない。
【0051】
本発明の一実施形態と異なり、上記第1及び第2内部電極が上記セラミック本体の厚さ方向に積層され、外部電極が厚さ方向の一側のみに形成されると、第1及び第2内部電極はセラミック本体内で外部電極が配置された厚さ範囲に形成されないと、外部電極と電気的に連結されない。しかし、本発明の一実施形態のように、内部電極121、122がセラミック本体の幅方向に積層されると、内部電極のリード部121b、122bの幅及び位置を決めることで、内部電極121、122と外部電極131、132との電気的連結を確保することができるため、外部電極131、132が第1及び第2端面3、4のセラミック本体110の厚さ方向の一側のみに形成されても、内部電極121、122の積層数には影響を与えないことができる。
【0052】
従って、本発明の一実施形態によると、実装安定性を確保しながらも、大容量の具現が可能な積層セラミックキャパシタを提供することができる。
【0053】
本発明の一実施形態によると、上記外部電極131、132は、セラミック本体の第1端面3及び第2端面4のうちセラミック本体の上面S
Tと隣接する所定の領域が露出するように、上記第1端面3及び第2端面4のうちセラミック本体の下面S
Bと隣接する所定の領域に配置されてもよい。
【0054】
本発明の一実施形態によると、上記外部電極131、132はセラミック本体110の第1端面3及び第2端面4に配置されるが、上記セラミック本体110の厚さ方向の一側のみに形成されることができる。
【0055】
特に、上記第1及び第2外部電極131、132は、実装面となるセラミック本体の下面に隣接するように、セラミック本体110の第1端面3及び第2端面4のセラミック本体110の厚さ方向の下側のみに形成されてもよい。
【0056】
例えば、上記第1及び第2外部電極131、132は、それぞれ上記第1及び第2端面3、4に形成されるが、上記セラミック本体の下面S
Bと第1及び第2端面3、4が接する角から第1及び第2端面の所定の高さまで形成されることができ、上記セラミック本体の上面S
Tと上記第1及び第2端面3、4が接する角と隣接する第1及び第2端面の所定の領域には外部電極131、132が配置されないため、露出することができる。
【0057】
また、上記第1及び第2外部電極131、132は第1及び第2端面からセラミック本体の下面に延長されてもよい。例えば、上記第1及び第2外部電極はセラミック本体の下面に延長されたバンド部を含んでもよい。
【0058】
また、上記第1及び第2外部電極131、132は上記第1及び第2リード部121b、122bのセラミック本体の外部面に露出した領域を全て覆うように形成されてもよい。第1及び第2リード部のセラミック本体の外部面に露出した領域が外部電極により覆われないと、外部の物理的・化学的刺激によりセラミック本体が損傷する恐れが高くなる可能性がある。
【0059】
これに制限されないが、積層セラミックキャパシタの重心をセラミック本体の厚さ方向の下側に効率的に移動させるために、上記第1及び第2端面3、4に配置された第1及び第2外部電極131、132の高さは、上記セラミック本体の厚さの1/2以下であることが好ましい。
【0060】
本発明の一実施形態と異なり、外部電極が上記セラミック本体の厚さ方向の中心部を基準として実質的に対称に形成されると、積層セラミックキャパシタの重心はセラミック本体の重心と略類似する位置に形成される。しかし、本発明の一実施形態のように、第1及び第2外部電極131、132がセラミック本体の厚さ方向の下側のみにセラミック本体の第1及び第2端面に配置されると、積層セラミックキャパシタの重心をセラミック本体の厚さ方向の下側に移動させて基板への実装時に実装安定性を付与することができる。
【0061】
上記第1及び第2外部電極131、132はこれに制限されないが、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)などで形成されてもよい。
【0062】
これに制限されないが、上記第1及び第2外部電極131、132は、上記金属粉末にガラスフリットを添加して用意した導電性ペーストを塗布した後、焼成することで形成することができる。
【0063】
上記導電性ペーストは、セラミック本体を導電性ペーストにディッピング(dipping)する方式またはスクリーン印刷方式で塗布してもよいが、これに制限されない。
【0064】
ディッピング(dipping)方法により導電性ペーストを塗布する場合には、上記第1及び第2リード部が露出したセラミック本体の厚さ方向の一側に導電性ペーストが塗布されるように、セラミック本体を一定角度傾けてディッピングすることができる。
【0065】
上述したように、本発明の一実施形態によると、上記外部電極が上記セラミック本体の厚さ方向の下部のみに形成されることで、積層セラミックキャパシタの重心がセラミック本体の重心より厚さ方向の下側に配置されることができ、これにより、セラミックキャパシタの基板への実装時、チップ倒れ現象が改善されて実装安定性を確保することができる。
【0066】
積層セラミックキャパシタの実装基板200
図5は、本発明の一実施形態による積層セラミックキャパシタの実装基板200を示した斜視図である。
【0067】
図5を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の実装基板200は、積層セラミックキャパシタ100と、積層セラミックキャパシタ100が実装される印刷回路基板210と、印刷回路基板210の上面に相互離隔されて形成された第1及び第2電極パッド221、222と、を含む。
【0068】
このとき、積層セラミック電子部品100は、第1及び第2外部電極131、132がそれぞれ第1及び第2電極パッド221、222上に接触するように位置した状態で、半田230により印刷回路基板210と電気的に連結されてもよい。
【0069】
即ち、本実施形態によると、上部に第1及び第2電極パッドを有する印刷回路基板と、上記印刷回路基板上に設けられた積層セラミックキャパシタと、を含み、上記積層セラミックキャパシタは、複数の誘電体層を含み、厚さ方向に対向する上面及び下面、長さ方向に対向する第1端面及び第2端面を有し、幅より厚さが大きいセラミック本体、上記第1端面及び第2端面の上記セラミック本体の厚さ方向の一側のみにそれぞれ配置される第1外部電極及び第2外部電極、及び上記セラミック本体内で一つ以上の誘電体層を介して上記セラミック本体の幅方向に積層され、且つ第1外部電極及び第2外部電極とそれぞれ連結される第1内部電極及び第2内部電極を含み、上記セラミック本体の下面が上記印刷回路基板と隣接して対向するように実装された積層セラミックキャパシタの実装基板200を提供することができる。
【0070】
上記積層セラミックキャパシタ100は、セラミック本体110の外部面に形成され、上記第1及び第2内部電極とそれぞれ連結される第1及び第2外部電極を含んでもよく、上記第1及び第2外部電極131、132は上記セラミック本体の下面と隣接するように上記セラミック本体の厚さ方向の一側のみに形成されるため、基板への実装時に安定性が増加することができる。
【0071】
上記積層セラミックキャパシタの実装基板に関する内容のうち上述した積層セラミック電子部品と同じ事項は、説明の重複を避けるために、ここではその説明を省略する。
【0072】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
【符号の説明】
【0073】
100 積層セラミックキャパシタ
110 セラミック本体
111 誘電体層
121、122 第1及び第2内部電極
131、132 第1及び第2外部電極
200 実装基板
210 印刷回路基板
221、222 第1及び第2電極パッド
230 半田