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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-201809(P2015-201809A)
(43)【公開日】2015年11月12日
(54)【発明の名称】受信装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/033 20060101AFI20151016BHJP
   H03L 7/08 20060101ALI20151016BHJP
【FI】
   H04L7/02 B
   H03L7/08 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-80815(P2014-80815)
(22)【出願日】2014年4月10日
(71)【出願人】
【識別番号】399011195
【氏名又は名称】ザインエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100110582
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 昌聰
(72)【発明者】
【氏名】三浦 賢
【テーマコード(参考)】
5J106
5K047
【Fターム(参考)】
5J106BB02
5J106CC03
5J106CC21
5J106CC31
5J106EE07
5J106EE09
5J106GG01
5J106GG04
5J106GG05
5J106HH01
5J106HH02
5J106HH08
5J106KK29
5K047AA12
5K047GG11
5K047KK15
5K047MM38
5K047MM50
5K047MM60
(57)【要約】
【課題】デジタル信号において一時的なノイズ重畳がなくなった後に該デジタル信号から本来のデータおよびクロックを復元することができるようになるまでの時間を短縮することができる受信装置を提供する。
【解決手段】受信装置20は、レシーバ部21、電圧制御発振器22、サンプラ部23、制御電圧生成部24、異常検出部25、トレーニング制御部26およびイコライザ制御部27を備える。レシーバ部21はイコライザ部21Aを含む。受信装置20は、異常検出部25がデジタル信号の異常を検出すると、制御電圧生成部24による位相周波数の比較を停止させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信装置から送出されて伝送路を介して到達したデジタル信号を受信する受信装置であって、
制御電圧を入力し、前記制御電圧の値に応じた周波数のクロックを出力する電圧制御発振器と、
前記デジタル信号を入力するとともに、前記電圧制御発振器から出力されたクロックを入力し、前記クロックが指示するタイミングにおける前記デジタル信号のデータをサンプリングしホールドして出力するサンプラ部と、
前記デジタル信号または前記データと前記クロックとの間における位相または周波数の差を求め、その差が小さくなるような値を有する前記制御電圧を生成して前記電圧制御発振器へ出力する制御電圧生成部と、
前記デジタル信号の異常を検出する異常検出部と、
を備え、
前記異常検出部が前記デジタル信号の異常を検出すると、前記制御電圧生成部による位相周波数の比較を停止させる、
ことを特徴とする受信装置。
【請求項2】
送信装置から送出されて伝送路を介して到達したデジタル信号を受信する受信装置であって、
制御電圧を入力し、前記制御電圧の値に応じた周波数のクロックを出力する電圧制御発振器と、
受信した前記デジタル信号における前記伝送路の特性による波形変化を補償するイコライザ部と、
前記イコライザ部による補償動作を制御するイコライザ制御部と、
前記イコライザ部から出力された前記デジタル信号を入力するとともに、前記電圧制御発振器から出力されたクロックを入力し、前記クロックが指示するタイミングにおける前記デジタル信号のデータをサンプリングしホールドして出力するサンプラ部と、
前記デジタル信号または前記データと前記クロックとの間における位相または周波数の差を求め、その差が小さくなるような値を有する前記制御電圧を生成して前記電圧制御発振器へ出力する制御電圧生成部と、
前記デジタル信号の異常を検出する異常検出部と、
を備え、
前記異常検出部が前記デジタル信号の異常を検出すると、前記イコライザ制御部による制御動作を停止させ、その異常検出前の前記イコライザ部による補償動作を継続させる、
ことを特徴とする受信装置。
【請求項3】
送信装置から送出されて伝送路を介して到達したデジタル信号を受信する受信装置であって、
制御電圧を入力し、前記制御電圧の値に応じた周波数のクロックを出力する電圧制御発振器と、
前記デジタル信号を入力するとともに、前記電圧制御発振器から出力されたクロックを入力し、前記クロックが指示するタイミングにおける前記デジタル信号のデータをサンプリングしホールドして出力し、かつ、その結果をもちいて受信した前記デジタル信号における前記伝送路の特性による波形変化を補償するサンプラ部と、
前記サンプラ部による補償動作を制御するイコライザ制御部と、
前記デジタル信号または前記データと前記クロックとの間における位相または周波数の差を求め、その差が小さくなるような値を有する前記制御電圧を生成して前記電圧制御発振器へ出力する制御電圧生成部と、
前記デジタル信号の異常を検出する異常検出部と、
を備え、
前記異常検出部が前記デジタル信号の異常を検出すると、前記イコライザ制御部による制御動作を停止させ、その異常検出前の前記サンプラ部による補償動作を継続させる、
ことを特徴とする送信装置。
【請求項4】
送信装置から送出されて伝送路を介して到達したデジタル信号を受信する受信装置であって、
制御電圧を入力し、前記制御電圧の値に応じた周波数のクロックを出力する電圧制御発振器と、
前記デジタル信号を入力するとともに、前記電圧制御発振器から出力されたクロックを入力し、前記クロックが指示するタイミングにおける前記デジタル信号のデータをサンプリングしホールドして出力するサンプラ部と、
前記デジタル信号または前記データと前記クロックとの間における位相または周波数の差を求め、その差が小さくなるような値を有する前記制御電圧を生成して前記電圧制御発振器へ出力する制御電圧生成部と、
前記デジタル信号の異常を検出する異常検出部と、
前記異常検出部が前記デジタル信号の異常を検出すると、トレーニングパターンを送出するよう前記送信装置に対して指示するとともに、前記送信装置から送出されて到達したトレーニングパターンまたは前記サンプラ部から出力された前記データに基づいて周波数の比較をするよう前記制御電圧生成部に対して指示するトレーニング制御部と、
を備えることを特徴とする受信装置。
【請求項5】
前記異常検出部は、前記サンプラ部から出力されたデータのパターンに基づいて前記デジタル信号の異常を検出する、ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の受信装置。
【請求項6】
前記異常検出部は、受信した前記デジタル信号の電圧値に基づいて前記デジタル信号の異常を検出する、ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の受信装置。
【請求項7】
デジタル信号を送出する送信装置と、前記送信装置から送出されて伝送路を介して到達した前記デジタル信号を受信する請求項1〜6の何れか1項に記載の受信装置と、を備えることを特徴とする送受信システム。
【請求項8】
デジタル信号を送出する送信装置と、前記送信装置から送出されて伝送路を介して到達した前記デジタル信号を受信する請求項4に記載の受信装置と、を備え、
前記受信装置がトレーニングパターンの送出を前記送信装置に対して指示すると、前記送信装置がトレーニングパターンを前記受信装置へ送出する、
ことを特徴とする送受信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
データにクロック情報を埋め込んだデジタル信号を送信装置から伝送路へ送出して、その伝送路を経て到達したデジタル信号を受信した受信装置においてデータおよびクロックを復元するCDR(clock data recovery)技術が知られている(特許文献1参照)。CDR技術では、受信装置は、復元したクロックによりデジタル信号をサンプリングすることで復元したデータを生成するとともに、デジタル信号または復元データと復元クロックとの間で位相および周波数が一致するようにフィードバック制御を行って復元クロックを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2009/060763号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
CDR技術を採用する送信装置および受信装置を備える送受信システムにおいて、送信装置から伝送路を経て受信装置へデジタル信号が伝送される際に、静電気等の外因によりデジタル信号に一時的にノイズが重畳する場合がある。この場合、受信装置は、フィードバック制御により、ノイズが重畳されたデジタル信号に基づいてデータおよびクロックを復元しようとすると、本来の周波数・位相と大きく異なる周波数・位相のクロックを復元してしまい、また、本来の値と異なる値のデータを復元してしまう。
【0005】
そして、デジタル信号においてノイズの重畳がなくなった後、受信装置は、フィードバック制御により、ノイズが重畳がされていないデジタル信号に基づいて、本来の周波数・位相を有するクロックを復元することができるようになり、また、本来の値を有するデータを復元することができるようになる。しかし、従来の技術では、デジタル信号において一時的なノイズ重畳がなくなった後に該デジタル信号から本来のデータおよびクロックを復元することができるようになるまで長時間を要する場合がある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、デジタル信号において一時的なノイズ重畳がなくなった後に該デジタル信号から本来のデータおよびクロックを復元することができるようになるまでの時間を短縮することができる受信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の受信装置は、送信装置から送出されて伝送路を介して到達したデジタル信号を受信する受信装置であって、制御電圧を入力し、制御電圧の値に応じた周波数のクロックを出力する電圧制御発振器と、デジタル信号を入力するとともに、電圧制御発振器から出力されたクロックを入力し、クロックが指示するタイミングにおけるデジタル信号のデータをサンプリングしホールドして出力するサンプラ部と、デジタル信号またはデータとクロックとの間における位相または周波数の差を求め、その差が小さくなるような値を有する制御電圧を生成して電圧制御発振器へ出力する制御電圧生成部と、デジタル信号の異常を検出する異常検出部と、を備え、異常検出部がデジタル信号の異常を検出すると、制御電圧生成部による位相周波数の比較を停止させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の受信装置は、送信装置から送出されて伝送路を介して到達したデジタル信号を受信する受信装置であって、制御電圧を入力し、制御電圧の値に応じた周波数のクロックを出力する電圧制御発振器と、受信したデジタル信号における伝送路の特性による波形変化を補償するイコライザ部と、イコライザ部による補償動作を制御するイコライザ制御部と、イコライザ部から出力されたデジタル信号を入力するとともに、電圧制御発振器から出力されたクロックを入力し、クロックが指示するタイミングにおけるデジタル信号のデータをサンプリングしホールドして出力するサンプラ部と、デジタル信号またはデータとクロックとの間における位相または周波数の差を求め、その差が小さくなるような値を有する制御電圧を生成して電圧制御発振器へ出力する制御電圧生成部と、デジタル信号の異常を検出する異常検出部と、を備え、異常検出部がデジタル信号の異常を検出すると、イコライザ制御部による制御動作を停止させ、その異常検出前のイコライザ部による補償動作を継続させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の受信装置は、送信装置から送出されて伝送路を介して到達したデジタル信号を受信する受信装置であって、制御電圧を入力し、制御電圧の値に応じた周波数のクロックを出力する電圧制御発振器と、デジタル信号を入力するとともに、電圧制御発振器から出力されたクロックを入力し、クロックが指示するタイミングにおけるデジタル信号のデータをサンプリングしホールドして出力し、かつ、その結果をもちいて受信したデジタル信号における伝送路の特性による波形変化を補償するサンプラ部と、サンプラ部による補償動作を制御するイコライザ制御部と、デジタル信号またはデータとクロックとの間における位相または周波数の差を求め、その差が小さくなるような値を有する制御電圧を生成して電圧制御発振器へ出力する制御電圧生成部と、デジタル信号の異常を検出する異常検出部と、を備え、異常検出部がデジタル信号の異常を検出すると、イコライザ制御部による制御動作を停止させ、その異常検出前のサンプラ部による補償動作を継続させることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の受信装置は、送信装置から送出されて伝送路を介して到達したデジタル信号を受信する受信装置であって、制御電圧を入力し、制御電圧の値に応じた周波数のクロックを出力する電圧制御発振器と、デジタル信号を入力するとともに、電圧制御発振器から出力されたクロックを入力し、クロックが指示するタイミングにおけるデジタル信号のデータをサンプリングしホールドして出力するサンプラ部と、デジタル信号またはデータとクロックとの間における位相または周波数の差を求め、その差が小さくなるような値を有する制御電圧を生成して電圧制御発振器へ出力する制御電圧生成部と、デジタル信号の異常を検出する異常検出部と、異常検出部がデジタル信号の異常を検出すると、トレーニングパターンを送出するよう送信装置に対して指示するとともに、送信装置から送出されて到達したトレーニングパターンまたはサンプラ部から出力されたデータに基づいて周波数の比較をするよう制御電圧生成部に対して指示するトレーニング制御部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の受信装置では、異常検出部は、サンプラ部から出力されたデータのパターンに基づいてデジタル信号の異常を検出してもよいし、受信したデジタル信号の電圧値に基づいてデジタル信号の異常を検出してもよい。
【0012】
本発明の送受信システムは、デジタル信号を送出する送信装置と、送信装置から送出されて伝送路を介して到達したデジタル信号を受信する上記の本発明の受信装置と、を備えることを特徴とする。また、受信装置がトレーニングパターンの送出を送信装置に対して指示すると、送信装置がトレーニングパターンを受信装置へ送出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、デジタル信号において一時的なノイズ重畳がなくなった後に該デジタル信号から本来のデータおよびクロックを復元することができるようになるまでの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態の送受信システム1の構成を示す図である。
図2】CDRにおける状態遷移を説明する図である。
図3】受信装置20の変形例の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
図1は、本実施形態の送受信システム1の構成を示す図である。送受信システム1は、送信装置10および受信装置20を備える。送信装置10と受信装置20とは、伝送路31,32により接続されている。送信装置10は、データにクロック情報を埋め込んだデジタル信号を伝送路31へ送出する。受信装置20は、伝送路31を経て到達したデジタル信号を受信して、そのデジタル信号に基づいてデータおよびクロックを復元する。
【0017】
送信装置10は、ドライバ部11およびトレーニングパターン生成部12を備える。ドライバ部11は、デジタル信号を伝送路31へ送出する他、トレーニングパターン生成部12により生成されて出力されたトレーニングパターン(例えば1ビット毎に値がトグルするパターン)をも伝送路31へ送出する。
【0018】
受信装置20は、レシーバ部21、電圧制御発振器22、サンプラ部23、制御電圧生成部24、異常検出部25、トレーニング制御部26およびイコライザ制御部27を備える。レシーバ部21はイコライザ部21Aを含む。レシーバ部21は、伝送路31を経て到達したデジタル信号を入力して、そのデジタル信号に対してイコライザ部21Aによる処理等を行った後、その処理後のデジタル信号をサンプラ部23へ出力する。イコライザ部21Aは、受信したデジタル信号における伝送路31の特性による波形変化を補償して、その補償後のデジタル信号を出力する。
【0019】
電圧制御発振器22は、制御電圧生成部24から出力された制御電圧Vcを入力し、その制御電圧Vcの値に応じた周波数のクロックを出力する。サンプラ部23は、レシーバ部21から出力されたデジタル信号を入力するとともに、電圧制御発振器22から出力されたクロックを入力し、クロックが指示するタイミングにおけるデジタル信号のデータをサンプリングしホールドして出力する。サンプラ部23はイコライザ部23Aを含む。イコライザ部23Aは、サンプリングしホールドしたデータを用いて、受信したデジタル信号における伝送路31の特性による波形変化を補償する。
【0020】
制御電圧生成部24は、レシーバ部21から出力されたデジタル信号またはサンプラ部23から出力されたデータと電圧制御発振器22から出力されたクロックとの間における位相または周波数の差を求める。そして、制御電圧生成部24は、その差が小さくなるような値を有する制御電圧Vcを生成して電圧制御発振器22へ出力する。
【0021】
制御電圧生成部24は、位相周波数比較部、チャージポンプおよびループフィルタを含んで構成される。位相周波数比較部は、サンプラ部23においてオーバーサンプリングにより得られたデータに基づいて、データとクロックとの間における位相または周波数の関係を求める。チャージポンプは、位相周波数比較部により求められた位相または周波数の関係に応じて充電または放電の何れかの電流パルスをループフィルタへ出力する。ループフィルタは、容量素子を含み、チャージポンプによる容量素子への充電または放電によって出力電圧(制御電圧Vc)を増減する。
【0022】
電圧制御発振器22、サンプラ部23および制御電圧生成部24は、フィードバックループを構成している。このフィードバックループにより、サンプラ部23から出力されたデータと電圧制御発振器22から出力されたクロックとの間における位相および周波数の差が小さくなるように制御される。この状態において電圧制御発振器22から出力されるクロックは、受信したデジタル信号に基づいて復元されたクロックとなる。また、サンプラ部23から出力されるデータは、受信したデジタル信号に基づいて復元されたデータとなる。
【0023】
異常検出部25は、デジタル信号の異常を検出する。異常検出部25は、サンプラ部23から出力されたデータのパターンに基づいてデジタル信号の異常を検出することができる。符号化(例えば8B10B符号化)が為された後のデータのパターンは、その符号化に基づく制約を受ける結果、連続する所定数のビットのレベルが同一となることはなく、連続する所定数のビットのレベルの平均値が所定範囲から外れることはない。そこで、異常検出部25は、サンプラ部23から出力されるデータのパターンがその制約条件から外れている場合に、デジタル信号が異常であることを検知することができる。
【0024】
トレーニング制御部26は、トレーニングパターンを送出するよう送信装置10に対して指示する信号を伝送路32へ送出する。この信号を受けた送信装置10は、トレーニングパターン生成部12により生成されて出力されたトレーニングパターンをドライバ部11から伝送路31へ送出する。また、トレーニング制御部26は、送信装置10から送出されて到達したトレーニングパターンまたはサンプラ部23から出力されたデータに基づいて周波数の比較をするよう制御電圧生成部24に対して指示する。
【0025】
イコライザ制御部27は、サンプラ部23から出力されたデータに基づいて、イコライザ部21Aによるデジタル信号の波形補償の動作を制御する。例えば、イコライザ部21Aは、受信したデジタル信号のうち高周波成分を選択的に増幅することで、デジタル信号の波形を補償する。イコライザ制御部27は、サンプラ部23から出力されたデータに基づいて、イコライザ部21Aにおける高周波成分に対する増幅率が適正範囲であるか否かを判断し、その判断結果に基づいてイコライザ部21Aにおける高周波成分に対する増幅率を制御する。
【0026】
図2は、CDRにおける状態遷移を説明する図である。CDRにおける状態として、イニシャル状態、トレーニング状態および通常状態がある。イニシャル状態では、送信装置10および受信装置20は信号伝送の前準備をする。このようなイニシャライズが終了するとイニシャル状態からトレーニング状態へ遷移する。トレーニング状態では、送信装置10はトレーニングパターンを送出する。受信装置20は、そのトレーニングパターンに基づいてデータとクロックとの間で周波数比較を行って、両者間で周波数の同期をとる周波数比較状態になる。このような周波数同期が終了するとトレーニング状態から通常状態へ遷移する。通常状態では、送信装置10は通常データ(例えば画像データ)を送出する。受信装置20は、その通常データに基づいてデータとクロックとの間で位相比較を行って、両者間で位相の同期をとり、データおよびクロックを復元することができる。
【0027】
受信したデジタル信号に重畳されたノイズが存在しない又は小さい場合(デジタル信号が正常である場合)、イニシャル状態からトレーニング状態に遷移し、トレーニング状態から更に通常状態に遷移し、データとクロックとの間で位相同期をとる通常状態が継続する。この場合においては、データおよびクロックを正常に復元することができる。
【0028】
もし、通常状態において、送信装置10から伝送路31を経て受信装置20へデジタル信号が伝送される際に、静電気等の外因によりデジタル信号にノイズが重畳している場合(デジタル信号が異常である場合)、データとクロックとの間の位相同期のずれが大きくなると、通常状態からトレーニング状態へ遷移する。また、トレーニング状態において周波数同期のずれが大きくなると、トレーニング状態からイニシャル状態へ遷移する。デジタル信号にノイズが重畳している間も、イニシャル状態からトレーニング状態に遷移するように制御され、また、トレーニング状態から通常状態に遷移するように制御される。ただし、この場合においては復元されるデータおよびクロックは正確ではない。
【0029】
デジタル信号が異常の場合から正常である場合へ復帰すると、それまで通常状態であっても、データとクロックとの間の位相同期のずれが大きくなるので、通常状態からトレーニング状態へ遷移する。また、このトレーニング状態において周波数同期のずれが大きければ、トレーニング状態からイニシャル状態へ遷移する。したがって、イニシャル状態からトレーニング状態に遷移し、トレーニング状態から更に通常状態に遷移した後に、本来の周波数・位相を有するクロックを復元することができるようになり、また、本来の値を有するデータを復元することができるようになる。その結果、デジタル信号において一時的なノイズ重畳がなくなった後に本来のデータおよびクロックを復元することができるようになるまで長時間を要する場合がある。
【0030】
また、イコライザ部21Aによるデジタル信号の波形補償の動作を制御するイコライザ制御部27は、デジタル信号に一時的にノイズが重畳するとイコライザ部21Aを最適でない状態に移行させ、その後にデジタル信号が正常である場合へ復帰したときにイコライザ部21Aを最適な状態に戻すことになる。この場合も、イコライザ部21Aを最適な状態に戻して本来のデータおよびクロックを復元することができるようになるまで長時間を要する場合がある。
【0031】
そこで、本実施形態の受信装置20は、異常検出部25がデジタル信号の異常を検出すると、以下の処理1〜4の何れかを行う。なお、処理1〜4のうちの2または3の処理を行ってもよいし、処理1〜4の全ての処理を行ってもよい。
【0032】
処理1では、受信装置20は、異常検出部25がデジタル信号の異常を検出すると、制御電圧生成部24による位相周波数の比較を停止させる。これにより、その異常検出前の周波数のクロックの出力を電圧制御発振器22に継続させることができる。ノイズがなくなった後の周波数ずれを小さく抑えることができ、本来のデータおよびクロックを復元することができるようになるまでの時間を短縮することができる。
【0033】
処理2では、受信装置20は、異常検出部25がデジタル信号の異常を検出すると、イコライザ制御部27による制御動作を停止させ、その異常検出前のイコライザ部21Aによる補償動作を継続させる。これにより、ノイズがなくなった後のイコライザ部21Aの状態遷移を小さく抑えることができ、本来のデータおよびクロックを復元することができるようになるまでの時間を短縮することができる。
【0034】
処理3では、受信装置20は、異常検出部25がデジタル信号の異常を検出すると、イコライザ制御部27による制御動作を停止させ、その異常検出前のイコライザ部23Aによる補償動作を継続させる。これにより、ノイズがなくなった後のイコライザ部23Aの状態遷移を小さく抑えることができ、本来のデータおよびクロックを復元することができるようになるまでの時間を短縮することができる。
【0035】
処理4では、受信装置20は、異常検出部25がデジタル信号の異常を検出すると、トレーニング制御部26により、トレーニングパターンを送出するよう送信装置10に対して指示するとともに、送信装置10から送出されて到達したトレーニングパターンまたはサンプラ部23から出力されたデータに基づいて周波数の比較をするよう制御電圧生成部24に対して指示する。このように、予め受信装置20をトレーニングパターン入力かつ周波数比較状態にすることにより、ノイズがなくなった後に直ちに周波数同期をすることができるようになる。周波数同期の能力が向上するので、再度イニシャル状態に移行することなく周波数同期するようになり、本来のデータおよびクロックを復元することができるようになるまでの時間を短縮することができる。
【0036】
このように、本実施形態では、デジタル信号において一時的なノイズ重畳がなくなった後に本来のデータおよびクロックを復元することができるようになるまでの時間を短縮することができ、その結果として伝送特性を向上させることができる。
【0037】
図3は、受信装置20の変形例の構成を示す図である。図1に示された受信装置20の異常検出部25は、サンプラ部23から出力されたデータのパターンに基づいてデジタル信号の異常を検出したのに対して、図3に示される受信装置20の異常検出部25は、受信したデジタル信号の電圧値に基づいてデジタル信号の異常を検出する。すなわち、この異常検出部25は、デジタル信号の電圧値が通常動作時の電圧範囲から外れている場合に、デジタル信号が異常であることを検知することができる。伝送路31が差動線路である場合、異常検出部25は、差動線路を構成する2本の線路それぞれの電圧値が通常動作時の電圧範囲から外れているか否かをモニタしてもよいし、これら2本の線路それぞれの電圧値の差が通常動作時の電圧範囲から外れているか否かをモニタしてもよい。
【0038】
この場合も、受信装置20は、異常検出部25がデジタル信号の異常を検出すると、上記の処理1〜4の何れかを行う。これにより、デジタル信号において一時的なノイズ重畳がなくなった後に本来のデータおよびクロックを復元することができるようになるまでの時間を短縮することができ、その結果として伝送特性を向上させることができる。
【0039】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、異常検出部25がデジタル信号の異常を検出すると直ちに上記の処理1〜4の何れかを行うようにしてもよいし、異常検出部25がデジタル信号の異常を検出する期間が一定時間以上に亘って継続したときに処理1〜4の何れかを行うようにしてもよい。また、異常検出部25がデジタル信号の異常検出を終了すると処理1〜4を終了してもよいし、処理1〜4を開始してしてから一定時間が経過したときに各処理を終了してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…送受信システム、10…送信装置、11…ドライバ部、12…トレーニングパターン生成部、20…受信装置、21…レシーバ部、21A…イコライザ部、22…電圧制御発振器、23…サンプラ部、24…制御電圧生成部、25…異常検出部、26…トレーニング制御部、27…イコライザ制御部、31,32…伝送路。
図1
図2
図3